特許第6195168号(P6195168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6195168
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両におけるリヤフェンダ構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 15/00 20060101AFI20170904BHJP
   B62J 13/02 20060101ALI20170904BHJP
   B62J 25/00 20060101ALI20170904BHJP
【FI】
   B62J15/00 C
   B62J13/02
   B62J25/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-72858(P2014-72858)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-193335(P2015-193335A)
(43)【公開日】2015年11月5日
【審査請求日】2016年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】多湖 賢司
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 知
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−247811(JP,A)
【文献】 特開昭62−173384(JP,A)
【文献】 特開昭61−257378(JP,A)
【文献】 実開昭62−80784(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0096825(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 15/00
B62J 13/02
B62J 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(F)の一部を構成するピボットフレーム(16)が、前輪(WF)および後輪(WR)間で上下に延びるように配置され、前記後輪(WR)の左右一側に配置されるアーム部(45b)を有する片持ち式のスイングアーム(45)の前端部が前記ピボットフレーム(16)に支軸(44)を介して回動可能に支持され、前記後輪(WR)の車軸(46)が該後輪(WR)の左右一側で前記アーム部(45b)の後部に軸支され、前記支軸(44)および前記車軸(46)の中心軸線を通る平面(PL)と交差するようにして上下に延びるリヤフェンダ(50)が、前記後輪(WR)をその前方から覆うようにして前記スイングアーム(45)に取付けられる鞍乗り型車両において、前記リヤフェンダ(50)が、平面視で前記後輪(WR)の一部と重なるようにして前記スイングアーム(45)の前部上面から上方に延びる上方カバー部(50a)と、前記スイングアーム(45)の前部下面から下方に延びる下方カバー部(50b)と、該下方カバー部(50b)および前記上方カバー部(50a)間を左右方向で前記アーム部(45b)とは反対側で連結する側方カバー部(50c)とを有するように形成されることを特徴とする鞍乗り型車両におけるリヤフェンダ構造。
【請求項2】
左右一対の前記ピボットフレーム(16)から後方に延びる左右一対のブラケット(64)に、前記リヤフェンダ(50)の外側方に配置されるようにして車幅方向に延びる運転者用ステップ(65)がそれぞれ支持され、前記側方カバー部(50c)の少なくとも一部が左右一対の前記運転者用ステップ(65)の一方よりも後方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両におけるリヤフェンダ構造。
【請求項3】
前記スイングアーム(45)が、左右一対の前記ピボットフレーム(16)に前記支軸(44)を介して回動可能に支持される回動支持部(45a)と、前記後輪(WR)の左右一側に配置されるようにして前記回動支持部(45a)に連設される前記アーム部(45b)とを有するように構成され、前記リヤフェンダ(50)が、前記回動支持部(45a)の上面に締結方向を上下方向として締結されるとともに前記回動支持部(45a)の側面に締結方向を車幅方向として締結されることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗り型車両におけるリヤフェンダ構造。
【請求項4】
前記車体フレーム(F)に搭載されるパワーユニット(E)からの動力を前記後輪(WR)側に伝達する無端状の伝達部材(52)が、前記スイングアーム(45)の左右両側のうち前記アーム部(45b)が配置される側の上下を通るように配置され、前記リヤフェンダ(50)に、前記上方カバー部(50a)から車幅方向外側に張り出しつつ後方に延びて前記伝達部材(52)を上方から覆う伝達部材カバー部(50d)が設けられ、この伝達部材カバー部(50d)に設けられて下方に延びるとともに前記伝達部材(52)の車幅方向外側に配置される取付け板部(50e)が前記アーム部(45b)に締結方向を車幅方向として締結されることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両におけるリヤフェンダ構造。
【請求項5】
前記上方カバー部(50a)が、前記後輪(WR)の左右両側のうち前記アーム部(45b)と反対側からの側面視で前記後輪(WR)の少なくとも一部と重なるように形成されることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型車両におけるリヤフェンダ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体フレームの一部を構成するピボットフレームが、前輪および後輪間で上下に延びるように配置され、前記後輪の左右一側に配置されるアーム部を有する片持ち式のスイングアームの前端部が前記ピボットフレームに支軸を介して回動可能に支持され、前記後輪の車軸が該後輪の左右一側で前記アーム部の後部に軸支され、前記支軸および前記車軸の中心軸線を通る平面と交差するようにして上下に延びるリヤフェンダが、前記後輪をその前方から覆うようにして前記スイングアームに取付けられる鞍乗り型車両に関し、特にリヤフェンダ構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
前輪および後輪間に配置されるピボットフレームに、後輪の車軸を後部で軸支するようにして後輪の両側に配置される左右一対のアーム部を有するスイングアームの前端部が回動可能に支持され、後輪をその前方側から覆うリヤフェンダが前記スイングアームに取付けられるようにしたものが、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−235773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、後輪の回転によって生じる乱気流は、後輪の周辺の走行風を乱す原因となり、上記特許文献1で開示される両持ち式のスイングアームであれば、後輪の左右両側をスイングアームのアーム部が前後に延びるように配置されているので、乱気流の影響が及ぶ範囲は限定されたものとなるが、後輪の左右一側だけにアーム部が配置される片持ち式のスイングアームでは、後輪の左右他側にはスイングアームのアーム部が配置されていないので、後輪の左右他側では、後輪の回転によって生じる乱気流の影響がそのまま車幅方向外側に及んでしまうことになる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、片持ち式のスイングアームにリヤフェンダが取付けられるようにした鞍乗り型車両において、後輪の回転によって生じる乱気流の影響がそのまま車幅方向外側に及ぶのを抑制するようにしたリヤフェンダ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車体フレームの一部を構成するピボットフレームが、前輪および後輪間で上下に延びるように配置され、前記後輪の左右一側に配置されるアーム部を有する片持ち式のスイングアームの前端部が前記ピボットフレームに支軸を介して回動可能に支持され、前記後輪の車軸が該後輪の左右一側で前記アーム部の後部に軸支され、前記支軸および前記車軸の中心軸線を通る平面と交差するようにして上下に延びるリヤフェンダが、前記後輪をその前方から覆うようにして前記スイングアームに取付けられる鞍乗り型車両において、前記リヤフェンダが、平面視で前記後輪の一部と重なるようにして前記スイングアームの前部上面から上方に延びる上方カバー部と、前記スイングアームの前部下面から下方に延びる下方カバー部と、該下方カバー部および前記上方カバー部間を左右方向で前記アーム部とは反対側で連結する側方カバー部とを有するように形成されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、左右一対の前記ピボットフレームから後方に延びる左右一対のブラケットに、前記リヤフェンダの外側方に配置されるようにして車幅方向に延びる運転者用ステップがそれぞれ支持され、前記側方カバー部の少なくとも一部が左右一対の前記運転者用ステップの一方よりも後方に配置されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記スイングアームが、左右一対の前記ピボットフレームに前記支軸を介して回動可能に支持される回動支持部と、前記後輪の左右一側に配置されるようにして前記回動支持部に連設される前記アーム部とを有するように構成され、前記リヤフェンダが、前記回動支持部の上面に締結方向を上下方向として締結されるとともに前記回動支持部の側面に締結方向を車幅方向として締結されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記車体フレームに搭載されるパワーユニットからの動力を前記後輪側に伝達する無端状の伝達部材が、前記スイングアームの左右両側のうち前記アーム部が配置される側の上下を通るように配置され、前記リヤフェンダに、前記上方カバー部から車幅方向外側に張り出しつつ後方に延びて前記伝達部材を上方から覆う伝達部材カバー部が設けられ、この伝達部材カバー部に設けられて下方に延びるとともに前記伝達部材の車幅方向外側に配置される取付け板部が前記アーム部に締結方向を車幅方向として締結されることを第4の特徴とする。
【0010】
さらに本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記上方カバー部が、前記後輪の左右両側のうち前記アーム部と反対側からの側面視で前記後輪の少なくとも一部と重なるように形成されることを第5の特徴とする。
【0011】
なお実施の形態の第2のリヤフェンダ50が本発明のリヤフェンダに対応し、実施の形態のチェーンカバー部50dが本発明の伝達部材カバー部に対応し、実施の形態のチェーン52が本発明の伝達部材に対応する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1の特徴によれば、片持ち式のスイングアームに取付けられるリヤフェンダが、スイングアームの前部上面から上方に延びる上方カバー部と、スイングアームの前部下面から下方に延びる下方カバー部とが、左右方向でスイングアームのアーム部とは反対側に配置される側方カバー部によって連結されて成るので、後輪の回転によって生じる乱気流の影響は、車幅方向一方ではスイングアームのアーム部で抑制され、車幅方向他方ではリヤフェンダの側方カバー部で抑制されることになり、乱気流の影響がそのまま車幅方向外側に及ぶことはない。
【0013】
また本発明の第2の特徴によれば、左右一対の運転者用ステップの一方よりも後方に側方カバー部の少なくとも一部が配置されるので、スイングアームのアーム部とは反対側に配置される運転者用ステップに載せた足の踵内側にスイングアームと同等の存在を感じることが可能であり、片持ち式スイングアームが装備される車両に慣れていない運転者でも違和感を感じることはない。
【0014】
本発明の第3の特徴によれば、スイングアームの回動支持部の上面にリヤフェンダが締結方向を上下方向として締結され、前記回動支持部の側面にリヤフェンダが締結方向を車幅方向として締結されるので、リヤフェンダをおおむね直交する2つの方向でスイングアームに締結するようにしてリヤフェンダのスイングアームへの取付け剛性を高めることができる。
【0015】
本発明の第4の特徴によれば、パワーユニットからの動力を後輪側に伝達する無端状の伝達部材を上方から覆う伝達部材カバー部がリヤフェンダに設けられ、その伝達部材カバー部から下方に延びる取付け板部がスイングアームのアーム部に締結方向を車幅方向として締結されるので、伝達部材を覆う専用の部品を用いることを不要として部品点数を低減することができる。
【0016】
さらに本発明の第5の特徴によれば、リヤフェンダの上方カバー部が、後輪の左右両側のうちアーム部と反対側からの側面視で後輪の少なくとも一部と重なるので、スイングアームのアーム部が設けられていない側での乱流防止および運転者の違和感防止のいずれにも有効である。上方カバー部が側面視で後輪との多少重なっていても後輪の着脱性に悪影響が及ぶことはない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】自動二輪車の右側面図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】自動二輪車の後部の左側面図である。
図4】リヤフェンダを図2の4ー4線矢視方向から見た図である。
図5】リヤフェンダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付の図1図5を参照しながら説明する。なお以下の説明で、前後、左右および上下は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を言うものとする。
【0019】
先ず図1において、鞍乗り型車両である自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11および操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム14と、それらのメインフレーム14よりも急角度で前記ヘッドパイプ13から後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム15と、前記メインフレーム14の後端に連設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム16と、前記メインフレーム14の後部から後上がりに延びる左右一対のシートレール17と、前記ピボットフレーム16の上端部および前記シートレール17の後端部間を結ぶ左右一対のサブフレーム18とを備える。また前記メインフレーム14および前記ダウンフレーム15間には複数の補強フレーム19が設けられる。また前記ダウンフレーム15には該ダウンフレーム15に直線的に連なるようにして下方に延びるエンジンハンガ20が連設され、前記ピボットフレーム16の上部および下部にはエンジンハンガ21,22が設けられ、それらのエンジンハンガ20〜22も車体フレームFの一部を構成する。
【0020】
前記車体フレームFには、前記後輪WRを駆動する動力を発揮するパワーユニットであるエンジンEが搭載されており、そのエンジンEのエンジン本体24は、前記エンジンハンガ20〜22で支持されるようにして前輪WFおよび後輪WR間に配置される。前記エンジン本体24のうちシリンダヘッド26の後部側壁には吸気装置27が接続されるものであり、この吸気装置27は、前記エンジン本体24の後方斜め上方に配置されるエアクリーナ28と、該エアクリーナ28および前記シリンダヘッド26間に配置されるスロットルボディ29とを備える。また前記シリンダヘッド26の前部側壁には排気装置30が接続されるものであり、この排気装置30は、前記シリンダヘッド26の前部側壁から前記エンジン本体24の前方を経て前記エンジン本体24の下方に延びる排気管31と、前記エンジン本体24の下方で前記排気管31の下流端部に接続される触媒コンバータ32と、前記後輪WRの右側に配置されるようにして前記触媒コンバータ32の下流端部に接続される排気マフラー33とを備える。
【0021】
前記エンジンEの上方には左右一対の前記メインフレーム14で支持されるようにして燃料タンク34が配置されており、この燃料タンク34の後方には、左右一対の前記シートレール17で支持されるようにして乗車用シート35が配置される。
【0022】
また前記エンジンEおよび前記車体フレームFの一部は車体カバー36で覆われており、この車体カバー36は、前記ヘッドパイプ13を前方から覆うフロントカバー37と、前記車体フレームFの前部および前記エンジンEの一部を側方から覆って前記フロントカバー37の左右両側に連設される左右一対のセンターカバー38と、前記エンジンEの下部を側方および下方から覆って前記センターカバー38の後側下部にそれぞれ連設されるとともに相互に接合される左右一対のロアカバー39と、前記燃料タンク21の後側下部を両側から覆って前記乗車用シート35の前部下方まで延設される左右一対のサイドカバー40と、前記シートレール17のうち前記乗車用シート35の下方に配置される部分を覆うリヤカバー41とを備える。
【0023】
また前記フロントフォーク11には、前記前輪WFの少なくとも一部を上方から覆うフロントフェンダ42が支持され、前記シートレール17の後部には前記後輪WRを後側斜め上方から覆う第1のリヤフェンダ43が支持される。
【0024】
左右一対の前記ピボットフレーム16は、上下に延びるようにして前輪WFおよび後輪WR間に配置されており、前記後輪WRの左側に配置されるアーム部45bを有する片持ち式のスイングアーム45の前端部が前記ピボットフレーム16の上下方向中間部に支軸44を介して回動可能に支持され、前記後輪WRの車軸46が前記スイングアーム45の後端部に軸支される。
【0025】
図2図4を併せて参照して、前記スイングアーム45は、前方に開いた略U字状に形成されるとともに左右一対の前記ピボットフレーム16に前記支軸44を介して回動可能に支持される回動支持部45aと、前記後輪WRの左右一側(この実施の形態では左側)に配置されるようにして前記回動支持部45aに連設されるアーム部45bを有するように構成され、前記アーム部45bは前記後輪WRの左側を前後に延びるようにして前記回動支持部45aの左側に一体に連設され、このアーム部45bの後部に前記後輪WRの車軸46が軸支される。また前記回動支持部45aと、前記車体フレームFのシートレール17との間にはリヤクッションユニット47が設けられる。
【0026】
前記スイングアーム45には、前記支軸44および前記車軸46の中心軸線を通る平面PLと交差するようにして上下に延びる第2のリヤフェンダ50が、前記後輪WRをその前方から覆うようにして取付けられる。
【0027】
図5を併せて参照して、第2のリヤフェンダ50は、平面視で前記後輪WRの一部と重なるようにして前記スイングアーム45の前部上面すなわち前記回動支持部45aの上面から上方に延びる上方カバー部50aと、前記スイングアーム45の前部下面すなわち前記回動支持部45aの下面から下方に延びる下方カバー部50bと、下方カバー部50bおよび前記上方カバー部50a間を左右方向で前記アーム部45bとは反対側で連結する側方カバー部50cとを一体に有するように形成される。
【0028】
前記上方カバー部50aの前記後輪WRを覆う部分は、前記後輪WR側に開いた略U字状の横断面形状を有しつつ、前記後輪WRの左右両側のうち前記アーム部45bと反対側からの側面視で前記後輪WRの少なくとも一部と重なるように形成される。また前記下方カバー部50bは、前記後輪WR側に開いた略U字状の横断面形状を有するように形成される。
【0029】
図1に注目して、前記エンジンEは、前記エンジン本体24におけるクランクケース25の左側面から突出する出力軸51を有しており、この出力軸51の回転動力を前記後輪WRに伝達する無端状の伝達部材であるチェーン52が、前記スイングアーム45の左右両側のうち前記アーム部45bが配置される側の上下を通るように配置される。
【0030】
前記チェーン52は、前記出力軸51に設けられる駆動スプロケット53と、前記後輪WRの車軸46に設けられる被動スプロケット54とに巻き掛けられており、前記第2のリヤフェンダ50に、前記上方カバー部50aから車幅方向外側に張り出しつつ後方に延びて前記チェーン52を上方から覆う伝達部材カバー部としてのチェーンカバー部50dが一体に設けられ、このチェーンカバー部50dは下方に開いた略U字状の横断面形状を有するように形成される。
【0031】
前記第2のリヤフェンダ50は、前記スイングアーム45の前記回動支持部45aの上面に締結方向を上下方向として締結されるとともに前記回動支持部45aの側面に締結方向を車幅方向として締結される。この実施の形態では、第2のリヤフェンダ50における前記上方カバー部50aの前部上壁の左右両側のうち前記アーム部45bとは反対側だけが前記回動支持部45aの上面に締結方向を上下方向として第1ボルト55で締結され、前記上方カバー部50aの前部の左右両側壁のうち前記アーム部45b側の側壁が締結方向を車幅方向として前記回動支持部45aの左側面に第2ボルト56で締結され、前記下方カバー部50bの左右両側壁の前部が前記回動支持部45aの左右両側面に締結方向を車幅方向として第3および第4ボルト57,58で締結される。また前記チェーンカバー部50dには、該チェーンカバー部50dから下方に延びる取付け板部50eが一体に連設されており、この取付け板部50eの下部が前記スイングアーム45の前記アーム部45bに締結方向を車幅方向として第5ボルト59で締結される。
【0032】
すなわち前記第2のリヤフェンダ50の右側は、締結方向を上下方向とした第1ボルト55で前記スイングアーム45に締結されるとともに、締結方向を車幅方向とした第4ボルト58で前記スイングアーム45に締結され、前記第2のリヤフェンダ50の左側は締結方向を車幅方向とした第2および第3ボルト56,57で前記スイングアーム45に締結されることになる。
【0033】
第1〜第4ボルト55〜58を挿通するために、前記上方カバー部50aの前部上壁の右側に第1挿通孔60が設けられ、前記上方カバー部50aの前部左側壁に第2挿通孔61が設けられ、前記下方カバー部50bの左側壁の前部に第3挿通孔62が設けられ、前記下方カバー部50bの右側壁の前部に第4挿通孔63が設けられ、前記取付け板部50eの下部に第6挿通孔64が設けられる。
【0034】
ところで左右一対の前記ピボットフレーム16には、それらのピボットフレーム16から後方に延びるブラケット64がそれぞれ取付けられており、それらのブラケット64の後部には、前記第2のリヤフェンダ50の外側方に配置されるようにして車幅方向に延びる運転者用ステップ65がそれぞれ支持され、前記第2のリヤフェンダ50がその右側に有する前記側方カバー部50cの少なくとも一部は、図1および図2で示すように、左右一対の前記運転者用ステップ65のうち右側の運転者ステップ65よりも後方に配置される。
【0035】
さらに前記車体フレームFが備える左右一対のシートレール17の後部には、前記乗車用シート35の後部に座った同乗者が足を載せるための左右一対の同乗者用ステップ66が支持される。
【0036】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、後輪WRの左側に配置されるアーム部45bを有する片持ち式のスイングアーム45に取付けられて前記後輪WRをその前方から覆う第2のリヤフェンダ50が、平面視で前記後輪WRの一部と重なるようにして前記スイングアーム45の前部上面から上方に延びる上方カバー部50aと、前記スイングアーム45の前部下面から下方に延びる下方カバー部50bと、下方カバー部50bおよび前記上方カバー部50a間を左右方向で前記アーム部45bとは反対側で連結する側方カバー部50cとを有するように形成されるので、後輪WRの回転によって生じる乱気流の影響は、車幅方向一方(左方)ではスイングアーム45のアーム部45bで抑制され、車幅方向他方(右方)では第2のリヤフェンダ50の側方カバー部50cで抑制されることになり、乱気流の影響がそのまま車幅方向外側に及ぶことはない。
【0037】
また左右一対のピボットフレーム16から後方に延びる左右一対のブラケット64に、第2のリヤフェンダ50の外側方に配置されるようにして車幅方向に延びる運転者用ステップ65がそれぞれ支持され、前記側方カバー部50cの少なくとも一部が左右一対の前記運転者用ステップ65の一方よりも後方に配置されるので、スイングアーム45のアーム部45bとは反対側に配置される運転者用ステップ65に載せた足の踵内側にスイングアーム45と同等の存在を感じることが可能であり、片持ち式スイングアーム45が装備される車両に慣れていない運転者でも違和感を感じることはない。
【0038】
また前記スイングアーム45が、左右一対の前記ピボットフレーム16に支軸44を介して回動可能に支持される回動支持部45aと、後輪WRの左側に配置されるようにして前記回動支持部45aに連設されるアーム部45bとを有するように構成され、前記第2のリヤフェンダ50が、前記回動支持部45aの上面に締結方向を上下方向として締結されるとともに前記回動支持部45aの側面に締結方向を車幅方向として締結されるので、第2のリヤフェンダ50をおおむね直交する2つの方向でスイングアーム45に締結するようにして第2のリヤフェンダ50のスイングアーム45への取付け剛性を高めることができる。
【0039】
また前記車体フレームFに搭載されるエンジンEからの動力を前記後輪WR側に伝達する無端状のチェーン52が、前記スイングアーム45の左右両側のうち前記アーム部45bが配置される側の上下を通るように配置され、前記第2のリヤフェンダ50に、前記上方カバー部50aから車幅方向外側に張り出しつつ後方に延びて前記チェーン52を上方から覆うチェーンカバー部50dが設けられ、このチェーンカバー部50dに設けられて下方に延びるとともに前記チェーン52の車幅方向外側に配置される取付け板部50eが前記アーム部45bに締結方向を車幅方向として締結されるので、チェーン52を覆う専用の部品を用いることを不要として部品点数を低減することができる。しかもチェーン52が配置される側では、上方カバー部50a、下方カバー部50bおよび取付け板部50eが締結方向を車幅方向としてスイングアーム45に締結されることになり、第2のリヤフェンダ50の着脱時にチェーン52が邪魔にならないようにして剛性の高い取付け構造で第2のリヤフェンダ50およびチェーンカバー部50dをスイングアーム45に取付けることができる。
【0040】
さらに第2のリヤフェンダ50の前記上方カバー部50aが、前記後輪WRの左右両側のうち前記スイングアーム45における前記アーム部45bと反対側からの側面視で前記後輪WRの少なくとも一部と重なるように形成されるので、スイングアーム45のアーム部45bが設けられていない側での乱流防止および運転者の違和感防止のいずれにも有効であり、上方カバー部50aが側面視で後輪WRと多少重なっていても後輪WRの着脱性に悪影響が及ぶことはない。
【0041】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0042】
たとえば伝達部材として無端状のベルトが用いられるものにも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
16・・・ピボットフレーム
44・・・支軸
45・・・スイングアーム
45a・・・回動支持部
45b・・・アーム部
46・・・車軸
50・・・リヤフェンダ
50a・・・上方カバー部
50b・・・下方カバー部
50c・・・側方カバー部
50d・・・伝達部材カバー部であるチェーンカバー部
50e・・・取付け板部
52・・・伝達部材であるチェーン
64・・・ブラケット
65・・・運転者用ステップ
E・・・パワーユニットであるエンジン
F・・・車体フレーム
PL・・・平面
WF・・・前輪
WR・・・後輪
図1
図2
図3
図4
図5