特開2017-6331(P2017-6331A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

▶ キヤノン株式会社の特許一覧
特開2017-6331放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム
<>
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000003
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000004
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000005
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000006
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000007
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000008
  • 特開2017006331-放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-6331(P2017-6331A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20161216BHJP
【FI】
   A61B6/00 350S
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-124007(P2015-124007)
(22)【出願日】2015年6月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
(74)【代理人】
【識別番号】100120259
【弁理士】
【氏名又は名称】桂田 健志
(72)【発明者】
【氏名】星野 美奈
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA03
4C093CA13
4C093CA36
4C093EB12
4C093EB17
4C093FC19
4C093FD12
(57)【要約】
【課題】撮影条件に基づいてオフセット補正データの生成の順序及び頻度を設定することで、オフセット補正データの取得可能時間が限られている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる。
【解決手段】本発明は、放射線の曝射又は無曝射の画像データを取得する放射線撮像装置であって、所定の撮影モードの撮影条件に基づいて設定された順序及び頻度の少なくとも1つに従って、前記撮影モードに対応するオフセット補正データを前記画像データから生成する補正データ生成手段を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の曝射又は無曝射の画像データを取得する放射線撮像装置であって、
撮影モードに応じてオフセット補正データを生成する順序又は頻度を設定する設定手段と、
前記順序又は前記頻度に基づいて前記撮影モードに対応するオフセット補正データを前記画像データから生成する補正データ生成手段と、
前記オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データを補正する画像処理手段とを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記撮影モードの増幅率、画像サイズ、及びフレームレートの少なくとも1つに基づいて、前記順序又は前記頻度を設定することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記撮影モードの増幅率、画像サイズ、及びフレームレートの少なくとも2つ以上の優先度を決定し、前記優先度に従って前記順序又は前記頻度を設定することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
前記設定手段は、前記増幅率が高いほど、前記画像サイズが小さいほど、又はフレームレートが高いほど、前記順序又は前記頻度を高く設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
前記補正データ生成手段は、所定の時間間隔で取得された前記無曝射の画像データから前記オフセット補正データを生成し、
前記時間間隔は可変であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記オフセット補正データの生成時間が短いほど、前記順序又は前記頻度を高く設定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
放射線の曝射又は無曝射の画像データを取得する放射線撮像装置であって、
撮影モードに応じてオフセット補正データを生成する順序又は頻度を設定し、
前記順序又は頻度に基づいて前記撮影モードに対応するオフセット補正データを前記画像データから生成し、
前記オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データを補正することを特徴とする放射線撮像方法。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置に放射線を照射する放射線発生手段と、
前記撮影モードを入力する入力手段と、
を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
【請求項9】
コンピュータを請求項1乃至6の何れか1項に記載の放射線撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフセット補正データを取得する放射線撮像装置、放射線撮像システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を透過した放射線による放射線画像を撮影する撮像装置として、近年では放射線画像を直接且つリアルタイムにデジタル信号に変換する撮像装置が普及している。特に、人体など比較的大きな被写体の内部を観察するために、大面積のフラットパネル式放射線撮像装置(FPD)が提案されている。
【0003】
放射線画像の撮影では、撮影中に蓄積された残留電荷や暗電流電荷又は固定ノイズによるオフセット成分を除去するために、オフセット補正処理が行われる。
【0004】
一般なオフセット補正処理は、放射線を照射しない状態で取得した画像データ(無曝射画像データ)をオフセット補正データとし、無曝射画像データを放射線画像データから減算することで行われる。
【0005】
特許文献1では、複数のモードの各補正用画像の取得順序について、ある特定の時間枠内で使用頻度の高いと判断したモードを次の時間枠で優先的に更新し、その動作が継続的に行われる。なお、使用頻度は、使用時間と記録動作の実行回数に基づいて、重みづけ平均により決定される。
【0006】
また、特許文献2では、撮影時に選択する撮影手技に応じて、更新の順序が変更される。この場合、最終実施時刻から判定時刻までの経過時間を計測して、経過時間が所定の時間を超えると更新を行い、所定の時間内であれば更新しないと判定され、全モードで判定が継続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許7415097号公報
【特許文献2】特開2013−118983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、放射線撮像装置において、残留電荷や暗電流電荷又は固定ノイズなどによるオフセット成分によって画質が低下するおそれがある。そのため、無曝射画像データをオフセット補正データとして取得し、オフセット補正処理を行う必要がある。
【0009】
この場合、複数の撮影モードごとにオフセット補正データを取得(又は更新)する必要があり、全ての撮影モードのオフセット補正データを取得(又は更新)すると、被写体の放射線画像の撮影までに時間を要してしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、オフセット補正データの取得可能時間が限られている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる放射線撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、放射線の曝射又は無曝射の画像データを取得する放射線撮像装置であって、所定の撮影モードに応じてオフセット補正データを生成する順序又は頻度を設定する設定手段と、前記順序又は頻度に基づいて撮影モードに対応するオフセット補正データを前記画像データから生成する補正データ生成手段と、前記オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データを補正する画像処理手段とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影条件に基づいてオフセット補正データの生成の順序又は頻度を設定することで、オフセット補正データの取得可能時間が限られている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る放射線撮像システムの一例を示す図である。
図2】放射線撮像装置の構成図の一例を示す図である。
図3】オフセット補正処理を模式的に示す図である。
図4】撮影モードごとにオフセット補正データを取得し、更新することを説明する図である。
図5】撮影モードの撮影条件の一例を示す図である。
図6】撮影条件の優先度に従ってオフセット補正データを取得し、更新することを説明する図である。
図7】撮影モードの撮影条件の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る放射線撮像システムの一例を示す図である。放射線撮像システムは、例えば、病院内における放射線画像の撮影に使用され、放射線撮像装置101、電子計算機(PC)102、院内LAN(病院内に配設されたネットワーク)103、HUB104、パワーボックス(PB)105、X線インターフェースボックス(X I/F)106、放射線発生装置107を備える。
【0015】
放射線撮像装置101は、放射線100が照射された状態(曝射)又は照射されない状態(無曝射)で撮影を行うことにより、放射線100の曝射又は無曝射の画像データを取得する。電子計算機102のディスプレイは、放射線撮像装置101で取得された画像データを表示する。また、電子計算機102の入力部は、放射線撮像装置101の撮影に用いられる撮影モードを入力(指示)する。
【0016】
パワーボックス105は、放射線撮像装置101などに電源を供給する。X線インターフェースボックス106は、通信を媒介する回路を保持し、パワーボックス105及び放射線発生装置107を介して、放射線撮像装置101の状態を監視し、放射線100の照射や撮影動作などを制御する。放射線発生装置107は、放射線100を発生させるために、電子を高電圧で加速して陽極に衝突させるX線管とロータを保持し、放射線撮像装置101に放射線を照射する。
【0017】
放射線発生装置107から照射された放射線100は被写体(患者)108に照射され、放射線撮像装置101が、被写体108を透過した放射線100を検出することにより被写体108の放射線画像を生成する。また、放射線撮像装置101は、電子計算機102の指示により、複数の撮影モードから所定の撮影モードを選択し、その撮影モードの撮影条件で撮影を行う。
【0018】
図2は、放射線撮像装置101の構成図の一例を示す図である。放射線撮像装置101は、制御回路11、電源制御回路13、アンプIC14、ドライブIC15、ADC16、及びメモリ17を備える。制御回路11は、補正処理部(画像処理部)18及び補正データ生成部19を備える。補正データ生成部19は、設定部190を備える。
【0019】
放射線撮像装置101の蛍光体が、放射線発生装置107から照射された放射線100を吸収し、放射線エネルギーを光に変換する。放射線撮像装置101の光電変換素子が、光を電気エネルギーに変換し、電気的に蓄積する。
【0020】
ドライブIC15が光電変換素子アレイの行を選択し、スイッチング機能を有するTFTが順次ONとOFFを切り替えることで、光電変換素子に蓄積された電荷が読み出される。なお、薄型トランジスタであるTFTは、ガラス基板上にアモルファスシリコンなどで構成される。読み出された電荷は、アンプIC14により増幅され、増幅されたアナログデータは、ADC16によりデジタルデータに変換される。
【0021】
制御回路11は、ADC16から出力されたデジタルデータに各種処理を施す。制御回路11は、パワーボックス105を介して、電子計算機102及びX線インターフェースボックス106との通信を行う。また、電源制御回路13は、パワーボックス105からの電源の供給を行う。
【0022】
補正処理部(画像処理部)18は、オフセット成分を除去するオフセット補正処理を行う。補正処理部(画像処理部)18は、オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データを補正する。補正データ生成部19は、複数の撮影モードのそれぞれに対応するオフセット補正データを生成する。この場合、設定部190は、所定の撮影モードに応じてオフセット補正データを生成する順序又は頻度を設定し、補正データ生成部19は、設定部190により設定された順序又は頻度に基づいて撮影モードに対応するオフセット補正データを画像データ(例えば、無曝射画像データ)から生成する。
【0023】
生成されたオフセット補正データはメモリ17に保存され、補正処理部18でオフセット補正処理が施される際に、撮影モードに対応するオフセット補正データが読み出される。
【0024】
図3は、オフセット補正処理を模式的に示す図である。放射線100が照射されて被写体108を透過し、放射線撮像装置101の放射線検出器で検出されることにより、被写体108の放射線画像109が取得される。オフセット補正処理が施される前の放射線画像109は、被写体108の画像成分とオフセット成分(ノイズ成分)とを含む。また、放射線100を照射しない状態(無曝射)で撮影を行うことにより、放射線100の無曝射の画像データからオフセット補正データ110が取得される。オフセット補正データ110は、被写体108の画像成分を含まずに、ノイズ成分を含む。
【0025】
なお、オフセット補正データ110は、撮影モードごとに生成される。また、オフセット補正データ110は、同一の撮影モードで撮影された無曝射の複数の画像データを平均したものである。補正データ生成部19は、無曝射の複数の画像データを平均することにより、1つのオフセット補正データ110を生成し、撮影モードごとに1つずつオフセット補正データを生成する。補正データ生成部19は、それぞれの撮影モードに対応するオフセット補正データを、所定の順序又は頻度で更新する。
【0026】
補正処理部18は、オフセット補正データ110を用いて、被検体108を撮影して取得された放射線画像(画像データ)109を補正する。具体的には、補正処理部18は、放射線画像109からオフセット補正データ110を減算することで、オフセット補正処理を行う。これにより、放射線画像109からオフセット成分(ノイズ成分)が除去された被写体108の放射線画像111が取得される。
【0027】
図4は、撮影モードごとにオフセット補正データを取得し、更新することを説明する図である。放射線100の曝射による放射線画像の撮影時には、無曝射の画像データを取得することができないため、放射線100を曝射する時間帯を除く時間帯において、補正データ生成部19は、無曝射の画像データを所定の時間間隔A[s]で取得する。この場合、放射線撮像装置101の暖機状態(起動状態)、暖機完了状態、及び温度変動状態などにかかわらず、無曝射の画像データが取得される。
【0028】
図4(a)において、Xは放射線の曝射状態を表し、起動、状態A、及び状態Bは、暖機状態(起動状態)、暖機完了状態、及び温度変動状態などの放射線撮像装置101の状態を表す。図4(a)では、放射線の曝射状態X以外の状態において、無曝射の画像データが所定の時間間隔A[s]で取得される。
【0029】
補正データ生成部19は、同一の撮影モードにより時間間隔A[s]で取得された複数の画像データ(無曝射画像データ)を平均することにより、1つのオフセット補正データ110を生成する。補正データ生成部19は、それぞれの撮影モードに対応するオフセット補正データを、所定の順序又は頻度で更新する。
【0030】
図4(b)では、放射線撮像装置101は、9つの撮影モードを有する。設定部190は、撮影モードの撮影条件に基づいて、オフセット補正データを生成する順序を、撮影モード8、撮影モード5、撮影モード9、撮影モード2、撮影モード4、撮影モード6、撮影モード1、撮影モード7、及び撮影モード3の順に設定する。そして、補正データ生成部19は、設定された順序に基づいて、撮影モード1〜9に対応するオフセット補正データ110−1〜110−9を画像データから生成する。
【0031】
例えば、補正データ生成部19は、撮影モード8により時間間隔A[s]で複数の画像データ(無曝射画像データ)を取得して平均することで、オフセット補正データ110−8を生成する。そして、補正データ生成部19は、設定された順序に基づいて、撮影モード3に対応するオフセット補正データ110−3を取得した後、撮影モード8に対応するオフセット補正データ110−8を再度生成し、オフセット補正データ110−8を更新する。このように、補正データ生成部19は、設定された順序に基づいて、オフセット補正データ110−1〜110−9の取得(又は更新)を繰り返す。
【0032】
放射線撮像装置101が複数の撮影モードを有する場合、放射線撮像装置101は、何れの撮影モードが選択されても対応できるように、全ての撮影モードに対応するオフセット補正データ110を取得するまでの待機時間を要することがある。また、放射線撮像装置101は、放射線を連続的に照射して撮影する場合、無曝射の画像データの取得可能時間が限定されるので、オフセット補正データ110を更新するまでの時間を要することがある。
【0033】
本実施形態では、設定部190が、オフセット補正データ110の取得(又は更新)の順序及び頻度の少なくとも1つを設定する。そして、補正データ生成部19は、必要性が高いオフセット補正データ110を優先的に取得(又は更新)することで、オフセット補正データ110の取得可能時間が限定されている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる。
【0034】
この結果、オフセット補正データが取得(又は更新)されるまでの待機時間を解消することができ、被写体の放射線画像を速やかに撮影することができる。例えば、緊急時において、放射線撮像装置101の起動から被写体108の放射線画像109の撮影までの待機時間を解消することができる。
【0035】
設定部190は、撮影モードの出力ゲイン(増幅率)、画像サイズ、及びフレームレートの少なくとも1つに基づいて、順序及び頻度の少なくとも1つを設定し、必要性が高いオフセット補正データ110を優先的に取得(又は更新)する。必要性が高いオフセット補正データは、例えば、経時変化によって画像にアーチファクトが出やすい撮影モードに対応するオフセット補正データである。
【0036】
一般に、出力ゲイン(電荷の増幅率)が高い撮影モードにより撮影される画像が、環境要因によって変動しやすく、アーチファクトが発生しやすい。したがって、設定部190は、出力ゲイン(増幅率)が高いほど、順序及び頻度の少なくとも1つを高く設定する。この他、設定部190は、画像サイズが小さいほど又はフレームレートが高いほど、順序及び頻度の少なくとも1つを高く設定する。
【0037】
図5は、撮影モード1〜9の撮影条件の一例を示す図である。図5では、撮影条件として、画像サイズ、フレームレート、及び出力ゲイン(増幅率)が設定されている。
【0038】
画像サイズは、放射線撮像装置101により取得される曝射又は無曝射の画像又は動画(例えば、被写体108の放射線画像)のサイズである。フレームレートは、動画などにおいて単位時間あたりに取得されるフレーム数であり、1秒あたりのフレーム数[fps]を単位として表されている。フレームレートの数値が大きいほど、時間間隔A[s]が短くなり、オフセット補正データの取得スピードが速くなり、更新時間が短くなる。出力ゲインは、放射線撮像装置101の放射線検出器で発生した電荷の増幅率であり、撮影モード3を基準としたときの各撮影モードの増幅率の比で表されている。
【0039】
図5では、取得(更新)順序の項目が設けられ、オフセット補正データの取得(更新)順序が示されている。この場合、出力ゲインが高いほど、つまりアーチファクトが出やすいほど、取得(更新)順序が高く設定されている。この結果、放射線画像の画質を向上させることができる。
【0040】
また、補正データ生成部19は、所定の時間間隔A[s]で取得された無曝射の画像データからオフセット補正データ110を生成し、時間間隔A[s]は可変である。時間間隔A[s]が短くなると、更新時間が短くなる。時間間隔A[s]が長くなると、放射線100を曝射する時間帯を回避して、無曝射の画像データを取得できる可能性が高まる。実際の医用現場における放射線撮像装置の運用を鑑みると、ユーザが時間間隔A[s]を可変に設定することがユーザに使いやすい運用である。
【0041】
補正処理部18は、被写体108の放射線画像109と同一の撮影モードのオフセット補正データ110をメモリ17から読み出し、放射線画像109からオフセット補正データ110を減算することで、オフセット補正処理を行う。これにより、放射線画像109からオフセット成分(ノイズ成分)が除去された被写体108の放射線画像111が取得され、電子計算機102のディスプレイなどに表示され、診断などに使用される。
【0042】
このように、必要性が高いオフセット補正データ110を優先的に取得(又は更新)することで、オフセット補正データ110の取得可能時間が限られている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる。
【0043】
以上、本発明にかかる実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
【0044】
図6は、撮影条件の優先度に従ってオフセット補正データを取得し、更新することを説明する図である。設定部190は、撮影モードの出力ゲイン(増幅率)、画像サイズ、及びフレームレートの少なくとも2つ以上の優先度を決定し、優先度に従って順序及び頻度の少なくとも1つを設定する。
【0045】
図7は、撮影モード1〜9の撮影条件の一例を示す図である。図7では、設定部190は、出力ゲインとフレームレートのうち出力ゲインの優先度を高く設定し、出力ゲインとフレームレートに基づいてオフセット補正データ110の取得(更新)順序を設定する。この場合、出力ゲインが高いほど取得(更新)順序が高く設定され、出力ゲインが同値である場合は、フレームレートが高いほど取得(更新)順序が高く設定される。
【0046】
また、設定部190は、オフセット補正データ110の生成時間が短いほど、オフセット補正データ110を生成する順序及び頻度の少なくとも1つを高く設定してもよい。一般的に、画像サイズが小さいほど又はフレームレートが高いほど、オフセット補正データ110の生成時間が短くなる。この場合も、出力ゲインが高いほど取得(更新)順序が高く設定され、出力ゲインが同値である場合は、オフセット補正データ110の生成時間が短いほど取得(更新)順序が高く設定されてもよい。
【0047】
生成時間が短いオフセット補正データ110を優先的に取得(又は更新)することで、所定の時間内に取得可能なオフセット補正データ110の数を増加させることができる。この結果、オフセット補正データ110の取得可能時間が限られている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる。
【0048】
図7では、撮影モード1,2及び撮影モード8,9はそれぞれの出力ゲインが同値である。この場合、フレームレートが高いほどオフセット補正データ110の生成時間が短くなる。よって、撮影モード1,2では撮影モード2の順位が高く設定され、撮影モード8,9では撮影モード8の順位が高く設定される。また、画像サイズが小さいほどその画像を読み込む時間が短くなるため、オフセット補正データ110の生成時間が短くなる。よって、出力ゲイン及びフレームレートが同値である場合は、画像サイズが小さいほどオフセット補正データ110の取得(更新)順序が高く設定されてもよい。
【0049】
このように、補正データ生成部19は、撮影条件のうち画質に悪影響を与える要因及びオフセット補正データ110の生成時間を短縮する要因に基づいて、必要性が高いオフセット補正データ110を優先的に取得(又は更新)する。この結果、オフセット補正データ110の取得可能時間が限られている場合であっても、オフセット補正処理を適切に行うことができる。特に、オフセット補正データ110の生成時間を短縮する要因に基づいて、必要性が高いオフセット補正データ110を優先的に取得(又は更新)することで、所定の時間内により多くの撮影モードの撮影準備を完了させることができる。
【0050】
なお、設定部190は、画質に悪影響を与える要因(例えば、出力ゲイン)の代わりに、オフセット補正データ110の生成時間を短縮する要因(例えば、フレームレートや画像サイズなど)の優先度をその他の優先度よりも高く設定してもよい。また、設定部190は、画質に悪影響を与える要因の優先度とオフセット補正データ110の生成時間を短縮する要因の優先度とを切り替えてもよい。
【0051】
また、設定部190は、撮影条件のうち画質に悪影響を与える要因及びオフセット補正データ110の生成時間を短縮する要因の少なくとも1つに基づいて、オフセット補正データ110の取得(又は更新)の頻度を設定してもよい。例えば、補正データ生成部19は、出力ゲインが所定の閾値より高い場合、所定の時間内にオフセット補正データ110を2回取得(又は更新)し、出力ゲインが所定の閾値より低い場合、所定の時間内にオフセット補正データ110を1回取得(又は更新)する。そして、補正データ生成部19は、設定された頻度に基づいて、オフセット補正データ110の更新を繰り返す。
【0052】
また、補正データ生成部19は、撮影条件のうち画質に悪影響を与える要因に基づく順序及び頻度の少なくとも1つに従って、オフセット補正データ110を取得(又は更新)した後に、オフセット補正データ110の生成時間を短縮する要因に基づく順序及び頻度の少なくとも1つに従って、オフセット補正データ110を取得(又は更新)してもよい。
【0053】
例えば、補正データ生成部19は、出力ゲインに基づく順序に従って、オフセット補正データ110の取得(又は更新)した後、フレームレートに基づく順序に従って、オフセット補正データ110を取得(又は更新)する。そして、補正データ生成部19は、出力ゲインに基づく順序とフレームレートに基づく順序とを交互に切り替える。
【0054】
また、撮影条件(例えば、画像サイズ)が予め特定されている場合、設定部190は、特定された撮影条件の撮影モードに対応するオフセット補正データ110の取得(又は更新)の順序及び頻度の少なくとも1つを設定してもよい。
【0055】
例えば、図5の撮影条件において、画像サイズ「43×43」が予め特定されている場合、撮影モード番号1〜3に対応するオフセット補正データ110の取得(又は更新)の順序が出力ゲインに基づいて設定される。このように、設定部190は、限定された撮影条件の範囲内でオフセット補正データ110の取得(又は更新)の順序及び頻度の少なくとも1つを設定してもよい。
【0056】
また、オフセット補正データ110の取得(又は更新)の順序及び頻度の少なくとも1つを設定するための撮影条件を選択する入力信号に従って、補正データ生成部19は、1つ又は複数の撮影条件を選択してもよいし、これらの撮影条件を切り替えてもよい。
【0057】
また、本発明は、上記の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、システム又は装置のコンピュータ(CPUやMPUなど)がプログラムを読み出すことにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
11 制御回路
13 電源制御回路
14 アンプIC
15 ドライブIC
16 ADC
17 メモリ
18 補正処理部
19 補正データ生成部
101 放射線撮像装置
102 電子計算機
104 HUB
105 パワーボックス
106 X線インターフェースボックス
107 放射線発生装置
190 設定部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7