特開2017-645(P2017-645A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-645(P2017-645A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】レーザ治療装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20161209BHJP
【FI】
   A61F9/008 110
   A61F9/008 120
   A61F9/008 120Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-120709(P2015-120709)
(22)【出願日】2015年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000135184
【氏名又は名称】株式会社ニデック
【住所又は居所】愛知県蒲郡市拾石町前浜34番地14
(72)【発明者】
【氏名】河合 真人
【住所又は居所】愛知県蒲郡市拾石町前浜34番地14 株式会社ニデック拾石工場内
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者眼の観察像および照射条件に関する表示を共に好適に術者が視認できるレーザ治療装置を提供する。
【解決手段】患者眼の患部に治療レーザ光を照射するレーザ治療装置は、患者眼の観察部位に照明光を投光する照明手段と、照明光が投光された観察部位の観察像を呈示する呈示手段と、観察像の領域内に、治療レーザ光の照射条件に関するパラメータSa’を表示する表示手段を備えて、表示手段は、照明手段の照明領域Uを考慮して、観察像内へのパラメータの表示位置を決定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者眼の患部に治療レーザ光を照射するレーザ治療装置であって、
前記患者眼の観察部位に照明光を投光する照明手段と、
前記照明光が投光された前記観察部位の観察像を呈示する呈示手段と、
前記観察像の領域内に、前記治療レーザ光の照射条件に関するパラメータを表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、前記照明手段の照明領域を考慮して、前記観察像内への前記パラメータの表示位置を決定することを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ治療装置であって、
前記照明手段は、前記観察部位と共役な位置に開口部および遮光部を有する照野絞りを備えると共に、前記観察部位に前記開口部の像および前記遮光部の像を形成し、
前記表示手段は、前記観察像の領域内のうち前記遮光部の像が形成される位置に前記パラメータを表示する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレーザ治療装置であって、
前記パラメータは、種類が異なる複数のパラメータを含み、
前記表示手段は、前記照明領域の形状を考慮して、前記複数のパラメータの一部を、他のパラメータを表示させる位置から離間した位置に表示する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ治療装置であって、
前記照明手段による前記照明領域を調節するための調節手段と、
前記調節手段によって調節される前記照明領域を検知する領域検知部とを備え、
前記表示手段は、前記領域検知部よって検知された前記照明領域に基づいて前記パラメータの表示位置を決定する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ治療装置であって、
前記呈示手段は、前記観察部位を変倍して前記観察像を形成する変倍手段を備え、
前記表示手段は、前記変倍手段の変倍量を検知して、前記変倍量に基づいて前記パラメータの表示位置を決定する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ治療装置であって、
前記表示手段は、前記観察像から前記照明領域を検出して、前記照明領域を考慮して前記パラメータの表示位置を決定する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレーザ治療装置であって、
前記表示手段は、前記観察像上かつ前記検出された前記照明領域の外側に、前記パラメータを表示する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザ治療装置であって、
前記照明手段は、前記照明光の投光光量を調節する光量調節手段を備え、
前記表示手段は、前記投光光量に応じて、前記観察像に表示する前記パラメータの表示の明るさを決定する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザ治療装置であって、
接眼部を有し、前記観察部位を観察する観察光学系を備え、
前記呈示手段は、前記接眼部による観察視野内に前記観察像を呈示する、
ことを特徴とするレーザ治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者眼の患部に治療レーザ光を照射するレーザ治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
術者に患者眼を観察させて、患者眼の患部に治療レーザ光を照射するレーザ治療装置が知られている。例えば、特許文献1が開示するレーザ治療装置では、選択されたレーザ波長に関する色情報範囲を、観察像を観察する接眼部の観察視野内に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−276500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
術者の視野内に、患者眼の観察像と,観察像とは異なる態様の表示(特許文献1では色情報)とを呈示する場合、呈示情報によって観察像が見難くなる恐れがある。また、観察像によって呈示情報が見難くなる恐れがある。
【0005】
本開示は、患者眼の観察像および照射条件に関する表示を共に好適に術者が視認できるレーザ治療装置を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
患者眼の患部に治療レーザ光を照射するレーザ治療装置であって、患者眼の観察部位に照明光を投光する照明手段と、照明光が投光された観察部位の観察像を呈示する呈示手段と、観察像の領域内に、治療レーザ光の照射条件に関するパラメータを表示する表示手段と、を備え、表示手段は、照明手段の照明領域を考慮して、観察像内へのパラメータの表示位置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、患者眼の観察像および照射条件に関する表示を好適に術者が視認できるレーザ治療装置を提供するこができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のレーザ治療装置の、制御系及び光学系の概略構成図である。
図2】照野絞りの開口部の変形を説明する図である。
図3】照野絞りの開口部の変形を説明する図である。
図4】照野絞りの開口部の変形を説明する図である。
図5】術者に呈示する観察像およびパラメータである。
図6】パラメータの表示位置に関する説明図である。
図7】パラメータの表示位置に関する説明図である。
図8】パラメータの表示位置の変容例を説明する図である。
図9】比較用の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本開示における典型的な実施形態を説明する。手術、検査、または診断のために患者眼を観察する眼科装置の一例として、本実施形態では、後発白内障、虹彩切開術、レーザ硝子体切除術、後発白内障、選択的レーザ線維柱帯形成術(Selective Laser Trabeculoplasty:SLT)等の手術を、ジャイアントパルスを用いて行うレーザ治療装置を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態のレーザ治療装置1の、制御系及び光学系の概略構成図である。本実施形態のレーザ治療装置1は、一例として、レーザ照射光学系10、エイミング光学系20、照明光学系30、観察光学系40、表示光学系50、および制御部60を備える。
【0011】
<レーザ照射光学系>
本実施形態のレーザ照射光学系10は、治療レーザ光の照射手段であり、治療対象の部位に治療レーザ光を照射するために用いられる。本実施形態のレーザ照射光学系10は、レーザ光源11、エネルギー調節部13、シフト調節部15、ダイクロイックミラー22、エキスパンダレンズ群23、ダイクロイックミラー24、および対物レンズ25を備える。また、レーザ照射光学系10は、光軸L1を有する。レーザ光源11は、患者眼Epの組織を治療するための治療レーザ光を出射する。本実施形態では、レーザ光源11のレーザロッドとして、ネオジウムをドープしたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶(Nd:YAG)が使用される。図示しない波長変換素子は、レーザ光源11から出射される赤外レーザ光(波長:1064nm)を、可視レーザ光(波長:532nm)に変換できる。なお、治療レーザ光として、他の種類の固体レーザ、ガスレーザ、半導体レーザ等を用いてもよい。
【0012】
本実施形態のエネルギー調節部13は、治療レーザ光の射出エネルギーを調節するエネルギー調節手段であり、レーザ治療装置1から射出される治療レーザ光のエネルギーを調節するために用いられる。本実施形態のエネルギー調節部13は、レーザ光源11から射出される治療レーザ光を減衰する。本実施形態のエネルギー調節部13は、1/2波長板および偏光板を含む。1/2波長板および偏光板は、光軸L1上に配置されており、1/2波長板にはモータ14が接続されている。制御部60は、1/2波長板を回転して、治療レーザ光のエネルギーを調節できる。シフト調節部15は、エイミング光の集光位置に対して、治療レーザ光の集光位置を、遠方または近方へシフトできる(以降ではフォーカスシフトと呼ぶ)。シフト調節部15にはモータ16が接続されており、制御部60は、フォーカスシフト位置を調節できる。なお、エイミング光の集光位置と治療レーザ光の集光位置とが同位置であってもよい。
【0013】
<エイミング光学系>
本実施形態のエイミング光学系20は、治療対象の部位にエイミング光を照射する照準手段であり、治療対象の部位に照準を合わせるために用いられる。本実施形態のエイミング光学系20は、光軸L2を有する。本実施形態のエイミング光学系20は、ダイクロイックミラー22から対物レンズ25までの光路を、レーザ照射光学系10と共用する。ダイクロイックミラー22から分岐したレーザ照射光学系10の光路には、エイミング光源12、コリメータレンズ21、およびアパーチャ27が配置されている。エイミング光源12を発したエイミング光は、アパーチャ27で2つの光束に分離した後、対物レンズ25の先で集光する。
【0014】
<照明光学系>
本実施形態の照明光学系30は、観察部位へ照明光を投光する照明手段であり、治療対象の組織を含む観察部位を照明するために用いられる。本実施形態の照明光学系30は、ランプ31、コンデンサレンズ32、照野絞り33、投影レンズ34、およびプリズム35を備える。照明光学系30は、光軸L3を有する。例えば、ランプ31に白色発光素子等を用いてもよい。照野絞り33の開口領域内を、光軸L3が貫通する。照野絞り33は、投影レンズ34を介して観察部位と光学的に共役となる位置に設けられている。つまり、本実施形態では、照野絞り33によって、観察部位での照明光の照明範囲を抑制できる。換言するなら、本実施形態の照明光学系30は、照野絞り33の開口部の像および遮光部の像を観察部位に形成する。制御部60は、観察部位へ投光する照明光の調光手段としての機能を有し、本実施形態では、ランプ31の発光光量を調節できる。
【0015】
本実施形態の照明光学系30は、観察部位に投光する照明光の照明領域を調節する調節手段を備えている。本実施形態では、調節手段として、照野絞り33の開口形状を変形する。本実施形態では、照野絞り33に駆動手段36が接続されており、制御部60が照野絞り33の開口形状を変形できる。本実施形態では、3つの変形機構を組み合わせて調節手段としている。図2(a)〜(c)は、第1変形機構によって、照野絞り33の開口径が変形される様子を示す。図3(a)〜(c)は、第2変形機構によって、照野絞り33の開口部の形状が、円形からスリット形状へと変形される状態を示す。図4(a)〜(c)は、第3変形機構によって、スリット角度(スリット形状の長軸が向く方向)が変更される様子を示す。本実施形態のレーザ治療装置1は、前述した3つの変形機構を組み合わせて照野絞り33の開口形状を変形できる。これによって、例えば、スリット形状の光(以降ではスリット光と呼ぶ)を投光する際には、スリット幅、スリット長、スリット角度を変形できる。第1変形機構〜第3変形機構の各々は、照野絞り33の開口形状を多段階で変形できる。照野絞り33の機構は、例えば、特開平6−142047を参照されたし。なお、照野絞り33の開口形状の変形方法は、制御部60が駆動手段36を制御する手法に限らない。例えば、照野絞り33に連結されているノブやダイヤル等を術者が手動操作することで、照野絞り33の開口形状が変化されてもよい。この場合、制御部60が、照野絞り33に設けられている検出器の出力信号を入力して、照野絞り33の開口形状を検知してもよい。
【0016】
なお、本実施形態の照野絞り33の形状は、光軸L3を中心として対称形状であるが、非対称形状であってもよい。また、照野絞り33の開口部が光軸L3上に位置しなくてもよい。なお、照野絞り33の開口形状の変形方法はこれに限るものでは無い。例えば、照明光学系30は、スリット角度のみを変更してもよい。また、照明光として、観察部位で離間する光を投光してもよい。
【0017】
上述した調節手段によって、本実施形態の照明光学系30は、観察部位へ投光する照明光の形状を、円形、略正方形、略長方形(スリット光)へと変形できる。これによって、観察部位を好適に観察できる。例えば、観察部位へスリット光を投光することで、患者眼Epの角膜で発生する不要な反射(フレア,ゴースト)を抑制できて、観察部位(例えば水晶体)を好適に観察できる。なお、本実施形態の制御部60は、駆動手段36への制御信号を用いて、照野絞り33の開口形状(換言するなら照明形状)を検知できる。照野絞り33は、ユーザによる手動操作によって開口形状を変形してもよい。照野絞り33が検出器を備えて、制御部60へ照野絞り33の開口形状に関する信号を出力してもよい。
【0018】
<観察光学系>
本実施形態の観察光学系40は、観察部位を観察する観察手段であり、術者が患者眼Eの観察部位を観察するために用いられる。本実施形態の観察光学系40は、顕微鏡41に組み込まれている。本実施形態の観察光学系40は、変倍光学系42、ビームスプリッター51、結像レンズ44、正立プリズム群45、視野絞り46、および接眼レンズ47を備える。また、観察光学系40は、光軸L4を有する。ダイクロイックミラー24および対物レンズ25は、レーザ照射光学系10と観察光学系40によって共用される。変倍光学系42は、観察倍率を変更するために用いられる。例えば、変倍光学系42として、屈折力の異なる複数のレンズが組み合わされた回転ドラム等を用いてもよい。なお、観察光学系40が、変倍光学系42を備えなくてもよい。
【0019】
ビームスプリッター51は光軸L4上に設置される。本実施形態のビームスプリッター51は光路合成手段であり、表示光学系50の光路と観察光学系40の光路とを合成する。表示光学系50の詳細は後述する。視野絞り46は、観察光学系40のレンズを介して、観察部位と共役となる位置に設けられる。視野絞り46は、観察像の不要な領域をマスクする。本実施形態の視野絞り46は、観察像の周辺部をマスクする。本実施形態の接眼レンズ47は、術者に観察部位の観察像を呈示する呈示手段であり、術者が術者眼Eoで覗くために用いられる。本実施形態の観察光学系40は、視度調節手段を有する。視度調節手段は、光軸L4に沿って接眼レンズ47を移動する。視度調節手段によって、視野絞り46と術者眼Eoの眼底とを光学的に共役な位置関係にできる。
【0020】
<表示光学系>
本実施形態の表示光学系50は、レーザ治療装置1の動作に関する情報を表示する表示手段として、術者へ治療レーザ光の照射条件(情報)を表示するために用いられる。本実施形態の表示光学系50は、ビームスプリッター51から接眼レンズ47までの部材を観察光学系40と共用する。観察光学系40から分岐した表示光学系50の光路には、表示部53、およびコリメータレンズ52を備える。なお、表示光学系50は、光軸L5を有する。ビームスプリッター51は、観察光学系40に表示光学系50を合流する。ビームスプリッター51によって、光軸L5と光軸L4とが同軸となる。表示部53は、表示面53aを有する。表示面53aは、レンズ(コリメータレンズ52,結像レンズ44)を介して、視野絞り46と共役となる位置に配置されている。
【0021】
本実施形態の制御部60は、治療レーザ光の照射条件に関するパラメータを表示面53aに表示する。詳細には、患者眼Epへ照射するレーザ光の種類に関する表示をパラメータSaとして、患者眼Epへ照射するレーザ光のエネルギーに関する表示をパラメータSbとして、バースト数に関する表示をパラメータScとして、およびフォーカスシフト位置に関する表示をパラメータSdとして、表示面53aに表示する(図7参照)。表示面53aに表示される情報は、接眼レンズ47を覗いた術者眼Eoの視野内で呈示される(図5参照)。なお、各パラメータの表示内容は、術者が操作パネル等で変更を行った場合に、逐次更新される。また、術者が接眼レンズ47を覗いた際に、パラメータS’が正立像として視認できるように、表示面53aには所定の方向でパラメータSが表示される。
【0022】
表示面53aに表示する各パラメータの詳細を説明する。本実施形態のレーザ治療装置1は、1064nmの治療レーザ光と532nmの治療レーザ光を患者眼Epへ照射できる。パラメータSaの箇所には、患者眼Epへ照射する治療レーザ光の波長に対応した表示がされる。一例として、波長1064nmの治療レーザ光を照射する際には、パラメータSaの箇所に、「YAG」が表示される(図7参照)。波長532nmの治療レーザ光を照射する際には、パラメータSaの箇所に、「SLT」が表示される。
【0023】
本実施形態のエネルギー調節部13は、治療レーザ光のエネルギーを0.3mJ〜10.0mJの範囲で調節できる。パラメータSaの箇所には、レーザ治療装置1が射出する治療レーザ光のエネルギー値に対応した表示がされる。一例として、2.0mJの治療レーザ光を照射する際には、パラメータSbの箇所に、「E:2.0」の文字が表示される(図7参照)。
【0024】
本実施形態のレーザ治療装置1は、トリガスイッチ67を押した際に、治療レーザ光を断続的に照射できる(バーストと呼ぶ)。本実施形態では、バーストの回数を1〜3回の間で調節できる。パラメータScの箇所には、バーストの回数に対応した表示がされる。一例として、バースト回数が3回の場合は、パラメータScの箇所に、「B:3」の文字が表示される(図7参照)。
【0025】
本実施形態のシフト調節部15は、フォーカスシフト位置を−500μm〜+500μmの範囲で調節できる。パラメータSdの箇所には、フォーカスシフト位置に対応した表示がされる。一例として、フォーカスシフト位置が+125μmの場合は、パラメータSdの箇所に、「P125」の文字が表示される(図7参照)。
【0026】
なお、パラメータの表示態様は文字に限らない。例えば、パラメータをアイコンとインジケータで表現してもよい。また、表示面53aに表示するパラメータの種類は、パラメータSa〜Sdに限るものでは無い。例えば、レーザ治療装置1の電源を投入してからの、治療レーザ光の累積照射回数を表示してもよい。また、表示面53aに表示するパラメータの種類を、術者の好みで選択可能にしてもよい。例えば、表示面53aにパラメータSaのみを表示してもよい。また、パラメータの表示位置を、術者の好みで選択可能であってもよい。これら術者が選択した設定(セッティング)を、不揮発性メモリ65に記憶すると好適である。ここで、セッティングを術者毎に記憶するとより好適である。
【0027】
本実施形態では、表示部53にLCD(液晶ディスプレイ)を用いている。表示部53として、有機ELディスプレイ、ドットマトリクスLED等を用いてもよい。また、アイコン形状またはインジケータ形状に形成した開口部と、1つまたは複数の光源とを組み合わせて、表示部53を構成してもよい。また、視野絞り46の位置へ、液晶パネルを配置してもよい。なお、本実施形態では、制御部60は、パラメータSを赤色で表示する。
【0028】
<各光学系の相互関係>
本実施形態のレーザ治療装置1の各光学系の相互関係を説明する。本実施形態では、光軸L3と光軸L4とが観察部位で交わる。また、本実施形態では、照野絞り33、観察部位、視野絞り46、表示面53a、および術者眼Eoの眼底が、光学的に共役の関係にある(参考として、図1の各光軸に、共役位置をX印で記した)。これによって、術者は、観察部位を観察する際に、観察部位の観察像と、照明光学系30の照明領域(換言するなら視野絞り46の遮光部の投影像)と、表示部53によって表示される情報とを視認できる。なお、観察光学系40が視野絞り46を備えなくてもよい。
<制御部>
制御部60は、レーザ治療装置1の動作を制御する制御手段の一例である。本実施形態の制御部60は、CPU61(プロセッサ)、ROM62、RAM63、および不揮発性メモリ65等を備える。CPU61は、レーザ治療装置1における各部の制御を司る。ROM62には、各種プログラム、初期値等が記憶されている。RAM63は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ65は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、制御部60に着脱可能に装着されるUSBメモリ、制御部60に内蔵されたフラッシュROM等を、不揮発性メモリ65として使用することができる。不揮発性メモリ65を、治療レーザ光の照射に関するパラメータを記憶する記憶手段として用いてもよい。記憶手段として、RAM63、ROM62、または他の状態保持媒体(例えばディップSW等)を用いてもよい。
【0029】
本実施形態の制御部60には、レーザ光源11、モータ14、モータ16、エイミング光源12、表示部53、表示部66、トリガスイッチ67、およびブザー68等が接続されている。本実施形態の制御部60は、表示部53の表示制御手段である。表示部66は、レーザ治療装置1の動作条件等を表示する。後述するパラメータSは、表示部66にも表示される。本実施形態の制御部60は、表示部66の表示を制御する表示制御手段としての機能を有する。表示部66がタッチパネル機能を有し、表示手段と入力手段を兼ねてもよい。トリガスイッチ67は、治療レーザ光の照射実行指示を入力するために、術者によって操作される。
【0030】
<観察像の領域内への表示>
治療レーザ光の照射条件に関するパラメータの表示について説明する。図9を、本実施形態の表示との比較用として例示する。接眼レンズ47を覗いた術者の視野内には、観察像IMGおよびパラメータS’(Sa’〜Sd’)が呈示されている。観察像IMGは、観察部位に対応する。観察像IMGには、照野絞り33の開口部に対応する照明領域Uと、照野絞り33の遮光部の投影像に相当する遮光領域Nとが含まれる。パラメータS’とは、治療レーザ光の照射条件(情報)に関する表示である。パラメータS’とは、表示部53の表示面53aに表示されるパラメータSの投影像であることを示している。
【0031】
図9において、パラメータSb’およびパラメータSc’は、照明領域Uと重なっている。これによって、照明領域U内の観察部位の情報が欠落してしまっている。また、照明領域U内の観察部位の情報が、パラメータS’で見難くなっている。これによって、例えば、術者は接眼レンズ47から一旦目を離して、表示部66の表示を確認する手間が生じてしまう。また、照明領域Uは明るいため、照明領域U内の明るさとパラメータS’(パラメータSb’, パラメータSc’)の明るさとが近づき、パラメータS’を視認し難くなり易い。これによって、例えば、術者は、操作部材等を操作して、照明光量を一時的に減光する手間が生じる。なお、パラメータS’の表示が明る過ぎると、パラメータS’ばかりが目立ち、観察像IMGを視認し難くなる可能性がある。
【0032】
図5は、本実施形態のレーザ治療装置1が呈示する観察像の図である。比較用として例示した図9では、照明領域U内にパラメータS’が表示されていたが、本実施形態では、図5で示すように、パラメータS’は照明領域U外に表示されている。本実施形態の制御部60は、観察部位への照明領域Uを考慮して、観察像IMG内へのパラメータS’の表示位置を決定している(表示位置の決定方法は後述する)。詳細には、制御部60は、観察像IMGの領域内のうち、照野絞り33の遮光部の像が形成される位置にパラメータを表示させる。これによって、術者は、観察像IMGおよびパラメータS’の両方を、好適に視認できる。また、本実施形態の制御部60は、照明光量を考慮してパラメータS’の明るさを決定する。これによって、例えば、術者は、パラメータS’が表示されていても、観察像IMGを好適に観察できる。
【0033】
<パラメータの表示位置の決定>
図5図8を用いて、制御部60が決定する、パラメータS’の表示位置について説明する。本実施形態の制御部60は、照野絞り33の開口形状に関する情報を、不揮発性メモリ65から取得する。詳細には、不揮発性メモリ65には、駆動手段36の制御に用いるパラメータと、照野絞り33の開口形状に関するパラメータとが関連付けられて、予めテーブルデータとして記憶されている。制御部60は、駆動手段36の制御に用いる制御データに対応した照野絞り33の開口形状に関するデータを、不揮発性メモリ65から呼び出す。そして、制御部60は、呼び出した照野絞り33の開口形状に関するデータを用いて、パラメータSの表示位置を決定する。ここで、制御部60は、照明領域Uを考慮して、パラメータSの表示位置を決定する。つまり、本実施形態では、照明光学系30の調節手段と、不揮発性メモリ65と、制御部60とによって、調節手段によって調節される照明領域Uを検知する領域検知部が構成されている。そして、制御部60は、領域検知部によって検知された照明領域Uに基づいてパラメータの表示位置を決定する。
【0034】
図6は表示面53aの領域を説明する図である。図6では、表示面53aを視野絞り46の位置へ投影した時に、照明領域Uと重なる領域を符号(U)、視野絞り46と重なる(遮光される)領域を遮光領域P、制御部60がパラメータSの表示が可能と判断した領域を表示可能領域M、として示している。本実施形態の制御部60は、照明領域(U)と重ならず、且つ、遮光領域Pと重ならない領域を、パラメータの表示が可能な表示可能領域Mと判断する。制御部60は、不揮発性メモリ65から照野絞り33の開口形状に関するデータを読み出すと、そのデータを用いて、表示面53aにおける照明領域(U)の分布を決定する。このとき、制御部60は、照明領域(U)の分布を行う際に、観察光学系40の倍率を考慮する。詳細には、変倍光学系42に設けられている検出器の信号を用いて、観察光学系40の倍率を考慮する。制御部60は、不揮発性メモリ65に予め記憶されている視野絞り46の形状データを呼び出して、表示面53aにおける遮光領域Pの分布を決定する。そして、制御部60は、表示面53aの領域のうち、照明領域(U)と遮光領域Pに重ならない領域を、表示可能領域Mとして決定する。
【0035】
図7は、制御部60が、前述した表示可能領域M内に、パラメータS(Sa〜Sd)を表示させた様子を示す。本実施形態の制御部60は、表示可能領域Mの分布を考慮して、複数種類のパラメータの表示位置を決定する。詳細には、制御部60は、照明領域Uの形状を考慮して、複数のパラメータの一部を、他のパラメータを表示させる位置から離間した位置に表示する場合がある。より詳細には、制御部60は、4種類のパラメータを2つのグループに分けてレイアウトする場合がある。制御部60は、パラメータSaおよびパラメータSbを、図6の紙面上方の表示可能領域M内に配置して、パラメータSaおよびパラメータSbを、図6の紙面下方の表示可能領域M内に配置している。これによって、照明領域Uの近傍にパラメータSが呈示されるため、術者の視線の移動を抑制できる。なお、本実施形態の制御部60は、ランプ31の点灯光量を考慮して、表示面53aに表示するパラメータSの明るさを決定している。例えば、制御部60は、照明光量が大きいほど、パラメータSの表示光量も大きくする。これによって、術者は、照明光量に関わらずパラメータS’を好適に視認できる。
【0036】
以上説明したように、制御部60が照明領域Uを考慮してパラメータSの表示位置を決定し、表示面53aにパラメータSを表示させる。術者が接眼レンズ47から覗くと、術者眼Eoの視野内には、図5で示す態様で観察像IMGおよびパラメータS’が表示される。なお、観察光学系40が視野絞り46を備えなければ、図6にて遮光領域Pで示した領域にもパラメータS’を表示できることは言うまでもない。
【0037】
<表示位置の変容例>
図8は、パラメータS’の表示位置の変容例を示す図である。図8(a)は、制御部60が、紙面上下方向に延びるスリット形状の照明領域Uを考慮して、照明領域Uの外側にパラメータS’を表示している。制御部60は、図5とは異なり、4種類のパラメータS(Sa〜Sb)を、離間せずに紙面上下方向へ並べたレイアウトとしている。つまり、制御部60は、観察像IMGの領域内の照明領域Uの分布を考慮して、パラメータS’の表示位置を決定する。図8(b)は、制御部60が、紙面右上方向から左下方向に延びるスリット形状の照明領域Uを考慮して、照明領域Uの外側にパラメータS’を表示している。制御部60は、図5と同様に、4種類のパラメータS(Sa〜Sb)を、2つのグループに分けてレイアウトしている。なお、図5図8は共に、紙面上方から紙面下方に向かって、パラメータSa’、パラメータSb’、パラメータSb’、パラメータSc’の順でレイアウトしている。これによって、制御部60が照明領域Uの分布を考慮してパラメータS’の表示位置が変化しても、術者は確認したいパラメータS’を探し易い。
【0038】
なお、図5図8に示すパラメータS’の表示位置はあくまで一例である。制御部60は、観察像IMGの領域内における照明領域Uの分布(形状,面積,位置)に応じて、パラメータS’の表示位置を決定すればよい。例えば、スリット光のスリット長、スリット幅、スリット角度に応じて、パラメータS’の表示位置を決定すればよい。また、照明領域が複数領域に分離している場合においても、各々の照明領域と重ならない位置にパラメータS’を表示すればよい。なお、パラメータS’が、照明領域Uを厳密に避けなくてもよい。つまり、照明領域Uの一部にパラメータS’が重なっていてもよい。制御部60が照明領域Uを考慮してパラメータS’の表示位置を決定することで、パラメータS’と照明領域Uとの重なりが低減されればよい。また、各々のパラメータS’の表示態様を、照明領域Uの分布によって変化させてもよい。例えば、観察像IMGの領域内で照明領域Uの分布が多い場合は、制御部60は、各々のパラメータS’の表示面積を少なくしてもよい。また、各々のパラメータS’の文字数を少なくしてもよい。例えば、図5ではパラメータSb’を「E:2.0」と表示しているが、この表示を「2.0」と省略してもよい。また、制御部60は、照明領域Uが分布する割合の変化に応じて、表示させるパラメータS‘の種類を増減させてもよい。
【0039】
<使用方法>
レーザ治療装置1の動作の一例を説明する。術者がレーザ治療装置1の電源を投入すると、数秒後テスト照射が行われる。テスト照射は、レーザ照射光学系10の光軸L1上に安全シャッターが挿入されている状態で行われ、レーザ光源11から出射した治療レーザ光は、光軸L1上に設置されているビームスプリッターで反射して、光検出器に入射する。制御部60は、光検出器で検出した受光量から治療レーザ光のエネルギーを算出して、表示面53aのパラメータSaに表示を行う。テスト照射は操作部でエネルギー設定する度に行われ、その都度、パラメータSaの表示が更新される。また、治療レーザ光の照射モードが変更された際も、テスト照射およびパラメータSaの表示が更新される。
【0040】
その後、術者はコントロールパネルの入力スイッチ等を操作して、患者眼Epの治療目的等に応じて照射モード、レーザ出力量、照射パルス数等の照射条件を設定する。設定が完了したら、術者は、患者眼Epを所定の位置に配置する。術者は患者を所定位置に座らせ動かないようにした後、接眼レンズ47を覗く。術者の視野内には、図5で示した態様の、観察像IMGおよび各パラメータS’が表示されている。術者は接眼レンズを覗きながら、照明光学系30が投光するスリット光が、患者眼Ep上にくるようにジョイスティック等を操作して、レーザ治療装置1のスリットデリバリを移動する。
【0041】
術者は、スリット光の光量、ピントを調節した後、患者眼Epにコンタクトレンズ26をセットして、再び接眼レンズ47を覗き込みながら、患者眼Epの観察部位を観察する。また、レーザ照射に際しては、ジョイスティックに設けられたスイッチを操作して、レーザ出力量を設定する。レーザ出力量が設定されると、制御部60は、設定された条件に基づいて、エネルギー調節部13、表示部53、表示部66等を制御する。なお、レーザ出力量の変更に伴い、パラメータSb’の表示が更新(変更)される。他のパラメータ(Sa’,Sc’,Sd’)についても、対応する設定が変更される度に、その表示は更新(変更)される。
【0042】
エイミング光源12を出射したエイミング光は、2本に分割された後、患者眼Epへ入射する。治療用レーザ光の焦点位置は2本のエイミング光の交点から、パラメータSd’として表示される距離だけ光軸方向にシフトしているため、術者はこの交点を参考にレーザ焦点位置を患部に合わせるようにジョイスティック等を操作してアライメントを行う。
【0043】
エイミング光によるアライメントが完了したら、術者はトリガスイッチ67を押すことによりトリガ信号を発信させる。制御部60はトリガ信号を受信すると、アクチュエータを駆動制御してレーザ照射光学系10の安全シャッターをレーザ光軸(光軸L1)より退避させると共に、治療レーザ光を出射する。
【0044】
治療レーザ光は、レーザ光源11を出射後、ダイクロイックミラー24を介して患者眼Epに照射されて、患者眼Epの患部でプラズマ発生による組織破壊を生じさせる。制御部60はパラメータSc’に表示されている照射数に基づいて、治療レーザ光を照射数分出射させる。
【0045】
<その他>
なお、本実施形態では、照明光が投光された観察部位の観察像を呈示する呈示手段として、接眼レンズ47を用いたが、呈示手段はこれに限るものでない。術者に観察像を呈示できればよい。例えば、レーザ治療装置1に接続されたモニタを呈示手段としてもよい。この場合、例えば、観察光学系40から分離した光路に撮像素子を配置して観察部位を撮影し、撮像素子の出力信号を用いて、レーザ治療装置1に接続されたモニタに観察像IMGを表示すればよい。モニタに表示する観察像IMGには、本実施形態と同様の態様で、観察像IMGの領域内に、治療レーザ光の照射条件に関するパラメータSを表示すればよい。ここで、接眼レンズ47と表示光学系50の代わりに、レーザ治療装置1がEVF(電子ビューファインダ)を備える態様としてもよい。
【0046】
また、観察光学系40で観察像IMGを撮影して、制御部60が画像処理を用いて照明領域Uを検出してもよい。制御部60は、画像処理を行い、観察画像から照明領域Uを検出する。そして、検出した照明領域Uを考慮して、パラメータの表示位置を決定する。例えば、観察画像の輝度情報を用いて画像処理を行い、照明領域Uを検出してもよい。上述した実施形態と同様の態様で、観察像IMG上かつ検出された照明領域Uの外側に、治療レーザ光の照射条件に関するパラメータSを合成した合成画像を生成すればよい。画像処理で照明領域を検出することで、簡素な構成ながらも、照明領域Uを精度よく検出できると考えられる。なお、画像処理を用いて、照明光量を検出してもよい。
【0047】
また、表示手段が変更するパラメータS’の表示態様の変化(変更)は、明るさに限るものではない。例えば、レーザ治療装置1の動作条件の変更に連動して、パラメータS’の表示色を変化させてもよい。例えば、照明光学系30の光軸L3上に色フィルタを挿入する場合には、観察像IMGの色相とパラメータS’の色相とが近づいて、パラメータS’が見難くなる可能性がある。このような場合には、制御部60が、観察像IMGの全体もしくは関心領域の色相を考慮して、パラメータS’の表示色を決定すればよい。一例として、制御部60は、カラー観察モード(白色で照明)ではパラメータを緑色で表示して、レッドフリー観察モード(緑色で照明)ではパラメータを赤色で表示してもよい。
【0048】
なお、本実施形態ではレーザ治療装置1を用いて説明したが、本件技術の適用範囲はレーザ治療装置1に限るものではない。例えば、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)に適用してもよい。また、繊細な観察が必要となり易い散瞳型眼底カメラに適用してもよい。また、他の前眼部を観察する装置、眼底を観察する装置等に適用してもよい。このような装置で、本実施形態で開示したパラメータS’の表示に関する技術を、装置の動作条件に関するパラメータを表示する際に適用できる。なお、有彩色での観察は、情報量が多いこともあり、観察像の見え味が重要となる場合が多い。本件技術の適用は、観察部位を有彩色で観察する際に、特に好適と考えられる。
【0049】
<作用及び効果>
本実施形態のレーザ治療装置1は、患者眼の患部に治療レーザ光を照射する。レーザ治療装置1は、患者眼Epの観察部位に照明光を投光する照明手段と、照明光が投光された観察部位の観察像IMGを呈示する呈示手段と、観察像IMGの領域内に、治療レーザ光の照射条件に関するパラメータS’を表示する表示手段と、を備えおり、表示手段は、照明手段の照明領域Uを考慮して、観察像IMG内へのパラメータS’の表示位置を決定する。これによって、術者(操作者)は、患者眼Epの観察像IMGおよび照射条件に関する表示(パラメータS’)を好適に視認できる。例えば、照明領域UにパラメータS’が重なり、観察部位の情報が欠損して観察を行い難くなる不都合を抑制できる。また、照明領域UにパラメータS’が重なり、照明領域Uの明るさによって、パラメータS’を術者が視認し難くなる不都合を抑制できる。よって、術者は患部の治療を速やかに行い易い。
【0050】
また、本実施形態のレーザ治療装置1の照明手段は、観察部位と共役な位置に開口部および遮光部を有する照野絞り33を備えると共に、観察部位に開口部の像(照明領域U)および遮光部の像(遮光領域N)を形成する。表示手段は、観察像IMGの領域内のうち遮光部の像が形成される位置にパラメータS’を表示している。これによって、例えば、パラメータS’とパラメータS’の背景とのコントラストが得られ易く、術者はパラメータ’の表示内容を視認しやすい。また、制御部60は照明領域を検知(検出)し易く、簡素な構成でパラメータS’を表示できる。
【0051】
また、本実施形態のレーザ治療装置1のパラメータS’は、種類が異なる複数のパラメータ(Sa’〜Sb’)を含んでおり、表示手段は、照明領域Uの形状を考慮して、複数のパラメータの一部を、他のパラメータを表示させる位置から離間した位置に表示する場合がある。これによって、例えば、パラメータS’の文字数、または文字の大きさを維持したまま、複数のパラメータを表示できる。よって、呈示情報を損なうことなく、術者へパラメータS’を表示できる。また、術者の関心領域ともいえる照明領域Uの近傍にパラメータS’を表示し易い。これによって、観察部位が明るく呈示されて、術者の注視対象となる照明領域U(関心領域)からの視線の移動を低減できる。よって、術者は患部の治療を速やかに行い易い。
【0052】
また、本実施形態のレーザ治療装置1は、照明手段による照明領域Uを調節するための調節手段と、調節手段によって調節される照明領域Uを検知する領域検知部とを備えており、表示手段は、領域検知部よって検知された照明領域Uに基づいてパラメータS’の表示位置を決定する。これによって、照明領域Uが変化しても、観察像IMG上の好適な位置にパラメータS’を表示できる。よって、術者は、多彩な照明領域Uの形状で観察部位を観察できつつも、パラメータS’の視認を行い易い。
【0053】
また、本実施形態のレーザ治療装置1の呈示手段は、観察部位を変倍して観察像IMGを形成する変倍手段を備えている。表示手段は、変倍手段の変倍量を検知して、変倍量に基づいてパラメータS’の表示位置を決定してもよい。これによって、例えば、パラメータS’の表示位置を、より精度よく決定できる。
【0054】
また、本実施形態のレーザ治療装置1の変容例として、表示手段は、観察像IMGから照明領域Uを検出して、照明領域Uを考慮してパラメータS’の表示位置を決定してもよい。これによって、例えば、コンタクトレンズ26によって照明光に意図せぬ屈折が生じたとしても、画像処理によって観察像IMGから照明領域Uを検出するため、観察像IMG上における照明領域Uの分布の検知誤差が生じ難い。よって、パラメータS’を好適な位置へ表示し易い。
【0055】
また、本実施形態のレーザ治療装置1の表示手段は、観察像IMG上かつ検出された照明領域Uの外側に、パラメータS’を表示する。これによって、操作者は、観察像IMGの見易さを損なうことなく、パラメータS’を視認できる。また、精度よくパラメータS’を配置できる。
【0056】
また、本実施形態のレーザ治療装置1の照明手段は、照明光の投光光量(照明光量)を調節する光量調節手段を備えており、表示手段は、投光光量に応じて、観察像IMGに表示する前記パラメータの表示の明るさを決定している。これによって、術者は、照明光の投光光量によらず、パラメータS’を視認し易い。例えば、観察像IMGに対してパラメータS’が明る過ぎて、観察し難くなる事象が抑制される。また、パラメータS’に対して観察像IMGが明る過ぎて、パラメータS’が視認し難くなる事象が抑制される。
【0057】
また、本実施形態のレーザ治療装置1は、接眼部(接眼レンズ47)を有すると共に、観察部位を観察する観察光学系40を備えており、呈示手段は、接眼部による観察視野内に観察像IMGを呈示する。これによって、例えば、術者が接眼部を覗いて精密(または繊細)な観察を行う場合であっても、観察像IMGとパラメータS’とを好適に視認できる。よって、レーザ治療装置1の操作性が向上する。また、観察ミスが生じ難い。
【0058】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲及びこれと均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
1:レーザ治療装置
30:照明光学系
40:観察光学系
47:接眼レンズ
50:表示光学系
53:表示部
60:制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9