特開2017-40568(P2017-40568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-40568(P2017-40568A)
(43)【公開日】2017年2月23日
(54)【発明の名称】モード分析装置及びモード分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/02 20060101AFI20170203BHJP
   H04B 10/2581 20130101ALI20170203BHJP
   H04B 10/07 20130101ALI20170203BHJP
【FI】
   G01M11/02 N
   H04B9/00 268
   H04B9/00 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-162723(P2015-162723)
(22)【出願日】2015年8月20日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)本出願は情報通信研究機構との平成25年8月27日付け委託契約に基づく研究開発課題「革新的光ファイバの実用化に関する研究開発」に係るもので、産業技術強化法第19条適用を受ける特許出願である。
(71)【出願人】
【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100101915
【弁理士】
【氏名又は名称】塩野入 章夫
(72)【発明者】
【氏名】國分泰雄
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号 国立大学法人横浜国立大学内
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 達彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番1号 国立大学法人横浜国立大学内
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA01
5K102AD00
5K102AH14
5K102PA11
5K102PH22
5K102PH36
5K102RB02
(57)【要約】
【課題】モード分析において、各モードの電界強度分布の振幅及び位相の検出に要する処理時間を短縮する。また、モード分析において、数値計算による近視野像からのモード分布の算出に代えて、直接に信号光から各モードの電界強度分布の振幅及び位相を検出する。
【解決手段】分析対象光を局部発振光と混合させた後に偏波分離及び4分割光検出器を用いたコヒーレント検出によって電気信号として検出することによって、各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を得る。各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差の検出は、4分割光検出器で検出した交流成分の加減算で行う。偏波分離で得たx偏光波及びy偏光波を用いることによって、偏光成分が縮退したモードであっても振幅及び位相差を検出することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁界分布が伝搬定数について縮退した縮退直交偏光モードを含む複数のモードを伝搬させる光ファイバ伝送路からの出射光に含まれる各モード成分を分析するモード分析装置において、
分析対象光と局部発振光との干渉光を出力するコヒーレント検出光学系と、
前記干渉光を偏波分離して、前記縮退直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する偏波分離器と、
各偏光成分に分離した干渉光を検出する光検出器と、
前記光検出器で検出した交流成分を加減算し、前記縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を得る演算器を備えることを特徴とする、モード分析装置。
【請求項2】
前記コヒーレント検出光学系は、分析対象光と局部発振光とを混合して干渉光を出力する混合器を備え、
前記混合器は、局部発振光を発する局部発振器と半透明鏡とを備え、前記半透明鏡の一方の入射端に前記光ファイバ伝送路の出射端の信号光を入射させ、前記半透明鏡の他方の入射端に前記局部発振器が発する局部発振光を入射させ、前記半透明鏡の出射端から信号光と局部発振光とを混合して得られる干渉光を出力し、
前記光検出器は、前記偏波分離器が分離したx偏光成分の出射光を入射させるX側4象限分割光検出器と、前記偏波分離器が分離したy偏光成分の出射光を入射させるY側4象限分割光検出器とを備え、X側4象限分割光検出器及びY側4象限分割光検出器はそれぞれ4つの各象限から位相を異にする出力信号を出力し、
前記演算器は、X側4象限分割光検出器の4つの出力信号を入力させ、各出力信号を加減算してx偏光成分の振幅及び位相差を演算するX偏光成分演算器と、Y側4象限分割光検出器の4つの出力信号を入力させ、各出力信号を加減算してy偏光成分の振幅及び位相差を演算するY偏光成分演算器とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のモード分析装置。
【請求項3】
前記コヒーレント検出光学系は、分析対象光と局部発振光とを混合して干渉光を出力する混合器を備え、
前記混合器は、局部発振光を発する局部発振器と半透明鏡とを備え、前記半透明鏡の一方の入射端に前記光ファイバ伝送路の出射端の信号光を入射させ、前記半透明鏡の他方の入射端に前記局部発振器が発する局部発振光を入射させ、前記半透明鏡の出射端から信号光と局部発振光とを混合して得られる干渉光を出力し、
前記光検出器は、前記偏波分離器が分離したx偏光成分の出射光を入射させるX側4象限分割光検出器と、前記偏波分離器が分離したy偏光成分の出射光を入射させるY側4象限分割光検出器とを備え、X側4象限分割光検出器及びY側4象限分割光検出器はそれぞれ4つの各象限から位相を異にする出力信号を出力し、
前記偏波分離器と前記光検出器とからなる組を2つ備え、前記半透明鏡の透過光を一方の組の偏波分離器に入射させ、前記半透明鏡の反射光を他方の組の偏波分離器に入射させ、
前記演算器は、前記2つの組の光検出器の出力信号について各偏光成分の差分信号を演算し、前記演算器に対する入力信号を出力するx偏光成分の差分演算器及びy偏光成分の差分演算器を備えることを特徴とする、請求項1に記載のモード分析装置。
【請求項4】
分析対象光と局部発振光との干渉光を偏波分離して、縮退直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離し、
各偏光成分に分離した干渉光を検出して電気信号を出力し、
検出した前記電気信号の交流成分を加減算し、前記縮退直交偏光成分から各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を得ることを特徴とする、モード分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、光伝送路の電界強度分布を分析するモード分析に関し、数モードファイバのクロストーク特性の分析に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
大容量光通信技術において、伝送媒体として単一モードファイバの他、より大きな通信容量を有したモード多重用数モードファイバが用いられようとしている。複数モードの伝送を可能とするファイバとして、コア径が太いマルチモードファイバや、コア径を単一モードファイバと多モードファイバとの中間とする数モードファイバがある。数モードファイバでは10個程度以下の複数の伝搬モードに異なる情報を載せてモード多重伝送を行う。なお、ここで、モード多重は複数の信号光を光ファイバの複数の異なる伝搬モードで伝送する多重伝送である。
【0003】
本出願の発明者は、数モードファイバのクロストーク特性の分析を目的として、縮退モードの偏光状態を含めたクロストークの分析が可能な偏光子回転強度分布測定法(Intensity Profiles from Angled Polarizer:IPAP法)を提案している(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】森田晃平,渡邉達彦,國分泰雄:“3モードファイバの近視野像の偏光成分からのモード励振比算出法”,2015年電子情報通信学会総合大会論文集,立命館大学,B-10-20 (2015年3月13日発表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記提案した偏光子回転強度分布測定法(IPAP法)は、観測した近視野像の強度分布の数値計算によってモード分析を行うため、モード分析に長時間を要するという問題がある。
【0006】
そこで、本願発明は、前記した従来の問題点を解決し、モード分析において、各モードの電界強度分布の振幅及び位相の検出に要する処理時間を短縮することを目的とする。
【0007】
また、モード分析において、数値計算による近視野像からのモード分布の算出に代えて、直接に信号光から各モードの電界強度分布の振幅及び位相を検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明のモード分析装置及びモード分析方法は、分析対象光をコヒーレント検出及び偏波分離によって電気信号として検出することによって、モードの縮退直交偏光成分から各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を得るものである。
【0009】
(縮退直交偏光モード)
光ファイバを伝搬する導波モードにおいて、伝搬定数がほぼ等しく、重ね合わせによって直線偏波を構成できるモード群はLPモードと呼ばれる。LPモードは基本モード(LP01モード)及び高次モードを備える。単一モードファイバはLP01モードのみが伝搬し、数モードファイバはLP01モードに加えてLP11モード等の高次モードが伝搬する。
【0010】
LP11モードには、電磁界分布において、x方向にモード関数の節を持つLP11evenモードと、y方向にモード関数の節を持つLP11oddモードがあり、LP11evenモードとLP11oddモードは伝搬定数が等しく縮退している。LP11evenモードとLP11oddモードは、それぞれ偏光方向を90度異にする2つの電磁界分布が存在するため、x偏光及びy偏光を合わせて同じ伝搬定数を持つ4つの異なる電磁界分布によって4重縮退の状態となっている。
【0011】
したがって、LPμm(μ>0)モードのモード群は、モード関数において2つの回転対称なモード電磁界分布を有すると共に、偏光方向が直交する2つのモードの全4つの電磁界分布が4重縮退している。なお、LP0mモードは電磁界分布が中心軸対称であるため直交する偏光の2つのモードが縮退している.
【0012】
以下ではLP01モード,LP11evenモード,LP11oddモードのそれぞれx偏光とy偏光を例として説明する。
【0013】
LPモードの各電磁界分布は以下の式で表すことができる。
光角周波数をωとし振幅をAとすると、LP01モードのx偏光成分の電界分布(電界ベクトル)をE01(x)(x,y,z;t)は、
【数1】
で表され、LP01モードのy偏光成分E01(y)(x,y,z;t)は、
【数2】
で表される。ここで f01(x,y)は電界振幅関数であり、この関数はx偏光でもy偏光でも同じである。
【0014】
LP11モードの場合も同様であり、LP11モードは偏光方向がx偏光とy偏光の2種類に加えて、さらにモード関数がx方向に節を持つか(evenモード(偶モード))、y方向に節を持つか(oddモード(奇モード))の区別があるため、全部で4通りの縮退したモードが存在する。縮退モードでは、伝搬定数は同じで電界分布が異なる。これら4通りの縮退したモードは以下の式で表される。
【数3】
【0015】
なお、ここでは、θ1234は全てLP01モードのx偏光成分を基準とした相対位相で表している。
【0016】
図1は、LP01モード、LP11evenモード、及びLP11oddモードの振幅と位相を表している。図1において、モード電磁界分布は,強度分布と電界の向きを同時に表現している。また、LP11モードにおいて,節の上下(あるいは左右)で電界振幅の符号が逆であり、図では逆方向のベクトルで表している。
【0017】
本願発明のモード分析は、分析点における縮退直交偏光モードの成分(振幅及び位相)をx座標とy座標を基準として求めるものであり、光ファイバによる伝搬状態の測定に適用することができる。
【0018】
光ファイバを伝搬する導波モードのLPモードでは、LP01モードとLP11モードの伝搬定数が異なっているため、入射端においてこれらのLPモードを全て同時に励振すると、数モードファイバ内においてモード間の電界分布の重ね合わせの関係は入射時点と異なる。また、各モードにおいても、伝搬に伴って座標軸そのものが回転座標変換を受け、また、偏光間位相差も発生する。
【0019】
このように、光ファイバによる伝搬では、入射端における各モードの励振状態は、光ファイバを伝搬中に生じるモード変換(クロストーク)や座標軸の回転によって変化を受け、光ファイバ内及び出射端での縮退直交モードの成分(振幅及び位相)は入射端と異なる状態となる。本願発明のモード分析で得られる縮退直交モードの成分(振幅及び位相)は、出射端での各モードの励振状態やクロストークの測定に適用することができる。
【0020】
なお、出射端での縮退直交モードの成分(振幅及び位相)は、光ファイバを伝搬中に生じるモード変換(クロストーク)や座標軸の回転によって変化を受け、入射端での各モードの励振状態から変化するが、本願発明のモード分析自体は、入射端での各モードの励振状態やクロストークに関わらず、分析点(出射端)における縮退直交偏光モードの成分(振幅及び位相)を取得するものである。
【0021】
図2は本願発明のモード分析装置及び分析方法を説明するための図であり、図2(a)は第1の形態を示し、図2(b)は第2の形態を示し、図2(c)は第3の形態を示している。
【0022】
(モード分析装置の第1の形態)
本願発明の第1の形態によるモード分析装置1Aは、光ファイバ伝送路から出射した分析対象光と局部発振光との干渉光を出力するコヒーレント検出光学系2と、コヒーレント検出光学系2から出力した干渉光を偏波分離して、直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する偏波分離器3と、偏波分離器3で分離した各偏光成分を検出する光検出器4と、光検出器4で検出した電気信号の交流成分を加減算し、分析対象光から各縮退直交偏光モード成分の振幅及び位相差を得る演算器5を備える。
【0023】
本願発明のモード分析は、コヒーレント検出光学系2によって分析対象光と局部発振光との干渉光を出力し、偏波分離器3によって偏波分離し、光検出器4で各直交偏光成分を電気信号としてヘテロダイン検出する。ヘテロダイン検出では、信号光の光角周波数ωと局部発振器が発する局部発振光の角周波数ωとの差の角周波数Δωが電気信号の角周波数として検出される。なお、位相は周期2π/Δωの数サイクル分の検出時間に基づいて検出されるが、従来の偏光フィルタを機械的に回転させる方法と比較して高速とすることができる。
【0024】
ヘテロダイン検出で検出された電気信号は、コヒーレント検出光学系2の出射端における混合されたモード電磁界分布を表している。このモード電磁界分布は縮退直交偏光成分が混合した状態になっており、数学的には線形結合で表され、数モードファイバを伝搬した高次の縮退モードの偏光成分の振幅及び位相差に応じた分布を有している。したがって、コヒーレント検出光学系2の出射端面における干渉光の強度は、混合している各縮退直交偏光モード電磁界の振幅の情報を含み、角周波数Δωの電気信号の位相は混合している各縮退直交偏光モードの相対位相の情報を含んでいる。
【0025】
コヒーレント検出光学系2からの出力の干渉光はx偏光成分とy偏光成分とが合波された状態にあるため、偏波分離器3で各偏光成分を偏波分離してx偏光成分の光信号とy偏光成分の光信号を個別の光検出器4で検出することによって、x偏光成分のモード電磁界分布とy偏光成分のモード電磁界分布とを独立して検出することができる。
【0026】
光検出器4によるモード電磁界分布の検出は、干渉光の出射方向に対して直交する面上の複数箇所において電磁界の強度を検出することで行うことができる。ここで、モード電磁界分布を検出する検出点は電磁界の強度分布の対称性に基づいて定めることができる。
【0027】
演算器5は、光検出器で検出した電気信号の交流成分を加減算することによって、各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を算出することができる。演算器5が行う演算は単なる加減算であるため、従来の偏光子回転強度分布測定法(IPAP法)に必要な偏光子の回転操作および数値計算と比較して測定に要する時間を短縮することができる。
【0028】
コヒーレント検出光学系2は、光ファイバ伝送路から出射した分析対象光と局部発振光とを混合した干渉光を出力する混合器を備える。
【0029】
混合器は、局部発振光を発する局部発振器と半透明鏡とを備え、半透明鏡の一方の入射端に光ファイバ伝送路の出射端の信号光を入射させ、半透明鏡の他方の入射端に局部発振器が発する局部発振光を入射させ、半透明鏡の出射端から信号光と局部発振光とを混合して得られる干渉光を出力する。
【0030】
偏波分離器3は偏光ビームスプリッタで構成することができ、干渉光を偏波分離し、偏光ビームスプリッタの一方の出射端からx偏光成分を出射し、他方の出射端からy偏光成分を出射する。
【0031】
モード電磁界分布を検出する光検出器4は、モード電磁界分布のx軸とy軸に対する対称性から、干渉光の出射方向をz軸方向としたときx軸及びy軸に対称な位置を検出点とすることができ、LP01モード,LP11evenモード,LP11oddモードの3つのモードを検出する場合には、4つの光検出器を配置する構成の他に、4象限分割光検出器を用いることができる。
【0032】
光検出器4は、偏波分離器が分離したx偏光成分の出射光を入射させるX側4象限分割光検出器と、偏波分離器が分離したy偏光成分の出射光を入射させるY側4象限分割光検出器とを備える。X側4象限分割光検出器及びY側4象限分割光検出器は、それぞれ4つの各象限から出力信号を出力する。
【0033】
演算器5は、X側4象限分割光検出器の4つの出力信号を入力し、各出力信号を加減算してx偏光成分の振幅及び位相を演算するX偏光成分演算器と、Y側4象限分割光検出器の4つの出力信号を入力し、各出力信号を加減算してy偏光成分の振幅及び位相を演算するY偏光成分演算器とを備える。
【0034】
コヒーレント検出において、分析対象光と局部発振光とから干渉光を生成する混合器において、半透明鏡からは分析対象光が透過する方向と、分析対象光の反射する方向の2方向に干渉光が出射される。前記した第1の形態によるモード分析装置1Aは、2方向に進む干渉光の何れか一方の干渉光を用いてモード分析を行う構成である。
【0035】
本願発明の第2の形態によるモード分析装置1B、及び第3の形態によるモード分析装置1Cは、2方向に進む干渉光の2つの干渉光を用いてモード分析を行う構成である。
【0036】
(モード分析装置の第2の形態)
本願発明の第2の形態によるモード分析装置1Bは、第1の形態と同様に、分析対象光と局部発振光との干渉光を出力するコヒーレント検出光学系2と、コヒーレント検出光学系2から出力した干渉光を偏波分離して、直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する偏波分離器3と、偏波分離器3で分離した各偏光成分を検出する光検出器4と、光検出器4で検出した検出信号のx偏光成分の差分からx偏光成分の振幅Ax,Bx,Bx 及び位相を求めるX偏光成分差分演算器5xと、光検出器4で検出した検出信号のy偏光成分の差分からy偏光成分の振幅Ay,By,By 及び位相を求めるY偏光成分差分演算器5yを備える。
【0037】
モード分析装置1Bは、2つの偏波分離器3A,3Bと4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byを備え、コヒーレント検出光学系2の混合器(半透明鏡)の透過光を一方の偏波分離器に入射させ、半透明鏡の反射光を他方の偏波分離器に入射させ、各偏波分離器3A,3Bで偏波分離した干渉光を4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byで検出する。4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byは、それぞれx偏光成分とy偏光成分の信号を検出する。
【0038】
モード分析装置1Bにおける偏波分離器3Aの出力を処理する検出系はX偏光成分差分演算器5xとY偏光成分差分演算器5yとを備える。X偏光成分差分演算器5xは光検出器4Axが検出したx偏光成分の差分を演算し、Y偏光成分差分演算器5yは光検出器4Ayが検出したy偏光成分の差分を演算して求める。X偏光成分差分演算器5xで求めたx偏光成分はAx,Bx,Bx を表し、Y偏光成分差分演算器5yで求めたy偏光成分の差分は、Ay,By,Byを表している。
【0039】
偏波分離器3Bの出力を処理する検出系のX偏光成分差分演算器5x及びY偏光成分差分演算器5yにおいても、x偏光成分の差分及びy偏光成分の差分を求めることによって縮退直交偏光モードの振幅と位相を同様に検出することができるため、第2の形態によれば、数モードファイバからの出射光電力を無駄にせずに利用することができる。
【0040】
(モード分析装置の第3の形態)
本願発明の第3の形態によるモード分析装置1Cは、第1の形態と同様に、分析対象光と局部発振光との干渉光を出力するコヒーレント検出光学系2と、コヒーレント検出光学系2から出力した干渉光を偏波分離して、縮退直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する偏波分離器3と、偏波分離器3で分離した各偏光成分を検出する光検出器4と、光検出器4で検出したx偏光成分及びy偏光成分の各検出信号について平均値を求める加算器6と、加算器6で求めた検出信号の平均値を加減算し、分析対象光から各縮退直交偏光モード成分の振幅及び位相差を得る演算器5を備える。
【0041】
モード分析装置1Cは、2つの偏波分離器3A,3Bと4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byを備え、コヒーレント検出光学系2の混合器(半透明鏡)の透過光を一方の偏波分離器に入射させ、半透明鏡の反射光を他方の偏波分離器に入射させ、各偏波分離器3A,3Bで偏波分離した干渉光を4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byで検出する。4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byは、それぞれx偏光成分とy偏光成分の信号を検出する。
【0042】
モード分析装置1Cにおける偏波分離器3Aの出力を処理する検出系は、偏波分離器3Aで分離したX偏光成分と偏波分離器3Bで分離したX偏光成分の検出信号を加算してx偏光成分の平均信号を求める加算器6Xと、偏波分離器3Aで分離したy偏光成分と偏波分離器3Bで分離したY偏光成分の検出信号を加算してY偏光成分の平均信号を求める加算器6Yを備える。
【0043】
演算器5は、X偏光成分について加算器6で求めた4つの加算信号を入力し、各加算信号を加減算して縮退直交偏光モードのx偏光成分の振幅及び位相を演算するX偏光成分差分演算器5xと、y偏光成分について加算器6で求めた4つの加算信号を入力し、各加算信号を加減算して縮退直交偏光モードのy偏光成分の振幅及び位相を演算するY偏光成分差分演算器5yとを備える。
【発明の効果】
【0044】
以上説明したように、本願発明によれば、モード分析において、各モードの電界強度分布の振幅及び位相の検出に要する処理時間を短縮することができる。
【0045】
本願発明によれば、モード分析において、数値計算による近視野像からのモード分布の演算に代えて、直接に信号光から各モードの電界強度分布の振幅及び位相を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】LP01モード、LP11evenモード、及びLP11oddモードの振幅と位相を表す図である。
図2】本願発明のモード分析装置及び分析方法を説明するための図である。
図3】本願発明のモード分析装置の第1の形態を説明するための図である。
図4】本願発明のモード分析装置が備える演算器の構成例を説明するための図である。
図5】本願発明のモード分析装置の第2の形態を説明するための図である。
図6】本願発明のモード分析装置の第3の形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本願発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。以下、図3を用いて本願発明のモード分析装置の第1の形態を説明し、図4を用いて本願発明のモード分析装置が備える演算器の構成例を説明し、図5を用いて本願発明のモード分析装置の第2の形態を説明し、図6を用いて本願発明のモード分析装置の第3の形態を説明する。
【0048】
(モード分析装置の第1の形態)
図3は本願発明のモード分析装置の第1の形態の一構成例を説明するための図である。
【0049】
モード分析装置1Aは、コヒーレント検出光学系2と偏波分離器3と光検出器4と演算器5を備える。
【0050】
コヒーレント検出光学系2は信号光の光角周波数ωと局部発振器が発する局部発振光の角周波数ωとの合成干渉光を生成する機構であり、局部発振光を発する局部発振器2aと、λ/4波長板2bと、信号光と局部発振光との干渉光を生成する混合器(半透明鏡)2cとを備える。
【0051】
局部発振器2aから発せられた局部発振光は、偏波面保持ファイバ12を介してレンズ13及びλ/4波長板2bに導かれる。なお、通常の単一モードファイバでは出射端での偏光状態が楕円偏光でありその偏光状態は不安定であるため、ここでは、局部発振光の偏光状態を保持したままλ/4波長板2bに導くために偏波面保持ファイバ12を用いている。また、レンズ13は、局部発振光を平行光にしてλ/4波長板2bに入射させるレンズである。
【0052】
λ/4波長板2bは、局部発振光の直線偏光の偏光方向に対して45°回転させた状態で設置して、局部発振光を円偏光に変換して混合器2cに入射させ、信号光の如何なる偏光成分にも干渉させるための構成である。なお、λ/4波長板に代えて,λ/2波長板を、その主軸が局部発振光の直線偏光の偏光方向とモード分析装置の座標系におけるx軸との中間の角度をなすように回転させた状態で設置して、局部発振光の偏光方向がモード分析装置の座標系のx軸に対して45°傾いた角度で混合器2cに入射させても良い。さらには、局部発振光からの光をレンズに導く偏波面保持ファイバの偏光主軸をモード分析装置の座標系のx軸に対して45°傾けて配置して、局部発振光の偏光方向がモード分析装置の座標系のx軸に対して45°傾いた角度で混合器2cに入射させても良い。
【0053】
半透明鏡2cの一方の入射端に伝送路(数モードファイバ10)の出射端の信号光をレンズ11を介して入射させ、半透明鏡2cの他方の入射端に局部発振器2aが発する局部発振光を入射させ、出射端から信号光と局部発振光とを混合して得られる干渉光を出射する。
【0054】
なお、数モードファイバ10と半透明鏡2cの一方の入射端との間に設けるレンズ11は平行光を生成するためである。
【0055】
偏波分離器3は偏光ビームスプリッタで構成することができ、混合器2cで生成した干渉光を偏波分離して、縮退直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する。
【0056】
モード分離について、LP01、LP11even、LP11oddの3つのモードを例にして説明する。
【0057】
光検出器4は、偏波分離器3で各偏光成分に分離した干渉光を検出する。光検出器4は、偏波分離器3が分離したx偏光成分の干渉光を入射するX側4象限分割光検出器4xと、偏波分離器3が分離したy偏光成分の干渉光を入射するY側4象限分割光検出器4yとを備え、X側4象限分割光検出器4x及びY側4象限分割光検出器4yはそれぞれ4つの各象限から振幅と位相を異にする出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4、出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を出力する。
【0058】
演算器5は、光検出器4で検出した交流成分の加減算によって、各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を得る。演算器5は、X側4象限分割光検出器4xの4つの出力信号を入力し、各出力信号を加減算してx偏光成分の振幅及び位相を演算するX偏光成分差分演算器5xと、Y側4象限分割光検出器4yの4つの出力信号を入力し、各出力信号を加減算してy偏光成分の振幅及び位相を演算するY偏光成分差分演算器5yとを備える。
【0059】
数モードファイバの出射端での信号光のLP01、LP11even、LP11oddの3つのモードのx偏光とy偏光成分をすべて含む混合状態の電界振幅(Ax,Ay,Bx,By,Bx,By)と、LP01モードのx偏光を基準とする各モードの位相差(θ0−4)を以下の式(7)で定義する。
【数4】
【0060】
局部発振光(電界をELOとする)と干渉し、偏光ビームスプリッタ(通過する偏光方向の単位ベクトルをepolとする)を通過した後の信号光の光電力は式(8)で表される。
【数5】
【0061】
ここで、干渉光の交流成分について、4象限分割光検出器の第ν象限で生じる電流IνACは以下の式(9)で表される。
【数6】
ただし、係数ξとηは、
【数7】
で表され,ωは基本モードのLP01モード電磁界分布をガウス関数で近似した場合のスポットサイズであり、Dは局部発振光を平面波近似した場合の電界振幅、NとNはそれぞれLP01モードとLP11モードの電磁界分布関数の規格化定数である。
【0062】
なお、規格化定数とは,式(1)から(6)に含まれる電磁界分布関数f01(x, y)とf11(x, y)の2乗(電力なので電界の二乗)を断面内全体にわたって積分したときに値が1になるようにする係数である。
【0063】
また、縮退直交偏光モードの振幅及び位相差は、以下の表1で表されるように各象限の交流電流の加減算で求めることができる。

【表1】
【0064】
図4はX偏光成分演算器とY偏光成分演算器の構成例を説明するための図である。表1で示したように、縮退直交偏光モードの振幅及び位相差は、各象限の交流電流IνACの加減算で求めることができる。ここで、νは象限1〜4に対応している。
【0065】
図4(a),(b)は、縮退直交偏光モードのx偏光成分の振幅A,B,B、及びx偏光成分の位相θ、θを演算する構成例を示している。
【0066】
図4(a)は、LP01モードのx偏光成分の振幅A及びx偏光成分の位相は、4象限分割光検出器4xの出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を加算器で加算し、ロックインアンプで通す構成例を示し、図4(b)は、LP01モードのx偏光成分の振幅A及びx偏光成分の位相は、4象限分割光検出器4xの出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を帯域透過フィルタで角周波数Δωの交流成分のみを取り出した後に加算器で加算し、振幅及び位相検波器を通す構成例を示している。なお、ここでは、LP01モードのx偏光成分の位相を位相基準とするために“0”としている。
【0067】
図4(a)の構成では、LP11evenモードのx偏光成分の振幅B及びx偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4xの出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4の内、減算器で求めた出力信号Ix1とIx2との差分(Ix1−Ix2)と、減算器で求めた出力信号Ix4とIx3との差分(Ix4−Ix3)とを加算器で加算した後、ロックインアンプを通すことで得ることができる。
【0068】
図4(a)の構成では、LP11oddモードのx偏光成分の振幅B及びx偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4xの出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4の内、減算器で求めた出力信号Ix1とIx4の差分(Ix1−Ix4)と、減算器で求めた出力信号Ix2とIx3との差分(Ix2−Ix3)とを加算器で加算した後、ロックインアンプを通すことで得ることができる。
【0069】
図4(b)の構成では、LP11evenモードのx偏光成分の振幅B及びx偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4xの出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を帯域透過フィルタで角周波数Δωの交流成分のみを取り出した後に、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Ix1とIx2との差分(Ix1−Ix2)と、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Ix4とIx3との差分(Ix4−Ix3)とを加算器で加算した後、振幅及び位相検波器を通すことで得ることができる。
【0070】
図4(b)の構成では、LP11oddモードのx偏光成分の振幅B及びx偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4xの出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を帯域透過フィルタで角周波数Δωの交流成分のみを取り出した後に、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Ix1とIx4との差分(Ix1−Ix4)と、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Ix2とIx3との差分(Ix2−Ix3)とを加算器で加算した後、振幅及び位相検波器を通すことで得ることができる。
【0071】
図4(c),(d)は、縮退直交偏光モードのy偏光成分の振幅A,B,B、及びy偏光成分の位相θ、θを演算する構成例を示している。
【0072】
図4(c)は、LP01モードのy偏光成分の振幅A及びy偏光成分の位相は、4象限分割光検出器4yの出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を加算器で加算し、ロックインアンプで通す構成例を示し、図4(d)は、LP01モードのy偏光成分の振幅A及びy偏光成分の位相は、4象限分割光検出器4yの出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を帯域透過フィルタで角周波数Δωの交流成分のみを取り出した後に加算器で加算し、振幅および位相検波器を通す構成例を示している。なお、ここでは、LP01モードのy偏光成分の位相をx偏光成分の位相基準に対してθとしている。
【0073】
図4(c)の構成では、LP11evenモードのy偏光成分の振幅Bxy及びy偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4xの出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4の内、減算器で求めた出力信号Iy1とIy2との差分(Iy1−Iy2)と、減算器で求めた出力信号Iy4とIy3との差分(Iyy4−Iy3)とを加算器で加算した後、ロックインアンプを通すことで得ることができる。
【0074】
図4(c)の構成では、LP11oddモードのy偏光成分の振幅B及びy偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4yの出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4の内、減算器で求めた出力信号Iy1とIy4の差分(Iy1−Iy4)と、減算器で求めた出力信号Iy2とIy3との差分(Iy2−Iy3)とを加算器で加算した後、ロックインアンプを通すことで得ることができる。
【0075】
図4(d)の構成では、LP11evenモードのy偏光成分の振幅B及びy偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4yの出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を帯域透過フィルタで角周波数Δωの交流成分のみを取り出した後に、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Iy1とIy2との差分(Iy1−Iy2)と、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Iy4とIy3との差分(Iy4−Iy3)とを加算器で加算した後、振幅及び位相検波器を通すことで得ることができる。
【0076】
図4(d)の構成では、LP11oddモードのy偏光成分の振幅B及びy偏光成分の位相θは、4象限分割光検出器4yの出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を帯域透過フィルタで角周波数Δωの交流成分のみを取り出した後に、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Iy1とIy4との差分(Iy1−Iy4)と、フィルタ及び減算器を通して得られた出力信号Iy2とIy3との差分(Iy2−Iy3)とを加算器で加算した後、振幅及び位相検波器を通すことで得ることができる。
【0077】
(モード分析装置の第2の形態)
図5は本願発明のモード分析装置の第2の形態の一構成例を説明するための図である。
【0078】
本願発明の第2の形態によるモード分析装置1Bは、混合器から2方向に進む干渉光の両方の干渉光を用いてモード分析を行う構成である。
【0079】
本願発明の第2の形態によるモード分析装置1Bは、第1の形態と同様に、分析対象光と局部発振光との干渉光を検出するコヒーレント検出光学系2と、コヒーレント検出光学系2で検出した干渉光を偏波分離して、直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する偏波分離器3と、偏波分離器3で分離した各偏光成分を検出する光検出器4とを備え、光検出器4の検出信号を用いて各偏光成分の差分を演算する演算器5を備える。演算器5は偏光成分差分演算器で構成することができる。
【0080】
モード分析装置1Bは、混合器の半透明鏡2cの2つの出射端に対して、偏波分離器3A及び光検出器4Aの組と、偏波分離器3B及び光検出器4Bの組からなる二組の光学系及び検出系を備え、コヒーレント検出光学系2の混合器(半透明鏡)2cの透過光を一方の組の偏波分離器3Aに入射させ、混合器(半透明鏡)2cの反射光を他方の偏波分離器3Bに入射させ、各偏波分離器3A,3Bで偏波分離した干渉光を4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byで検出する。4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byは、それぞれ偏波分離器3A,3Bによって分離されたx偏光成分とy偏光成分の信号を検出する。
【0081】
光検出器4Aは、混合器(半透明鏡)2cの透過光について、偏波分離器3Aで偏波分離したx偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Axと、偏波分離器3Aで偏波分離したy偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Ayを備える。
【0082】
4象限分割光検出器4Axは、x偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を出力し、4象限分割光検出器4Ayは、y偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を出力する。
【0083】
一方、光検出器4Bは、混合器(半透明鏡)2cの反射光について、偏波分離器3Bで偏波分離したx偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Bxと、偏波分離器3Bで偏波分離したy偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Byを備える。
【0084】
4象限分割光検出器4Bxは、x偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を出力し、4象限分割光検出器4Byは、y偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を出力する。
【0085】
さらに、モード分析装置1BはX偏光成分差分演算器5xとY偏光成分差分演算器5yとを備える。X偏光成分差分演算器5xは光検出器4Ax,4Byが検出したx偏光成分の差分を演算し、Y偏光成分差分演算器5yは光検出器4Ay,4Byが検出したy偏光成分の差分を演算する。
【0086】
X偏光成分差分演算器5xは、出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4から光検出器4Axのx偏光成分の差分を演算するX偏光成分差分演算器5x、及び出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4から光検出器4Bxのy偏光成分の差分を演算するY偏光成分差分演算器5xを備える。
【0087】
また、Y偏光成分差分演算器5yは、出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4から光検出器4Ayのx偏光成分の差分を演算するY偏光成分差分演算器5y、及び出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4から光検出器4Byのy偏光成分の差分を演算するY偏光成分差分演算器5yを備える。
【0088】
X偏光成分差分演算器5x及びY偏光成分差分演算器5yの出力から、LP01、LP11even、LP11oddの3つのモードのx偏光とy偏光成分の電界振幅(Ax,Ay,Bx,By,Bx,By)と、LP01モードのx偏光を基準とする各モードの位相差(θ0−4)を得ることができる。
【0089】
(モード分析装置の第3の形態)
図6は本願発明のモード分析装置の第3の形態の一構成例を説明するための図である。
【0090】
本願発明の第3の形態によるモード分析装置1Cは、第2の形態と同様に、混合器から2方向に進む2つの干渉光を用いてモード分析を行う構成である。
【0091】
本願発明の第3の形態によるモード分析装置1Cは、第2の形態と同様に、分析対象光と局部発振光との干渉光を出射するコヒーレント検出光学系2と、コヒーレント検出光学系2から出射した干渉光を偏波分離して、縮退直交偏光成分のx偏光成分及びy偏光成分を分離する偏波分離器3と、偏波分離器3で分離した各偏光成分を検出する光検出器4とを備え、光検出器4の検出信号を用いて、混合器で分岐された2系列の各偏光成分の和を求める加算器6と、加算器6で得た各偏光成分の和を加減算し、分析対象光の各縮退直交偏光モードの振幅及び位相差を得る演算器5を備える。演算器5は第2の態様の演算器5と同様の機能である。
【0092】
モード分析装置1Cは、混合器の半透明鏡2cの2つの出射端に対して、偏波分離器3A及び光検出器4Aの組と、偏波分離器3B及び光検出器4Bの組からなる二組の光学系及び検出系を備え、コヒーレント検出光学系2の混合器(半透明鏡)2cの透過光を一方の組の偏波分離器3Aに入射させ、混合器(半透明鏡)2cの反射光を他方の偏波分離器3Bに入射させ、各偏波分離器3A,3Bで偏波分離した干渉光を4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byで検出する。4つの光検出器4Ax,4Ay,4Bx,4Byは、それぞれ偏波分離器3A,3Bによって分離されたx偏光成分とy偏光成分の信号を検出する。
【0093】
光検出器4Aは、混合器(半透明鏡)2cの透過光について、偏波分離器3Aで偏波分離したx偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Axと、偏波分離器3Aで偏波分離したy偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Ayを備える。
【0094】
4象限分割光検出器4Axは、x偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を出力し、4象限分割光検出器4Ayは、y偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を出力する。
【0095】
一方、光検出器4Bは、混合器(半透明鏡)2cの反射光について、偏波分離器3Bで偏波分離したx偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Bxと、偏波分離器3Bで偏波分離したy偏光成分を検出する4象限分割光検出器4Byを備える。
【0096】
4象限分割光検出器4Bxは、x偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Ix1,Ix2,Ix3,Ix4を出力し、4象限分割光検出器4Byは、y偏光成分のモード電磁界分布を表す出力信号Iy1,Iy2,Iy3,Iy4を出力する。
【0097】
さらに、モード分析装置1Cは、4象限分割光検出器4Ax及び4象限分割光検出器4Bxで検出した2系列のx偏光成分を加算して和を求める加算器6Xと、4象限分割光検出器4Ay及び4象限分割光検出器4Byで検出した2系列のy偏光成分を加算して和を求める加算器6Yを備える。
【0098】
加算器6Xは、Ix1とIx1との和、Ix2とIx2との和、Ix3とIx3との和、及びIx4とIx4との和を算出する。加算器6Yは、Iy1とIy1との和、Iy2とIy2との和、Iy3とIy3との和、及びIy4とIy4との和を算出する、
【0099】
偏波分離器3A及び偏波分離器3Bのそれぞれの後段の検出系から得られる出力は、同じ偏波同士の信号であり、通常は同一の出力信号になるが、一般には光学系の中心軸のずれや、4象限分割光検出器の中心軸のずれによって必ずしも同一とならない。
【0100】
第3の形態では、混合器後の2つの系列の和をとって平均化することによって、誤差を低減する。
【0101】
したがって、第3の形態によれば、数モードファイバからの出力光が混合器で半分となることで生じる電力の半減を解消し、同じ信号を2系列から取得して平均化することによって誤差を低減するという効果を奏することができる。
【0102】
上記した第1〜第3の形態において、偏波分離器3で分離したx偏光成分及びy偏光成分の座標軸はLP11evenモードやLP11oddモードの電磁界分布の基準となるx軸及びy軸と対応し、LP11evenモード及びLP11oddモードは90度回転対称であることに基づいて、光検出器4の4象限分割光検出器を偏波分離器3の偏光成分及びy偏光成分の座標軸に合わせて軸合わせさせている。
【0103】
第1〜第3の形態では、4象限分割光検出器を用いて、LP01モード、LP11evenモード及びLP11oddモードの分析に適用する例を示しているが、LP21evenモード、及びLP21oddモードは45度回転対称であるため、4分割光検出器に代えて8分割光検出器を用いることで対応してもよい。
【0104】
なお、本願発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本願発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本願発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本願発明のモード分析装置は、数モードファイバの伝搬モードの分析に適用することができる。
【符号の説明】
【0106】
1 モード分析装置
1A モード分析装置
1B モード分析装置
2 偏波分離部
2a 局部発振器
2b 波長板
2c 混合器(半透明鏡)
3 偏波分離器
3A,3B 偏波分離器
4 光検出器
4x 象限分割光検出器
4y 象限分割光検出器
4A,4B 光検出器
4Ax 4象限分割光検出器
4Ay 4象限分割光検出器
4Bx 4象限分割光検出器
4By 4象限分割光検出器
5 演算器
5x X偏光成分演算器
5y Y偏光成分演算器
6,6x,6y 加算器
10 数モードファイバ
11 レンズ
12 偏波面保持ファイバ
13 レンズ
図2
図4
図1
図3
図5
図6