特開2017-7341(P2017-7341A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-7341(P2017-7341A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】画像形成方法及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20161216BHJP
   C09D 11/54 20140101ALI20161216BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20161216BHJP
   B41M 5/50 20060101ALI20161216BHJP
   B41M 5/52 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   B41M5/00 A
   C09D11/54
   B41J2/01 121
   B41J2/01 123
   B41J2/01 129
   B41J2/01 501
   B41M5/00 B
   B41M5/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-156382(P2016-156382)
(22)【出願日】2016年8月9日
(62)【分割の表示】特願2011-154329(P2011-154329)の分割
【原出願日】2011年7月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
(74)【代理人】
【識別番号】100116481
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 利郎
(72)【発明者】
【氏名】竹内 則康
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 晋哉
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 正行
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
(72)【発明者】
【氏名】有賀 保
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式会社リコー内
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
【Fターム(参考)】
2C056EA05
2C056EA25
2C056EE17
2C056EE18
2C056FA13
2C056FB01
2C056FC02
2C056HA41
2C056HA42
2C056HA44
2H186AB01
2H186AB02
2H186AB03
2H186AB06
2H186AB11
2H186AB33
2H186AB51
2H186AB54
2H186BA08
2H186DA09
2H186DA10
2H186FB04
2H186FB08
2H186FB36
2H186FB38
2H186FB44
2H186FB46
2H186FB57
4J039AD21
4J039BE01
4J039CA02
4J039EA43
4J039EA46
4J039GA24
(57)【要約】
【課題】濡れ張力の低いポリオレフィン樹脂などからなる非浸透性記録媒体であっても、少量の前処理剤で均一な薄層を形成することができる画像形成方法及び画像形成装置の提供。
【解決手段】非浸透性記録媒体の表面に活性エネルギー線硬化性の材料を含む前処理剤を付与する工程、活性エネルギー線照射工程を挟まずに、前記前処理剤付与面に対して放電処理を行う工程、前記前処理剤層に活性エネルギー線硬化性の材料及び着色剤を含むインクをインクジェット方式により吐出して画像を形成する工程、活性エネルギー線を照射して前処理剤及びインクを硬化させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非浸透性記録媒体の表面に活性エネルギー線硬化性の材料を含む前処理剤を付与する工程、活性エネルギー線照射工程を挟まずに、前記前処理剤付与面に対して放電処理を行う工程、前記前処理剤層に活性エネルギー線硬化性の材料及び着色剤を含むインクをインクジェット方式により吐出して画像を形成する工程、活性エネルギー線を照射して前処理剤及びインクを硬化させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記放電処理がコロナ放電処理であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記前処理剤の付与をインクジェット方式で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記非浸透性記録媒体がポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記前処理剤を付与する前に、非浸透性記録媒体に対し放電処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項6】
非浸透性記録媒体に対し、活性エネルギー線硬化性の材料を含有する前処理剤を付与する付与手段、放電処理を行う放電処理手段、未硬化状態の前処理剤層に、活性エネルギー線硬化性の材料及び着色剤を含むインクをインクジェット方式により吐出する吐出手段、活性エネルギー線を照射して前処理剤及びインクを硬化させる硬化手段を備え、少なくとも、前処理剤を付与した後であってインクを吐出する前の段階で、前処理剤に対して放電処理が行われるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録技術は、加圧オンデマンド方式や荷電制御方式などを用い、インクを微小ノズルを通して液滴化し、画像情報に応じて紙等の記録媒体に付着させる技術である。この技術は、プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置に好適に用いられているが、記録媒体に直接インクを付着させ画像を形成できるため、電子写真記録のような感光体を用いた間接記録に比べ、簡便な装置構成で記録ができ、今後記録媒体への画像記録方式として更なる発展が期待されている。
また、インクジェット記録方式は、低騒音のプリント方式であり、画像信号に応じて、インクを、紙、布及びプラスチックシート等の記録媒体上に直接吐出して文字や画像等をプリントする方式(直接吐出方式とも呼ぶ)が主流である。また、インクジェット記録方式は、プリントの際に版を必要としないので少部数でも効率的な印刷物が作成でき、産業用途からも期待されている。しかし、産業用途に用いるには様々な記録媒体に画像形成しなければならず、上記直接吐出方式ではこれを満足させることができない。即ち、直接吐出方式によるインクジェット記録は記録媒体の制限が大きい画像形成方式である。
【0003】
その具体的な制限の1つに記録媒体のインク浸透性の影響が挙げられる。
インクジェット記録方式で用いられるインクは成分のほとんどが液体成分であるために記録媒体のインクに対する吸収浸透性の違いが画像再現性に影響を与える。特に、液体が浸透しない(非インク浸透性)記録媒体を用いると、隣接して印字されたインク滴が混ざりあってしまう(ブリーディング)現象、先に着弾したインク滴が後に着弾したインク滴に引き寄せられてしまう(ビーディング)現象が起こりやすいため、画像形成は非常に難しい。さらに浸透乾燥が使えず蒸発乾燥になるので、重ね合わせた際の裏移り等の問題を引き起こし、特に高速性に対して乾燥性を確保できなくなる。
【0004】
このような問題に対処するため、紫外線硬化型の樹脂を含有したインクを用い、印字後に紫外線を照射して硬化させることにより非浸透性の記録媒体に印字する方法がある。ここで用いる紫外線硬化型のインクは、顔料を含むインク全体が硬化するので、非浸透性の記録媒体であっても画像を形成することができる。
しかし、記録媒体上のインクの広がり方は、記録媒体の表面の濡れ張力の影響を受けるため、濡れ張力の低いポリオレフィン系の素材(ポリエチレンやポロプロピレンなど)に対してはインクが十分に広がらず、濡れ張力の高い素材に比較して多くのインクを使用しなければ同等の画像濃度を得ることができない。また、隣接するインク滴が結合する必要があるべた部では、インク滴が結合する際に素材のわずかな表面状態の差でインク滴が移動してむらを起こしやすいという問題がある。
【0005】
通常、このような濡れ張力の低い素材に対しては、インクの濡れ性を向上させるために記録媒体を表面処理することが一般に行われており、特許文献1〜2では、記録装置の中に表面処理装置を組み込んでいる。しかしながら、表面処理済みの記録媒体であってもポリオレフィン系の素材では、PET(ポリエチレンテレフタレート)などと比べてインクの広がりが悪く多くのインクを必要とする。
また、特許文献3〜4では、記録媒体上に紫外線硬化型の下塗り液又は色剤を含まない液体(前処理剤)を塗布し、これを半硬化させた前処理層の上に有色インクで画像を形成することにより、記録媒体の表面の状態の影響を受けない画像の形成を行っている。
しかし、濡れ張力の低い素材の記録媒体に少量の前処理剤で均一な層を形成することは難しく、多くの前処理剤が必要となるため、前処理剤を含めたインクの総使用量は多くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリオレフィン樹脂(ポリエチレンやポリプロピレンなど)のフィルムは、濡れ張力が非常に低く20mN/m程度である。このままでは印刷適性が低いため、コロナ放電処理したフィルムが存在し、処理済みのポリプロピレンフィルムとして市販されている。その濡れ張力は40mN/m程度で、印刷には問題ないレベルである。
一方、インクジェット方式で前処理剤を付与する場合には、吐出された前処理剤液滴が表面張力により記録媒体表面を濡らして広がり、隣接する液滴がつながる必要がある。しかし、インクジェット方式では、前記コロナ放電処理済みのポリオレフィン樹脂フィルムでも前処理剤液滴は広がらない。そのため、前処理剤液滴がつながる状態になるように高密度で前処理剤を吐出しなければ、一様な前処理剤層を形成することができない。その結果、ポリオレフィン樹脂フィルムのような濡れ張力の低い記録媒体では、均一な前処理剤層を形成するために、必要以上の前処理剤を吐出する必要があり、コスト面で不利であるだけでなく、後から吐出されるインクの前処理剤層中での広がりも抑制してしまい、画像濃度の低い画像しか得られなかった。
本発明は、上記問題点の解決を目指すものであり、濡れ張力の低いポリオレフィン樹脂などからなる非浸透性記録媒体であっても、少量の前処理剤で均一な薄層を形成することができる画像形成方法及び画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、次の1)〜6)の発明によって解決される。
1) 非浸透性記録媒体の表面に活性エネルギー線硬化性の材料を含む前処理剤を付与する工程、活性エネルギー線照射工程を挟まずに、前記前処理剤付与面に対して放電処理を行う工程、前記前処理剤層に活性エネルギー線硬化性の材料及び着色剤を含むインクをインクジェット方式により吐出して画像を形成する工程、活性エネルギー線を照射して前処理剤及びインクを硬化させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
2) 前記放電処理がコロナ放電処理であることを特徴とする1)記載の画像形成方法。
3) 前記前処理剤の付与をインクジェット方式で行うことを特徴とする1)又は2)記載の画像形成方法。
4) 前記非浸透性記録媒体がポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の画像形成方法。
5) 前記前処理剤を付与する前に、非浸透性記録媒体に対し放電処理を行うことを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載の画像形成方法。
6) 非浸透性記録媒体に対し、活性エネルギー線硬化性の材料を含有する前処理剤を付与する付与手段、放電処理を行う放電処理手段、未硬化状態の前処理剤層に、活性エネルギー線硬化性の材料及び着色剤を含むインクをインクジェット方式により吐出する吐出手段、活性エネルギー線を照射して前処理剤及びインクを硬化させる硬化手段を備え、少なくとも、前処理剤を付与した後であってインクを吐出する前の段階で、前処理剤に対して放電処理が行われるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、濡れ張力の低いポリオレフィン樹脂などからなる非浸透性記録媒体であっても、少量の前処理剤で均一な薄層を形成することができる画像形成方法及び画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の画像形成方法の一例を示す図。
図2】前処理剤液滴が濡れ広がる状態の説明図。
図3】前処理剤液滴の隙間に別の前処理剤液滴を吐出した状態を示す図。
図4】前処理剤を塗布ローラを用いて付与する場合の説明図。
図5】本発明の画像形成装置の一例を示す図。
図6】本発明の画像形成装置の他の例を示す図。
図7】本発明の画像形成装置の更に他の例を示す図(1つのコロナ放電処理装置で記録媒体と前処理剤層に放電処理を行う場合)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明は、濡れ張力の低いポリオレフィン樹脂などからなる非浸透性記録媒体であっても、少量の前処理剤で均一な薄層を形成することができるようにするため、非浸透性記録媒体の表面に活性エネルギー線硬化性の材料を含む前処理剤を付与した後、付与面に対して放電処理を行うことを特徴とする。前処理剤としては着色剤を含まないものを用いる。
上記放電処理を行うことにより前処理剤の記録媒体上での濡れ広がりを促進させることができ、濡れ張力の低い非浸透性記録媒体でも前処理剤液滴を広げることができるので、濡れ張力の高いPETなどからなる記録媒体と同様に、少量の前処理剤で均一な薄層を形成することができる。
また、前述したコロナ放電処理を施して濡れ張力を高くし印刷特性を改善した市販のフィルムは、経時でその効果が低下するが、本発明ではこのような問題も生じない。
活性エネルギー線としては紫外線、電子線などがあるが、紫外線が最も一般的である。
【0011】
本発明の画像形成方法の一例について図1を参照して説明する。
図1では、給紙装置から記録媒体が給紙され、前処理剤付与手段の前処理剤吐出ヘッドから、前処理剤がインクジェット方式により付与される。その後、放電処理手段であるコロナ放電処理装置によりコロナ放電が行われ、記録媒体上に分散して存在していた前処理剤液滴が記録媒体上で広がり、隣接するドットの液滴がつながって均一な前処理剤層が形成される。次いで、その上に、インク吐出ヘッドから画像信号に応じてインクが吐出されることにより画像が形成され、硬化手段である紫外線照射装置(高圧水銀灯)によって硬化されて画像が完成する。
【0012】
インクジェット方式によって記録媒体上に離散的に分布した状態で吐出された前処理剤液滴は、前処理剤に対する濡れ性の低い非浸透性記録媒体の場合、前処理剤液滴が十分に広がらず、前処理剤のある部分とない部分ができてしまう。このような状態の前処理剤層にインクで画像を形成した場合、前処理剤液滴のない部分は記録媒体の影響を受けてインクの濡れ広がりに差を生じ、前処理剤液滴のある部分は記録媒体の濡れ性の影響を受けずに均一なインク滴による画像を形成できることになり、画像にムラが生じることになる。しかし、前処理剤を付与した段階で放電処理を行うと前処理剤液滴を濡れ広げることができ、均一な薄層状態を形成できる。その結果、表面の濡れ張力が低く前処理剤液滴が濡れ広がらない非浸透性記録媒体においても、放電による拡張作用で濡れ広がった状態となり、均一な前処理剤層が形成され、そこにインクを吐出させることができるので、記録媒体の濡れ性の影響を受けずに均一なインク滴による画像を形成できる。さらに離散的に吐出された前処理剤液滴を濡れ広がらせることができるので、少量の前処理剤で効率よく前処理剤層を形成することができる。
【0013】
次に、前処理剤液滴が濡れ広がる状態について説明すると、図2の上段に示すように、濡れ張力が低い素材表面に吐出された前処理剤液滴は、記録媒体に対して濡れ広がらずに盛り上がった状態になっている。この状態では、時間がたっても前処理剤液滴は広がらないため、通常の方法で前処理剤液滴の隙間を埋めるためには、図3のように、隙間を埋める位置に別の前処理剤液滴を吐出する必要がある。
これに対し、本発明の画像形成方法では、前処理剤液滴に対して放電処理を行うことにより、図2の下段に示すように前処理剤液滴が濡れ広がるので、前処理剤液滴の隙間を埋めることができ、効率よく少量の前処理剤で均一な前処理剤層を形成することができる。
【0014】
前処理剤が吐出された非浸透性記録媒体に対して放電処理を行うことにより前処理剤液滴が広がる理由としては、放電により放出される高エネルギーの電子やイオンが衝突して前処理剤液滴を広げる他に、前処理剤のない記録媒体表面に衝突した電子やイオンによりラジカルやイオンが生成し、これらに周囲のオゾン、酸素、窒素、水分などが反応して、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基などの極性官能基が導入されて濡れ性が向上することが考えられる。
前処理剤を構成する材料の抵抗値が低いと放電が前処理剤液滴に集中し、一様な処理が難しいため、前処理剤を構成する成分は電気的に絶縁性を有するか又は高抵抗の材料であることが望ましい。後述する活性エネルギー線硬化型の前処理剤に使用されるモノマーは一般に電気抵抗が高いので、本発明の画像形成方法に適している。
【0015】
プラスチックフィルム等の表面改質によく利用される放電処理方法としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理などがあり、何れも放電により高エネルギーの電子やイオンを衝突させて表面を改質させるものである。プラズマ放電処理装置には、大気圧かつ高周波で行うタイプと低圧で行うタイプがあるがどちらの方式であっても構わない。
しかし、プラズマ放電に比較してコロナ放電処理装置は安価で処理できる特徴があり、本発明でも、コロナ放電処理装置を用いることが好ましい。コロナ放電処理装置の形態や出力は特に限定されない。
コロナ放電処理装置は、絶縁された電極と誘電体ロールとの間に処理フィルムを通し、高周波(約40kHz)高電圧を印加してコロナ放電を発生させるものである。このコロナ放電によって酸素等の気体成分が活発なプラズマ状態となり、コロナ放電の中の加速電子が樹脂表面に衝突し、樹脂表面の分子鎖切断及び含酸素官能基付加が起こる。
このとき、コロナ放電によりオゾンが発生し、オゾンの酸化作用により金属部品の錆や臭気が発生するので、放電部には、吸引装置と活性炭などからなるオゾン除去フィルターが必要になる。
【0016】
コロナ放電処理を採用する場合の処理の程度は、放電の効率(W)と処理速度(m/min)によって決まる。放電の効率が高いほど、また処理速度が遅いほど効果は大きくなるが、過度に放電処理を行うと、特に前処理剤の付与されていない領域において、記録媒体の表面がダメージを受け、透明なフィルムの場合などは白濁してしまうことがある。濡れ広げるために必要な放電量は、非浸透性記録媒体の素材によって変わるが、例えば、OPPフィルム(二軸延伸したポリプロピレンフィルム)などの場合、放電量は、30〜100W/(m/min)以下とすることが好ましい。
【0017】
前処理剤を画像データに関係なく記録媒体の全面に付与する場合には、図4に示すような塗布ローラを用いた接触式の付与手段が使用できる。この場合、塗布ローラ全面に一様な前処理剤層が形成されるので、放電処理を行わなくても、記録媒体の表面に一様な前処理剤の付与を行うことが可能であるが、塗布時の塗布面の乱れを抑制するため放電処理を行うことにより、一層均一な前処理剤層を形成することができる。
しかし、本来、非画像領域には前処理剤を付与する必要はないので、画像データに応じて選択的に前処理剤を付与する方が好ましい。そのための方法としては前記インクジェット方式が好ましく、データに応じて自在に領域を設定して前処理剤を付与することが可能であり、前処理剤の使用量を必要最小限に抑えることができる。この場合、前処理剤は離散的に分布する液滴として付与されるので、放電処理を行うことにより、必要な領域ごとに均一な前処理剤の薄層を形成することができる。
【0018】
本発明では、放電処理により前処理剤液滴を濡れ広げているが、ポリオレフィン樹脂フィルムなどの濡れ性の悪い非浸透性記録媒体の場合には、前処理剤付与前に適度に濡れ張力を高くしておかないと、後から放電処理を行っても十分に前処理剤液滴を広げられないこともあり、また、初期の状態で前処理剤液滴の広がりにムラがあると、その状態がそのまま拡張されてムラが残ってしまうこともある。そこで、前処理剤の付与前の記録媒体に対しても放電処理を行うことが好ましく、これにより前処理剤に対する濡れ性の悪い非浸透性記録媒体でも、前処理剤液滴の濡れ広がりを更に促進させることができるし、ムラの発生も防止できる。
【0019】
図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す図であり、記録媒体として連帳のフィルムを用いた例である。給紙部から排紙部に向かってフィルムを巻き取ることによりフィルムを搬送し、前処理剤付与装置により前処理剤を吐出して前処理剤層を形成し、コロナ放電処理装置により放電処理を行って前処理剤液滴を必要な程度まで濡れ広げ、次いで、インク吐出ヘッドからインクを吐出して画像を形成した後、紫外線照射装置の高圧水銀灯から紫外線を照射して前処理剤及びインクを硬化させ、画像を形成する。
前処理剤液滴の濡れ広がりのための放電処理は、記録媒体によっては必要ない場合もあるので、装置の制御については、記録媒体の素材や表面の濡れ張力の状態によって放電処理を行う場合と行わない場合とを選択できるようにすると良い。さらに、搬送速度やコロナ放電の強度(電圧)を調整して、それぞれの記録媒体の表面の状態に応じて調整できるようにしても良い。
また、インク吐出ヘッドを記録媒体の搬送方向に対して複数個配置して、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのインク吐出を順次行い、フルカラーの画像を形成することも可能である。
【0020】
図6は、本発明の画像形成装置の他の例を示す図であり、図5の場合と同様にして搬送された連帳のフィルムに、コロナ放電処理装置により表面処理を行い、次いで、前処理剤付与装置により前処理剤を付与する。このとき、インクジェット方式により非画像領域を除く領域に前処理剤を付与することが好ましい。次いでコロナ放電処理装置により放電処理を行って前処理剤液滴を濡れ広げ、一様な前処理剤の薄層を形成する。次いで未硬化状態の前処理剤層の上に、画像に応じてインク吐出ヘッドからインクを吐出し、紫外線照射装置の高圧水銀灯から紫外線を照射して前処理剤及びインクを硬化させ画像を形成する。
この装置では、コロナ放電処理装置を2個備えた構成となっているが、図7に示すように、1つのコロナ放電処理装置で記録媒体と前処理剤層の両方の処理を行うようにすると装置の簡素化が図れる。
【0021】
また、記録媒体として連帳のシートを使用する場合、図7の上段に示すように、最初、排紙部にシートをセットし、コロナ放電処理装置により放電処理をしながら、装置の搬送手段を逆回転させて給紙部に巻き取る。次いでシート全体の放電処理を終えたところで、装置の搬送手段の方向を切り替え、図7の下段に示すように、前処理剤付与装置により、必要な領域に前処理剤を付与し、先にシートの放電処理のために使用したコロナ放電処理装置により前処理剤液滴を濡れ広げて均一な前処理剤層を形成し、次いで、インク吐出ヘッドからインクを吐出した後、紫外線照射装置の高圧水銀灯から紫外線を照射して前処理剤及びインクを硬化させ、画像を形成する。ここでインク吐出ヘッドを複数配置してカラー画像を形成することもできる。なお、前処理剤に対する記録媒体の濡れ張力の程度によっては、図7の上段に示す工程はなくてもよいので、適宜切り替えられるようにするとよい。また、前処理剤液滴の濡れ広がりのための放電処理は、記録媒体によっては必要ない場合もあるので、図5の場合と同様に、記録媒体の素材や表面の濡れ張力の状態によって放電処理を行う場合と行わない場合とを選択できるように制御するとよい。
【0022】
活性エネルギー線により硬化する前処理剤は、少なくとも重合性化合物及び光重合開始剤を含み、活性エネルギー線により硬化するインクは、前記材料に加えて着色剤を含む。この着色剤を含まない前処理剤をクリアインクと称することもある。なお、前記重合性化合物及び光重合開始剤の種類は、前処理剤とインクとで異なっていても同じでもよい。
活性エネルギー線硬化型インク又は前処理剤は、一般にラジカル重合性化合物を含むラジカル重合型と、カチオン重合性化合物を含むカチオン重合型とに大別されるが、本発明ではどちらの型の重合性化合物も適用可能であり、それらを混合して用いてもよい。
前処理剤としては、着色剤を含まないクリアインク又は白色の顔料を含んだものが好ましい。インクとしては、黒、シアン、マゼンタ、イエローなどの着色剤を含んだものを主に使用するが、ホワイトなどの他、階調表現を豊かにする薄色インクを併用することも可能である。
インク又は前処理剤中の重合性化合物の割合は全体の10〜70重量%が好ましい。
【0023】
前記カチオン重合型インク又は前処理剤に用いる重合性化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールBA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールAD型エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、脂環式エポキシ、フルオレン系エポキシ、ナフタレン系エポキシ、グリシジルエステル化合物、グリシジルアミン化合物、複素環式エポキシ、α−オレフィンエポキシ等が挙げられる。
特に脂環式エポキシ化合物は粘度が低く且つ硬化速度が速いので好適である。具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート及びこのε−カプロラクトン変性物、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド−1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンが挙げられる。
また、オキセタン化合物は、インクに要求される特性に応じて適宜選択すれば良く、基材への密着性が特に重要となる場合は、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタンが好適である。
【0024】
前記カチオン重合型インク又は前処理剤には、必要に応じてビニルエーテル化合物を混合することができる。好ましいビニルエーテルとしては、例えば、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ビニル−4−ヒドロキシブチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルプロピオネート、ビニルカルバゾール、ビニルビロリドン等が挙げられる。
【0025】
前記カチオン重合型インク又は前処理剤には、更に必要に応じて、反応性成分として、プロペニルエーテル及びブテニルエーテルを配合できる。例えば1−ドデシル−1−プロペニルエーテル、1−ドデシル−1−ブテニルエーテル、1−ブテノキシメチル−2−ノルボルネン、1−4−ジ(1−ブテノキシ)ブタン、1,10−ジ(1−ブテノキシ)デカン、1,4−ジ(1−ブテノキシメチル)シクロヘキサン、ジエチレングリコールジ(1−ブテニル)エーテル、1,2,3−トリ(1−ブテノキシ)プロパン、プロペニルエーテルプロピレンカーボネート等が好適である。
【0026】
前記カチオン重合型インク又は前処理剤に適用できるカチオン重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線の照射により重合を開始させる物質を生成する化合物であれば良く、オニウム塩であるアリールスルフォニウム塩やアリールヨウドニウム塩が好適である。さらに必要に応じて、N−ビニルカルバゾール、チオキサントン化合物、9,10−ジブトキシアントラセン等のアントラセン化合物等の光増感剤を併用できる。
【0027】
前記ラジカル重合型インク又は前処理剤に用いる重合性化合物は、ラジカル重合開始剤から発生する開始種により重合反応を起こさせる各種公知のラジカル重合性のモノマーが好ましい。ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、芳香族ビニル類、ビニルエーテル類及び内部二重結合を有する化合物(マレイン酸など)等が挙げられる。以下、単官能の重合性化合物、及び多官能の重合性化合物を例示する。
【0028】
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる単官能の(メタ)アクリレート類の例としては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,3,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0029】
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる二官能の(メタ)アクリレートの例としては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる三官能以上の(メタ)アクリレートの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス〔(メタ)アクリロイルオキシプロピル〕エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる単官能の(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる単官能の前記芳香族ビニル類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
【0032】
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる単官能ビニルエーテルの例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
【0033】
ラジカル重合型インク又は前処理剤に使用できる多官能ビニルエーテルの例としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどが挙げられる。
【0034】
ビニルエーテル化合物としては、硬化性、非浸透性記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点からジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
【0035】
上記の中でも好ましい重合性化合物としては、分子構造中にラジカル重合可能な不飽和二重結合を有する比較的低粘度のモノマーが挙げられる。例えば、単官能基の2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート(EHA)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPA)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、二官能基のトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート(MANDA)及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(HPNDA)、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BGDA)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(BUDA)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、多官能基のトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル等が好ましい。
【0036】
具体的には、KAYARAD TC−110S、R−128H、R−526、NPGDA、PEG400DA、MANDA、R−167、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、GPO、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、PET−30、RP−1040、T−1420、DPHA、DPHA−2C、D−310、D−330、DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、KAYAMER PM−2、PM−21、KSシリーズHDDA、TPGDA、TMPTA、SRシリーズ256、257、285、335、339A、395、440、495、504、111、212、213、230、259、268、272、344、349、601、602、610、9003、368、415、444、454、492、499、502、9020、9035、295、355、399E494、9041203、208、242、313、604、205、206、209、210、214、231E239、248、252、297、348、365C、480、9036、350(日本化薬社製)、ビームセット770(荒川化学社製)等が挙げられる。
ビヒクルはこれらの中から選ばれる1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらはいずれも非浸透性記録媒体への濡れ性が良好で、広範囲の各種被着体物質に対し密着性に優れる。
【0037】
インク又は前処理剤には、低粘度化及び高速化のために水及び溶剤を添加しても良い。溶剤としては、インク又は前処理剤の構成成分を溶解し、印字後は速やかに蒸発するものであれば特に限定されないが、ケトン及び/又はアルコールを主溶剤とするものが好ましい。その例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよいが、水との混合溶剤として用いることが好ましい。
【0038】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系などが挙げられ、その他にアシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート等の特殊グループがある。具体例としては、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−クロロチオキサントン等が挙げられる。
光重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線硬化性材料に対し、0.01〜10重量%が好ましい。
【0039】
光重合開始助剤としては、トリエタノールアミン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、重合性3級アミン等が挙げられる。
具体例としては、バイキュア10、30、55(ストウファー)、KAYACURE BP−100、KAYACURE BMS、KAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE 2−EAQ、KAYACURE DMBI、KAYACURE EPA(日本化薬)、イルガキュア651、184、907、369、379(チバガイギ)、ダロキュア1173、1116、953、2959、2273、1664(メルク)、サンドレ1000(サンド)、カウンタキュアCTX、カウンタキュアBMS、カウンタキュアITX、カウンタキュアPDO、カウンタキュアBEA、DMB(ワードブレンキンソップ)、サンキュアーIP、BTTP(日本油脂)等が挙げられる。その他に、光重合開始剤含有タイプの光硬化型樹脂を使用しても良い。
【0040】
着色剤には特に制限はなく、公知の水溶性染料、油溶性染料、顔料等から適宜選択して用いることができる。その中でも非水溶性媒体に均一に分散、溶解しやすい油溶性染料、顔料が好ましく、特に耐候性に優れた顔料が望ましい。また、色の調整等で2種類以上の着色剤を適宜混合して用いることもできる。
顔料の添加量はインク全体の1〜20重量%が適量である。1重量%未満では画像品質が低下し、20重量%よりも多いとインク粘度特性に悪影響を与える。
【0041】
顔料としては例えばカラーインデックスに記載される下記の番号のものが挙げられる。
赤又はマゼンタ顔料として、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36
青又はシアン顔料としてPigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60
緑顔料として、Pigment Green 7、26、36、50
黄顔料として、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193
黒顔料として、Pigment Black 7、28、26
【0042】
具体的に商品名を示すと、例えば、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製)、KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製)、Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製)、Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製)、カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9、(三菱化学製)などが挙げられる。
【0043】
インク又は前処理剤には、更に機能性を付与するため、レベリング剤、重合促進剤、重合禁止剤、増感剤、光安定化剤、表面処理剤、界面活性剤、粘度低下剤、酸化防止剤、老化防止剤、可塑剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、保湿剤、分散剤、染料等を混合することができる。
上記した活性エネルギー線硬化性材料、着色剤及びその他の成分の混合、分散には、周知の各種の粉砕又は分散装置が適宜使用できるが、ビーズミル、ホモジナイザーが最適である。
【0044】
前処理剤及びインクを硬化させる硬化手段に用いる光源としては、紫外線を照射するものとして、前述した高圧水銀灯の他に、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LED等が挙げられる。紫外線照射ランプの場合には熱が発生し、記録媒体が変形してしまう可能性があるため、コールドミラー、コールドフィルター、ワーク冷却等の冷却機構が具備されていることが望ましい。
また、メタルハライドランプは、波長領域が広いため前処理剤を硬化させる光源として有効である。メタルハライドとしてはPb、Sn、Feなどの金属のハロゲン化物が用いられ、光重合開始剤の吸収スペクトルに合わせて選択できる。硬化に有効なランプであれば、特に制限は無い。
【0045】
インク又は前処理剤をインクジェット方式により吐出する手段は、下面に列上に並んだ複数のノズルと各々のノズル位置に対応したインク室又は前処理剤室を備え、アクチュエータにより各インク室又は前処理剤室の体積を変化させて、任意のノズルから任意のタイミングでインク滴又は前処理剤液滴を吐出することができる。吐出ヘッドは、主走査方向に必要な数配置して幅方向を一度に画像形成するいわゆるライン型のヘッドであっても、記録媒体を停止させた状態でヘッドを主走査方向へ移動させることにより記録媒体の幅方向への吐出を行うシリアル型であっても構わない。さらに粘度調整のための温度制御手段を設けてもよい。
【実施例】
【0046】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0047】
<前処理剤>
下記処方の材料を混合撹拌して前処理剤を調製した。
・(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート
(MEDOL−10、大阪有機化学工業社製)…70質量部
・ハイパーブランチポリマー
(大阪有機化学工業社製、ビスコート#1000)…30質量部
・光重合開始剤(Ciba社製、イルガキュア379)…10質量部
【0048】
<インク>
下記処方の材料を混合撹拌してインクを調製した。
・下記低分子アクリレートモノマーの混合液(合計170質量部)
・ライトアクリレートPO−A(共栄社化学社製)…55質量部
・アクリロイルモルホリンACMO(興人社製)…55質量部
・トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート TMPEOTA
(ダイセル・サイテック社製)…60質量部
・添加剤:BYK UV3510(ビッグケミー・ジャパン社製)…0.2質量部
・光開始剤(Ciba社製、イルガキュア379)…20質量部
・着色剤:カーボンブラック顔料
(デグサ社製 Special Black 350)…10質量部
【0049】
下記非浸透性記録媒体に対し、上記前処理剤及びインクを用いて処理し評価を行った。結果を表1に示す。
(a)パイレンフィルム−OT(P2161) ポリプロピレン素材からなり、片面がコロナ放電処理されているフィルム(東洋紡績社製)
(b)エステルフィルム(E5100) PET素材からなり、片面がコロナ放電処理されているフィルム(東洋紡績社製)

まず、上記フィルム(a)(b)のコロナ放電処理面及び未処理面に対して、リコープリンティングシステム社製 Gen4ヘッドを使用したインクジェット吐出装置により、600dpiの解像度で、5pLの液滴となるように波形を調整して、前処理剤を1mmの距離から8m/secの速度で吐出した後、放電処理を行い、均一な薄層が形成されるかどうかを評価した。
また、P2161の処理面については、前処理剤付与前にも放電処理を行った後、上記と同様にして前処理剤の吐出及び放電処理を行い、評価した。
放電処理には、tantec社製コロナ表面処理装置HV2010を使用し、幅200mmの放電電極を使用して、ギャップ2mm、電圧8kVの条件で放電した。その結果、100Wの出力が得られ、30mm/secの処理速度にして放電量36W/(m/min)の処理を行った。
次いで、上記と同じインクジェット吐出装置により、600dpiの解像度で、5pLの液滴となるように波形を調整し、前記前処理剤を付与した非浸透性記録媒体に対し、インクを1mmの距離から8m/secの速度で吐出して全ベタ画像を形成し、Integration Technology社製Sub Zero 085(Aバルブ)を用いて硬化させ、ベタ画像の濃度ムラを調べた。
【0050】
【表1】
【0051】
上記表1の結果から分かるように、本発明によれば、前処理剤付与後に放電処理を行うことによって、OPPに対しても前処理剤の均一な薄層を形成することができた。
また、ベタ画像の濃度ムラについては、前処理剤層の均一性に応じて、均一なものは均一なベタ画像となり、不均一なものは濃度ムラのある画像となった。即ち前処理剤付与後に放電処理を行うことによって、インクや前処理剤に対して濡れ張力の低い非浸透性記録媒体に対しても、前処理剤の均一な薄層を形成することができ、さらに均一なムラのない画像を得ることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開2008−207528号公報
【特許文献2】特開2003−237217号公報
【特許文献3】特開2008−105382号公報
【特許文献4】特開2007−261203号公報
図1
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図5
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図7