特表-14097553IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2014年6月26日
【発行日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20161216BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20161216BHJP
   F24C 7/04 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   H05B6/12 313
   F24C15/00 M
   F24C7/04 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2014-552902(P2014-552902)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年11月28日
(31)【優先権主張番号】特願2012-277779(P2012-277779)
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区城見2丁目1番61号
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】長江 依奈
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 パナソニック株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】新山 浩次
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 パナソニック株式会社内
【テーマコード(参考)】
3K151
3L087
【Fターム(参考)】
3K151AA23
3K151BA51
3K151CA01
3K151CA24
3K151CA56
3K151CA91
3L087AA03
3L087BB20
3L087DA01
(57)【要約】
本発明の加熱調理器においては、使用者の意図に反して加熱能力が急に上昇しないように、表示操作部の操作領域に接触した接触物がはじくような操作を行った場合、検知された接触物のはじくような操作が加熱能力を上げる移動方向の場合には、接触物のはじくような操作が加熱能力を下げる移動方向の場合に比べて、操作領域における接触物の移動速度により加熱能力の切り替える量(変化量)を制限するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱部と、
前記加熱部の火力に相当する加熱能力や制御温度を設定するとともに設定情報を表示する表示操作部と、
前記加熱部と前記表示操作部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記表示操作部の操作領域に対して接触物が接触した状態で移動した後、前記接触物が前記表示操作部の操作領域から離れる直前の離時移動方向および離時移動速度に応じて前記接触物が前記表示操作部の操作領域から離れた以後の前記加熱部の加熱能力の切り替え量を決定するよう構成されており、加熱能力が下がる移動方向のときの前記離時移動速度と加熱能力が上がる移動方向のときの前記離時移動速度が同じである場合において、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量を、加熱能力が下がる移動方向のときの切り替え量よりも小さくなるように制限するよう構成された加熱調理器。
【請求項2】
前記制御部は、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量に上限値を設けて、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量が加熱能力が下がる移動方向のときの切り替え量よりも小さくなるように制限する領域を有する請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記制御部は、加熱能力が上がる移動方向のときの一定の切り替え量に対する前記離時移動速度の上昇比率が、加熱能力が下がる移動方向のときの一定の切り替え量に対する前記離時移動速度の下降比率に比べて略一定の比率で大きいときに、加熱能力が上がる移動方向のときに決定される切り替え量と加熱能力が下がる移動方向のときに決定される切り替え量が同じになるように制御するよう構成された請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示操作部の操作領域に対して前記接触物が接触した状態で移動している間においては、前記接触物の接触位置と移動方向に応じて加熱能力を変更するか否かを決定するとともに、前記接触物の移動量に応じて加熱能力の切り替え量を決定し、前記操作領域に前記接触物が接触する直前の加熱能力が前記操作領域から前記接触物が離れる直前の加熱能力と同じ加熱能力でなく、前記操作領域に前記接触物が接触する直前の加熱能力が前記操作領域から前記接触物が離れる直前の加熱能力に切り替えられていた場合には、前記接触物が離れた直後の加熱能力の切り替え量を0と決定するよう構成された請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記表示操作部は、前記接触物の接触により加熱能力を設定できる加熱能力設定有効領域を有し、前記接触物が接触を開始した位置と前記接触物が離れた位置が前記加熱能力設定有効領域内にあるという条件において、加熱能力の切り替え操作を有効とし、前記条件に当てはまらない加熱能力の切り替え操作の場合には加熱能力の設定を前記接触物が接触を開始する直前の状態に戻すよう構成された請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記表示操作部は、前記接触物が接触することにより加熱能力を一段階下げる領域と一段階上げる領域をさらに有する請求項1から5のいずれか一項の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを搭載した加熱調理器に関し、特に加熱調理器の表示動作に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器には個別の機能を有する複数のキーが設けられており、それらのキーを押下げる、若しくは長押し等の操作を行うことにより、火力設定および温度設定の各種設定操作が行われていた。近年、タッチパネルを搭載した加熱調理器が増えており、タッチパネル上の押下動作またはスライド動作により、調理レシピ画像を瞬時的または逐次的に切り替えることができる構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−37219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱調理器に搭載されたタッチパネルにおいては、指をタッチパネルに接触させたまま移動させるスライド操作や、指をタッチパネルに接触させた状態からタッチパネルの平面方向にはじくフリック操作を行い、加熱能力および制御温度の設定を連続的に切り替えることが考えられる。指の移動速度に応じて切り替える速度、および切り替える表示数値を変化させることができ、指の移動速度が速いほど切り替える速度を速くしたり、切り替える表示数値を大きく変化させることにより、表示動作が使用者にとって直観的なものとなる。この結果、扱いやすく、操作時間を短縮でき、操作量を少ない加熱調理器となる。
【0005】
上記のようなフリック操作においては、操作時間または操作量が少なくても、変化量が大きくなるように設定して、軽快な操作感を得られるようにすると、短時間の操作で設定変更を早くすることができる。しかしながら、加熱調理器において、このようなフリック操作を加熱能力を上げるときに行った場合には、加熱能力が一気に上昇してしまうことになる。例えば、IHクッキングヒーターのように鍋が載置されて、調理しながら火力設定を行うような加熱調理器の場合、使用者が作業中にタッチパネルに誤って触れてしまう可能性がある。タッチパネルへの接触の仕方によってはフリック操作したものと誤検知されて、使用者の意図に反して、加熱能力が最大付近まで急激に上昇する可能性がある。したがって、従来の加熱調理器においては、場合によっては、急な沸騰や急激な温度上昇を招いてしまい、使用者に不安感を与えることがあるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加熱調理器は、上記従来の課題を解決するものであり、被加熱物を加熱する加熱部と、前記加熱部の火力に相当する加熱能力や制御温度を設定するとともに設定情報を表示する表示操作部と、前記加熱部と前記表示操作部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記表示操作部の操作領域に対して接触物が接触した状態で移動した後、前記接触物が前記表示操作部の操作領域から離れる直前の離時移動方向および離時移動速度に応じて前記接触物が前記表示操作部の操作領域から離れた以後の前記加熱部の加熱能力の切り替え量を決定するよう構成されており、加熱能力が下がる移動方向と加熱能力が上がる移動方向に各々対応する前記離時移動速度が同じである場合において、少なくとも所定の範囲内においては、加熱能力が上がる移動方向による切り替え量を、加熱能力が下がる移動方向による切り替え量よりも小さくなるように制限する。このように構成された本発明の加熱調理器は、表示操作部が加熱能力が上がる移動方向の操作を検知した場合でも、使用者の意図に反して火力が一気に上昇してしまうことを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱調理器によれば、加熱調理器に搭載された表示操作部に不意に触れてしまい、表示操作部が加熱能力が上がる移動方向の操作と同じ動作となった場合であっても、使用者の意図に反して火力が一気に上昇してしまうというおそれがなく、使用者に不安感を与えることのない信頼性の高い機器となり、加熱調理器を使用する際の安心感および安全性が向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施の形態1の加熱調理器の概略構成を示す図
図2】本発明に係る実施の形態1の加熱調理器の外観構成を示す模式的に示す図
図3】本発明に係る実施の形態1の加熱調理器における表示操作部の各種表示例を示す図
図4】本発明に係る実施の形態1の加熱調理器における火力設定時のフローチャート
図5】本発明に係る実施の形態1の加熱調理器における火力設定時の表示動作例を示す図
図6】本発明に係る実施の形態1の加熱調理器における火力設定時の切り替え量決定フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る第1の態様の加熱調理器は、
被加熱物を加熱する加熱部と、
前記加熱部の火力に相当する加熱能力や制御温度を設定するとともに設定情報を表示する表示操作部と、
前記加熱部と前記表示操作部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記表示操作部の操作領域に対して接触物が接触した状態で移動した後、前記接触物が前記表示操作部の操作領域から離れる直前の離時移動方向および離時移動速度に応じて前記接触物が前記表示操作部の操作領域から離れた以後の前記加熱部の加熱能力の切り替え量を決定するよう構成されており、加熱能力が下がる移動方向のときの前記離時移動速度と加熱能力が上がる移動方向のときの前記離時移動速度が同じである場合において、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量を、加熱能力が下がる移動方向のときの切り替え量よりも小さくなるように制限するよう構成されている。
【0010】
このように構成された本発明に係る第1の態様の加熱調理器は、表示操作部の操作領域を接触物である指やその他の接触物により、操作領域を払うようなフリック操作により加熱能力が上がる場合には、加熱能力が一気に上昇しないように制限されている。このため、使用者が誤って表示操作部に触れてフリック操作と同じような操作をしてしまった場合であっても、本発明に係る第1の態様の加熱調理器においては、使用者が意図しないような加熱能力が一気に上昇するような状況の発生を防止することができ、使用者に不安感を与えることのない、安心感および安全性が向上した調理器を提供得することができる。
【0011】
また、本発明に係る第1の態様の加熱調理器においては、表示操作部の操作領域を指や他の接触物で払うようなフリック操作により加熱能力を下げる場合には、加熱能力が一気に下がることを制限していないため、ふきこぼれや焼きすぎなどで使用者が急いで一気に加熱能力を低下させたいという要求に応じることができる。このように、本発明に係る第1の態様の加熱調理器においては、フリック操作による一度の操作で素早く大幅に加熱能力を下げることが可能となり、使用者に不安感を与えることなく、安心感および安全性をさらに向上させることができる。
【0012】
本発明に係る第2の態様の加熱調理器は、前記の第1の態様における前記制御部が、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量に上限値を設けて、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量が加熱能力が下がる移動方向のときの切り替え量よりも小さくなるように制限する領域を有する構成としてもよい。
【0013】
このように構成された本発明に係る第2の態様の加熱調理器は、表示操作部の操作領域を接触物である指やその他の接触物で払うようなフリック操作により加熱能力が上がる場合には、加熱能力が一気に上昇しないように制限する具体的な方法として実施することができる。この結果、本発明に係る第2の態様の加熱調理器においては、一度のフリック操作により上昇する加熱能力の最大上昇量を確実に制限することができる。
【0014】
本発明に係る第3の態様の加熱調理器は、前記の第1の態様または第2の態様における前記制御部が、加熱能力が上がる移動方向のときの一定の切り替え量に対する前記離時移動速度の上昇比率が、加熱能力が下がる移動方向のときの一定の切り替え量に対する前記離時移動速度の下降比率に比べて略一定の比率で大きいときに、加熱能力が上がる移動方向のときに決定される切り替え量と加熱能力が下がる移動方向のときに決定される切り替え量が同じになるように制御するよう構成されてもよい。
【0015】
このように構成された本発明に係る第3の態様の加熱調理器は、加熱能力を上げるときの移動速度と、下げるときの移動速度とで切り替え量の変更しやすさを変更することが可能となる。本発明に係る第3の態様の加熱調理器においては、加熱能力を下げやすくするとともに加熱能力を上げるときは上げにくい印象を使用者に与えることができる。このため、本発明に係る第3の態様の加熱調理器は、使用者が明確な意図を持って加熱能力を上げようとする場合には、接触物の移動速度をさらに速めることにより、切り替え量(変化量)を大きくすることができ、使用者に不安感を与えることなく、使用者の意図に応じて加熱能力の上昇量を大きくすることができる。
【0016】
本発明に係る第4の態様の加熱調理器は、前記の第1の態様から第3の態様におけるいずれかの態様における前記制御部が、前記表示操作部の操作領域に対して前記接触物が接触した状態で移動している間においては、前記接触物の接触位置と移動方向に応じて加熱能力を変更するか否かを決定するとともに、前記接触物の移動量に応じて加熱能力の切り替え量を決定し、前記操作領域に前記接触物が接触する直前の加熱能力が前記操作領域から前記接触物が離れる直前の加熱能力と同じ加熱能力でなく、前記操作領域に前記接触物が接触する直前の加熱能力が前記操作領域から前記接触物が離れる直前の加熱能力に切り替えられていた場合には、前記接触物が離れた直後の加熱能力の切り替え量を0と決定するよう構成されている。
【0017】
このように構成された本発明に係る第4の態様の加熱調理器は、表示操作部の操作領域を指や他の接触物でなぞるようなスライド操作を行った場合には、加熱能力が上がる移動方向、または下がる移動方向に対する移動量に応じた加熱能力の切り替え量を決定し、フリック操作を行わずにスライド操作により複数段階連続して加熱能力を上げるまたは下げることができる。また、加熱能力を切り替えたスライド操作から連続してフリック操作を行った場合においては、接触物が表示操作部の操作領域から離れた直後の離時移動方向による加熱能力の切り替え処理は行わず、スライド操作による設定変更を行って、安定した操作感を得ることができる。この結果、本発明に係る第4の態様の加熱調理器は、安定した操作感のスライド操作と素早く手軽な操作感のフリック操作の何れかを使用者の操作時の動作により選択することができる。
【0018】
本発明に係る第5の態様の加熱調理器は、前記の第1の態様から第4の態様におけるいずれかの態様において、前記表示操作部が、前記接触物の接触により加熱能力を設定できる加熱能力設定有効領域を有し、前記接触物が接触を開始した位置と前記接触物が離れた位置が前記加熱能力設定有効領域内にあるという条件において、加熱能力の切り替え操作を有効とし、前記条件に当てはまらない加熱能力の切り替え操作の場合には加熱能力の設定を前記接触物が接触を開始する直前の状態に戻すよう構成してもよい。
【0019】
このように構成された本発明に係る第5の態様の加熱調理器は、加熱能力を設定する範囲を制限することが可能となり、使用者が表示操作部を布巾で拭いたり、表示操作部の上面で鍋を滑らせるなどしたとしても、フリック操作またはスライド操作が実行されたと誤検知して加熱能力を変更してしまう可能性を少なくすることができる。この結果、本発明に係る第5の態様の加熱調理器においては、使用者に安心感を与え、安全性がさらに向上した機器となる。
【0020】
本発明に係る第6の態様の加熱調理器は、前記の第1の態様から第5の態様におけるいずれかの態様において、前記表示操作部が、前記接触物が接触することにより加熱能力を一段階下げる領域と一段階上げる領域をさらに有する構成でもよい。
【0021】
このように構成された本発明に係る第6の態様の加熱調理器は、表示操作部の操作領域を指や他の接触物でなぞるようなスライド操作または操作領域を払うようなフリック操作により加熱能力を変更する方法と、表示操作部における特定の領域に接触することにより加熱能力を変更する方法と、を使用者が選択することができる構成となる。この結果、従来のキー操作で一段階ずつ設定を変更することに慣れており、表示操作部の操作領域上をなぞる操作または払う操作を不得手とする使用者にとっては、操作方法の選択肢を増やすことができ、使用者に合った操作方法を選択することができ、誰でも使いやすい操作方法を得ることができる。
【0022】
以下、本発明に係る実施の形態として加熱調理器について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明の加熱調理器は、以下の実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、以下の実施の形態において説明する技術的思想と同等の技術的思想に基づいて構成される加熱調理器を含むものである。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器の概略構成を示す図である。
【0024】
図1において、図示しない外郭を構成する本体の上面にはトッププレート1が配設されている。本体内のトッププレート1の下面にはトッププレート1上に載置された鍋などの被加熱物2を加熱する加熱部3が配置されている。加熱部3は、誘導加熱コイル3aと駆動回路3bとを備えて構成され、被加熱物2を誘導加熱する方式を有する。
【0025】
実施の形態1の加熱調理器においては、トッププレート1の上面、若しくは本体の筐体側面に表示操作部であるタッチパネル4が配設されている。タッチパネル4においては、使用者の操作により、選択されたメニュー、加熱の開始、加熱の停止などの操作信号が形成されて制御部5に送信される。制御部5は、タッチパネル4からの操作信号を受け取り、操作信号に応じて加熱部3を制御する。
【0026】
図2は、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器を模式的に示す図である。図2に示すように、実施の形態1の加熱調理器は、トッププレート1には複数の加熱領域(円形の破線にて示す領域)Hを有しており、各加熱領域Hの下方には加熱部3の誘導加熱コイル3aがそれぞれ対向するように配設されている。実施の形態1の加熱調理器においては、トッププレート1の上に載置された被加熱物2の位置や大きさを定期的に検知しており、その位置や大きさに対応する加熱部3が駆動される仕組みとなっている。また、表示操作部であるタッチパネル4はトッププレート1の上面手前側(使用者側)に配設されている。タッチパネル4は液晶パネルなどの表示装置4bと抵抗膜方式や静電容量方式などの位置入力装置4aを重ねるように組み合わせて構成されている。
【0027】
図3における(a)〜(h)は、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器におけるタッチパネル(表示操作部)の各種表示例を示す図である。
【0028】
図3の(a)に示すタッチパネル4は、トッププレート1上に載置されている被加熱物2の大きさおよび位置を示す3つの被加熱物情報11、12、13が表示されている例を示している。タッチパネル4に表示されている被加熱物情報11、12、13の大きさおよび位置は、トッププレート1上に載置されている被加熱物2を示す大きさ、および、対応する位置を示すものである。これらの被加熱物情報11、12、13は、各加熱部3において検出された被加熱物検出情報に基づくものである。
【0029】
図3の(b)に示すように、使用者がタッチパネル4に表示された被加熱物情報11、12、13の中から加熱したいと考える被加熱物2に対応した被加熱物情報、例えば、被加熱物情報13を選択して、当該被加熱物情報13の表示枠を押下すると、タッチパネル4の表示面下部にメニュー14が表示される。タッチパネル4に表示されたメニュー14には、加熱調理メニューを開始する加熱調理スイッチ15、および温度調理メニューを開始する温度調理スイッチ16が含まれている。
【0030】
加熱調理スイッチ15においては、火力設定を行い、設定された火力にて加熱する加熱調理メニューを開始する操作が行われる。温度調理スイッチ16においては、温度設定を行い、温度調節しながら加熱する温度調理メニューを開始する操作が行われる。したがって、使用者は、タッチパネル4の表示面下部に表示されたメニュー14において、加熱調理スイッチ15または温度調理スイッチ16のいずれかを選択することができる。
【0031】
例えば、使用者が加熱調理スイッチ15を選択して、加熱調理スイッチ15を押下すると加熱調理メニューが開始されて、図3の(c)に示すように、表示面下部に設定すべき火力値が表示される。この時、選択されている被加熱物2の被加熱物情報13の表示枠のみが、四角形の白枠から内部が塗りつぶされた四角形に変化する。加えて、選択されている被加熱物2の四角形の表示枠内には、火力値の設定値17と加熱停止ボタン18が表示される。上記のように、被加熱物情報11、12、13の表示は、トッププレート1上に被加熱物が載置されていることを検知したときには表示枠の内部が塗りつぶされていない白枠のみの四角形で表示される。そして、使用者が表示された被加熱物情報の中から選択し、選択された被加熱物に対する加熱を開始したとき、表示枠は塗りつぶされた四角形で表示される。
【0032】
実施の形態1の加熱調理器において、加熱調理メニューの火力設定は、1から18までの複数の火力値に段階的に切り替えることが可能であり、それぞれの火力値に対応した電力値で加熱コイル3aが駆動される構成である。加熱調理メニューの中にはふきこぼれを抑止する調理メニュー、鍋などの被加熱物2の中の水分を対流させるための調理メニューなどの各種の調理メニューが含まれており、使用者がそれらの調理メニューの中から選択できる構成である。
【0033】
一方、図3の(b)の表示状態において、使用者が温度調理スイッチ16を選択して、温度調理スイッチ16を押下すると温度調理メニューが開始されて、図3の(d)に示すように、表示面下部に温度設定の表示となる。実施の形態1の加熱調理器において、温度調理メニューの温度設定は80〜240℃まで10℃単位で設定が可能である。温度が設定されると被加熱物2が設定温度に保たれるように電力を制御し加熱コイル3aが駆動される。
【0034】
次に、実施の形態1の加熱調理器における火力設定および温度設定の方法について説明する。
【0035】
使用者は、火力設定を変更する際、2つの方法を選択できる。1つはタッチパネル4の表示面下部の加熱能力設定有効領域(操作領域)19に指などの接触物を接触させて、加熱能力設定有効領域19の表面をなぞるように移動することによって火力設定を変更する方法である。なお、図3の(e)および(f)において、点線で囲った部分が加熱能力設定有効領域19である。
【0036】
図4は、本発明に係る実施の形態1における火力設定時のフローチャートであり、タッチパネルの加熱能力設定有効領域19である操作領域の表面をなぞる動作にて加熱能力の設定を変更する際のフローを表している。以下の説明においてタッチパネル4に接触する接触物としては、例えば指である。
【0037】
タッチパネル4に対して接触物が接触した時、ステップS101においてタッチパネル4に接触物が接触を開始したという意味を持つタッチパネルDown入力信号が発生する。ステップS102において、ステップS101で接触した時のタッチパネル4の接触位置が加熱能力設定有効領域19の範囲内である場合、火力設定の操作を行うことができ、ステップS103に移行する。
【0038】
一方、ステップS102において、ステップS101で接触した時のタッチパネル4の接触位置が加熱能力設定有効領域19の範囲外である場合、連続して接触物が接触している間は、接触物が加熱能力設定有効領域19の範囲内に入ったとしても火力設定の操作を実行することはできず、火力設定のフローを終了する。
【0039】
図5は、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器における火力設定時の表示動作例を示す図である。
【0040】
実施の形態1における火力設定時においては、図5に示すように、タッチパネル4の表示面下部の加熱能力設定有効領域19の操作領域には、1〜18の数字が等間隔に並んだ帯状の火力値スケールの一部が表示領域として表示されるよう構成されている。加熱能力設定有効領域19の操作領域においては、火力設定値を中心に一定の範囲が表示領域として表示されている。ステップS103において、接触物を火力値スケールの表示領域(19)に接触させて、その接触を開始した位置から接触物を移動させると、帯状の火力値スケールが接触物に付随して同様に移動する。この結果、表示領域における火力値スケールの表示部分が更新される表示更新処理Aが行われる。例えば、図5の(a)のように、「7」と表示されている位置に接触物を接触させて、矢印の方向(図5における右方向)に接触物の移動を開始すると、図5における(b)から(c)に示すように、接触物の移動に合わせて「7」の表示の位置が順次右に移動する。このように接触物が移動している間、表示領域における表示は逐次的に更新されていく。
【0041】
次に、ステップS104においてタッチパネル4から接触物が離れた時、その瞬間にタッチパネル4である表示操作部にはタッチパネルUP入力信号が発生する。その離れた時の接触物の位置が加熱能力設定有効領域19の範囲内にない場合には、ステップS108に移行して接触物がタッチパネル4に接触する直前の表示領域の表示(火力設定値)に戻す表示更新処理Cが行われる。この時の切り替え移動量が多いほど、速いスピードで帯状の火力値スケールがスライドするように、切り替え移動量に応じた速さで逐次的に以前の表示領域の表示に戻す表示更新処理Cが行われる。
【0042】
一方、タッチパネル4から接触物が離れる時の接触物の位置が、加熱能力設定有効領域19の範囲内にあるときには、ステップS106に移行して、接触物が離れる直前の接触物の移動速度(離時移動速度)に応じて加熱能力の切り替え量(変化量)を決定する切り替え量決定処理が行われる。
【0043】
切り替え量決定処理により切り替え量(変化量)が決定すると、ステップS107の表示更新処理Bにより逐次的に表示領域における表示が更新される。
【0044】
図6は、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器における火力設定時の切り替え量決定フローチャートを示している。図6の切り替え量決定フローチャートは、前述の図4に示したステップS106における切り替え量決定処理の詳細な動作フローを示している。
【0045】
先ず、切り替え量決定処理が開始されると、ステップS201において、接触物が表示領域に接触する直前の火力設定値(表示領域の中心に表示されている火力値)が、接触物が表示領域を離れる直前の火力設定値と同じ値でなく、接触物が表示領域に接触する直前の火力設定値から接触物が表示領域を離れる直前の火力設定値に変更されている場合には、この切り替え量決定処理は終了する。即ち、接触開始位置から所定距離以上の距離を接触物(指)を移動させて、表示領域の中心に表示されている火力値を変更している場合には、接触物が離れる直前において表示領域の中心に表示されている火力値が火力設定値として確定されているため、切り替え量決定処理を終了させる。
【0046】
一方、接触物が接触する直前の火力設定値と接触物が離れる直前の火力設定値が略同じである場合、即ち、接触開始位置から所定距離未満の距離しか接触物(指)を移動させていない場合(一旦移動させた後に最初の位置に戻した場合も含む)、ステップS202において、タッチパネル4から接触物(指)が離れる直前の移動方向(離時移動方向)における移動速度(離時移動速度)を算出する。算出した移動速度が火力の上がる移動方向(図3における(e)においては左方向)において所定値以上の移動速度である場合(フリック操作)には、ステップS207において設定火力を一段階上げる。この時、離時移動速度がどれほど大きくても火力を上げる移動方向の場合には、設定火力は上限値として一段階しか上がらないよう構成されている。ただし、火力設定値としては、最大設定値(実施の形態1における火力値としては「18」)を超えて上がることはない。
【0047】
また、算出した移動速度が火力の下がる移動方向(図3における(e)においては右方向)において所定値以上の移動速度である場合には、ステップS205において移動速度に応じて略比例した切り替え量だけ、火力を下げる。この場合、離時移動速度が大きいほど、切り替え量(変化量)は大きくなる。ただし、火力設定値としては、最小設定値(実施の形態1における火力値としては「1」)を超えて下がることはない。
【0048】
上記のように、切り替え量決定処理の開始におけるステップS201においては、接触開始位置から所定距離以上の距離を接触物(指)を移動させて、接触物が接触する直前の設定値から、接触物が離れる直前の設定値に変更するスライド操作を行った場合には、このスライド操作のみで当該切り替え量決定処理を終了させている。即ち、ステップS201においては、加熱能力設定有効領域19である操作領域における接触物(例えば、指)の移動距離が所定距離以上のスライド操作であれば、そのときの接触物が離れる直前の設定値が火力設定値となる。
【0049】
上記のように、実施の形態1の加熱調理器において、タッチパネル4の操作領域に対して接触物が接触した状態で移動している間においては、接触物の接触位置と移動方向に応じて加熱能力を変更するか否かを決定するとともに、接触物の移動量に応じて加熱能力の切り替え量を決定する。そして、タッチパネル4の操作領域に接触物が接触する直前の加熱能力が操作領域から接触物が離れる直前の加熱能力と同じでなく、異なる加熱能力に設定されて、タッチパネル4の操作領域に接触物が接触する直前の加熱能力が操作領域から接触物が離れる直前の加熱能力に切り替えられていた場合(スライド操作により火力値の設定処理を行っている場合)には、制御部5は、接触物が離れた直後にフリック操作を行っても加熱能力の切り替え量を0と決定するよう構成されている。
【0050】
なお、ステップS207においては、火力設定値の上限値としては一段階しか上がらない例で説明したが、二段階以上の任意の段階を上限値として、その上限値の複数の段階しか上がらないように設定してもよい。その場合、タッチパネル4から接触物が離れる直前の移動速度(離時移動速度)が、上限設定した移動速度の値未満の切り替え量を決定する移動速度であれば、その移動速度に応じた切り替え量に応じて火力設定値を決定して、火力を上昇させてもよい。一方、タッチパネル4から接触物が離れる直前の移動速度(離時移動速度)が、上限設定した移動速度の値以上の切り替え量を決定する移動速度であれば、そのときの切り替え量は上限として設定された値(上限値)に制限される。このように設定することにより、火力が上がる移動方向においては、使用者のフリック操作により指などの接触物が離れた後の切り替え量を使用者に不安感を与えない程度まで認めることができる。この結果、実施の形態1の加熱調理器においては、フリック操作による素早い操作を行うことが出来るとともに、誤って火力が大幅に上昇する操作を行ったとしても、使用者に不安感を与えることがなく、安心できる信頼性の高い構成となる。
【0051】
上記のようにステップS106における切り替え量決定処理においては、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量に上限値を設けて、制御部5は、加熱能力が上がる移動方向のときの切り替え量が加熱能力が下がる移動方向のときの切り替え量よりも小さくなるように制限する領域、例えば、一段階または二段階の切り替え量とする領域を設定している。
【0052】
ステップS106における切り替え量決定処理としては、火力が上がる移動方向に接触物が離れた後に切り替え量を決定する場合、上記のように上限を設ける方法の他に、他の実施の形態としては下記に述べる方法がある。
【0053】
火力が上がる移動方向における接触物が操作領域から離れる直前の移動速度(離時移動速度)における一定の切り替え量(変化量)に対する上昇比率が、火力が下がる移動方向における接触物が操作領域から離れる直前の移動速度(離時移動速度)における一定の切り替え量(変化量)に対する下降比率に比べて略一定の比率で大きいときに、火力が上がる移動方向のときに決定される切り替え量と、火力が下がる移動方向のときに決定される切り替え量が同じ量となるようにすることもできる。すなわち、今までの火力設定値を中心値としてその前後において同じ火力の切り替え量(変化量)を設定するときには、火力が下がる移動方向の接触物が操作領域から離れる直前の移動速度(離時移動速度)に比較して、火力が上がる移動方向の接触物が操作領域から離れる直前の移動速度(離時移動速度)は、略一定の倍率で速くする必要がある。言い換えれば、火力が上がる移動方向のときの離時移動速度と、火力が下がる移動方向のときの離時移動速度において、各々の移動方向における接触物が離れる直前の離時移動速度を同じ移動速度とした場合であっても、火力が上がる移動方向で決定される加熱能力の切り替え量は、火力が下がる移動方向で決定される加熱能力の切り替え量に比べて略一定の比率で小さくなる。
【0054】
上記の切り替え量決定処理方法の説明を具体的な数値を用いて説明する。例えば、火力が下がる移動方向の接触物の移動速度が「5」の場合の切り替え量(変化量)を「−5」とした場合、火力が上がる移動方向における切り替え量(変化量)を絶対値が同量である「+5」とするために必要な移動速度を、例えば、「10」と設定する。このように設定した場合、同じ切り替え量(変化量)とするためには、火力を下げる方向の移動速度に対して火力を上げる方向の移動速度を2倍に速くする必要がある。
【0055】
上記のように、実施の形態1における切り替え量決定処理方法において、制御部5は、加熱能力が上がる移動方向のときの離時移動速度の上昇比率が、加熱能力が下がる移動方向のときの離時移動速度の下降比率に比べて略一定の比率で大きい場合において、加熱能力が上がる移動方向のときに決定される切り替え量と加熱能力が下がる移動方向のときに決定される切り替え量が同じになるように制御している。
【0056】
上記の切り替え量決定処理方法を用いることにより、火力が下がる移動方向の操作感に対して、火力が上がる移動方向の操作感の方が切り替え量が変更されにくいように作用する。したがって、誤って火力が大幅に上がるような操作をしてしまったと感じた場合であっても、実際には火力の上がる切り替え量は一定の比率で小さくなっており、使用者に不安感を与えることがない構成となる。さらに、使用者が意図的に火力を大幅に上げようとする場合には、さらに接触物の移動速度を速めることにより可能となり、フリック操作による素早い操作を行うことを禁止しない構成とすることにより対応できる。
【0057】
なお、実施の形態1としては、火力が下がる移動方向と火力が上がる移動方向の切り替え量(変化量)を同じとするために、火力が下がる移動方向における接触物が離れる直前の移動速度(離時移動速度)に対して、火力が上がる移動方向における接触物が離れる直前の移動速度(離時移動速度)を略一定の倍率で大きくする設定方法は、移動速度が0の時点から設定してもよく、或いは、移動速度の絶対値が0よりも大きな所定の値から設定してもよい。例えば、切り替え量が1段階までは火力が上がる移動方向であっても火力が下がる移動方向と同じ移動速度であれば、同じ切り替え量(変化量)が決定される。そして、切り替え量(変化量)が1段階を超えるような移動速度においては、切り替え量が1段階となる移動速度から増える分の移動速度増加分に対しては、略一定の比率で異なるように設定してもよい。このように設定することにより、火力を上げる移動方向と火力を下げる移動方向のいずれの方向においても、切り替え量が1段階までは同様の操作感で操作することができる。そして、切り替え量が1段階を超えるような移動速度においては、火力を上げる操作の方が火力を下げる操作に対して切り替え量が変更されにくくすることができる。このときの操作感が切り替わる切り替え量としては、1段階に限定されるものではなく、2段階以上の切り替え量であっても同様の効果が得られる。
【0058】
上記のように、操作感を切り替え量の特定値から切り替える方法の説明を具体的な数値を用いて説明する。
【0059】
例えば、設定値の切り替え量(変化量)が−1(火力を下げる移動方向における1段階)から+1(火力を上げる移動方向に1段階)までの特定値の範囲内の変化に対応する移動速度は、火力を上げる方向と火力を下げる方向において差を設けない。
【0060】
一方、設定値の切り替え量(変化量)の絶対値が1を超える変化に対応する移動速度は、火力を上げる移動方向と火力を下げる移動方向において差を設ける。このように火力を上げる移動方向と火力を下げる移動方向において移動速度に差を設ける場合について、具体的な数値を用いて一例として以下に説明する。
【0061】
例えば、火力を下げる方向においては、移動速度「−2」の時の設定値の切り替え量が「−1」、移動速度「−4」(移動速度「−2」に対して超える分「−2」)の時の設定値の切り替え量が「−2」、移動速度「−6」(移動速度「−2」に対して超える分「−4」)の時の設定値の切り替え量が「−3」とする。このように、火力を下げる方向においては、移動速度と設定値の切り替え量(変化量)とは単純な比例関係であり、移動速度が倍となれば、切り替え量も倍となっている。
【0062】
火力を上げる方向においては、移動速度「+2」の時の設定値の切り替え量が「+1」、移動速度「+6」(移動速度「+2」に対して超える分「+4」)の時の設定値の切り替え量が「+2」、移動速度「+10」(移動速度「+2」に対して超える分「+8」)の時の設定値の切り替え量が「+3」とする。この場合、火力を上げる方向における移動速度と切り替え量(変化量)との関係は、移動速度が「+2」の時に比べて、3倍のとき切り替え量が2倍となり、5倍のとき切り替え量が3倍となっている。上記の例に示すように、加熱能力が上がる移動方向のときの一定の切り替え量に対する離時移動速度の上昇比率が、加熱能力が下がる移動方向のときの一定の切り替え量に対する離時移動速度の下降比率に比べて略一定の比率で大きいとき、加熱能力が上がる移動方向のときに決定される切り替え量と加熱能力が下がる移動方向のときに決定される切り替え量が同じになるように設定している。
【0063】
上記の具体例においては、操作感を切り替える設定値の切り替え量の特定値が−1〜+1の範囲内であり、この特定値の範囲を超えて設定するとき、火力を上げる移動方向においては、火力を下げる移動方向に比べて、移動速度を速くする必要がある。
【0064】
また、実施の形態1の加熱調理器において、使用者が火力設定を変更するための別の設定方法としては、図3における(g)および(h)において破線で示す火力アップ領域20または火力ダウン領域21を押下することによって火力設定を行う方法である。この方法では、接触物である指や他の接触物がタッチパネル4の火力アップ領域20また火力ダウン領域21に接触した時に各々火力設定値が一段階だけアップまたはダウンする。また、鍋などの被加熱物2の中の水分のふきこぼれや、焦げ付きがあった場合には、使用者は火力を一気に小さくしたいという要求が発生する。この要求に対応しては、火力ダウン領域21に何度も指や他の接触物を接触させずとも、火力ダウン領域21に指や他の接触物が接触した状態で一定時間経過した場合には、火力設定値を一気に複数段階下げることができるよう設定したり、一度に最小設定値まで下げる機能を付けてもよい。ただし、火力アップ領域20に接触物が接触したときにおいては、接触した状態が一定時間経過した場合であっても、最初に火力設定値を一段階上げて以降、接触物がタッチパネル4から一旦離れて、再び接触しない限り、次の火力設定値の段階に上がることはない。このように、火力アップ領域20に接触物が接触したときにおいては、接触時間が一定時間経過しても火力が上昇することはない。
【0065】
本発明に係る実施の形態1の加熱調理器においては、タッチパネル4の位置入力装置4aに不意に接触してしった場合であっても、使用者の意図に反して加熱能力が一気に上昇するような状況が発生するおそれがない。一方、調理状況により加熱能力を急いで一気に下げたいときには、使用者の操作に応じて複数段階の火力を一気に下げることができる構成である。このため、本発明に係る実施の形態1の加熱調理器は、使用者に不安感を与えることがなく、操作に安心感を与える機器となり、操作性および安全性が向上した、使い勝手のよい調理機器となる。
【0066】
また、タッチパネルを使用したことのない使用者であっても、加熱能力の設定にタッチパネルをなぞるようなスライド操作、タッチパネルをはじくようなフリック操作、タッチパネル上のボタンを押圧する操作から使用者の好みに合わせて操作方法を選択することができるため、より使い勝手が向上したものとなる。
【0067】
上記の実施の形態においては火力設定時の表示動作例について説明したが、温度設定時の表示動作においても同様の操作処理により対応することができ、同様の効果を奏する(図3における(f)および(h)参照)。この場合においては、例えば、火力値の1段階を設定温度の10℃として対応させて設定してもよい。
【0068】
本発明の加熱調理器は、上記従来の課題を解決するものであり、表示操作部であるタッチパネル上において接触物がはじくような操作(フリック操作)が検知された場合、接触物の移動速度によって加熱能力の切り替える量を決定するが、検知されたはじくような操作が加熱能力を上げる動作の場合には、接触物がはじくような操作が加熱能力を下げる動作の場合に比べて、加熱能力の切り替える量(変化量)を制限するよう構成されている。このように構成することにより、本発明の加熱調理器は、使用者の意図に反して、タッチパネルが加熱能力を上がる方向に大きく変化させるはじくような操作が検知された場合であっても、使用者の意図しない火力を急激に上昇させてしまうことを防止することができる。
【0069】
本発明をある程度の詳細さをもって実施の形態において説明したが、この実施の形態の開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、実施の形態における要素の組合せや順序の変化は請求された本発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の加熱調理器は、タッチパネルなどの操作部に不意に触れてしまい、意図せず加熱能力が上がってしまうことを防ぐことができるため、タッチパネルなどの操作でリアルタイムに出力を変化させる各種のタッチパネル利用機器において利用可能である。
【符号の説明】
【0071】
1 トッププレート
2 被加熱物
3 加熱部
3a 誘導加熱コイル
3b 駆動回路
4 タッチパネル(表示操作部)
4a 位置入力装置
4b 表示装置
5 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】