特開2017-6382(P2017-6382A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2017-6382放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-6382(P2017-6382A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20161216BHJP
【FI】
   A61B6/00 320Z
   A61B6/00 350S
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-125086(P2015-125086)
(22)【出願日】2015年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
(74)【代理人】
【識別番号】100120259
【弁理士】
【氏名又は名称】桂田 健志
(72)【発明者】
【氏名】浅井 弘樹
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノン株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA13
4C093CA16
4C093EB12
4C093FB12
4C093FC19
4C093FD09
4C093FF34
(57)【要約】
【課題】放射線撮影装置の状態が変化する場合においても、ユーザが所望する画質やフレームレートなどに応じた撮影を可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る放射線撮影装置は、所定の取得モードで取得された画像データによりオフセット補正データを取得する補正データ取得手段を備える放射線撮影装置であって、前記放射線撮影装置の温度、前記放射線撮影装置に電源を投入してからの時間、前記放射線撮影装置が前記オフセット補正データを取得してからの時間、前記放射線撮影装置が曝射画像を撮影してからの時間、前記放射線撮影装置が無曝射画像を撮影してからの時間、及び前記放射線撮影装置により撮影された画像における残像度の少なくとも1つに基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力する情報出力手段を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力する情報出力手段と、
前記状態情報に基づいて設定された取得モードで取得された画像データによりオフセット補正データを取得する補正データ取得手段と、
前記オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データを補正する画像処理手段と
を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記放射線撮影装置の温度に基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
【請求項3】
前記情報出力手段は、前記放射線撮影装置に電源を投入してからの時間に基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
【請求項4】
前記情報出力手段は、前記放射線撮影装置が前記オフセット補正データを取得してからの時間、前記放射線撮影装置が曝射画像を撮影してからの時間、前記放射線撮影装置が無曝射画像を撮影してからの時間の少なくとも1つに基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
【請求項5】
前記情報出力手段は、前記放射線撮影装置により撮影された画像における残像度に基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影装置。
【請求項6】
前記情報出力手段は、前記放射線撮影装置の暖機状態、平衡状態、温度変動状態、所定の前記取得モードによる撮影可能状態、前記オフセット補正データの信頼時間経過状態、及び残像残存状態の少なくとも1つを前記状態情報として出力することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項7】
前記情報出力手段は、前記状態情報に基づいて、前記取得モードに関する取得モード情報を出力することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項8】
前記情報出力手段は、前記状態情報に基づく前記取得モードと前記放射線撮影装置に設定された取得モードとが異なる場合、前記取得モードが異なることを通知する通知情報を出力することを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
【請求項9】
前記情報出力手段は、前記放射線撮影装置の温度変化に基づいて閾値を設定し、前記放射線撮影装置の温度と前記閾値とを比較することにより、前記状態情報を出力することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項10】
前記情報出力手段は、前記被写体の撮影の前に前記画像データを取得する取得モードを前記取得モード情報として出力し、前記補正データ取得手段は、前記取得モードに基づいてオフセット補正データを取得することを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
【請求項11】
前記情報出力手段は、前記被写体の撮影の後に前記画像データを取得する取得モードを前記取得モード情報として出力し、前記補正データ取得手段は、前記取得モードに基づいてオフセット補正データを取得することを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
【請求項12】
前記情報出力手段は、被写体の撮影の後に取得された前記画像データにより、前記被写体の撮影と前記オフセット補正データの取得とを交互に行う取得モードを前記取得モード情報として出力し、前記補正データ取得手段は、前記取得モードに基づいてオフセット補正データを取得することを特徴とする請求項7に記載の放射線撮影装置。
【請求項13】
前記補正データ取得手段は、複数の前記画像データにより前記オフセット補正データを取得することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線撮影装置。
【請求項14】
所定の取得モードで取得された画像データによりオフセット補正データを取得する補正データ取得手段を備える放射線撮影装置であって、
前記放射線撮影装置の温度、前記放射線撮影装置に電源を投入してからの時間、前記放射線撮影装置が前記オフセット補正データを取得してからの時間、前記放射線撮影装置が曝射画像を撮影してからの時間、前記放射線撮影装置が無曝射画像を撮影してからの時間、及び前記放射線撮影装置により撮影された画像における残像度の少なくとも1つに基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力する情報出力手段
を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
【請求項15】
所定の取得モードで撮影された画像データによりオフセット補正データを取得する工程と、
放射線撮影装置の温度、前記放射線撮影装置に電源を投入してからの時間、前記放射線撮影装置が前記オフセット補正データを取得してからの時間、前記放射線撮影装置が曝射画像を撮影してからの時間、前記放射線撮影装置が無曝射画像を撮影してからの時間、及び前記放射線撮影装置により撮影された画像における残像度の少なくとも1つに基づいて、前記放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力する工程と
を備えることを特徴とする放射線撮影方法。
【請求項16】
請求項1乃至14の何れか1項に記載の放射線撮影装置と、
前記放射線撮影装置に放射線を照射する放射線発生手段と、
前記取得モードを設定する設定手段と、
前記状態情報を通知する通知手段と
を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
【請求項17】
コンピュータを請求項1乃至14の何れか1項に記載の放射線撮影装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像を撮影する放射線撮影装置、放射線撮影方法、放射線撮影システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を透過した放射線(X線など)を用いて放射線画像を撮影する放射線撮影装置として、放射線画像をリアルタイムに表示可能な放射線撮影装置が普及している。また、フラットパネル式の放射線撮影装置(FPD)が提案されている。
【0003】
FPDは、アモルファス半導体を透明導電膜及び導電膜で挟持した固体光検出器と放射線を可視光に変換するシンチレータとを積層した微小な放射線検出器を、石英ガラス基板上にマトリクス状に配列する。また、固体光検出器として、CCDやCMOSなどの光検出器を用いたものが知られている。また、放射線検出器として、シンチレータを用いずに、固体光検出器で放射線を直接検出するものが知られている。
【0004】
FPDは、任意の蓄積時間の間に照射された放射線量を電荷量として検出する。そのため、被写体の放射線画像の撮影時に、放射線の照射とは無関係な電荷が放射線検出器中に存在した場合、この電荷がノイズとして放射線画像に重畳され、放射線画像の画質を低下させる原因となる。
【0005】
例えば、ノイズとなる電荷として、先行して撮影された放射線画像の撮影後に、固体光検出器やシンチレータの特性に基づいて残留する残留電荷がある。また、ノイズとなる電荷として、主に温度の影響により固体光検出器に生成される電荷による暗電流がある。その他、放射線検出器固有の欠陥に起因する固定ノイズが放射線画像の画質を低下させる原因となる。
【0006】
被写体の放射線画像の撮影時には、放射線の照射を行う画像の蓄積時間に比例して残留電荷や暗電流成分の電荷も蓄積され、放射線画像の画質が低下する。そのため、被写体の放射線画像の撮影において、撮影中に蓄積された残留電荷、暗電流電荷、及び固定ノイズなどによるオフセット成分を除去するためのオフセット補正処理が行われる。
【0007】
一般に、オフセット補正処理は、放射線を照射しない状態で取得した画像データ(無曝射画像データ)をオフセット補正データとし、放射線画像からオフセット補正データを減算することで行われる。この場合、被写体の放射線画像の撮影と無曝射画像データ(オフセット補正データ)の取得とが交互に行われ、放射線画像からオフセット補正データを減算することで、オフセット補正処理が行われる。また、被写体の放射線画像の撮影前に取得された無曝射画像データをオフセット補正データとして、放射線画像から減算することで、オフセット補正処理が行われる。
【0008】
被写体の放射線画像の撮影と無曝射画像データ(オフセット補正データ)の取得とが交互に行われる場合、残像を低減することができるが、フレームレートが遅くなるという問題がある。
【0009】
被写体の放射線画像の撮影前にオフセット補正データを取得する場合、フレームレートが速くなり、動画像撮影などの高速連続撮影が可能となるが、残像を十分低減できないという問題がある。また、暗電流電荷は、放射線検出器の温度や撮影条件又はセンサの経時劣化などの影響で変化するため、被写体の放射線画像の撮影前にオフセット補正データを取得する場合、オフセット補正処理の精度を十分に得られないという問題がある。
【0010】
また、一般的なFPDの場合、放射線検出器の駆動開始直後や放射線照射直後は暗電流電荷が不安定になりやすい。また、放射線照射後に生じる残留電荷は、放射線照射の終了直後ほど急激に変化することが知られている。そのため、安定したオフセット補正処理を実行するためには、放射線検出器の駆動開始から放射線画像の撮影までの間又は先行する放射線画像の撮影から次の放射線画像の撮影までの間に、一定の時間を確保する必要がある。一方で、放射線撮影装置の操作性を向上させるために、駆動開始直後や先行する放射線画像の撮影直後の短時間に放射線画像の撮影を行うことが望まれる。
【0011】
特許文献1及び特許文献2では、オフセット補正処理の精度を保つために、時間に対するオフセット補正データの安定性や変動量を判定して、オフセット補正データを取得する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2012−183241号公報
【特許文献2】特許第4557697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、放射線撮影装置の電源投入直後など温度変化が激しいと、オフセット補正データの変動量が大きくなり、安定性が悪化するので、オフセット補正データを生成するために用いられる無曝射画像データの取得モードが自動的に選択されてしまう。この結果、ユーザが所望する取得モードを選択でない場合がある。
【0014】
例えば、被写体の放射線画像と無曝射画像データとを交互に取得する取得モードが自動的に選択される。この場合、安定したオフセット補正データを取得できるが、フレームレートは低下する。したがって、緊急時において、ユーザが画質よりも高速のフレームレートを優先したいときに、放射線撮影装置は対応できない。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、放射線撮影装置の状態が変化する場合においても、ユーザが所望する画質やフレームレートなどに応じた撮影を可能とし、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る放射線撮影装置は、放射線撮影装置の状態に関する状態情報を出力する情報出力手段と、前記状態情報に基づいて設定された取得モードで取得された画像データによりオフセット補正データを取得する補正データ取得手段と、前記オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データを補正する画像処理手段とを備える。
【発明の効果】
【0017】
放射線撮影装置の状態が変化する場合においても、ユーザが所望する画質やフレームレートなどに応じた撮影を可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る放射線撮影システムの一例を示す図である。
図2】放射線撮影装置の電源投入から撮影が完了するまでの動作を示すシーケンス図である。
図3】撮影モード情報に含まれる設定パラメータの一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る状態情報の一例を示す図である。
図5】放射線撮影装置の状態の判断を例示する図である。
図6】表示部に表示される警告の一例を示す図である。
図7】第2の実施形態に係る放射線撮影システムの一例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る状態情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳しく説明する。図1は、本実施形態に係る放射線撮影システムの一例を示す図である。図1(a)に示すように、放射線撮影システムは、放射線撮影装置1、放射線を放射線撮影装置1に照射する放射線発生装置2、及び放射線撮影装置1や放射線発生装置2の制御を行う制御装置3を備える。
【0020】
放射線撮影装置1は、放射線検出部101、画像処理部102、制御部103、記憶部104、通信部105、監視部106、及び情報出力部108を備える。図1(b)に示すように、制御部103は補正データ取得部107を備える。制御装置3は、入力部301、表示部302、及び通信部303を備える。
【0021】
放射線検出部101は、シンチレータ、光検出器アレイ、駆動回路、信号増幅回路、及びA/D変換器を含み、放射線を検出可能であり、画像データを生成する。信号増幅回路はユーザが設定するゲイン設定に基づいて動作する。放射線検出部101は、被写体を透過した放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子を有する。放射線検出部101のシンチレータは、被写体を透過したエネルギーの高い放射線により蛍光体の母体物質が励起され、再結合する際の再結合エネルギーにより可視領域の蛍光を発する。この蛍光は、CaWOやCdWOなどの母体自身によるものやCsI:TlやZnS:Agなどの母体内に付加された発光中心物質によるものがある。
【0022】
光検出器アレイは、駆動回路の動作により、光検出器アレイを構成する各画素で検出された蛍光量(シンチレータに入射した放射線量)に応じた電気信号を出力する。A/D変換器は、光検出器アレイからの出力信号をデジタル化して画像データを出力する。
【0023】
画像処理部102は、放射線検出部101から出力される画像データに対して、オフセット補正処理などの画像処理を施す。オフセット補正処理は、制御部103の制御に基づき、記憶部104に保存されたオフセット補正データ(無曝射画像データ)を被写体の放射線画像(被写体画像)から減算することで行われる。
【0024】
また、画像処理部102は、低ノイズの放射線画像データを得るために、その他の基本的な画像処理を施してもよい。更に、画像処理部102は、階調補正などのユーザが要求する画像品質調整を含む画像処理を施してもよい。
【0025】
制御部103は、放射線画像の撮影や通信動作など、放射線撮影装置1の各部の制御に関わる処理を行う。例えば、制御部103は、放射線画像を取得する指示を放射線検出部101の駆動回路へ出力し、取得された放射線画像を保存する指示を記憶部104へ出力する。また、制御部103は、記憶部104に保存されたテーブルを用いて、画像データ(無曝射画像データ)を取得するための取得モードを設定する。
【0026】
また、制御部103は、通信部105を介して制御装置3へデータ(画像データや制御信号など)の送受信を行い、受信データに基づいて各種処理を行う。例えば、制御部103は、記憶部104に保存されているプログラムなどを読み出し、これに基づいて放射線撮影装置1の制御を行う。また、ASICなどによる制御信号発生回路により装置制御が行われてもよいし、プログラムと制御回路の両方により装置制御が実現されてもよい。
【0027】
記憶部104は、放射線検出部101又は画像処理部102から出力される画像データ、画像処理部102の補正処理用の画像データ(オフセット補正データやゲイン補正データなど)、撮影モード情報、取得モード情報(取得モードを設定するためのテーブルなど)、及び内部処理の結果を示すログ情報などを記憶する。
【0028】
また、記憶部104は、制御部103がCPUなどのソフトウェアを用いるものである場合には、そのためのソフトウェアなども格納する。記憶部104は、具体的な実装に制約はなく、1つあるいは複数のメモリやHDD又は揮発や不揮発などの様々の組み合わせで実装可能である。
【0029】
通信部105は、無線LAN、有線LAN、又は公衆回線用の通信モジュールを用いることにより実現され、各種データ(画像処理部102で画像処理された画像データやログ情報など)を外部に転送する。例えば、通信部105は、制御装置3と通信を行う。
【0030】
監視部106は、温度センサやタイマーを含み、放射線撮影装置1の温度、放射線撮影装置1に電源を投入してからの時間、放射線撮影装置1がオフセット補正データを取得してからの時間、放射線撮影装置1が曝射画像を撮影してからの時間、及び放射線撮影装置1が無曝射画像を撮影してからの時間の少なくとも1つを監視情報として監視する。
【0031】
ここで、曝射画像データは、放射線を照射した状態で放射線撮影装置1が取得した画像データであり、無曝射画像データは、放射線を照射しない状態で放射線撮影装置1が取得した画像データである。
【0032】
補正データ取得部107は、放射線撮影装置1の状態に関する状態情報に基づいて設定された取得モードで取得された画像データ(無曝射画像データ)によりオフセット補正データを取得し、記憶部104に保存する。補正データ取得部107は、複数の画像データによりオフセット補正データを取得してもよい。例えば、補正データ取得部107は、複数の無曝射画像データの平均を、オフセット補正データとして取得してもよい。画像処理部102は、オフセット補正データを用いて、被検体を撮影して取得された画像データ(放射線画像データ)を補正する。
【0033】
情報出力部108は、放射線撮影装置1の温度、放射線撮影装置1に電源を投入してからの時間、放射線撮影装置1がオフセット補正データを取得してからの時間、放射線撮影装置1が曝射画像を撮影してからの時間、放射線撮影装置1が無曝射画像を撮影してからの時間、及び放射線撮影装置1により撮影された画像における残像度の少なくとも1つに基づいて、放射線撮影装置1の状態に関する状態情報を出力する。
【0034】
この場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1の暖機状態、平衡状態、温度変動状態、所定の取得モードによる撮影可能状態、オフセット補正データの信頼時間経過状態、及び残像残存状態の少なくとも1つを状態情報として出力する。
【0035】
また、情報出力部108は、放射線撮影装置1の状態に応じて(状態情報に基づいて)、取得モードに関する取得モード情報を出力する。この場合、情報出力部108は、状態情報に基づく取得モードと放射線撮影装置1に設定された取得モードとが異なる場合、取得モードが異なることを通知する通知情報を出力する。
【0036】
また、情報出力部108は、被写体の撮影の前に画像データ(無曝射画像データ)を取得する取得モード及び被写体の撮影の後に画像データを取得する取得モードの少なくとも1つを取得モード情報として出力してもよい。また、情報出力部108は、被写体の撮影の後に取得された画像データにより、被写体の撮影とオフセット補正データの取得とを交互に行う取得モードを取得モード情報として出力してもよい。
【0037】
制御装置3は、撮影画像の表示、撮影オーダーの受付、及び撮影情報の入力などを行う。制御装置3は、ユーザの各種データの入力を可能とする入力部301、撮影モードや取得モードなどの設定画面及び放射線画像などを表示する表示部302、及び放射線撮影装置1とのデータ通信を行う通信部303を備える。
【0038】
入力部301は、ユーザからの操作を受け付けるために用いられる。入力部301は、具体的な実装に制約はなく、ユーザからの入力を受け付けられればよい。例えば、入力部301は、ユーザが操作する各種スイッチ、キーボード、及びタッチパネルなどによって実現される。
【0039】
表示部302は、撮影モードや取得モードなどを設定するための設定画面や放射線撮影装置1から受信する放射線画像などを表示したり、放射線撮影装置1の状態をユーザに通知したりする。また、本実施形態では、表示部302が通知手段として機能し、情報出力部108により出力された状態情報及び通知情報をユーザに通知する。表示部302は、具体的な実装に制約はなく、LED、LCD、及びモニターなどによって実現される。
【0040】
通信部303は、放射線撮影装置1の通信部105と制御装置3との通信を行うために用いられ、放射線撮影装置1から出力された画像データなどの取得や放射線撮影装置1と制御装置3とのデータ通信の制御などを行う。通信部303は、具体的な実装に制約はなく、無線LAN、有線LAN、又は公衆回線用の通信モジュールなどを用いることにより実現される。
【0041】
次に、図2を用いて放射線撮影装置1及び制御装置3の動作について詳しく説明する。図2は、放射線撮影装置1の電源投入から撮影が完了するまでの動作を示すシーケンス図である。
【0042】
ステップS21では、ユーザが放射線撮影装置1の電源をONにすることにより、放射線撮影装置1に電源が投入される。ステップS22では、放射線撮影装置1は、放射線撮影装置1に電源が投入されたことを制御装置3に通知する。ステップS23では、放射線撮影装置1の電源投入通知を受信し、制御装置3の表示部302は、撮影モードの入力画面を表示する。ステップS24では、ユーザは、制御装置3の入力部301を用いて、表示部302の設定画面から撮影手技に応じた撮影モードを設定する。
【0043】
ステップS25では、制御装置3が、通信部303を介して、設定された撮影モードに関する撮影モード情報を放射線撮影装置1に送信する。制御部103は、制御装置3から撮影モード情報を受信し、画像データ(無曝射画像データ)を取得するための取得モードを設定する。
【0044】
図3は、撮影モード情報に含まれる設定パラメータの一例を示す図である。図3に示すように、撮影モード情報は、撮影モード番号、画像のサイズ、ビニング、フレームレート、出力ゲイン、及び取得モードを含む。取得モードは、画像データ(無曝射画像データ)を取得するためのモードであり、図3では「0」と「1」で表される。
【0045】
ここで、「0」の取得モードは、被写体の撮影の直前もしくは直後に画像データ(無曝射画像データ)を取得する取得モードである。また、「0」の取得モードは、被写体の撮影とオフセット補正データの取得とを交互に行う取得モードである。この場合、画像処理部102は、被写体の放射線画像の撮影と画像データ(無曝射画像データ)の取得とを交互に行い、被写体の撮影後に取得された画像データ(無曝射画像データ)を被写体の放射線画像から減算することで、オフセット補正処理を行う。
【0046】
また、「1」の取得モードは、被写体の撮影の前にあらかじめ画像データ(無曝射画像データ)を取得する取得モードである。この場合、被写体の撮影時に毎回画像データ(無曝射画像データ)を取得する必要は無い。画像処理部102は、被写体の撮影前にオフセット補正データとして取得された画像データ(無曝射画像データ)を被写体の放射線画像から減算することで、オフセット補正処理を行う。
【0047】
ステップS26では、制御部103は、設定された撮影モード情報に基づいて、放射線撮影装置1の撮影準備を行う。ステップS27では、情報出力部108は、監視部106から監視情報を取得する。
【0048】
ステップS28では、設定された全ての撮影モードの撮影準備が完了すると、情報出力部108は、撮影準備が完了したことを制御装置3に通知する。その際、情報出力部108は、ステップS27で取得した監視情報に基づいて、放射線撮影装置1の状態に関する状態情報を制御装置3に出力する。制御装置3は、撮影準備完了の通知を受信すると、撮影準備が完了した撮影モードにより、被写体の放射線画像の撮影を可能とする。
【0049】
図4は、状態情報の一例を示す図である。図4(a)の状態情報300は、状態情報番号及び放射線撮影装置1の状態を含む。例えば、情報出力部108は、放射線撮影装置1の温度及び放射線撮影装置1に電源を投入してからの時間に基づいて、放射線撮影装置1の暖機状態、温度変動状態、及び取得モード「1」による撮影可能状態(平衡状態)を含む状態情報300を出力する。
【0050】
また、図4(b)の状態情報310は、放射線撮影装置1の状態に対応する取得モードを含む。例えば、情報出力部108は、放射線撮影装置1の暖機状態及び温度変動状態に対応する取得モード「0」を出力する。また、情報出力部108は、取得モード「1」による撮影可能状態(平衡状態)に対応する取得モード「0」及び「1」を出力する。このように、情報出力部108は、放射線撮影装置1の状態に応じて(状態情報に基づいて)、取得モードに関する取得モード情報を出力してもよい。
【0051】
また、ステップS28では、情報出力部108は、状態情報310に基づく取得モードと制御部103により設定された取得モードとが異なる場合、取得モードが異なることを通知する通知情報を出力してもよい。
【0052】
図5は、放射線撮影装置1の状態の判断を例示する図である。図5に示すように、放射線撮影装置1に電源を投入してからの時間が所定の閾値t1未満である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が暖機状態であると判断する。また、放射線撮影装置1の温度が所定の閾値未満である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が暖機状態であると判断する。
【0053】
また、放射線撮影装置1の温度の時間変化(温度の時間微分など)が所定の閾値未満である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が平衡状態であると判断する。また、放射線撮影装置1の温度の時間変化(温度の時間微分など)が所定の閾値以上である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が温度変動状態であると判断する。
【0054】
また、所定の時間における放射線撮影装置1の温度の最大値と最小値の差が所定の閾値未満である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が平衡状態であると判断する。また、所定の時間における放射線撮影装置1の温度の最大値と最小値の差が所定の閾値以上である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が温度変動状態であると判断する。
【0055】
また、所定の時間における放射線撮影装置1の温度が所定の範囲内である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が平衡状態であると判断する。また、所定の時間における放射線撮影装置1の温度が所定の範囲外である場合、情報出力部108は、放射線撮影装置1が温度変動状態であると判断する。
【0056】
この場合、温度の所定の範囲として、温度の時間変化が所定の閾値未満である状態(平衡状態)における温度の最大値及び最小値が上限及び下限として設定されてもよい。また、温度の所定の範囲として、温度の時間変化が所定の閾値未満である状態における温度の平均値を中心に上限及び下限が設定されてもよい。
【0057】
このように、情報出力部108は、放射線撮影装置1の温度変化に基づいて閾値を設定し、放射線撮影装置1の温度と閾値とを比較することにより、状態情報を出力する。
【0058】
なお、放射線撮影装置1の温度の測定位置は、放射線撮影装置1の制御基板の表面であってもよいし、放射線撮影装置1の筐体の内部面であってもよい。また、放射線撮影装置1の温度が変化する要因としては、エアコンディショナーのON/OFFによる室温変化、窓やドアの開閉による室温変化、及び放射線撮影装置1の省電力モード(スリープモード)による発熱変化などがある。
【0059】
ステップS29では、制御装置3は、撮影準備完了通知とともに、状態情報(取得モード情報を含む)及び通知情報を受信し、制御装置3の表示部302は、通知手段として機能し、撮影準備完了通知、状態情報(取得モード情報を含む)、及び通知情報を表示する。
【0060】
例えば、図3の撮影モード情報に従って、取得モード「1」が設定されている場合、表示部302は、図4(a)及び図4(b)に示す「1x」の状態情報を受信したときは、状態情報及び通知情報を表示せずに、撮影準備完了通知を表示する。一方、表示部302は、図4(a)及び図4(b)に示す「00」及び「01」の状態情報を受信したとき又は通知情報を受信したときは、警告(通知情報)を表示する。図6は、表示部302に表示される警告の一例を示す図である。図6に示すように、放射線撮影装置1の状態に応じて、警告330が表示され、取得モードを選択する画面が表示される。
【0061】
ステップS30では、ユーザにより放射線照射スイッチが押下されることで、放射線発生装置2が、放射線を放射線撮影装置1に照射する。ステップS31では、ユーザにより放射線照射スイッチが押下されることで、制御装置3が、撮影開始のコマンドを放射線撮影装置1に送信し、状態情報(取得モード情報を含む)及び通知情報に従って選択された取得モードを放射線撮影装置1に送信する。
【0062】
ステップS32では、放射線撮影装置1が、放射線撮影装置1の状態に応じて選択された取得モードに従って、被写体の放射線画像の撮影を開始する。ステップS33では、ユーザにより放射線照射スイッチの押下が終了することで、制御装置3は、撮影終了のコマンドを放射線撮影装置1に送信し、放射線撮影装置1が撮影を停止する。
【0063】
以上のように、放射線撮影装置の状態に関する状態情報に応じて取得モードが選択されることで、放射線撮影装置の温度変化が激しい場合においても、ユーザが所望する画質やフレームレートなどに応じた撮影を可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0064】
(第2の実施形態)
図面を参照して、本発明の実施形態の一例を詳しく説明する。なお、上記の実施形態と同様の構成、機能、及び動作についての説明は省略し、主に本実施形態との差異について説明する。
【0065】
図7は、本実施形態に係る放射線撮影システムの一例を示す図である。図7(a)に示すように、放射線撮影システムでは、放射線撮影装置1が画像解析部109を更に備える。
【0066】
画像解析部109は、放射線撮影装置1により撮影された画像(被写体の放射線画像、曝射画像、及び無曝射画像など)における残像度を監視情報として監視する。例えば、画像解析部109は、制御装置3から放射線撮影装置1に撮影モードが送信されたときに、被写体の放射線画像又はオフセット補正データに残像が残存しているか否かを監視する。残像の解析には、一般に知られている種々の手法が適用される。
【0067】
例えば、画像解析部109は、放射線の照射停止から次の照射開始までの期間において、放射線検出部101の放射線検出素子ごとの出力信号の統計値を監視し、その統計量の時間的変化に基づいて残像の残存を判断する。また、画像解析部109は、放射線照射時の照射線量及び予め取得された残像減衰特性に基づいて残像の残存を判断する。
【0068】
本実施形態に係る放射線撮影システムは、図2のステップS27において、情報出力部108は、画像解析部109から監視情報を取得する。また、情報出力部108は、放射線撮影装置1がオフセット補正データを取得してからの時間、放射線撮影装置1が曝射画像を撮影してからの時間、放射線撮影装置1が無曝射画像を撮影してからの時間を監視情報として監視部106から取得する。
【0069】
ステップS28では、情報出力部108は、ステップS27で取得した監視情報に基づいて、放射線撮影装置1の状態に関する状態情報を制御装置3に出力する。図8は、状態情報の一例を示す図である。図8の状態情報350は、状態情報番号及び放射線撮影装置1の状態を含む。
【0070】
例えば、情報出力部108は、放射線撮影装置1がオフセット補正データ(無曝射画像データ)を取得してからの時間に基づいて、オフセット補正データの信頼時間経過状態を含む状態情報350を出力する(ステップS28)。
【0071】
オフセット補正データ(無曝射画像データ)が取得されてから所定の時間(信頼時間)が経過すると、放射線撮影装置1の温度変化などにより、オフセット補正データの信頼性が低下する。したがって、情報出力部108は、放射線撮影装置1がオフセット補正データ(無曝射画像データ)を取得してからの時間が所定の閾値以上である場合、オフセット補正データの信頼時間経過状態を含む状態情報350を出力する。
【0072】
この場合、情報出力部108は、オフセット補正データの信頼時間経過状態に対応する取得モード「0」を取得モード情報として出力してもよい。そして、制御部103により設定された取得モードが「1」である場合、情報出力部108は通知情報を出力し、図6に示すように、警告330が表示され、取得モードを選択する画面が表示されてもよい(ステップS29)。
【0073】
また、情報出力部108は、放射線撮影装置1が曝射画像を撮影してからの時間又は放射線撮影装置1により撮影された画像における残像度に基づいて、残像残存状態を含む状態情報350を出力する(ステップS28)。
【0074】
曝射画像が撮影されてから所定の時間以内であると、放射線撮影装置1により撮影された画像に残像が残存する。したがって、情報出力部108は、放射線撮影装置1が曝射画像を撮影してからの時間が所定の閾値未満である場合、残像残存状態を含む状態情報350を出力する。また、情報出力部108は、画像解析部109から監視情報に基づいて、残像残存状態を含む状態情報350を出力する。
【0075】
この場合、情報出力部108は、残像残存状態に対応する取得モード「0」を取得モード情報として出力してもよい。そして、制御部103により設定された取得モードが「1」である場合、情報出力部108は通知情報を出力し、図6に示すように、警告330が表示され、取得モードを選択する画面が表示されてもよい(ステップS29)。
【0076】
以上のように、放射線撮影装置の状態に関する状態情報に応じて取得モードが選択されることで、画像に残像が残存する場合においても、ユーザが所望する画質やフレームレートなどに応じた撮影を可能とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0077】
本発明にかかる実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
【0078】
本発明は、上記の実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、システム又は装置のコンピュータ(CPUやMPUなど)がプログラムを読み出すことにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 放射線撮影装置
2 放射線発生装置
3 制御装置
101 放射線検出部
102 画像処理部
103 制御部
104 記憶部
105,303 通信部
106 監視部
107 補正データ取得部
108 情報出力部
109 画像解析部
301 入力部
302 表示部
図1
図2
図3
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