特開2017-48144(P2017-48144A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-48144(P2017-48144A)
(43)【公開日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】W/O型乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/362 20060101AFI20170217BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20170217BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20170217BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20170217BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170217BHJP
【FI】
   A61K8/362
   A61K8/39
   A61K8/86
   A61K8/06
   A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-172526(P2015-172526)
(22)【出願日】2015年9月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
(74)【代理人】
【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織
(74)【代理人】
【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成
(74)【代理人】
【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100157831
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 克彦
(72)【発明者】
【氏名】飯島 浩
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC082
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC352
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC431
4C083AC432
4C083AC552
4C083AC622
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD212
4C083AD622
4C083AD662
4C083BB12
4C083BB13
4C083CC03
4C083DD32
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE12
(57)【要約】
【課題】水分蒸散抑制効果が高く、低温での粘度安定性が良好で、かつべたつきがなく、使用感が良好なW/O型乳化組成物を提供する。
【解決手段】(A)(A−1)炭素数12〜22の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物であるグリセリン脂肪酸エステル、(A−2)炭素数12〜22の脂肪酸とポリグリセリンとのエステル化合物であるポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(A−3)ポリオキシエチレン平均付加モル数が5〜20であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上の界面活性剤、
(B)25℃で液状の油剤、及び
(C)25℃で固体のポリエチレングリコール
を含有するW/O型乳化組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(A−1)炭素数12〜22の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物であるグリセリン脂肪酸エステル、(A−2)炭素数12〜22の脂肪酸とポリグリセリンとのエステル化合物であるポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(A−3)ポリオキシエチレン平均付加モル数が5〜20であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上の界面活性剤、
(B)25℃で液状の油剤、及び
(C)25℃で固体のポリエチレングリコール
を含有するW/O型乳化組成物。
【請求項2】
さらに、(D)多価アルコールを含有する請求項1記載のW/O型乳化組成物。
【請求項3】
(水溶性成分/油溶性成分)で表される水溶性成分及び油溶性成分の含有質量比が、3〜8である請求項1又は2記載のW/O型乳化組成物。
【請求項4】
さらに、(E)25℃で固体のワックスを含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のW/O型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、W/O型乳化組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乳化物は油中水型(W/O)と水中油型(O/W)に分類され、一般的に油中水型(W/O)乳化物は、皮膚からの水分蒸散を抑え、保湿力が高いという特徴が知られている。しかしながら、油中水型(W/O)乳化物は低温安定性の確保が難しく、さらにべたつく使用感が課題であった。
【0003】
これまで皮膚からの水分蒸散を抑えるために、ワセリン等の油性基剤を用いられてきたが、使用感がべたつくこと、広範囲にのび広げにくいこと、さらに水溶性の有効成分を配合できない課題があった。さらにW/O乳化物の安定性を確保するためには、配合する油剤を増量したり、オイルゲル化剤を用いて油相粘度を上げる等の施策が取られていたが、いずれもべたついた使用感やのび広げにくさといった課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−151662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、水分蒸散抑制効果が高く、低温での粘度安定性が良好で、かつべたつきがなく使用感が良好なW/O型乳化組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)特定の界面活性剤、(B)25℃で液状の油剤、及び(C)25℃で固体のポリエチレングリコールを組み合わせることで、水分蒸散抑制効果が高く、低温での粘度安定性が良好で、かつべたつきがなく使用感が良好なW/O型乳化組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0007】
従って、本発明は下記W/O型乳化組成物を提供する。
[1].(A)(A−1)炭素数12〜22の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物であるグリセリン脂肪酸エステル、(A−2)炭素数12〜22の脂肪酸とポリグリセリンとのエステル化合物であるポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(A−3)ポリオキシエチレン平均付加モル数が5〜20であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種以上の界面活性剤、
(B)25℃で液状の油剤、及び
(C)25℃で固体のポリエチレングリコール
を含有するW/O型乳化組成物。
[2].さらに、(D)多価アルコールを含有する[1]記載のW/O型乳化組成物。
[3].(水溶性成分/油溶性成分)で表される水溶性成分及び油溶性成分の含有質量比が、3〜8である[1]又は[2]記載のW/O型乳化組成物。
[4].さらに、(E)25℃で固体のワックスを含有する[1]〜[3]のいずれかに記載のW/O型乳化組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水分蒸散抑制効果が高く、低温での粘度安定性が良好で、かつべたつきがなく使用感が良好なW/O型乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)成分は界面活性剤であり、下記(A−1)〜(A−3)から選ばれる1種以上であり、2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0010】
(A−1)炭素数12〜22の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物であるグリセリン脂肪酸エステル
炭素数12〜22の脂肪酸とグリセリンとのエステル化合物であるグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステル化合物であり、具体的には、モノオレイン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
【0011】
(A−2)炭素数12〜22の脂肪酸とポリグリセリンとのエステル化合物であるポリグリセリン脂肪酸エステル
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、ポリグリセリンと複数の脂肪酸とのエステル化合物が好ましく、具体的には、トリオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、ペンタステアリン酸ポリグリセリル、ヘプタオレイン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル等のグリセリン付加モル数が2以上、好適には5〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。また、低温保存安定性の点から、脂肪酸が不飽和脂肪酸のものが好ましい。特に、炭素数12〜22、好適には14〜18の不飽和脂肪酸が3〜10個、好適には3〜7個エステル結合し、グリセリン付加モル数が2以上、好適には5〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、トリオレイン酸ポリグリセリル、ペンタオレイン酸ポリグリセリル、ヘプタオレイン酸ポリグリセリル等が挙げられる。特にペンタオレイン酸デカグリセリルが好ましい。
【0012】
(A−3)ポリオキシエチレン平均付加モル数が5〜20であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(A−3)成分としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(5E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(7E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(10E.O.)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.)等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレン(E.O.)平均付加モル数が7〜20のものが好ましく、10のものがさらに好ましい。
【0013】
(A)成分のHLBは2〜7が好ましいが、本発明の特徴は特定の(A)成分を用いることにあり、後述の実施例及び比較例の結果からも明らかであるように、(A)成分以外のHLB2〜7のものを用いたとしても、本発明の効果は得られない。なお、本発明においてHLBとは、Griffinの方法により求められた値をいう(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」,工学図書株式会社,1991年,第234頁参照)。
【0014】
(A)成分のW/O型乳化組成物中の配合量は、目的とする効果の点から、2〜18質量%が好ましく、4〜14質量%がより好ましく、6〜12質量%がさらに好ましい。2質量%以上とすることで水分蒸散抑制効果がより良好であり、18質量%以下とすることで、べたつきのなさがより良好である。
【0015】
(B)25℃で液状の油剤
25℃で液状の油剤を配合することで、水分蒸散抑制効果、低温粘度安定性が向上する。25℃で液状の油剤としては、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸セチル等のエステル油、オレイルアルコール等の高級アルコール、オレイン酸等の高級脂肪酸、ジメチルポリシロキサン、シクロメチコン等のシリコーン油、ウフェナマート、クロタミトン、ジフェンヒドラミン等の25℃で液状の医薬成分、ビタミンA、ビタミンA油等のビタミンA含有混合物、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA類、トコフェロール酢酸エステル等のビタミンE類が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油、オレイルアルコール等の高級アルコールが好ましく、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油が好ましい。
【0016】
(B)成分のW/O型乳化組成物中の配合量は、目的とする効果の点から、5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましく、15〜20質量%がさらに好ましい。5質量%以上とすることで水分蒸散抑制効果がより良好である。
【0017】
(C)25℃で固体のポリエチレングリコール
25℃で固体のポリエチレングリコールを配合することで、水分蒸散抑制効果及び低温粘度安定性がさらに向上し、特に水分蒸散抑制効果が向上する。25℃で固体のポリエチレングリコールとしては、平均分子量4,000〜40,000のものであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、6,000〜20,000がのものが好ましく、10,000〜20,000のものがより好ましい。なお、平均分子量の測定は第十六改正日本薬局方記載の平均分子量試験による。
【0018】
(C)成分のW/O型乳化組成物中の配合量は、目的とする効果の点から、1〜10質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。1質量%以上とすることで、水分蒸散抑制効果、低温粘度安定性がより良好である。一方、10質量%を超えて配合しても、さらなる低温粘度安定性向上は得られない。
【0019】
(D)多価アルコール
本発明のW/O型乳化組成物には、水分蒸散抑制効果を向上させる点から、多価アルコールを配合することが好ましい。多価アルコールとしては、1,3−ブチレングリコール等の2価のアルコール、グリセリン等の3価のアルコール、D−ソルビトール等の6価のアルコール等のアルコールアルキルエーテル、マルトテトラオース等の糖アルコール、ヘパリン類似物質等のムコ多糖等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、1,3−ブチレングリコール、グリセリンが好ましい。
【0020】
(D)成分のW/O型乳化組成物中の配合量は、目的とする効果の点から、3〜20質量%が好ましく、5〜17質量%がより好ましい。
【0021】
(E)25℃で固体のワックス
本発明のW/O型乳化組成物には、水分蒸散抑制効果及び低温粘度安定性を向上させる点から、25℃で固体のワックスを配合することが好ましい。25℃で固体のワックスとしては、ミツロウ、モクロウ、キャンデリラワックス等のエステルワックス、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタンワックス等の炭化水素ワックスが挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、パラフィンワックス、セレシン、マイクロクリスタンワックス等の25℃固体の炭化水素ワックスが好ましく、セレシンがより好ましい。
【0022】
(E)成分のW/O型乳化組成物中の配合量は、水分蒸散抑制効果及び低温粘度安定性の点から、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜4質量%がより好ましい。なお、5質量%を超えて配合しても、さらなる効果の向上は望めない。
【0023】
本発明のW/O型乳化組成物において、(水溶性成分/油溶性成分)で表される水溶性成分及び油溶性成分の含有質量比を3〜8にすることが好ましく、より好ましくは4〜6である。上記質量比を3以上とすることで、低温粘度安定性及びべたつきのなさがさらに向上する。また、8以下で低温粘度安定性及びべたつきのなさがより向上する。なお、上記比率は、小数点第1位を四捨五入した値である。
【0024】
本発明において、水溶性成分とは、第16改正日本薬局方において開示されているように、やや水に溶けやすい(溶質1gを溶かすのに要する水が30mL未満)ものか、それよりも溶けやすいもの、即ち、水溶性が1g/30mLを上回る成分をいう。油溶性成分とは、同様にやや水に溶け難い(1g/30mL)ものか、それよりも溶け難いもの、即ち、水溶性が1g/30mL以下の成分をいう。水溶性成分としては、本発明の(C)成分、(D)成分及び水成分等が含まれ、油溶性成分としては、(B)成分、(E)成分が含まれる。但し、本発明の(A)成分は、上記質量比の水溶性成分、油溶性成分のいずれにも含まれないものとする。
【0025】
本発明のW/O型乳化組成物は、水が含まれる。水のW/O型乳化組成物中の配合量は、通常40〜85質量%であり、50〜70質量%がより好ましい。
【0026】
本発明のW/O型乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、W/O型乳化組成物に配合する任意成分を、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて、適量配合することができる。任意成分としては、その他の薬剤、保湿剤、増粘剤、キレート剤、防腐剤、粉末成分、固体油脂、ロウ、固体炭化水素油、皮膜剤、紫外線吸収剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、水溶性高分子化合物、香料等が挙げられる。
【0027】
薬剤としては、外用剤に配合できるものであれば特に制限されないが、例えば、吉草酸酢酸プレドニゾロン、グリチルレチン酸、トコフェロール酢酸エステル、アラントイン、サリチル酸メチル、イソプロピルメチルフェノール、リドカイン、l−メントール、パンテノール、尿素等が挙げられる。
【0028】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0029】
増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA(ポリビニルアルコール)、PVM(ポリビニルメチルエーテル)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸ナトリウム、ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン塩架橋重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリン塩架橋重合体、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0030】
キレート剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0031】
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0032】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色系顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0033】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0034】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等);3−(4’-メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
【0035】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0036】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0037】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0038】
本発明のW/O型乳化組成物は、例えば、60〜80℃に加温溶解した油相に、60〜80℃に加温した水相を添加し、ホモミキサー等を用いて乳化した後、室温まで冷却して得ることができる。
【0039】
本発明のW/O型乳化組成物の粘度は、25℃で1〜100Pa・sが好ましい。なお、粘度の測定は、主にB型粘度計(25℃、12rpm、ローターNo.13)の条件で測定する。
【0040】
本発明のW/O型乳化組成物のpH(25℃)は、25℃で3〜6が好ましく、4〜6がより好ましい。pH調整剤としては、乳酸等の1価有機酸もしくはその塩、又はクエン酸、コハク酸、リンゴ酸等の多価有機酸及び/又はその塩、ホウ酸やホウ砂が好ましい。pH調整剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができ、その量は、W/O型乳化組成物のpHにする量が適宜選択される。
【実施例】
【0041】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
【0042】
[実施例1〜27、比較例1〜4]
70℃で加温溶解した油相((A)、(B)、(E)成分を含む)に、同温度に加温した水相((C)、(D)成分を含む)を添加した。温度を維持したままホモミキサー(特殊機化工業(株)製 T.K.AUTO HOMO MIXER)を用いて、6,000rpm・5分間乳化し、さらにパドルミキサーを用いて100rpmで撹拌しながら、常温まで冷却した。得られた乳化物について下記測定及び評価を行った。結果を表中に併記する。なお、乳化型を電気伝導度により判定した結果、実施例及び比較例で得られた乳化物はW/O型乳化物であった。
【0043】
〈水分蒸散抑制効果〉
10gの水を注いだガラスカップの上部をろ紙で封をして、この部分に乳化物を塗布し、40℃・50%RHに4時間放置後、水分の蒸散量を測定し、下記式に基づき水分蒸散抑制率(%):乳化物無塗布と比較した水分蒸散量の抑制を算出し、下記評価基準で抑制効果を評価した。
水分蒸散抑制率(%)=[乳化物無塗布のガラスカップの水分蒸散量(g)−乳化物を塗布したガラスカップの水分蒸散量(g)]/乳化物無塗布のガラスカップの水分蒸散量(g)×100
(水分蒸散抑制効果の評価基準)
◎:水分蒸散抑制率(%)が90%以上
○:水分蒸散抑制率(%)が70%以上90%未満
△:水分蒸散抑制率(%)が50%以上70%未満
×:水分蒸散抑制率(%)が50%未満
【0044】
〈低温粘度安定性〉
乳化物を、低温:−5℃で2ヵ月保存し、製造直後の粘度及び2ヶ月保存後の粘度を、B型粘度計(東機産業(株)RB−80L型)を用いて下記条件で測定した。
ローター:No.12
測定温度:25℃
回転数12rpm
なお、本測定法にて値が10Pa・s以上のものはB型粘度計((株)東京計器 ASB100型)を用いて下記条件で測定した。
ローター:No.6
測定温度:25℃
回転数20rpm
【0045】
測定結果から、下記式を用いて粘度保持率(%)を算出し、さらに下記評価基準で低温粘度安定性を示す。なお、実施例の初期粘度は1〜100Pa・sであった。
粘度保持率(%)=2ヶ月保存後の粘度/製造直後の粘度×100
(粘度安定性評価基準)
7:95%以上
6:90%以上95%未満
5:80%以上90%未満
4:70%以上80%未満
3:60%以上70%未満
2:50%以上60%未満
1:50%未満、測定不可(油水分離)
3点以上を合格とする
【0046】
〈べたつきのなさ〉
10名のパネラーが、パネラーの前腕に約0.5gの乳化物を塗り広げ、5分後のべたつき感のなさについて、下記評点に基づき官能評価を行った。結果を、10名の平均点に基づき、下記評価基準で示す。
(評点)
6点:感じない
5点:あまり感じない
4点:わずかに感じる
3点:少し感じる
2点:とても感じる
1点:非常に感じる
(べたつきのなさ評価基準)
6:平均点5.5以上
5:平均点5.0以上5.5未満
4:平均点4.0以上5.0未満
3:平均点3.0以上4.0未満
2:平均点2.0以上3.0未満
1:平均点2.0未満
3点以上を合格とする
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
・ペンタオレイン酸デカグリセリル(HLB3.5):日本サーファクタント工業 NIKKOL Decaglyn 5−OV
・モノオレイン酸グリセリル(HLB2.5):日光ケミカルズ(株) NIKKOL MGO
・ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(10E.O.)(HLB6.5):日光ケミカルズ(株) NIKKOL HCO−10
・ジフェンヒドラミン:金剛化学 日局ジフェンヒドラミン
・ウフェナマート:塩野フィネス(株) ウフェナマート
・スクワラン:日光ケミカルズ(株) NIKKOL スクワラン
・オレイルアルコール:クローダジャパン(株) ノボル−LQ−(JP)
・ミリスチン酸イソプロピル:日光ケミカルズ(株) NIKKOL IPM-EX
・マクロゴール20000:三洋化成(株) マクロゴール20000,平均分子量20,000
・マクロゴール6000:三洋化成(株) マクロゴール6000,平均分子量6,000
・グリセリン:阪本薬品工業(株) 日本薬局方グリセリン
・セレシン:日興リカ(株) 精製セレシンN
・ミツロウ:(株)セラリカNODA 脱臭精製蜜蝋
・D−ソルビトール:三菱商事フードテック(株) ソルビットD-70
・ヘパリン類似物質:LABORATORI DERIVATI ORGANICI HEPARINOID
・ビタミンA油:DSMニュートリションジャパン(株) ビタミンA油
・トコフェロール酢酸エステル:DSMニュートリションジャパン(株) トコフェロール酢酸エステル