特開2017-7162(P2017-7162A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-7162(P2017-7162A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】画像形成装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/447 20060101AFI20161216BHJP
   G03G 15/043 20060101ALI20161216BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20161216BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20161216BHJP
   H04N 1/036 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   B41J2/447 101B
   G03G15/043
   G03G15/00 303
   B41J2/447 101P
   B41J2/45
   H04N1/036 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-123235(P2015-123235)
(22)【出願日】2015年6月18日
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃典
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】林 将之
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】川那部 元博
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】白崎 吉徳
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】郡 佑介
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌俊
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
【テーマコード(参考)】
2C162
2H076
2H270
5C051
【Fターム(参考)】
2C162AE04
2C162AE19
2C162AE28
2C162AE47
2C162AE69
2C162AE73
2C162AF22
2C162AF59
2C162AF71
2C162AF83
2C162FA04
2C162FA16
2C162FA17
2H076AB42
2H076DA03
2H076DA19
2H076DA41
2H270KA13
2H270MA09
2H270MA10
2H270MB04
2H270MB46
2H270ZC04
2H270ZC06
2H270ZC08
5C051AA02
5C051CA08
5C051DA03
5C051DB02
5C051DB08
5C051DB09
5C051DB29
5C051DE03
5C051DE12
5C051DE30
5C051FA01
(57)【要約】
【課題】グループ毎の発光処理により感光体が受けるエネルギーの差を小さくし、画像濃度のムラを低減することを目的とする。
【解決手段】複数の発光体を発光させて感光体9の上に潜像を形成する画像形成装置100において、複数の発光体の各々の性能を記憶する記憶部と、発光体を、発光させる制御部433と、を有し、制御部433は、一の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力と、他の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力とが、近づくように、発光体の性能に基づいて、前記複数の発光体の各々の発光期間を調整する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光体を発光させて感光体の上に潜像を形成する画像形成装置において、
前記複数の発光体の各々の性能を記憶する記憶部と、
前記発光体を、発光させる制御部と、を有し、
前記制御部は、一の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力と、他の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力とが、近づくように、前記発光体の性能に基づいて、前記複数の発光体の各々の発光期間を調整する画像形成装置。
【請求項2】
前記発光体は、複数の発光素子を有し、
前記複数の発光素子の各々は、前記感光体の上の所定の領域に発光し、前記潜像を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記潜像を形成する能力は、前記発光体の発光により、前記感光体が受ける発光のエネルギーであり、前記発光体の性能は、前記発光体の光量である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記潜像を形成する能力は、前記発光体に属する発光素子により形成される発光スポット径と、前記発光期間との乗算値であり、前記発光体の性能は、前記発光スポット径である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記一の発光体の潜像を形成する能力の値と、前記他の発光体の潜像を形成する能力の値との平均値に近づくように、前記複数の発光体の各々の発光期間を調整する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、トナーの色毎に複数の感光体を有しており、
前記制御部は、前記複数の発光体を、前記複数の感光体に発光させ、前記複数の感光体の各々の上に前記潜像を形成し、
前記一の発光体が発光する発光期間と、前記他の発光体が発光する発光期間との間には、前記発光体が発光しない発光間隔が設けられており、
前記制御部は、前記複数の感光体の各々の上に前記潜像を形成する期間が同一となるように、前記発光期間と、前記発光間隔とを調整する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記一の発光体が発光する発光期間と、前記他の発光体が発光する発光期間との間に設けられる設定可能な最短の発光間隔を記憶しており、
前記制御部は、前記一の発光体が発光する発光期間が終了後、前記設定可能な範囲のうち最短の前記発光間隔を経過した後に、前記他の発光体を発光させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記発光体を発光させることができる最短期間を記憶し、
前記一の発光体の発光期間を前記最短期間とする場合、前記制御部は、前記一の発光体の前記潜像を形成する能力と前記他の発光体の前記潜像を形成する能力とが近づくように、前記他の発光体の発光期間を調整する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記発光体を発光させることができる最長期間を記憶しており、
前記一の発光体の発光期間を前記最長期間とする場合、前記制御部は、前記一の発光体の前記潜像を形成する能力と前記他の発光体の前記潜像を形成する能力とが近づくように、前記他の発光体の発光期間を調整する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
複数の発光体を発光させて感光体の上に潜像を形成する画像形成装置に実行させるプログラムであって、
前記複数の発光体の各々の性能を記憶するステップと、
前記発光体を、発光させるステップと、を実行させるプログラムであって、
前記発光させるステップにおいて、一の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力と、他の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力とが、近づくように、前記発光体の性能に基づいて、前記複数の発光体の各々の発光期間を調整するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の小型化、及び簡易化等を図るため、書込み手段に固体走査ヘッド方式を用いる画像形成装置が注目されている。
【0003】
固体走査ヘッド方式では、固体走査ヘッドの有する発光素子を全て同時に発光させるのではなく、発光素子を複数のグループに分け、発光させるタイミングをずらす発光処理の方法が用いられる場合がある。
【0004】
発光素子を発光させるタイミングをずらすことにより、発光処理時に必要となる電力の最大値を抑えられるというメリットがある。
【0005】
この方法では、画像処理装置は、発光素子を複数のグループに分け、グループ毎に所定のタイミングで、感光体に発光させる処理を行うように発光素子を制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、固体走査ヘッドを構成する発光素子に用いられるLED素子、及び有機EL素子は、素子毎に発光特性を有している。このため、該発光素子を感光体に所定の期間、発光させた場合、感光体が受けるエネルギーの量が異なり、画像濃度にムラを生じさせる。
【0007】
発光素子毎に、発光量が均一となるよう補正する方法が知られているが(例えば、特許文献1)、均一に補正しきれず、発光量の差を吸収するのが難しく画像濃度にムラが生じていた。
【0008】
本発明の目的は、発光体の発光処理により感光体が受けるエネルギーの差を小さくし、画像濃度のムラを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態に係る画像形成装置によれば、複数の発光体を発光させて感光体の上に潜像を形成する画像形成装置において、前記複数の発光体の各々の性能を記憶する記憶部と、前記発光体を、発光させる制御部と、を有し、前記制御部は、一の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力と、他の発光体の発光により形成される潜像を形成する能力とが、近づくように、前記発光体の性能に基づいて、前記複数の発光体の各々の発光期間を調整する。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態によれば、発光体の発光処理により感光体が受けるエネルギーの差を小さくし、画像濃度のムラを低減することが可能となる、画像形成装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の実施形態の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の実施形態の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る画像形成装置の機能構成の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る固体走査ヘッドの構成の一例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る固体走査ヘッドによる感光体ドラムへの発光処理の方法の一例を示す図である。
図7】第1の実施形態において、各発光素子に所定の電力で起動した場合の光量の値の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態において、各発光素子の発光エネルギーの一例を示す図である。
図9】第1の実施形態において、発光素子のグループ毎の平均光量の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態において、発光素子の光量と、調整後のストローブ期間と、発光エネルギーとの関係を示す図である。
図11】第1の実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る発光期間等に関する情報の一例を示す図である。
図13】第1の実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。
図14】第1の実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。
図15】第1の実施形態に係る発光期間等に関する情報の一例を示す図である。
図16】第2の実施形態に係る固体走査ヘッドの感光体ドラムへの発光処理の方法の一例を示す図である。
図17】第2実施形態に係る調整前の「スポット径 × ストローブ期間」の関係の一例を示す図である。
図18】第2実施形態に係る調整後の「スポット径 × ストローブ期間」の関係の一例を示す図である。
図19】第3の実施形態に係る固体走査ヘッド11の感光体ドラム9への発光処理の方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
図面を参照して第1の実施形態について説明する。
【0013】
<画像形成装置の全体構成>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の実施形態の一例を示す図である。
【0014】
画像形成装置100は、給紙トレイ50と、給紙ローラ2と、分離ローラ3と、搬送ベルト5と、画像形成部6と、駆動ローラ7と、従動ローラ8と、転写器15と、定着器16と、パターン検知センサ17と、ベルトクリーナ20とを有する。
【0015】
搬送ベルト5は、無端状移動手段である。搬送ベルト5は、回転駆動される駆動ローラ7と、従動ローラ8とにより巻回されている。駆動ローラ7は、駆動モータ(不図示)により回転駆動させられる。駆動ローラ7と従動ローラ8とが、搬送ベルト5を移動させる。
【0016】
給紙トレイ50は、用紙4を格納する。用紙4は、給紙ローラ2と、分離ローラ3とにより一枚ずつ分離され、搬送ベルト5によって、搬送ベルト5の搬送方向の上流側から搬送される。用紙4は、静電吸着作用により、搬送ベルト5に吸着される。
【0017】
搬送ベルト5の上流側から、ブラック用の画像形成部6BK、マゼンタ用の画像形成部6M、シアン用の画像形成部6C、イエロー用の画像形成部6Yが配列される。これらの画像形成部6の構成は、形成するトナー画像の色が異なるが、内部構成は同じである。
【0018】
用紙4は、最初に画像形成部6BKに搬送され、ブラックのトナー画像を転写される。以降同様に、用紙4は、マゼンタのトナー画像、シアンのトナー画像、イエローのトナー画像を転写される。
【0019】
画像形成部6BKは、感光体ドラム9BK、帯電器10BK、固体走査ヘッド11BK、現象器12BK、感光体クリーナ(不図示)、及び徐電器13BK等を有する。
【0020】
感光体ドラム9BKは、用紙4にトナーを転写する感光体である。感光体ドラム9BKの周囲に帯電器10BK、固体走査ヘッド11BK、現象器12BK、感光体クリーナ(不図示)、及び徐電器13BK等が配置される。
【0021】
帯電器10BKは、暗中で感光体ドラム9BKの外周面に一様に帯電させる。
【0022】
固体走査ヘッド11BKは、複数のLED、又は複数の有機EL等の発光素子500により構成される。固体走査ヘッド11BKは、ブラック画像に対応した発光を行い感光体ドラム9BK上にブラック画像の潜像を形成する。
【0023】
現象器12BKは、ブラックトナーを用いて、感光体ドラム9BK上に形成されたブラック画像の潜像を可視像化する、つまり、感光体ドラム9BK上にブラックのトナー画像を形成する。
【0024】
転写器15BKは、感光体ドラム9BKと、搬送ベルト5上の用紙4とが接する転写位置で、ブラックのトナー画像を転写する。
【0025】
ブラックのトナー画像が転写された後、感光体クリーナは、感光体ドラム9BKの外周面に残留した不要なトナーを払拭する。
【0026】
徐電器13BKは、感光体ドラム9BKを除電する。
【0027】
ブラックのトナー画像が転写された後、用紙4は、搬送ベルト5により次の画像形成部6Mに搬送される。
【0028】
画像形成部6BKでの手順と同様に、画像形成部6Mは、感光体ドラム9M上にマゼンタのトナー画像が形成し、マゼンタのトナー画像を、用紙4のブラックのトナー画像に重畳して転写する。
【0029】
画像形成部6C、画像形成部6Yでも同様に、シアンのトナー画像と、イエローのトナー画像とを用紙4に転写する。
【0030】
なお、画像形成部6M、画像形成部6C、及び画像形成部6Yが具備する構成は、画像形成部6BKが具備する機能と同じである。
【0031】
用紙4に4色のトナー画像が転写され、用紙4上にフルカラーの画像が形成される。
【0032】
フルカラーの画像が形成された用紙4は、搬送ベルト5から剥離されて、定着器16に送られる。定着器16は、用紙4にフルカラーの画像を定着させた後、画像形成装置100の外部に排紙する。
【0033】
画像形成装置100は、パターン検知センサ17を有してもよい。パターン検知センサ17は、感光体ドラム9BK、9M、9C及び9Yによって搬送ベルト5上に転写された位置ずれ補正用パターン、及び濃度補正用パターンを読み取るための光学センサである。
【0034】
パターン検知センサ17は、搬送ベルト5の表面に描画されたパターンを照射するための発光素子500及び補正用パターンからの反射光を受光するための受光素子を含む。
【0035】
ベルトクリーナ20は、パターン検知センサ17の下流側であって、感光体ドラム9よりも上流側に配置される。ベルトクリーナ20は、搬送ベルト5の表面に付着したトナーを掻きとる。
【0036】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置100の実施形態の一例を示す図である。
【0037】
図1と共通する部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0038】
画像形成装置100は、給紙トレイ50と、給紙ローラ2と、分離ローラ3と、中間転写ベルト30と、画像形成部6と、駆動ローラ7と、従動ローラ8と、転写器15と、定着器16と、パターン検知センサ17と、ベルトクリーナ20と、2次転写ローラ22とを有する。
【0039】
図2の画像形成装置100は、無端状移動手段に搬送ベルト5ではなく、中間転写ベルト30を用いる。
【0040】
色毎に設けられた画像形成部6は、各色の感光体ドラム9上にトナー画像を形成する。
【0041】
色毎に設けられた転写器15は、各色のトナー画像を中間転写ベルト30に転写する。この転写により、中間転写ベルト30上に、フルカラーの画像が形成される。
【0042】
中間転写ベルト30上に形成されたフルカラーの画像は、2次転写位置21で、用紙4に転写される。
【0043】
2次転写ローラが、2次転写位置の下流側に配置されている。2次転写ローラは、用紙4を中間転写ベルト30に押し当てる。これにより、転写効率を高めることができる。
【0044】
フルカラーの画像が用紙4に転写された後、定着器16は、用紙4にフルカラーの画像を定着させる。定着後に、定着器16は、用紙4を画像形成装置100の外部に排紙する。
【0045】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係る画像形成装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0046】
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置100は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成に加えて、画像形成を実行するエンジン113を有する。即ち、本実施形態に係る画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、RAM(Random Access Memory)111、ROM(Read Only Memory)112、エンジン113、HDD(Hard Disk Drive)114及びI/F(Interface)115がバス118を介して接続されている。
【0047】
I/F115には、LCD(Liquid Crystal Display)116及び操作部117が接続されている。
【0048】
CPU110は演算手段であり、画像形成装置100全体の動作を制御する。
【0049】
RAM111は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体である。CPU110が情報を処理する場合、RAM111はCPU110の作業領域に用いられる。
【0050】
ROM112は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
【0051】
エンジン113は、画像形成装置100において実際に画像形成を実行する機構である。
【0052】
HDD114は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)、各種の制御プログラム、及びアプリケーション・プログラム等が格納されている。
【0053】
I/F115は、バス118と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。
【0054】
LCD116は、ユーザが画像形成装置100の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部117は、キーボード及びマウス等、ユーザが画像形成装置100に情報を入力するためのユーザインタフェースを備える。
【0055】
このようなハードウェア構成において、ROM112、HDD114、又は光学ディスク(不図示)等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM111に読み出される。CPU110がRAM111に読み出されたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置100の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0056】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係る画像形成装置100の機能構成の一例を示す図である。
【0057】
画像形成装置100は、コンピュータインタフェース部424と、作像プロセス部427と、印刷要求受付部425と、操作部429と、制御部432と、プリントジョブ管理部426と、定着部428と、読取部431と、画像書込み制御部433と、ラインメモリ434と、記憶部430とを有する。
【0058】
コンピュータインタフェース部424は、コンピュータ等の端末と画像形成装置100との間で送受信される信号を中継する。
【0059】
印刷要求受付部425は、コンピュータインタフェース部424を介して、端末から印刷要求を受け付け、制御部432に要求の処理を依頼する。
【0060】
プリントジョブ管理部426は、画像形成装置100が受け付けた印刷要求の順番を管理する。
【0061】
作像プロセス部427は、画像書込み制御部433と連携して、感光体ドラム9上にトナー画像を作成し、用紙4に転写する。また、印刷時に位置ずれ等を検知した場合、作像プロセス部427は、補正を行う。
【0062】
定着部428は、トナー画像が転写された用紙4に、熱及び圧力を加えてトナー画像を定着させる。
【0063】
操作部429は、ユーザから画像形成装置100への操作の入力を受け付けると共に、受け付けた入力内容を制御部432に通知する。また、操作部429は、画像形成装置100の状態をユーザに対して表示する。
【0064】
読取部431は、用紙4上の画像の情報を画像データに変換し、記憶部430に変換された画像データの内容を記憶するように依頼する。
【0065】
記憶部430は、画像形成装置100が動作するのに必要な情報を記憶する。端末、及び読取部431から画像データを受信し記憶する。
【0066】
記憶部430は、画像書込み制御部433に設けられた固体走査ヘッド11による発光処理に関する情報を記憶する。詳細については、後述する。
【0067】
画像書込み制御部433は、固体走査ヘッド11を有する。画像書込み制御部433は、印刷要求を受けた画像データに、画像処理を行い色毎の画素データを生成する。画像書込み制御部433は、生成された画素データに対応する潜像を感光体ドラム9上に形成するために、固体走査ヘッド11を発光させる。
【0068】
固体走査ヘッド11の発光処理方法については後述する。
【0069】
制御部432は、各機能ブロックを制御する。
【0070】
<画像書込み制御部の発光期間調整:その1>
図5乃至図11を用いて画像書込み制御部433の発光期間の調整方法について説明する。
【0071】
図5は、本実施形態に係る固体走査ヘッド11の構成の一例を示す図である。
【0072】
固体走査ヘッド11は、トナーの色毎に設けられる。図5に示すように、固体走査ヘッド11は、複数の発光素子500を有する。発光素子500は、LED素子、又は有機EL素子等により実現される。図5の例では、固体走査ヘッド11は、主走査方向に並べられた12個の発光素子500を有する。固体走査ヘッド11は、画像書込み制御部433により制御される。
【0073】
図6は、本実施形態に係る固体走査ヘッド11による感光体ドラム9への発光処理の方法の一例を示す図である。
【0074】
本実施形態では、感光体ドラム9の主走査方向を発光素子500の数12で分割され、ブロック1乃至ブロック12が形成される。各発光素子500は、感光体ドラム9上の各ブロックに発光する。
【0075】
なお、本実施形態では、12個の発光素子500により12のブロックが形成される場合を例に説明するが、発光素子500の数については特に限定はない。例えば、画像形成装置100に1、000個の発光素子500を搭載し、主走査方向に1、000のブロックを形成し、感光体ドラム9上の各ブロックに発光処理を行ってもよい。或いは、複数の発光体を有する発光素子500により、各ブロックに対して発光されてもよい。例えば、12個の発光素子500の各々が100個程度の発光体を有してもよい。
【0076】
画像書込み制御部433は、固体走査ヘッド11を用いて主走査方向に1ラインずつ、発光処理を行う。
【0077】
画像書込み制御部433は、固体走査ヘッド11の全ての発光素子500を同時に発光させず、発光素子500をグループ化して、グループ毎に発光素子500を順番に発光させる。
【0078】
発光素子500の1−1、1−2、1−3がグループ1に属する場合、画像書込み制御部433は、第1のストローブ信号がアクティブになっている時間(第1のストローブ期間)にグループ1に属する発光素子500を発光させる。
【0079】
同様に、発光素子500の2−1、2−2、2−3がグループ2に属する場合、画像書込み制御部433は、第2のストローブ信号がアクティブになっている時間(第2のストローブ期間)にグループ2に属する発光素子500を発光させる。
【0080】
発光素子500の3−1、3−2、3−3がグループ3に属する場合、画像書込み制御部433は、第3のストローブ信号がアクティブになっている時間(第3のストローブ期間)にグループ3に属する発光素子500を発光させる。
【0081】
発光素子500の4−1、4−2、4−3がグループ4に属する場合、画像書込み制御部433は、第4のストローブ信号がアクティブになっている時間(第4のストローブ期間)にグループ4に属する発光素子500を発光させる。
【0082】
画像書込み制御部433は、第1のストローブ期間乃至第4のストローブ期間において、固体走査ヘッド11の発光素子500を発光させることにより、主走査方向の1ライン分の発光処理を完了する。 固体走査ヘッド11は、副走査方向のライン数分だけ、発光処理を繰り返す。
【0083】
ここで、複数の発光素子500で構成されるグループは、発光体の一例である。
【0084】
図7に各発光素子500を所定の電力で起動した場合の光量の値の一例を示す。各発光素子500は、発光特性を有しているため、同一の電力で起動した場合でも、光量が異なる。このため、各発光素子500を同一の期間、発光させた場合、用紙4上に形成される画像の濃度にムラが生じてしまう恐れがある。 図8は、各発光素子500の発光エネルギーの一例を示す表である。
【0085】
発光エネルギーは、発光素子500の光量と、ストローブ信号がアクティブになっている期間であるストローブ期間との乗算により求められる。
【0086】
同一のストローブ期間、発光させた場合、発光素子500の光量が異なるため、発光素子500の発光エネルギーも異なる。
【0087】
本実施形態では、グループ毎の発光期間を調整することにより、発光素子500毎の発光エネルギー差を小さくする。具体的には、画像書込み制御部433が、グループ毎の発光期間を調整し、グループ毎に発生させる発光エネルギーが、近づくように調整する。
【0088】
図9は、発光素子500のグループ毎の平均光量の一例を示す図である。各発光素子500の光量は図8の表と同じ値である。例えば、グループ1に属する発光素子500の平均光量は0.963W(=(0.850+1.190+0.850)/3)である。
【0089】
図9から、グループ1に属する発光素子500の光量の平均値が低く、グループ2に属する発光素子500の光量の平均値が高いことが分かる。
【0090】
このため、画像書込み制御部433は、グループ1に属する発光素子500の発光期間である第1のストローブ期間が長くなり、グループ2に属する発光素子500の発光期間である第2のストローブ期間が短くなるように調整する。以下に、調整方法の一例を説明する。
【0091】
本実施形態では、画像書込み制御部433は、グループ毎の発光エネルギーの平均値を、固体走査ヘッド11の全ての発光素子500を所定期間発光させた発光エネルギーの平均値に近づけるように調整する。
【0092】
図8に示すように、100(μ sec.)の間、固体走査ヘッド11の全ての発光素子500を発光させた場合、1つの発光素子500の発光エネルギーの平均値は99.7(μ J)である。
【0093】
グループ1に属する1つの発光素子500の発光エネルギーの平均値を99.7(μ J)に近づけるためには、第1のストローブ期間を以下のように調整する。
【0094】
第1のストローブ期間(μ sec.) = 99.7(μ J) / 0.963(W) = 103(μ sec.)
ここで、0.963(W)は、グループ1に属する発光素子500の平均光量である。
【0095】
同様に計算すると、第2のストローブ期間は97(μ sec.)、第3のストローブ期間は100(μ sec.)、第4のストローブ期間は99(μ sec.)となる。
【0096】
図10に、発光素子500の光量と、調整後のストローブ期間と、発光エネルギーとの関係をまとめる。
【0097】
図8及び図10から、ストローブ期間を調整することにより発光エネルギーの分散も小さくなることが分かる。調整前の値は「151.556」であるのに対して調整後の値は「148.450」である。
【0098】
ここで、分散は以下の式により求められる。
【0099】
分散=Σ(発光素子500のエネルギー(i) ― 発光素子500の平均エネルギー) / (N−1)
本実施形態では、発光素子500のエネルギー(i)は、固体走査ヘッド11に搭載される発光素子500の各々のエネルギーである。固体走査ヘッド11に搭載される発光素子500は12個の発光素子500が搭載されるので、N=12となる。
【0100】
ストローブ期間を調整することにより、発光素子500の全ての発光素子の発光エネルギーの分散が小さくなる。ストローブ期間の調整により、印刷時の濃度のムラが生じ難くなっていることが分かる。
【0101】
なお、発光素子500の光量は、発光素子500の性能の一例であり、発光素子500の発光エネルギーは、発光素子500の能力の一例である。また、グループに属する発光素子500の光量の平均値は、発光体の性能の一例であり、グループに属する発光素子500の発光エネルギーの平均値は、発光体の能力の一例である。
【0102】
図11は、本実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。図11.Aは、ストローブ期間が調整される前のタイミングチャートであり、図11.Bは、ストローブ期間が調整された後のタイミングチャートである。
【0103】
Ta(Ta1〜Ta4)が、ストローブ信号がアクティブになっている時間であるストローブ期間に対応する。Ta1、Ta2、Ta3、及びTa4が、それぞれ第1のストローブ期間、第2のストローブ期間、第3のストローブ期間、及び第4のストローブ期間に対応する。
【0104】
Tb(Tb1〜Tb3)が、ストローブ信号がアクティブになっていない時間であるストローブ間隔に対応する。ストローブ間隔は、次の発光までの待機時間である。
【0105】
Tc(Tc1〜Tc3)は、ストローブ周期であり、TaとTbとが含まれる。
【0106】
ストローブ期間Taは、発光素子500が発光している期間であり、ストローブ間隔Tbは、発光素子500が消灯している期間である。
【0107】
第4のストローブ期間(Ta4)が終了すると、固体走査ヘッド11による1ライン分の発光処理が完了する。固体走査ヘッド11は、ライン信号を受信すると、次のラインに対する発光処理を開始する。つまり、ライン信号の受信に応じて、第1のストローブ期間が開始され、グループ1に属する発光素子500から発光を開始する。
【0108】
ここで、ライン信号は、ライン毎の発光処理のタイミングを同期させるための信号である。
【0109】
図11.Aでは、Ta1、Ta2、Ta3、及びTa4は、100(μsec.)である。
【0110】
図11.Bでは、ストローブ期間が調整されているため、Ta1が103(μsec.)、Ta2が97(μsec.)、Ta3が100(μsec.)、Ta4が99(μsec.)である。
【0111】
図11では、調整前と調整後のストローブ周期Tcが同一であることを特徴としている。
【0112】
調整前と調整後のストローブ周期Tcを一定にすることにより、各グループに属する発光素子500が発光する感光体ドラム9の副走査方向の位置を一定にすることができる。
【0113】
発光素子500が感光体ドラム9の主走査方向に発光中に、感光体ドラム9は副走査方向にわずかに移動する。ストローブ周期Tcが調整の前後で変更されると、発光素子500が発光する副走査方向の位置は、調整の前後で変化してしまう。このため、各色のトナー画像を合わせた時の画像劣化の要因となるおそれがある。
【0114】
図11に示す、ストローブ期間Taの調整例では、ストローブ周期Tcが調整前後で一定であるため、グループ毎に発光素子500が、発光する副走査方向の位置も一定になる。このため、各色のトナー画像を合わせた時の画像劣化も低減させることができる。
【0115】
具体的には、図11(A)と図11(B)とでストローブ周期Tc1、Tc2、及びTc3は同一の値である。ストローブ期間Taとストローブ間隔Tbは合計の期間が調整の前後で同一になるように、調整される。例えば、調整前のTa1(T1〜T2)は100(μsec.)であり、調整後のTa1(T9〜T10)は103(μsec.)であり、調整によりストローブ期間Ta1は、3(μsec.)延長されている。このため、調整後のTb1(T10〜T11)は、調整前のTb1(T2〜T3)より3(μsec.)短縮されている。他のストローブ期間Taと、ストローブ間隔Tbも同様に調整される。
【0116】
なお、1ライン分の発光処理にかかる期間はトナーの各色で同一であるため、感光体ドラム上に潜像を形成するのにかかる期間も同一になる。感光体ドラム9上に潜像を形成すべき、副走査方向のライン数は、各感光体ドラム9で同じだからである。
【0117】
ストローブ期間は、発光素子500が発光している期間であるが、感光体ドラム9上に潜像を形成するための発光素子500の光量は、発光場所におけるトナー画像の濃度に応じて常に変化している。このため、図8及び図10等に示す発光素子の光量は、所定の濃度でトナー画像を形成する場合の光量であることに留意すべきである。
【0118】
<記憶部での発光期間の記憶>
図12は、本実施形態に係る発光期間等に関する情報の一例を示す図である。
【0119】
記憶部430は、画像書込み制御部433により調整された発光期間等に関する情報を記憶する。
【0120】
具体的には、図12に示す情報を記憶する。記憶部430は、時分割で発光するグループと、グループ平均光量/発光素子500(W)と、発光期間(μsec.)と、グループ平均エネルギー/発光素子500(μ J)と、ストローブ期間と、各グループに属する発光素子500の番号と、発光素子500毎の光量(W)と、発光素子500毎の発光対象ブロックとを記憶する。ストローブ期間には、発光を開始するタイミングと、発光を終了するタイミングとを含む。例えば、グループ1の場合は、発光を開始するタイミングT9と、発光を終了するタイミングT10とが記憶される。
【0121】
なお、記憶部430は、発光素子500毎の光量について記憶せずに、グループの平均光量のみを記憶してもよい。発光素子500とグループの関係についても、ハードウェアに固定的な割り当てを行い、記憶部430で記憶しないでもよい。また、記憶部430は、発光素子500毎の発光対象ブロックを記憶しないでもよい。発光素子500の各々が発光処理を行う感光体ドラム9上の場所(ブロックに相当)は、ハードウェアに固定的な割り当てが行われている場合、記憶部430で記憶している必要はない。
【0122】
つまり、各発光素子500に対して、予めハードウェアにより固定的な設定がされている場合、記憶部430は、グループ毎の平均光量と、ストローブ期間に関する情報とを記憶しておけばよい。ここで、記憶されるストローブ期間に関する情報には、発光を開始するタイミング及び発光を終了するタイミングを特定する情報を含む。
【0123】
なお、調整された発光期間等に関する情報は、固体走査ヘッド11内に設けられたメモリに記憶されてもよい。このメモリには、例えば不揮発性メモリ(EEPROM)でもよい。
<画像書込み制御部の発光期間調整:その2>
(1)ストローブ間隔の短縮
図13は、本実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。図13.Aは、ストローブ期間とストローブ間隔とが調整される前のタイミングチャートであり、図13.Bは、ストローブ期間とストローブ間隔とが調整された後のタイミングチャートである。
【0124】
ストローブ期間の調整に加えて、画像書込み制御部433は、ストローブ間隔(Tb1〜Tb3)を短縮してもよい。これにより、1ライン分の発光処理期間を短縮することができる。
【0125】
発光処理期間中に、感光体ドラム9は副走査方向にわずかに移動するため、ストローブ周期が長いと、異なるグループで発光処理されたブロック間で発光される感光体ドラム9上の場所である露光点の、直線性が保てなくなる。ストローブ間隔を短縮すると、ストローブ周期が短くなり、画像書込み制御部433は、露光点が直線に近づくように、発光の処理をすることができる。
【0126】
直交性を保つためには、ストローブ間隔は、可能な限り短くすることが望ましい。画像書込み制御部433は、最短のストローブ間隔を、固体走査ヘッド11の固体差、ハードウェア上の制約等を考慮して決定してもよい。
【0127】
なお、ストローブ間隔を短くする場合でも、色毎の1ライン分の発光処理の時間、つまりライン信号の間隔は、統一されている。
【0128】
また、画像書込み制御部433は、設定可能な最長のストローブ間隔を決定してもよい。最長のストローブ間隔は、ライン信号の受信タイミングを考慮して決定されてもよい。
【0129】
記憶部430は、設定された最短のストローブ間隔と、最長のストローブ間隔とを記憶してもよい。
【0130】
(2)ストローブ期間の最短値の設定について
図14は、本実施形態に係るタイミングチャートの一例を示す図である。図14.Aは、ストローブ期間とストローブ間隔とが調整される前のタイミングチャートである。
【0131】
上述した例では、各グループの発光素子500の発光エネルギーの平均値が、固体走査ヘッド11に搭載されている全発光素子500の発光エネルギーの平均値99.7(μJ)に近づくように、ストローブ期間Ta1〜Ta4を調整していた。
【0132】
図14.Bは、ストローブ期間が調整された後のタイミングチャートである。調整された後のTa1は103(μ sec.)、Ta2は97(μ sec.)、Ta3は100(μ sec.)、Ta4は96(μ sec.)、である。
【0133】
記憶部430は、設定可能な最短のストローブ期間を記憶している。最短のストローブ期間は、発光素子500の性能、例えば発光素子500の最短の発光可能時間を考慮して設定されている。
【0134】
あるグループに属する発光素子500の発光エネルギーが高く、ストローブ期間を最短に設定した場合でも、他のグループに属する発光素子500の発光エネルギーとの差が十分に近づかない可能性がある。
【0135】
例えば、最短のストローブ期間が99(μ sec.)の場合、調整後のストローブ期間は、99(μ sec.)以上とする必要がある。上述した実施形態では、第2グループの調整後のストローブ期間Ta2が97(μ sec.)、第3グループの調整後のストローブ期間Ta3が96(μ sec.)であるため、最短のストローブ期間である99(μ sec.)以上となるように、再度、各ストローブ期間を調整する必要がある。
【0136】
例えば、各グループの発光素子500当たりの発光エネルギーの平均値を、目標値に近づくように調整してもよい。ここで、目標値は、全発光素子500の発光エネルギーの平均値より大きい値である。各グループのストローブ期間は、以下のように求められる。
【0137】
各グループのストローブ期間 = 目標値 / 各グループの発光素子500の発光エネルギーの平均値
例えば、目標値を105(μ J)とする場合、第1のストローブ期間Ta1は109(μ sec.)、第2のストローブ期間Ta2は102.6(μ sec.)、第3のストローブ期間Ta3は、105.3(μ sec.)、第4のストローブ期間Ta4は、104.7(μ sec.)となる。
【0138】
再度調整された後の、タイミングチャートを図14.Cに示す。また、調整後のストローブ期間とグループ平均発光エネルギー等との関係を図15に示す。
【0139】
記憶部430は、図15に示す調整結果を記憶し、画像書込み制御部433は、調整結果を参照して、書込み制御を行う。
【0140】
ここで、画像書込み制御部433は、最も発光素子500の光量の平均値が高いグループのストローブ期間を最短のストローブ期間となるように目標値を調整してもよい。
【0141】
本実施形態では、最も発光素子500の光量の平均値が高いのはグループ2であり、光量の平均値は、1.023(W)である。
【0142】
最短のストローブ期間は、99(μ sec.)であるから、目標値は以下のように求められる。
【0143】
目標値=1.023(W) × 99(μ sec.)) = 101.277(μ J)
この場合、第1のストローブ期間Ta1、第3のストローブ期間Ta3、及び第4のストローブ期間Ta4は、それぞれ105.2(μ sec.)、101.6(μ sec.)、及び101.0(μ sec.)となる。
【0144】
ストローブ期間の最短の期間を考慮して、ストローブ期間を再度調整したことにより、1ラインの発光処理をする期間が長くなる(図14 C 延長時間)。ライン信号を受信すると画像書込み制御部433は、次のラインの書込みを開始する必要があるため、ライン信号の書込み周期内で、1ラインの発光処理を行えるよう留意して、ストローブ期間は調整される必要がある。
【0145】
加えて、図14.Cに示すように、目標値に近づくように調整する場合、固体走査ヘッド11による発光処理のエネルギーが、全発光素子500の発光エネルギーの平均値に近づくように調整する場合と比べて大きくなる。これにより、感光体ドラム9上に形成されるトナー画像の濃度が濃くなり過ぎる恐れがあるため、現象器12、又は転写器15等の処理を調整する必要がある。
【0146】
(3)ストローブ期間の最長値の設定について
記憶部430は、設定可能な最長のストローブ期間を記憶している。最長のストローブ期間は、固体走査ヘッド11のハード性能、固体走査ヘッド11の消費電力量、電流値、及びライン信号の受信間隔等を考慮し予め設定されている。
【0147】
あるグループに属する発光素子500の発光エネルギーが低く、ストローブ期間を最長に設定した場合でも、他のグループに属する発光素子500の発光エネルギーとの差が十分に近づかない可能性がある。
【0148】
例えば、最長のストローブ期間が102(μ sec.)の場合、調整後のストローブ期間は、102(μ sec.)以下とする必要がある。上述した実施形態では、第1グループの調整後のストローブ期間Ta1が103(μ sec.)であるため、最長のストローブ期間である102(μ sec.)以下となるように、再度、各ストローブ期間を調整する必要がある。
【0149】
画像書込み制御部433は、発光素子500の光量の平均値が最も低いグループのストローブ期間を最長のストローブ期間となるように目標値を調整してもよい。
【0150】
本実施形態では、最も発光素子500の光量の平均値が低いのはグループ1であり、光量の平均値は、0.963(W)である。
【0151】
最長のストローブ期間は、102(μ sec.)であるから、目標値は以下のように求められる。
【0152】
目標値=0.963(W) × 102(μ sec.)) = 98.226(μ J )
この場合、ストローブ期間は以下のように求められる。
【0153】
ストローブ期間 = 目標値 / 各グループの発光素子500の平均光量
第2のストローブ期間Ta1、第3のストローブ期間Ta3、及び第4のストローブ期間Ta4は、それぞれ96.0(μ sec.)、98.5(μ sec.)、及び97.9(μ sec.)となる。
【0154】
この場合、固体走査ヘッド11による発光処理のエネルギーが、全発光素子500の発光エネルギーの平均値に近づくように調整する場合と比べて小さくなる。これにより、感光体ドラム9上に形成されるトナー画像の濃度が薄くなり過ぎる恐れがあるため、現象器12、又は転写器15等の処理を調整する必要がある。
【0155】
(4)その他のストローブ期間の調整について
上述した、発光期間の調整方法に加えて、ストローブ間隔を短くしつつ、ストローブ期間の調整をしてもよい。つまり、上述した「(1)ストローブ間隔の短縮」と、「(2)ストローブ期間の最短値の設定について」、又は「(3)ストローブ期間の最長値の設定について」等とを組み合わせて実施してもよい。
【0156】
この場合に、1ラインの発光処理の時間は、調整前より長くなってもよいし、短くなってもよい。
【0157】
但し、1ライン分の発光処理の時間が長くなる場合は、次のライン信号の受信タイミングに留意する必要がある。ライン信号を受信すると、画像書込み制御部433は、次のラインの発光処理を開始する必要があるためである。
【0158】
[第2の実施形態]
図16乃至図18を用いて第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0159】
図16は、第2の実施形態に係る固体走査ヘッド11の感光体ドラム9への発光処理の方法の一例を示す図である。
【0160】
第1の実施形態では、各グループの発光素子500の発光エネルギーの平均値が、近づくように、ストローブ期間の調整を行った。本実施形態では、発光素子500が、発光時に感光体ドラム9上に形成するスポット径に基づいて調整を行う。
【0161】
図16に示すように、発光素子500は、発光時に、感光体ドラム9上にスポット径(スポット径1〜12)を形成する。発光素子500は、其々異なる発光特性を有しているため、スポット径の面積は微妙に異なる。スポット径の大きさと、ストローブ期間との乗算値が、感光体ドラム9に与えるエネルギーと相関関係を有する。このため、スポット径とストローブ期間とを調整することによっても、感光体ドラム9上に形成されるトナー画像の濃度のムラの発生を抑えることができる。
【0162】
調整方法については、第1の実施形態と同様である。この場合、「固体走査ヘッド11に搭載される全発光素子500の平均スポット径 × ストローブ期間(cm2 × μ sec.)」に近づくように、「各グループの発光素子500の平均スポット径 × 各グループのストローブ期間(cm2 × μ sec.)」を調整する。
【0163】
図17は、第2実施形態に係る調整前の「スポット径 × ストローブ期間」の関係の一例を示す図であり、図18は、第2実施形態に係る調整後の「スポット径 × ストローブ期間」の関係の一例を示す図である。
【0164】
図17から、「固体走査ヘッド11に搭載される全発光素子500の平均スポット径 × ストローブ期間(cm2 × μ sec.)」は、99.7(cm2 × μ sec.)となる。
【0165】
「各グループの発光素子500の平均スポット径 × 各グループのストローブ期間(cm2 × μ sec.)」が99.7(cm2 × μ sec.)になるよう、画像書込み制御部433は、各グループのストローブ期間を調整する。
【0166】
画像書込み制御部433による、ストローブ期間の調整結果を図17に示す。第1のストローブ期間Ta1は103(μ sec.)、第2のストローブ期間Ta2は97(μ sec.)、第3のストローブ期間Ta3は100(μ sec.)、第4のストローブ期間Ta4は96(μ sec.)となる。
【0167】
記憶部430は、図18に示す調整結果を記憶し、画像書込み制御部433は、調整結果を参照して、書込み制御を行う。
【0168】
ストローブ期間を調整することにより、各グループの「各グループのスポット径の大きさの平均値 × 各グループのストローブ期間」の値が近づき、トナー画像の濃度のムラの発生を抑えることができる。
【0169】
なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、ストローブ期間、及びストローブ間隔の調整を行えることは勿論である。
【0170】
なお、スポット径は、発光素子500の性能の一例であり、「スポット径 × ストローブ期間」は、発光素子500の能力の一例である。
【0171】
また、グループに属する発光素子500のスポット径の平均は、発光体の性能の一例であり、グループに属する発光素子500の「スポット径 × ストローブ期間」の平均は、発光体の能力の一例である。
【0172】
[第3の実施形態]
図19を用いて、第3の実施形態について説明する。第1及び第2の実施形態と共通する部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0173】
図19は、第3の実施形態に係る固体走査ヘッド11の感光体ドラム9への発光処理の方法の一例を示す図である。
【0174】
第1及び第2の実施形態では、固体走査ヘッド11の主走査方向に発光素子500が一列に配置されている例について説明したが、発光素子500は固体走査ヘッド11にN行 × M列に配置可能ある(NとMとは自然数)。この場合も、上述した実施形態と同様に、各発光素子500は、各発光素子500に対応付けられたブロックに対して発光処理を行う。
【0175】
第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態で説明したストローブ期間と、ストローブ間隔との調整方法を適用することが可能である。
【0176】
<その他>
画像書込み制御部433が、設定するグループ数を4として説明したが、グループ数は任意の数に設定可能である。
【0177】
また、発光素子500のグループへの割り当てについては、上述した実施形態の割り当て方法に限定されない。発光素子500をランダムに選択してグループを形成してもよいし、連続するブロックに発光処理を行う発光素子500を選択してグループを形成してもよい。発光素子500の光量のグループ毎の平均値が、ばらつかないようにグループを形成させた後に、画像書込み制御部433は、さらに該平均値を近づけるために、ストローブ期間を調整してもよい。
【0178】
上述した実施の形態における画像形成装置100は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、プリンタ、及びFAX等である。
【0179】
上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、画像形成装置100に供給してもよい。そして、その画像形成装置100が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、上述の実施形態が達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は、いずれかの実施の形態を構成することになる。ここで、記憶媒体は、記録媒体または非一時的な記憶媒体である。
【0180】
また、コンピュータ装置が読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。そのプログラムコードの指示に従って、コンピュータ装置上で動作しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部または全部を行ってもよい。さらに、その処理によって前述した実施形態の機能が実現されてもよいことは言うまでもない。
【0181】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0182】
9 感光体ドラム
11 固体走査ヘッド
100 画像形成装置
430 記憶部
433 画像書込み制御部
500 発光素子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0183】
【特許文献1】特開第2010−179555号
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