特開2017-133180(P2017-133180A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2017-133180シート状部材敷設装置、及び、シート状部材の敷設方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-133180(P2017-133180A)
(43)【公開日】2017年8月3日
(54)【発明の名称】シート状部材敷設装置、及び、シート状部材の敷設方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/38 20060101AFI20170707BHJP
【FI】
   E21D11/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-11814(P2016-11814)
(22)【出願日】2016年1月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100179154
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 真衣
(72)【発明者】
【氏名】坪倉 聖一
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号 鹿島建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】成田 望
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号 鹿島建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 尚洋
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号 鹿島建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】小林 真悟
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号 鹿島建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】舘 雅春
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号 鹿島建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】力石 将光
【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目3番1号 鹿島建設株式会社内
【テーマコード(参考)】
2D055
2D155
【Fターム(参考)】
2D055BA05
2D055BB01
2D055HA06
2D055LA02
2D155BA05
2D155BB01
2D155HA06
2D155LA02
(57)【要約】
【課題】トンネル内周面における下半分の領域にシート状部材を効率良く敷設する。
【解決手段】シート状部材敷設装置25は、トンネル1の底面1b上をトンネル軸方向に移動可能な架台30と、架台30からトンネル軸方向に張り出すように架台30に設けられたブラケット(柱部材41,41及び梁部材44,44)と、このブラケットに支持されてシート状部材10をトンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張可能な展張手段(テルハ50)と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内周面における下半分の領域にシート状部材を敷設する装置であって、
トンネル底面上をトンネル軸方向に移動可能な架台と、
前記架台からトンネル軸方向に張り出すように前記架台に設けられたブラケットと、
前記ブラケットに支持されて前記シート状部材を前記領域に沿ってトンネル周方向に展張可能な展張手段と、
を備える、シート状部材敷設装置。
【請求項2】
前記展張手段は、
前記ブラケットに設けられてトンネル幅方向に延在するビーム部材と、
前記ビーム部材に設けられた揚重手段と、
を備える、請求項1に記載のシート状部材敷設装置。
【請求項3】
トンネル幅方向を左右方向として、前記揚重手段がトンネルの内部空間における左側の領域と右側の領域との少なくとも一方に位置する、請求項2に記載のシート状部材敷設装置。
【請求項4】
前記ビーム部材は、トンネルの内部空間における上半分の領域に位置する、請求項2又は請求項3に記載のシート状部材敷設装置。
【請求項5】
前記揚重手段は、前記ビーム部材に沿ってトンネル幅方向に移動可能である、請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載のシート状部材敷設装置。
【請求項6】
前記揚重手段は、線状部材を巻き上げる巻上手段を含み、
前記巻上手段から繰り出される前記線状部材の先端部には、前記シート状部材のロール体の芯管に挿入される軸棒を前記先端部に接続するための接続手段が設けられている、請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載のシート状部材敷設装置。
【請求項7】
前記揚重手段は、線状部材を巻き上げる巻上手段を含み、
前記巻上手段から繰り出される前記線状部材の先端部には、前記シート状部材の一端部を前記先端部に接続するための接続手段が設けられている、請求項2〜請求項5のいずれか1つに記載のシート状部材敷設装置。
【請求項8】
前記巻上手段は、前記巻上手段からトンネル内周面に沿って繰り出された前記線状部材を巻き上げる、請求項6又は請求項7に記載のシート状部材敷設装置。
【請求項9】
前記シート状部材は水非透過性を有する、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のシート状部材敷設装置。
【請求項10】
請求項6に記載のシート状部材敷設装置であって、前記ビーム部材の両端部にそれぞれ前記巻上手段が設けられているものを用いて、トンネル内周面における下半分の領域に前記シート状部材を敷設する方法であって、
前記シート状部材をメガネ巻きにして形成された一対の前記ロール体の各々の芯管に前記軸棒を挿入すること、
前記一対の前記ロール体を、前記ブラケットの下方のトンネル内周面上に載置すること、
前記各巻上手段から前記線状部材をトンネル内周面に沿って下方に繰り出して、前記線状部材の先端部に前記接続手段を介して前記軸棒を接続すること、及び、
前記各巻上手段によって前記線状部材を巻き上げることにより、前記一対の前記ロール体の各々を前記軸棒の軸回りに回転させつつ、前記シート状部材をトンネル内周面における下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張すること、
を含む、シート状部材の敷設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル内周面における下半分の領域にシート状部材を敷設する装置、及び、この装置を用いるシート状部材の敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シートロールに巻き付けられた防水シートを巻き戻してトンネル内壁に張設する際に使用される防水シート張り装置を開示している。この防水シート張り装置は、トンネル内壁に沿って略アーチ状に作業台車上に設けられた少なくとも一対のレール材と、これらレール材にそれぞれ移動可能に設けられる少なくとも一対の車輪部材と、これら車輪部材に取り付けられると共に、シートロールを回転可能に支持する軸部材と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−291392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、山岳トンネルの断面形状は、上に凸の半円形状であり、その施工時には特許文献1に開示のような防水シート張り装置が用いられ得る。
【0005】
しかしながら、山岳トンネルの施工において、地山の水圧が高く、また、地山からトンネル内への水の漏出を抑制する場合には、トンネルの断面形状を地山の水圧に耐え得る形状にする必要がある(すなわち、耐水圧断面とする必要がある)。それゆえ、トンネルの断面形状として例えば円形状が採用され得る。また、このトンネルの内周面には、その全周にわたって防水シートを敷設する必要がある。
【0006】
この点、特許文献1に開示のような防水シート張り装置を用いて、円形断面のトンネルの内周面の全周にわたって防水シートを敷設しようとしても、当該装置を構成する作業台車の車輪がトンネル底面上に位置するので、トンネル内周面における下半分の領域(特に、トンネル内周面における底部)に防水シートなどのシート状部材を敷設することが難しかった。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑み、トンネル内周面における下半分の領域にシート状部材を効率良く敷設することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのため本発明に係るシート状部材敷設装置は、トンネル内周面における下半分の領域にシート状部材を敷設する装置である。本発明に係るシート状部材敷設装置は、トンネル底面上をトンネル軸方向に移動可能な架台と、架台からトンネル軸方向に張り出すように架台に設けられたブラケットと、ブラケットに支持されてシート状部材をトンネル内周面における下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張可能な展張手段と、を備える。
【0009】
本発明に係るシート状部材の敷設方法は、前述のシート状部材敷設装置を用いて、トンネル内周面における下半分の領域に前記シート状部材を敷設する方法である。ここで、展張手段は、ブラケットに設けられてトンネル幅方向に延在するビーム部材と、ビーム部材に設けられた揚重手段と、を備える。揚重手段は、線状部材を巻き上げる巻上手段を含む。巻上手段から繰り出される線状部材の先端部には、シート状部材のロール体の芯管に挿入される軸棒を線状部材の先端部に接続するための接続手段が設けられている。ビーム部材の両端部には、それぞれ、巻上手段が設けられている。本発明に係るシート状部材の敷設方法は、シート状部材をメガネ巻きにして形成された一対の前記ロール体の各々の芯管に軸棒を挿入すること、一対の前記ロール体を、ブラケットの下方のトンネル内周面上に載置すること、各巻上手段から線状部材をトンネル内周面に沿って下方に繰り出して、線状部材の先端部に接続手段を介して軸棒を接続すること、及び、各巻上手段によって線状部材を巻き上げることにより、一対の前記ロール体の各々を軸棒の軸回りに回転させつつ、シート状部材をトンネル内周面における下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張すること、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、架台からトンネル軸方向に張り出すように設けられたブラケットによって展張手段が支持されており、この展張手段により、シート状部材を、トンネル内周面における下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。これにより、架台からトンネル軸方向にずれた位置にてシート状部材をトンネル内周面における下半分の領域に敷設することができるので、このシート状部材敷設作業において架台が邪魔にならず、ひいては、当該作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態におけるトンネルの施工方法を示す図
図2】前記第1実施形態におけるトンネルの施工方法を示す図
図3】前記第1実施形態における1次覆工が行われたトンネルの天端部の拡大断面図
図4】前記第1実施形態におけるシート状部材敷設装置の側面図
図5】前記第1実施形態における展張手段の概略構成を示す図
図6】前記第1実施形態における、シート状部材をメガネ巻きにして形成された一対のロール体の斜視図
図7】前記第1実施形態におけるシート状部材の敷設方法を示す図
図8】前記第1実施形態におけるシート状部材同士の接合方法を示す図
図9】前記第1実施形態におけるシート状部材敷設装置の移動方法を示す図
図10】本発明の第2実施形態におけるシート状部材のロール体の斜視図
図11】前記第2実施形態におけるシート状部材の敷設方法を示す図
図12】前記第2実施形態におけるシート状部材の敷設方法を示す図
図13】本発明の第3実施形態におけるシート状部材の敷設方法を示す図
図14】本発明の第4実施形態における展張手段の概略構成を示す図
図15】本発明の第5実施形態における展張手段の概略構成を示す図
図16】前記第5実施形態におけるシート状部材のロール体の斜視図
図17】前記第5実施形態におけるシート状部材の敷設方法を示す図
図18】本発明の第6実施形態におけるシート状部材の敷設方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の第1実施形態におけるトンネルの施工方法を示す図である。図3は、1次覆工が行われたトンネルの天端部の拡大断面図である。
尚、本実施形態では、便宜上、図1及び図2に示すように上下左右を規定して、以下説明する。また、本実施形態では断面形状が円形状であるトンネルの施工を例にとって本発明に係るシート状部材敷設装置及びシート状部材の敷設方法を説明するが、トンネルの断面形状は円形状に限らない。
【0013】
本実施形態ではトンネルの施工方法としてNATM工法を用いる。
トンネル1の施工時には、まず、図1(A)に示すように、地山を、上に凸の半円形状に掘削して、トンネル1の上半分の領域を形成した後に、鋼製支保工(鋼アーチ支保工)2と吹付コンクリート3とで1次覆工(支保)することを繰り返して、トンネル1の内部空間4を形成する。
【0014】
この1次覆工の工程では、図3に示すように、鋼製支保工2をトンネル軸方向に所定の間隔を空けて建て込む。鋼製支保工2は例えばH形鋼である。また、この1次覆工の工程では、トンネル1の天端部を含む周縁部にコンクリートを吹き付ける(図1(A)及び図3に示す吹付コンクリート3参照)。このようにして、トンネル1の上半分の領域の1次覆工が行われる。
次に、トンネル1の上半分の領域にロックボルト(図示せず)を打設する。
【0015】
次に、図1(B)に示すように、地山を、下に凸の半円形状に掘削して、トンネル1の下半分の領域を形成した後に、前述と同様に、鋼製支保工2と吹付コンクリート3とで1次覆工(支保)することを繰り返す。これにより、断面形状が円形状のトンネル1が形成される。尚、このトンネル1の下半分の領域の施工については、切羽側から坑口側に向かって順次進められる。
【0016】
ここで、吹付コンクリート3の内周面3aを、説明の便宜上、「トンネル1の内周面1a」と称する。また、トンネル1の内部空間4は、吹付コンクリート3の内周面3a(トンネル1の内周面1a)によって囲まれている。
次に、トンネル1の下半分の領域にロックボルト(図示せず)を打設する。
【0017】
次に、図1(C)に示すように、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設する。尚、このシート状部材10の敷設については、切羽側から坑口側に向かって順次進められる。
【0018】
シート状部材10は、例えば、後述する図8に示すように、樹脂製の防水シート11と、樹脂製の不織布12とからなる2層構造を有している。防水シート11は、水非透過性を有する。不織布12は、防水シート11を吹付コンクリート3の内周面3a(トンネル1の内周面1a)に密着させるための緩衝材として機能し得る。防水シート11及び不織布12は、それぞれ、柔軟性を有する。隣接するシート状部材10同士を接合するときには、各々の防水シート11の端部を重ね合わせて熱溶着する(図8(C)参照)。尚、シート状部材10の構成は前述のものに限らない。
【0019】
トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設するときには、後述する図4に示すシート状部材敷設装置25が用いられる。このシート状部材敷設装置25の構成の詳細と、シート状部材敷設装置25を用いるシート状部材10の敷設方法の詳細とについては、図4図9を用いて後述する。
【0020】
次に、図2(D)に示すように、トンネル1の下半分の領域にて、シート状部材10をトンネル1の内方から覆うように覆工コンクリート6を構築することで、2次覆工を行う。尚、このトンネル1の下半分の領域における2次覆工の施工については、切羽側から坑口側に向かって順次進められる。
【0021】
次に、図2(E)に示すように、トンネル1の下半分の領域にて、土砂7の埋戻しが行われる。この土砂7の埋戻しについては、坑口側から切羽側に向かって順次進められる。埋め戻される土砂7は、例えば、トンネル1の掘削形成時に発生したものである。
【0022】
次に、図2(F)に示すように、トンネル1の上半分の領域にて、シート状部材10の設置を行い、更に、覆工コンクリート6を構築することで2次覆工を行う。このトンネル1の上半分の領域におけるシート状部材10の設置及び2次覆工の施工については、坑口側から切羽側に向かって順次進められる。ここで、トンネル1の上半分の領域におけるシート状部材10の設置には、例えば、前述の特許文献1に開示のような防水シート張り装置が用いられ得る。
以上のようにして、トンネル1の施工が行われる。
【0023】
次に、シート状部材敷設装置25の構成について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本実施形態におけるシート状部材敷設装置25の側面図である。図5は、シート状部材敷設装置25を構成する展張手段(テルハ50)の概略構成を示す図であり、図4のI−I断面に対応している。ここで、図5に示す足場63,64については、各々に設けられた手摺り63a,64a(図4参照)の図示を省略している。また、図5に示す足場63については、そのトンネル軸方向での両端部がそれぞれトンネル幅方向に張り出して円弧状階段部61,62の上端部に連結しているが、この連結部分の図示を省略している。
【0024】
シート状部材敷設装置25は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設する装置である。シート状部材敷設装置25は、架台30と、張出フレーム部40と、テルハ50とを備える。
【0025】
架台30は、トンネル軸方向に所定の長さを有しており、その前後端(トンネル軸方向端)の下端部には複数の車輪31が設けられている。これら車輪31は、トンネル1の底面1b上に敷設されたレール32上を転動可能である。すなわち、架台30は、車輪31を介して、トンネル軸方向に移動可能である。ここで、レール32はトンネル軸方向に所定の長さで延在している。尚、本実施形態では、架台30は、図示しない電動モータなどを駆動源としてレール32上を自走可能であるが、架台30の走行形態はこれに限らず、例えば、架台30は、ワイヤを巻き上げ可能な電動ウインチなどの牽引装置やバックホウなどの重機によってワイヤを介して牽引されてレール32上を走行可能なように構成されてもよい。
【0026】
架台30の下端部には、図示しない複数のジャッキが設けられている。これらジャッキは、架台30の走行停止時(特に、シート状部材10の敷設時、及び、レール32の移設時)に伸長されて、トンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持することで、架台30の移動を制限する。また、これらジャッキは、架台30の走行時に短縮されて、トンネル1の底面1bから離間する。
【0027】
架台30の上部には、ロール状に巻かれたシート状部材10(換言すれば、シート状部材10のロール体)が複数仮置きされる仮置き部35が形成されている。仮置き部35には、テルハ37及び運搬かご38を用いて、複数のシート状部材10のロール体が坑口側から運搬される。テルハ37は、トンネル1の天端部に設けられてトンネル軸方向に延在するレール37aと、レール37aに懸垂した状態でレール37aに沿ってトンネル軸方向に移動可能な電動ホイスト37bとにより構成されている。電動ホイスト37bから繰り出されるワイヤ(図示せず)の先端に設けられたフック37cには、ワイヤ37d及び図示しない吊り具を介して、運搬かご38が吊り下げられている。運搬かご38は上面開放の箱状である。運搬かご38内には、複数のシート状部材10のロール体が収容され得る。
【0028】
張出フレーム部40は、架台30から切羽側に向かってトンネル軸方向に張り出すように架台30に設けられている。張出フレーム部40は、上下方向に延在する左右一対の柱部材41,41と、上下方向に延在する左右一対の柱部材42,42と、トンネル軸方向に延在する左右一対の梁部材43,43と、トンネル軸方向に延在する左右一対の梁部材44,44とを含んで構成されている。
【0029】
柱部材41,41は、架台30の切羽側端部に立設されている。柱部材41,41は、その下半分の領域が、架台30の仮置き部35を支持する柱として機能している。柱部材41,41の上下方向中央部には梁部材43,43の坑口側端部が連結されている。柱部材41,41の上端部には梁部材44,44の坑口側端部が連結されている。梁部材44,44は、トンネル1の内部空間4における上半分の領域に位置する。
ここで、柱部材41,41と梁部材44,44とによって、本発明の「ブラケット」の機能が実現される。
【0030】
梁部材43,43の切羽側端部は、柱部材42,42の上下方向中央部に連結されている。梁部材44,44の切羽側端部は、柱部材42,42の上端部に連結されている。
柱部材41と柱部材42との間にはトンネル軸方向に所定の間隔L1が空けられている。この間隔L1は、シート状部材10のロール体の幅(例えば、図6に示す幅L3)よりも大きい。
【0031】
柱部材42,42の各々の上端部を連結するように、梁部材45が設けられている。梁部材45は、トンネル幅方向(左右方向)に延在している。同様に、柱部材41,41の各々の上端部を連結するように、図示しない梁部材が設けられている。
【0032】
梁部材44,44にはテルハ50が設けられている。テルハ50は、本発明の「展張手段」として機能し得るものであり、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル1の周方向に展張可能である。
テルハ50は、トンネル幅方向に延在するビーム部材51と、トンネル幅方向に延在するレール52と、左右一対の電動ホイスト53L,53Rとにより構成されている。
【0033】
ビーム部材51は、その上面の一部が、梁部材44,44の下面に接触した状態で、梁部材44,44に固定されている。
レール52は、その上面がビーム部材51の下面に接触した状態でレール52に固定されており、トンネル幅方向にビーム部材51と並んで延びている。
ビーム部材51とレール52とは、トンネル1の内部空間4における上半分の領域に位置する。
【0034】
電動ホイスト53L,53Rは、それぞれ、レール52に懸垂した状態でレール52及びビーム部材51に沿ってトンネル幅方向に移動可能である。電動ホイスト53Lは、電動ホイスト53Rの左方に位置している。本実施形態では、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設するときに、電動ホイスト53Lをレール52の左側端部に配置する一方、電動ホイスト53Rをレール52の右側端部に配置する。
【0035】
ここで、電動ホイスト53L,53Rは、本発明の「揚重手段」として機能するものである。本実施形態では、電動ホイスト53L,53Rは、トンネル1の内部空間4における左側の領域と右側の領域との少なくとも一方に位置し得る。特に本実施形態では、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設するときに、電動ホイスト53Lを、トンネル1の内部空間4における左側の領域に位置させる一方、電動ホイスト53Rを、トンネル1の内部空間4における右側の領域に位置させる(すなわち、電動ホイスト53L,53Rは、トンネル1の内部空間4における左側の領域と右側の領域との双方に位置する)。
【0036】
電動ホイスト53L,53Rは、各々が、図示しない電動ウインチを備える。この電動ウインチは、ワイヤ54を巻き上げるものである。この電動ウインチから繰り出されるワイヤ54の先端部にはフック55が設けられている。
ここで、本実施形態では、電動ホイスト53L,53Rに備えられた電動ウインチが、本発明の「巻上手段」として機能する。また、ワイヤ54が、本発明の「線状部材」に対応し得る。
【0037】
従って、テルハ50は、張出フレーム部40(特に、柱部材41,41及び梁部材44,44)によって支持されている。また、ビーム部材51は、張出フレーム部40に設けられている。また、電動ホイスト53L,53Rはレール52を介してビーム部材51に設けられている。
【0038】
左右両側の柱部材41,42には、それぞれ、円弧状階段部61,62が設けられている。円弧状階段部61,62は、各々が、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿うように形成されている。尚、図示は省略するが、円弧状階段部61,62には各々に手摺りが設けられている。
左右両側における円弧状階段部61,62間にはトンネル軸方向に所定の間隔L2が空けられている。この間隔L2は、シート状部材10のロール体の幅(例えば、図6に示す幅L3)よりも大きい。
【0039】
トンネル軸方向に間隔L2を空けて並ぶ円弧状階段部61,62には、各々の上端部に跨るように、足場63が設けられている。足場63は、例えば、図示しない連結手段を介して柱部材41,42に固定されているか、又は、円弧状階段部61,62を介して柱部材41,42に固定されている。それゆえ、足場63は張出フレーム部40によって支持され得る。
【0040】
トンネル軸方向に間隔L2を空けて並ぶ円弧状階段部61,62には、各々の下部に隣接するように、足場64が設けられている。足場64は、例えば、柱部材41,42に直接的に固定されているか、又は、円弧状階段部61,62を介して間接的に柱部材41,42に固定されている。それゆえ、足場64は張出フレーム部40によって支持され得る。
【0041】
トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域と、足場63,64との間には、シート状部材10のロール体(例えば、後述する図6に示すシート状部材10のロール体15L,15R)がトンネル1の内周面1aに沿って展張されるときに当該ロール体が足場63,64に接触しない程度の間隙が形成されている。
【0042】
作業員は、円弧状階段部61,62を昇降することで、足場63,64間を行き来することができる。また、作業員は、円弧状階段部61,62及び足場63,64を用いることで、シート状部材10上に乗ることなく、シート状部材10同士の接合作業(後述する図8参照)を行うことができる。
【0043】
図6は、本実施形態における、シート状部材10をメガネ巻きにして形成された一対のロール体15L,15Rの斜視図である。
シート状部材10は長尺物であり、その幅L3が例えば約2mである。
本実施形態では、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設するに先立って、シート状部材10をメガネ巻きにして一対のロール体15L,15Rを形成する。
【0044】
ここで、一対のロール体15L,15Rを含むシート状部材10の「メガネ巻き」の形成方法の第1例及び第2例について説明する。
第1例では、芯管16Lにシート状部材10の一端部側からシート状部材10を巻き付けてロール体15Lを形成すると共に、芯管16Rにシート状部材10の他端部側からシート状部材10を巻き付けてロール体15Rを形成することで、シート状部材10の「メガネ巻き」を形成する。
【0045】
第2例では、まず、芯管16Lにシート状部材10を巻き付けてロール体15Lを形成する。次に、ロール体15Lに巻き付けられたシート状部材10とは別のシート状部材10を芯管16Rに巻き付けてロール体15Rを形成する。次に、ロール体15Lにおけるシート状部材10の巻き終わり端と、ロール体15Lにおけるシート状部材10の巻き終わり端とを熱溶着などにより接合する。第2例では、このようにして、シート状部材10の「メガネ巻き」を形成する。
【0046】
芯管16L,16Rには、それぞれ、軸棒17L,17Rが挿入される。ロール体15L,15Rは、軸棒17L,17Rの軸回りに回転可能である。
軸棒17L,17Rには、吊り天秤18L,18Rが着脱可能に取り付けられ得る。電動ホイスト53L,53Rのフック55には、ワイヤ19L,19Rを介して、吊り天秤18L,18Rが吊り下げられ得る。吊り天秤18L,18Rには、軸棒17L,17R及びロール体15L,15Rが吊り下げられ得る。
【0047】
ここで、吊り天秤18L,18R及びワイヤ19L,19Rが本発明の「接続手段」に対応して、軸棒17L,17Rを、電動ホイスト53L,53Rの各々のワイヤ54の先端部(フック55)に接続する機能を実現する。
【0048】
次に、シート状部材敷設装置25を用いて、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設する方法について、前述の図4図6に加えて、図7を用いて説明する。
図7は、本実施形態におけるシート状部材10の敷設方法を示す。
【0049】
まず、前述の間隔L1,L2内(図4参照)にシート状部材10の敷設予定箇所が入るように、シート状部材敷設装置25を配置する。このときには、張出フレーム部40の直下にレール32が位置しないようにレール32がトンネル1の底面1b上に敷設される。また、このときには、架台30の下端部に設けられた複数のジャッキが伸長されて、トンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持することで、架台30の移動を制限する。
【0050】
次に、図7(A)に示すように、電動ホイスト53Lをレール52の左側端部に配置する一方、電動ホイスト53Rをレール52の右側端部に配置する。
次に、電動ホイスト53L,53Rの各々の電動ウインチからワイヤ54をトンネル1の内周面1aに沿って下方に繰り出す。このときには、ワイヤ54が、足場63,64とトンネル1の内周面1aとの間の前記間隙を通過するように(すなわち、足場63,64などの障害物をかわすように)下方に繰り出される。
【0051】
次に、図6に示す一対のロール体15L,15R(換言すれば、シート状部材10の「メガネ巻き」)を、張出フレーム部40の直下のトンネル1の内周面1a上(トンネル1の底面1b上)に載置する(図7(A)参照)。ここで、一対のロール体15L,15Rを含むシート状部材10の「メガネ巻き」の形成作業は、例えば、トンネル1内における架台30より坑口側の任意の作業スペースか、架台30の仮置き部35か、又は、張出フレーム部40の直下のトンネル1の内周面1a上にて行われ得る。尚、一対のロール体15L,15Rの各々の芯管16L,16Rには、軸棒17L,17Rが挿入されている。
【0052】
次に、電動ホイスト53L,53Rの各々のワイヤ54の先端部(フック55)に、ワイヤ19L,19R及び吊り天秤18L,18Rを介して、軸棒17L,17Rを接続する。
次に、図7(A)及び(B)に示すように、電動ホイスト53L,53Rの各々の電動ウインチによってワイヤ54を巻き上げることにより、一対のロール体15L,15Rの各々を軸棒17L,17Rの軸回りに回転させつつ、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。展張されたシート状部材10は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に接触した状態で、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に固定される。
【0053】
図8は、トンネル軸方向で隣り合うシート状部材10同士の接合方法を示す図である。
ここでは、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に既に敷設されたシート状部材10−1(図8(A)参照)と、シート状部材敷設装置25を用いて新たに敷設されたシート状部材10−2(図8(B)参照)との接合方法を説明する。ここで、シート状部材10−1,10−2は、双方共に、前述のシート状部材10と同様の構成である。すなわち、シート状部材10−1は、防水シート11−1と不織布12−1とにより構成されている。また、シート状部材10−2は、防水シート11−2と不織布12−2とにより構成されている。
【0054】
まず、図8(A)及び(B)に示すように、シート状部材10−1の坑口側縁部がシート状部材10−2の切羽側縁部に隣接するように、シート状部材敷設装置25を用いて、シート状部材10−2を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設する。ここで、シート状部材10−2を構成する防水シート11−2の切羽側縁部には、防水シート11−1との接合部を形成するための延長部11tが予め形成されている。
【0055】
次に、図8(C)に示すように、防水シート11−2の延長部11tを防水シート11−1の坑口側縁部に面接触させて互いに熱溶着させることで、防水シート11−1,11−2が互いに接合する。このようにして、シート状部材10−1,10−2同士の接合を行うことで、シート状部材10−1,10−2間の水密性を確保した状態で、シート状部材10−1,10−2同士を一体化することができる。尚、シート状部材10−1,10−2同士の接合方法については、図8に示す形態に限らない。
シート状部材10−1,10−2同士の接合を行う作業については、作業員がシート状部材10−1,10−2上に乗ることなく、作業員が円弧状階段部61,62及び足場63,64から作業を行うことができる。
【0056】
図9は、本実施形態におけるシート状部材敷設装置25の移動方法を示す図である。
ここでは、前述のシート状部材10−2の敷設が完了した後におけるシート状部材敷設装置25の移動方法を説明する。
【0057】
まず、図9(A)に示すようにシート状部材10−2の敷設が完了すると、図9(B)に示すように、シート状部材敷設装置25を坑口側に移動させる。この移動時には、前述の間隔L1,L2内(図4参照)に、新たなシート状部材10の敷設予定箇所が入るように、シート状部材敷設装置25を移動する。また、この移動時には、架台30の下端部に設けられた複数のジャッキが短縮されて、トンネル1の底面1bから離間している。この移動が完了すると、当該ジャッキを伸長する。これにより、当該ジャッキがトンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持するので、架台30の移動が制限される。
【0058】
次に、図9(C)に示すように、レール32をトンネル1の底面1bから取り外してレール32を坑口側に移動することで、張出フレーム部40の直下にレール32を位置させないようにする。このレール32の取り外しにはテルハ50を用いてもよい。また、このレール32の移動には、ワイヤを巻き上げ可能な電動ウインチ等の牽引装置を用いてもよい。また、この牽引装置が架台30に搭載されていてもよい。
レール32の移動が完了すると、レール32をトンネル1の底面1b上に敷設する。
【0059】
以上のように、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域へのシート状部材10の敷設と、シート状部材敷設装置25のトンネル軸方向への移動(詳しくは坑口側への移動)とを繰り返す。それゆえ、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域でのシート状部材10の敷設が、切羽側から坑口側に向かって順次進むことになる。
【0060】
本実施形態によれば、シート状部材敷設装置25は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設する装置である。シート状部材敷設装置25は、トンネル1の底面1b上をトンネル軸方向に移動可能な架台30と、架台30からトンネル軸方向に張り出すように架台30に設けられたブラケット(柱部材41,41及び梁部材44,44)と、ブラケット(柱部材41,41及び梁部材44,44)に支持されてシート状部材10をトンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張可能な展張手段(テルハ50)と、を備える。これにより、架台30からトンネル軸方向にずれた位置にてシート状部材10をトンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設することができるので、このシート状部材敷設作業において架台30やレール32が邪魔にならず、ひいては、当該作業を効率良く行うことができる。
【0061】
また本実施形態によれば、展張手段(テルハ50)は、ブラケット(柱部材41,41及び梁部材44,44)に設けられてトンネル幅方向に延在するビーム部材51と、ビーム部材51に設けられた揚重手段(電動ホイスト53L,53R)と、を備える。これにより展張手段を簡素な構成とすることができる。
【0062】
また本実施形態によれば、トンネル幅方向を左右方向として、揚重手段(電動ホイスト53L,53R)がトンネル1の内部空間4における左側の領域と右側の領域との少なくとも一方に位置する。換言すれば、本実施形態では、揚重手段(電動ホイスト53L,53R)が、トンネル1の内部空間4における左右両側のうちの少なくとも一方に偏った位置に配置される。これにより、張出フレーム部40よりトンネル幅方向外側にてシート状部材10のロール体15L,15Rを揚重することができる。
【0063】
また本実施形態によれば、ビーム部材51は、トンネル1の内部空間4における上半分の領域に位置する。これにより、シート状部材10のロール体15L,15Rを比較的高い位置まで揚重することができる。
【0064】
また本実施形態によれば、揚重手段(電動ホイスト53L,53R)は、ビーム部材51に沿ってトンネル幅方向に移動可能である。これにより、揚重手段の設置位置をトンネル幅方向における任意の位置にすることができる。
【0065】
また本実施形態によれば、揚重手段(電動ホイスト53L,53R)は、線状部材(ワイヤ54)を巻き上げる巻上手段(図示しない電動ウインチ)を含む。この巻上手段(電動ウインチ)から繰り出される線状部材(ワイヤ54)の先端部には、シート状部材10のロール体15L,15Rの芯管16L,16Rに挿入される軸棒17L,17Rを線状部材(ワイヤ54)の先端部に接続するための接続手段(吊り天秤18L,18R及びワイヤ19L,19R)が設けられている。これにより、簡素な構成で、シート状部材10のロール体15L,15Rを揚重しつつ、シート状部材10を展張することができる。
【0066】
また本実施形態によれば、揚重手段(電動ホイスト53L,53R)の巻上手段(電動ウインチ)は、巻上手段(電動ウインチ)からトンネル1の内周面1aに沿って繰り出された線状部材(ワイヤ54)を巻き上げる。これにより、シート状部材10のロール体15L,15Rを、足場63,64などの障害物をかわしつつ、トンネル1の内周面1aに沿って揚重することができる。
【0067】
また本実施形態によれば、シート状部材10は水非透過性を有する。それゆえ、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設することにより、当該領域にて地下水がトンネル1内に浸入することを抑制することができる。
【0068】
また本実施形態によれば、シート状部材敷設装置25であって、ビーム部材51の両端部にそれぞれ揚重手段(電動ホイスト53L,53R)の巻上手段(電動ウインチ)が設けられているものを用いて、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設する方法として、シート状部材10をメガネ巻きにして形成された一対のロール体15L,15Rの各々の芯管16L,16Rに軸棒17L,17Rを挿入すること(図6参照)、一対のロール体15L,15Rを、ブラケット(柱部材41,41及び梁部材44,44)の下方のトンネル1の内周面1a上に載置すること(図7(A)参照)、各巻上手段(電動ウインチ)から線状部材(ワイヤ54)をトンネル1の内周面1aに沿って下方に繰り出して、線状部材(ワイヤ54)の先端部に接続手段(吊り天秤18L,18R及びワイヤ19L,19R)を介して軸棒17L,17Rを接続すること、及び、各巻上手段(電動ウインチ)によって線状部材(ワイヤ54)を巻き上げることにより、一対のロール体15L,15Rの各々を軸棒17L,17Rの軸回りに回転させつつ、シート状部材10をトンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張すること、を含む。これにより、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域へのシート状部材10の敷設をトンネル周方向に連続的に行うことができるので、シート状部材10の敷設作業を効率良く行うことができる。
【0069】
次に、本発明の第2実施形態について、図10図12を用いて説明する。
図10(A)及び(B)は、本実施形態におけるシート状部材10のロール体15L,15Rの斜視図である。図11及び図12は、本実施形態におけるシート状部材10の敷設方法を示す図である。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0070】
図10(A)及び(B)に示すように、本実施形態では、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設するに先立って、シート状部材10のロール体15Lと、シート状部材10のロール体15Rとを形成する。ロール体15Lについては、芯管16Lにシート状部材10を巻き付けることで形成される。ロール体15Rについては、ロール体15Lに巻き付けられたシート状部材10とは別のシート状部材10を芯管16Rに巻き付けることで形成される。
【0071】
芯管16L,16Rには、それぞれ、軸棒17L,17Rが挿入される。ロール体15L,15Rは、軸棒17L,17Rの軸回りに回転可能である。
軸棒17L,17Rには、吊り天秤18L,18Rが着脱可能に取り付けられ得る。電動ホイスト53L,53Rのフック55には、ワイヤ19L,19Rを介して、吊り天秤18L,18Rが吊り下げられ得る。吊り天秤18L,18Rには、軸棒17L,17R及びロール体15L,15Rが吊り下げられ得る。
【0072】
次に、シート状部材敷設装置25を用いて、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設する方法について、図11及び図12を用いて説明する。
【0073】
まず、前述の第1実施形態と同様に、前述の間隔L1,L2内(図4参照)にシート状部材10の敷設予定箇所が入るように、シート状部材敷設装置25を配置する。このときには、張出フレーム部40の直下にレール32が位置しないようにレール32がトンネル1の底面1b上に敷設される。また、このときには、架台30の下端部に設けられた複数のジャッキが伸長されて、トンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持することで、架台30の移動を制限する。
【0074】
次に、図11(A)に示すように、電動ホイスト53Lをレール52の左側端部に配置する一方、電動ホイスト53Rをレール52の右側端部に配置する。
次に、電動ホイスト53L,53Rの各々の電動ウインチからワイヤ54をトンネル1の内周面1aに沿って下方に繰り出す。このときには、ワイヤ54が、足場63,64とトンネル1の内周面1aとの間の前記間隙を通過するように(すなわち、足場63,64などの障害物をかわすように)下方に繰り出される。
【0075】
次に、図10(A)に示す一対のロール体15Lを、張出フレーム部40の直下のトンネル1の内周面1a上(トンネル1の底面1b上)に載置する(図11(A)参照)。このときに、ロール体15Lにおけるシート状部材10の巻き終わり端を、適宜の固定手段によって、トンネル1の底面1bの固定点Pに固定する。尚、ロール体15Lの芯管16Lには、軸棒17Lが挿入されている。
【0076】
次に、電動ホイスト53Lのワイヤ54の先端部(フック55)に、ワイヤ19L及び吊り天秤18Lを介して、軸棒17Lを接続する。
次に、図11(A)及び(B)に示すように、電動ホイスト53Lの電動ウインチによってワイヤ54を巻き上げることにより、ロール体15Lを軸棒17Lの軸回りに回転させつつ、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。展張されたシート状部材10は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に接触した状態で、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に固定される。
【0077】
次に、図10(B)に示す一対のロール体15Rを、張出フレーム部40の直下のトンネル1の内周面1a上(トンネル1の底面1b上)に載置する(図12(C)参照)。このときに、ロール体15Rにおけるシート状部材10の巻き終わり端を、適宜の固定手段によって、トンネル1の底面1bの固定点Pに固定する。また、ロール体15Lにおけるシート状部材10の巻き終わり端と、ロール体15Rにおけるシート状部材10の巻き終わり端とを熱溶着させて接合することにより、相互間の止水性を確保する。尚、ロール体15Rの芯管16Rには、軸棒17Rが挿入されている。
【0078】
次に、電動ホイスト53Rのワイヤ54の先端部(フック55)に、ワイヤ19R及び吊り天秤18Rを介して、軸棒17Rを接続する。
次に、図12(C)及び(D)に示すように、電動ホイスト53Rの電動ウインチによってワイヤ54を巻き上げることにより、ロール体15Rを軸棒17Rの軸回りに回転させつつ、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。展張されたシート状部材10は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に接触した状態で、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に固定される。
【0079】
次に、本発明の第3実施形態について、図13を用いて説明する。
図13は、本実施形態におけるシート状部材10の敷設方法を示す図である。
前述の第2実施形態と異なる点について説明する。
【0080】
本実施形態では、吊り天秤18L,18Rの代わりに、吊り具20L,20Rが用いられる。
吊り具20Lは、ロール体15Lにおけるシート状部材10の巻き終わり端に着脱可能に取り付けられ得る。電動ホイスト53Lのフック55には、ワイヤ19Lを介して、吊り具20Lが吊り下げられ得る。
一方、吊り具20Rは、ロール体15Rにおけるシート状部材10の巻き終わり端に着脱可能に取り付けられ得る。電動ホイスト53Rのフック55には、ワイヤ19Rを介して、吊り具20Rが吊り下げられ得る。
【0081】
ここで、吊り具20L,20R及びワイヤ19L,19Rが本発明の「接続手段」に対応して、シート状部材10の一端部(ロール体15L,15Rにおけるシート状部材10の巻き終わり端部)を、電動ホイスト53L,53Rの各々のワイヤ54の先端部(フック55)に接続する機能を実現する。
【0082】
次に、シート状部材敷設装置25を用いて、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設する方法について、図13を用いて説明する。
【0083】
まず、前述の間隔L1,L2内(図4参照)にシート状部材10の敷設予定箇所が入るように、シート状部材敷設装置25を配置する。このときには、張出フレーム部40の直下にレール32が位置しないようにレール32がトンネル1の底面1b上に敷設される。また、このときには、架台30の下端部に設けられた複数のジャッキが伸長されて、トンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持することで、架台30の移動を制限する。
【0084】
次に、図13(A)に示すように、電動ホイスト53Lをレール52の左側端部に配置する一方、電動ホイスト53Rをレール52の右側端部に配置する。
次に、電動ホイスト53L,53Rの各々の電動ウインチからワイヤ54をトンネル1の内周面1aに沿って下方に繰り出す。このときには、ワイヤ54が、足場63,64とトンネル1の内周面1aとの間の前記間隙を通過するように(すなわち、足場63,64などの障害物をかわすように)下方に繰り出される。
【0085】
次に、一対のロール体15L,15Rを、張出フレーム部40の直下のトンネル1の内周面1a上(トンネル1の底面1b上)に載置する(図13(A)参照)。尚、ロール体15L,15Rの各々の芯管16L,16Rには、軸棒17L,17Rが挿入されている。ここで、本実施形態では、軸棒17L,17Rを各々の両端部で支持する支持装置(図示せず)が、トンネル1の底面1b上に設置されているか、又は、張出フレーム部40の下端部に設置されている。
【0086】
次に、電動ホイスト53L,53Rの各々のワイヤ54の先端部(フック55)に、ワイヤ19L,19R及び吊り具20L,20Rを介して、シート状部材10の一端部(ロール体15L,15Rにおけるシート状部材10の巻き終わり端部)を接続する。
【0087】
次に、図13(A)及び(B)に示すように、電動ホイスト53L,53Rの各々の電動ウインチによってワイヤ54を巻き上げることにより、一対のロール体15L,15Rの各々を軸棒17L,17Rの軸回りに回転させつつ、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。展張されたシート状部材10は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に接触した状態で、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に固定される。
尚、ロール体15L,15Rにおけるシート状部材10の巻き始め端部(シート状部材10の他端部)同士は、互いに熱溶着されて接合されることにより、相互間の止水性が確保される。
【0088】
特に本実施形態によれば、揚重手段(電動ホイスト53L,53R)は、線状部材(ワイヤ54)を巻き上げる巻上手段(図示しない電動ウインチ)を含む。この巻上手段(電動ウインチ)から繰り出される線状部材(ワイヤ54)の先端部には、シート状部材10の一端部(ロール体15L,15Rにおけるシート状部材10の巻き終わり端部)を線状部材(ワイヤ54)の先端部に接続するための接続手段(吊り具20L,20R及びワイヤ19L,19R)が設けられている。これにより、簡素な構成で、シート状部材10を揚重しつつ展張することができる。
【0089】
次に、本発明の第4実施形態について、図14を用いて説明する。
図14は、本実施形態における展張手段の概略構成を示す図である。
前述の第1〜第3実施形態と異なる点について説明する。
【0090】
本実施形態では電動ウインチ57L,57Rがビーム部材51の左右両端部に設置されている。ここで、本発明の「展張手段」の機能が、ビーム部材51と電動ウインチ57L,57Rとによって実現される。また、本発明の「揚重手段」、及び、「巻上手段」の機能が、電動ウインチ57L,57Rによって実現される。
【0091】
尚、電動ウインチ57L,57Rを含むシート状部材敷設装置25を用いて、前述の第1〜第3実施形態のように、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10の敷設することができることは言うまでもない。
【0092】
次に、本発明の第5実施形態について、図15図17を用いて説明する。
図15は、本実施形態における展張手段の概略構成を示す図である。図16は、本実施形態におけるシート状部材10のロール体15の斜視図である。図17は、本実施形態におけるシート状部材10の敷設方法を示す図である。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
【0093】
本実施形態では、張出フレーム部40は、左右一対の柱部材41,41と、左右一対の梁部材44,44と、梁部材44,44の切羽側端部間に設けられた梁部材45と、梁部材44,44の坑口側端部間に設けられた梁部材(図示せず)とによって構成されている。
【0094】
梁部材44,44にはテルハ50が設けられている。テルハ50は、本発明の「展張手段」として機能し得るものであり、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル1の周方向に展張可能である。
テルハ50は、トンネル幅方向に延在するビーム部材51と、トンネル幅方向に延在するレール52と、電動ホイスト53とにより構成されている。
【0095】
電動ホイスト53は、レール52に懸垂した状態でレール52及びビーム部材51に沿ってトンネル幅方向に移動可能である。本実施形態では、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設するときに、電動ホイスト53をレール52の左側端部から右側端部に移動させる。尚、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設するときに、電動ホイスト53をレール52の右側端部から左側端部に移動させてもよいことは言うまでもない。この点は、後述する本発明の第6実施形態でも同様である。
【0096】
ここで、テルハ50は、本発明の「展張手段」として機能するものである。また、電動ホイスト53は、本発明の「揚重手段」として機能するものである。本実施形態では、電動ホイスト53は、トンネル1の内部空間4における左側の領域と右側の領域とのいずれか一方に位置し得る。
【0097】
電動ホイスト53は、図示しない電動ウインチを備える。この電動ウインチは、ワイヤ54を巻き上げるものである。この電動ウインチから繰り出されるワイヤ54の先端部にはフック55が設けられている。
ここで、本実施形態では、電動ホイスト53に備えられた電動ウインチが、本発明の「巻上手段」として機能する。また、ワイヤ54が、本発明の「線状部材」に対応し得る。
【0098】
図16に示すように、本実施形態では、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域にシート状部材10を敷設するに先立って、シート状部材10のロール体15を形成する。ロール体15については、芯管16にシート状部材10を巻き付けることで形成される。
芯管16には軸棒17が挿入される。ロール体15は軸棒17の軸回りに回転可能である。
【0099】
軸棒17には、吊り天秤18が着脱可能に取り付けられ得る。電動ホイスト53のフック55には、ワイヤ19を介して、吊り天秤18が吊り下げられ得る。吊り天秤18には、軸棒17及びロール体15が吊り下げられ得る。
ここで、吊り天秤18及びワイヤ19が本発明の「接続手段」に対応して、軸棒17を、電動ホイスト53のワイヤ54の先端部(フック55)に接続する機能を実現する。
【0100】
次に、シート状部材敷設装置25を用いて、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設する方法について、図17を用いて説明する。
【0101】
まず、テルハ50の直下にシート状部材10の敷設予定箇所が位置するように、シート状部材敷設装置25を配置する。このときには、張出フレーム部40の直下にレール32が位置しないようにレール32がトンネル1の底面1b上に敷設される。また、このときには、架台30の下端部に設けられた複数のジャッキが伸長されて、トンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持することで、架台30の移動を制限する。
【0102】
次に、図17(A)に示すように、電動ホイスト53をレール52の左側端部に配置する。
次に、シート状部材10のロール体15を、トンネル1の内周面1aにおける左側端部(上下方向中央部)に配置する。このときに、ロール体15におけるシート状部材10の巻き終わり端を、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aの固定点Qに固定する。尚、ロール体15の芯管16には、軸棒17が挿入されている。
【0103】
次に、電動ホイスト53のワイヤ54の先端部(フック55)に、ワイヤ19及び吊り天秤18を介して、軸棒17を接続する。
次に、図17(A)及び(B)に示すように、電動ホイスト53をトンネル1の左側から右側に向かって移動させつつ、電動ホイスト53の電動ウインチからワイヤ54を繰り出すことにより、又は、電動ホイスト53の電動ウインチでワイヤ54を巻き上げることにより、ロール体15を軸棒17の軸回りに回転させつつ、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。ここで、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分かつ左半分の領域に敷設するときには(すなわち、電動ホイスト53の電動ウインチからワイヤ54を繰り出すときには)、ロール体15の落下を抑制するためにロール体15を支持する支持手段(図示せず)が用いられ得る。展張されたシート状部材10は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に接触した状態で、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に固定される。
【0104】
次に、本発明の第6実施形態について、図18を用いて説明する。
図18は、本実施形態におけるシート状部材10の敷設方法を示す図である。
前述の第5実施形態と異なる点について説明する。
【0105】
本実施形態では、吊り天秤18の代わりに、吊り具20が用いられる。
吊り具20は、ロール体15におけるシート状部材10の巻き終わり端に着脱可能に取り付けられ得る。電動ホイスト53のフック55には、ワイヤ19を介して、吊り具20が吊り下げられ得る。
【0106】
ここで、吊り具20及びワイヤ19が本発明の「接続手段」に対応して、シート状部材10の一端部(ロール体15におけるシート状部材10の巻き終わり端部)を、電動ホイスト53のワイヤ54の先端部(フック55)に接続する機能を実現する。
【0107】
次に、シート状部材敷設装置25を用いて、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に敷設する方法について、図18を用いて説明する。
【0108】
まず、テルハ50の直下にシート状部材10の敷設予定箇所が位置するように、シート状部材敷設装置25を配置する。このときには、張出フレーム部40の直下にレール32が位置しないようにレール32がトンネル1の底面1b上に敷設される。また、このときには、架台30の下端部に設けられた複数のジャッキが伸長されて、トンネル1の底面1bに当接し、架台30をトンネル1の底面1b上に支持することで、架台30の移動を制限する。
【0109】
次に、図18(A)に示すように、電動ホイスト53をレール52の左側端部に配置する。
次に、シート状部材10のロール体15を、トンネル1の内周面1aにおける左側端部(上下方向中央部)に配置する。尚、ロール体15の芯管16には、軸棒17が挿入されている。また、本実施形態では、軸棒17をその両端部で支持する支持装置(図示せず)が、トンネル1の内周面1aにおける左側端部(上下方向中央部)に設置されている。
【0110】
次に、電動ホイスト53のワイヤ54の先端部(フック55)に、ワイヤ19及び吊り具20を介して、シート状部材10の一端部(ロール体15におけるシート状部材10の巻き終わり端部)を接続する。
【0111】
次に、図18(A)及び(B)に示すように、電動ホイスト53をトンネル1の左側から右側に向かって移動させつつ、電動ホイスト53の電動ウインチからワイヤ54を繰り出すことにより、又は、電動ホイスト53の電動ウインチでワイヤ54を巻き上げることにより、ロール体15を軸棒17の軸回りに回転させつつ、シート状部材10を、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に沿ってトンネル周方向に展張する。展張されたシート状部材10は、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に接触した状態で、適宜の固定手段によって、トンネル1の内周面1aにおける下半分の領域に固定される。
【0112】
尚、前述の第1〜第6実施形態では、シート状部材10の一例として、防水シート11及び不織布12により構成される2層構造のものを挙げて説明したが、シート状部材10はこの2層構造のものに限らない。例えば、シート状部材10は防水シート11のみで構成されてもよい。又は、シート状部材10は不織布12のみで構成されてもよい。
【0113】
また、前述の第1〜第6実施形態では、シート状部材10の敷設を切羽側から坑口側に向かって順次進めるために、シート状部材敷設装置25を切羽側から坑口側に向かって移動させたが、これとは逆に、シート状部材10の敷設を坑口側から切羽側に向かって順次進めるために、シート状部材敷設装置25を坑口側から切羽側に向かって移動させてもよい。この場合には、展張手段が設けられる張出フレーム部40が、架台30から坑口側に向かってトンネル軸方向に張り出すように架台30に設けられる。すなわち、展張手段が設けられる張出フレーム部40については、架台30から架台30の移動方向(走行方向)後方に向かってトンネル軸方向に張り出すように架台30に設けられる。
【0114】
また、前述の第1〜第6実施形態では、断面形状が円形状であるトンネル1の施工を例にとってシート状部材敷設装置25及びシート状部材10の敷設方法を説明したが、トンネル1の断面形状は円形状に限らず、例えば、楕円形状、又は、矩形状であってもよいことは言うまでもない。
また、前述の第1〜第6実施形態では、トンネル1の施工方法としてNATM工法を用いているが、この他、矢板工法を用いてもよい。
【0115】
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
1 トンネル
1a 内周面
1b 底面
2 鋼製支保工
3 吹付コンクリート
3a 内周面
4 内部空間
6 覆工コンクリート
7 土砂
10,10−1,10−2 シート状部材
11,11−1,11−2 防水シート
11t 延長部
12,12−1,12−2 不織布
15,15L,15R ロール体
16,16L,16R 芯管
17,17L,17R 軸棒
18,18L,18R 吊り天秤
19,19L,19R ワイヤ
20,20L,20R 吊り具
25 シート状部材敷設装置
30 架台
31 車輪
32 レール
35 仮置き部
37 テルハ
37a レール
37b 電動ホイスト
37c フック
37d ワイヤ
38 運搬かご
40 張出フレーム部
41,42 柱部材
43,44,45 梁部材
50 テルハ
51 ビーム部材
52 レール
53,53L,53R 電動ホイスト
54 ワイヤ
55 フック
57L,57R 電動ウインチ
61,62 円弧状階段部
63,64 足場
63a,64a 手摺り
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18