特許第6196085号(P6196085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6196085
(24)【登録日】2017年8月25日
(45)【発行日】2017年9月13日
(54)【発明の名称】発電機搭載車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/22 20071001AFI20170904BHJP
   B60L 11/12 20060101ALI20170904BHJP
   B60W 10/06 20060101ALI20170904BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20170904BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20170904BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20170904BHJP
   B60K 6/46 20071001ALI20170904BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20170904BHJP
   B60K 15/063 20060101ALI20170904BHJP
   B60K 15/03 20060101ALI20170904BHJP
   B60K 6/24 20071001ALI20170904BHJP
   F01N 5/02 20060101ALI20170904BHJP
   F01N 13/08 20100101ALI20170904BHJP
【FI】
   B60K6/22ZHV
   B60L11/12
   B60W10/06 900
   B60W10/08 900
   B60W20/00
   B60K6/40
   B60K6/46
   B60K13/04 A
   B60K15/063 A
   B60K15/03 E
   B60K6/24
   F01N5/02 K
   F01N13/08 B
   F01N13/08 Z
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-149241(P2013-149241)
(22)【出願日】2013年7月18日
(65)【公開番号】特開2015-20540(P2015-20540A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区南青山二丁目1番1号
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】円城寺 直之
【住所又は居所】埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会社本田技術研究所内
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/074074(WO,A1)
【文献】 特開平10−212941(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0104578(US,A1)
【文献】 特開昭61−081877(JP,A)
【文献】 特開平09−125939(JP,A)
【文献】 特開2004−252217(JP,A)
【文献】 特開2004−208435(JP,A)
【文献】 特開2007−089327(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/084999(WO,A1)
【文献】 特表2012−516807(JP,A)
【文献】 特開2011−163180(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/021486(WO,A1)
【文献】 特開2003−254105(JP,A)
【文献】 特開2004−263589(JP,A)
【文献】 米国特許第04106582(US,A)
【文献】 特開2011−094347(JP,A)
【文献】 特開2002−147222(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/064892(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0279542(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00〜20/50
B60L 11/02〜11/14
B60K 6/20〜 6/547
B60K 11/00〜15/10
F01N 5/00〜 5/04
F01N 13/00〜13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に設けられ、車輪を回転させる駆動力を発生する電動モータと、
前記車体に設けられ、前記電動モータに電力を供給する2次電池と、
前記車体に取り外し可能に搭載され、前記2次電池及び前記電動モータの少なくとも一方に電力を供給するエンジン発電機と、
前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記エンジン発電機と接続され、前記エンジン発電機を制御する車体側制御部と、
前記車体に設けられ、前記エンジン発電機の排気通路である発電機側排気通路と接続、分離が可能であり、前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記発電機側排気通路と接続して前記エンジン発電機で発生した排気ガスを車外に排出する車体側排気通路とを有し、
前記車体側排気通路に車体側消音器が設けられ、
前記発電機側排気通路には、発電機側消音器と、前記発電機側消音器を迂回するバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁とが設けられていることを特徴とする発電機搭載車両。
【請求項2】
前記発電機側排気通路に設けられた発電機側排気系コネクタと、
前記車体側排気通路に設けられた車体側排気系コネクタとを有し、
前記車体側排気系コネクタと前記発電機側排気系コネクタとは、互いに接続、分離が可能であり、接続することによって前記車体側排気通路と前記発電機側排気通路とを接続することを特徴とする請求項1に記載の発電機搭載車両。
【請求項3】
前記エンジン発電機は、前記車体に搭載された場合に、前記車体側制御部から信号を受け、前記車体に搭載されていない場合よりも高いエンジン回転数で駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発電機搭載車両。
【請求項4】
前記車体側排気通路に熱交換器が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の発電機搭載車両。
【請求項5】
前記エンジン発電機は、液体燃料を貯蔵するための発電機側燃料タンクを有し、
前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記発電機側燃料タンクに接続され、前記発電機側燃料タンクに液体燃料を供給する車体側燃料タンクが前記車体に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の発電機搭載車両。
【請求項6】
前記エンジン発電機は、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動され、3相交流を発生する交流発電機とを有し、
前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記交流発電機に接続され、3相交流を直流に変換して前記2次電池及び前記電動モータの少なくとも一方に供給する車体側電力変換器が前記車体に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の発電機搭載車両。
【請求項7】
前記エンジン発電機は、前記交流発電機に接続され、3相交流を単相交流に変換する発電機側電力変換器と、前記発電機側電力変換器によって変換された単相交流を外部に出力するための出力コネクタとを有することを特徴とする請求項6に記載の発電機搭載車両。
【請求項8】
前記エンジン発電機は、内燃機関と、前記内燃機関によって駆動され、3相交流を発生する交流発電機と、前記交流発電機から供給される3相交流を直流に変換する発電機側AC/DC変換器と、冷却水によって前記内燃機関及び前記発電機側AC/DC変換器を冷却する冷却装置とを有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載の発電機搭載車両。
【請求項9】
前記発電機側AC/DC変換器から供給される直流を変圧し、前記2次電池及び前記電動モータの少なくとも一方に供給する車体側DC/DC変換器が前記車体に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の発電機搭載車両。
【請求項10】
前記エンジン発電機は、前記発電機側AC/DC変換器から供給される直流を単相交流に変換する発電機側DC/AC変換器と、前記発電機側DC/AC変換器によって変換された単相交流を外部に出力するための出力コネクタとを有することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の発電機搭載車両。
【請求項11】
前記エンジン発電機の内燃機関は、液体燃料を貯蔵するための発電機側燃料タンクと、前記発電機側燃料タンクに接続され、液体燃料を前記内燃機関の燃焼室に供給する液体燃料供給装置と、気体燃料源に接続可能な気体燃料源接続コネクタと、前記気体燃料源接続コネクタに接続され、気体燃料を前記燃焼室に供給する気体燃料供給装置とを有し、液体燃料及び気体燃料の少なくとも一方を燃焼させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つの項に記載の発電機搭載車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に対して取り外し可能なエンジン発電機を備えた発電機搭載車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車は、搭載した2次電池の電力を電動モータに供給し、電動モータの駆動力によって車輪を回転させ、走行する。このような電気自動車の航続距離は、主に2次電池の容量によって決まることが多いため、2次電池の高容量化が求められている。しかしながら、2次電池の高容量化は、車体重量の増加を招き、エネルギー効率(燃費)が悪化するため、容易ではない。そのため、2次電池や電動モータへの電力供給を行うエンジン発電機を車両に搭載し、走行状態や2次電池の残量に応じてエンジン発電機から電力を供給するようにした電気自動車(レンジエクステンダー)が公知となっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に係るエンジン発電機を備えた電気自動車は、エンジン(内燃機関)によって駆動される3相交流発電機を有し、3相交流発電機から生じる3相交流を直流電流に変換し、車載された2次電池や電動モータに電力を供給している。また、3相交流発電機から生じる3相交流は、単相交流の100〜200V、50〜60Hzに変換され、外部機器に供給可能になっている。このように、エンジン発電機を備えた電気自動車は、航続距離の延長化と、汎用発電機としての利用とを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−208435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンジン発電機を備えた電気自動車は、以上のような利点があるものの、エンジン発電機を設けたことによって、車体重量が増大し、走行時のエネルギー消費量が増大するという問題がある。エンジン発電機は、車体に固定されているため、汎用発電機としての使用時に、様々な制限がある。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑み、エンジン発電機搭載車両において、エンジン発電機の汎用性を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、発電機搭載車両(1)であって、車体(2)に設けられ、車輪を回転させる駆動力を発生する電動モータ(5)と、車体に設けられ、前記電動モータに電力を供給する2次電池(7)と、前記車体に取り外し可能に搭載され、前記2次電池及び前記電動モータの少なくとも一方に電力を供給するエンジン発電機(8)と、前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記エンジン発電機と接続され、前記エンジン発電機を制御する車体側制御部(16)と、前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記エンジン発電機の排気通路である発電機側排気通路(55)と接続するように前記車体に設けられ、前記エンジン発電機で発生した排気ガスを車外に排出する車体側排気通路(22)とを有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、エンジン発電機は車体に対して取り外し可能に搭載されているため、予定の航続距離が短い場合にはエンジン発電機を車体から取り外して、電気自動車を軽量にし、エネルギー使用量(燃費)を低減することができる。また、エンジン発電機を車体から取り外して移動させることによって、電気自動車が進入できない場所においてもエンジン発電機を汎用発電機として使用することができる。また、エンジン発電機を車体に搭載した状態では、車体側排気通路がエンジン発電機に接続されるため、エンジン発電機から生じる排気ガスが車内に侵入することなく、適切に外部に排出される。
【0009】
また、上記の発明において、前記車体側排気通路に車体側消音器(24)が設けられているとよい。
【0010】
この構成によれば、車体側消音器によって、エンジン発電機から生じる騒音を低減することができる。エンジン発電機を車体から取り外した状態では、車体側消音器がエンジン発電機から分離され、エンジン発電機は小型かつ軽量となり、可搬性が向上する。
【0011】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機は、前記車体に搭載された場合に、前記車体側制御部から信号を受け、前記車体に搭載されていない場合よりも高いエンジン回転数で駆動するとよい。
【0012】
この構成によれば、エンジン発電機が車体に搭載された状態では車体側消音器がエンジン発電機に接続され、消音効果が高められているため、非搭載時に対してエンジン回転数を高くしても騒音が抑制される。
【0013】
また、上記の発明において、前記車体側排気通路に熱交換器(25)が設けられているとよい。
【0014】
この構成によれば、エンジン発電機から生じる排気ガスの熱エネルギーを有効利用することができる。例えば、熱交換器において取得した熱を電気自動車の暖房やデフロスタに使用することができる。
【0015】
また、上記の発明において、前記発電機側排気通路には、発電機側消音器(76)と、前記発電機側消音器を迂回するバイパス通路(78)と、前記バイパス通路を開閉するバイパス弁(79)とが設けられているとよい。
【0016】
この構成によれば、バイパス弁を開閉制御することによって熱交換器に供給される熱量を変化させることができ、熱交換器で取得可能な熱を増大させることができる。
【0017】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機は、液体燃料を貯蔵するための発電機側燃料タンク(48)を有し、前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記発電機側燃料タンクに接続され、前記発電機側燃料タンクに液体燃料を供給する車体側燃料タンク(23)が前記車体に設けられているとよい。
【0018】
この構成によれば、エンジン発電機が車体に搭載された状態では、内燃機関に供給可能な燃料量が増大する。一方、エンジン発電機を車体から取り外した状態では、車体側燃料タンクがエンジン発電機から分離され、エンジン発電機は小型かつ軽量となり、可搬性が向上する。
【0019】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機は、内燃機関(41)と、前記内燃機関によって駆動され、3相交流を発生する交流発電機(ACG、43)とを有し、前記エンジン発電機が前記車体に搭載されたときに、前記交流発電機に接続され、3相交流を直流に変換して前記2次電池及び前記電動モータの少なくとも一方に供給する車体側電力変換器(21)が前記車体に設けられているとよい。
【0020】
この構成によれば、車体に車体側電力変換器を設けることによって、エンジン発電機の小型化及び軽量化が可能になる。
【0021】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機は、前記交流発電機に接続され、3相交流を単相交流に変換する発電機側電力変換器(46)と、前記発電機側電力変換器によって変換された単相交流を外部に出力するための出力コネクタ(54)とを有するとよい。
【0022】
この構成によれば、出力コネクタを介してエンジン発電機で発電された電力を外部に供給することができる。
【0023】
また、上記の発明において、前記車体から取り外された状態の前記エンジン発電機に着脱可能に接続される電力変換ユニット(301)を更に有し、前記電力変換ユニットは、前記交流発電機に接続され、3相交流を200V単相交流に変換すると共に、3相交流を100V単相交流に変換し、200V単相交流及び100V単相交流をそれぞれ外部に出力する出力コネクタ(307、308)を有するとよい。
【0024】
この構成によれば、電力変換ユニットを付加的にエンジン発電機に接続することによって、電力変換ユニットを介してエンジン発電機で発電された電力を200V単相交流、及び100V単相交流として外部に供給することができる。電力変換ユニットは、常時使用するものではないため、エンジン発電機に対して着脱可能とすることによって、エンジン発電機の大型化及び重量化が避けられる。
【0025】
また、上記の発明において、前記車体から取り外された状態の前記エンジン発電機に着脱可能に接続される急速充電ユニット(400)を更に有し、前記急速充電ユニットは、前記交流発電機に接続され、3相交流を直流に変換するAC/DC変換器(412)と、前記AC/DC変換器によって変換された直流を変圧するDC/DC変換器(413)と、前記DC/DC変換器によって変圧された直流が供給される充電用2次電池(414)と、前記充電用2次電池から出力される電流を200V3相交流に変換するDC/AC変換器(415)と、前記DC/AC変換器によって変換された200V3相交流を外部に出力する出力コネクタ(416)とを有するとよい。
【0026】
この構成によれば、エンジン発電機及び急速充電ユニットによって、急速充電器を構成することができる。急速充電器は、例えば他の電気自動車を急速充電するために使用することができる。急速充電ユニットは、常時使用するものではないため、エンジン発電機に対して着脱可能とすることによって、エンジン発電機の大型化及び重量化が避けられる。
【0027】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機は、内燃機関(41)と、前記内燃機関によって駆動され、3相交流を発生する交流発電機(43)と、前記交流発電機から供給される3相交流を直流に変換する発電機側AC/DC変換器(201)と、冷却水によって前記内燃機関及び前記発電機側AC/DC変換器を冷却する冷却装置(72、202)とを有するとよい。
【0028】
この構成によれば、エンジン発電機の冷却装置を利用してAC/DC変換器を冷却することができる。
【0029】
また、上記の発明において、前記発電機側AC/DC変換器から供給される直流を変圧し、前記2次電池及び前記電動モータの少なくとも一方に供給する車体側DC/DC変換器(205)が前記車体に設けられているとよい。
【0030】
この構成によれば、交流発電機から発生する3相交流は、発電機側AC/DC変換器及び車体側DC/DC変換器によって、所定の電圧の直流に変換され、2次電池及び電動モータに供給される。
【0031】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機は、前記発電機側AC/DC変換器から供給される直流を単相交流に変換する発電機側DC/AC変換器(206)と、前記発電機側DC/AC変換器によって変換された単相交流を外部に出力するための出力コネクタ(54)とを有するとよい。
【0032】
この構成によれば、出力コネクタを介してエンジン発電機で発電された電力を単相交流として外部に供給することができる。
【0033】
また、上記の発明において、前記エンジン発電機の内燃機関は、液体燃料を貯蔵するための発電機側燃料タンク(48)と、前記発電機側燃料タンクに接続され、前記液体燃料を前記内燃機関の燃焼室に供給する液体燃料供給装置(81)と、気体燃料源に接続可能な気体燃料源接続コネクタ(92、93)と、前記気体燃料源接続コネクタに接続され、前記気体燃料を前記燃焼室に供給する気体燃料供給装置(82)とを有し、前記液体燃料及び前記気体燃料の少なくとも一方を燃焼させるとよい。
【0034】
この構成によれば、エンジン発電機は、使用する燃料を液体燃料及び気体燃料から選択することができる。これにより、災害時や僻地等において液体燃料及び気体燃料の一方が手に入らない場合にも、他方の燃料を使用して発電を行うことができる。
【0035】
また、上記の発明において、前記車体から取り外された状態の前記エンジン発電機に着脱可能に接続される給湯ユニット(302)を更に有し、前記給湯ユニットは、前記発電機側排気通路に接続される給湯側排気通路(314)と、入口端(323)及び出口端(324)を備え、前記給湯側排気通路と熱交換可能に設けられた水通路(321)とを有するとよい。
【0036】
この構成によれば、エンジン発電機は給湯器として使用することができる。給湯ユニットは、常時使用するものではないため、エンジン発電機に対して着脱可能とすることによって、エンジン発電機の大型化及び重量化が避けられる。
【発明の効果】
【0037】
以上の構成によれば、エンジン発電機搭載車両において、エンジン発電機の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第1実施形態に係る電気自動車の概略側面図
図2】第1実施形態に係る電気自動車の構成図
図3】第1実施形態に係るエンジン発電機の内燃機関の構成図
図4】(A)2次電池の電位が高い場合、(B)2次電池の電位が低い場合における要求出力に対するACG出力及び2次電池の充放電量を示すグラフ
図5】第2実施形態に係る電気自動車の構成図
図6】第2実施形態に係るエンジン発電機の内燃機関及びAC/DC変換器の構成図
図7】第3実施形態に係る電気自動車の構成図
図8】第3実施形態に係るエンジン発電機の非搭載状態において、電力変換ユニット、燃料・給湯ユニット及び追加給湯ユニットを取り付けた状態の構成図
図9】第3実施形態に係るエンジン発電機の非搭載状態において、急速充電ユニットを取り付けた状態の構成図
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の発電機搭載車両の実施形態について説明する。
【0040】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電気自動車の概略図である。図1に示すように、電気自動車1は、マイクロモビリティとして構成された4輪自動車である。電気自動車1(発電機搭載車両)は、車体2と、車体2に対して回転可能に支持された左右一対の前輪3及び左右一対の後輪4と、各前輪3のそれぞれに設けられた駆動源としての電動モータ5と、電動モータ5に電力を供給する2次電池7と、2次電池7及び電動モータ5に電力を供給するエンジン発電機8とを有している。各電動モータ5は、各前輪3に対して同軸に組み込まれたインホールモータとして構成されている。エンジン発電機8は、車体2に対して取り外し可能に搭載されている。
【0041】
車体2は、車室の床部を構成するフロアパネル11を有する。フロアパネル11は、車両後部が車両前部に対して上方に隆起するように設けられている。フロアパネル11の後部下方には発電機収容部12が形成されており、エンジン発電機8は発電機収容部12に出し入れ可能に配置される。エンジン発電機8は骨格をなすフレーム13を有し、発電機収容部12においてフレーム13が前後方向にスライド移動可能に車体2に支持されている。これにより、エンジン発電機8は、車体2に対して後方に抜き出し、取り外すことができる。2次電池7は、フロアパネル11の前部下方において、車体2に支持されている。
【0042】
図2は、第1実施形態に係る電気自動車の構成図である。図2に示すように、車体2には、一対の電動モータ5及び2次電池7と、車体側ECU16(車体側制御部)と、PDU17(パワードライブユニット)と、充電装置18と、車体側電力変換器21と、車体側排気通路22と、車体側燃料タンク23と、車体側消音器24と、車体側熱交換器25と、充電用コネクタ27と、車体側電気系コネクタ31と、車体側排気系コネクタ32と、車体側燃料系コネクタ33とが設けられている。
【0043】
エンジン発電機8は、内燃機関41と、変速機42と、ACG43(交流発電機)と、発電機側ECU45(発電機側制御部)と、発電機側電力変換器46と、発電機側燃料タンク48と、発電機側電気系コネクタ51と、発電機側排気系コネクタ52と、発電機側燃料系コネクタ53と、外部出力コネクタ54と、発電機側排気通路55とを有する。発電機側排気通路55は、内燃機関41の排気ガスを外部する排出する通路として機能し、内燃機関41から発電機側燃料系コネクタ53に延びている。
【0044】
車体側電気系コネクタ31と発電機側電気系コネクタ51とは、互いに接続、分離が可能な接続器として構成され、接続されることによって、車体側及び発電機側の電力線60及び信号線61を接続する。車体側排気系コネクタ32と発電機側排気系コネクタ52とは、接続、分離が可能な接続器として構成され、接続されることによって、車体側排気通路22と発電機側排気通路55とを接続する。車体側燃料系コネクタ33と発電機側燃料系コネクタ53とは、互いに接続、分離が可能な接続器として構成され、車体側燃料タンク23と発電機側燃料タンク48とを接続する。
【0045】
エンジン発電機8が発電機収容部12における所定の搭載位置に搭載されると、車体側電気系コネクタ31及び発電機側電気系コネクタ51、車体側排気系コネクタ32及び発電機側排気系コネクタ52、車体側燃料系コネクタ33及び発電機側燃料系コネクタ53のそれぞれが接続される。例えば、エンジン発電機8の発電機収容部12への挿入方向と、各コネクタ31〜33、51〜53の接続方向(抜き差し方向)とが互いに平行となっており、エンジン発電機8を搭載位置に移動させると各コネクタ31〜33、51〜53が自動的に接続される。車体側電気系コネクタ31、車体側排気系コネクタ32及び車体側燃料系コネクタ33は、互いの相対位置が定められた1つの車体側コネクタとして構成されてもよい。また、発電機側電気系コネクタ51、発電機側排気系コネクタ52及び発電機側燃料系コネクタ53は、互いの相対位置が定められた1つの発電機側コネクタとして構成されてもよい。そして、車体側コネクタと発電機側コネクタとが接続されることによって、各コネクタ31〜33、51〜53が同時に接続されるようにしてもよい。
【0046】
エンジン発電機8が車体2に対して搭載され、各コネクタ31〜33、51〜53が接続された状態をエンジン発電機8の搭載状態という。エンジン発電機8が車体2から下ろされた状態、又は車体2上に載せられていても各コネクタ31〜33、51〜53が接続されていない状態を非搭載状態という。
【0047】
2次電池7は、リチウムイオン電池や、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等の公知の再充電可能な蓄電池である。2次電池7は、電力線60(図2中の実線の矢印)により充電装置18を介して充電用コネクタ27に接続されている。充電用コネクタ27は、車体2に固定された接続器であり、ケーブル等を介して外部の充電用電源に接続される。充電用電源は、50Hz〜60Hzの100V単相交流、200V単相交流、200V3相交流等の商用電源であってよい。充電用コネクタ27が、ケーブル等を介して充電用電源に接続されることによって、充電装置18には交流が供給される。充電装置18は、整流器、変圧器及び安定化回路等の電力変換器を備え、交流電力を2次電池7の電位に応じた所定電圧の直流電力に変換し、2次電池7に供給する。
【0048】
PDU17は、電力線60によって2次電池7と電動モータ5との間に接続され、かつ車体側電力変換器21と電動モータ5との間に接続されている。PDU17はインバータを備え、2次電池7又は車体側電力変換器21から供給(放電)される直流を交流に変換して電動モータ5に供給すると共に、電動モータ5の回生動作によって発電された交流を直流に変換して2次電池7に供給する。
【0049】
車体側電力変換器21は、電力線60によって車体側電気系コネクタ31に接続されている。車体側電力変換器21は、エンジン発電機8から電力線60によって供給される3相交流を任意の電圧の直流に変換し、2次電池7及びPDU17に供給する。
【0050】
車体側ECU16及び発電機側ECU45は、マイクロプロセッサや、ROM、RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。車体側ECU16の信号線61(図2中の破線)は、2次電池7、充電装置18、PDU17、車体側電力変換器21、発電機側ECU45に接続されている。車体側ECU16は、2次電池7の電位を検出するバッテリ電位検出部を備え、2次電池7の電位及び発電機側ECU45から信号に応じて、充電装置18、車体側電力変換器21、PDU17を制御する。車体側ECU16と発電機側ECU45とを接続する信号線61は、互いに接続される車体側電気系コネクタ31及び発電機側電気系コネクタ51を介して接続されている。
【0051】
車体側排気通路22は、管によって構成され、その一端は車体側排気系コネクタ32に接続され、他端は車両後方に延び、車体2の後端において開口端である排気口62を形成している。車体側排気通路22の経路上には、車体側消音器24が設けられている。車体側消音器24は、膨張室や隔壁、吸音材を備えた公知のマフラーであってよい。車体側排気通路22における、車体側排気系コネクタ32と車体側消音器24との間の部分には、分岐通路64が設けられ、分岐通路64の上流側の分岐部には車体側排気切換弁65が設けられている。車体側排気切換弁65を操作することによって分岐通路64への排気の引き込みが可能になっている。分岐路には、車体側熱交換器25が設けられている。車体側熱交換器25は、排気ガスから熱を受け取り、その熱を車室の暖房に使用するヒータコア(不図示)やデフロスタ(不図示)等に供給する。
【0052】
車体側燃料タンク23は、ガソリンである液体燃料を貯蔵する容器である。車体側燃料タンク23は、液路67を介して車体側燃料系コネクタ33に接続されている。車体側燃料タンク23は車体側給油管68を備え、車外から車体側給油管68を介した液体燃料の補給が可能になっている。
【0053】
図3は、第1実施形態に係るエンジン発電機の内燃機関41の構成図である。図3に示すように、エンジン発電機8の内燃機関41は、公知のレシプロ内燃機関であってよい。本実施形態の内燃機関41は、限定するわけではないが、水冷4ストロークOHC単気筒である。内燃機関41は、ガソリン、及びメタン、プロパン等の炭化水素ガスを燃料とする。内燃機関41のシリンダブロック71には、ウォータジャケット72が設けられている。内燃機関41は、燃焼室に連通する吸気通路74と排気通路(発電機側排気通路55)とを有している。発電機側排気通路55の下流端は、発電機側排気系コネクタ52に接続されている。
【0054】
発電機側排気通路55の経路上には、上流側から順に排気浄化装置75と発電機側消音器76とが設けられている。排気浄化装置75は、公知の三元触媒を含む触媒コンバータであり、排気ガス中の有害物質を低減する。発電機側消音器76は、膨張室や隔壁、吸音材を備えた公知のマフラーであってよい。発電機側消音器76は、車体側消音器24よりもサイズが小さく形成されている。
【0055】
また、発電機側排気通路55は発電機側消音器76を迂回するバイパス通路78を有している。バイパス通路78は、その上流端が発電機側排気通路55における排気浄化装置75と発電機側消音器76との間の部分に接続され、その下流端が発電機側排気通路55における発電機側消音器76と発電機側排気系コネクタ52との間の部分に接続されている。バイパス通路78の上流端である分岐部には、発電機側排気切換弁79(バイパス弁)が設けられている。排気浄化装置75を通過した排気ガスは、発電機側排気切換弁79の操作によって、発電機側消音器76を通過して発電機側排気系コネクタ52に至る経路と、バイパス通路78を通過して発電機側消音器76を迂回し、発電機側排気系コネクタ52に至る経路とのいずれかを選択する。
【0056】
エンジン発電機8の搭載状態では、発電機側排気系コネクタ52と車体側排気系コネクタ32とが接続され、内燃機関41で発生した排気ガスは、発電機側排気通路55、発電機側排気系コネクタ52、車体側排気系コネクタ32、車体側排気通路22を通過して排気口62から大気中に放出される。その際、排気ガスは、排気浄化装置75と車体側消音器24とを必ず通過するが、発電機側消音器76や車体側熱交換器25を通過するか否かは、発電機側排気切換弁79及び車体側排気切換弁65の操作によって選択される。発電機側排気切換弁79及び車体側排気切換弁65の操作は、車体側ECU16及び発電機側ECU45によって制御されている。発電機側排気系コネクタ52と車体側排気系コネクタ32との接続部は、排気ガス漏れが生じないように、気密に形成されている。
【0057】
エンジン発電機8の非搭載状態では、排気ガスは発電機側排気系コネクタ52から大気中に放出される。
【0058】
吸気通路74には、ガソリンを噴射する液体燃料噴射装置81と、メタン、プロパン、ブタン等の可燃性ガスを噴射する気体燃料混合(ミキサー)装置82(気体燃料供給装置)とが設けられている。液体燃料噴射装置81には、液体燃料通路83を介して発電機側燃料タンク48から液体のガソリンが供給される。液体燃料通路83には、燃料を発電機側燃料タンク48から液体燃料噴射装置81に圧送する発電機側燃料ポンプ85が設けられている。発電機側燃料タンク48は、発電機側給油管84を備え、車外から発電機側給油管84を介した液体燃料の補給が可能になっている。
【0059】
発電機側燃料タンク48は、車体側燃料タンク23に比べて容積が小さく形成されている。エンジン発電機8の搭載状態では、発電機側燃料系コネクタ53と車体側燃料系コネクタ33とが接続され、車体側燃料タンク23は、発電機側燃料系コネクタ53、車体側燃料系コネクタ33、液路67を介して発電機側燃料タンク48に接続される。車体側燃料タンク23には、燃料を発電機側燃料タンク48に圧送する車体側燃料ポンプ86が設けられている。エンジン発電機8の搭載状態では、車体側燃料ポンプ86によって、車体側燃料タンク23から発電機側燃料タンク48に燃料が輸送される。燃料は、発電機側燃料タンク48の液位(残容量)が優先され、発電機側燃料タンク48が所定の液位となるまで、車体側燃料タンク23の燃料は発電機側燃料タンク48に輸送される。
【0060】
気体燃料混合装置82は、分岐した気体燃料通路91を介して第1気体燃料コネクタ92及び第2気体燃料コネクタ(口金)93に接続されている。気体燃料通路91の分岐部には、気体燃料切換弁94が設けられている。気体燃料切換弁94は、気体燃料混合装置82と第1気体燃料コネクタ92とを接続する第1状態、気体燃料混合装置82と第2気体燃料コネクタ93とを接続する第2状態、第1気体燃料コネクタ92及び第2気体燃料コネクタ93のいずれも気体燃料混合装置82に接続しない第3状態との間で切換可能になっている。第1気体燃料コネクタ92は、都市ガスのガス配管、又はLPガスボンベと接続されるガスホースが接続可能になっている。一方、第2気体燃料コネクタ93は、プロパンやブタンが貯蔵されたカセットボンベ98が直接に接続可能になっている。第2気体燃料コネクタ93は、複数設けられ、複数のカセットボンベ98が接続可能になっていることが好ましい。気体燃料切換弁94を操作することによって、気体燃料混合装置82に都市ガス又はLPガスを供給する、又はカセットボンベ98からのガスを供給する、いずれも供給しないの3態様を選択することができる。
【0061】
気体燃料通路91の気体燃料切換弁94と第2気体燃料コネクタ93との間の経路上には、第2気体燃料コネクタ93側から気化器96及び圧力調整器97が順に設けられている。気化器96は、発電機側排気通路55に隣接して配置され、発電機側排気通路55から受熱し、内部を通過する可燃性ガスを昇温し、ガスを気化させる。
【0062】
図3は、第1実施形態に係るエンジン発電機の内燃機関の構成図である。図3に示すように、内燃機関41のクランクシャフト101の両端部は、それぞれシリンダブロック71から突出している。クランクシャフト101の一端は変速機42に連結され、他端はインペラ102に連結されている。インペラ102は、軸流形であり、クランクシャフト101を回転軸としてクランクシャフト101と共に回転し、シリンダブロック71側に空気を引き込み、シリンダブロック71を冷却する。
【0063】
インペラ102の正面には、ラジエータ103が設けられている。ラジエータ103は、ウォータジャケット72と水路104を介して接続され、循環路の一部を形成している。インペラ102が回転することによって、空気がラジエータ103を通過してシリンダブロック71側に引き込まれ、ラジエータ103が冷却される。これにより、ウォータジャケット72で昇温された冷却水は、ラジエータ103で放熱し、冷却される。
【0064】
変速機42は、クランクシャフト101と同軸に連結された第1ギヤ107と、第1ギヤ107に噛み合う第2ギヤ108と、第2ギヤ108に設けられた出力軸109とを有する。第2ギヤ108の歯数は、第1ギヤ107の歯数に対して少なく設定されており、出力軸109はクランクシャフト101より速い回転数で回転する。例えば、第1ギヤ107に対する第2ギヤ108の歯数は、1/2であってよい。
【0065】
ACG43は、公知の3相交流発電機である。ACG43の回転軸は、変速機42の出力軸109に連結されている。これにより、ACG43は、クランクシャフト101よりも速い回転数で駆動される。ACG43は、電力線60を介して発電機側電気系コネクタ51及び発電機側電力変換器46に接続されている。
【0066】
発電機側電力変換器46は、ACG43から供給される3相交流を50〜60Hzの100V単相交流に変換する。発電機側電力変換器46は、電力線60を介して外部出力コネクタ54に接続されている。外部出力コネクタ54は、商用電源100Vのプラグ受け(ソケット)と同様に構成され、市販の電気機器のプラグが接続可能となっている。
【0067】
発電機側ECU45は、信号線61を介して内燃機関41、発電機側電力変換器46、発電機側電気系コネクタ51、気体燃料切換弁94に接続されている。発電機側ECU45は、エンジン発電機8が車体2に搭載された際に、発電機側電気系コネクタ51及び車体側電気系コネクタ31を介して車体側ECU16に接続され、エンジン発電機8が車体2に搭載されたことを検知する。また、気体燃料切換弁94からの信号に基づいて気体燃料切換弁94の選択状態を検知する。
【0068】
発電機側ECU45は、気体燃料切換弁94からの信号に基づいて内燃機関41の燃焼条件を変更する。例えば、発電機側ECU45は、気体燃料切換弁94が第3状態である場合には、液体燃料噴射装置81を駆動してガソリンを噴射すると共に、スパークプラグの点火時期等を制御し、ガソリンの燃焼に適した条件を設定する。また、発電機側ECU45は、気体燃料切換弁94が第1状態又は第2状態である場合には、液体燃料噴射装置81を停止すると共に、気体燃料混合装置82を駆動し、スパークプラグの点火時期等を制御し、選択されたガスに適した条件を設定する。また、発電機側ECU45は、車体側ECU16からの信号に基づいて、エンジン発電機8が車体搭載状態であると判断したときには、エンジン発電機8が車体2から分離された非搭載状態のときよりもエンジン回転数を増加させる。
【0069】
以上のように構成した電気自動車1では、搭載状態におけるエンジン発電機8は車両の一部として機能する。また、エンジン発電機8は、車体2から取り外すことができ、車体2から独立した汎用発電機として使用される。
【0070】
エンジン発電機8を搭載した電気自動車1は、車体側ECU16がPDU17及びエンジン発電機8を制御し、2次電池7又はエンジン発電機8からPDU17を介して電動モータ5に電力を供給する。車体側ECU16は、例えば、乗員のアクセル操作に基づく要求出力と、2次電池7の電位(バッテリ残量)とに基づいて、エンジン発電機8を制御する。エンジン発電機8は、車体側ECU16に制御された発電機側ECU45が内燃機関41を制御する。
【0071】
図4は、(A)2次電池の電位が高い場合、(B)2次電池の電位が低い場合における要求出力に対するACG出力及び2次電池の充放電量である。図4(A)に示すように、2次電池7の電位が高い場合(すなわち、2次電池7の残容量が十分な場合)であって、要求出力が所定値以下の小さい状態では、2次電池7の電力が電動モータ5に供給される。一方、要求出力が所定値を超える大きい状態では、エンジン発電機8が駆動され、ACG43からの電力が電動モータ5に供給される。このときACG43からの余剰な電力は、2次電池7に供給され、2次電池7が充電される。
【0072】
一方、図4(B)に示すように、2次電池7の電位が低い場合、すなわち2次電池7の残容量が少ない場合には、エンジン発電機8を駆動してACG43から2次電池7に電力を供給し、2次電池7を充電する。そして要求出力が増加するときには、ACG43から電動モータ5に電力を供給する。
【0073】
以上のように、エンジン発電機8は、要求出力が大きい場合や、2次電位の電位が低い場合にACG43から2次電池7や電動モータ5に電力を供給する。2次電池7や電動モータ5への電力供給が不要な場合には、内燃機関41はアイドル状態で駆動されてもよいし、停止されてもよい。
【0074】
電気自動車1は、停車状態において、搭載状態にあるエンジン発電機8を駆動し、外部に電力を供給することができる。電力は、外部出力コネクタ54から100V単相交流として供給される。
【0075】
エンジン発電機8が搭載状態である場合、車体側燃料タンク23が車体側燃料系コネクタ33及び発電機側燃料系コネクタ53を介して発電機側燃料タンク48に接続されるため、内燃機関41に供給可能な燃料容量が増大する。このため、エンジン発電機8は電気自動車1の航続距離延長に十分に寄与することができる。一方、エンジン発電機8が非搭載状態である場合、車体側燃料タンク23がエンジン発電機8から分離されるため、エンジン発電機8はコンパクトかつ軽量になり、移動が容易になる。
【0076】
エンジン発電機8が搭載状態である場合、発電機側排気系コネクタ52及び車体側排気系コネクタ32を介して発電機側排気通路55が車体側排気通路22に接続される。これにより、エンジン発電機8を車体2に搭載しても内燃機関41からの排気ガスが車室に流れ込むことはなく、車室を避けて大気中に放出される。また、車体側排気通路22には車体側消音器24が設けられているため、搭載状態では消音効果が一層高められる。一方、エンジン発電機8が非搭載状態である場合、車体側排気通路22がエンジン発電機8から分離されるため、エンジン発電機8はコンパクトかつ軽量になり、移動が容易になる。
【0077】
また、車体側排気切換弁65を操作し、分岐通路64の車体側熱交換器25に排気ガスを流すことによって、排気ガスの熱量を車室の暖房やデフロスタに利用することができる。このとき、発電機側排気切換弁79が切り換えられ、排気ガスが発電機側消音器76を迂回してバイパス通路78を流れることによって、発電機側消音器76での排気ガスの温度低下が抑制され、車体側熱交換器25に供給される熱量が増大する。発電機側排気切換弁79は、発電機側ECU45によって制御され、エンジン発電機8の搭載状態で排気ガスがバイパス通路78に流れるようにし、非搭載状態で排気ガスが発電機側消音器76に流れるようにしてもよい。
【0078】
エンジン発電機8は、搭載状態及び非搭載状態において、第1気体燃料コネクタ92又は第2気体燃料コネクタ93を介して気体燃料の供給を受け、気体燃料によって内燃機関41を駆動することができる。これにより、液体燃料の供給がない場合や、液体燃料に対して気体燃料の供給量が多い場合等に、エンジン発電機8は都市ガスやLPガス、カセットボンベ98を利用して内燃機関41を駆動し、電力を外部に供給することができる。このように、エンジン発電機8は、各種燃料を選択的に使用して発電するため、災害時や僻地等の特定の燃料が利用できない状況下においても発電を行うことができる。
【0079】
本実施形態に係るエンジン発電機8は、車体2から取り外すことができる。そのため、電気自動車1を低距離走行に利用する場合には、エンジン発電機8を車体2から降ろすことによって、車体2重量を軽くし、走行に必要な電力消費量を低減することができる。また、エンジン発電機8は、電気自動車1が進入できないような場所にも取り外して持ち込むことができるため、汎用性が高い。
【0080】
また、エンジン発電機8は、他の車両の電源として使用することができる。他の車両は、電動モータを駆動源とする電動二輪車や電動三輪車、電動四輪車等であってよい。これらの電動車両は、電力源(バッテリ)を有しておらず、エンジン発電機8を主の電源として使用してもよいし、電力源を有し、エンジン発電機8を補助的な電源として使用してもよい。例えば、電気自動車1に車載可能な電動二輪車として、電動モータを有するが、電力源を有さない電動二輪車を用意するとよい。この電動二輪車を走行させる場合には、電気自動車1のエンジン発電機8を使用する。電力源を電気自動車1と電動二輪車との間で共通にすることによって、電気自動車1及び電動二輪車を含む全体の軽量化や小型化が図れる。
【0081】
エンジン発電機8の内燃機関41は、非搭載状態においては、車体側排気通路22及び車体側燃料タンク23から分離され、コンパクトかつ軽量な装置として構成される。これにより、エンジン発電機8の可搬性が高められる。非搭載状態のエンジン発電機8は、搭載状態に比較して低いエンジン回転数で駆動され、騒音が抑制される。そのため、車体側消音器24が分離された状態でも、十分な静粛性を実現することができる。換言すると、高出力が要求される搭載状態では、エンジン発電機8はエンジン回転数が高い状態で駆動されるため、発電機側消音器76よりも消音効果が高い車体側消音器24によって、エンジン回転数の増加に伴って増大する騒音を抑制する。
【0082】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電気自動車200では、ACG43と2次電池7及びPDU17との間に設けられる電力変換器の構成が第1実施形態に係る電気自動車1と異なる。以下の説明では、第1実施形態に係る電気自動車1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
図5は、第2実施形態に係る電気自動車200の構成図である。第2実施形態に係る電気自動車200のエンジン発電機8は、発電機側電力変換器46に代えて発電機側電力変換器206を有し、ACG43と発電機側電気系コネクタ51との間、かつACG43と発電機側電力変換器206との間にAC/DC変換器201を有する。また、車体側電力変換器21に代えて車体側電力変換器205を有する。
【0084】
AC/DC変換器201は、ACG43から供給される3相交流を直流に変換する。車体側電力変換器205は、直流を所定の電圧に変換するDC/DC変換器として構成されている。発電機側電力変換器206は、直流を50Hz〜60Hzの100V単相交流に変換するDC/ACインバータとして構成されている。
【0085】
図6は、第2実施形態に係るエンジン発電機8の内燃機関41及びAC/DC変換器201の構成図である。図6に示すように、AC/DC変換器201は、冷却装置としてのウォータジャケット202を有している。AC/DC変換器201のウォータジャケット202は、内燃機関41のウォータジャケット72と並列になるように水路104と連通し、ラジエータ103を通過した冷却水が供給されるようになっている。
【0086】
この構成によれば、第1実施形態に係る車体側電力変換器21の機能の一部をAC/DC変換器201として分離し、エンジン発電機8に設けたため、エンジン発電機8の冷却水を利用してAC/DC変換器201を冷却することができる。
【0087】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る電気自動車300では、第1実施形態に係る電気自動車1と比べて、エンジン発電機8が、発電機側消音器76、バイパス通路78、発電機側排気切換弁79、第2気体燃料コネクタ93、気体燃料切換弁94、気化器96、圧力調整器97を有さない点が異なる。以下の説明では、第1実施形態に係る電気自動車1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
図7は第3実施形態に係る電気自動車の構成図である。図7に示すように、第3実施形態に係る電気自動車300は、第1実施形態のエンジン発電機8に比べて、エンジン発電機8の軽量化及び小型化を促進するために、発電機側消音器76、バイパス通路78、発電機側排気切換弁79、第2気体燃料コネクタ93、気体燃料切換弁94、気化器96、圧力調整器97等の構成要素がエンジン発電機8から省略されている。
【0089】
図8は第3実施形態に係るエンジン発電機の非搭載状態の構成図である。図8に示すように、エンジン発電機8には、電力変換ユニット301及び燃料・給湯ユニット302が着脱可能に取り付けられる。
【0090】
電力変換ユニット301は、AC/ACインバータ305と、入力コネクタ306と、第1及び第2出力コネクタ307、308とを有している。入力コネクタ306は、発電機側電気系コネクタ51に着脱自在に接続可能である。第1及び第2出力コネクタ307、308は、商用電源のプラグ受け(ソケット)と同様に構成され、市販の電気機器のプラグが接続可能となっている。本実施形態では、第1出力コネクタ307が200V単相交流のプラグ受けとして構成され、第2出力コネクタ308が100V単相交流のプラグ受けとして構成されている。AC/ACインバータ305は、ACG43から供給される3相交流を50Hz〜60Hzの200V単相交流及び100V単相交流に変換して、第1及び第2出力コネクタ307、308に供給する。
【0091】
燃料・給湯ユニット302は、気体燃料供給通路310と、燃料入口コネクタ311と、燃料出口コネクタ312と、排気通路314と、排気入口コネクタ315と、排気口316とを有している。燃料入口コネクタ311は気体燃料供給通路310の一端に設けられ、燃料出口コネクタ312は気体燃料供給通路310の他端に設けられている。排気口316は排気通路314の一端に設けられ、排気入口コネクタ315は排気通路314の他端に設けられている。排気通路314には、排気入口コネクタ315側から順に熱交換器317と、消音器318とが設けられている。気体燃料供給通路310には、圧力調整器319が設けられている。
【0092】
燃料出口コネクタ312は第1気体燃料コネクタ92に着脱可能に接続され、排気入口コネクタ315は発電機側排気系コネクタ52に着脱可能に接続される。燃料・給湯ユニット302をエンジン発電機8に取り付ける際に、燃料出口コネクタ312と第1気体燃料コネクタ92との接続、排気入口コネクタ315と発電機側排気系コネクタ52との接続が同時に行われる。
【0093】
燃料入口コネクタ311は、都市ガスのガス配管、又はLPガスボンベやカセットボンベと接続されるガスホースが接続可能になっている。また、他の実施形態では、燃料入口コネクタ311はカセットボンベと直接に接続が可能な形状に形成されてもよい。燃料入口コネクタ311に供給された気体燃料は、圧力調整器319を通過して気体燃料供給通路310を流れ、燃料出口コネクタ312及び第1気体燃料コネクタ92を通過して気体燃料混合装置82から内燃機関41に供給される。
【0094】
排気入口コネクタ315が発電機側排気系コネクタ52に接続されると、内燃機関41からの排気ガスは、排気浄化装置75を通過した後、熱交換器317、消音器318を順に通過した後、排気口316から排出される。熱交換器317は、水路321を有しており、排気ガスの熱を利用して水路321を流れる水を加熱する。水路321の入口端323は、ポンプが設けられたホース等を介して水源(貯水槽、水道等)に連結され、水路321の出口端324は温水の供給口となる。
【0095】
他の実施形態では、燃料・給湯ユニット302の水路321にポンプを設けてもよい。また、水路321の入口端323及び出口端324に追加給湯ユニット350を設けてもよい。追加給湯ユニット350は、貯水槽351と、貯水槽351と水路321の入口端323とを接続する行き水路352と、行き水路352に設けられたポンプ353と、水路321の出口端324と貯水槽351とを接続する戻り水路355と、戻り水路355の少なくとも一部を加熱する加熱器356とを有している。貯水槽351は、水の補給をするための開口(不図示)と、供給口360を有している。加熱器356は、電熱器であり、例えば、電力変換ユニット301の第2出力コネクタ308から電力の供給を受けるとよい。追加給湯ユニット350は、貯水槽351、行き水路352、水路321、戻り水路355を通して水を循環させ、熱交換器317及び加熱器356の熱によって水を昇温させ、貯水槽351の供給口360から温水を外部に供給する。供給口360は、蛇口やシャワーヘッドであってよい。
【0096】
上記の燃料・給湯ユニット302は、1つのユニットとして形成したが、他の実施形態では排気通路314、排気入口コネクタ315、排気口316、熱交換器317、消音器318、水路321、入口端323、及び出口端324を含む給湯ユニットと、気体燃料供給通路310、燃料入口コネクタ311、燃料出口コネクタ312、及び圧力調整器319を含む排気ユニットとの2つのユニットに分離してもよい。
【0097】
図9は、第3実施形態に係るエンジン発電機の非搭載状態において、急速充電ユニットを取り付けた状態の構成図である。図9に示すように、エンジン発電機8には、電力変換ユニット301や燃料・給湯ユニット302に代えて急速充電ユニット400や、燃料タンクユニット401を着脱自在に装着してもよい。燃料タンクユニット401は、液体燃料を貯留する燃料タンクであり、発電機側燃料系コネクタ53に接続可能な燃料タンクコネクタ404を有している。燃料タンクコネクタ404が発電機側燃料系コネクタ53に接続されることによって、燃料タンクユニット401は発電機側燃料タンク48に接続される。燃料タンクユニット401は発電機側燃料タンク48に燃料を供給し、内燃機関41に供給可能な燃料量を増加させる。
【0098】
急速充電ユニット400は、以下の順序で直列に接続された入力コネクタ411、AC/DC変換器412、DC/DC変換器413、2次電池414、DC/AC変換器415、出力コネクタ416を有している。入力コネクタ411は、発電機側電気系コネクタ51に接続される。これにより、ACG43で発生した3相交流は、発電機側電気系コネクタ51及び入力コネクタ411を介してAC/DC変換器412に供給され、直流に変換される。AC/DC変換器412で変換された直流は、続くDC/DC変換器413で電圧が調整され、2次電池414に蓄えられる。
【0099】
出力コネクタ416は、ケーブルを介して他の電気自動車の急速充電用のコネクタに接続される。2次電池414の電力は、DC/AC変換器415で200V3相交流に変換された後、出力コネクタ416及びケーブルを介して他の電気自動車のバッテリに供給される。
【0100】
以上の第3実施形態に係る電気自動車300は、エンジン発電機8の構成を最小限として、エンジン発電機8の小型化及び軽量化を図っている。エンジン発電機8を多目的に使用する場合には、電力変換ユニット301や燃料・給湯ユニット302、燃料タンクユニット401、急速充電ユニット400といった付加ユニットをエンジン発電機8に装着して機能を増加させる。
【0101】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記の実施形態では、内燃機関41をガソリンエンジンとしたが、液体燃料に軽油を使用するディーゼルエンジンとしてもよい。また、エンジン発電機8の車体2に対する配置はフロアパネル11の下方に限らず、車室後部の荷室や、トランクルーム等であってもよい。また、車体2の後部に荷台が設けられた車両では、荷台上にエンジン発電機8を載せてもよい。
【0102】
上記の実施形態は、記載の構成を全て同時に有する必要はなく、適宜取捨選択することができる。例えば、気体燃料を使用しない場合には、気体燃料混合装置82及び気体燃料通路91等は省略してもよい。また、車体側熱交換器25を使用しない場合には、分岐通路64やバイパス通路78等は省略してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1、200、300…電気自動車(発電機搭載車両)、2…車体、5…電動モータ、7…2次電池、8…エンジン発電機、16…車体側ECU(車体側制御部)、17…PDU、18…充電装置、21…車体側電力変換器、22…車体側排気通路、23…車体側燃料タンク、24…車体側消音器、25…車体側熱交換器、27…充電用コネクタ、31…車体側電気系コネクタ、32…車体側排気系コネクタ、33…車体側燃料系コネクタ、41…内燃機関、42…変速機、43…ACG、45…発電機側ECU(発電機側制御部)、46…発電機側電力変換器、48…発電機側燃料タンク、51…発電機側電気系コネクタ、52…発電機側排気系コネクタ、53…発電機側燃料系コネクタ、54…外部出力コネクタ、55…発電機側排気通路、60…電力線、61…信号線、72…ウォータジャケット、74…吸気通路、75…排気浄化装置、76…発電機側消音器、81…液体燃料噴射装置(液体燃料供給装置)、82…気体燃料混合装置(気体燃料供給装置)、83…液体燃料通路、91…気体燃料通路、92…第1気体燃料コネクタ、93…第2気体燃料コネクタ(口金)、103…ラジエータ、104…水路、201…AC/DC変換器、202…ウォータジャケット、205…車体側電力変換器、206…発電機側電力変換器、301…電力変換ユニット、302…燃料・給湯ユニット、305…AC/ACインバータ、310…気体燃料供給通路、314…排気通路、317…熱交換器、318…消音器、319…圧力調整器、321…水路、323…入口端、324…出口端、350…追加給湯ユニット、400…急速充電ユニット、401…燃料タンクユニット、404…燃料タンクコネクタ、411…入力コネクタ、412…AC/DC変換器、413…DC/DC変換器、414…2次電池、415…DC/AC変換器、416…出力コネクタ
図1
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図9