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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-6866(P2017-6866A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】フィルタフレーム及びフィルタ組立体
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20161216BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   B01D46/10 A
   G03G21/00 538
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-126339(P2015-126339)
(22)【出願日】2015年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
(74)【代理人】
【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141508
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】山口 義益
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】奥田 和久
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
【テーマコード(参考)】
2H270
4D058
【Fターム(参考)】
2H270SA03
2H270SA09
2H270SB02
2H270SB14
2H270SB17
2H270SC14
2H270SC17
4D058JA12
4D058JB25
4D058KA01
4D058KA16
4D058SA20
(57)【要約】
【課題】フィルタ31の保持力を強くできると共に、開口面積が確保できる構成を実現する。
【解決手段】フィルタ31は、第1フレーム部41と第2フレーム部51とで挟んで保持される。第1フレーム部41は、互いに間隔をあけて配列された複数の第1突部45cを有する。第2フレーム部51は、互いに間隔をあけて配列され、フィルタ31を挟むように第1フレーム部41と組み合わせた状態で、配列方向に関して複数の第1突部45cの間に位置する複数の第2突部55cを有する。複数の第1突部45c及び複数の第2突部55cの先端部は、配列方向に直交する幅方向の厚みが先端に向かう程細くなるように形成されている。且つ、配列方向に直交する幅方向に関して、フィルタフレームの外側に位置する側面の方が、フィルタフレームの内側に位置する側面よりも先端部の突出方向に対する角度が小さい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを挟んで保持するフィルタフレームにおいて、
第1フレーム部と、
前記第1フレームとの間にフィルタを挟んで保持する第2フレーム部と、
前記第1フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第2フレーム部に向けて突出する複数の第1突部と、
前記第2フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第1フレーム部に向けて突出し、配列方向に関して前記複数の第1突部の間に位置する複数の第2突部と、を備え、
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部の先端部は、前記配列方向に直交する幅方向の厚みが先端に向かう程細くなるように形成され、且つ、前記配列方向に直交する幅方向に関して、前記フィルタフレームの外側に位置する側面の方が、前記フィルタフレームの内側に位置する側面よりも前記先端部の突出方向に対する角度が小さい、
ことを特徴とするフィルタフレーム。
【請求項2】
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部は、前記フィルタを挟むように前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とを組み合わせた状態で、配列方向に関して交互に1列に配置される、
ことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタフレーム。
【請求項3】
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部は、前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部の周縁に設けられた平板部から突出するように一体に形成されており、
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部の外側の側面は、前記平板部に対して略垂直な面である、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルタフレーム。
【請求項4】
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部は、それぞれの配列方向の両側面が先端に向かう程近づくように形成されている、
ことを特徴とする、請求項1ないし3のうちの何れか1項に記載のフィルタフレーム。
【請求項5】
前記第1フレーム部の一部を前記第2フレーム部の一部に対して回動自在に固定するヒンジ部を有し、
前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とのうちの少なくとも一方のフレーム部は係合爪を有し、他方のフレーム部は、前記係合爪と整合する位置に前記係合爪が係合自在な係合部を有する、
ことを特徴とする、請求項1ないし4のうちの何れか1項に記載のフィルタフレーム。
【請求項6】
前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部は、それぞれ略矩形状に形成され、
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部は、それぞれの4辺の周縁部に形成され、
前記係合爪は、少なくとも、前記ヒンジ部が形成された1辺の周縁部の両端とそれぞれ連続する2辺の周縁部にそれぞれ1個ずつ設けられ、
前記係合爪が設けられた部分を結ぶように、前記2辺の周縁部を連結する連結部を有する、
ことを特徴とする、請求項5に記載のフィルタフレーム。
【請求項7】
フィルタと、
前記フィルタを挟んで保持するフィルタフレームと、を備え、
前記フィルタフレームは、
第1フレーム部と、
前記第1フレームとの間に前記フィルタを挟んで保持する第2フレーム部と、
前記第1フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第2フレーム部に向けて突出する複数の第1突部と、
前記第2フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第1フレーム部に向けて突出し、配列方向に関して前記複数の第1突部の間に位置する複数の第2突部と、を有し、
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部の先端部は、前記配列方向に直交する幅方向の厚みが先端に向かう程細くなるように形成され、且つ、前記配列方向に直交する幅方向に関して、前記フィルタフレームの外側に位置する側面の方が、前記フィルタフレームの内側に位置する側面よりも前記先端部の突出方向に対する角度が小さい、
ことを特徴とするフィルタ組立体。
【請求項8】
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部は、前記フィルタを挟むように前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とを組み合わせた状態で、配列方向に関して交互に配置される、
ことを特徴とする、請求項7に記載のフィルタ組立体。
【請求項9】
前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部は、前記フィルタを挟むように前記第1フレーム部と前記第2フレーム部とを組み合わせた状態で、それぞれ前記フィルタに食い込むように形成されている、
ことを特徴とする、請求項7又は8に記載のフィルタ組立体。
【請求項10】
前記フィルタを挟んで保持した状態の前記第1フレーム部及び前記第2フレーム部の外周面に装着される弾性部材を有する、
ことを特徴とする、請求項7ないし9のうちの何れか1項に記載のフィルタ組立体。
【請求項11】
前記フィルタは、平板状に形成された繊維質の不織布である、
ことを特徴とする、請求項7ないし10のうちの何れか1項に記載のフィルタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、画像形成装置内への給気又は装置外への排気を行う経路にフィルタを保持しつつ設置するためのフィルタフレーム、及び、フィルタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置内には、複数のモータや電源基板等の電気部品が搭載されており、これら各部品から熱を発する。このため、従来から、ファンにより装置内への給気及び装置外への排気を行っている。また、画像形成装置内に埃や塵が溜まったり、埃や塵が装置内で巻き上げられるなどして浮遊したりすると、用紙などの記録材の表面に付着して、画質が低下する可能性がある。このため、従来から、ファンによる給気又は排気の経路に集塵などのためにフィルタを設けた構成が知られている。
【0003】
このフィルタは、給気又は排気の経路を構成するダクトなどに設置するために、フィルタフレームに保持される。例えば、繰り返し折りたたむように形成されたプリーツ形状のフィルタを保持する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された構成の場合、フィルタフレームを構成する基部(フレーム部)に、複数の横方向リブを設け、これら複数の横方向リブにプリーツ形状のフィルタのひだを噛み合わせるように配置している。そして、この状態でカバー(フレーム部)を基部に重ね合わせることでフィルタを保持している。
【0004】
また、平板状のフィルタを保持する構成も提案されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に記載された構成の場合、フィルタ枠(フィルタフレーム)を構成する一方のフレーム(フレーム部)にフィルタを載置した状態で、他方のフレーム(フレーム部)を一方のフレームに重ね合わせることでフィルタを保持している。これら特許文献1、2に記載の構成の場合、互いに重ね合わされるフレーム部の縁部同士の間でフィルタを挟み込むことで、フィルタを保持していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2007−516829号公報
【特許文献2】特開平11−63597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に記載の構成の場合、互いに重ね合わされるフレーム部の縁部同士の間でフィルタを挟み込むことで、フィルタを保持しているため、フィルタの保持力が弱く、フィルタが縁部からすり抜けて脱落する可能性がある。また、特許文献1に記載の構成の場合、基部に複数の横方向リブを設けているため、横方向リブに交差する方向のフィルタの保持力は高いが、横方向リブに沿った方向のフィルタの保持力は低い。また、複数の横方向リブを設けているため、開口面積が小さくなってしまう。開口面積が小さくなるとフィルタを通過する空気の圧力損失が大きくなり、効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み、フィルタの保持力を強くできると共に、開口面積が確保できる構成を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フィルタを挟んで保持するフィルタフレームにおいて、第1フレーム部と、前記第1フレームとの間にフィルタを挟んで保持する第2フレーム部と、前記第1フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第2フレーム部に向けて突出する複数の第1突部と、前記第2フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第1フレーム部に向けて突出し、配列方向に関して前記複数の第1突部の間に位置する複数の第2突部と、を備え、前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部の先端部は、前記配列方向に直交する幅方向の厚みが先端に向かう程細くなるように形成され、且つ、前記配列方向に直交する幅方向に関して、前記フィルタフレームの外側に位置する側面の方が、前記フィルタフレームの内側に位置する側面よりも前記先端部の突出方向に対する角度が小さいことを特徴とするフィルタフレームにある。
【0009】
また、本発明は、フィルタと、前記フィルタを挟んで保持するフィルタフレームと、を備え、前記フィルタフレームは、第1フレーム部と、前記第1フレームとの間に前記フィルタを挟んで保持する第2フレーム部と、前記第1フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第2フレーム部に向けて突出する複数の第1突部と、前記第2フレーム部において、前記フィルタが配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、前記第1フレーム部に向けて突出し、配列方向に関して前記複数の第1突部の間に位置する複数の第2突部と、を有し、前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部の先端部は、前記配列方向に直交する幅方向の厚みが先端に向かう程細くなるように形成され、且つ、前記配列方向に直交する幅方向に関して、前記フィルタフレームの外側に位置する側面の方が、前記フィルタフレームの内側に位置する側面よりも前記先端部の突出方向に対する角度が小さいことを特徴とするフィルタ組立体にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルタの保持力を強くできると共に、開口面積が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
図2】本実施形態のフィルタフレームを示す、(a)平面図、(b)(a)の上方から見た側面図、(c)(a)の左方から見た側面図、(d)(a)のA−A断面図。
図3】本実施形態のフィルタフレームの斜視図。
図4図2(a)のB−B断面の第1フレーム部とC−C断面の第2フレーム部とをフィルタを挟んだ対向させた状態で示す断面図。
図5】(a)図2(d)のD部拡大図、(b)図4のE部拡大図、(c)図2(d)のF部拡大図。
図6】本実施形態のフィルタ組立体の断面図。
図7】本実施形態のフィルタ組立体を、外周面に隙間埋め部材を配置した状態で示す斜視図。
図8】本実施形態のフィルタ組立体を、画像形成装置のダクトに設置した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図1ないし図8を用いて説明する。まず、図1を用いて本実施形態の画像形成装置の概略構成について説明する。
【0013】
[画像形成装置]
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する感光ドラム10a〜10dを4つ配置している。そして、これらの感光ドラム10a〜10dの周囲には、それぞれ不図示の帯電器、現像器、クリーナが配置され、それらがプロセスカートリッジ1a〜1dとしてユニット化されている。これらのプロセスカートリッジ1a〜1dの上部に、各感光ドラム10a〜10dと接触するようにして、中間転写体としての中間転写ベルト2を配置している。
【0014】
感光ドラム10a〜10dは、それぞれ不図示の帯電器により帯電され、画像情報に基づいて色分解したイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の光像を露光装置6により露光される。そして、感光ドラム10a〜10dにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの潜像がそれぞれ形成される。それぞれの潜像は、現像器によって現像され、感光ドラム10a〜10d上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。
【0015】
感光ドラム10a〜10dの回転に伴い、トナー像は感光ドラム10a〜10dと中間転写ベルト2とが当接する1次転写部位に到来する。トナー像は、各感光ドラム10a〜10dに対向して配設された1次転写ローラ2a〜2dによって、移動する像担持体である中間転写ベルト2へ順次転写される。1次転写ローラ2a〜2dには、後述の電装基板から1次転写バイアスが印加される。
【0016】
給送カセット4に収納されている記録材としてのシート(用紙、OHPシートなどのシート材)Pは、ピックアップローラ8により1枚ずつ送り出される。そして、シートPは、レジストローラ9でタイミングを合わされた後、2次転写ローラ3と中間転写ベルト2で構成されるニップ部に搬送されて、中間転写ベルト2上のトナー像が一括して2次転写される。
【0017】
その後、トナー像が転写されたシートPは定着器5に搬送され、そこで熱及び圧力を受けることで各色のトナーが溶融混色してシートPに固定され、シートP上にフルカラーのプリント画像とされる。トナー像が定着されたシートPは、定着器5の下流に設けられた排出搬送ローラ21によって排出トレイ7に排出される。
【0018】
上述の各部の装置内の配置について説明する。本実施形態の画像形成装置100では、装置本体20の下方より、給送カセット4、露光装置6、プロセスカートリッジ1a〜1d、中間転写ベルト2、排出トレイ7の順に配設されている。
【0019】
ところで、この様な画像形成装置100においては、多機能であるために、各種構成要素の数が多くなったことによる装置の大型化や、高速化が進んでいる。したがって、画像形成装置100の装置本体20の内部には、熱源となる電気部品がますます増え、装置本体20内の温度をより上昇させている。このため、装置本体20内の温度上昇を抑制するために、装置本体20内の空気を効率良く排気することが求められる。
【0020】
また、画像形成装置100の印刷速度の高速化による装置本体20の振動も大きくなっており、装置本体内を舞うトナー粉等の画像形成プロセスに起因する汚れの他、使用環境等の埃や塵も、冷却風量に比例するように増加していく。このため、排気ダクトなどに設けられる集塵フィルタは、より高い集塵効率が要求される。更に、このような集塵フィルタは、集塵効率や排気効率を維持するために、定期的な交換を行う必要がある。よって、このようなフィルタの設置性、交換作業等のメンテナンス性を向上させて、係るメンテナンス時間の短縮、ダウンタイムの最小化、ランニングコストの低減を達成することが求められる。
【0021】
[フィルタ]
次に、上述のような画像形成装置100の給気又は排気経路に配置されるフィルタ31(図4など参照)について説明する。本実施形態のフィルタ31は、平板状に形成された繊維質の不織布である。不織布は、繊維を集積してシート状に成したものであるので外的な強度に弱く変形してしまう。ましてやエアーフィルタとして用いる場合は空気が不織布の中を通過し易くすることが、排気効率に大きく影響を及ぼす。他方、不織布の繊維の隙間に被捕集物である粉塵が保持されるように適度な一定の密度が必要とされる。この密度が安定しない場合、排気ファンの風量、フィルタ31の圧損、捕集効率、フィルタ31の寿命などの不安定要因となるので画像形成装置全体に大きな影響を及ぼす。
【0022】
このため、フィルタ31は、形状を維持し繊維のほつれを防止する目的で特殊な処理が施されたものである。即ち、ミクロ的に不織布を構成する繊維相互同士が接触する箇所で、相互にずれて繊維の位置が変化することを防止するための固定方法が用いられる。例えば、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、水流交絡法などの固定方法が挙げられる。サーマルボンド法は、加熱エアーを吹き付けることで繊維の接触部位を相互に溶着させる。ケミカルボンド法は、接着剤をスプレーなどにより吹き付けて繊維の相互接着を行う。ニードルパンチ法は、ニードルを高速に動かし繊維を交絡させる。ステッチボンド法は、長い単繊維であるフィラメントにより縫い込む。水流交絡法は、水圧によって繊維を交絡させる。
【0023】
[フィルタフレーム]
次に、本実施形態のフィルタフレーム40及びフィルタ組立体30について、図2ないし図6を用いて説明する。フィルタフレーム40は、上述したようなフィルタ31を保持するためのもので、フィルタフレーム40にフィルタ31を保持した状態でフィルタ組立体30を構成する。
【0024】
フィルタフレーム40は、図2(a)〜(d)及び図3に示すように、第1フレーム部41及び第2フレーム部51を備える。第1フレーム部41と第2フレーム部51とから構成されるフィルタフレーム40の材料は、ポリプロピレンやポリアミドなどのプラスチック樹脂材料を用いるのが好適である。本実施形態では、第1フレーム部41と第2フレーム部51とをプラスチック樹脂により一体に形成している。
【0025】
このような第1フレーム部41及び第2フレーム部51は、それぞれ略矩形状に形成されている。そして、第1フレーム部41の周囲の4辺を平板部42a、42b、42c、42dにより、第2フレーム部51の周囲の4辺を平板部52a、52b、52c、52dにより、それぞれ構成している。第1フレーム部41の平板部42a〜42dは空間43を、第2フレーム部51の平板部52a〜52dは空間53を、それぞれ囲むように配置されている。これら平板部42a〜42d、52a〜52dは、図4及び図6に示すように、フィルタ31を挟むべく第1フレーム部41に対して第2フレーム部42を折り畳むように重ねた状態で、それぞれ対向するように配置されている。
【0026】
また、第1フレーム部41の平板部42a〜42dのうち、後述するように第2フレーム部51と連結される平板部42dを除く平板部42a〜42cの外周縁部には、壁部44a〜44cが平板部42a〜42cに対して略垂直に立設されている。壁部44a〜44cが立設される方向は、第1フレーム部41に対して第2フレーム部51を折り畳むように重ねた状態(フィルタ31を挟むように第2フレーム部51と組み合わせた状態)で、第2フレーム部51に向かう方向である。壁部44a〜44cは、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを重ね合わせた状態で、第2フレーム部51の平板部52a、52b、52cの周囲に位置する。言い換えれば、第2フレーム部51の平板部52a、52b、52cの外周縁部は、壁部44a〜44cの内側面の内側に進入可能である。
【0027】
第1フレーム部41と第2フレーム部51とは、図2(a)(c)(d)及び図3に示すように、平板部42dと平板部52dとで連結されている。そして、第1フレーム部41と第2フレーム部51を、相対的に回動自在としている。そして、これらを、図4に示すように、フィルタ31を挟むように回動させ、図6に示すように、第1フレーム部41と第2フレーム部51との間でフィルタ31を挟んで保持する。この部分の詳しい構成については後述する。
【0028】
[突部]
上述のように第1フレーム部41及び第2フレーム部51は、それぞれ略矩形状に形成され、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dは、それぞれの4辺の周縁部に形成されている。以下、具体的に説明する。
【0029】
第1フレーム部41は、複数の第1突部45a〜45dを有する。複数の第1突部45a〜45dは、フィルタ31が配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、フィルタ31を挟むように第2フレーム部51と組み合わせた状態で、それぞれ第2フレーム部51に向けて突出する。即ち、複数の第1突部45a〜45dは、前記第1フレーム部41の周縁に設けられた平板部42a〜42dから突出するように一体に形成されている。具体的には、平板部42aには、複数の第1突部45aが平板部42aの長手方向に沿って1列に直線状に間隔をあけて配置されている。同様に、平板部42bには複数の第1突部45bが、平板部42cには複数の第1突部45cが、平板部42dには複数の第1突部45dが、それぞれの平板部の長手方向に沿って1列に直線状に間隔をあけて配置されている。
【0030】
第2フレーム部51は、複数の第2突部55a〜55dを有する。複数の第2突部55a〜55dは、フィルタ31が配置される領域内の縁部に互いに間隔をあけて配列され、フィルタ31を挟むように第1フレーム部41と組み合わせた状態で、それぞれ第1フレーム部41に向けて突出する。複数の第2突部55a〜55dは、配列方向に関して複数の第1突部45a〜45dの間に位置する。即ち、複数の第2突部55a〜55dは、前記第2フレーム部51の周縁に設けられた平板部52a〜52dから突出するように一体に形成されている。具体的には、平板部52aには、複数の第2突部55aが平板部52aの長手方向に沿って1列に直線状に間隔をあけて配置されている。同様に、平板部52bには複数の第2突部55bが、平板部52cには複数の第2突部55cが、平板部52dには複数の第2突部55dが、それぞれの平板部の長手方向に沿って1列に直線状に間隔をあけて配置されている。
【0031】
このため、複数の第1突部45a〜45dの間には、それぞれ第1隙間46a〜46dが、複数の第2突部55a〜55dの間には、それぞれ第2隙間56a〜56dが、それぞれ形成される。そして、フィルタ31を挟むように第1フレーム部41と組み合わせた状態で、複数の第1突部45a〜45dが第2隙間56a〜56dに、複数の第2突部55a〜55dが第1隙間46a〜46dに、それぞれ位置する。これにより、複数の第2突部55a〜55dは、配列方向に関して複数の第1突部45a〜45dの間に位置することになる。また、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dは、フィルタ31を挟むように第1フレーム部41と第2フレーム部51とを組み合わせた状態で、配列方向に関して交互に配置される。
【0032】
なお、後述するように、第1フレーム部41の壁部44a、44b、44cにそれぞれ設けられる係合爪47a、47b、47cが設けられる部分には、第1突部45a、45b、45cが設けられていない。そして、この部分には、第1隙間46a、46b、46cよりもそれぞれ大きな隙間が形成されている。また、これらの隙間には、それぞれ複数の第2突部55a〜55cがそれぞれ位置するが、これらの隙間に配置される第2突部55a〜55cは、第1突部45a〜45cとそれぞれ交互に位置しない。但し、このような部分にも、第1突部をそれぞれ設けて、第2突部と交互に配置するようにしても良い。本実施形態では、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dが、例えば、配列方向に関して1個所乃至複数個所で交互になってなくても、その他の部分で交互になっていれば良い。
【0033】
複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dは、図2(b)〜(d)、図3及び図4に示すように、それぞれの配列方向の両側面が先端に向かう程近づくように形成されている。即ち、それぞれ略三角形状に形成されている。また、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dの少なくとも先端部は、配列方向に直交する幅方向の厚みが先端に向かう程細くなるように形成されている。言い換えれば、それぞれ、第1フレーム部41及び第2フレーム部51の外側及び内側の側面同士が先端に向かう程近づくように形成されている。且つ、配列方向に直交する幅方向に関して、フィルタフレーム40の外側に位置する側面の方が、フィルタフレーム40の内側に位置する側面よりも先端部の突出方向に対する角度が小さい。言い換えれば、外側の側面の突出方向に対する角度が、内側の側面の突出方向に対する角度よりも小さくなるように形成されている。これら第1突部45a〜45d及び第2突部55a〜55dは、ほぼ同じ形状を有している。このため、代表して、第1突部45cについて、図5(a)を用いて説明する。なお、第1フレーム部41の外側とは、空間43に対して外側であり、同じく内側とは、空間43の側である。また、第2フレーム部51の外側とは、空間53に対して外側であり、同じく内側とは、空間53の側である。
【0034】
第1突部45cは、基部61と先端部62とから構成される。基部61は、平板部42cに一体に形成され、第1フレーム部41の外側と内側の側面との間隔がほぼ同じである。先端部62は、基部61よりも更に突出方向に延出された部分で、内側の側面62aが先端に向かう程外側の側面62bに近づくように傾斜している。本実施形態では、外側の側面62bは、基部61の外側の側面に沿った、平板部42cに対して略垂直な面である。一方、内側の側面62aは、基部61の内側の側面から先端に向かう程内側に傾斜した緩斜面である。したがって、外側の側面62bの突出方向に対する角度は、内側の側面62aの突出方向に対する角度よりも小さくなる。言い換えれば、内側の側面62aの方が外側の側面62bよりも突出方向に対して大きく傾斜している。
【0035】
[ヒンジ部]
次に、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを回動自在に固定するヒンジ部48について説明する。ヒンジ部48は、第1フレーム部41の一部である平板部42dを第2フレーム部51の一部である平板部52dに対して回動自在に固定する。上述したように、第1フレーム部41と第2フレーム部51とをプラスチック樹脂により一体に形成している。そして、図5(c)に詳示するように、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを連結する部分を薄肉に形成して可撓性を有するようにし、この部分をヒンジ部48としている。
【0036】
[保持構成]
次に、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを重ね合わせた状態で保持する保持構成について説明する。本実施形態では、図2(a)及び図3に示すように、第1フレーム部41に係合爪47a〜47cを、第2フレーム部51に係合爪47a〜47cがそれぞれ係合自在な係合部としての切り欠き57a〜57cを、それぞれ有する。係合爪47a、47bは、第1フレーム部41の壁部44a、44bの長手方向中央部の先端から内側に向けて、それぞれ突出するように1個ずつ形成されている。係合爪47cは、第1フレーム部41の壁部44cの長手方向中央部を挟んだ2個所の先端から内側に向けて、それぞれ突出するように形成されている。
【0037】
また、壁部44a、44b、44cの係合爪47a、47b、47cが形成される部分は、図3及び図4に示すように、基端に向かう程薄肉となるように形成されている。これにより、係合爪47a、47b、47cを切り欠き57a〜57cにそれぞれ係合又は係合が解除される際に、この薄肉の部分が弾性変形してこれらの係合及び係合解除の動作を行い易くしている。更に、平板部42a、42b、42cの係合爪47a、47b、47cと整合する位置には、貫通孔49a、49b、49cを形成し、後述するように、金型により係合爪47a、47b、47cを形成する際に、金型が抜けるようにしている。
【0038】
上述のように係合爪47a、47bは、少なくとも、ヒンジ部48が形成された1辺の周縁部の両端とそれぞれ連続する2辺の周縁部にそれぞれ1個ずつ設けられている。即ち、係合爪47a、47bはヒンジ部48が形成された平板部42dの両端とそれぞれ連続する平板部42a、42bの壁部44a、44bにそれぞれ1個ずつ設けられている。本実施形態では、図2(a)及び図3に示すように、平板部42a、42bの係合爪47a、47bが設けられた部分を結ぶように、平板部42a、42bを連結する連結部70を有する。これにより、後述するように、フィルタ31を取り外すべく第2フレーム部51を第1フレーム部41から開く際に、連結部70を介して係合爪47a、47bが連動して次述する切り欠き57a、57bから外れ易くしている。
【0039】
切り欠き57a、57bは、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを重ね合わせた状態で、係合爪47a、47bとそれぞれ整合する位置に形成されている。このような切り欠き57a、57bは、図4及び図5(b)に示すように、平板部52a、52bの裏側の面の一部を切り欠くように形成されている。即ち、切り欠き57a、57bは、第2フレーム部51の平板部52a、52bの長手方向中央部の縁部から第2突部55a、55bと反対側の面(裏面)を切り欠くように、それぞれ1個ずつ形成されている。切り欠き57cは、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを重ね合わせた状態で、係合爪47cと整合する位置に形成されている。このような切り欠き57cは、平板部52cの長手方向中央部を挟んだ2個所の縁部から第2突部55cと反対側の面(裏面)を切り欠くように形成されている。切り欠き57cの形状は、切り欠き57a、57bと同様である。
【0040】
なお、上述の説明では、係合爪を第1フレーム部41に、係合部としての切り欠きを第2フレーム部51にそれぞれ形成したが、係合爪を第2フレーム部51に、係合部を第1フレーム部41に形成しても良い。或いは、それぞれのフレーム部に係合爪及び切り欠きを形成するようにしても良い。即ち、第1フレーム部41と第2フレーム部51とのうちの少なくとも一方のフレーム部は係合爪を有し、他方のフレーム部は、係合部を有すれば良い。
【0041】
[フィルタの保持]
次に、上述のような構成を有するフィルタフレーム40によりフィルタ31を挟んで保持する動作について説明する。まず、フィルタ31を挟んだ状態で、第1フレーム部41と第2フレーム部51とをヒンジ部48を中心に回動させ、図4に矢印で示すように第1フレーム部41と第2フレーム部51とを互いに近づける。すると、フィルタ31の周縁部は、第1フレーム部41の壁部44a〜44cの内側に収まるように、且つ、第1突部45a〜45d及び第2突部55a〜55dの隙間に波打つように押圧されながら挟持される。
【0042】
そして、図6に示すように、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを重ね合わせ、係合爪47a〜47cを切り欠き57a〜57cに係合させる。この際、係合爪47a〜47cが平板部52a〜52cの縁部にそれぞれ係合しつつ外側に弾性変形し、それぞれの縁部を乗り越えて弾性的に復元することで、係合爪47a〜47cが切り欠き57a〜57cにそれぞれ係合する。これにより、その間にフィルタ31を挟んだ状態で第1フレーム部41と第2フレーム部51とが結合して保持される。このとき、第1フレーム部41と第2フレーム部51とは、ヒンジ部48が形成された以外の周縁部で係合されるため、フィルタ31を保持する保持力を十分に確保できる。このようにして、フィルタフレーム40によりフィルタ31を挟んだ状態で保持することで、図6に示すようなフィルタ組立体30が得られる。
【0043】
本実施形態では、図7に示すように、フィルタ31を挟んで保持した状態の第1フレーム部41及び第2フレーム部51、即ちフィルタフレーム40の外周面に、弾性部材としての隙間埋め部材71を装着している。隙間埋め部材71は、スポンジにより略矩形状に形成されており、フィルタフレーム40の外周面、即ち、壁部44a〜44c及びヒンジ部48の第1フレーム部41側の外周面に両面粘着テープなどにより貼り付けられている。
【0044】
[フィルタ組立体の装着]
次に、上述のように構成されるフィルタ組立体30を、図8に示すような、画像形成装置100の装置本体20に配置された排気ダクト80に装着する動作について説明する。排気ダクト80は、装置本体20の側板22に対してダクト支持板81を介して固定されている。また、排気ダクト80には、略矩形状にフィルタケース82が設けられており、フィルタ組立体30は、このフィルタケース82内に設置される。
【0045】
具体的には、上述のように、フィルタフレーム40によりフィルタ31を保持した状態で、フィルタフレーム40の周囲にスポンジなどの柔らかい材質で作られた、隙間埋め部材71を装着し、フィルタ組立体30とする。この状態で、フィルタ組立体30をフィルタケース82内に嵌合させる。これにより、フィルタフレーム40とフィルタケース82との間が隙間埋め部材71により埋められ、この間部分から埃や塵などが漏れることを抑制できる。
【0046】
[フィルタの交換]
次に、上述のように排気ダクト80に設置されて使用されたことで集塵し、汚れたフィルタ31を交換する際の動作について説明する。フィルタ31を交換する際には、上述の装着時とは逆に、フィルタケース82の内側に設置されている、フィルタ組立体30をフィルタケース82から取り外す。そして、フィルタフレーム40を開いて使用済みのフィルタ31を取り出す。この際、隙間埋め部材71を剥がす事無く、第1フレーム部41の壁部44a、44bを撓ませるように力を加える。例えば、壁部44a、44bのうち、係合爪47a、47bが形成された薄肉の部分或いはその近傍を押すように力を加える。
【0047】
ここで、上述したように、係合爪47a、47bが設けられた部分を結ぶように、壁部44a、44bがそれぞれ設けられた平板部42a、42bを連結する連結部70が設けられている。このため、上述したように壁部44a、44bを撓ませるように力を加えた際に、連結部70を起点として係合爪47a、47bが互いに離れる方向に壁部44a、44bが撓む。これにより、係合爪47a、47bが切り欠き57a、57bからそれぞれ外れる。
【0048】
次いで、第2フレーム部51を第1フレーム部41から開く方向にヒンジ部48を起点に回動させる。この際、例えば指によって第2フレーム部51を開方向に持ち上げて、平板部52cを撓ませることで、平板部52cに形成された切り欠き57cが傾き、切り欠き57cと係合している係合爪47cが持ち上げられる。更に第2フレーム部51を開くことで、係合爪47cが切り欠き57cを乗り上げていき、係合爪47cと切り欠き57cとの係合が外れる。この結果、フィルタフレーム40が、図3に示すように開いた状態となる。
【0049】
そして、上述したように、使用済みのフィルタ31をフィルタフレーム40から取り出す。その後、新しいフィルタ31をフィルタフレーム40に設置し、フィルタフレーム40を閉じることで、上述したようにフィルタ31がフィルタフレーム40に保持される。この際、フィルタフレーム40の外周面、即ち、壁部44a〜44c及びヒンジ部48の外周面に隙間埋め部材71が装着されたままである。このように新しいフィルタ31が取り付けられたフィルタ組立体30を、上述したように、再度、排気ダクト80のフィルタケース82内に設置する。
【0050】
このように本実施形態では、第1フレーム部41を撓ませることで係合爪47a、47bの係合が連動して外れ、第2フレーム部51を撓ませることで係合爪47cの係合が外れる。例えば、第1フレーム部41の壁部44a、44bを挟むように保持した状態で、第2フレーム部51の平板部52cを引っ張るような動作を行う。すると、壁部44a、44b及び平板部52cがそれぞれ撓んで、全ての係合爪47a〜47cの係合がほぼ同時に外れる。このため、係合爪47a〜47cをそれぞれ別々に解除する作業がなく、簡単に短時間で汚れたフィルタ31を取り出し、交換することができる。
【0051】
また、本実施形態の場合、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを回動自在に連結するヒンジ部48は、図5(c)に示したように、第1フレーム部41と第2フレーム部51との連結部を薄肉にすることで構成している。このため、フィルタ31の交換や設置の際に、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを回動させても、ヒンジ部48が隙間埋め部材71と干渉しない。このため、フィルタ31の交換や設置作業の度に、隙間埋め部材71の取り外し及び再装着と言う手間を省くことができ、より簡単に短時間で作業を行える。
【0052】
ここで、前述した特許文献1、2のフィルタの交換作業について説明する。まず、特許文献1の構成では、汚れたフィルタの脱着交換作業をする際には、手間がかかる。その作業を見ると、フィルタフレームの基部に設けられた、嵌合穴を有する片持ち支柱部材を、カバーに設けられた嵌合の為の突起から、1つずつ嵌合を解除する作業を行なうことでカバーを開く。次に、フィルタフレームから汚れたフィルタを取り出す。その次に蛇腹状のプリーツ織りした不織布のフィルタを基部に設けられた凹凸状の横方向リブに合わせて挟み込む。その際にメルトフローなどの加工を施してあるフィルタの場合はプリーツ織をしても弾性力が有るので、横方向リブにうまく合わせてカバーを閉じるまで不安定である。このため、特許文献1の場合、フィルタ交換作業は、手間と時間がかかる。
【0053】
一方、特許文献2の構成でのフィルタ交換作業を見てみる。まず、広げたフィルタ枠に新品のフィルタを載置する。次に、フィルタ枠を嵌合爪とフレームで嵌合させる作業を行う。その次に、更に係合穴を有する折曲片を、ヒンジを折返してフレームに設けられた係合突起に係合穴を係合させることでフィルタフレームを組立てる。しかしながら、装置のメンテナンス時は、汚れたフィルタを取り外す。これは前記作業を逆から追っていくというように、複数の係合部を1つずつ係合、または解除するという作業を行うため、手間と時間がかかる。
【0054】
以上のように、特許文献1、2の構成の場合、フィルタ交換作業に手間と時間がかかる。これに対して本実施形態の場合、上述のように、簡単に短時間でフィルタ交換作業を行える。
【0055】
[具体例]
次に、上述した本実施形態の具体例について説明する。まず、上述の特許文献1、2の構成などや従来構成から考えられる構成のフィルタ保持の課題を整理する。先ず、特許文献1のフィルタは、格子状の横方向リブ側には、押し出されることはないが、反対側に押されると、縁の幅でしか保持されていないため、縁からすり抜けて、脱落することが有る。また、片面全面に、横方向リブがあるため、その分だけ開口面積が少なくなり、フィルタを通過する風の圧損が大きくなるため効率が低下するという課題がある。
【0056】
また、フィルタは、開口側に向けて面に垂直方向に押される場合や、送風ファンの風圧が加わると、フィルタフレームからすり抜けて、フィルタが脱落してしまうことがある。フィルタが脱落すると、集塵物の再飛散による汚れの蔓延や送風ファンへのフィルタの巻き込みなどの原因になるという課題が有る。
【0057】
更に、特許文献1の場合、フィルタ材質、形状、製造方法等によって、繊維の密度や厚さの層の状態が異なり、厚さで押え込もうとすると、フィルタの反力によって枠が閉じづらくなる。一方、幅方向に押えエリアを増やすと、開口面積が減って集塵性能が低下してしまう虞が有る。
【0058】
他方、これらに用いる不織布のフィルタを保持するために、フィルタフレームに設けた突起物でフィルタに貫通させて保持させることが考えられる。特に繊維のほつれ防止処理加工であるところの、例えばスパンボンド、メルトフローなどの加工を施したフィルタの場合では、繊維同士が結合されているので動きにくい。然るにフィルタ素材に容易に穴が開かない場合がある。これを、無理にフィルタフレームにより挟持しても隙間からすり抜けたりして、フィルタを保持できないなどの課題がある。
【0059】
また、無理に穴を広げると繊維のダメージがある事、穴部のストレスで皿状にフィルタ平面部が変形してしまうためにたわみが生じるなどの課題が有る。従って事前に貫通用の穴を設けるなどの形状を構成して加工工程を増やすことが考えられるが、製造プロセスが長くなり、更には作業ミスを起こす可能性も増加するなどの虞もある。
そこで、本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものである。例えば、厚み2〜5mmのフラットな不織布を四角形に切り出したフィルタに特別な穴加工を施す事無く課題を解決する。
【0060】
また、使用中や着脱の際にフィルタが不用意にフィルタフレームから外れたり、風圧等の外力が加わっても、撓んで膨らんだりしてフィルタがフィルタフレームから脱落しないようにする。なお、上述したように、本実施形態では、ワンタッチでフィルタを保持するフィルタフレーム40を開くことができ、フィルタの交換作業を短時間で容易に行える。
【0061】
このような課題を解決するために本実施形態では、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dの形状を工夫している。具体的には、これら各突部によりフィルタの不織布の繊維をしっかり噛み込めば、フィルタは容易にすり抜けにくくなる。このために、本実施形態では、各突部の外側の側面62bを略垂直面とし、フィルタが各突部に一旦引っかかると斜面に沿ってずり上がりながらすり抜ける虞を最小限度に少なくするようにしてある。
【0062】
また、本実施形態では、フィルタフレーム40を樹脂を金型成形することで形成している。この金型は、図3の状態のフィルタフレーム40を各突部の突出方向(以下、上下方向)に挟み込むような型で、一方の型に対して他方の型を上下方向に抜く。このため、外側の側面62bには抜き勾配が発生する。通常1度程度の抜き勾配であるが、金型の精度を向上させて1/400の勾配とした。
【0063】
なお、各突部の外側の側面62bの先端に更に外側に突出するようなオーバーハングを設けるようにしても良い。この場合、各突部が設けられる平板部に穴を開けて裏面から、各突部の外側の側面62bの側に金型が入り込むようにする。そして、外側の側面62bのエッジに金型のパーティングラインを設けるようにし、所謂飛び込みのハス抜きにすることで、外側の側面62bをよりフィルタの繊維が食い込むようにオーバーハングさせることができる。
【0064】
また、本実施形態では、各突部の内側の側面62aは緩斜面としている。このように内側の側面62bを緩斜面とすることで、各突部の樹脂成形時に、各突部のフィルタの脱落方向に対して鋭利な先端部を確保しながらも、十分な機械的強度を確保でき、フィルタ表面の繊維のつながりを破損しにくくしてある。
【0065】
更に、フィルタフレーム40へのフィルタ31装着時にフィルタ31が撓むことや膨らむことを抑制し、平面を確保できるようにしたものである。これによって、品質面でもフィルタ31の脱落の虞を抑制でき、安定的に使用できるフィルタ組立体30の提供が可能となった。
【0066】
特に本実施形態では、フィルタの繊維同士のずれを極力低減するようにしている。即ち、本実施例でも、繊維の密度の安定したフィルタ31を用いている。しかしながら、フィルタ31に例えば直径0.5mm程度の虫ピン等の針を突き刺してもなかなか貫通しない。これは繊維同士の隙間が小さいことと繊維同士が固定されているので、ズレないために繊維に針が緊迫されて貫通しにくくなるためである。一方、前述の特許文献1、2の構成のように、平面でフィルタを挟み込むだけではフィルタが容易にすり抜けて脱落する可能性がある。したがって、本実施形態では、各突部を上述のように形成し、フィルタの繊維同士のずれを極力低減すると共に、フィルタの脱落を抑制するようにしている。
【0067】
より具体的に説明する。画像形成装置の使用状態では、フィルタ31は給気や排気用の送風ファンの風圧を受ける。例えば、80乃至100mm程度の四角形の大きさの角型軸流ファンを用いた場合、一般的に風圧に対してフィルタフレームが保持する力である脱落強度は200g程度掛かる。
【0068】
ここで、特許文献1、2の構成のように、平面でフィルタを挟み込んだ場合について検証する。検証では、特許文献1、2の構成のフィルタフレームにフィルタを装着した状態で、テンションゲージによりフィルタ面に垂直力を加えた。そして、フィルタフレームからフィルタが徐々にずれていって、フィルタが外れた際、即ちフィルタの脱落による開口穴が生じた際の荷重を計測した。検証では、50g以下でフィルタが脱落することが判明した。
【0069】
そこで、本発明者は、このようなフィルタ脱落の課題を解決するために、当初様々な形状、例えば円錐状、円柱状、ピラミッド状四角錐等の突起物やリブ等の形状でフィルタを挟み込み、フィルタ脱落防止の検討を重ねてきた。しかしながら、何れの形状の場合も、風圧によるフィルタの脱落強度基準200gをクリアすることが困難だった。特に、他の方法として、突起物をフィルタを突き抜けさせればフィルタの脱落防止を達成できると考えられる。但し、不織布のフィルタは先に述べたように針をも通しにくくする繊維固定手段で加工されているので容易に貫通させることはできない。
【0070】
そこで、更に検討を進めた結果、本実施形態のような形状の各突部を採用するに至った。本実施形態では、脱落強度は500gの荷重を加えても脱落しないことが分かった。
【0071】
また、フィルタの平板の厚みは用途によって2mm乃至5mmと異なるが、今回最も脱落し易い薄い方の2mmの厚みの場合で条件を出してみた。すると、各突部がフィルタに潜り込む深さは約1mmでこの場合の引掛けることが可能な繊維の本数は最小で80本であった。この突部一つの引張り破断強度は15gであったので、突部14本で脱落強度基準200gを達成できることとなる。
【0072】
また、フィルタが脱落しにくくするために上下どちらかでフィルタがずれても確実に潜り込み深さを確保する対応を講じた。即ち、鋭利な各突部を各平板部ごとに直線的に配置し、交互に山谷となるように噛みこむ構成とした。また、目標の500g以上の脱落強度を達成させるために各突部の一列の数を算出し、配列した。このようにして、本実施形態の形状を有する各突部をフィルタ表面に押圧して繊維内にある程度噛みこませた状態で、テンションゲージにて繊維が破断する限界荷重を測定した結果、500g以上の脱落強度を得られた。具体的には、各平板部で、それぞれ一列に31個の突部を設けることで、品質のばらつきや安全率を加味してある。
【0073】
また、各突部の高さを規定するにはフィルタの繊維に食い込む突部の潜り込み量を安定化させることが要求される。これを確保するために各突部の高さを割り出し、より深く突部が侵入するように波状の高さを約3.5mmに規定した。これによって、フィルタの屈曲力、送風ファンの風圧などによって、使用する毎に更に各突部がフィルタの繊維の中に食い込んでいく方向になる。
【0074】
そして、第1フレーム部41と第2フレーム部51とにそれぞれ設けられた各突部相互間の隙間を規定して、組み立て上支障なく針を通すような抵抗力を生じさせないで、フィルタをフィルタフレーム40に固定することが可能となった。このようにして、本実施形態のフィルタフレーム40に各突部を配置したところ、脱落強度750gを達成し、フィルタの脱落に対してマージンを付与する事ができた。
【0075】
更に、本実施形態の場合、特許文献1のようにフィルタフレームの片面に横方向リブを設けたりしていないため、開口面積を十分に確保できる。
【0076】
以上のように、本実施形態の構成によれば、フィルタ31の保持力を強くできると共に、開口面積を確保できるフィルタフレーム40及びフィルタ組立体30を得られる。
【0077】
また、従来、薄物シート状フィルタを樹脂のアウトサート成形により構成していた一体型フィルタがあった。この構成の場合、使用済のフィルタを樹脂フレームから分離できない。これに対して本実施形態では、フィルタのみをフィルタフレーム40から取り出して廃棄できるので、環境面でより優れたフィルタフレーム及びフィルタ組立体の提供が可能となった。
【0078】
また、装置を使用している市場ユーザー先での装置のメンテナンスを実施する際に、従来は樹脂一体型のフィルタをサービス部品として交換していた。これに対して本実施形態の場合、フィルタ単体のみを交換できるので、持ち運びや輸送のスペースを取らず軽くなるのでメンテナンスにかかる負担を軽減することが可能となった。
【0079】
[他の実施形態]
上述の実施形態では、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dが、フィルタ31を挟むように第1フレーム部41と第2フレーム部51とを組み合わせた状態で、配列方向に関して交互に配置された例について説明した。但し、本発明は、複数の第1突部45a〜45d及び複数の第2突部55a〜55dが交互に配置されていなくても良く、例えば、配列方向に関して、第1突部が複数(例えば2個)連続した後に第2突部が配置されるような構成としても良い。要は、複数の第2突部が複数の第1突部の間に配置される個所があれば良い。
【0080】
また、本実施形態では、第1フレーム部41と第2フレーム部51とを一体に形成したが、第1フレーム部41と第2のフレーム部51とが分離分割された構成であっても良い。
【符号の説明】
【0081】
30・・・フィルタ組立体/31・・・フィルタ/40・・・フィルタフレーム/41・・・第1フレーム部/42a、42b、42c、42d・・・平板部/43・・・空間/44a、44b、44c・・・壁部/45a、45b、45c、45d・・・第1突部/46a、46b、46c、46d・・・第1隙間/47a、47b、47c・・・係合爪/48・・・ヒンジ部/51・・・第2フレーム部/52a、52b、52c、52d・・・平板部/53・・・空間/55a、55b、55c、55d・・・第2突部/56a、56b、56c、56d・・・第2隙間/57a、57b、57c・・・切り欠き(係合部)/61・・・基部/62・・・先端部/62a・・・内側の側面/62b・・・外側の側面/70・・・連結部/71・・・隙間埋め部材(弾性部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8