特表-14097539IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2014年6月26日
【発行日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】3次元測定装置および3次元測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/487 20060101AFI20161216BHJP
   G01S 17/89 20060101ALI20161216BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20161216BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20161216BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   G01S7/487
   G01S17/89
   G01B11/00 B
   G01B11/00 H
   G01C3/06 120Q
   G01C3/06 140
   G01S7/484
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2014-552897(P2014-552897)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2012-277923(P2012-277923)
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区城見2丁目1番61号
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高野 遥
【住所又は居所】京都府長岡京市神足焼町1番地 パナソニックセミコンダクターソリューションズ株式会社内
【テーマコード(参考)】
2F065
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA06
2F065BB05
2F065CC14
2F065CC16
2F065DD04
2F065DD12
2F065EE03
2F065FF12
2F065GG11
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL24
2F065LL53
2F065PP22
2F065QQ13
2F065QQ27
2F065UU01
2F112AD01
2F112BA07
2F112CA12
2F112DA01
2F112DA02
2F112DA28
2F112EA03
2F112EA09
2F112FA29
2F112GA01
5J084AA05
5J084AA13
5J084AD01
5J084AD05
5J084BA02
5J084BA34
5J084CA03
5J084CA31
5J084CA65
5J084CA67
5J084EA01
(57)【要約】
TOF方式を用いた測距システムにおいて、反射光の中に含まれる不要反射光の成分の抑制/除去を行う。光源部(1)は、発光制御信号が示すタイミングに従って光の照射を行い、少なくとも2つの照射領域毎に照射光量を調節可能に構成されている。受光部(2)は、対象物体(OB)を含む領域に対して露光を行い、露光量の総和から3次元情報を得る。画像処理部(3)は、受光部(2)から受けた3次元情報に基づいて、距離画像を生成する。光源部(1)は、領域光量信号が示す、各照射領域における照射光量の設定である照射パターンに従って、光の照射を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
TOF(Timeof Flight)方式を用いた3次元測定装置であって、
発光制御信号が示すタイミングに従って光の照射を行うものであり、かつ、少なくとも2つの照射領域毎に、照射光量を調節可能に構成された光源部と、
対象物体を含む領域に対して、露光制御信号が示すタイミングに従って露光を行い、露光量の総和から3次元情報を得る受光部と、
前記受光部から受けた3次元情報に基づいて、距離画像を生成する画像処理部と、
前記発光制御信号、前記露光制御信号、および、前記各照射領域における照射光量の設定である照射パターンを示す領域光量信号を出力する制御部とを備え、
前記光源部は、前記領域光量信号が示す照射パターンに従って、光の照射を行う
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の3次元測定装置において、
前記制御部は、前記領域光量信号として、前記各照射領域において所定の基本光量を照射光量として設定する第1照射パターンと、前記各照射領域の中の少なくとも1つである第1照射領域の照射光量が前記所定の基本光量と異なっている第2照射パターンとを、時系列で示す信号を出力する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の3次元測定装置において、
前記第2照射パターンは、互いに異なる2種類以上の照射パターンを含む
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項4】
請求項2記載の3次元測定装置において、
前記画像処理部は、前記第1照射パターンに係る3次元情報と、前記第2照射パターンに係る3次元情報とから、前記第1照射領域における照射光量の反射光成分を算出し、この反射光成分を用いて3次元情報を補正する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項5】
請求項4記載の3次元測定装置において、
前記画像処理部は、算出した反射光成分が所定の値より大きいとき、前記第1および第2照射パターンにおける前記第1照射領域の光量を小さくするよう、前記制御部に指示する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項6】
請求項1記載の3次元測定装置において、
前記受光部は、前記3次元情報に加えて、2次元のRGB情報を得るものであり、
前記画像処理部は、前記受光部から受けた前記3次元情報および前記RGB情報に基づいて、前記距離画像と2次元色画像とを生成する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項7】
請求項6記載の3次元測定装置において、
前記画像処理部は、前記RGB情報から、前記対象物体が存在する領域を検出し、検出した領域を示す検出領域信号を出力するものであり、
前記制御部は、前記検出領域信号を受け、この検出領域信号が示す領域を含まない前記照射領域の光量を小さくするように、前記領域光量信号を設定する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項8】
請求項6記載の3次元測定装置において、
前記3次元測定装置は、光を照射する側の表面に、所定の色配列パターンを有し、
前記画像処理部は、前記RGB情報から、前記色配列パターンのパターン認識によって鏡の存在を認識し、前記鏡が存在する領域を示す鏡領域信号を出力するものであり、
前記制御部は、前記鏡領域信号を受け、この鏡領域信号が示す領域を含む前記照射領域の光量を小さくするように、前記領域光量信号を設定する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項9】
請求項8記載の3次元測定装置において、
前記画像処理部は、前記RGB情報が表す平面内において前記鏡が存在する領域が占める大きさから、前記鏡までの距離を算出する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項10】
請求項1記載の3次元測定装置において、
前記画像処理部は、前記距離画像において距離が所定値以下の領域が存在するとき、前記制御部に感知信号を出力し、
前記制御部は、前記感知信号を受けたときは、前記各照射領域において所定の基本光量とする一方、前記感知信号を受けないときは、少なくとも1つの前記照射領域において前記所定の基本光量よりも下げるように、前記領域光量信号を設定する
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項11】
請求項10に記載の3次元測定装置において、
前記制御部は、前記感知信号を受けないときは、少なくとも一つの前記照射領域の光量をゼロにする
ことを特徴とする3次元測定装置。
【請求項12】
TOF(Timeof Flight)方式を用いた3次元測定方法であって、
発光制御信号が示すタイミングに従って光の照射を行うものであり、かつ、少なくとも2つの照射領域毎に、照射光量を調節可能に構成された光源部と、
対象物体を含む領域に対して、露光制御信号が示すタイミングに従って露光を行い、露光量の総和から3次元情報を得る受光部と、
前記受光部から受けた3次元情報に基づいて、距離画像を生成する画像処理部とを用いて、
前記光源部が、前記各照射領域において所定の基本光量を照射光量として設定する第1照射パターンに従って、光の照射を行い、
前記光源部が、前記各照射領域の中の少なくとも1つである第1照射領域の照射光量が前記所定の基本光量と異なっている第2照射パターンに従って、光の照射を行い、
前記画像処理部が、前記受光部から得られた前記第1照射パターンに係る3次元情報と前記第2照射パターンに係る3次元情報とから、前記第1照射領域における照射光量の反射光成分を算出し、この反射光成分を用いて3次元情報を補正する
ことを特徴とする3次元測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光を照射して反射光を受光することによって物体の位置情報を得る3次元測定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光のパルスを送信し、物体で反射して戻ってきたパルスの受信までの飛行時間(TOF:Time Of Flight)が距離に依存することを利用して、3次元測定を行う方式(以下、TOF方式という)がある。TOF方式を用いて距離測定(以下、測距という)を行う場合、対象物体の反射率や周辺環境によって測距精度が低下するという問題がある。
【0003】
この測距精度の低下を抑制する方法として、特許文献1では、一定周期でパルス光の照射を繰り返し、戻った反射パルス光の光量を一定化して撮像エリアセンサに入射させる。所定期間における露光量は反射パルス光の個数(パルス数)に比例し、飛行時間が長い遠距離ほど少なくなる。このように反射パルス光の光量を一定化することにより、対象物体の反射率に依存しない3次元測定が可能となる。
【0004】
また、特許文献2では、遠距離モードでは均一な配光分布によるTOF方式を用いた測距を行い、近距離モードでは、2種類の配光分布を交互に変えて、2つの入射光の強度比により三角測距法を用いた測距を行う。これによって、より広い距離範囲にわたって高精度の3次元測定を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−332827号公報
【特許文献2】特開2001−337166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
TOF方式を用いて測定対象物の測距を行う場合、光源部からの直接光以外に、別の直接光が壁等の周辺環境によって散乱された光マルチパス(以下、散乱光という)が、測距対象物に照射される。受光部は、直接光の反射(以下、直接反射光という)に加えて、散乱光による反射(以下、不要反射光という)も受光する。このとき受光部で得られる電荷量は、直接反射光の成分に不要反射光の成分が上乗せされてしまうため、周辺環境によっては、測距対象物の3次元測定の測距精度が大きく劣化する可能性がある。
【0007】
また、照射領域内に鏡がある場合、大きな光量の不要反射光が発生し、これが原因となって、測定対象の距離画像に大きな測定誤差が発生する。
【0008】
これに対して、特許文献1,2では、不要反射光の影響による測定誤差については何ら対策が講じられておらず、不要反射光の影響を除去することができない。
【0009】
前記の問題に鑑み、本開示では、TOF方式を用いた3次元測定において、測定する周辺環境によって発生する不要反射光の成分の除去/抑制を可能にし、高精度な3次元測定を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様では、TOF(Time of Flight)方式を用いた3次元測定装置は、発光制御信号が示すタイミングに従って光の照射を行うものであり、かつ、少なくとも2つの照射領域毎に照射光量を調節可能に構成された光源部と、対象物体を含む領域に対して、露光制御信号が示すタイミングに従って露光を行い、露光量の総和から3次元情報を得る受光部と、前記受光部から受けた3次元情報に基づいて距離画像を生成する画像処理部と、前記発光制御信号、前記露光制御信号、および、前記各照射領域における照射光量の設定である照射パターンを示す領域光量信号を出力する制御部とを備え、前記光源部は、前記領域光量信号が示す照射パターンに従って、光の照射を行う。
【0011】
この態様によると、光源部は、少なくとも2つの照射領域毎に照射光量を調節可能に構成されており、領域光量信号が示す照射パターンに従って、光の照射を行う。このため、例えば、画像処理部は、領域光量信号が示す照射パターンと、当該照射パターンに従った照射時に受光部によって得られた3次元情報との関係から、ある照射領域における照射光の反射光成分の影響を除去することが可能となる。あるいは、制御部は、領域光量信号によって、対象物体が存在する領域を含まない照射領域の光量を小さくすることが可能となる。したがって、測定する周辺環境によって発生する不要反射光が直接反射光に混入する場合でも、不要反射光の成分除去が可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によると、測定する周辺環境によって発生する不要反射光が直接反射光に混入する場合でも、不要反射光の成分除去が可能となり、測定対象物の直接反射光の成分のみで測距演算を行うことが可能となる。これによって、周辺環境に依存することなく、測定対象物の高精度な3次元測定が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係る3次元測定装置の構成を示す図
図2】(a)発光制御信号と露光制御信号のタイミングチャート、(b)UG期間の露光量を示す拡大図、(c)G期間の露光量を示す拡大図
図3】(a)発光制御信号と露光制御信号のタイミングチャート、(b)不要反射光があるときのUG期間の露光量を示す拡大図、(c)不要反射光があるときのG期間の露光量を示す拡大図
図4】(a)発光制御信号、露光制御信号および領域光量信号のタイミングチャート、(b)照射パターンAの例、(c)照射パターンBの例
図5】照射パターンAのときの動作を示す図
図6】照射パターンBのときの動作を示す図
図7】(a)照射パターンBのときのUG期間の露光量を示す拡大図、(b)照射パターンBのときのG期間の露光量を示す拡大図
図8】(a)照射パターンCの例、(b)照射パターンDの例、(c)領域光量信号の例
図9】(a),(b)照射パターンの他の例
図10】照射パターンの他の例
図11】実施形態2に係る3次元測定装置の構成を示す図
図12】(a)〜(c)検出領域信号による照射光量の制御の例
図13】(a)〜(c)鏡領域信号による照射光量の制御の例
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る3次元測定装置の構成を示す図である。図1の3次元測定装置10は、TOF(Time of Flight)方式を用いたものであり、光源部1と、受光部2と、画像処理部3と、制御部4とを備えている。
【0015】
光源部1は、発光制御信号が示すタイミングに従って、対象物体OBに向けて光を照射する。受光部2は、対象物体OBを含む領域に対して、露光制御信号が示すタイミングに従って露光を行い、露光期間における露光量の総和を撮像エリアセンサによって光電変換し、3次元情報として出力する。受光部2の撮像エリアセンサは、CCDセンサでもよいし、CMOSセンサでもよい。画像処理部3は、受光部2から出力された3次元情報に基づいて距離画像を生成し出力する。制御部4は、発光制御信号および露光制御信号を出力する。
【0016】
なお、ここでは、発光制御信号および露光制御信号は“H”“L”の2値のデジタル信号であるものとし、光源部1は発光制御信号が“H”のときに光を照射し、受光部2は露光制御信号が“H”の期間に露光を行うものとする。発光制御信号が“L”のときは光源部1は光を照射せず、露光制御信号が“L”のときは受光部2は露光を行わない。
【0017】
また、光源部1は、少なくとも2つの照射領域毎に、照射光量を調整可能に構成されている。そして制御部4は、各照射領域における照射光量の設定である照射パターンを示す領域光量信号を出力する。光源部1は領域光量信号を受け、この領域光量信号が示す照射パターンに従って、光の照射を行う。また、この領域光量信号は画像処理部3にも与えられる。
【0018】
光源部1における照射領域毎の光量の変更は、具体的には例えば、照射領域が定まった複数の光源を切り替えることで実現すればよい。あるいは、プロジェクターのように液晶によって制御してもよいし、光源の前のレンズ位置の変更によって照射範囲を可変にしてもよい。あるいは、複数の光源に照射パターンに対応したフィルタをつけて、発光させる光源を切り替えてもよい。
【0019】
まず、本実施形態に係る3次元測定装置の基本動作、すなわち対象物体OBまでの距離Lの算出方法について、図2のタイミングチャートを用いて説明する。図2において、(a)は制御部4から出力される発光制御信号および露光制御信号の例、(b)はUG期間における露光量を示す拡大図、(c)はG期間における露光量を示す拡大図である。図2では受光部2が直接反射光のみを受光しているものとしている。
【0020】
UG期間では、光源部1から照射された光の反射光である直接反射光の全てを含むようなタイミングで、露光が行われる。G期間では、直接反射光が発光タイミングに対して遅延するほど、露光量が減少するような露光が行われる。BG期間では、発光を行わずに、UG期間およびG期間と同条件で露光制御を行い、直接反射光以外の背景光の露光を行っている。
【0021】
ここで、UG期間の直接反射光の露光量をUG、G期間の直接反射光の露光量をG、BG期間の背景光の露光量をBG、照射する直接光のパルス幅をT、光速(299,792,458m/s)をcとすると、距離Lは次の(1)式によって算出できる。
【数1】
また、単純化のために背景光がない場合を考え、BG=0とすると、距離Lは次の(2)式によって表すことができる。
【数2】
【0022】
ところが実際には、直接反射光以外の不要反射光が受光部2に入る場合がある。不要反射光とは、例えば図1に示すように、壁WA等の周辺環境によって散乱した光が対象物体OBで反射した光である。図3は不要反射光が有る場合を示しており、(a)は制御部4から出力される発光制御信号および露光制御信号の例(図2(a)と同じ)、(b)はUG期間における露光量を示す拡大図、(c)はG期間における露光量を示す拡大図である。図3(b),(c)に示すように、不要反射光によって露光量が増えている。
【0023】
ここで、UG期間の不要反射光の露光量をur、G期間の不要反射光の露光量をgrとすると、
UG期間の露光量の総和は (UG+ur)
G期間の露光量の総和は (G+gr)
となり、これを上述の計算式(2)に当てはめると、次の式(3)のようになる。
【数3】
【0024】
ここで、gr/urは周辺環境に依存して変化するため、このまま距離Lを算出すると測定誤差が発生する。
【0025】
そこで本実施形態では、各照射領域における照射光量の設定である照射パターンを示す領域光量信号を用いる。光源部1は、制御部4から出力された領域光量信号が示す照射パターンに従って、各照射領域における照射光量を設定し、光の照射を行う。画像処理部3は、領域光量信号が示す照射パターンと、この照射パターンに従った光照射時に得られた3次元情報との関係から、不要反射光成分の影響を除去する。
【0026】
図4は照射パターンの一例を示す図であり、同図中、(a)は発光制御信号、露光制御信号および領域光量信号の一例、(b)は照射パターンAの例、(c)は照射パターンBの例である。図4の例では、光源部1は3つの照射領域a,b,c毎に照射光量を調節可能に構成されており、領域光量信号は照射パターンA,Bを時系列で示している。照射パターンAでは、照射領域a,b,cにはいずれも所定の基本光量として光量100が設定されているのに対して、照射パターンBでは、照射領域a,cには光量100が設定されているが照射領域bには光量50が設定されている。
【0027】
図5は照射パターンAが照射されたときの動作を示す図である。図5に示すように、光源部1は照射領域a,b,cにそれぞれ光量100の光を照射する。このとき、受光部2の露光量は図3(b),(c)に示すようになり、
UG期間の露光量の総和は (UG+ur)
G期間の露光量の総和は (G+gr)
となる。
【0028】
図6は照射パターンBが照射されたときの動作を示す図である。図6に示すように、光源部1は照射領域a,cに光量100の光を、照射領域bに光量50の光を、それぞれ照射する。このとき、受光部2の露光量は図7(a),(b)に示すようになり、不要反射光の露光量が照射パターンAのときの半分になるため、
UG期間の露光量の総和は (UG+ur/2)
G期間の露光量の総和は (G+gr/2)
となる。
【0029】
したがって、照射パターンAと照射パターンBとで、UG期間の露光量の総和の差分をとると、
(UG+ur)−(UG+ur/2)=ur/2
となり、照射パターンBのUG期間に混入する不要反射光の露光成分ur/2が算出できる。また、これを2倍することによって、照射パターンAのUG期間に混入する不要反射光の露光成分urが算出できる。
【0030】
同様に、照射パターンAと照射パターンBとで、G期間の露光量の総和の差分をとると、
(G+gr)−(G+gr/2)=gr/2
となり、照射パターンBのG期間に混入する不要反射光の露光成分gr/2が算出できる。また、これを2倍することによって、照射パターンAのG期間に混入する不要反射光の露光成分grが算出できる。
【0031】
ここで、例えば照射パターンAの照射時において、UG期間の露光量の総和(UG+ur)から上で求めたurを減算し、またG期間の露光量の総和(G+gr)から上で求めたgrを減算することによって、不要反射光の影響が除去された露光量UG,Gが得られる。これにより、例えば式(2)を用いて、不要反射光による測定誤差のない距離Lの算出が可能になる。また同様に、照射パターンBの照射時においても、UG期間の露光量の総和(UG+ur/2)から上で求めたur/2を減算し、またG期間の露光量の総和(G+gr/2)から上で求めたgr/2を減算することによって、不要反射光の影響が除去された露光量UG,Gが得られる。これにより、例えば式(2)を用いて、不要反射光による測定誤差のない距離Lの算出が可能になる。
【0032】
以上のように、本実施形態によると、光源部1によって照射領域毎に光量を変化させる制御を行い、画像処理部3によって、照射パターンの情報と当該照射パターンに係る3次元情報とから、光量を変化させた照射領域からの不要反射光の露光量を算出する。これにより、G期間およびUG期間における不要反射光の除去が可能となり、周辺環境によらず高精度な3次元測定が可能となる。
【0033】
なお、算出された不要反射光gr,urが所定の値より大きい場合には、照射領域b(光量を変化させた照射領域)の光量を照射パターンA,Bともに小さくするように制御してもよい。すなわち、画像処理部3は、算出した反射光成分gr,urが所定の値より大きいとき、照射パターンA,Bにおける照射領域bの光量を小さくするよう、制御部4に指示するものとしてもよい。これにより、不要反射光に起因する光ショットノイズの抑制、および、ダイナミックレンジ縮小の抑制効果が得られる。
【0034】
また、本実施形態では、照射パターンA,Bにおいて照射領域bの光量のみを変えるものとしたが、照射パターンの種類はこれに限られるものではない。例えば照射パターンA,Bに加えて、図8(a),(b)に示すような、照射領域cの光量を下げた照射パターンCと照射領域aの光量を下げた照射パターンDとを準備し、図8(c)に示すように、照射パターンA,B,C,Dを時系列で用いてもかまわない。
【0035】
また、照射パターンAを連続して照射し、その後照射パターンBを照射し、再び照射パターンAを連続して照射する、というようにしてもかまわない。この場合は、照射パターンBを用いて算出した不要反射光の露光量を保持しておき、照射パターンAが連続する間は、保持した不要反射光の露光量を用いて3次元情報の補正を行うようにしてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、照射領域の光量を「100」と「50」で切り替えるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば「80」と「20」の切り替えや、「100」と「0」の切り替えを行ってもよい。
【0037】
また、本実施形態では、照射範囲を一方向において3つの照射領域a,b,cに分けるものとしたが、照射領域の個数や分割形態はこれに限られるものではない。例えば、図9(a)に示すように複数の照射領域を格子状に設定してもよいし、図9(b)に示すように、複数の照射領域を同心円状に設定してもかまわない。
【0038】
また、図10に示すように、照射範囲を微細な千鳥配列の領域a,bに分けて、領域aの光量を100、領域bの光量を0とする照射パターンAと、領域aの光量を0、領域bの光量を100とする照射パターンBとを用いてもよい。この場合、例えば光量100の照射領域a1に該当する3次元情報に含まれる不要反射光の成分を、光量0の周辺領域b1,b2,b3,b4に該当する3次元情報(光量0の領域のため、露光量の総和は不要反射光成分のみ)から補正してもよい。
【0039】
(実施形態2)
図11は実施形態2に係る3次元測定装置の構成を示す図である。図11の3次元測定装置10Bは、実施形態1の3次元測定装置10とほぼ同様の構成からなるが、次の点で異なっている。すなわち、光源部1から光を照射する側の表面に、所定の色配列パターン5が設けられている。この色配列パターン5は、鏡の存在を認識するために用いられる。また、受光部2Bが、3次元情報に加えて、2次元のRGB情報を得ることが可能なように構成されている。この3次元情報およびRGB情報は画像処理部3Bに送られる。画像処理部3Bは、受光部2Bから受けた3次元情報およびRGB情報に基づいて、距離画像に加えて、2次元色画像を生成し出力する。画像処理部3Bはさらに、対象物体OBが存在する領域を示す検出領域信号と、鏡MRが存在する領域を示す鏡領域信号とを生成する機能を有している。この検出領域信号および鏡領域信号は制御部4Bに送られる。
【0040】
光源部1は実施形態1と同様の動作を行う。受光部2Bは、対照物体OBに反射した直接反射光について露光制御信号が“H”の期間のみ露光を行い、撮像エリアセンサで光電変換された信号を3次元情報として出力する。また、反射光の露光と同時あるいは同時に近いタイミングで、色情報に対して露光を行い、撮像エリアセンサで光電変換された信号をRGB情報として出力する。
【0041】
画像処理部3Bは、図12(a)に示すような2次元の色情報であるRGB情報に対して、対象物体OBのターゲット(例えば手や顔)についてパターン認識を行い、一致する場合は、ターゲットと認識された画素位置から領域を検出し、検出した領域を示す検出領域信号を出力する。制御部4Bは、検出領域信号を受け、図12(b)に示すように、検出された対象物体OBの領域を含まない照射領域の光量を小さくするように、領域光量信号を設定する。図12(c)はこのときの照射パターンの一例であり、対象物体OBが検出された照射領域a以外の照射領域b,cの光量を小さくしている。
【0042】
また、画像処理部3Bは、図13(a)に示すように、RGB情報に対して、色配列パターン5のパターン認識を行い、一致する場合は、鏡が存在すると認識し、鏡と認識された画素位置から鏡の領域を検出し、検出した領域を示す鏡領域信号を出力する。制御部4Bは、鏡領域信号を受け、図13(b)に示すように、鏡が存在する領域を含む照射領域の光量を小さくする。図13(c)はこのときの照射パターンの一例であり、鏡MRが検出された照射領域bの光量を大幅に小さくしている。
【0043】
また、鏡と認識された領域の距離画像について、画像処理部3Bは、RGB情報が表す平面内において鏡領域が占める大きさから、鏡MRまでの距離を算出するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、TOF方式を用いたシステムにおいて、鏡MRまでの距離の測定も可能になっている。
【0044】
以上のように、本実施形態によると、測定の対象となる物体が存在する照射領域を認識し、それ以外の照射領域の光量を小さくすることによって、対象物体に与える不要反射光の影響を抑えて、高精度な測距が可能となる。また、(2)式に示すように、距離LはGとUGの比に基づいて算出されるため、光量を小さくした照射領域も多少の精度は落ちるが測距可能である。
【0045】
また、鏡のように反射率が高く表面が滑らかな対象物体の場合、TOF方式では対象物体までの距離の測定は困難である。本実施形態では、TOFの3次元情報の他に、既知の色配列とRGB情報を用いることによって、鏡のように照射した反射光が受光部に戻ってこない物体までの距離についても測定が可能となる。
【0046】
なお、測定対象のターゲットが含まれる領域の3次元情報から、測定対象のターゲットの反射率が低い、あるいは距離が長い場合には、測定対象のターゲットが含まれる領域の照射領域の光量を増大するように領域光量信号を出力してもよい。
【0047】
また、色配列パターン5は、色配列に限らず、近赤外光等の反射率が異なる固有パターンでもよく、自発光可能な固有の色配列パターンでもよく、固有の発光パターンであってもよい。または、色配列パターン5の形状は、矩形状である必要はなく、例えば円や球体であってもよい。
【0048】
また、鏡全体の領域の認識のために、3次元測定装置10Bまたは色配列パターン5に移動可能な機能を追加してもよい。
【0049】
また、色配列パターンの縦横の比率から、鏡の傾きを算出し、鏡の反射光が測定対象に影響がない場合、また鏡までの距離が遠い時等は、鏡領域信号を出力しないようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態において、画像処理部3Bは、距離画像において距離が所定値以下の領域が存在するとき、制御部4Bに感知信号を出力するようにしてもよい。そして、制御部4Bは、感知信号を受けたときは、各照射領域において所定の基本光量とする一方、感知信号を受けないときは、少なくとも1つの照射領域において所定の基本光量よりも下げるように、領域光量信号を設定するようにしてもよい。このとき、少なくとも1つの照射領域の光量をゼロにしてもよい。
【0051】
例えば、図9(a)のような照射領域が設定されているとき、スリープモードでは、領域Gのみ弱い光で照射を行い、その他の領域では光の照射を行わないようにする。そして、画像処理部3Bは、領域Gに該当する距離画像において所定の閾値より近い距離の対象物体を検出した場合は、感知信号を出力する。制御部4Bは、感知信号を受けたときは、アクティブモードになり、全領域A〜Iの光量を増大するように領域光量信号を出力するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本開示では、周辺環境に依存することなく、測定対象物の高精度な3次元測定が実現できるため、例えば、人物、建物などの3次元測定の精度向上に有効である。
【符号の説明】
【0053】
1 光源部
2,2B 受光部
3,3B 画像処理部
4,4B 制御部
5 色配列パターン
10,10B 3次元測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】