特開2017-36844(P2017-36844A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-36844(P2017-36844A)
(43)【公開日】2017年2月16日
(54)【発明の名称】冷却装置、およびモータ
(51)【国際特許分類】
   F28D 15/02 20060101AFI20170127BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20170127BHJP
【FI】
   F28D15/02 101L
   F28D15/02 102E
   F28D15/02 Z
   H02K9/19 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-156413(P2015-156413)
(22)【出願日】2015年8月6日
(71)【出願人】
【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
【住所又は居所】京都府京都市南区久世殿城町338番地
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】于 強
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号 国立大学法人横浜国立大学内
(72)【発明者】
【氏名】野田 達也
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号 国立大学法人横浜国立大学内
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊一
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号 国立大学法人横浜国立大学内
(72)【発明者】
【氏名】中村 吉伸
【住所又は居所】京都府京都市南区久世殿城町338番地 日本電産株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】中西 正人
【住所又は居所】京都府京都市南区久世殿城町338番地 日本電産株式会社内
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609PP09
5H609QQ05
5H609QQ06
5H609QQ23
5H609RR52
(57)【要約】
【課題】大型化することを抑制しつつ、冷却効率を向上できる構造を有する冷却装置を提供する。
【解決手段】本発明の冷却装置の一つの態様は、発熱体を冷却する冷却装置であって、第1冷却媒体によって発熱体を冷却する冷却室と、第1冷却媒体の熱を外部に放出する放熱室と、冷却室と放熱室とを接続する第1接続路および第2接続路と、を備える。放熱室の少なくとも一部は、冷却室よりも鉛直方向上側に位置する。第1接続路と放熱室とが接続される箇所は、鉛直方向において、第1接続路と冷却室とが接続される箇所と同じ位置、または第1接続路と冷却室とが接続される箇所よりも上側に位置する。冷却室内の第1冷却媒体の一部が気化した場合に、気化した第1冷却媒体の少なくとも一部が第1接続路内に移動し、冷却室の第1冷却媒体が第1接続路を介して放熱室へと流れ放熱室の第1冷却媒体が第2接続路を介して冷却室へと流れる循環が生じる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱体を冷却する冷却装置であって、
第1冷却媒体によって前記発熱体を冷却する冷却室と、
前記第1冷却媒体の熱を外部に放出する放熱室と、
前記冷却室と前記放熱室とを接続する第1接続路および第2接続路と、
を備え、
前記放熱室の少なくとも一部は、前記冷却室よりも鉛直方向上側に位置し、
前記第1接続路と前記放熱室とが接続される箇所は、鉛直方向において、前記第1接続路と前記冷却室とが接続される箇所と同じ位置、または前記第1接続路と前記冷却室とが接続される箇所よりも上側に位置し、
前記冷却室内の前記第1冷却媒体の一部が気化した場合に、気化した前記第1冷却媒体の少なくとも一部が前記第1接続路内に移動し、前記冷却室の前記第1冷却媒体が前記第1接続路を介して前記放熱室へと流れ前記放熱室の前記第1冷却媒体が前記第2接続路を介して前記冷却室へと流れる循環が生じる冷却装置。
【請求項2】
発熱体を冷却する冷却装置であって、
第1冷却媒体によって前記発熱体を冷却する冷却室と、
前記第1冷却媒体の熱を外部に放出する放熱室と、
前記冷却室と前記放熱室とを接続する第1接続路および第2接続路と、
を備え、
前記放熱室の少なくとも一部は、前記冷却室よりも鉛直方向上側に位置し、
前記第1接続路と前記放熱室とが接続される箇所は、鉛直方向において、前記第1接続路と前記冷却室とが接続される箇所と同じ位置、または前記第1接続路と前記冷却室とが接続される箇所よりも上側に位置し、
前記冷却室内の前記第1冷却媒体の一部が気化した場合、気化した前記第1冷却媒体の少なくとも一部は、前記第1接続路内、前記第2接続路内、および前記放熱室内のいずれかにおいて凝縮する冷却装置。
【請求項3】
前記冷却室内の前記第1冷却媒体の一部が気化することで、前記発熱体の温度が前記第1冷却媒体の沸点よりも小さくなる、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記第1接続路が延びる方向と直交する方向における前記第1接続路の寸法、および前記第2接続路が延びる方向と直交する方向における前記第2接続路の寸法は、気化した前記第1冷却媒体の少なくとも一部が前記第1接続路内あるいは前記第2接続路内に滞留する大きさである、請求項1から3のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記放熱室の全体は、前記冷却室よりも鉛直方向上側に位置する、請求項1から4のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記第1接続路は、前記冷却室の鉛直方向上側の端部に接続される、請求項1から5のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記発熱体は、前記冷却室内に収容される、請求項1から6のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記第1冷却媒体に接触する弾性体製の弾性部をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記弾性部は、前記冷却室を構成する壁部の一部である、請求項8に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記第1冷却媒体の温度が上昇した場合に、前記冷却室内において、前記第1冷却媒体の対流が生じる、請求項1から9のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記第1冷却媒体の沸点は、前記発熱体の最高温度よりも小さい、請求項1から10のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の冷却装置を備えるモータ。
【請求項13】
一方向に延びる中心軸を中心とするシャフトを有するロータと、
前記ロータの径方向外側に位置するステータと、
を備え、
前記ステータは、ステータコアと、前記ステータコアを励磁するコイルと、を有し、
前記発熱体は、前記コイルである、請求項12に記載のモータ。
【請求項14】
前記第1冷却媒体は、絶縁性を有し、
前記コイルは、前記冷却室内に収容される、請求項13に記載のモータ。
【請求項15】
前記冷却装置は、複数の前記冷却室を有し、
前記ステータは、複数の前記コイルを有し、
前記冷却室は、第1冷却室と、前記第1冷却室よりも鉛直方向下側に位置する第2冷却室と、を含み、
前記第2冷却室に接続される前記第1接続路および前記第2接続路は、前記第1冷却室が接続される前記放熱室に接続される、請求項13または14に記載のモータ。
【請求項16】
前記ステータは、少なくとも一部が前記ステータコアと前記コイルとの間に位置するインシュレータを有し、
前記インシュレータは、前記冷却室を有する、請求項13から15のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項17】
前記インシュレータは、インシュレータ本体と、前記インシュレータ本体に取り付けられ、前記第1接続路の少なくとも一部を有する第1接続路部材と、前記インシュレータ本体に取り付けられ、前記第2接続路の少なくとも一部を有する第2接続路部材と、を有し、
前記第1接続路部材と前記第2接続路部材とは、前記インシュレータ本体と別部材である、請求項16に記載のモータ。
【請求項18】
第2冷却媒体が収容され、前記放熱室内の前記第1冷却媒体から熱を吸収する吸熱部を備える、請求項12から17のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置、およびモータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、モータを冷却する冷却装置が記載されている。特許文献1の冷却装置では、液冷媒がケーシングの熱を奪って蒸発し、ケーシングを介してモータを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−23614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような冷却装置では、蒸発し気体となった液冷媒を再び液体に戻すために凝縮器が必要となる。冷却する発熱対象の温度が高温となるほど、蒸発する液冷媒の量が多くなるため、大型の凝縮器が必要となる。これにより、冷却装置全体が大型化する問題があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて、大型化することを抑制しつつ、冷却効率を向上できる構造を有する冷却装置、およびそのような冷却装置を備えたモータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の冷却装置の一つの態様は、発熱体を冷却する冷却装置であって、第1冷却媒体によって発熱体を冷却する冷却室と、第1冷却媒体の熱を外部に放出する放熱室と、冷却室と放熱室とを接続する第1接続路および第2接続路と、を備える。放熱室の少なくとも一部は、冷却室よりも鉛直方向上側に位置し、第1接続路と放熱室とが接続される箇所は、鉛直方向において、第1接続路と冷却室とが接続される箇所と同じ位置、または第1接続路と冷却室とが接続される箇所よりも上側に位置し、冷却室内の第1冷却媒体の一部が気化した場合に、気化した第1冷却媒体の少なくとも一部が第1接続路内に移動し、冷却室の第1冷却媒体が第1接続路を介して放熱室へと流れ放熱室の第1冷却媒体が第2接続路を介して冷却室へと流れる循環が生じる。
【0007】
本発明の冷却装置の一つの態様は、発熱体を冷却する冷却装置であって、第1冷却媒体によって発熱体を冷却する冷却室と、第1冷却媒体の熱を外部に放出する放熱室と、冷却室と放熱室とを接続する第1接続路および第2接続路と、を備え、放熱室の少なくとも一部は、冷却室よりも鉛直方向上側に位置し、第1接続路と放熱室とが接続される箇所は、鉛直方向において、第1接続路と冷却室とが接続される箇所と同じ位置、または第1接続路と冷却室とが接続される箇所よりも上側に位置し、冷却室内の第1冷却媒体が気化した場合、気化した第1冷却媒体の少なくとも一部は、第1接続路内、第2接続路内、および放熱室内のいずれかにおいて凝縮する。
【0008】
本発明のモータの一つの態様は、上記冷却装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、大型化することを抑制しつつ、冷却効率を向上できる構造を有する冷却装置、およびそのような冷却装置を備えるモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態の冷却装置を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態の冷却装置を示す模式図である。
図3図3は、本実施形態の冷却装置を示す模式図である。
図4図4は、本実施形態の他の一例である冷却装置を示す模式図である。
図5図5は、本実施形態のモータを示す断面図である。
図6図6は、本実施形態のモータの部分を示す斜視図である。
図7図7は、本実施形態の上側インシュレータを示す斜視図である。
図8図8は、本実施形態のモータの部分を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る冷却装置およびモータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数等を、実際の構造における縮尺および数等と異ならせる場合がある。
【0012】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向とする。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、図5における中心軸Jが延びる方向とする。X軸方向は、図1においては左右方向である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
【0013】
<冷却装置>
図1から図3は、本実施形態の冷却装置10を示す模式図である。図1に示すように、冷却装置10は、発熱体HEを冷却する。発熱体HEは、例えば、モータのコイル等である。冷却装置10は、冷却室11と、放熱室12と、第1接続路13および第2接続路14と、弾性部15と、を備える。
【0014】
冷却室11内、放熱室12内、第1接続路13内、および第2接続路14内には、第1冷却媒体CM1が充填される。第1冷却媒体CM1は、例えば、フッ素系の不活性液体である。第1冷却媒体CM1は、例えば、絶縁性を有する。第1冷却媒体CM1の種類は、発熱体HEの最高発熱温度に応じて選択できる。
【0015】
なお、本明細書において、ある空間内に第1冷却媒体CM1が充填される、とは、ある空間内が第1冷却媒体CM1のみで満たされる場合に限られず、ある空間内に第1冷却媒体CM1以外の物質が収容される場合も含む。
【0016】
冷却室11は、壁部11aに囲まれて構成される。冷却室11は、第1冷却媒体CM1によって発熱体HEを冷却する。本実施形態において発熱体HEは、冷却室11内に収容される。
【0017】
放熱室12は、壁部12aに囲まれて構成される。放熱室12は、第1冷却媒体CM1の熱を外部に放出する。放熱室12の壁部12aには、吸熱部16が取り付けられる。図1の例において吸熱部16は、例えば、放熱室12の鉛直方向上側に取り付けられる。
【0018】
吸熱部16は、例えば、冷却装置10が取り付けられる機器に備えられた部分である。吸熱部16は、放熱室12内の第1冷却媒体CM1から熱を吸収する。吸熱部16の構成は、放熱室12内の第1冷却媒体CM1から熱を吸収できるならば、特に限定されない。吸熱部16は、例えば、熱伝導率が比較的大きい部材で構成されたヒートシンクであってもよいし、放熱室12に送風するファンであってもよいし、冷却媒体が流れる流路を有する部材であってもよい。
【0019】
本実施形態において放熱室12は、例えば、吸熱部16に第1冷却媒体CM1の熱を放出する。放熱室12の少なくとも一部は、冷却室11よりも鉛直方向上側に位置する。本実施形態においては、例えば、放熱室12の全体が、冷却室11よりも鉛直方向上側に位置する。
【0020】
第1接続路13および第2接続路14は、冷却室11と放熱室12とを接続する。本実施形態において第1接続路13および第2接続路14は、鉛直方向(Z軸方向)に延びる。第1接続路13の鉛直方向下側の端部、および第2接続路14の鉛直方向下側の端部は、冷却室11の鉛直方向上側の端部に接続される。すなわち、第1接続路13および第2接続路14は、冷却室11の鉛直方向上側の端部に接続される。第1接続路13の鉛直方向上側の端部、および第2接続路14の鉛直方向上側の端部は、放熱室12の鉛直方向下側の端部に接続される。
【0021】
第1接続路13と放熱室12とが接続される箇所P12は、鉛直方向(Z軸方向)において、第1接続路13と冷却室11とが接続される箇所P11よりも鉛直方向上側に位置する。本実施形態において箇所P12は、例えば、放熱室12の水平方向一方側(+X側)の端部に位置する。本実施形態において箇所P11は、例えば、冷却室11の水平方向一方側の端部近傍に位置する。
【0022】
第2接続路14と放熱室12とが接続される箇所P22は、鉛直方向(Z軸方向)において、第2接続路14と冷却室11とが接続される箇所P21よりも鉛直方向上側に位置する。本実施形態において箇所P22は、例えば、放熱室12の水平方向他方側(−X側)の端部に位置する。本実施形態において箇所P21は、例えば、冷却室11の水平方向他方側の端部近傍に位置する。
【0023】
第1接続路13の延びる方向(Z軸方向)と直交する断面(XY断面)形状は、特に限定されず、例えば、円形状である。第2接続路14の延びる方向(Z軸方向)と直交する断面(XY断面)形状は、特に限定されず、例えば、円形状である。
【0024】
第1接続路13が延びる方向(Z軸方向)と直交する方向(X軸方向,Y軸方向)における第1接続路13の寸法および第2接続路14が延びる方向(Z軸方向)と直交する方向(X軸方向,Y軸方向)における第2接続路14の寸法は、気化した第1冷却媒体CM1の少なくとも一部が第1接続路13内あるいは第2接続路14内に滞留する大きさである。本実施形態において第1接続路13が延びる方向と直交する方向における第1接続路13の寸法とは、第1接続路13の内径D1である。本実施形態において第2接続路14が延びる方向と直交する方向における第2接続路14の寸法とは、第2接続路14の内径D2である。
【0025】
具体的には、第1接続路13の内径D1および第2接続路14の内径D2は、例えば、5mm以上、10mm以下程度の範囲が好ましい。内径D1および内径D2をこのような大きさにすることで、気化した第1冷却媒体CM1である気泡CM1gが第1接続路13内および第2接続路14内に滞留させやすい。
【0026】
弾性部15は、第1冷却媒体CM1に接触する。弾性部15は、弾性体製である。弾性部15の材質は、弾性体であるならば特に限定されない。弾性部15の材質は、例えば、ゴムである。本実施形態において弾性部15は、例えば、冷却室11を構成する壁部11aの一部である。
【0027】
次に、本実施形態の冷却装置10による発熱体HEの冷却方法について説明する。本実施形態の冷却装置10は、3つの冷却フェーズ、すなわち第1冷却フェーズPH1、第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3を有する。本実施形態の冷却装置10においては、発熱体HEの温度に応じて、3つの冷却フェーズが適宜切り替えられ、発熱体HEを効率よく冷却することができる。3つの冷却フェーズは、発熱体HEの温度が高くなるのに従って、第1冷却フェーズPH1、第2冷却フェーズPH2、第3冷却フェーズPH3の順で切り換えられる。
【0028】
図1においては、第1冷却フェーズPH1における冷却装置10を示している。図1に示すように、第1冷却フェーズPH1は、冷却室11内において生じる第1冷却媒体CM1の対流CFによって、発熱体HEを冷却するフェーズである。発熱体HEの温度が上昇すると、発熱体HEの周囲に位置する第1冷却媒体CM1の温度が上昇する。これにより、温度が上昇した第1冷却媒体CM1が冷却室11内において上昇し、対流CFが生じる。すなわち、本実施形態においては、第1冷却媒体CM1の温度が上昇した場合に、冷却室11内において、第1冷却媒体CM1の対流CFが生じる。
【0029】
対流CFが生じると、対流CFによって冷却室11内における第1冷却媒体CM1が攪拌される。これにより、発熱体HEの周囲に位置する第1冷却媒体CM1を冷却室11内で循環させることができ、発熱体HEを冷却できる。第1冷却フェーズPH1においては、発熱体HEの温度は、第1冷却媒体CM1の沸点よりも小さい。
【0030】
ここで、本実施形態において冷却室11と放熱室12とは、第1接続路13と第2接続路14とのみで接続される。そのため、自然状態では、冷却室11内の第1冷却媒体CM1と放熱室12内の第1冷却媒体CM1との間で第1冷却媒体CM1の循環は生じにくい。
【0031】
なお、本明細書において、自然状態、とは、第1冷却媒体CM1が気化していない状態、および第1冷却媒体CM1が気化しても後述する気泡CM1gが第1接続路13または第2接続路14に滞留しない状態を含む。本明細書において、自然状態とは、第1冷却フェーズPH1および第2冷却フェーズPH2を含む。すなわち、第1冷却フェーズPH1および第2冷却フェーズPH2においては、冷却室11と放熱室12との間で、後述する第1冷却媒体CM1の循環CY1は生じにくい。
【0032】
冷却室11と放熱室12との間で第1冷却媒体CM1の循環が生じにくい場合、冷却室11と放熱室12との間で熱交換が行われにくい。冷却室11内の第1冷却媒体CM1は、発熱体HEを冷却するため、温度が比較的高くなりやすい。一方、放熱室12内の第1冷却媒体CM1は、熱を外部に放出するため、温度が比較的低くなりやすい。したがって、自然状態においては、放熱室12内の第1冷却媒体CM1の温度は、比較的低く保たれる。
【0033】
また、冷却室11と放熱室12との間で第1冷却媒体CM1の循環が生じていない場合、冷却室11と放熱室12とを接続する第1接続路13および第2接続路14においても、第1冷却媒体CM1の温度が比較的低く保たれる。
【0034】
第1冷却フェーズPH1では発熱体HEを十分に冷却できず、発熱体HEの温度が第1冷却媒体CM1の沸点以上となった場合、冷却フェーズは、第1冷却フェーズPH1から第2冷却フェーズPH2に移行する。
【0035】
図2においては、第2冷却フェーズPH2における冷却装置10を示している。図2に示すように、第2冷却フェーズPH2は、第1冷却媒体CM1の対流CFと、第1冷却媒体CM1の気化と、によって発熱体HEを冷却するフェーズである。
【0036】
第2冷却フェーズPH2においては、発熱体HEの温度が第1冷却媒体CM1の沸点以上となることで、発熱体HEの周囲の第1冷却媒体CM1が気化し、第1冷却媒体CM1の気体からなる気泡CM1gが生じる。そのため、第1冷却媒体CM1が気化する際の潜熱によって、発熱体HEの熱が吸熱され、発熱体HEが冷却される。
【0037】
このように第2冷却フェーズPH2においては、対流CFに加えて、第1冷却媒体CM1の気化によっても発熱体HEが冷却される。そのため、第2冷却フェーズPH2における発熱体HEを冷却する効果は、第1冷却フェーズPH1における発熱体HEを冷却する効果よりも大きい。
【0038】
第2冷却フェーズPH2において生じた気泡CM1gは、鉛直方向上側(+Z側)に上昇し、例えば、第1接続路13内に移動する。上述したように第2冷却フェーズPH2においては、冷却室11と放熱室12との間で後述する第1冷却媒体CM1の循環CY1が生じにくいため、第1接続路13内における第1冷却媒体CM1の温度は比較的低く保たれている。これにより、第1接続路13内において移動した気泡CM1gは、凝縮し、再び液体へと戻る。
【0039】
図2の例では、気泡CM1gは第1接続路13のみに移動しているが、これに限られない。第2冷却フェーズPH2において、気泡CM1gは、第2接続路14に移動してもよいし、第1接続路13または第2接続路14を介して放熱室12に移動してもよい。第2接続路14内および放熱室12内においても、第1冷却媒体CM1の温度は比較的低く保たれているため、第2接続路14内および放熱室12内に移動した気泡CM1gは、凝縮し、再び液体へと戻る。すなわち、冷却室11内の第1冷却媒体CM1が気化した場合、気化した第1冷却媒体CM1の少なくとも一部は、第1接続路13内、第2接続路14内、および放熱室12内のいずれかにおいて凝縮する。
【0040】
第2冷却フェーズPH2によって発熱体HEが冷却され、発熱体HEの温度が、第1冷却媒体CM1の沸点よりも小さくなった場合、冷却フェーズは、第2冷却フェーズPH2から第1冷却フェーズPH1へと戻る。
【0041】
一方、第2冷却フェーズPH2では発熱体HEを十分に冷却できず、発熱体HEの温度の上昇とともに、気化する第1冷却媒体CM1の量がある程度増加すると、冷却フェーズは、第2冷却フェーズPH2から第3冷却フェーズPH3に移行する。
【0042】
図3においては、第3冷却フェーズPH3における冷却装置10を示している。図3に示すように、第3冷却フェーズPH3は、第1冷却媒体CM1の気化と、冷却室11と放熱室12との間で生じる第1冷却媒体CM1の循環CY1と、によって発熱体HEを冷却するフェーズである。
【0043】
発熱体HEの温度がさらに上昇すると、気化する第1冷却媒体CM1の量が増加し、気泡CM1gの量が増加する。ここで、第1接続路13の内径D1および第2接続路14の内径D2は、気化した第1冷却媒体CM1である気泡CM1gを第1接続路13内および第2接続路14内に滞留させやすい構成となっている。そのため、気泡CM1gの量が増加すると、第1接続路13内において気泡CM1gが滞留する。これにより、第1接続路13内における気泡CM1gが滞留する部分の鉛直方向(Z軸方向)長さの分だけ、第1接続路13と冷却室11との接続される箇所P11と、第2接続路14と冷却室11との接続される箇所P21との間に圧力差が生じる。すなわち、箇所P11における圧力が、箇所P21における圧力よりも小さくなる。
【0044】
これにより、第2接続路14内の第1冷却媒体CM1が重力によって鉛直方向下側に位置する冷却室11に移動する。第2接続路14内の第1冷却媒体CM1が冷却室11内に移動すると、冷却室11内の第1冷却媒体CM1の一部が第1接続路13に押し出され、第1接続路13を介して放熱室12に移動する。第1接続路13からの第1冷却媒体CM1の流入、および第2接続路14からの第1冷却媒体CM1の流出に伴って、放熱室12内における第1冷却媒体CM1の一部が第2接続路14に押し出され、第2接続路14を介して冷却室11に移動する。これにより、冷却室11と放熱室12との間で、第1冷却媒体CM1の循環CY1が生じる。
【0045】
以上のように、第3冷却フェーズPH3においては、冷却室11内における第1冷却媒体CM1の一部が気化した場合に、気化した第1冷却媒体CM1(気泡CM1g)の少なくとも一部が第1接続路13内に移動する。そして、第3冷却フェーズPH3においては、冷却室11の第1冷却媒体CM1が第1接続路13を介して放熱室12へと流れ放熱室12の第1冷却媒体CM1が第2接続路14を介して冷却室11へと流れる循環CY1が生じる。
【0046】
第1冷却フェーズPH1および第2冷却フェーズPH2において放熱室12内における第1冷却媒体CM1の温度は比較的低く保たれているため、放熱室12内における第1冷却媒体CM1が循環CY1によって冷却室11内に移動することで、発熱体HEをより冷却することができる。
【0047】
このように第3冷却フェーズPH3においては、第1冷却媒体CM1の気化に加えて、第1冷却媒体CM1の循環CY1によっても発熱体HEが冷却される。そのため、第3冷却フェーズPH3における発熱体HEを冷却する効果は、第2冷却フェーズPH2における発熱体HEを冷却する効果よりも大きい。また、第3冷却フェーズPH3において、圧力差によって生じる第1冷却媒体CM1の循環CY1の流速は、第1冷却媒体CM1の対流CFの流速よりも速くなる。その結果、発熱体HEを冷却する効果が向上する。
【0048】
なお、第1冷却媒体CM1の循環CY1が生じる場合、比較的温度が高い冷却室11内の第1冷却媒体CM1が放熱室12に流入する。しかし、放熱室12は第1冷却媒体CM1の熱を外部に放出するため、冷却室11から流入した比較的温度が高い第1冷却媒体CM1は、放熱室12において冷却され、比較的温度が低い第1冷却媒体CM1となって、再び冷却室11へと流入される。
【0049】
第3冷却フェーズPH3において、第1接続路13内に滞留した気泡CM1gは、第1冷却媒体CM1の循環CY1によって液体である第1冷却媒体CM1とともに放熱室12に移動し、凝縮される。
【0050】
以上のように、本実施形態においては、冷却フェーズが、発熱体HEの温度に応じて、自動的に第1冷却フェーズPH1から第3冷却フェーズPH3までの間で変化する。これにより、発熱体HEの温度に応じて適切な冷却フェーズを実行することが可能であり、発熱体HEを効率的に冷却することができる。
【0051】
第1冷却媒体CM1の種類は、例えば、冷却装置10による冷却フェーズが、上述した第1冷却フェーズPH1から第3冷却フェーズPH3の間で変化可能に選択することが好ましい。具体的には、第1冷却媒体CM1として、発熱体HEの熱によって気化可能な物質を選択することが好ましい。すなわち、第1冷却媒体CM1の沸点は、発熱体HEの最高温度よりも小さいことが好ましい。これにより、発熱体HEの温度が第1冷却媒体CM1の沸点よりも大きい場合に、第1冷却媒体CM1が気化し、第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3が実行される。したがって、発熱体HEをより冷却しやすい。
【0052】
本実施形態によれば、上述したように第1冷却媒体CM1の気化と、循環CY1と、によって発熱体HEを効果的に冷却できる。そのため、冷却装置10の冷却効率を向上できる。また、例えば、第1冷却媒体CM1の気化のみで発熱体HEを冷却する場合に比べて、気化する第1冷却媒体CM1の量を少なくできる。これにより、気泡CM1gを凝縮するために大型の凝縮器を設ける必要がなく、冷却装置10が大型化することを抑制できる。
【0053】
また、例えば、ポンプ等の第1冷却媒体CM1に駆動力を与える機器を設けることで、冷却室11と放熱室12との間で第1冷却媒体CM1の循環CY1を生じさせる方法も考えられるが、この場合には、ポンプ等の分だけ冷却装置が大型化する。
【0054】
これに対して本実施形態によれば、気泡CM1gを利用して、第1冷却媒体CM1に働く重力を駆動力とすることで、第1冷却媒体CM1の循環CY1を生じさせることができる。その結果、第1冷却媒体CM1において、循環CY1の流速は、対流CFの流速よりも速くなる。したがって、本実施形態によれば、冷却装置10の冷却効率を向上することができる。
【0055】
以上により、本実施形態によれば、大型化することを抑制しつつ、冷却効率を向上できる構造を有する冷却装置10が得られる。
【0056】
また、本実施形態によれば、生じた気泡CM1gは、第1冷却媒体CM1の温度が比較的低く保たれる第1接続路13内、第2接続路14内、および放熱室12内のいずれかにおいて凝縮される。そのため、大きさに関わらず凝縮器を設ける必要がなく、冷却装置10が大型化することをより抑制できる。
【0057】
また、本実施形態によれば、第1接続路13の内径D1が、第1接続路13内に気泡CM1gが滞留する大きさであるため、冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2から第3冷却フェーズPH3に移行しやすい。これにより、発熱体HEをより冷却しやすく、冷却装置10の冷却効率をより向上できる。また、第1接続路13の内径D1が、気泡CM1gが滞留する程度に小さい場合、自然状態においては、放熱室12の第1冷却媒体CM1が第1接続路13または第2接続路14によって移動しにくく、冷却室11と放熱室12との間に第1冷却媒体CM1の循環CY1がより生じにくい。したがって、自然状態において、冷却室11と放熱室12との間に熱交換が生じることをより抑制できる。その結果、放熱室12内の第1冷却媒体CM1の温度を比較的低い温度に保ちやすい。
【0058】
また、本実施形態によれば、放熱室12の全体は、冷却室11よりも鉛直方向上側に位置する。そのため、第3冷却フェーズPH3において、圧力差による第1冷却媒体CM1の重力を利用して、冷却室11と放熱室12との間に第1冷却媒体CM1の循環CY1を生じさせやすい。
【0059】
また、本実施形態によれば、第1接続路13は、冷却室11の鉛直方向上側の端部に接続される。そのため、第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3において、気泡CM1gが第1接続路13に移動しやすい。これにより、気泡CM1gを第1接続路13内または放熱室12において凝縮させやすい。また、第3冷却フェーズPH3においては、第1接続路13内に気泡CM1gを滞留させて、第1冷却媒体CM1の循環CY1を生じさせやすくできる。
【0060】
また、本実施形態によれば、発熱体HEは、冷却室11内に収容される。そのため、第1冷却媒体CM1が発熱体HEに直接的に接触する。したがって、第1冷却媒体CM1によって発熱体HEをより冷却しやすく、冷却装置10の冷却効率をより向上できる。
【0061】
また、例えば、第1冷却媒体CM1の一部が気化すると、冷却室11、放熱室12、第1接続路13および第2接続路14に充填された第1冷却媒体CM1の体積が大きくなる。そのため、冷却室11内、放熱室12内、第1接続路13内および第2接続路14内において、圧力が上昇し、第1冷却媒体CM1の沸点が上昇する虞がある。これにより、発熱体HEの温度が比較的大きくなった場合であっても、冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3に移行しなくなる虞がある。したがって、発熱体HEを適切に冷却できない虞があった。
【0062】
これに対して本実施形態によれば、弾性部15が設けられる。そのため、第1冷却媒体CM1が気化して気泡CM1gが生じた場合に、弾性部15が変形して、冷却室11内、放熱室12内、第1接続路13内および第2接続路14内において圧力が上昇することを抑制できる。これにより、第1冷却媒体CM1の沸点が上昇することを抑制でき、発熱体HEを適切に冷却しやすい。
【0063】
また、例えば、冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3に移行するならば、第1冷却媒体CM1の沸点は高い方が好ましい。冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3に移行した際の冷却室11内の温度が高くなることで外部との温度差が大きくなり、冷却効率が上昇するためである。
【0064】
本実施形態によれば、圧力変動を吸収する弾性部15を設けて弾性部15による圧力吸収幅を調整することで、冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3に移行可能な範囲で、第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3における圧力を大きくできる。そのため、第2冷却フェーズPH2および第3冷却フェーズPH3における冷却効率をより向上できる。
【0065】
また、本実施形態によれば、弾性部15は、冷却室11を構成する壁部11aの一部である。そのため、気泡CM1gが生じる冷却室11内において圧力が上昇することをより抑制でき、冷却室11内の第1冷却媒体CM1の沸点が上昇することをより抑制できる。
【0066】
また、本実施形態によれば、冷却フェーズとして、第1冷却媒体CM1の対流CFが生じる第1冷却フェーズPH1が設けられる。そのため、発熱体HEの温度が比較的低く、第1冷却媒体CM1が気化しない場合であっても、第1冷却媒体CM1の対流CFによって発熱体HEを冷却することができる。
【0067】
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。以下の説明においては、上記説明と同一の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
【0068】
本実施形態においては、冷却装置10で発熱体HEを冷却する際に、例えば、冷却フェーズが第1冷却フェーズPH1と第2冷却フェーズPH2との間のみで変化する構成であってもよい。この場合、第2冷却フェーズPH2において、冷却室11内における第1冷却媒体CM1が気化することで、発熱体HEの温度が第1冷却媒体CM1の沸点よりも小さくなる。これにより、冷却フェーズは、第1冷却フェーズPH1と第2冷却フェーズPH2との間で交互に切り換えられ、発熱体HEを温度に応じて適切に冷却しやすい。
【0069】
また、本実施形態においては、第1接続路13と放熱室12とが接続される箇所P12は、鉛直方向(Z軸方向)において、第1接続路13と冷却室11とが接続される箇所P11と同じ位置であってもよい。この場合においても、冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2から第3冷却フェーズPH3に移行する際の圧力差は、第1接続路13の内径D1の分だけ生じる。
【0070】
また、本実施形態においては、発熱体HEが冷却室11の外部に位置した状態で、発熱体HEを冷却してもよい。この場合、例えば、発熱体HEが冷却室11の壁部11aに取り付けられ、壁部11aを介して第1冷却媒体CM1によって発熱体HEを冷却する。
【0071】
また、本実施形態において弾性部15は、気泡CM1gが生じた際に弾性変形すれば、構成は特に限定されない。本実施形態において弾性部15は、放熱室12の壁部12aの一部であってもよいし、第1接続路13および第2接続路14を構成する壁部の一部であってもよい。
【0072】
また、本実施形態において弾性部15は、弾性体製の球体等であってもよい。この場合、弾性部15は、冷却室11内、放熱室12内、第1接続路13内、または第2接続路14内に位置する。また、本実施形態において弾性部15は、空気等の気体であってもよい。
【0073】
また、上記説明においては、第3冷却フェーズPH3に移行する際に、気泡CM1gが第1接続路13内のみに滞留する場合を示したが、これに限られない。本実施形態において気泡CM1gは、第1接続路13および第2接続路14のいずれにも移動可能であり、冷却フェーズが第2冷却フェーズPH2から第3冷却フェーズPH3に移行する際において、第1接続路13内と第2接続路14内との両方に気泡CM1gが滞留していてもよい。この場合、気泡CM1gがより多く滞留した側の接続路と冷却室11との接続箇所の圧力が小さくなり、その圧力差によって冷却フェーズが第3冷却フェーズPH3へと移行する。例えば、第2接続路14内に滞留する気泡CM1gの量が、第1接続路13内に滞留する気泡CM1gの量よりも多い場合、図3に示す第1冷却媒体CM1の循環CY1とは逆向きの循環が生じる。
【0074】
また、本実施形態においては、図4に示す構成を採用してもよい。図4は、本実施形態の他の一例である冷却装置110を示す模式図である。図4においては、第3冷却フェーズPH3における冷却装置110を示している。図4に示すように、冷却装置110は、冷却室111と、放熱室112と、第1接続路113および第2接続路114と、弾性部115と、を備える。
【0075】
冷却室111と放熱室112とは、水平方向(X軸方向)に沿って並ぶ。冷却室111と放熱室112とは、鉛直方向(Z軸方向)に延びる。鉛直方向において、冷却室111における鉛直方向下側端部の位置と、放熱室112における鉛直方向下側端部の位置とは、例えば、同じである。放熱室112における鉛直方向上側端部の位置は、冷却室111における鉛直方向上側端部の位置よりも鉛直方向上側に位置する。すなわち、この構成においては、放熱室112の一部が、冷却室111よりも鉛直方向上側に位置する。
【0076】
放熱室112には、吸熱部116が取り付けられる。吸熱部116は、放熱室112の水平方向(X軸方向)の冷却室111と逆側(−X側)に位置する点を除いて、図1図3に示す吸熱部116と同様である。
【0077】
第1接続路113は、第1直線部113aと、第2直線部113bと、を有する。第1直線部113aは、冷却室111の鉛直方向上側の端部から鉛直方向上側に直線状に延びる。第2直線部113bは、第1直線部113aの鉛直方向上側の端部から放熱室112側(−X側)に向かって水平方向(X軸方向)に直線状に延びる。第2直線部113bの放熱室112側の端部は、放熱室112の冷却室111側(+X側)の端部における鉛直方向上側の端部に接続される。この構成において第1接続路13の全体は、冷却室111よりも鉛直方向上側に位置する。
【0078】
第2接続路114は、水平方向(X軸方向)に延びる。第2接続路114は、冷却室111の鉛直方向下側の端部と、放熱室112の鉛直方向下側の端部とに接続される。鉛直方向において、第2接続路114における鉛直方向下側端部の位置は、例えば、冷却室111における鉛直方向下側端部の位置、および放熱室112における鉛直方向下側端部の位置と同じである。
【0079】
この構成において第2接続路114は、冷却室111よりも鉛直方向上側に位置する部分を有していない。言い換えると、この構成において第2接続路114の全体は、冷却室111の鉛直方向上側の端部よりも鉛直方向下側に位置する。
【0080】
弾性部115は、放熱室112の壁部の一部である。弾性部115は、放熱室112の鉛直方向下側の端部に位置する壁部に設けられる。
【0081】
冷却装置110のその他の構成は、図1から図3に示す冷却装置10の構成と同様である。
【0082】
この構成においても、第1接続路113に気泡CM1gが滞留することで、冷却室111と放熱室112との間に圧力差が生じ、循環CY2が生じる。したがって、この構成においても、大型化することを抑制しつつ、冷却効率を向上できる構造を有する冷却装置110が得られる。
【0083】
なお、この構成において圧力差は、第1接続路113の第1直線部113aに滞留している気泡CM1gの鉛直方向(Z軸方向)の長さによって決まる。また、この構成においては、気泡CM1gは第1接続路113のみに移動する。
【0084】
<モータ>
次に、本実施形態の冷却装置をモータに搭載した例について説明する。図5は、本実施形態のモータ1を示す断面図である。図6および図8は、本実施形態のモータ1の部分を示す斜視図である。図7は、本実施形態の上側インシュレータ233を示す斜視図である。図6においては、第1接続路部材235を二点鎖線で示している。
【0085】
なお、以下の説明においては、中心軸Jの延びる方向(X軸方向)を前後方向とする。ある対象に対してX軸方向の正の側(+X側)を「前側」と呼ぶ場合があり、ある対象に対してX軸方向の負の側(−X側)を「後側」と呼ぶ場合がある。なお、前後方向、前側および後側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。
【0086】
また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(X軸方向)を単に「軸方向」と呼ぶ場合があり、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ場合があり、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ場合がある。
【0087】
図5に示すように、本実施形態のモータ1は、冷却装置210と、ロータ220と、ステータ230と、ハウジング240と、第1蓋部材250と、第2蓋部材251と、第1接続パイプ260と、第2接続パイプ261と、冷却ジャケット(吸熱部)216と、を備える。
【0088】
冷却装置210は、複数の冷却室211と、放熱室212と、第1接続路213および第2接続路214と、弾性部215と、を有する。本実施形態において冷却室211は、第1冷却室(冷却室)211aと、第2冷却室(冷却室)211bと、を含む。
【0089】
冷却室211と、放熱室212と、第1接続路213および第2接続路214とには、図1から図3に示す冷却装置10と同様に、第1冷却媒体CM1が充填される。本実施形態において第1冷却媒体CM1は、例えば、絶縁性を有する。
【0090】
本実施形態において、冷却室211と、第1接続路213と、第2接続路214と、弾性部215とは、ステータ230に設けられる。本実施形態において放熱室212は、ハウジング240に設けられる。冷却装置210の各部の詳細は、ステータ230およびハウジング240の構成とともに後述する。
【0091】
ロータ220は、シャフト221と、ロータコア222と、ロータマグネット223と、を有する。シャフト221は、一方向(X軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする。シャフト221は、図示しないベアリングによって、中心軸Jの軸周りに回転可能に支持される。
【0092】
ロータコア222は、シャフト221を軸周りに囲んで、シャフト221に固定される。ロータマグネット223は、ロータコア222における中心軸Jの軸周りに沿った外側面に固定される。ロータコア222およびロータマグネット223は、シャフト221と一体となって回転する。
【0093】
ステータ230は、ロータ220の径方向外側に位置する。ステータ230は、ロータ220を中心軸Jの軸周りに囲む。ステータ230は、ステータコア231と、複数のコイル232と、上側インシュレータ(インシュレータ)233と、下側インシュレータ(インシュレータ)234と、を有する。
【0094】
ステータコア231は、コアバック部231aと、ティース部231bと、を有する。コアバック部231aの形状は、例えば、シャフト221と同心の円筒状である。ティース部231bは、コアバック部231aの内側面からシャフト221に向かって延びる。ティース部231bは、複数設けられ、コアバック部231aの内側面の周方向に均等な間隔で配置される。
【0095】
コイル232は、導電線が巻き回されて構成される。コイル232は、上側インシュレータ233または下側インシュレータ234を介して、各ティース部231bに巻き回される。上側インシュレータ233および下側インシュレータ234は、各ティース部231bに装着される。コイル232は、ステータコア231を励磁する。
【0096】
本実施形態において上側インシュレータ233は、例えば、ティース部231bのうちシャフト221よりも鉛直方向上側に位置するティース部231bごとに装着される。上側インシュレータ233は、インシュレータ本体237と、インシュレータ本体237に取り付けられる第1接続路部材235および第2接続路部材236と、を有する。第1接続路部材235は、インシュレータ本体237の水平方向の+X側端部に取り付けられる。第2接続路部材236は、インシュレータ本体237の水平方向の−X側端部に取り付けられる。第1接続路部材235と第2接続路部材236とは、例えば、インシュレータ本体237と別部材である。
【0097】
インシュレータ本体237は、第1冷却室211aと、インシュレータ本体237の水平方向の+X側に位置する収容凹部237aと、インシュレータ本体237の水平方向の−X側に位置する収容凹部237bと、インシュレータ本体237の水平方向の+X側に位置するリブ部237cと、インシュレータ本体237の水平方向の−X側に位置するリブ部237dと、を有する。すなわち、上側インシュレータ233は、第1冷却室211aと、収容凹部237aと、収容凹部237bと、リブ部237cと、リブ部237dと、を有する。
【0098】
収容凹部237aおよびリブ部237cと、収容凹部237bおよびリブ部237dとは、軸方向(X軸方向)に反転している点を除いて同様である。
【0099】
第1冷却室211aは、図1から図3を用いて上記説明した冷却室11と同様の機能を有する。図示は省略するが、本実施形態において第1冷却室211aは、例えば、ティース部231bの軸方向両側および周方向両側を囲む環状である。本実施形態において中心軸Jよりも鉛直方向上側に位置するコイル232は、第1冷却室211aに収容される。すなわち、本実施形態において第1冷却室211aによって冷却される発熱体HEは、コイル232である。
【0100】
第1冷却室211aは、装着壁部233aと、内側壁部233bと、外側壁部233cと、蓋部233dと、を有する。本実施形態において装着壁部233a、内側壁部233b、外側壁部233c、および蓋部233dは、ステータコア231の軸方向(X軸方向)の両端側にそれぞれ設けられる。
【0101】
なお、以下の説明においては、ステータコア231の軸方向の両端側に位置するインシュレータの各部を基準として、軸方向におけるステータコア231側を単に「軸方向内側」と呼ぶ場合があり、軸方向におけるステータコア231と逆側を単に「軸方向外側」と呼ぶ場合がある。
【0102】
装着壁部233aは、ティース部231bに接触して装着される部分である。装着壁部233aは、ステータコア231とコイル232との軸方向(X軸方向)の間に位置する。すなわち、上側インシュレータ233の少なくとも一部は、ステータコア231とコイル232との間に位置する。
【0103】
内側壁部233bは、装着壁部233aの径方向内側(鉛直方向下側)の端部から軸方向外側に延びる。図6に示すように、本実施形態において内側壁部233bは、例えば、装着壁部233a、外側壁部233c、および蓋部233dと別部材である。
【0104】
内側壁部233bには、弾性部215が設けられる。弾性部215は、図1から図3を用いて上記説明した弾性部15と同様の機能を有する。本実施形態において弾性部215は、内側壁部233bを径方向に貫通する取付孔233fに位置する。弾性部215は、取付孔233fを塞ぐ。本実施形態において弾性部215は、例えば、内側壁部233bの軸方向外側の端部に位置する。弾性部215は、例えば、径方向内側に凸となる形状である。
【0105】
図5に示すように、外側壁部233cは、装着壁部233aの径方向外側の端部から軸方向外側に延びる。図6および図7に示すように、外側壁部233cは、外側壁部233cを径方向(鉛直方向)に貫通する孔である接続孔233eを有する。蓋部233dは、内側壁部233bの軸方向外側の端部と、外側壁部233cの軸方向外側の端部と、を接続する。蓋部233dは、コイル232の軸方向外側を覆う。
【0106】
収容凹部237aは、インシュレータ本体237の軸方向外側(+X側)から軸方向内側(−X側)に窪む。収容凹部237aは、第1冷却室211aの径方向外側(鉛直方向上側,+Z側)に位置する。収容凹部237aの径方向内側(鉛直方向下側,−Z側)の壁部は、例えば、第1冷却室211aの外側壁部233cである。
【0107】
収容凹部237aは、底部237eを有する。底部237eは、収容凹部237aの軸方向内側の壁部である。底部237eは、底部237eを軸方向に貫通する孔である第1接続孔237fを有する。第1接続孔237fは、リブ部237cの径方向外側(鉛直方向上側,+Z側)に位置する。第1接続孔237fは、放熱室212と接続される。
【0108】
図7に示すように、底部237eは、底部237eを軸方向に貫通する孔である第2接続孔237gを有する。第2接続孔237gは、放熱室212と接続される。第2接続孔237gには、後述する第2接続路218が接続される。
【0109】
リブ部237cは、底部237eから軸方向外側(+X側)に突出する。リブ部237cは、外側壁部233cと接続される。リブ部237cにおける底部237eとの接続箇所の径方向外側(鉛直方向上側,+Z側)の端部は、第1接続孔237fの内縁における径方向内側(鉛直方向下側,−Z側)の端部に位置する。リブ部237cにおける外側壁部233cとの接続箇所の軸方向外側の端部は、接続孔233eの内縁の軸方向内側(−X側)の端部に位置する。
【0110】
図6に示すように、第1接続路部材235は、収容凹部237aに収容される。第1接続路部材235は、収容凹部237a内に固定される。第1接続路部材235は、リブ部237cと対向する。第1接続路部材235とリブ部237cとの間には、第1接続路213が設けられる。すなわち、第1接続路部材235とリブ部237cとによって、第1接続路213が構成される。第1接続路213は、図1から図3を用いて上記説明した第1接続路13と同様の機能を有する。
【0111】
本実施形態において第1接続路213は、第1接続路部材235におけるリブ部237cと対向する面と、リブ部237cにおける第1接続路部材235と対向する面と、によって構成される。すなわち、第1接続路部材235は、第1接続路213の少なくとも一部を有する。
【0112】
第1接続路213は、外側壁部233cの接続孔233eを介して第1冷却室211aと接続される。第1接続路213は、第1接続孔237fを介して放熱室212と接続される。
【0113】
本実施形態において第1接続路213の全体は、第1冷却室211aよりも鉛直方向上側に位置する。第1接続路213は、第1直線部213aと、円弧部213bと、第2直線部213cと、を有する。第1直線部213aは、第1冷却室211aから径方向外側(鉛直方向上側)に延びる。
【0114】
円弧部213bは、第1直線部213aの径方向外側(鉛直方向上側,+Z側)の端部に接続される。円弧部213bは、径方向外側(鉛直方向上側)に向かうに従って軸方向内側(−X側)に位置する円弧状である。第2直線部213cは、円弧部213bの軸方向内側の端部に接続される。第2直線部213cは、放熱室212まで軸方向(X軸方向)に延びる。
【0115】
図5に示すように、第2接続路部材236は、収容凹部237bに収容される。第2接続路部材236は、収容凹部237b内に固定される。第2接続路部材236とリブ部237dとの間には、第2接続路214が設けられる。第2接続路214は、図1から図3を用いて上記説明した第2接続路14と同様の機能を有する。
【0116】
本実施形態において第2接続路214は、第2接続路部材236におけるリブ部237dと対向する面と、リブ部237dにおける第2接続路部材236と対向する面と、によって構成される。すなわち、第2接続路部材236は、第2接続路214の少なくとも一部を有する。第2接続路214のその他の点は、軸方向に反転している点を除いて、第1接続路213と同様である。
【0117】
本実施形態において下側インシュレータ234は、例えば、ティース部231bのうちシャフト221よりも鉛直方向下側に位置するティース部231bに装着される。下側インシュレータ234は、第2冷却室211bを有する。第2冷却室211bは、第1冷却室211aよりも鉛直方向下側に位置する。
【0118】
図示は省略するが、第2冷却室211bは、ティース部231bの軸方向両側および周方向両側を囲む環状である。本実施形態において中心軸Jよりも鉛直方向下側に位置するコイル232は、第2冷却室211bに収容される。すなわち、本実施形態において第2冷却室211bによって冷却される発熱体HEは、コイル232である。
【0119】
第2冷却室211bは、装着壁部234aと、内側壁部234bと、外側壁部234cと、蓋部234dと、を有する。本実施形態において装着壁部234a、内側壁部234b、外側壁部234c、および蓋部234dは、ステータコア231の軸方向(X軸方向)の両端側にそれぞれ設けられる。
【0120】
図8に示すように、装着壁部234aは、第1冷却室211aの装着壁部233aと同様である。内側壁部234bは、第1冷却室211aの内側壁部233bと同様である。外側壁部234cは、第1冷却室211aの外側壁部233cと異なり、接続孔233eを有していない。外側壁部234cのその他の点は、第1冷却室211aの外側壁部233cと同様である。
【0121】
蓋部234dは、蓋部234dを軸方向(X軸方向)に貫通する接続孔234eを有する。ステータコア231の前側(+X側)に位置する接続孔234eには、第1接続パイプ260が接続される。図5に示すように、ステータコア231の後側(−X側)に位置する接続孔234eには、第2接続パイプ261が接続される。蓋部234dのその他の点は、第1冷却室211aの蓋部233dと同様である。
【0122】
ハウジング240は、ステータコア231を周方向に囲む筒状である。ハウジング240は、例えば、中心軸Jを中心とする円筒状である。ハウジング240の内周面には、ステータコア231が嵌め合わされる。ハウジング240は、例えば、金属製である。
【0123】
ハウジング240は、放熱室212を有する。放熱室212は、図1から図3を用いて上記説明した放熱室12と同様の機能を有する。本実施形態において放熱室212の全体は、例えば、第1冷却室211aよりも鉛直方向上側に位置する。放熱室212は、例えば、ハウジング240の軸方向(X軸方向)の全体に延びる。放熱室212は、例えば、上側インシュレータ233ごとに設けられる。
【0124】
第1蓋部材250は、ステータ230の前側(+X側)に取り付けられる。第1蓋部材250は、ステータ230の前側を覆う。第1蓋部材250は、円環底部250aと、内側筒部250bと、外側筒部250cと、円環蓋部250dと、を有する。
【0125】
円環底部250aは、例えば、中心軸Jを中心とする円環板状である。円環底部250aは、上側インシュレータ233における前側(+X側)の蓋部233dと、下側インシュレータ234における前側の蓋部234dとに、接触する。図8に示すように、円環底部250aは、円環底部250aを軸方向(X軸方向)に貫通する挿入孔250eを有する。挿入孔250eは、接続孔234eと軸方向(X軸方向)に対向する。
【0126】
内側筒部250bは、例えば、円環底部250aの径方向内側の内縁から前側(+X側)に延びる円筒状である。外側筒部250cは、例えば、円環底部250aの径方向外側の外縁から前側に延びる円筒状である。図5に示すように、円環蓋部250dは、内側筒部250bの前側の端部と、外側筒部250cの前側の端部と、に接続される。円環蓋部250dは、円環底部250aの前側を覆う。
【0127】
第1蓋部材250の内部、すなわち、円環底部250aと内側筒部250bと外側筒部250cと円環蓋部250dとで囲まれた空間である第1接続空間252には、第1接続パイプ260が収容される。
【0128】
第2蓋部材251は、ステータ230の後側(−X側)に取り付けられる。第2蓋部材251は、ステータ230の後側を覆う。第2蓋部材251は、軸方向(X軸方向)に反転している点を除いて、第1蓋部材250と同様である。第2蓋部材251の内部の空間である第2接続空間253には、第2接続パイプ261が収容される。
【0129】
図6および図8に示すように、第1接続パイプ260は、冷却室接続部260aと、円弧状部260bと、放熱室接続部260cと、を有する。冷却室接続部260aは、軸方向(X軸方向)に延びる。冷却室接続部260aの後側(−X側)の端部は、挿入孔250eに挿入される。冷却室接続部260aの内部は、第2冷却室211bと接続される。
【0130】
図8に示すように、円弧状部260bは、冷却室接続部260aの前側(+X側)の端部に接続される。円弧状部260bは、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって、第1接続空間252内を周方向に沿って延びる。
【0131】
図5に示すように、放熱室接続部260cは、円弧状部260bにおける鉛直方向上側の端部に接続される。放熱室接続部260cは、軸方向(X軸方向)に延びる。放熱室接続部260cの後側(−X側)の端部は、放熱室212に接続される。
【0132】
第2接続パイプ261は、軸方向(X軸方向)に反転している点を除いて、第1接続パイプ260と同様である。
【0133】
第1接続パイプ260の内部は、第1冷却媒体CM1が充填される第1接続路217である。第1接続路217は、第2冷却室211bと放熱室212とに接続される。第2接続パイプ261の内部は、第1冷却媒体CM1が充填される第2接続路218である。第2接続路218は、第2冷却室211bと放熱室212とに接続される。すなわち、第2冷却室211bに接続される第1接続路217および第2接続路218は、第1冷却室211aが接続される放熱室212に接続される。第2接続路218は、例えば、第2接続孔237g(図7参照)を介して、放熱室212と接続される。
【0134】
第1接続路217は、第2冷却室211bと放熱室212との関係において、図1から図3を用いて上記説明した第1接続路13と同様に機能する。第2接続路218は、第2冷却室211bと放熱室212との関係において、図1から図3を用いて上記説明した第2接続路14と同様に機能する。すなわち、本実施形態において冷却装置210は、第1接続路217および第2接続路218を有する。
【0135】
冷却ジャケット216は、ステータ230、第1蓋部材250、および第2蓋部材251の径方向外側を囲む円筒状である。冷却ジャケット216は、冷却流路216aを有する。冷却流路216aには、第2冷却媒体CM2が収容される。すなわち、冷却ジャケット216には、第2冷却媒体CM2が収容される。第2冷却媒体CM2は、放熱室212内の第1冷却媒体CM1から熱を吸収する。すなわち、冷却ジャケット216は、冷却流路216a内の第2冷却媒体CM2によって、放熱室212内の第1冷却媒体CM1から熱を吸収する。
【0136】
第2冷却媒体CM2としては、放熱室212内の熱を吸収できるならば、特に限定されない。第2冷却媒体CM2は、例えば、第1冷却媒体CM1と同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2冷却媒体CM2は、例えば、水である。
【0137】
冷却流路216aは、放熱室212の鉛直方向上側に位置する。冷却流路216aの前側(+X側)の端部には、入力ポート216bが接続される。冷却流路216aの後側(−X側)の端部には、出力ポート216cが接続される。
【0138】
冷却流路216aには、入力ポート216bから第2冷却媒体CM2が流入される。冷却流路216a内に流入された第2冷却媒体CM2は、出力ポート216cから流出される。これにより、冷却流路216a内には、第2冷却媒体CM2が循環する。
【0139】
本実施形態によれば、モータ1は図1から図3に示す冷却装置10と同様の冷却構造を有する冷却装置210を備えるため、モータ1が大型化することを抑制しつつ、モータ1を効率よく冷却できる。本実施形態においては、発熱体HEがコイル232であるため、コイル232を効率よく冷却できる。
【0140】
また、本実施形態によれば、第1冷却媒体CM1は絶縁性を有し、コイル232は冷却室211内に収容される。そのため、第1冷却媒体CM1内にコイル232を浸した状態で、コイル232を冷却できる。これにより、コイル232をより冷却することができる。
【0141】
また、モータの冷却においては、モータにおいて発熱するコイルがモータの内部に位置するため、コイルの熱をモータの外部に放熱することが困難であった。そのため、冷却媒体が気化する潜熱を利用してコイルを冷却し、気化した冷却媒体を別途設けられた凝縮器で液化する冷却方法を採用していた。したがって、モータが大型化する問題があった。
【0142】
これに対して、本実施形態によれば、冷却室211と放熱室212との間で第1冷却媒体CM1に循環が生じることで、コイル232の熱を、ステータコア231の径方向外側に位置する放熱室212からモータ1の外部へと放出できる。そのため、凝縮器を設ける必要がなく、モータ1が大型化することを抑制しつつ、コイル232を効率よく冷却できる。このように、本実施形態の冷却装置210は、モータ1に用いた際に、特に効果が大きい。
【0143】
また、例えば、コイル232ごとに放熱室212をステータコア231の径方向外側に配置する場合、中心軸Jよりも鉛直方向下側に位置するコイル232の放熱室212は、コイル232が収容される冷却室211よりも鉛直方向下側に位置する。そのため、第1冷却媒体CM1の重力を、循環CY1を生じさせる駆動力として利用することができず、第3冷却フェーズPH3が実行されない。したがって、中心軸Jよりも鉛直方向下側に位置するコイル232を効率よく冷却できない場合があった。
【0144】
これに対して、本実施形態によれば、第1冷却室211aよりも鉛直方向下側に位置する第2冷却室211bと、第1冷却室211aが接続される放熱室212と、を接続する第1接続路217および第2接続路218が設けられる。そのため、中心軸Jよりも鉛直方向下側に位置するコイル232を冷却する第2冷却室211bに、第2冷却室211bよりも鉛直方向上側に位置する放熱室212を接続することができる。したがって、本実施形態によれば、中心軸Jよりも鉛直方向下側に位置するコイル232を、第3冷却フェーズPH3を用いて効率よく冷却することができる。
【0145】
また、本実施形態によれば、上側インシュレータ233および下側インシュレータ234が冷却室211を有する。そのため、コイル232を冷却室211内に収容しやすい。
【0146】
また、本実施形態によれば、第1接続路213の少なくとも一部を有する第1接続路部材235および第2接続路214の少なくとも一部を有する第2接続路部材236は、インシュレータ本体237と別部材である。そのため、第1接続路部材235および第2接続路部材236のみを交換することで、第1接続路213の寸法および第2接続路214の寸法を変更することができる。したがって、本実施形態によれば、第1接続路213の寸法および第2接続路214の寸法を変更することが容易である。
【0147】
また、本実施形態によれば、吸熱部として冷却ジャケット216が設けられるため、放熱室212内における第1冷却媒体CM1の温度を比較的低温に保つことができる。これにより、発熱体HEであるコイル232をより冷却しやすい。
【0148】
また、例えば、本実施形態のモータ1において弾性部215を放熱室212に設けた場合、弾性部215の変形するスペースを確保する必要があるため、モータ1が例えば径方向に大型化する虞がある。
【0149】
これに対して、本実施形態によれば、弾性部215が冷却室211に設けられるため、上側インシュレータ233および下側インシュレータ234の径方向内側の空間を弾性部215が変形するスペースとして利用することができる。これにより、モータ1が径方向に大型化することを抑制しつつ、弾性部215を設けることができる。
【0150】
なお、本実施形態のモータ1においては、以下の構成を採用することもできる。
【0151】
本実施形態においては、冷却室211のそれぞれに、第1接続路213および第2接続路214と、第1接続路217および第2接続路218とが接続されてもよい。この場合、例えば、各コイル232が装着されるティース部231bの径方向外側に、それぞれ放熱室212が設けられる。この構成によれば、モータ1を鉛直方向に反転させて用いる場合であっても、すべてのコイル232を効率よく冷却することができる。
【0152】
また、本実施形態において冷却室211は、例えば、1つのみ設けられてもよい。この場合、すべてのコイル232が1つの冷却室211内に収容されてもよい。
【0153】
なお、本実施形態の冷却装置が適用される機器は、特に限定されず、モータ以外の機器に搭載されてもよい。
【0154】
また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0155】
1…モータ、10,110,210…冷却装置、11,111,211…冷却室、11a…壁部、12,112,212…放熱室、13,113,213,217…第1接続路、14,114,214,218…第2接続路、15,115,215…弾性部、16,116…吸熱部、211a…第1冷却室(冷却室)、211b…第2冷却室(冷却室)、216…冷却ジャケット(吸熱部)、220…ロータ、221…シャフト、230…ステータ、231…ステータコア、232…コイル、233…上側インシュレータ(インシュレータ)、234…下側インシュレータ(インシュレータ)、235…第1接続路部材、236…第2接続路部材、237…インシュレータ本体、CF…対流、CM1…第1冷却媒体、CM2…第2冷却媒体、CY1,CY2…循環、HE…発熱体、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8