特表-14097454IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2014年6月26日
【発行日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20161216BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20161216BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20161216BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20161216BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   H01L29/78 652S
   H01L29/78 653A
   H01L29/78 652K
   H01L29/78 652F
   H01L29/78 655G
   H01L29/78 655F
   H01L29/78 657A
   H01L29/78 654B
   H01L29/91 L
   H01L29/91 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2014-552840(P2014-552840)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年12月20日
(11)【特許番号】特許第5924420号(P5924420)
(45)【特許公報発行日】2016年5月25日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀山 悟
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】木村 圭佑
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
(57)【要約】
本明細書は、IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置を開示する。IGBT領域は、コレクタ層と、IGBTドリフト層と、ボディ層と、ゲート電極と、エミッタ層を備えている。ダイオード領域は、カソード層と、ダイオードドリフト層と、アノード層と、トレンチ電極と、アノードコンタクト層を備えている。ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されている。IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、アノード層とアノードコンタクト層が混在して配置されており、少なくともゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所に、アノードコンタクト層が配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置であって、
半導体基板の表面には表面電極が設けられており、半導体基板の裏面には裏面電極が設けられており、
IGBT領域は、
裏面電極に接している第1導電型のコレクタ層と、
コレクタ層に対して半導体基板の表面側に設けられた、第2導電型のIGBTドリフト層と、
IGBTドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のボディ層と、
半導体基板の表面からIGBTドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板と表面電極から絶縁されたゲート電極と、
ボディ層と表面電極の間に部分的に設けられており、ゲート電極の絶縁膜と表面電極に接している第2導電型のエミッタ層を備えており、
ダイオード領域は、
裏面電極に接している高い第2導電型のカソード層と、
カソード層に対して半導体基板の表面側に設けられており、不純物濃度がカソード層よりも低い第2導電型のダイオードドリフト層と、
ダイオードドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のアノード層と、
半導体基板の表面からダイオードドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板から絶縁されたトレンチ電極と、
アノード層と表面電極の間に部分的に設けられており、表面電極に接している、不純物濃度がアノード層よりも高い第1導電型のアノードコンタクト層を備えており、
ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されており、
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、アノード層とアノードコンタクト層が混在して配置されており、少なくともゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所に、アノードコンタクト層が配置されている、半導体装置。
【請求項2】
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に関して、アノードコンタクト層とアノード層が交互に配置されている、請求項1の半導体装置。
【請求項3】
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に直交する方向に関して、ゲート電極の近傍にアノードコンタクト層が配置されており、単位ダイオード領域の中央にアノード層が配置されている、請求項1または2の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の技術は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本国特許公開公報2012−43890号には、IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置が開示されている。半導体基板の表面には表面電極が設けられており、半導体基板の裏面には裏面電極が設けられている。IGBT領域は、裏面電極に接している第1導電型のコレクタ層と、コレクタ層に対して半導体基板の表面側に設けられた、第2導電型のIGBTドリフト層と、IGBTドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のボディ層と、半導体基板の表面からIGBTドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板と表面電極から絶縁されたゲート電極と、ボディ層と表面電極の間に部分的に設けられており、ゲート電極の絶縁膜と表面電極に接している第2導電型のエミッタ層を備えている。ダイオード領域は、裏面電極に接している高い第2導電型のカソード層と、カソード層に対して半導体基板の表面側に設けられており、不純物濃度がカソード層よりも低い第2導電型のダイオードドリフト層と、ダイオードドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のアノード層と、半導体基板の表面からダイオードドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板から絶縁されたトレンチ電極と、アノード層と表面電極の間に設けられており、表面電極に接している、不純物濃度がアノード層よりも高い第1導電型のアノードコンタクト層を備えている。ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ダイオード領域においてアノードコンタクト層が広く形成されていると、ダイオード動作時に、アノードコンタクト層からダイオードドリフト層への正孔注入量が多くなり、スイッチング損失が増大してしまう。このため、ダイオード動作時のスイッチング損失を改善するためには、ダイオード領域においてアノードコンタクト層が占める割合を低減することが好ましい。しかしながら、単純にアノードコンタクト層を縮小すると、ダイオード動作時に、ゲート干渉による順方向電圧の変動が大きくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書は、IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置を開示する。半導体基板の表面には表面電極が設けられており、半導体基板の裏面には裏面電極が設けられている。IGBT領域は、裏面電極に接している第1導電型のコレクタ層と、コレクタ層に対して半導体基板の表面側に設けられた、第2導電型のIGBTドリフト層と、IGBTドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のボディ層と、半導体基板の表面からIGBTドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板と表面電極から絶縁されたゲート電極と、ボディ層と表面電極の間に部分的に設けられており、ゲート電極の絶縁膜と表面電極に接している第2導電型のエミッタ層を備えている。ダイオード領域は、裏面電極に接している高い第2導電型のカソード層と、カソード層に対して半導体基板の表面側に設けられており、不純物濃度がカソード層よりも低い第2導電型のダイオードドリフト層と、ダイオードドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のアノード層と、半導体基板の表面からダイオードドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板から絶縁されたトレンチ電極と、アノード層と表面電極の間に部分的に設けられており、表面電極に接している、不純物濃度がアノード層よりも高い第1導電型のアノードコンタクト層を備えている。ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されている。IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、アノード層とアノードコンタクト層が混在して配置されており、少なくともゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所に、アノードコンタクト層が配置されている。
【0005】
上記の半導体装置では、IGBT領域に隣接する単位ダイオード領域において、アノードコンタクト層が、全面的に形成されているわけではなく、部分的に形成されている。このような構成とすることによって、ダイオード動作時の、アノードコンタクト層からダイオードドリフト層への正孔の注入量が低減される。ダイオード領域の逆回復特性を向上し、スイッチング損失を低減することができる。
【0006】
また、上記の半導体装置によれば、ダイオード動作時のゲート干渉の影響を抑制することができる。すなわち、ダイオード動作時に、IGBT領域のゲート電極にゲート電圧が印加されて、ゲート電極の近傍にエミッタ層とIGBTドリフト層を接続するチャネルが形成される場合であっても、IGBT領域に隣接する単位ダイオード領域において、ゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所にアノードコンタクト層が形成されているため、チャネルの形成に起因する正孔の低減を抑制することができる。これによって、ダイオード動作時のゲート干渉による順方向電圧の変動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1に係る半導体装置の平面図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3図1のIII−III線断面図である。
図4】変形例に係る半導体装置の平面図である。
図5】変形例に係る半導体装置の平面図である。
図6】変形例に係る半導体装置の平面図である。
図7】変形例に係る半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書が開示する半導体装置は、IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に関して、アノードコンタクト層とアノード層が交互に配置されているように構成することができる。
【0009】
上記の半導体装置によれば、IGBT領域に隣接する単位ダイオード領域において、ゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所にアノードコンタクト層を残存させつつ、単位ダイオード領域においてアノードコンタクト層が占める割合を低減させることができる。
【0010】
本明細書が開示する半導体装置は、IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に直交する方向に関して、ゲート電極の近傍にアノードコンタクト層が配置されており、単位ダイオード領域の中央にアノード層が配置されているように構成することができる。
【0011】
上記の半導体装置によれば、IGBT領域に隣接する単位ダイオード領域において、ゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所にアノードコンタクト層を残存させつつ、単位ダイオード領域においてアノードコンタクト層が占める割合を低減させることができる。
【実施例】
【0012】
図1図3に示す半導体装置2は、IGBTとダイオードが同一の半導体基板4に形成されたRC−IGBTである。なお、図1に示す平面図は、半導体基板4の表面に形成された表面電極6の図示を省略しており、半導体基板4の表面を図示している。また、半導体装置2は、複数のIGBT領域と複数のダイオード領域が交互に配置されており、IGBT領域とダイオード領域の境界を複数有している。図1図3は、複数のIGBT領域とダイオード領域の境界のうちの1つを図示しており、半導体装置2の複数の境界は、いずれも図1図3と同様の構成を有している。
【0013】
半導体装置2は、半導体基板4と、半導体基板4の表面側に形成されたダミーゲート8,絶縁ゲート10および表面絶縁膜12と、半導体基板4の表面に接する表面電極6と、半導体基板4の裏面に接する裏面電極14とを備えている。ダミーゲート8と絶縁ゲート10は、略一定の間隔で半導体基板4に形成されている。半導体基板4は、ダイオード領域16と、IGBT領域18とを備えている。
【0014】
図2および図3に示すように、ダイオード領域16には、不純物濃度の高いp型半導体からなるアノードコンタクト層20と、p型半導体からなるアノード層22と、不純物濃度の低いn型半導体からなるドリフト層24と、n型半導体からなるバッファ層26と、不純物濃度の高いn型半導体からなるカソード層28が形成されている。アノードコンタクト層20、アノード層22は、半導体基板4の表面に露出しており、表面電極6に接触している。アノードコンタクト層20は、アノード層22の表層部分に部分的に形成されている。ドリフト層24は、アノード層22の裏面に形成されている。バッファ層26は、ドリフト層24の裏面に形成されている。カソード層28は、バッファ層26の裏面に形成されている。カソード層28は半導体基板4の裏面に露出しており、裏面電極14に接触している。
【0015】
IGBT領域18には、不純物濃度の高いp型半導体からなるボディコンタクト層30と、不純物濃度の高いn型半導体からなるエミッタ層32と、p型半導体からなるボディ層34と、不純物濃度の低いn型半導体からなるドリフト層24と、n型半導体からなるバッファ層26と、不純物濃度の高いp型半導体からなるコレクタ層36が形成されている。ボディコンタクト層30、エミッタ層32、ボディ層34は、半導体基板4の表面に露出しており、表面電極6に接触している。ボディコンタクト層30およびエミッタ層32は、ボディ層34の表層部分に部分的に形成されている。ドリフト層24は、ボディ層34の裏面に形成されている。バッファ層26は、ドリフト層24の裏面に形成されている。コレクタ層36は、バッファ層26の裏面に形成されている。コレクタ層36は半導体基板4の裏面に露出しており、裏面電極14に接触している。
【0016】
半導体装置2では、ダイオード領域16のドリフト層24(ダイオードドリフト層ともいう)と、IGBT領域18のドリフト層24(IGBTドリフト層ともいう)が、共通の層として形成されている。半導体装置2では、ダイオード領域16のバッファ層26とIGBT領域18のバッファ層26が、共通の層として形成されている。また、半導体装置2では、ダイオード領域16のアノード層22とIGBT領域18のボディ層34が、共通の層として形成されている。言い換えると、ダイオード領域16のアノード層22とIGBT領域18のボディ層34は、半導体基板4の表面からの深さや、不純物濃度が共通している。
【0017】
ダミーゲート8は、ダイオード領域16において、半導体基板4の表面側からアノード層22を貫通し、ドリフト層24の内部まで達している。ダミーゲート8は、半導体基板4の表面側に形成されたトレンチ38の内側に形成されたダミーゲート絶縁膜40と、ダミーゲート絶縁膜40に覆われてトレンチ38内に充填されているダミーゲート電極42とを備えている。ダミーゲート電極42は、表面電極6に接触しており、表面電極6と電気的に接続されている。
【0018】
絶縁ゲート10は、IGBT領域18において、半導体基板4の表面側からボディ層34を貫通し、ドリフト層24の内部まで達している。絶縁ゲート10は、半導体基板4の表面側に形成されたトレンチ44の内壁に形成されたゲート絶縁膜46と、ゲート絶縁膜46に覆われてトレンチ44内に充填されているゲート電極48とを備えている。ゲート電極48は、表面絶縁膜12によって、表面電極6と隔離されている。ゲート電極48は、図示しないゲート電極端子と電気的に接続されている。
【0019】
ダイオード領域16は、ダミーゲート8のトレンチ38または絶縁ゲート10のトレンチ44によって区画された複数の単位ダイオード領域から構成されている。IGBT領域18は、絶縁ゲート10のトレンチ44によって区画された複数の単位IGBT領域から構成されている。以下では、特に、IGBT領域18に隣接する単位ダイオード領域を単位ダイオード領域16aと表記し、単位ダイオード領域16aに隣接する単位IGBT領域を単位IGBT領域18aと表記する。
【0020】
以下では、図1に示すように半導体基板4を上面視したときの配置の特徴について述べる。IGBT領域18において、エミッタ層32は、並んで配置された2つの絶縁ゲート10の間で、一方の絶縁ゲート10から他方の絶縁ゲート10まで、絶縁ゲート10が伸びる方向(図のY方向)に対して直交する方向(図のX方向)に伸びるように配置されている。半導体基板4を上面視したときに、ボディ層34は、絶縁ゲート10とエミッタ層32によって、矩形の範囲に区画されており、ボディコンタクト層30は、区画されたボディ層34の中央付近に配置されている。ダイオード領域16において、アノードコンタクト層20は、絶縁ゲート10またはダミーゲート8に近接する領域にのみ配置されている。アノードコンタクト層20は、IGBT領域18においてエミッタ層32が伸びる方向の延長線上にのみ配置されている。すなわち、IGBT領域18に隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、アノードコンタクト層20は、単位ダイオード領域16aに隣接する単位IGBT領域18aのエミッタ層32と、絶縁ゲート10を挟んで対向する位置に配置されている。本実施例では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、絶縁ゲート10の近傍において、絶縁ゲート10が伸びる方向(図のY方向)に関して、アノードコンタクト層20とアノード層22が交互に配置されている。また、本実施例では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、絶縁ゲート10が伸びる方向に直交する方向(図のX方向)に関して、絶縁ゲート10の近傍にアノードコンタクト層20が配置されており、単位ダイオード領域16aの中央にアノード層22が配置されている。
【0021】
アノードコンタクト層20をアノード層22の一部として捉える場合、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aでは、絶縁ゲート10を挟んでエミッタ層32と対向する箇所のアノード層22の不純物濃度が、その単位ダイオード領域16aにおけるアノード層22の平均的な不純物濃度よりも高い。あるいは、絶縁ゲート10が伸びる方向(Y方向)に関して、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおけるアノード層22の不純物濃度は、絶縁ゲート10を挟んでエミッタ層32と対向する箇所で極大値を有する。
【0022】
本実施例の半導体装置2では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、絶縁ゲート10を挟んでエミッタ層32と対向する箇所に、アノードコンタクト層20が形成されている。このような構成とすることによって、半導体装置2がIGBT動作をしており、IGBT領域18がオンからオフに切り換わる際、単位ダイオード領域16aのドリフト層24に蓄積した正孔が単位IGBT領域18aのボディコンタクト層30に集中して流れることを防ぐことができる。単位IGBT領域18aのターンオフ時のボディコンタクト層30への正孔電流が抑制されることで、エミッタ層32に起因するラッチアップを抑制し、半導体装置2のRBSOA耐量を向上することができる。
【0023】
また、本実施例の半導体装置2では、ダイオード動作時のゲート干渉の影響を抑制することができる。すなわち、ダイオード動作時に、単位IGBT領域18aのゲート電極48にゲート電圧が印加されて、絶縁ゲート10の近傍にエミッタ層32とドリフト層24を接続するチャネルが形成される場合であっても、単位ダイオード領域16aの絶縁ゲート10を挟んでエミッタ層32と対向する位置にアノードコンタクト層20が形成されているため、チャネルの形成に起因する正孔の低減を抑制することができる。これによって、ダイオード動作時のゲート干渉による順方向電圧の変動を抑制することができる。
【0024】
本実施例の半導体装置2では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、アノードコンタクト層20が、全面的に形成されているわけではなく、部分的に形成されている。このような構成とすることによって、ダイオード動作時の、アノードコンタクト層20からドリフト層24への正孔の注入量が低減される。ダイオード領域16の逆回復特性を向上し、スイッチング損失を低減することができる。
【0025】
(変形例)
ダイオード領域16におけるアノードコンタクト層20の配置は、上記の実施例のものに限られるものではない。例えば、図4に示す変形例の半導体装置50のように、アノードコンタクト層20は、絶縁ゲート10またはダミーゲート8が伸びる方向(図のY方向)に対して直交する方向(図のX方向)に伸びるように配置されていてもよい。図4に示す変形例では、アノードコンタクト層20は、IGBT領域18においてエミッタ層32が伸びる方向の延長線上にのみ配置されている。図4に示す変形例では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、絶縁ゲート10が伸びる方向(図のY方向)に関して、アノードコンタクト層20とアノード層22が交互に配置されている。
【0026】
あるいは、図5に示す変形例の半導体装置52のように、アノードコンタクト層20が部分的な開口を有する梯子状に形成されていてもよい。図5に示す変形例では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、単位ダイオード領域16aの中央において、絶縁ゲート10が伸びる方向(図のY方向)に関して、アノードコンタクト層20とアノード層22が交互に配置されている。また、図5に示す変形例では、単位IGBT領域18aに隣接する単位ダイオード領域16aにおいて、絶縁ゲート10が伸びる方向に直交する方向(図のX方向)に関して、絶縁ゲート10の近傍にアノードコンタクト層20が配置されており、単位ダイオード領域16aの中央にアノード層22が配置されている。
【0027】
IGBT領域18におけるエミッタ層32の配置は、上記の実施例のものに限られない。例えば、図6に示す変形例の半導体装置54のように、エミッタ層32が、格子状に配置されていてもよい。あるいは、図7に示す変形例の半導体装置56に示すように、エミッタ層32が、部分的な開口を有する梯子状に配置されていてもよい。図6に示す変形例では、ダイオード領域16のアノードコンタクト層20は、絶縁ゲート10を挟んでエミッタ層32と対向する箇所に配置されている。図7に示す変形例では、ダイオード領域16のアノードコンタクト層20は、絶縁ゲート10またはダミーゲート8に近接する箇所において、絶縁ゲート10またはダミーゲート8が伸びる方向(Y方向)と平行に伸びるように配置されている。
【0028】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明した。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された半導体装置を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0029】
また、上記の詳細な説明で開示された特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0030】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0031】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7

【手続補正書】
【提出日】2015年4月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置であって、
半導体基板の表面には表面電極が設けられており、半導体基板の裏面には裏面電極が設けられており、
IGBT領域は、
裏面電極に接している第1導電型のコレクタ層と、
コレクタ層に対して半導体基板の表面側に設けられた、第2導電型のIGBTドリフト層と、
IGBTドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のボディ層と、
半導体基板の表面からIGBTドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板と表面電極から絶縁されたゲート電極と、
ボディ層と表面電極の間に部分的に設けられており、ゲート電極の絶縁膜と表面電極に接している第2導電型のエミッタ層を備えており、
ダイオード領域は、
裏面電極に接している高い第2導電型のカソード層と、
カソード層に対して半導体基板の表面側に設けられており、不純物濃度がカソード層よりも低い第2導電型のダイオードドリフト層と、
ダイオードドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のアノード層と、
半導体基板の表面からダイオードドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板から絶縁されたトレンチ電極と、
アノード層と表面電極の間に部分的に設けられており、表面電極に接している、不純物濃度がアノード層よりも高い第1導電型のアノードコンタクト層を備えており、
IGBT領域は、ゲート電極によって、単位IGBT領域に区画されており、
ダイオード領域と隣接する単位IGBT領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、エミッタ層が一方のゲート電極から他方のゲート電極まで伸びて、ボディ層を矩形の範囲に区画するように配置されており、
ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されており、
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、アノード層とアノードコンタクト層が混在して配置されており、少なくともゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所に、アノードコンタクト層が配置されている、半導体装置。
【請求項2】
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に関して、アノードコンタクト層とアノード層が交互に配置されている、請求項1の半導体装置。
【請求項3】
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に直交する方向に関して、ゲート電極の近傍にアノードコンタクト層が配置されており、単位ダイオード領域の中央にアノード層が配置されている、請求項1または2の半導体装置。

【手続補正書】
【提出日】2015年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置であって、
半導体基板の表面には表面電極が設けられており、半導体基板の裏面には裏面電極が設けられており、
IGBT領域は、
裏面電極に接している第1導電型のコレクタ層と、
コレクタ層に対して半導体基板の表面側に設けられた、第2導電型のIGBTドリフト層と、
IGBTドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のボディ層と、
半導体基板の表面からIGBTドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板と表面電極から絶縁されたゲート電極と、
ボディ層と表面電極の間に部分的に設けられており、ゲート電極の絶縁膜と表面電極に接している第2導電型のエミッタ層を備えており、
ダイオード領域は、
裏面電極に接している高い第2導電型のカソード層と、
カソード層に対して半導体基板の表面側に設けられており、不純物濃度がカソード層よりも低い第2導電型のダイオードドリフト層と、
ダイオードドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のアノード層と、
半導体基板の表面からダイオードドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板から絶縁されたトレンチ電極と、
アノード層と表面電極の間に部分的に設けられており、表面電極に接している、不純物濃度がアノード層よりも高い第1導電型のアノードコンタクト層を備えており、
IGBT領域は、ゲート電極によって、単位IGBT領域に区画されており、
ダイオード領域と隣接する単位IGBT領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、エミッタ層が一方のゲート電極から他方のゲート電極まで伸びて、ボディ層を矩形の範囲に区画するように配置されており、
ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されており、
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、アノード層とアノードコンタクト層が混在して配置されており、少なくともゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所に、アノードコンタクト層が配置されており、
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に関して、アノードコンタクト層とアノード層が交互に配置されている、半導体装置。
【請求項2】
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に直交する方向に関して、ゲート電極の近傍にアノードコンタクト層が配置されており、単位ダイオード領域の中央にアノード層が配置されている、請求項1の半導体装置
【請求項3】
IGBT領域とダイオード領域が同一半導体基板に形成されている半導体装置であって、
半導体基板の表面には表面電極が設けられており、半導体基板の裏面には裏面電極が設けられており、
IGBT領域は、
裏面電極に接している第1導電型のコレクタ層と、
コレクタ層に対して半導体基板の表面側に設けられた、第2導電型のIGBTドリフト層と、
IGBTドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のボディ層と、
半導体基板の表面からIGBTドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板と表面電極から絶縁されたゲート電極と、
ボディ層と表面電極の間に部分的に設けられており、ゲート電極の絶縁膜と表面電極に接している第2導電型のエミッタ層を備えており、
ダイオード領域は、
裏面電極に接している高い第2導電型のカソード層と、
カソード層に対して半導体基板の表面側に設けられており、不純物濃度がカソード層よりも低い第2導電型のダイオードドリフト層と、
ダイオードドリフト層に対して半導体基板の表面側に設けられており、表面電極に接している第1導電型のアノード層と、
半導体基板の表面からダイオードドリフト層まで達するトレンチの内部に配置されており、絶縁膜によって半導体基板から絶縁されたトレンチ電極と、
アノード層と表面電極の間に部分的に設けられており、表面電極に接している、不純物濃度がアノード層よりも高い第1導電型のアノードコンタクト層を備えており、
IGBT領域は、ゲート電極によって、単位IGBT領域に区画されており、
ダイオード領域と隣接する単位IGBT領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、エミッタ層が一方のゲート電極から他方のゲート電極まで伸びて、ボディ層を矩形の範囲に区画するように配置されており、
ダイオード領域は、ゲート電極またはトレンチ電極によって、単位ダイオード領域に区画されており、
IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、アノード層とアノードコンタクト層が混在して配置されており、少なくともゲート電極を挟んでエミッタ層と対向する箇所に、アノードコンタクト層が配置されており、 IGBT領域と隣接する単位ダイオード領域において、半導体基板の表面を平面視したときに、ゲート電極が伸びる方向に直交する方向に関して、ゲート電極の近傍にアノードコンタクト層が配置されており、単位ダイオード領域の中央にアノード層が配置されている、半導体装置
【国際調査報告】