特表-14097446IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2014年6月26日
【発行日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】変圧器およびそれを含む変圧装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 30/00 20060101AFI20161216BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   H01F31/00 C
   H01F31/00 A
   H01F31/00 R
   H01F27/28 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2013-526656(P2013-526656)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年12月20日
(11)【特許番号】特許第5343180号(P5343180)
(45)【特許公報発行日】2013年11月13日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野田 敏広
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目7番3号 三菱電機株式会社内
【テーマコード(参考)】
5E043
【Fターム(参考)】
5E043BA01
5E043BA03
(57)【要約】
複数の脚部を有する鉄心(61)と、複数の脚部にそれぞれ巻回された複数の高圧側コイルと、高圧側コイルに対応して設けられ、複数の脚部にそれぞれ巻回された複数の低圧側コイルとを備える。高圧側コイルおよび対応の低圧側コイルにより複数のコイルグループが構成される。複数のコイルグループのうちの第1のコイルグループ(G1)は、複数の脚部のうちの第1の脚部(31)に巻回された高圧側コイル(1A)および低圧側コイル(2A)と、複数の脚部のうちの第1の脚部(31)に隣り合った第2の脚部(32)に巻回された高圧側コイル(1B)および低圧側コイル(2B)とを含む。複数のコイルグループのうちの第2のコイルグループ(G2)は、第1の脚部(31)に巻回された高圧側コイル(11A)および低圧側コイル(12A)と、第2の脚部(32)に巻回された高圧側コイル(11B)および低圧側コイル(12B)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を隔てて並ぶ複数の脚部(31,32)を有する鉄心(61)と、
前記複数の脚部(31,32)にそれぞれ巻回され、共通の単相交流電力を受ける複数の高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)と、
前記高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)に対応して設けられ、対応の前記高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)と磁気結合され、前記複数の脚部(31,32)にそれぞれ巻回された複数の低圧側コイル(2A,2B,12A,12B)とを備え、
前記高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)および対応の前記低圧側コイル(2A,2B,12A,12B)により複数のコイルグループ(G1,G2)が構成され、
前記複数のコイルグループ(G1,G2)のうちの第1のコイルグループ(G1)は、前記複数の脚部(31,32)のうちの第1の脚部(31)に巻回された前記高圧側コイル(1A)および前記低圧側コイル(2A)と、前記複数の脚部(31,32)のうちの前記第1の脚部(31)に隣り合った第2の脚部(32)に巻回された前記高圧側コイル(1B)および前記低圧側コイル(2B)とを含み、
前記複数のコイルグループ(G1,G2)のうちの第2のコイルグループ(G2)は、前記第1の脚部(31)に巻回された前記高圧側コイル(11A)および前記低圧側コイル(12A)と、前記第2の脚部(32)に巻回された前記高圧側コイル(11B)および前記低圧側コイル(12B)とを含む、変圧器。
【請求項2】
請求項1に記載の変圧器と、
前記低圧側コイル(2A,2B,12A,12B)に現れた交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ(5A,5B)と
を備える、変圧装置。
【請求項3】
前記コンバータ(5A,5B)により変換された直流電圧を3相交流電圧に変換するインバータ(6A,6B)をさらに備える、請求項2に記載の変圧装置。
【請求項4】
電動車両に搭載される、請求項2または3に記載の変圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器およびそれを含む変圧装置に関し、特に、電動車両に搭載される変圧器およびそれを含む変圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新幹線などの鉄道車両はより速く、かつできるだけ輸送量を多くする要求がある。そのため、車両本体および付属機器の小型化および軽量化が必要となるが、その一方で、付属機器の中で特に質量の大きい車載変圧器は大容量化している。
【0003】
近年では、バリアフリーの観点から低床化車両の要求が高まっているため、交流電車などの車両の床下に搭載される車載変圧器のような床下機器に対しては、小型化および軽量化の要求だけではなく、車両を低床化するために、高さを低減する要求が強い。
【0004】
変圧器の高さを低減するとともにリアクタンスの低下を防ぐことが可能な変圧器の構成を開示した先行文献として、国際公開第2010/092676号(特許文献1)がある。特許文献1に記載された変圧器は、互いに間隔を隔てて並ぶ複数の脚部を有する第1の鉄心と、複数の脚部にそれぞれ巻回され、共通の単相交流電力を受ける複数の高圧側コイルと、高圧側コイルに対応して設けられ、対応の高圧側コイルと磁気結合され、複数の脚部にそれぞれ巻回された複数の低圧側コイルとを備えている。この変圧器においては、高圧側コイルおよび対応の低圧側コイルにより複数のコイルグループが構成されている。さらに、変圧器は、隣り合うコイルグループ間に設けられた第2の鉄心を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2010/092676号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された変圧器においては、第2の鉄心を設けているため、変圧器の軽量化の面で改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、小型化および軽量化を図るとともにリアクタンスの低下を防ぐことができる、変圧器およびそれを含む変圧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に基づく変圧器は、互いに間隔を隔てて並ぶ複数の脚部を有する鉄心と、複数の脚部にそれぞれ巻回され、共通の単相交流電力を受ける複数の高圧側コイルと、高圧側コイルに対応して設けられ、対応の高圧側コイルと磁気結合され、複数の脚部にそれぞれ巻回された複数の低圧側コイルとを備える。高圧側コイルおよび対応の低圧側コイルにより複数のコイルグループが構成される。複数のコイルグループのうちの第1のコイルグループは、複数の脚部のうちの第1の脚部に巻回された高圧側コイルおよび低圧側コイルと、複数の脚部のうちの第1の脚部に隣り合った第2の脚部に巻回された高圧側コイルおよび低圧側コイルとを含む。複数のコイルグループのうちの第2のコイルグループは、第1の脚部に巻回された高圧側コイルおよび低圧側コイルと、第2の脚部に巻回された高圧側コイルおよび低圧側コイルとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型化および軽量化を図るとともにリアクタンスの低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】比較例に係る変圧装置を備えた交流電車の構成を示す回路図である。
図2】比較例に係る変圧器の構成を示す斜視図である。
図3図2における変圧器のIII−III断面およびこの変圧器において発生する電流および磁束を示す図である。
図4】比較例に係る変圧器における漏れ磁束を示す図である。
図5】比較例に係る変圧器における片側運転時の主磁束を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る変圧装置を備えた交流電車の構成を示す回路図である。
図7】同実施形態に係る変圧器の構成を示す斜視図である。
図8図7における変圧器のVIII−VIII断面およびこの変圧器において発生する電流および磁束を示す図である。
図9】同実施形態に係る変圧器における漏れ磁束を示す図である。
図10】同実施形態に係る変圧器における片側運転時の主磁束を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る変圧器およびそれを含む変圧装置について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0012】
まず、比較例に係る変圧器およびそれを含む変圧装置について説明する。図1は、比較例に係る変圧装置を備えた交流電車の構成を示す回路図である。図2は、比較例に係る変圧器の構成を示す斜視図である。図3は、図2における変圧器のIII−III断面およびこの変圧器において発生する電流および磁束を示す図である。図4は、比較例に係る変圧器における漏れ磁束を示す図である。
【0013】
図1に示すように、交流電車600は、パンタグラフ92と、変圧装置500と、モータMA,MBとを備える。変圧装置500は、変圧器58と、コンバータ5A,5Bと、インバータ6A,6Bとを含む。変圧器58は、コイルグループG1’,G2’を含む。コイルグループG1’は、高圧側コイル1A,1Bと、低圧側コイル2A,2Bとを含む。コイルグループG2’は、高圧側コイル11A,11Bと、低圧側コイル12A,12Bとを含む。
【0014】
変圧器58では、各コイルをコイルグループG1’,G2’に分割している。すなわち、高圧側コイル1A,1Bは高圧側コイル1を分割したものであり、低圧側コイル2A,2Bは低圧側コイル2を分割したものであり、高圧側コイル11A,11Bは高圧側コイル11を分割したものであり、低圧側コイル12A,12Bは低圧側コイル12を分割したものである。
【0015】
パンタグラフ92は、架線91に接続されている。高圧側コイル1A,1B,11A,11Bは,互いに並列に接続されている。比較例においては、低圧側コイル2Aと低圧側コイル2Bとが直列に接続されている。低圧側コイル12Aと低圧側コイル12Bとが直列に接続されている。
【0016】
高圧側コイル1Aは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。高圧側コイル1Bは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。
【0017】
高圧側コイル11Aは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。高圧側コイル11Bは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。
【0018】
低圧側コイル2Aは、高圧側コイル1Aと磁気結合されており、コンバータ5Aの第1入力端子に接続された第1端と、低圧側コイル2Bの第1端と接続された第2端とを有する。低圧側コイル2Bは、高圧側コイル1Bと磁気結合されており、低圧側コイル2Aの第2端に接続された第1端と、コンバータ5Aの第2入力端子に接続された第2端とを有する。
【0019】
低圧側コイル12Aは、高圧側コイル11Aと磁気結合されており、低圧側コイル12Bの第2端に接続された第1端と、コンバータ5Bの第2入力端子に接続された第2端とを有する。低圧側コイル12Bは、高圧側コイル11Bと磁気結合されており、コンバータ5Bの第1入力端子に接続された第1端と、低圧側コイル12Aの第1端に接続された第2端とを有する。
【0020】
架線91から供給される単相交流電圧は、パンタグラフ92を介して高圧側コイル1A,1B,11A,11Bに供給される。
【0021】
高圧側コイル1Aおよび11Aに供給される交流電圧により、低圧側コイル2Aおよび12Aにそれぞれ交流電圧が誘起される。高圧側コイル1Bおよび11Bに供給される交流電圧により、低圧側コイル2Bおよび12Bにそれぞれ交流電圧が誘起される。
【0022】
コンバータ5Aは、低圧側コイル2Aおよび2Bに誘起された交流電圧を直流電圧に変換する。コンバータ5Bは、低圧側コイル12Aおよび12Bに誘起された交流電圧を直流電圧に変換する。
【0023】
インバータ6Aは、コンバータ5Aから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMAへ出力する。インバータ6Bは、コンバータ5Bから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMBへ出力する。
【0024】
モータMAは、インバータ6Aから受けた三相交流電圧に基づいて駆動される。モータMBは、インバータ6Bから受けた三相交流電圧に基づいて駆動される。
【0025】
図2に示すように、変圧器58は、たとえば外鉄型(Shell-Type)の変圧器である。変圧器58は、主鉄心61をさらに含む。主鉄心61は、互いに対向する第1側面および第2側面と、第1側面から第2側面へ貫通する窓部W1〜W3を有する。また、主鉄心61は、互いに間隔を隔てて並ぶ脚部31,32を有する。脚部31は、窓部W1と窓部W2との間に設けられている。脚部32は、窓部W2と窓部W3との間に設けられている。
【0026】
高圧側コイル1A,1B,11A,11Bおよび低圧側コイル2A,2B,12A,12Bの各々は、たとえば積層された円盤状の複数の円盤巻線を含む。隣り合う層の円盤巻線は、電気的に接続されている。高圧側コイル1A,1B,11A,11Bおよび低圧側コイル2A,2B,12A,12Bにおける各円盤巻線は、略楕円状に巻回された矩形状の導電線路によって形成されている。
【0027】
高圧側コイル1Aは、低圧側コイル2Aと低圧側コイル2Bとの間であって低圧側コイル2Aに対向する位置に設けられ、低圧側コイル2Aと磁気結合されている。
【0028】
高圧側コイル1Bは、高圧側コイル1Aと並列に接続され、低圧側コイル2Aと低圧側コイル2Bとの間であって低圧側コイル2Bに対向する位置に設けられ、低圧側コイル2Bと磁気結合されている。
【0029】
高圧側コイル11Aは、低圧側コイル12Aと低圧側コイル12Bとの間であって低圧側コイル12Aに対向する位置に設けられ、低圧側コイル12Aと磁気結合されている。
【0030】
高圧側コイル11Bは、高圧側コイル11Aと並列に接続され、低圧側コイル12Aと低圧側コイル12Bとの間であって低圧側コイル12Bに対向する位置に設けられ、低圧側コイル12Bと磁気結合されている。
【0031】
各コイルグループにおける高圧側コイルおよび低圧側コイルは、脚部の両隣の各窓部を通してこの脚部に巻回され、この脚部の延伸方向に積層されている。すなわち、高圧側コイル1Aおよび1Bならびに低圧側コイル2Aおよび2Bは、窓部W1と窓部W2との間の脚部31に貫通されるように窓部W1および窓部W2を通して巻回され、脚部31の貫通方向に積層されている。
【0032】
高圧側コイル11Aおよび11Bならびに低圧側コイル12Aおよび12Bは、窓部W2と窓部W3との間の脚部32に貫通されるように窓部W2および窓部W3を通して巻回され、脚部32の貫通方向に積層されている。
【0033】
以下、上記の構成を有する比較例に係る変圧装置500の動作について説明する。
まず、架線91からパンタグラフ92へ単相交流電圧が供給される。架線91から供給される交流電圧は、パンタグラフ92を介して高圧側コイル1A,1B,11A,11Bに印加される。すなわち、各コイルグループにおける高圧側コイルは共通の単相交流電力を受ける。そうすると、高圧側コイル1A,1B,11A,11Bを通して交流電流IHが流れる。
【0034】
図3に示すように、高圧側コイル1A,1Bを通して流れる交流電流IHにより、主鉄心61内に主磁束FH1が発生する。そうすると、主磁束FH1により、低圧側コイル2Aの巻数と高圧側コイル1Aの巻数との比に応じた交流電流IL1および交流電圧が低圧側コイル2Aに発生する。また、主磁束FH1により、低圧側コイル2Bの巻数と高圧側コイル1Bの巻数との比に応じた交流電流IL1および交流電圧が低圧側コイル2Bに発生する。
【0035】
ここで、低圧側コイル2Aおよび2Bの巻数はそれぞれ高圧側コイル1Aおよび1Bの巻数より小さいことから、高圧側コイル1Aおよび1Bに印加される交流電圧が降圧された交流電圧が低圧側コイル2Aおよび2Bにそれぞれ誘起される。
【0036】
同様に、高圧側コイル11A,11Bを通して流れる交流電流IHにより、主磁束FH11が発生する。そうすると、主磁束FH11により、低圧側コイル12Aの巻数と高圧側コイル11Aの巻数との比に応じた交流電流IL11および交流電圧が低圧側コイル12Aに発生する。また、主磁束FH11により、低圧側コイル12Bの巻数と高圧側コイル11Bの巻数との比に応じた交流電流IL11および交流電圧が低圧側コイル12Bに発生する。
【0037】
ここで、低圧側コイル12Aおよび12Bの巻数はそれぞれ高圧側コイル11Aおよび11Bの巻数より小さいことから、高圧側コイル11Aおよび11Bに印加される交流電圧が降圧された交流電圧が低圧側コイル12Aおよび12Bにそれぞれ誘起される。
【0038】
低圧側コイル2Aおよび2Bに誘起された交流電圧は、コンバータ5Aに供給される。また、低圧側コイル12Aおよび12Bに誘起された交流電圧は、コンバータ5Bに供給される。
【0039】
コンバータ5Aは、低圧側コイル2Aおよび2Bから供給された交流電圧を直流電圧に変換し、インバータ6Aへ出力する。また、コンバータ5Bは、低圧側コイル12Aおよび12Bから供給された交流電圧を直流電圧に変換し、インバータ6Bへ出力する。
【0040】
インバータ6Aは、コンバータ5Aから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMAへ出力する。また、インバータ6Bは、コンバータ5Bから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMBへ出力する。
【0041】
モータMAは、インバータ6Aから受けた三相交流電圧に基づいて回転する。また、モータMBは、インバータ6Bから受けた三相交流電圧に基づいて回転する。
【0042】
このように、変圧器58では、低圧側コイルおよび高圧側コイルを複数のコイルグループに分割し、コイルグループごとに脚部を設ける。そして、複数のコイルグループにおける低圧側コイルおよび高圧側コイルを複数の脚部にそれぞれ巻回する。このような構成により、変圧器の高さすなわち脚部の延伸方向における変圧器の長さを低減することができる。また、コイルの導体線路の断面積を大きくする必要がなくなり、コイルにおける電力損失の増大を防ぐことができる。
【0043】
すなわち、変圧器58では、低圧側コイル2,12および高圧側コイル1,11を2つのコイルグループに分割しているため、各コイルグループの電力容量は1/2となる。ここで、供給電圧は一定であり、電力容量=電圧×電流より、各コイルグループの電力容量が1/2になると各コイルを通して流れる電流が1/2になる。これにより、各コイルにおいて積み重ねる円盤巻線の枚数を減らすことができるため、変圧器の高さを低減することができる。あるいは、円盤巻線の枚数を減らす代わりに、高圧側コイル1A,1B,11A,11Bおよび低圧側コイル2A,2B,12A,12Bの導体線路の断面積を小さくすることにより、各コイルグループの高さが低くなり、変圧器全体の高さを低減することができる。
【0044】
次に、変圧器58におけるリアクタンスの低下の問題について説明する。
図4に示すように、変圧器58では、高圧側コイルを通して流れる交流電流IHによって発生する主磁束FH1およびFH11に加えて、主鉄心61を通して流れない漏れ磁束FKH1およびFKH11が発生する。また、低圧側コイルを通して流れる交流電流IL1およびIL11によって、主鉄心61を通して流れない漏れ磁束FKL1およびFKL11が発生する。
【0045】
図5は、比較例に係る変圧器における片側運転時の主磁束を示す図である。変圧器58では、たとえばモータMBが故障した場合でも、コイルグループG1’を用いてモータMAを単独で運転することが可能である。このような片側運転時では、高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bが機能しない、すなわち高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bを通して電流が流れないため、主磁束FH11は発生しない。
【0046】
図5に示すように、たとえばモータMBが故障し、高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bを通して電流が流れなくなると、漏れ磁束FKH11およびFKL11が発生しなくなる。
【0047】
漏れ磁束FKH1およびFKL1は、窓部W2内で広がって磁路長が長くなる。このため、図4に示す状態と比べて窓部W2における起磁力が1/2になる。すなわち窓部W2における漏れ磁束の大きさが1/2になることから、低圧側コイル2A,2Bおよび高圧側コイル1A,1Bのリアクタンスが低下してしまう。
【0048】
ここで、アンペールの法則より、磁場の強さは磁路長に反比例する。磁場が弱くなるということは、磁束密度が小さくなり、コイルの自己インダクタンスが小さくなるということである。また、リアクタンスは漏れ磁場による漏れインダクタンスの影響を大きく受ける。したがって、磁路長が長くなることにより磁場が弱くなってコイルの自己インダクタンスが低下する。そうすると、漏れインダクタンスが低下することにより、リアクタンスが低下することになる。
【0049】
そこで、本発明の一実施形態に係る変圧装置100においては、コイルグループにおける分割したコイルの配置を比較例に係る変圧装置500とは変更している。以下、本発明の一実施形態に係る変圧装置100について図面を参照して説明する。なお、比較例に係る変圧装置500と同様の構成については、説明を繰り返さない。
【0050】
図6は、本発明の一実施形態に係る変圧装置を備えた交流電車の構成を示す回路図である。図7は、本実施形態に係る変圧器の構成を示す斜視図である。図8は、図7における変圧器のVIII−VIII断面およびこの変圧器において発生する電流および磁束を示す図である。図9は、本実施形態に係る変圧器における漏れ磁束を示す図である。
【0051】
図6に示すように、交流電車200は、パンタグラフ92と、変圧装置100と、モータMA,MBとを備える。変圧装置100は、変圧器51と、コンバータ5A,5Bと、インバータ6A,6Bとを含む。変圧器51は、コイルグループG1,G2を含む。コイルグループG1は、高圧側コイル1A,11Aと、低圧側コイル2A,12Aとを含む。コイルグループG2は、高圧側コイル1B,11Bと、低圧側コイル2B,12Bとを含む。
【0052】
変圧器51では、各コイルを第1のコイルグループG1および第2のコイルグループG2に分割している。すなわち、高圧側コイル1A,1Bは高圧側コイル1を分割したものであり、低圧側コイル2A,2Bは低圧側コイル2を分割したものであり、高圧側コイル11A,11Bは高圧側コイル11を分割したものであり、低圧側コイル12A,12Bは低圧側コイル12を分割したものである。
【0053】
パンタグラフ92は、架線91に接続されている。高圧側コイル1A,1B,11A,11Bは,互いに並列に接続されている。ただし、高圧側コイル1Aと高圧側コイル1Bとが直列に接続され、高圧側コイル11Aと高圧側コイル11Bとが直列に接続され、かつ、高圧側コイル1A,1Bと高圧側コイル11A,11Bとが並列に接続されていてもよい。
【0054】
本実施形態においては、低圧側コイル2Aと低圧側コイル2Bとが直列に接続されている。低圧側コイル12Aと低圧側コイル12Bとが直列に接続されている。ただし、低圧側コイル2Aと低圧側コイル2Bとが並列に接続され、低圧側コイル12Aと低圧側コイル12Bとが並列に接続されていてもよい。
【0055】
高圧側コイル1Aは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。高圧側コイル1Bは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。
【0056】
高圧側コイル11Aは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。高圧側コイル11Bは、パンタグラフ92に接続された第1端と、接地電圧が供給される接地ノードに接続された第2端とを有する。
【0057】
低圧側コイル2Aは、高圧側コイル1Aと磁気結合されており、コンバータ5Aの第1入力端子に接続された第1端と、低圧側コイル2Bの第1端と接続された第2端とを有する。低圧側コイル2Bは、高圧側コイル1Bと磁気結合されており、低圧側コイル2Aの第2端に接続された第1端と、コンバータ5Aの第2入力端子に接続された第2端とを有する。
【0058】
低圧側コイル12Aは、高圧側コイル11Aと磁気結合されており、低圧側コイル12Bの第2端に接続された第1端と、コンバータ5Bの第2入力端子に接続された第2端とを有する。低圧側コイル12Bは、高圧側コイル11Bと磁気結合されており、コンバータ5Bの第1入力端子に接続された第1端と、低圧側コイル12Aの第1端に接続された第2端とを有する。
【0059】
架線91から供給される単相交流電圧は、パンタグラフ92を介して高圧側コイル1A,1B,11A,11Bに供給される。
【0060】
高圧側コイル1Aおよび11Aに供給される交流電圧により、低圧側コイル2Aおよび12Aにそれぞれ交流電圧が誘起される。高圧側コイル1Bおよび11Bに供給される交流電圧により、低圧側コイル2Bおよび12Bにそれぞれ交流電圧が誘起される。
【0061】
コンバータ5Aは、低圧側コイル2Aおよび2Bに誘起された交流電圧を直流電圧に変換する。コンバータ5Bは、低圧側コイル12Aおよび12Bに誘起された交流電圧を直流電圧に変換する。
【0062】
インバータ6Aは、コンバータ5Aから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMAへ出力する。インバータ6Bは、コンバータ5Bから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMBへ出力する。
【0063】
モータMAは、インバータ6Aから受けた三相交流電圧に基づいて駆動される。モータMBは、インバータ6Bから受けた三相交流電圧に基づいて駆動される。
【0064】
図7に示すように、変圧器51は、たとえば外鉄型(Shell-Type)の変圧器である。変圧器51は、主鉄心61をさらに含む。主鉄心61は、互いに対向する第1側面および第2側面と、第1側面から第2側面へ貫通する窓部W1〜W3を有する。また、主鉄心61は、互いに間隔を隔てて並ぶ第1の脚部31および第2の脚部32を有する。脚部31は、窓部W1と窓部W2との間に設けられている。脚部32は、窓部W2と窓部W3との間に設けられている。
【0065】
本実施形態においては、主鉄心61は4つの脚部を有しているが、脚部の数はこれに限られず、複数であればよい。すなわち、主鉄心61が少なくとも1つの窓部を有していればよい。
【0066】
図8に示すように、高圧側コイル1A,1B,11A,11Bおよび低圧側コイル2A,2B,12A,12Bの各々は、たとえば積層された円盤状の複数の円盤巻線を含む。隣り合う層の円盤巻線は、電気的に接続されている。高圧側コイル1A,1B,11A,11Bおよび低圧側コイル2A,2B,12A,12Bにおける各円盤巻線は、略楕円状に巻回された矩形状の導電線路によって形成されている。
【0067】
高圧側コイル1Aは、低圧側コイル2Aと低圧側コイル12Aとの間であって低圧側コイル2Aに対向する位置に設けられ、低圧側コイル2Aと磁気結合されている。
【0068】
高圧側コイル1Bは、高圧側コイル1Aと並列に接続され、低圧側コイル2Bと低圧側コイル12Bとの間であって低圧側コイル2Bに対向する位置に設けられ、低圧側コイル2Bと磁気結合されている。
【0069】
高圧側コイル11Aは、低圧側コイル2Aと低圧側コイル12Aとの間であって低圧側コイル12Aに対向する位置に設けられ、低圧側コイル12Aと磁気結合されている。
【0070】
高圧側コイル11Bは、高圧側コイル11Aと並列に接続され、低圧側コイル2Bと低圧側コイル12Bとの間であって低圧側コイル12Bに対向する位置に設けられ、低圧側コイル12Bと磁気結合されている。
【0071】
各コイルグループにおける高圧側コイルおよび低圧側コイルは、脚部の両隣の各窓部を通してこの脚部に巻回され、この脚部の延伸方向に積層されている。すなわち、高圧側コイル1Aおよび11Aならびに低圧側コイル2Aおよび12Aは、窓部W1と窓部W2との間の脚部31に貫通されるように窓部W1および窓部W2を通して巻回され、脚部31の貫通方向に積層されている。
【0072】
高圧側コイル1Bおよび11Bならびに低圧側コイル2Bおよび12Bは、窓部W2と窓部W3との間の脚部32に貫通されるように窓部W2および窓部W3を通して巻回され、脚部32の貫通方向に積層されている。
【0073】
すなわち、第1のコイルグループG1において、第1の脚部31に巻回された低圧側コイル2Aと第2の脚部32に巻回された低圧側コイル2Bとはそれぞれ同一の負荷に結合されている。第2のコイルグループG2において、第1の脚部31に巻回された低圧側コイル12Aと第2の脚部32に巻回された低圧側コイル12Bとはそれぞれ同一の負荷に結合されている。
【0074】
ただし、これに限られず、第1のコイルグループG1において、第1の脚部31に巻回された低圧側コイル2Aと第2の脚部32に巻回された低圧側コイル2Bとがそれぞれ別個の負荷に結合されていてもよい。第2のコイルグループG2において、第1の脚部31に巻回された低圧側コイル12Aと第2の脚部32に巻回された低圧側コイル12Bとがそれぞれ別個の負荷に結合されていてもよい。
【0075】
以下、上記の構成を有する本実施形態に係る変圧装置100の動作について説明する。
まず、架線91からパンタグラフ92へ単相交流電圧が供給される。架線91から供給される交流電圧は、パンタグラフ92を介して高圧側コイル1A,1B,11A,11Bに印加される。すなわち、各コイルグループにおける高圧側コイルは共通の単相交流電力を受ける。そうすると、高圧側コイル1A,1B,11A,11Bを通して交流電流IHが流れる。
【0076】
高圧側コイル1A,11Aを通して流れる交流電流IHにより、主鉄心61内に主磁束FH1が発生する。そうすると、主磁束FH1により、低圧側コイル2Aの巻数と高圧側コイル1Aの巻数との比に応じた交流電流IL1および交流電圧が低圧側コイル2Aに発生する。また、主磁束FH1により、低圧側コイル12Aの巻数と高圧側コイル11Aの巻数との比に応じた交流電流IL1および交流電圧が低圧側コイル12Aに発生する。
【0077】
ここで、低圧側コイル2Aおよび12Aの巻数はそれぞれ高圧側コイル1Aおよび11Aの巻数より小さいことから、高圧側コイル1Aおよび11Aに印加される交流電圧が降圧された交流電圧が低圧側コイル2Aおよび12Aにそれぞれ誘起される。
【0078】
同様に、高圧側コイル1B,11Bを通して流れる交流電流IHにより、主磁束FH11が発生する。そうすると、主磁束FH11により、低圧側コイル2Bの巻数と高圧側コイル1Bの巻数との比に応じた交流電流IL11および交流電圧が低圧側コイル2Bに発生する。また、主磁束FH11により、低圧側コイル12Bの巻数と高圧側コイル11Bの巻数との比に応じた交流電流IL11および交流電圧が低圧側コイル12Bに発生する。
【0079】
ここで、低圧側コイル2Bおよび12Bの巻数はそれぞれ高圧側コイル1Bおよび11Bの巻数より小さいことから、高圧側コイル1Bおよび11Bに印加される交流電圧が降圧された交流電圧が低圧側コイル2Bおよび12Bにそれぞれ誘起される。
【0080】
低圧側コイル2Aおよび2Bに誘起された交流電圧は、コンバータ5Aに供給される。また、低圧側コイル12Aおよび12Bに誘起された交流電圧は、コンバータ5Bに供給される。
【0081】
コンバータ5Aは、低圧側コイル2Aおよび2Bから供給された交流電圧を直流電圧に変換し、インバータ6Aへ出力する。また、コンバータ5Bは、低圧側コイル12Aおよび12Bから供給された交流電圧を直流電圧に変換し、インバータ6Bへ出力する。
【0082】
インバータ6Aは、コンバータ5Aから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMAへ出力する。また、インバータ6Bは、コンバータ5Bから受けた直流電圧を三相交流電圧に変換し、モータMBへ出力する。
【0083】
モータMAは、インバータ6Aから受けた三相交流電圧に基づいて回転する。また、モータMBは、インバータ6Bから受けた三相交流電圧に基づいて回転する。
【0084】
このように、変圧器51では、低圧側コイルおよび高圧側コイルを複数のコイルグループに分割し、コイルグループごとに脚部を設ける。そして、複数のコイルグループにおける低圧側コイルおよび高圧側コイルを複数の脚部にそれぞれ巻回する。このような構成により、変圧器の高さすなわち脚部の延伸方向における変圧器の長さを低減することができる。また、コイルの導体線路の断面積を大きくする必要がなくなり、コイルにおける電力損失の増大を防ぐことができる。
【0085】
すなわち、変圧器51では、低圧側コイル2,12および高圧側コイル1,11を2つのコイルグループに分割しているため、各コイルグループの電力容量は1/2となる。ここで、供給電圧は一定であり、電力容量=電圧×電流より、各コイルグループの電力容量が1/2になると各コイルを通して流れる電流が1/2になる。これにより、各コイルにおいて積み重ねる円盤巻線の枚数を減らすことができるため、変圧器の高さを低減することができる。あるいは、円盤巻線の枚数を減らす代わりに、高圧側コイル1A,1B,11A,11Bおよび低圧側コイル2A,2B,12A,12Bの導体線路の断面積を小さくすることにより、各コイルグループの高さが低くなり、変圧器全体の高さを低減することができる。
【0086】
次に、変圧器51におけるリアクタンスについて説明する。
図9に示すように、変圧器51では、高圧側コイルを通して流れる交流電流IHによって発生する主磁束FH1およびFH11に加えて、主鉄心61を通して流れない漏れ磁束FKH1およびFKH11が発生する。また、低圧側コイルを通して流れる交流電流IL1およびIL11によって、主鉄心61を通して流れない漏れ磁束FKL1およびFKL11が発生する。
【0087】
図10は、本実施形態に係る変圧器における片側運転時の主磁束を示す図である。変圧器51では、たとえばモータMBが故障した場合でも、コイルグループG1を用いてモータMAを単独で運転することが可能である。このような片側運転時では、高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bが機能しない、すなわち高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bを通して電流が流れない。
【0088】
図10に示すように、たとえばモータMBが故障し、高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bを通して電流が流れなくなった場合においても、図9に示す状態と同様に、漏れ磁束FKH1およびFKH11が合成され、また、漏れ磁束FKL1およびFKL11が合成されるため、窓部W2における起磁力は変化しない。さらに、漏れ磁束FKH1およびFKH11ならびに漏れ磁束FKL1およびFKL11の磁路長も変化しない。その結果、高圧側コイル1A,1Bおよび低圧側コイル2A,2Bのリアクタンスは低下しない。
【0089】
モータMAが故障した場合においても、同様に、高圧側コイル11A,11Bおよび低圧側コイル12A,12Bのリアクタンスは低下しない。
【0090】
本実施形態に係る変圧装置100においては、コイルを上記のように複数のコイルグループに分割することにより、第2の鉄心を設ける必要がなく、小型化および軽量化を図るとともにリアクタンスの低下を防ぐことができる。
【0091】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0092】
1,11,1A,1B,11A,11B 高圧側コイル、2,12,2A,2B,12A,12B 低圧側コイル、5A,5B コンバータ、6A,6B インバータ、31 第1の脚部、32 第2の脚部、51,58 変圧器、61 主鉄心、91 架線、92 0、92 パンタグラフ、100,500 変圧装置、200,600 交流電車、FH1,FH11 主磁束、FKH1,FKH11,FKL1,FKL11 漏れ磁束、G1 第1のコイルグループ、G2 第2のコイルグループ、IH,IL1,IL11 交流電流、MA,MB モータ、W1〜W3 窓部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10

【手続補正書】
【提出日】2013年6月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を隔てて並ぶ複数の脚部(31,32)を有する鉄心(61)と、
前記複数の脚部(31,32)にそれぞれ巻回され、共通の単相交流電力を受ける複数の高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)と、
前記高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)に対応して設けられ、対応の前記高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)と磁気結合され、前記複数の脚部(31,32)にそれぞれ巻回された複数の低圧側コイル(2A,2B,12A,12B)とを備え、
前記高圧側コイル(1A,1B,11A,11B)および対応の前記低圧側コイル(2A,2B,12A,12B)により複数のコイルグループ(G1,G2)が構成され、
前記複数のコイルグループ(G1,G2)のうちの第1のコイルグループ(G1)は、前記複数の脚部(31,32)のうちの第1の脚部(31)にそれぞれ巻回された前記高圧側コイル(1A)および該高圧側コイル(1A)に対応する前記低圧側コイル(2A)と、前記複数の脚部(31,32)のうちの前記第1の脚部(31)に隣り合った第2の脚部(32)にそれぞれ巻回された前記高圧側コイル(1B)および該高圧側コイル(1B)に対応する前記低圧側コイル(2B)とを含み、
前記複数のコイルグループ(G1,G2)のうちの第2のコイルグループ(G2)は、前記第1の脚部(31)にそれぞれ巻回された前記高圧側コイル(11A)および該高圧側コイル(11A)に対応する前記低圧側コイル(12A)と、前記第2の脚部(32)にそれぞれ巻回された前記高圧側コイル(11B)および該高圧側コイル(11B)に対応する前記低圧側コイル(12B)とを含み、
前記第1のコイルグループ(G1)において、前記第1の脚部(31)に巻回された前記高圧側コイル(1A)と、前記第2の脚部(32)に巻回された前記高圧側コイル(1B)とは隣接して位置し、かつ、前記第1の脚部(31)に巻回された前記低圧側コイル(2A)と、前記第2の脚部(32)に巻回された前記低圧側コイル(2B)とは隣接して位置し、
前記第2のコイルグループ(G2)において、前記第1の脚部(31)に巻回された前記高圧側コイル(11A)と、前記第2の脚部(32)に巻回された前記高圧側コイル(11B)とは隣接して位置し、かつ、前記第1の脚部(31)に巻回された前記低圧側コイル(12A)と、前記第2の脚部(32)に巻回された前記低圧側コイル(12B)とは隣接して位置し、
前記第1のコイルグループ(G1)において、前記第1の脚部(31)に巻回された前記低圧側コイル(2A)と前記第2の脚部(32)に巻回された前記低圧側コイル(2B)とはそれぞれ同一の負荷に結合され、
前記第2のコイルグループ(G2)において、前記第1の脚部(31)に巻回された前記低圧側コイル(12A)と前記第2の脚部(32)に巻回された前記低圧側コイル(12B)とはそれぞれ、前記第1のコイルグループ(G1)が結合された前記負荷とは異なる他の同一の負荷に結合される、変圧器。
【請求項2】
請求項1に記載の変圧器と、
前記低圧側コイル(2A,2B,12A,12B)に現れた交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ(5A,5B)と
を備える、変圧装置。
【請求項3】
前記コンバータ(5A,5B)により変換された直流電圧を3相交流電圧に変換するインバータ(6A,6B)をさらに備える、請求項2に記載の変圧装置。
【請求項4】
電動車両に搭載される、請求項2または3に記載の変圧装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
図6に示すように、交流電車200は、パンタグラフ92と、変圧装置100と、モータMA,MBとを備える。変圧装置100は、変圧器51と、コンバータ5A,5Bと、インバータ6A,6Bとを含む。変圧器51は、コイルグループG1,G2を含む。コイルグループG1は、高圧側コイル1A,1Bと、低圧側コイル2A,2Bとを含む。コイルグループG2は、高圧側コイル11A,11Bと、低圧側コイル12A,12Bとを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
このように、変圧器51では、低圧側コイルおよび高圧側コイルを複数のコイルグループに分割している。そして、複数のコイルグループにおける低圧側コイルおよび高圧側コイルを複数の脚部にそれぞれ巻回する。このような構成により、変圧器の高さすなわち脚部の延伸方向における変圧器の長さを低減することができる。また、コイルの導体線路の断面積を大きくする必要がなくなり、コイルにおける電力損失の増大を防ぐことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【国際調査報告】