特許第5691939号(P5691939)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5691939
(24)【登録日】2015年2月13日
(45)【発行日】2015年4月1日
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 17/00 20060101AFI20150312BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20150312BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20150312BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20150312BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20150312BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20150312BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20150312BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20150312BHJP
【FI】
   H02J17/00 B
   B60L11/18 C
   B60M7/00 X
   B60L5/00 B
   H02J7/00 P
   H02J7/00 301D
   H02J17/00 X
   H01M10/44 Q
   H01M10/46
   H01M10/48 P
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-186730(P2011-186730)
(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公開番号】特開2013-51744(P2013-51744A)
(43)【公開日】2013年3月14日
【審査請求日】2013年10月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】小濱 浩文
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】古川 信也
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内
【審査官】 関口 明紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−167031(JP,A)
【文献】 特開2007−135335(JP,A)
【文献】 特開2008−253131(JP,A)
【文献】 特開2000−006683(JP,A)
【文献】 米国特許第05573090(US,A)
【文献】 特開平07−067270(JP,A)
【文献】 特開平08−237890(JP,A)
【文献】 特開2010−068632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00− 3/12、 7/00−13/00、
15/00−15/42、
B60M 7/00、
H02J 7/00− 7/12、 7/34− 7/36、17/00、
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に設けられ位置合わせ信号を送信する一次コイルと、
電力供給用高周波電源から前記一次コイルへ充電用高周波電流を給電する路面側高周波電流給電手段と、
車両前方側に設けられ前記位置合わせ信号を受信する制御コイルと、前記制御コイルより車両後方側に設けられ前記一次コイルと磁気結合し得るように設けられた充電用二次コイルと、からなる車両側コイルと、
前記一次コイルと前記充電用二次コイルとの共鳴磁気結合を介して、前記電力供給用高周波電源から前記一次コイルへ給電される前記充電用高周波電流をもとに前記充電用二次コイルに誘起する起電力により前記車両が搭載する電池を充電する充電手段と、
前記電力供給用高周波電源による前記電池の充電のための制御情報を、前記一次コイルと前記制御イルおよび前記充電用二次コイルとを介して電波により送受信する通信手段と、
前記通信手段により送受信される前記制御情報をもとに前記路面側高周波電流給電手段による前記一次コイルへの高周波電流の給電を制御する路面側充電制御部と、
前記制御情報をもとに前記充電手段による前記電池の充電を制御する車両側充電制御部と、
前記位置合わせ信号に基づいて前記車両の走行位置を調整し、前記充電用二次コイルと前記一次コイルとが重なるように前記車両側コイルの位置合わせを行う車両側コイル位置調整手段と、を備え、
前記車両側充電制御部は、前記制御コイルで前記位置合わせ信号が受信できなくなった場合、前記充電用二次コイルから前記一次コイルに対して充電停止信号を送信し、
前記路面側充電制御部は、前記一次コイルで前記充電停止信号を受信した場合、前記一次コイルへの前記充電用高周波電流の給電を停止する、
ことを特徴とするワイヤレス給電システム。
【請求項2】
前記制御情報は、前記車両が搭載する電池の認証のための電池認証情報と、前記電池の充電状況を示すSOC情報、充電電流、充電電圧のうちいずれかを少なくとも含む充電情報とを含むことを特徴とする請求項記載のワイヤレス給電システム。
【請求項3】
前記電池の充電状況を示すSOC情報に応じた走行速度をオートクルージング機能に対し指示する車速指示手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のワイヤレス給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に対しワイヤレスで効率よく給電を行うワイヤレス給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電池に蓄えた電気エネルギーを利用しモータ駆動により走行する電気自動車の普及する兆しが目に見えて顕著になってきている。この電気自動車では充電可能なバッテリに電気エネルギーを蓄え、この電気エネルギーを利用し電動モータを駆動源として走行する。このような電気自動車においては、バッテリとしてリチウムイオン電池などの二次電池が用いられる。課題としては、内燃機関車と比べて、航続距離が短いこと、充電時間が長いこと、二次電池が高価であることが挙げられる。
そして、充電を行う形態としても、車両を停止した状態にして、充電器側の充電プラグを車両の充電口へ接続して行うのが一般的である。しかし、静止充電中は車両を運転できない。そこで、この課題(航続距離が短いこと、充電時間が長いこと)を解決するために、電動車両に搭載した二次電池を走行中に給電するワイヤレス給電システムが提案されている。このようなワイヤレス給電システムとしては、移動体が走行する降坂路近傍に磁界発生手段を設けると共に、前記移動体に誘導コイルを搭載し、前記移動体の前記降坂路走行時に前記磁界発生手段および前記誘導コイルによる電磁誘導によって前記移動体に電気エネルギーを供給するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−177917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来のワイヤレス給電システムでは、移動体が走行する降坂路近傍に設けられた磁界発生手段と、移動体に設けられた誘導コイルとの距離および位置関係を高い精度で制御しなければ効率のよいエネルギー供給が困難になるという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、充電のための電気エネルギーを非接触で効率よく供給できるワイヤレス給電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、路面に設けられ位置合わせ信号を送信する一次コイルと、電力供給用高周波電源から前記一次コイルへ充電用高周波電流を給電する路面側高周波電流給電手段と、車両前方側に設けられ前記位置合わせ信号を受信する制御コイルと、前記制御コイルより車両後方側に設けられ前記一次コイルと磁気結合し得るように設けられた充電用二次コイルと、からなる車両側コイルと、前記一次コイルと前記充電用二次コイルとの共鳴磁気結合を介して、前記電力供給用高周波電源から前記一次コイルへ給電される前記充電用高周波電流をもとに前記充電用二次コイルに誘起する起電力により前記車両が搭載する電池を充電する充電手段と、前記電力供給用高周波電源による前記電池の充電のための制御情報を、前記一次コイルと前記制御イルおよび前記充電用二次コイルとを介して電波により送受信する通信手段と、前記通信手段により送受信される前記制御情報をもとに前記路面側高周波電流給電手段による前記一次コイルへの高周波電流の給電を制御する路面側充電制御部と、前記制御情報をもとに前記充電手段による前記電池の充電を制御する車両側充電制御部と、前記位置合わせ信号に基づいて前記車両の走行位置を調整し、前記充電用二次コイルと前記一次コイルとが重なるように前記車両側コイルの位置合わせを行う車両側コイル位置調整手段と、を備え、前記車両側充電制御部は、前記制御コイルで前記位置合わせ信号が受信できなくなった場合、前記充電用二次コイルから前記一次コイルに対して充電停止信号を送信し、前記路面側充電制御部は、前記一次コイルで前記充電停止信号を受信した場合、前記一次コイルへの前記充電用高周波電流の給電を停止する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
発明によれば、路面に設けられた一次コイルと車両に設けられた車両側コイルとの電波を介して通信手段により送受信される制御情報をもとに、路面側充電制御部により高周波電流給電手段による前記一次コイルへの高周波電流の給電が制御され、また車両側充電制御部により充電手段による電池の充電が制御されるため、充電のための電気エネルギーをワイヤレスで効率よく供給できる。
【0008】
発明によれば、車両の走行位置を調整し、車両側コイルと一次コイルとが重なるように前記車両側コイルの位置合わせを行う車両側コイル位置調整手段を備えるように構成したので、充電のための電気エネルギーをワイヤレスで効率よく供給できる。
【0009】
発明によれば、制御情報は、車両が搭載する電池の認証のための電池認証情報と、前記電池の充電状況を示すSOC情報、充電電流、充電電圧などの充電情報を含むように構成したので、一次コイルと車両側コイルとの電波を介して通信手段により送受信される前記制御情報をもとに前記一次コイルへ高周波電流が給電され、また前記制御情報に応じて前記電池が充電され、充電のための電気エネルギーをワイヤレスで効率よく供給できる。
【0010】
発明によれば、電池の充電状況を示すSOC情報に応じた走行速度をオートクルージング機能に対し指示する車速指示手段を備えるように構成したので、充電のための電気エネルギーをワイヤレスで効率よく供給できる。
【0011】
発明によれば、車両側コイルは制御コイルと充電用二次コイルから構成され、充電手段は、一次コイルと充電用二次コイルとの共鳴磁気結合を介して、電力供給用高周波電源から一次コイルへ給電される充電用高周波電流をもとに充電用二次コイルに誘起する起電力により車両が搭載する電池を充電し、通信手段は、電力供給用高周波電源による電池の充電のための制御情報を、一次コイルと制御コイルの電波を介して送受信するように構成したので、一次コイルが設けられた路面を車両が走行すると、一次コイルと制御コイルを介して通信手段により送受信される制御情報をもとに、一次コイルへ給電される高周波電流により充電用二次コイルに誘起する起電力により電池が充電され、充電のための電気エネルギーをワイヤレスで効率よく供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの構成を示す概略構成図である。
図2】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの充電エリアの構成を示す説明図である。
図3】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面に設置された一次コイルLへ給電を行う道路側の構成を示す説明図である。
図4】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面に設置された一次コイルへ給電を行う路面側充電制御部とスイッチ回路の構成を示す説明図である。
図5】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの車両側の回路構成を示す説明図である。
図6】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面に設置された一次コイル(C1)と車両側の制御コイルの位置関係と、その位置関係に応じた差動増幅回路決の出力との一例を示す説明図である。
図7】本発明の第1の実施の形態であるワイヤレス給電システムの動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2の実施の形態であるワイヤレス給電システムの構成を示す概略構成図である。
図9】本発明の第2の実施の形態であるワイヤレス給電システムの充電エリアの構成を示す説明図である。
図10】本発明の第2の実施の形態であるワイヤレス給電システムの車両側と道路側の構成を示すブロック図である。
図11】本発明の第2の実施の形態であるワイヤレス給電システムの動作を示すフローチャートである。
図12本発明の第3の実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面の一次コイルLの構成を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態であるワイヤレス給電システムの構成を示す概略構成図である。このワイヤレス給電システムは、道路側に設けられた路面側充電制御部1、路面GLに敷設された複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6から構成される一次コイルL、車両2の路面GLと対面するシャーシ裏面に配置された制御コイル3、前記シャーシ裏面に制御コイル3と一定距離離れて配置された充電用二次コイル4、車両2に搭載され、制御コイル3と充電用二次コイル4とを介して車両2が搭載するバッテリ6に対し非接触で効率よく充電を行う車両側充電制御部5を備えている。車両側充電制御部5は充電制御ECUを有しており、例えばステアリング制御ECUなどの他のECUと通信を行い、データの送受信が可能である。
車両側充電制御部5は、通信手段8、車両側コイル位置調整手段9、車速指示手段10を備えている。
通信手段8は、車両2が搭載するバッテリ6の認証のための電池認証情報、バッテリ6の充電状況を示すSOC情報、車両側充電制御ECUが演算した、指示充電電流、充電電圧などの充電情報を含む制御情報、そして車両位置合わせ情報を、前記一次コイルLと制御コイル3との間で電波を介して路車間通信する。この路車間通信により、電池認証と車両位置合わせ情報の確認後、前記一次コイルLと充電用二次コイル4の磁気結合(磁気共鳴)を介して、充電情報に基づいた電力を二次コイル4に給電する。
車両側コイル位置調整手段9は、前記一次コイルLと制御コイル3、前記一次コイルLと充電用二次コイル4が重なるように車両2の走行位置を電動パワーステアリングで調整し、前記車両側コイルの位置合わせを行う。
車速指示手段10は、バッテリ6の充電状況を示すSOC情報に応じた走行速度をオートクルージング機能に対し指示する機能を備える。
この実施の形態のワイヤレス給電システムでは、車両側充電制御部5により車両2が搭載する例えばリチウムイオン電池であるバッテリ6へ道路側に設けられた路面側充電制御部1から給電し充電を行う。
一次コイルLは、車両2が走行する本線道路の走行レーンの路面GLに敷設されている。一次コイルLは複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6が並列に接続されており、電力供給用高周波電源から所定の共鳴周波数(f4)の高周波電流が供給される。この実施の形態では、一次コイルLはそれぞれ所定の等間隔で本線道路の走行レーンの路面GLに敷設されている。
図2は、充電エリアの構成を示す説明図である。
【0014】
路面側充電制御部1は道路側に設けられており、一次コイルLを介して車両側充電制御部5との間で行う電波通信により送受信する位置合わせ信号(周波数f1)、電池認証情報(周波数f2)、充電停止信号(周波数f3)、充電指示信号(周波数f3)、充電情報(周波数f3)をもとに、一次コイルLに対し所定周波数f4の高周波電流の供給を行う。充電停止信号、充電指示信号および充電情報は周波数f3を搬送波とするコード化された信号とする。
制御コイル3は、車両2の路面GLと対面するシャーシ裏面に配置されている。
一次コイルLと制御コイル3との間の電波通信を実現する通信手段8により、位置合わせ信号、電池認証情報、充電停止信号、充電指示信号、充電情報などの制御情報が路面側充電制御部1と車両側充電制御部5との間で送受信される。
充電用二次コイル4は、路面GLに敷設された一次コイルLとの間の磁気結合(磁気共鳴)により、前記一次コイルL側から充電用の所定周波数(f4)の高周波電流が供給される。また、車両側充電制御部5と路面側充電制御部1との間での所定周波数f3の充電停止信号、充電指示信号および充電情報の送受信を、充電用二次コイル4は前記一次コイルLとの間で電波通信により実現する。
車両側充電制御部5は、路面側充電制御部1との間で所定周波数f1による位置合わせ信号の送受信、所定周波数f2による電池認証情報の送受信、所定周波数f3による充電停止信号、充電指示信号および充電情報の送受信を行う。そして、電池認証後、車両2が一次コイルLが敷設された本線道路の走行レーンを走行しているときの車両2のステアリングの自動調整を行い、車両2の走行位置の調整を行い、制御コイル3と本線道路の走行レーンの路面GLに敷設された一次コイルLの位置合わせ、および充電用二次コイル4と路面GLに敷設された一次コイルLの位置合わせを行う。充電用二次コイル4と路面GLに敷設された一次コイルLとの間の位置合わせが行われ、車両2が一次コイルL上を走行している状態になると、前記一次コイルL側へ供給された充電用の所定周波数f4の高周波電流により、一次コイルLと充電用二次コイル4との間の磁気結合(磁気共鳴)を介して充電用二次コイル4に起電力が誘起され、車両2が搭載しているバッテリ6へ充電が行われる。
【0015】
図3は、この実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面に設置された一次コイルLへ給電を行う道路側の構成を示す説明図である。図4は、この実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面に設置された一次コイルLへ給電を行う路面側充電制御部1とスイッチ回路の構成を示す説明図である。この道路側の構成では、一次コイルLごとにスイッチ回路11,12,13,14,15,16,17が設けられている。このスイッチ回路の構成は、図4に示すように、路面側充電制御部1から出力される制御信号により状態が制御される常開接点111を備えている。そして、各スイッチ回路の常開接点111の一方の端子には電力供給用高周波電源が接続されている。常開接点111の他方の端子は並列接続された複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6の一方の端子に接続されている。また、常開接点111と接続されたコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6の一方の端子は、さらに路面側充電制御部1のフィルタ回路101,102,103と接続されている。フィルタ回路101は、中心周波数f1のバンドパスフィルタである。フィルタ回路102は、中心周波数f2のバンドパスフィルタである。フィルタ回路103は、中心周波数f3のバンドパスフィルタであり、車両側充電制御部5から、車両前部の制御コイルと一次コイルLを介して周波数f3の搬送波により送信された充電情報、充電停止信号、充電開始指示信号を抽出してデコード回路104へ出力する。デコード回路104は、フィルタ回路103から出力される周波数f3の搬送波により送信された充電情報、充電停止信号、充電開始指示信号をデコードし抽出する。
【0016】
図5は、この実施の形態のワイヤレス給電システムの車両側の回路構成を示す説明図である。図5に示す車両側の回路構成では、図1に示した制御コイル3は、所定の間隔を有した矩形状の二つの制御コイル31,32として車両2の路面GLと対面するシャーシ裏面に配置されている。この制御コイル31,32が所定の間隔を有して配置された形状は、路面の一次コイルLの形状と略同一となるように構成されている。
そして、制御コイル31には周波数f2の搬送波により送信される電池認証情報を制御コイル31へ出力する中心周波数がf2のバンドパスフィルタであるフィルタ回路201が接続されている。
また、車両側の充電用コイル4の位置を路面の一次コイルLに対し最適な位置に位置決めするためのフィルタ回路202,203、検波回路211,213、積分回路212,214、差動増幅回路215が設けられている。
フィルタ回路202は、中心周波数f1のバンドパスフィルタであり、制御コイル31に接続され、制御コイル31により受信された周波数f1の位置合わせ信号を抽出し検波回路211へ出力する。
フィルタ回路203は、中心周波数f1のバンドパスフィルタであり、制御コイル32に接続され、制御コイル32により受信された周波数f1の位置合わせ信号を抽出し検波回路213へ出力する。
検波回路211は、フィルタ回路202により抽出された位置合わせ信号を検波する。
検波回路213は、フィルタ回路203により抽出された位置合わせ信号を検波する。
積分回路212は、検波回路211により検波された位置合わせ信号を積分し、位置合わせ信号の受信レベルに応じた直流信号へ変換する。
積分回路214は、検波回路213により検波された位置合わせ信号を積分し、位置合わせ信号の受信レベルに応じた直流信号へ変換する。
差動増幅回路215は、積分回路212により変換された直流信号レベルと、積分回路214により変換された直流信号レベルとの差に応じた信号を出力する。差動増幅回路215の出力は充電制御ECUの車両側コイル位置調整手段9へ出力され、差動増幅回路215の出力に応じてパワーステアリングのモータを駆動し、車両2の走行位置を調整し、車両2が路面の一次コイルLの真上を走行し、路面の一次コイルLに対する車両側の制御コイル31,32の位置関係が路面の一次コイルLに対面して重なるように制御する。
図6は、車両2の進行方向が図面上、左方向から右方向へ走行しているとした場合の、路面の一次コイルLを構成するコイルC1と車両側の制御コイル31,32との位置関係と、その位置関係に応じた差動増幅回路215の出力との一例を示す説明図である。同図(a)は、路面の一次コイルLに対する車両側の制御コイル31,32の位置が路面の一次コイルLに対し左右のズレがない、つまり路面の一次コイルLに対する車両側の制御コイル31,32の位置関係が路面の一次コイルLに対面して重なる位置関係に自動調整された状態を示し、このときの差動増幅回路215の出力は負極側にも正極側にも振れていない“ゼロ”を示している。また同図(b)は、路面の一次コイルLに対する車両側の制御コイル31,32の位置が進行方向左側にずれている場合を示しており、このときの差動増幅回路215の出力は負極側に振れている。また同図(c)は、路面の一次コイルLに対する車両側の制御コイル31,32の位置が進行方向右側にずれている場合を示しており、このときの差動増幅回路215の出力は正極側に振れている場合を示している。
【0017】
次に動作について説明する。
充電制御情報と位置合わせ情報は、制御コイル31、32と一次コイルLの間で電波通信する。電力は、充電用二次コイル4と一次コイルLの間で共鳴磁気結合を介して伝送される。
図7は、この実施の形態のワイヤレス給電システムの動作を示すフローチャートであり、車両側充電制御部5の充電制御ECUと路面側充電制御部1との動作として示されている。
先ず、図1に示す車両2は通常の本線道路を走行している。このとき、自車両のバッテリ6に充電を行う場合、ドライバは自車両をそのまま通常の一次コイルLが敷設された本線道路を走行させる。このときドライバは自車両のバッテリの残容量を判断し、充電を指示する操作を行う。あるいは車両側において自車両のバッテリの残容量を判定し、充電を自動的に行うようにすることも可能である。
自車両制御部5は、自車両が通常の一次コイルLが敷設された本線道路を走行するようになると、制御コイル31、32と一次コイルLの間の電波通信が可能になることで、先ず電池認証処理を行う(ステップS1)。この電池認証処理では、車両側充電制御部5の充電制御ECUが電池ID情報を、フィルタ回路201を介して制御コイル31へ出力し、制御コイル31と路面の一次コイルLとを介して路面側充電制御部1へ送信する。路面側充電制御部1では前記一次コイルLに誘起した周波数f2による電池ID情報をフィルタ回路102を介して受信し、路面側充電制御部1では受信した電池ID情報をもとに電池認証、課金処理を行い、この認証結果、課金処理結果を制御コイル31と一次コイルLとの間の電波通信により車両側充電制御部5の充電制御ECUへ返信する(ステップS21)。
自車両制御部5では電池認証が完了したか否かを判定しており(ステップS2)、この電池認証が完了すると、自車両制御部5は、続いて、一次コイルLが敷設された本線道路の充電エリアの一次コイルL上を自車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS3)。
自車両が充電エリアの一次コイルL上を走行中であるか否かの判定は、次のようにして行われる。この実施の形態では、路面側充電制御部1は位置合わせ信号を兼ねた充電エリアであることを示す周波数f1の高周波信号を充電エリアの一次コイルLへ常時出力している。このため、車両2が一次コイルLが敷設された本線道路の充電エリアを走行し、一次コイルL上を走行するようになると、一次コイルL上を車両側の制御コイル3が通過する期間、一次コイルLを構成するコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6の順で制御コイル3と電波通信することにより、路面側充電制御部1から一次コイルLと制御コイル3とを介して車両側充電制御部5の充電制御ECUに、この周波数f1の位置合わせ信号を兼ねた高周波信号が送信される。それで車両2が充電エリアの一次コイルL上を走行中であると判定できる。
【0018】
車両側充電制御部5の充電制御ECUは、車両2が一次コイルL上を走行中であると判定すると、続けて車両2の制御コイル3および充電用二次コイル4の路面の一次コイルLに対する位置合わせ処理を行う(ステップS4)。この位置合わせ処理は、制御コイル31と前記路面の一次コイルLとが重なるときの位置関係に応じて制御コイル31に誘起される周波数f1の位置合わせ信号による起電力と、制御コイル32と前記路面の一次コイルLとが重なるときの位置関係に応じて制御コイル32に誘起される周波数f1の位置合わせ信号による起電力との差分が、図6に示すように制御コイル31および制御コイル32の前記路面の一次コイルLに対する平面的なズレに応じて正あるいは負の差分量となり、また制御コイル31および制御コイル32が前記路面の一次コイルLに対し平面的なズレがなく重なった状態では前記差分量はゼロになることから、車両2のパワーステアリング用のモータを前記差分量がゼロになる方向に制御することで車両2の走行位置を微調整し、車両側の制御コイル31,32が一次コイルLに重なるように、車両2が前記一次コイルL上を走行するように制御する。
一次コイルLに対し制御コイル31,32の位置がズレている状態は、図6(b)あるいは図6(c)として示されるが、図6(b)の状態は制御コイル31,32の一次コイルLに対する位置が進行方向左側にずれており、また図6(c)の状態は制御コイル31,32の一次コイルLに対する位置が進行方向右側にずれている状態を示す。この制御コイル31,32の一次コイルLに対するズレに応じて差動増幅回路215の出力は負極側あるいは正極側に振れ、またズレの量に応じたレベルとなる。制御コイル31,32の位置が一次コイルLに対し図6(a)に示すように左右のずれが生じていない状態になると、差動増幅回路215の出力はゼロとなる。車両側充電制御部5の充電制御ECUはこの差動増幅回路215の出力をもとに、この制御コイル31,32の一次コイルLに対する平面的な位置関係がズレのなくなる方向、つまり差動増幅回路215の出力がゼロとなる方向へパワーステアリング用のモータを制御し、車両2の走行位置を微調整する。この位置合わせ処理は、車両2の制御コイル31,32および充電用二次コイル4の路面の一次コイルLに対する位置合わせ処理が完了するまで行われる(ステップS5)。
この位置合わせ処理が完了すると、車両側充電制御部5の充電制御ECUは周波数f3の充電開始指示信号をフィルタ回路205を介して車両2の充電用二次コイル4へ出力する(ステップS6)。車両側充電制御部5の充電制御ECUから出力された充電開始指示信号は、充電用二次コイル4が一次コイルL上を通過する期間、充電用二次コイル4と前記一次コイルLとの電波通信により前記一次コイルLには周波数f3の高周波信号が誘導される。
【0019】
路面側充電制御部1では、前記一次コイルLに誘導した周波数f3の高周波信号はフィルタ回路103を介して検出され、さらにデコード回路104によりデコードされて充電開始指示信号が抽出される。路面側充電制御部1は、一次コイルLにより検出した信号が周波数f3の充電開始指示信号であると判定すると(ステップS22、ステップS23)、続いて充電開始指示信号の受信完了について車両側充電制御部5の充電制御ECUへ通知する(ステップS24)。
【0020】
車両側充電制御部5の充電制御ECUは、周波数f3の充電開始指示信号を充電用二次コイル4へ出力すると、続いて充電開始指示信号の受信完了について路面側充電制御部1から通知があったか否かを判定している(ステップS7)。路面側充電制御部1は、ステップS23において充電開始指示受信完了について車両側充電制御部5の充電制御ECUへ通知するため、車両側充電制御部5の充電制御ECUは、充電開始指示受信完了について通知ありと判定し、続いて自車両が搭載しているバッテリ6のSOC(State Of Charge)検出を行う(ステップS8)。
次に、車両側充電制御部5の車速指示手段10は、自車両のオートクルージング機能へステップS8で測定した自車両のSOCに応じた走行速度の指示を行う(ステップS9)。
そして、周波数f3の高周波信号を搬送波とする充電電流情報、充電電圧情報、検出したSOC情報などの充電情報を、フィルタ回路205を介して充電用二次コイル4へ出力する。この充電情報は、車両側の充電用二次コイル4と路面の一次コイルLとを介して路面側充電制御部1へ送信され、路面側充電制御部1ではフィルタ回路103とデコード回路104を介して充電情報を検出し、車両側充電制御部5から路面側充電制御部1への充電指示が行われる(ステップS10)。
車両側充電制御部5の充電制御ECUは、続いて路面側充電制御部1から充電情報の受信完了の返信があったか否かを判定する(ステップS11)。
【0021】
路面側充電制御部1では、車両側充電制御部5の充電制御ECUから送信された前記充電情報を検出し(ステップS26)、車両側充電制御部5の充電制御ECUから前記充電情報を受信すると(ステップS27)、車両側充電制御部5の充電制御ECUへ充電情報の受信完了について返信を行い(ステップS28)、図4に示す常開接点111を制御信号により閉成し、前記充電情報に応じた周波数f4の高周波電流を前記充電指示を受けたときの前記路面の一次コイルLへ、充電停止信号を受信するまで出力し(ステップS29、ステップS30、ステップS31)、前記路面の一次コイルLと磁気結合(磁気共鳴)した車両側の充電用二次コイル4を介して車両2のバッテリ6を充電する。
【0022】
一方、車両側充電制御部5の充電制御ECUは、路面側充電制御部1へ送信した充電指示に応じて自車両が搭載しているバッテリ6へ充電が行われると、測定した電池電圧、充電電流、SOCなどをもとに充電が完了した状態か否かを判定し(ステップS12)、充電が完了していないと判定すると、ステップS3へ戻り、充電エリアの判定、位置合わせ処理、充電指示を繰り返し、時々刻々と変化する車両2の走行位置の位置合わせと、バッテリ6の充電情報に応じた充電を行う。一方、充電が完了したと判定すると、周波数f3の高周波信号を搬送波とする充電停止信号をフィルタ回路205を介して充電用二次コイル4へ出力する(ステップS13)。
【0023】
路面側充電制御部1では、車両側充電制御部5の充電制御ECUから充電停止信号を受信すると(ステップS41、ステップS42)、図4に示す常開接点111を制御信号により開状態に制御し、前記路面の一次コイルLに対する周波数f4の高周波電流の供給を停止する(ステップS31)。
【0024】
充電エリア内でそれぞれ組にされた路面の一次コイルLは図2に示すように所定の間隔をあけて複数組、敷設されている。このため車両2が充電エリア内で組にされた路面の一次コイルL間を走行するとき、車両側の制御コイル31,32と路面の一次コイルLC1,C2,C3,C4,C5,C6との磁気結合(磁気共鳴)はなくなる。このため制御コイル31,32には周波数f1の高周波信号による起電力が一定レベル以上誘起されなくなる。この結果、車両側充電制御部5の充電制御ECUは、車両2は充電エリアの路面の一次コイルL上を走行していないと判定し(ステップS3)、周波数f3の高周波信号を搬送波とする充電停止信号を車両側の充電用二次コイル4へ出力する(ステップS14)。このとき車両2のシャーシ裏面の先端部に設けられている制御コイル31,32は路面の一次コイルLから外れた位置にあり、路面の一次コイルLとの電波通信は出来ない状態になっているが、車両側の充電用二次コイル4は路面の一次コイルL上にあり、車両側の充電用二次コイル4と路面の一次コイルLとは磁気結合(磁気共鳴)可能あるいは電波通信可能な状態にある。この結果、車両側の充電用二次コイル4と路面の一次コイルLとを介して前記充電停止信号は車両側充電制御部5の充電制御ECUから路面側充電制御部1へ送信される。
【0025】
路面側充電制御部1では、一次コイルLに誘起した周波数f3の充電停止信号を検出し(ステップS41)、車両側充電制御部5の充電制御ECUから充電停止信号を受信したと判定すると(ステップS42)、図4に示す常開接点111を閉成された状態から開状態へ制御信号により切り替え、充電用の周波数f4の高周波電流の一次コイルLへの出力をオフする(ステップS31)。この結果、車両2が充電エリア内で組にされた路面の一次コイルL間を走行するようになると、その直後に路面側充電制御部1では、前記充電停止信号を検出した路面の一次コイルLの図4に示す常開接点111を制御信号により制御し、それまで閉状態に制御していた常開接点111を開状態に制御し、車両側に給電している一次コイルLと周波数f4の充電用高周波電源との接続を遮断し、一次コイルLに出力していた充電用の周波数f4の高周波電流をオフし、車両2が搭載しているバッテリ6の充電のための給電を停止する。
そして、車両2が再度、次の組にされた路面の一次コイルL上を走行するようになると、車両側充電制御部5の充電制御ECUは、ステップS1から電池認証処理、位置合わせ処理、充電指示などの処理を繰り返し、また路面側充電制御部1では、ステップS21から電池ID認証処理、課金処理、車両2が走行している前記路面の一次コイルLに対する充電用の高周波電流の出力制御を繰り返す。
【0026】
また、車両2が本線道路の充電エリア内を通過し、充電エリアから外れると、車両2は一次コイルL上から外れて走行するようになる。車両2が充電エリアから外れると、先ず車両2のシャーシ裏面の先端部に設けられている制御コイル31,32と路面の一次コイルLとの間の電波通信が遮断され、制御コイル31,32には周波数f1の高周波信号による起電力が一定レベル以上誘起されなくなる。この結果、車両側充電制御部5の充電制御ECUは、自車両は一次コイルL上を走行中でないと判定し(ステップS3)、周波数f3の高周波信号を搬送波とする充電停止信号を車両側の充電用二次コイル4へ出力する(ステップS14)。このとき車両2のシャーシ裏面の先端部に設けられている制御コイル31,32は路面の一次コイルLから外れた位置にあり、路面の一次コイルLとの間の電波通信は遮断された状態になっているが、車両側の充電用二次コイル4は路面の一次コイルL上にあり、車両側の充電用二次コイル4と路面の一次コイルLとは磁気結合(磁気共鳴)あるいは電波通信可能な状態にある。この結果、車両側の充電用二次コイル4と路面の一次コイルLとを介して前記充電停止信号は車両側充電制御部5の充電制御ECUから路面側充電制御部1へ送信される。
【0027】
路面側充電制御部1では、一次コイルLに誘起した周波数f3の充電停止信号を検出し(ステップS41)、車両側充電制御部5の充電制御ECUから充電停止信号を受信したと判定すると(ステップS42)、図4に示す常開接点111を閉成された状態から開状態へ制御信号により切り替え、充電用の周波数f4の高周波電流の一次コイルLへの出力をオフする(ステップS31)。この結果、車両2が充電エリアを外れ一次コイルL上から外れて走行するようになると、その直後に路面側充電制御部1では、それまで充電用の周波数f4の高周波電流を出力していた一次コイルLに対し、図4に示す常開接点111を制御信号により制御し、それまで閉状態に制御していた常開接点111を開状態に制御し、車両側に給電している一次コイルLと周波数f4の充電用高周波電源との接続を遮断する。
【0028】
以上説明したように、この実施の形態によれば、車両のシャーシ裏面に制御コイル31,32と充電用二次コイル4を設け、充電エリアの路面上には並列接続されたコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6からなる一次コイルLを複数設けた。そして、制御コイル31,32のそれぞれと一次コイルLとの間の電波通信により先ず電池認証処理が行われ、電池認証が承認されると、次に制御コイル31,32に誘起される高周波信号による起電力のレベルが、それぞれ等しいレベルになるように車両2のパワーステアリングのモータが制御されることにより車両2の走行位置の微調整が行われ、車両2が充電エリアを走行中、車両2の制御コイル31,32と充電用二次コイル4とが路面の一次コイルLと重なる状態になるように位置合わせが行われる。さらに、この位置合わせが行われた状態で自車両のSOCに応じた自車両の走行速度制御、充電指示などの送受信が制御コイル31,32と一次コイルLとの間、あるいは充電用二次コイル4と一次コイルLとの間の電波通信を介して通信手段7,8により行われ、充電用二次コイル4と一次コイルLとの間の共鳴磁気結合により路面側充電制御部1から車両2が搭載するバッテリ6に対し充電が行われる。従って、走行中の車両2と路面側充電制御部1との間で、車両2の制御コイル31,32および充電用二次コイル4と、路面の一次コイルLとを介して通信を行いながら、車両2の路面側充電制御部1から走行中の車両2に対しワイヤレスで効率よく充電できる。
【0029】
(第2の実施の形態)
なお、以上説明した実施の形態では、車両2は制御コイル31,32と充電用二次コイル4の二種類のコイルを備えた構成であったが、制御コイル31,32と充電用二次コイル4とを一種類の車両側二次コイルとして構成し、この車両側二次コイルと路面の一次コイルLとの間の共鳴磁気結合を介して一次コイルLから非接触で給電を行うとともに電波通信により必要な各種情報を送受信する構成であってもよい。
図8は、この実施の形態のワイヤレス給電システムの構成を示す概略構成図である。図8において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。このワイヤレス給電システムは、道路側に設けられた路面側充電制御部301、車両2の路面GLと対面するシャーシ裏面に配置され、車両2が充電エリアを走行すると、路面の一次コイルLと磁気結合する車両側二次コイル41,42を介してバッテリ6へ充電を行う車両側充電制御部305を備えている。車両側充電制御部305は充電制御ECUを有しており、例えばステアリング制御ECUなどの他のECUと通信を行い、データの送受信が可能である。
この実施の形態のワイヤレス給電システムでも、車両2が搭載する例えばリチウムイオン電池であるバッテリ6へ道路側に設けられた充電制御部301から充電を行う。
この実施の形態では、充電エリアの構成は、図9に示すように本線道路から分岐した分岐路として構成されている。そして、複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6からなる一次コイルLが所定の間隔を有して複数組、充電エリアの路面GLに敷設されている。
図9は、この実施の形態のワイヤレス給電システムの充電エリアの構成を示す説明図である。
図8に戻り、充電制御部301は、通信手段7,8により一次コイルLと車両側二次コイル41,42との電波通信により車両側充電制御部305との間で送受信する位置合わせ信号(f1)、電池認証情報(f2)、充電情報(f3)、充電エリア判定情報(f5)をもとに、一次コイルLに対し所定周波数f4の充電用の高周波電流の供給を行う。
一次コイルLに対し電力供給用高周波電源から所定周波数f4の充電用の高周波電流の供給を行う構成は、この実施の形態においても前記第1の実施の形態の図3図4で説明した構成と同一であり、図3に示す路面に設置された一次コイルLへ給電を行う道路側の構成と、図4に示す路面に設置された一次コイルLへ給電を行う路面側充電制御部とスイッチ回路の構成は、この実施の形態に引用する。
なお、この実施の形態でも電池認証情報は周波数f2を搬送波とするコード化された信号とする。また、充電停止、充電指示および充電情報は周波数f3を搬送波とするコード化された信号とする。
車両側二次コイル41,42は、車両2の路面GLと対面するシャーシ裏面に配置されており、車両側充電制御部305は車両側二次コイル41,42と一次コイルLとの間の電波通信を実現する通信手段8,7により位置合わせ信号、電池認証情報、充電停止信号、充電指示信号、充電情報を充電制御部301との間で送受信する。また、電力供給用高周波電源がスイッチ回路11〜17により一次コイルLへ接続されることで、一次コイルLへ充電用の所定周波数(f4)の高周波電流が供給される。
車両側充電制御部305は、充電制御部301との間で所定周波数f1による位置合わせ信号の送受信、所定周波数f2を搬送波とする電池認証情報の送受信、所定周波数f3を搬送波とする充電停止信号、充電指示信号および充電情報の送受信を行う。そして、車両側コイル位置調整手段9が前記位置合わせ信号をもとに車両2が充電エリアを走行しているときの車両2のステアリングの自動調整を行い、車両2の走行位置の制御を行い、前記車両側二次コイル41,42と、路面GLに敷設された一次コイルLとの間の位置合わせを行う。
車両側二次コイル41,42と路面GLに敷設された一次コイルLとの間の位置合わせが行われ、車両側二次コイル41,42と一次コイルLとが重なる状態で車両2が充電エリアの一次コイルL上を走行すると、電力供給用高周波電源から充電用の所定周波数f4の高周波電流が一次コイルLへ供給され、一次コイルLと前記車両側二次コイル41,42との間の磁気結合(磁気共鳴)により車両側二次コイル41,42に起電力が励起され、車両2が搭載しているバッテリ6へ充電が行われる。
【0030】
図10は、この実施の形態であるワイヤレス給電システムの車両側と道路側の構成を示すブロック図である。道路側の構成では、一次コイルLごとにスイッチ回路11,12,13,14,15,16,17が設けられている。図10では、複数設けられている一次コイルLのうちの一つと路面側充電制御部301との回路構成を示しており、充電制御部301には路面の一次コイルLごとに図10に示す構成が設けられている。
スイッチ回路の構成は図4に示すように、各スイッチ回路は路面側充電制御部301から出力される制御信号により状態が制御される常開接点111を備えている。そして、各スイッチ回路の常開接点111の一方の端子には電力供給用高周波電源が接続されている。常開接点111の他方の端子は並列接続された一次コイルLを構成するコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6の一方の端子に接続されている。常開接点111と接続されたコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6の一方の端子は、充電制御部301のフィルタ回路432,433,434,435と接続されている。
フィルタ回路432は、中心周波数f1のバンドパスフィルタである。フィルタ回路433は、中心周波数f5のバンドパスフィルタである。フィルタ回路434は、中心周波数f3のバンドパスフィルタであり、電波通信により車両側二次コイルと一次コイルLを介して車両側充電制御部305から周波数f3の搬送波により送信された充電停止信号、充電開始指示信号および充電情報を検出しデコード回路436へ出力する。デコード回路436は、フィルタ回路434から出力される周波数f3の搬送波により送信された充電停止信号、充電開始指示信号および充電情報をデコードし抽出する。
【0031】
図10に示す車両側の構成では、車両側二次コイル41,42の配置された形状は、路面の一次コイルLの形状と略同一となるように構成されている。そして、一方の車両側二次コイル41には周波数f2の搬送波により送信される電池認証情報が出力され、あるいは路面側充電制御部301から送信されてくる電池認証結果、課金処理結果を検出する中心周波数f2のバンドパスフィルタであるフィルタ回路414が接続されている。
また、車両側二次コイル41にはフィルタ回路411,413が接続されている。
フィルタ回路411は、中心周波数f4のバンドパスフィルタであり、磁気結合された車両側二次コイル41と一次コイルLを介して車両側充電制御部305の電力供給用高周波電源から供給された周波数f4の充電用の高周波電流を車両側充電回路へ出力する。
フィルタ回路413は、中心周波数f3のバンドパスフィルタであり、電波通信により車両側二次コイル41と一次コイルLを介して、充電停止信号、充電指示信号、充電情報を路面側充電制御部301へ出力する。
また、車両側二次コイル42にはフィルタ回路412,415が接続されている。
フィルタ回路412は、中心周波数f4のバンドパスフィルタであり、磁気結合された車両側二次コイル42と一次コイルLを介して車両側充電制御部305の電力供給用高周波電源から供給された周波数f4の充電用の高周波電流を車両側充電回路へ出力する。
フィルタ回路415は、中心周波数f5のバンドパスフィルタであり、充電制御部301へ送信される充電エリア判定情報を車両側二次コイル42へ出力し、また電波通信により一次コイルLと車両側二次コイル42とを介して充電制御部301から送られてきた充電エリア判定情報を検出する。
また、車両側二次コイル41,42の位置を路面の一次コイルLに対し最適な位置に位置決めするためのフィルタ回路416,417、検波回路418,420、積分回路419,421、作動増幅回路422を含む車両側コイル位置調整手段9が設けられている。
フィルタ回路416は中心周波数f1のバンドパスフィルタであり、車両側二次コイル41に接続され、車両側二次コイル41に誘起した周波数f1の位置合わせ信号を検出し検波回路418へ出力する。
フィルタ回路417は、中心周波数f1のバンドパスフィルタであり、車両側二次コイル42に接続され、車両側二次コイル42に誘起した周波数f1の位置合わせ信号を検出し検波回路420へ出力する。
検波回路418は、フィルタ回路416により検出された位置合わせ信号を検波する。
検波回路420は、フィルタ回路417により検出された位置合わせ信号を検波する。
積分回路419は、検波回路418により検波された位置合わせ信号を積分し、位置合わせ信号の受信レベルに応じた直流信号へ変換する。
積分回路421は、検波回路420により検波された位置合わせ信号を積分し、位置合わせ信号の受信レベルに応じた直流信号へ変換する。
差動増幅回路422は、積分回路419により変換された直流信号レベルと、積分回路421により変換された直流信号レベルとの差に応じた信号を出力する。差動増幅回路422の出力は図示していない充電制御ECUへ出力され、充電制御ECUは、差動増幅回路422の出力に応じてステアリングを駆動するモータの制御信号を生成し、ステアリング制御ECUを介して車両2の走行位置を調整し、路面の一次コイルLに対する車両側二次コイル41,42の位置関係がズレのない路面の一次コイルLに対面して重なるように制御する。
【0032】
次に動作について説明する。
図11は、この実施の形態のワイヤレス給電システムの動作を示すフローチャートであり、車両側充電制御部305の充電制御ECUと路面側充電制御部301との動作として示されている。図11において図7と同一または相当のステップについては同一の符号を付し説明を省略する。
この実施の形態では、車両が本線道路から充電エリアに進路変更し路面上の一次コイルL上を走行するようになると、車両側二次コイル41,42と一次コイルLの間の電波通信が可能になることで、先ず電池認証処理を行う(ステップS1)。この電池認証処理では、車両側充電制御部305の充電制御ECUが電池ID情報を、フィルタ回路414を介して車両側二次コイル41へ出力し、車両側二次コイル41と路面の一次コイルLとを介して路面側充電制御部301へ送信する。路面側充電制御部301では前記一次コイルLに誘起した周波数f2による電池ID情報をフィルタ回路435を介して受信し、路面側充電制御部301では受信した電池ID情報をもとに電池認証、課金処理を行い、この認証結果、課金処理結果を一次コイルLと車両側二次コイル41との間の電波通信により車両側充電制御部305の充電制御ECUへ返信する(ステップS21)。
車両側充電制御部305では電池認証が完了したか否かを判定しており(ステップS2)、電池認証が確認され電池認証が完了すると、車両側二次コイル41,42と前記路面側の一次コイルLとの電波通信を実現する通信手段7,8により車両側充電制御部305と路面側充電制御部301との間で周波数f5の充電エリア判定情報が送受信される。車両側充電制御部305では、自車両が路面上の一次コイルL上を走行しているか否かを判定しており(ステップS3)、路面側充電制御部301から充電エリア判定情報を受信することで車両2が路面上の一次コイルL上を走行していると判定する。また路面側充電制御部301でも、車両側充電制御部305から充電エリア判定情報を受信することで路面上の一次コイルL上を車両2が走行しているか、また車両2が充電エリアのどの一次コイルL上を走行しているかを判定する(ステップS121)。
この実施の形態でも、車両側充電制御部305は自車両について充電エリアの一次コイルL上を走行していると判定すると、車両側二次コイル41,42に誘起される周波数f1の起電力の差分から路面の一次コイルLに対する位置合わせ処理を行う(ステップS4)。また、前記位置合わせ処理が完了すると(ステップS5)、充電開始指示信号を路面側充電制御部301へ送信し(ステップS6)、SOC検出(ステップS8)、検出したSOCに応じた車速指示(ステップS9)、充電指示(ステップS10)を行う。
一方、路面側充電制御部301は、充電エリアの路面上の一次コイルL上を車両2が走行していると判定すると(ステップS121)、充電開始指示信号を車両側充電制御部305から受信することで充電開始指示信号受信完了を返信し(ステップS124)、充電情報の受信を行い(ステップS26)、さらに前記ステップS121で特定した路面上の一次コイルLのスイッチ回路の常開接点を制御信号により閉成することで、前記特定した路面上の一次コイルを電力供給用高周波電源に接続し、充電情報に応じた高周波電流を、前記ステップS121で特定した路面上の一次コイルLへ出力する(ステップS29)。そして、路面側充電制御部301は、車両側充電制御部305から充電完了に伴う充電停止信号を受信するか、あるいは車両2の車両側充電制御部305との間で充電エリア判定情報の送受信が不可能になることで充電エリアの路面上の一次コイルL上を車両2が走行していないと判定すると、前記スイッチ回路の常開接点を制御信号により開状態に制御し、前記一次コイルLと電力供給用高周波電源との接続を解除し、接続前記一次コイルLへ出力していた充電用の高周波電流をオフする(ステップS31)。
【0033】
以上説明したように、この実施の形態によれば、車両のシャーシ裏面に車両側二次コイル41,42を設け、充電エリアの路面上には並列接続された複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6からなる一次コイルLを複数設けた。そして、車両側二次コイル41,42のそれぞれと一次コイルLとの間の電波通信により先ず電池認証処理が行われ、電池認証が承認されると、次に車両側二次コイル41,42に誘起される周波数f1による起電力のレベルが、それぞれ等しいレベルになるように車両2のパワーステアリングのモータが制御されることにより車両2の走行位置の微調整が行われ、車両2の車両側二次コイル41,42が路面の一次コイルLと重なるように位置合わせが行われる。そして、この位置合わせが行われた状態で自車両のSOCに応じた自車両の走行速度制御が行われ、充電情報、車両2の充電指示が通信手段7,8により送受信され、充電情報に応じて路面側充電制御部301から充電が行われる。従って、走行中の車両2の車両側充電制御部305と路面側充電制御部301との間で、車両側二次コイル41,42と路面の一次コイルLとを介して通信を行いながら、路面側充電制御部301から走行中の車両2に対しワイヤレスで効率よく充電できる効果がある。
【0034】
(第3の実施の形態)
なお、以上の説明では、充電エリアの路面の一次コイルLは並列接続された複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6が複数敷設されているとして説明したが、一次コイルLの各コイルC1,C2,C3,C4,C5,C6が、図12に示すように互にハーフピッチの間隔で重畳した位置関係で並列接続され路面側に敷設されていてもよい。
図12は、この実施の形態であるワイヤレス給電システムの路面の一次コイルLの構成を示す概略構成図である。
一次コイルLをこのように構成した場合、一次コイルL上を車両2が走行する期間、車両側の制御コイル31,32と一次コイルL、車両側の充電用二次コイル4と一次コイルL、あるいは車両側二次コイル41,42と一次コイルLは常に磁気結合した状態、電波通信可能な状態にあることから充電と制御を連続的に行うことが可能となる。
【0035】
(第4の実施の形態)
なお、以上の説明した実施の形態では、路面の一次コイルLは並列接続された複数のコイルC1,C2,C3,C4,C5,C6から構成され、複数敷設されているとして説明したが、前記一次コイルLは、それぞれ独立したコイルが充電エリアの路面上に敷設されている構成であってもよい。
第2の実施の形態の構成を例に説明すると、車両が充電エリアに進路変更し路面側の一次コイル上を走行するようになると、一次コイル上を車両が通過するたびに、車両側二次コイル41,42と前記路面側の一次コイルとの電波通信により、車両側充電制御部305と路面側充電制御部301との間で充電エリア判定情報が送受信される。車両側充電制御部305では、路面側充電制御部301から充電エリア判定情報を受信することで車両が路面側の一次コイル上を走行していることを判定する。また路面側充電制御部301でも、車両側充電制御部305から充電エリア判定情報を受信することで車両が充電エリアのどの一次コイル上を走行しているかを特定し、また充電エリア判定情報の受信から路面上の一次コイル上を車両が走行していることを判定する。
また、車両側充電制御部305は自車両について充電エリアの一次コイルL上を走行していると判定すると、車両側二次コイル41,42に励起される位置合わせ信号による起電力の差分から路面の一次コイルLに対する位置合わせ処理を行う。また、充電開始信号を路面側充電制御部301へ送信し、SOC検出、検出したSOCに応じた車速指示、充電指示を行う。
一方、路面側充電制御部301は、充電エリアの路面の一次コイル上を車両が走行していると判定すると、充電開始信号を車両側充電制御部305から受信することで充電情報の受信を行い、さらに前記特定した路面上の一次コイルを電力供給用高周波電源に接続し、充電情報に応じた高周波電流を、前記特定した一次コイルへ出力する。そして、路面側充電制御部301は、車両側充電制御部305から充電完了に伴う充電停止信号を受信するか、あるいは車両の車両側充電制御部305との間で充電エリア判定情報の送受信が不可能になることで充電エリアの一次コイル上を車両が走行していないと判定すると、前記一次コイルと電力供給用高周波電源との接続を解除し、接続前記一次コイルへの充電用高周波電流の供給を遮断する。
【0036】
この実施の形態でも、走行中の車両の車両側充電制御部305と路面側充電制御部301との間で、車両側二次コイル41,42と路面の一次コイルLとの電波通信により通信を行いながら、路面側充電制御部301から走行中の車両に対し車両側二次コイル41,42と路面の一次コイルLとの共鳴磁気結合によるワイヤレスで効率のよい給電を行い前記車両が搭載しているバッテリへ充電できる効果がある。
【符号の説明】
【0037】
1,301……路面側充電制御部、2……車両、3,31,32……制御コイル(車両側コイル)、4……充電用二次コイル、5,303……車両側充電制御部、6……バッテリ、7,8……通信手段、9……車両側コイル位置調整手段、10……車速指示手段、L……一次コイル、11,12,13,14,15,16,17……スイッチ回路(高周波電流供給手段)、206……充電回路。
図1
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図12