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平成29(ネ)10048職務発明対価等請求控訴事件

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裁判所 控訴棄却 知的財産高等裁判所 東京地方裁判所
裁判年月日 平成29年9月19日
事件種別 民事
当事者 控訴人X日本原子力研究開発機構
被控訴人国立研究開発法人
法令 特許権
特許法35条3項1回
キーワード 特許権11回
職務発明4回
損害賠償3回
主文 1 原判決中控訴人の原判決別紙特許権目録記載の各特許権を維持された状態に戻す手続をせよとの請求に係る部分についての控訴を却下する。
2 その余の本件控訴を棄却する。
3 控訴人の当審における拡張請求を棄却する。
4 当審における訴訟費用は控訴人の負担とする。
事件の概要 1 本件は,被控訴人の前身である日本原子力研究所(原研)の職員であった控 訴人が,原研の権利義務を包括承継した被控訴人に対し,①控訴人がその在職中に 行った職務発明につき,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条3項 に基づく相当な対価として1億円の支払を求めるとともに,②原研が上記職務発明 に係る原判決別紙特許権目録記載の各特許権(本件各特許権)を控訴人の意思に反 して放棄したこと等が不法行為に当たると主張して,(ⅰ)損害賠償金100万円の 支払,(ⅱ)本件各特許権を維持された状態に戻す手続及び(ⅲ)謝罪を求めた事案で ある。 2 原判決は,控訴人の請求をいずれも棄却した。

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判決文

平成29年9月19日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成29年(ネ)第10048号 職務発明対価等請求控訴事件
原審・東京地方裁判所平成28年(ワ)第36784号
口頭弁論終結日 平成29年8月29日
判 決

控 訴 人 X

被 控 訴 人 国立研究開発法人
日本原子力研究開発機構

同 指 定 代 理 人 磯 部 篤
樋 口 英 明
伊 藤 修
芳 賀 依 子
主 文
1 原判決中控訴人の原判決別紙特許権目録記載の各特許権を維持
された状態に戻す手続をせよとの請求に係る部分についての控訴
を却下する。
2 その余の本件控訴を棄却する。
3 控訴人の当審における拡張請求を棄却する。
4 当審における訴訟費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,300万円を支払え(控訴人は,当審において,

原審における100万円の損害賠償請求を300万円に拡張した。)。
3 被控訴人は,控訴人に対し,原判決別紙特許権目録記載の各特許権を維持さ
れた状態に戻す手続をせよ。
4 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
第2 事案の概要(略称は,特に断らない限り,原判決に従う。)
1 本件は,被控訴人の前身である日本原子力研究所(原研)の職員であった控
訴人が,原研の権利義務を包括承継した被控訴人に対し,①控訴人がその在職中に
行った職務発明につき,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条3項
に基づく相当な対価として1億円の支払を求めるとともに,②原研が上記職務発明
に係る原判決別紙特許権目録記載の各特許権(本件各特許権)を控訴人の意思に反
して放棄したこと等が不法行為に当たると主張して,(ⅰ)損害賠償金100万円の
支払,(ⅱ)本件各特許権を維持された状態に戻す手続及び(ⅲ)謝罪を求めた事案で
ある。
2 原判決は,控訴人の請求をいずれも棄却した。
3 そこで,控訴人が,原判決を不服として,前記②(ⅰ)(ⅱ)の部分につき控訴
を提起した。なお,控訴人は,当審において,前記②(ⅰ)の損害賠償請求を300
万円に拡張した。
4 前提事実は,原判決「事実及び理由」の第2の1記載のとおりであるから,
これを引用する。
5 争点及び当事者の主張は,以下のとおり,当審における当事者の主張を付加
するほかは,原判決「事実及び理由」の第2の2記載のとおりであるから,これを
引用する。
[控訴人の主張]
(1) 被控訴人による不正な事務処理により,控訴人は職務発明の対価の損失を受
けた。その損害額は200万円を下らない。
(2) 控訴人の特許放棄回答書の業務課への受渡しを行った当時の控訴人の上司

によりなされたと強く推定され,被控訴人らにより協力されたと推定される有印公
文書偽造行為によって控訴人は侮辱を受けた。その精神的苦痛を慰謝するための慰
謝料は100万円が相当である。
[被控訴人の主張]
控訴人は,被控訴人らにより協力されたと推定される有印公文書偽造行為によっ
て控訴人が侮辱を受けたなどと主張するが,事実無根である。
第3 当裁判所の判断
1 控訴人は,本件控訴のうち,本件各特許権を維持された状態に戻す手続をせ
よとの請求に係る部分について,追加納付すべき控訴提起の手数料 1 万2000円
を納付しない。したがって,上記請求に係る部分の控訴は不適法であるから,これ
を却下する。
2 控訴人のその余の請求については,当裁判所もこれを棄却すべきものと判断
する。その理由は,原判決の「事実及び理由」の第3記載のとおりであるから,こ
れを引用する。
なお,控訴人は,被控訴人により不正な事務処理があったと主張するが,本件各
特許権の放棄の手続に不適正なところがあったとは認められないことは,前記(引
用に係る原判決第3の2)のとおりである。
また,控訴人は,当時の控訴人の上司が有印公文書偽造行為を行ったと推定され,
被控訴人らがこれに協力したと推定されるなどとも主張するが,具体的な事実の主
張立証はしていない。
そして,以上の検討によれば,控訴人の当審における拡張請求も理由がないこと
は,明らかである。
3 結論
よって,本件控訴のうち,原判決が本件各特許権を維持された状態に戻す手続を
せよとの請求を棄却した部分についての控訴は不適法であるから,これを却下し,
控訴人の被控訴人に対するその余の請求を棄却した原判決は相当であり,この部分

についての控訴は理由がないから,これを棄却することとし,控訴人の当審におけ
る拡張請求も理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第4部

裁判長裁判官 髙 部 眞 規 子


裁判官 古 河 謙 一


裁判官 関 根 澄 子

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