特表-15064746IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2015年5月7日
【発行日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】界面活性剤含有液
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/28 20060101AFI20170217BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20170217BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20170217BHJP
   C11D 3/34 20060101ALI20170217BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20170217BHJP
【FI】
   C11D1/28
   C11D3/30
   C11D17/08
   C11D3/34
   C11D3/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】特願2015-545329(P2015-545329)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2014年10月31日
(31)【優先権主張番号】特願2013-227720(P2013-227720)
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所1丁目3番7号
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】森垣 篤典
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】勝賀瀬 暢一
【住所又は居所】東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオン株式会社内
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB21
4H003BA13
4H003EB04
4H003EB14
4H003EB22
4H003ED02
4H003FA30
(57)【要約】
本発明に係る界面活性剤含有液は、(a)成分:α−スルホ脂肪酸エステル塩と、(b)成分:アルカノールアミンと、(c)成分:芳香族スルホン酸と、(d)成分:水と、を含有し、(a)成分の含有量が30〜45質量%であり、(b)/(a)で表されるモル比が0.05〜0.5、かつ、(b)/(c)で表されるモル比が0.5〜2である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)成分:α−スルホ脂肪酸エステル塩と、
(b)成分:アルカノールアミンと、
(c)成分:芳香族スルホン酸と、
(d)成分:水と、
を含有し、
前記(a)成分の含有量が30〜45質量%であり、
(b)/(a)で表されるモル比が0.05〜0.5、かつ、
(b)/(c)で表されるモル比が0.5〜2である、界面活性剤含有液。
【請求項2】
前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分と前記(d)成分との総量が、90質量%以上である、請求項1に記載の界面活性剤含有液。
【請求項3】
前記(c)成分が、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上であり、かつ、
前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分と前記(d)成分との総量が、99質量%以上である、請求項2に記載の界面活性剤含有液。
【請求項4】
さらにエタノール5〜15質量%を含有し、
前記(c)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸及びキュメンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上であり、かつ、
前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分と前記(d)成分とエタノールとの総量が、99質量%以上である、請求項1に記載の界面活性剤含有液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤含有液に関する。
本願は、2013年10月31日に、日本に出願された特願2013−227720号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF塩)は、従来、固形物(フレーク、パウダー等)の形態で流通し、主に粉洗剤の洗浄成分として用いられている。しかし、α−SF塩を液体洗浄剤に用いる場合には、主配合槽に配合する前に、予め、フレーク状のα−SF塩固形物を水などに溶解又は分散した液を調製しておく必要があった。
洗剤の洗浄成分としては、α−SF塩の他に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)等が汎用されている。これらのLASやAESは、高濃度液体(濃縮液)の形態ですでに流通している。
【0003】
α−SF塩の水性スラリーは、一般に、その濃度が高くなるのに伴い粘度が増加し、該濃度が約30質量%以上になると、α−SF塩がヘキサゴナル構造を形成し、流動性を失ったゲル状態となる。このゲル状態のものを、常圧下で加熱し、水分を蒸発させて濃縮していくと、50〜100℃の加温状態で、いったん粘度が低下し、ある濃度領域において、やや流動性の有る状態となるが、さらに濃縮を続けると、再び粘度が上昇して流動性が失われる。このような流動性の無い状態では、ローリーや船での輸送が難しく、輸送コスト等を要する。
これに対し、α−SF塩を高濃度で含有する水性スラリーの流動性を改善する方法がこれまで提案されている。
例えば、特定量のα−スルホ脂肪酸エステル塩と、分岐鎖状アルコールの割合が60質量%以上である炭素数6〜22のアルコールと、を併用する方法が開示されている(特許文献1参照)。この方法によれば、室温(約25〜30℃)で流動性改善の効果が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−94942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法を適用した、α−SF塩を高濃度で含有する界面活性剤含有液は、低い温度下でいったん固化すると、その後に室温付近まで加温しても、固化前の分散状態に戻らず、流動性の無いままである。すなわち、上記界面活性剤含有液は、低温固化からの復元性を有しない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、α−SF塩を高濃度に含み、室温での流動性、及び低温固化からの復元性を有する界面活性剤含有液を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
すなわち、本発明の界面活性剤含有液は、(a)成分:α−スルホ脂肪酸エステル塩と、(b)成分:アルカノールアミンと、(c)成分:芳香族スルホン酸と、(d)成分:水と、を含有し、前記(a)成分の含有量が30〜45質量%であり、(b)/(a)で表されるモル比が0.05〜0.5、かつ、(b)/(c)で表されるモル比が0.5〜2であることを特徴とする。
【0007】
本発明の界面活性剤含有液においては、前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分と前記(d)成分との総量が、90質量%以上であることが好ましい。
また、前記(c)成分が、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上であり、かつ、前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分と前記(d)成分との総量が、99質量%以上であることが好ましい。
また、本発明の界面活性剤含有液はさらにエタノール5〜15質量%を含有することが好ましく、前記(c)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸及びキュメンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上であり、かつ、前記(a)成分と前記(b)成分と前記(c)成分と前記(d)成分とエタノールとの総量が、99質量%以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の界面活性剤含有液は、α−SF塩を高濃度に含み、室温での流動性、及び低温固化からの復元性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(界面活性剤含有液)
本発明の界面活性剤含有液は、(a)成分:α−スルホ脂肪酸エステル塩と、(b)成分:アルカノールアミンと、(c)成分:芳香族スルホン酸と、(d)成分:水と、を含有する。
【0010】
<(a)成分:α−スルホ脂肪酸エステル塩>
α−スルホ脂肪酸エステル塩(α−SF塩、(a)成分)としては、公知の製造方法により得られるものを用いることができる。例えば、撹拌機付きの槽型反応装置などを定法により使用し、原料の脂肪酸エステルを、無水硫酸等に接触させてスルホン化することによりα−スルホ脂肪酸エステル(α−SF酸)を調製し、次いで、該α−SF酸を、水酸化ナトリウム等で中和することにより得られるもの、を用いることができる。なお、中和の前後に、過酸化水素等で漂白を行ってもよい。
(a)成分としては、下記一般式(a1)で表される化合物が好ましいものとして挙げられる。
【0011】
【化1】

[式中、Rは炭素数8〜18の炭化水素基であり、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは対イオンである。]
【0012】
前記式(a1)中、Rの炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、Rの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であることがより好ましく、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基であることがさらに好ましい。Rの炭素数は8〜18であり、10〜18であることが好ましく、10〜16であることがより好ましく、14〜16であることがさらに好ましい。Rの炭素数が8以上であると、表面活性が強まり、洗浄成分としての洗浄力が向上する。一方、Rの炭素数が18以下であると、界面活性剤含有液の外観安定性が向上し、特にゲル化又は経時保存時の析出もしくは白濁が抑制される。
【0013】
前記式(a1)中、Rの炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、Rの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であることがより好ましく、直鎖状のアルキル基、又は分岐鎖状のアルキル基であることがさらに好ましい。Rの炭素数は1〜6であり、1〜3であることが好ましい。Rの炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、及びイソプロピル基等が挙げられ、洗浄成分として洗浄力がより向上することから、メチル基、エチル基、及びn−プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0014】
前記式(a1)中、Mは、対イオンであり、RCH(COOR)SOとともに水溶性の塩を形成し得るものであればよい。該対イオンとしては、アルカリ金属イオン、プロトン化したアミン、及びアンモニウムイオン等が挙げられる。該対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。該対イオンとなり得るアミンは、第1〜3級アミンのいずれであってもよく、総炭素数が1〜6であることが好ましい。該アミンは、ヒドロキシ基を有していてもよい。低温条件下での界面活性剤含有液の水に対する溶解性が高まることから、上記アミンはヒドロキシ基を有していることが好ましい。このようなアミンとしては、アルカノールアミンが挙げられ、該アルカノール基の炭素数は1〜3であることが好ましい。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等が挙げられる。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミンが好ましい。
Mとしては、入手しやすいこと、界面活性剤含有液の流動性改善効果がより発揮されることから、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオン及びカリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
【0015】
(a)成分のなかでも、前記式(a1)で表される化合物であって、Rが炭素数12〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数12〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、Rがメチル基である化合物が特に好ましい。
(a)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(a)成分としては、洗浄成分として洗浄力が高まるとともに、水への溶解性が高まることから、脂肪酸残基(アシル基部分をいう)の炭素数が異なるものが混合された混合物を用いることが好ましい。具体的には、前記式(a1)で表され、Rが炭素数14の炭化水素基であるα−SF塩(C16)と、前記式(a1)で表され、Rが炭素数16の炭化水素基であるα−SF塩(C18)との混合物を用いることが好ましい。C16とC18との混合比率(質量比)としては、C16:C18=45:55〜95:5が好ましく、60:40〜90:10がより好ましく、80:20〜85:15がさらに好ましい。かかる質量比が前記の好適な範囲であると、洗浄力、水への溶解性、外観安定性がより良好となる。
【0016】
また、(a)成分として前記式(a1)で表され、Rが直鎖状のアルキル基であるα−SF塩(C16)と、前記式(a1)で表され、Rが直鎖状のアルキル基であるα−SF塩(C18)とを含有する混合物を使用する場合には、C16とC18の合計の含有量が、該混合物の総質量に対して95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましい。
また、(a)成分としては、脂肪酸残基が天然由来であるもの、例えばパーム油、パーム核油又はヤシ油由来のものが好ましい。具体的には、これら天然由来の油成分から誘導される脂肪酸メチルエステルを、必要に応じて脂肪酸組成が炭素数16の脂肪酸と炭素数18の脂肪酸とが主成分となるように、蒸留等の手段によって調製するとともに、不飽和結合を含む脂肪酸成分を水添して得られる飽和脂肪酸メチルエステル混合物をスルホン化したもの、が好ましい。
【0017】
本発明の界面活性剤含有液中、(a)成分の含有量は、界面活性剤含有液の総質量に対して30〜45質量%であり、好ましくは30〜40質量%であり、より好ましくは35〜40質量%である。
(a)成分の含有量が下限値以上であれば、本発明の効果が顕著に発揮される。一方、(a)成分の含有量が上限値以下であれば、界面活性剤含有液の流動性がより高まる。
【0018】
<(b)成分:アルカノールアミン>
(b)成分としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、4−アミノ−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1−アミノ−2−プロパノール、及び2−アミノ−1−プロパノール等が挙げられる。これらの中でも、室温での流動性、低温固化からの復元性、外観安定性がより良好となることから、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンからなる群より選ばれる1以上が好ましく、モノエタノールアミンが特に好ましい。
(b)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の界面活性剤含有液中、(b)成分の含有量は、界面活性剤含有液の総質量に対して0.3〜4質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3.5質量%であり、さらに好ましくは1〜3質量%である。
(b)成分の含有量が好ましい下限値以上であれば、室温での流動性、低温固化からの復元性、外観安定性がより向上する。一方、好ましい上限値以下であれば、外観安定性がより向上する。
【0019】
本発明の界面活性剤含有液中、(a)成分と(b)成分との混合比率に関しては、(b)/(a)で表されるモル比が、0.05〜0.5であり、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.15〜0.5である。
(b)/(a)で表されるモル比が好ましい下限値以上であれば、室温での流動性、低温固化からの復元性がより向上する。一方、該モル比が好ましい上限値以下であれば、外観安定性がより向上する。
本発明において「(b)/(a)で表されるモル比」とは、界面活性剤含有液に含まれている(a)成分のモル数に対する(b)成分のモル数の割合を意味する。
【0020】
<(c)成分:芳香族スルホン酸>
(c)成分としては、例えば、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、キュメンスルホン酸、置換ナフタレンスルホン酸及び非置換ナフタレンスルホン酸などが挙げられる。これらの中でも、室温での流動性、低温固化からの復元性、外観安定性がより良好なことから、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、及びキュメンスルホン酸が好ましい。
アルキルベンゼンスルホン酸において、ベンゼン環に結合する炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、このベンゼン環に結合する炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基又は直鎖状のアルケニル基がさらに好ましい。このベンゼン環に結合する炭化水素基の炭素数は、8〜18であることが好ましく、炭素数10〜18であることがより好ましく、炭素数12〜16であることがさらに好ましい。この炭素数が8以上であると、表面活性が強まり、洗浄成分として洗浄力が向上する。一方、この炭素数が18以下であると、界面活性剤含有液の外観安定性が確保されやすい。
【0021】
上記のなかでも、(c)成分は、外観安定性がさらに良好となることから、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上が好ましく、メタキシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸及びパラトルエンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上がより好ましく、メタキシレンスルホン酸が特に好ましい。
また、(c)成分は、洗剤に一般的に配合される成分であるので、洗剤組成の自由度を制限しないという観点から、アルキルベンゼンスルホン酸及びキュメンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上が好ましい。例えば(c)成分を液体洗浄剤に配合した場合には界面活性剤としても働くことから、アルキルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
(c)成分は1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明の界面活性剤含有液中、(c)成分の含有量は、界面活性剤含有液の総質量に対して0.9〜12質量%であることが好ましく、より好ましくは1.5〜10.5質量%であり、さらに好ましくは3〜9質量%である。
(c)成分の含有量が好ましい下限値以上であれば、室温での流動性、低温固化からの復元性、外観安定性がより向上する。一方、好ましい上限値以下であれば、外観安定性がより向上する。
【0022】
本発明の界面活性剤含有液中、(b)成分と(c)成分との混合比率に関しては、(b)/(c)で表されるモル比が、0.5〜2であり、好ましくは0.5〜1.5である。
(b)/(c)で表されるモル比が好ましい下限値以上であれば、室温での流動性、低温固化からの復元性、外観安定性がより向上する。一方、該モル比が好ましい上限値以下であれば、室温での流動性からの復元性が改善される。
本発明において「(b)/(c)で表されるモル比」とは、界面活性剤含有液に含まれている(c)成分のモル数に対する(b)成分のモル数の割合を意味する。
【0023】
<(d)成分:水>
本発明の界面活性剤含有液は、調製しやすさ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶媒として水を含有する。
界面活性剤含有液中、水の含有量は、界面活性剤含有液の総質量に対して70質量%未満であり、好ましくは60質量%以下である。一方、下限値は40質量%以上であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上である。
【0024】
例えば、本発明の界面活性剤含有液を用いて、洗浄成分としてα−SF塩を含有する液体洗浄剤を製造する場合、該界面活性剤含有液からの、(a)〜(d)成分以外の他成分の混入が少ないことが好ましい。他成分の混入が少ないことにより、例えば液体洗浄剤に該界面活性剤含有液を配合する際に、液体洗浄剤組成の自由度がより制限されにくくなる。
かかる観点から、本発明の界面活性剤含有液中、(a)〜(d)成分の総量は、界面活性剤含有液の総質量に対して90質量%以上であることが好ましく、より好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上であり、100質量%((a)〜(d)成分のみからなる界面活性剤含有液)であってもよい。
特に、前記(c)成分としてキシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上を用いる場合、(a)〜(d)成分の総量は、好ましくは99質量%以上であり、より好ましくは100質量%とされる。
【0025】
<任意成分>
本発明の界面活性剤含有液には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(a)〜(d)成分以外の他成分を配合してもよい。
かかる他成分としては、炭素数1〜3のアルコール、pH緩衝剤、防腐剤、及びキレート剤等が挙げられる。
【0026】
本発明の界面活性剤含有液においては、炭素数1〜3のアルコールを含有することにより、界面活性剤含有液の流動性がさらに向上する。炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、及びイソプロパノール等の1価アルコール;並びにエチレングリコール及びプロピレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも、1価アルコールが好ましく、エタノールがより好ましい。
特に、前記(c)成分としてアルキルベンゼンスルホン酸及びキュメンスルホン酸からなる群より選ばれる1以上を用いる場合、本発明の界面活性剤含有液はさらにエタノールを含有することが好ましい。このように特定の(c)成分とエタノールを併用することにより、界面活性剤含有液の流動性がさらに高まり、加えて、低温固化からの復元性もより良好になる。かかる場合、界面活性剤含有液中、エタノールの含有量は、界面活性剤含有液の総質量に対して5〜15質量%が好ましい。加えて、(a)〜(d)成分とエタノールとの総量は、好ましくは99質量%以上、より好ましくは100質量%とされる。この界面活性剤含有液は、(a)〜(d)成分及びエタノール以外の他成分の混入が少ないため、洗浄成分としてα−SF塩を含有する液体洗浄剤を製造した場合、界面活性剤含有液を配合することによる液体洗浄剤の経時安定性又は性能等への影響を小さくできる。
【0027】
本発明の界面活性剤含有液においては、30℃におけるpHが5〜9であることが好ましく、より好ましくはpH6〜8である。
界面活性剤含有液のpHが前記の好ましい範囲内であれば、界面活性剤含有液中における(a)成分の加水分解が抑制され、液安定化がより図れる。
本発明において、界面活性剤含有液のpHは、pHメーター等により測定することができる。測定時の試料の温度は30℃に調整される。
【0028】
本発明の界面活性剤含有液においては、30℃における粘度が10Pa・s以下であることが好ましく、より好ましくは5Pa・s以下であり、さらに好ましくは1Pa・s以下である。
30℃における粘度が前記の好ましい上限値以下であれば、例えば、界面活性剤含有液を収容した容器を傾けた際に、流動性を示す界面活性剤含有液が得られやすい。
本発明において、界面活性剤含有液の粘度は、B型粘度計等により測定することができる。測定時の試料の温度は30℃に調整される。
【0029】
本発明の界面活性剤含有液は、上記の(a)成分と(b)成分と(c)成分と(d)成分とを混合することにより製造できる。例えば、(a)成分と(b)成分と(c)成分と必要に応じて任意成分とを、溶媒である(d)成分に溶解しつつ所定のpHに調整することにより製造できる。(a)成分には、例えば中和もしくは漂白後の、ペースト状物又は固形物のいずれも用いることができる。
なかでも、特に、(b)成分と(c)成分と(d)成分との混合溶液を得る工程、及び、該混合溶液と(a)成分とを混合する工程を備えた製造方法が好ましい。かかる製造方法によれば、(a)成分を良好に分散でき、界面活性剤含有液の流動性、及び低温固化からの復元性がより良好となる。
【0030】
上述した本発明の界面活性剤含有液においては、(d)成分を溶媒として用い、(a)成分:α−スルホ脂肪酸エステル塩と、(b)成分:アルカノールアミンと、(c)成分:芳香族スルホン酸と、を特定の混合比率で組み合わせて用いているので、界面活性剤としてα−SF塩を30質量%以上という高濃度で含有していても、室温(約25〜30℃)での流動性、及び低温固化からの復元性が良好である。
また、本発明の界面活性剤含有液によれば、経時で透明な外観が維持され、外観安定性にも優れる。
かかるα−SF塩の高濃度液体(濃縮液)であれば、ローリー及び船等による輸送が容易であり、輸送コストの低減が図れる。加えて、液体洗浄剤を製造する際、該濃縮液を、予め溶媒に溶解又は分散する必要がなく、配合が容易である。
【実施例】
【0031】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、「%」は、特に断りがない限り「質量%」を示す。
【0032】
(1)使用原料
表1に示す原料を使用した。
なお、(a)成分であるα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)の配合には、α−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩のフレーク状固形物(以下「α−SF塩固形物」という)を用いた。α−SF塩固形物は、ペースト状のα−SF塩の濃縮物を以下のようにして製造し、これを冷却、解砕することにより調製した。
【0033】
ペースト状のα−SF−1の製造:
パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、85:15の質量比となるように混合することによって脂肪酸メチルエステル混合物を得た。この脂肪酸メチルエステル混合物330kgを撹拌機付きの容量1kLの反応装置に注入した後、脂肪酸メチルエステル混合物を撹拌しながら、窒素ガスで4容量%に希釈したSOガス(スルホン化ガス)115.6kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)を用いてバブリングした。反応温度は80℃であった。スルホン化ガスは脂肪酸メチルエステル混合物に3時間かけて等速で吹き込んだ。その後、無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して1.5質量部投入し、80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
その後、低級アルコールとしてメタノール13.5kgを供給し、温度条件80℃、熟成時間30分間でエステル化を行った。
ついで、反応装置から抜き出したエステル化物に、ラインミキサーを用いて、当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより連続的に中和した。
ついで、この中和物を漂白剤混合ラインに注入し、35容量%過酸化水素水を供給して混合し、80℃に保ちながら漂白を行い、ペースト状のα−SF−1を得た。
なお、35容量%過酸化水素水の供給量は、純分換算で、アニオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)に対して1質量%であった。また、得られたα−SF−1に含まれるα−SF−Naの分子量は、仕込み原料の炭素鎖長比率(質量比率)より算出し、377とした。
【0034】
ペースト状のα−SF−2の製造:
パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、6:4の質量比となるように混合することによって脂肪酸メチルエステル混合物を得た。この脂肪酸メチルエステル混合物330kgを撹拌機付きの容量1kLの反応装置に注入した後、脂肪酸メチルエステル混合物を撹拌しながら、着色抑制剤として無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して5質量部投入した。その後、撹拌を継続しながら、窒素ガスで4容量%に希釈したSOガス(スルホン化ガス)112.8kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)を用いてバブリングした。反応温度は80℃であった。スルホン化ガスは脂肪酸メチルエステル混合物に3時間かけて等速で吹き込んだ。その後、引き続き、80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
その後、前記ペースト状のα−SF−1の製造と同様にして、ペースト状のα−SF−2を得た。
なお、得られたα−SF−2に含まれるα−SF−Naの分子量は、仕込み原料の炭素鎖長比率(質量比率)より算出し、384とした。
【0035】
ペースト状のα−SF塩の濃縮:
それぞれ得られたペースト状のα−SF塩(α−SF−1、α−SF−2)を、回転数1060rpm、羽根先端速度約11m/sで回転している真空薄膜蒸発機に35kg/hrで導入し、内壁加熱温度(伝熱面の温度)135℃、真空度(処理部内の圧力)0.007〜0.014MPaの条件で濃縮を行った。得られた濃縮物の温度は115℃であり、水分含有量は2.5質量%であった。なお、使用した真空薄膜蒸発機は、神鋼パンテック株式会社製であった(商品名「エクセバ」、伝熱面:0.5m、筒状の処理部の内径:205mm、伝熱面と掻き取り手段である羽根先端とのクリアランス:3mm)。
【0036】
α−SF塩固形物の製造:
得られた各濃縮物を、投入プーリー間クリアランスを2mmに調整した日本ベルティング株式会社製のダブルベルト式ベルトクーラー(NR3−Lo.クーラー)に連続的に222kg/hで供給し、冷却した。この際のベルト移動速度を6m/sとし、上ベルト側の冷却水の流量を1500L/h(ベルト裏面上に向流方式で流下して冷却)、下ベルト側の冷却水の流量を1800L/h(ベルト裏面に噴霧して冷却)とし、冷却水供給温度を20℃とした。ついで、冷却ベルトから排出されたα−SF塩含有物シートを、排出プーリー付近に設置された付属の解砕機にて200rpmの回転数で解砕することにより、25℃のフレーク状のα−SF塩固形物(α−SF−1、α−SF−2)をそれぞれ得た。
【0037】
α−SF塩固形物中のアニオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)を以下のようにして測定した。
【0038】
試料約0.3gを、容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、イオン交換水(蒸留水)を標線まで加え、超音波で試料をイオン交換水に溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、この試料水溶液中から5mLをホールピペットで滴定瓶に取りだした。この滴定瓶にメチレンブルー指示薬25mLとクロロホルム15mLとを加え、さらに0.004mol/L塩化ベンゼトニウム溶液5mLを加えた後、0.002mol/Lアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液で滴定した。滴定においては、その都度、滴定瓶に栓をして激しく振とうした後、静置し、白色板を背景として分離した両層が同一色調になった点を終点とした。
同様に、空試験(試料を使用しない以外は上記と同じ試験)を行い、前記アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液の滴定量の差から、α−SF塩固形物中のアニオン界面活性剤濃度を下式より算出した。なお、ここでいうアニオン界面活性剤濃度とは、洗浄有効成分であるα−SF塩と、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩(ジ塩)との合計の濃度である。
アニオン界面活性剤濃度(質量%)=(空試験での滴定量(mL)−滴定量(mL))×0.002(mol/L)×α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩の分子量/(試料採取量(g)×5(mL)/200(mL))/10
上記測定の結果、α−SF塩固形物(α−SF−1)中のアニオン界面活性剤濃度は89.2質量%、α−SF塩固形物(α−SF−2)中のアニオン界面活性剤濃度は88.2質量%であった。
【0039】
α−SF塩固形物中のα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)濃度を以下のようにして測定した。
di−Na塩の標準品0.02g、0.05g、0.1gをそれぞれ容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、水約50mLとエタノール約50mLとを加えて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを標準液とした。この標準液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過した。その後、下記測定条件の高速液体クロマトグラフィーによる分析を行い、そのピーク面積から検量線を作成した。
[高速液体クロマトグラフィー分析の測定条件]
・装置:LC−6A(島津製作所製)
・カラム:Nucleosil 5SB(ジーエルサイエンス社製)
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折率検出器RID−6A(島津製作所製)
・移動相:0.7%過塩素酸ナトリウムのHO/CHOH=1/4(体積比)溶液
・流量:1.0mL/min.
・注入量:100μL
【0040】
次に、α−SF塩固形物1.5gを、容量200mLメスフラスコに正確に量り取り、水約50mLとエタノール約50mLとを加えて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを試験溶液とした。試験溶液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過した。その後、上記と同じ測定条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、上記検量線を用いて試料溶液中のdi−Na塩濃度を求めた。
かかる測定の結果、α−SF塩固形物(α−SF−1)中のdi−Na塩濃度は3.8質量%、α−SF塩固形物(α−SF−2)中のdi−Na塩濃度は2.6質量%であった。
以上より、α−SF塩固形物(α−SF−1)中のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)は85.4質量%、α−SF塩固形物(α−SF−2)中のα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(α−SF−Na)は85.6質量%と算出され、本実施例において、(a)成分の含有量についてはこれらの値を使用した。
【0041】
【表1】

C16:一般式(a1)で表され、Rが炭素数14のアルキル基であるα−SF塩
C18:一般式(a1)で表され、Rが炭素数16のアルキル基であるα−SF塩
【0042】
(2)界面活性剤含有液の製造方法
表2〜5に示す各組成に従い、界面活性剤含有液を以下のように調製した。
表中、配合成分の空欄は、その配合成分が配合されていないことを示す。表中、配合成分の含有量は、質量%であって純分換算量を示す。
表中、水の含有量を示す「バランス」は、界面活性剤含有液に含まれる全配合成分の合計の含有量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
表中、「(b)/(a)(モル比)」は、(b)/(a)で表されるモル比、と同義であり、界面活性剤含有液に含まれている(a)成分のモル数に対する(b)成分のモル数の割合を意味する。「(b)/(c)(モル比)」は、(b)/(c)で表されるモル比、と同義であり、界面活性剤含有液に含まれている(c)成分のモル数に対する(b)成分のモル数の割合を意味する。
【0043】
まず、75質量%モノエタノールアミン水溶液を、バランスとして使用する量の8割の量の水で希釈した後、芳香族スルホン酸で中和してpHを9以下に調整した。続いて、これにα−SF塩固形物(α−SF−1、α−SF−2)を配合し、約50℃で撹拌して均一な液とした。その後、pHを7.0となるように、75質量%モノエタノールアミン水溶液又は芳香族スルホン酸を添加し、最後に水を添加して組成全体を100質量%にすることにより、各例の界面活性剤含有液をそれぞれ調製した。
実施例6及び実施例16においては、75質量%モノエタノールアミン水溶液の代わりに、100質量%トリエタノールアミン液を用いた。
比較例6及び比較例15においては、芳香族スルホン酸の代わりに、脂肪族スルホン酸を用いた。
実施例10、実施例20、比較例8及び比較例17においては、エタノールを、バランスとして使用する量の8割の量の水とともに加えた。
界面活性剤含有液を調製する際、pHの測定は、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)を用いて行われた。試料の温度は30℃に調整された。
【0044】
(3)界面活性剤含有液についての評価
各例の界面活性剤含有液について、以下に示す評価方法により、外観安定性及び流動性並びに低温固化からの復元性の評価をそれぞれ行った。これらの評価結果を表2〜5に示した。
【0045】
[界面活性剤含有液の外観安定性評価]
各例の界面活性剤含有液50mLをサンプル瓶に採り、これを、50℃で24時間加温した。その後、該サンプル瓶を50℃の恒温槽及び30℃の恒温槽にそれぞれ入れ、1ヶ月間静置した。1ヶ月経過後、それぞれの恒温槽内で保存した各サンプル瓶を目視にて観察し、下記の評価基準により外観を評価した。
A:透明な外観であった。
B:サンプル瓶内の一部に析出又は白濁が生じていたが、実用上問題ないレベルであった。
C:析出が生じていた。
【0046】
[界面活性剤含有液の流動性評価]
前述の外観安定性評価の後、各サンプル瓶を90度に傾斜させた際の界面活性剤含有液の挙動を観察し、下記の評価基準により流動性を評価した。
A:明らかに流動性有り(粘度5Pa・s未満)。
B:やや流動性有り(粘度5Pa・s以上10Pa・s以下)。
C:流動性なし。
【0047】
[界面活性剤含有液の、低温固化からの復元性評価]
各例の界面活性剤含有液50mLをサンプル瓶に採り、これを、−20℃に24時間冷却した。その後、30℃の恒温槽に入れ、3時間静置した。かかる静置の後、各サンプル瓶を90度に傾斜させた際の界面活性剤含有液の挙動を観察し、下記の評価基準により、低温固化からの復元性を評価した。
A:明らかに流動性有り(粘度5Pa・s未満)。
B:やや流動性有り(粘度5Pa・s以上10Pa・s以下)。
C:流動性なし。
【0048】
[界面活性剤含有液の粘度測定]
前述の流動性評価、及び低温固化からの復元性評価の後、各サンプル瓶内の界面活性剤含有液の粘度を測定した。その測定結果を、流動性評価及び低温固化からの復元性評価の結果と合わせて表2〜5に示した。
界面活性剤含有液の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定した。試料の温度は30℃に調整した。測定条件を以下に示す。
・回転数30rpm、30秒後の粘度を測定。
・粘度が0.1〜5Pa・sの範囲のとき、ロータNo.3を使用。
・粘度が0.1Pa・s以下のとき、ロータNo.1又は2を使用。
・粘度が5Pa・s以上のとき、ロータNo.4を使用。
明らかに流動性の有る界面活性剤含有液においては、粘度が5Pa・s未満であった。また、やや流動性の有る界面活性剤含有液においては、粘度が5Pa・s以上10Pa・s以下であった。なお、流動性なし(×)の試料については、粘度を測定していない(粘度を測定していないことを表中に「−」と示した)。
【0049】
【表2】

【表2A】
【0050】
【表3】

【表3A】
【0051】
【表4】

【表4A】
【0052】
【表5】
【0053】
表2〜5に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜20の界面活性剤含有液は、α−SF塩を高濃度に含み、室温での流動性、及び低温固化からの復元性を有していたことが確認できた。
加えて、実施例1〜20の界面活性剤含有液は、外観安定性も良好であったことが確認できた。
【国際調査報告】