特表-16139712IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人

▶ 中国電力株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000004
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000005
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000006
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000007
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000008
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000009
  • 再表WO2016139712-熱交換装置、燃料ガス生成装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年9月9日
【発行日】2017年4月27日
(54)【発明の名称】熱交換装置、燃料ガス生成装置
(51)【国際特許分類】
   F28G 13/00 20060101AFI20170407BHJP
   C10J 3/02 20060101ALI20170407BHJP
【FI】
   F28G13/00 B
   C10J3/02 B
   C10J3/02 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2016-543754(P2016-543754)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年3月2日
(11)【特許番号】特許第6093918号(P6093918)
(45)【特許公報発行日】2017年3月8日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
【住所又は居所】広島県東広島市鏡山1丁目3番2号
(71)【出願人】
【識別番号】596133119
【氏名又は名称】中電プラント株式会社
【住所又は居所】広島県広島市南区出汐2丁目3番18号
(71)【出願人】
【識別番号】592148878
【氏名又は名称】株式会社東洋高圧
【住所又は居所】広島県広島市西区楠木町2丁目1番22号
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】和田 泰孝
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号 中国電力株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】松村 幸彦
【住所又は居所】広島県東広島市鏡山1丁目3番2号 国立大学法人広島大学内
(72)【発明者】
【氏名】川井 良文
【住所又は居所】広島県広島市南区出汐2丁目3番18号 中電プラント株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】野口 琢史
【住所又は居所】広島県広島市西区楠木町2丁目1番22号 株式会社東洋高圧内
(57)【要約】
外部の第1流体との間で熱交換が行われるようにスラリー体が内部を移動する第1配管と、前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管と結合されている第2配管と、前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように前記第2配管を加熱する加熱装置と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の第1流体との間で熱交換が行われるようにスラリー体が内部を移動する第1配管と、
前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管と結合されている第2配管と、
前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように前記第2配管を加熱する加熱装置と、
を備えたことを特徴とする熱交換装置。
【請求項2】
前記加熱装置は、前記第2配管の温度が前記第2配管の内部における前記スラリー体の温度よりも高くなるように加熱する
ことを特徴とする請求項1に記載の熱交換装置。
【請求項3】
前記加熱装置は、前記第2配管との間の隙間を前記スラリー体の温度よりも高い温度の第2流体が移動するように、前記第2配管が挿通される第3配管、を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記加熱装置は、前記スラリー体の温度よりも高い温度の第2流体が移動する第3配管を、前記第2配管に挿通する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換装置。
【請求項5】
前記第1配管との間の隙間を前記第1流体が移動するように、前記第1配管が挿通される第3配管、を更に備え、
前記加熱装置は、前記第2配管との間の隙間を前記スラリー体の温度よりも高い温度の前記第1流体が移動するように、前記第3配管と結合される第4配管、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記第1配管との間の隙間を前記第1流体が移動するように、前記第1配管に挿通する第3配管、を更に備え、
前記加熱装置は、前記スラリー体の温度よりも高い温度の前記第1流体が移動する第4配管を、前記第3配管と結合する
ことを特徴とする請求項2に記載の熱交換装置。
【請求項7】
外部の第1流体との間で、ガス化原料としてのスラリー体を加熱するための熱交換が行われるように前記スラリー体が内部を移動する第1配管と、前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管と結合されている第2配管と、前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように前記第2配管を加熱する加熱装置と、を有する熱交換装置と、
前記第1及び第2配管を介して供給される前記スラリー体から燃料ガスを生成する生成装置と、
を備えたことを特徴とする燃料ガス生成装置。
【請求項8】
前記加熱装置は、前記第2配管の温度が前記第2配管の内部における前記スラリー体の温度よりも高くなるように加熱する
ことを特徴とする請求項7に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項9】
前記加熱装置は、前記第2配管との間の隙間を前記スラリー体の温度よりも高い温度の第2流体が移動するように、前記第2配管が挿通される第3配管、を有する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項10】
前記加熱装置は、前記スラリー体の温度よりも高い温度の第2流体が移動する第3配管を、前記第2配管に挿通する
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項11】
前記第1配管との間の隙間を前記第1流体が移動するように、前記第1配管が挿通される第3配管、を更に備え、
前記加熱装置は、前記第2配管との間の隙間を前記スラリー体の温度よりも高い温度の前記第1流体が移動するように、前記第3配管と結合される第4配管、を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項12】
前記第1配管との間の隙間を前記第1流体が移動するように、前記第1配管に挿通する第3配管、を更に備え、
前記加熱装置は、前記スラリー体の温度よりも高い温度の前記第1流体が移動する第4配管を、前記第3配管と結合する
ことを特徴とする請求項8に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項13】
前記第2配管は、前記第1配管における下流側において前記第1配管から曲げられた状態で結合されている
ことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の熱交換装置。
【請求項14】
前記第2配管は、前記第1配管における下流側において前記第1配管から曲げられた状態で結合されている
ことを特徴とする請求項7〜12の何れかに記載の燃料ガス生成装置。
【請求項15】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項13に記載の熱交換装置。
【請求項16】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項14に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項17】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部及び下流側に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項15に記載の熱交換装置。
【請求項18】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部及び下流側に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項16に記載の燃料ガス生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換装置、燃料ガス生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、外部の流体との間で熱交換が行われるようにスラリー体が内部を移動する配管を有する熱交換装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-269945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1の熱交換装置では、配管の内壁に付着するスラリー体の量が増大した場合、配管が閉塞して、スラリー体と外部の流体との間での熱交換が行われ難くなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、外部の第1流体との間で熱交換が行われるようにスラリー体が内部を移動する第1配管と、前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管と結合されている第2配管と、前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように前記第2配管を加熱する加熱装置と、を備えたことを特徴とする熱交換装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱交換装置出口配管における閉塞トラブルを防止するとともに、熱交換装置による熱通過率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1及び第2実施形態における超臨界ガス化装置を示すブロック図である。
図2】本発明の第1実施形態における熱交換器を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態における熱交換器を示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態における二重管を示す断面斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態における生成物が付着した状態の配管を示す側面図である。
図6】本発明の第1実施形態における生成物が剥離した状態の配管を示す側面図である。
図7】本発明の第2実施形態における熱交換器を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
[第1実施形態]
===超臨界ガス化装置===
以下、図1を参照して、本実施形態における超臨界ガス化装置について説明する。図1は、本実施形態における超臨界ガス化装置を示すブロック図である。
【0010】
超臨界ガス化装置100(燃料ガス生成装置)は、ガス化原料等から燃料ガスを生成する装置である。超臨界ガス化装置100は、原料調整部10、原料供給部20、熱交換部30、ガス化処理部40、及び、燃料生成部50を有している。
【0011】
原料調整部10は、ガス化原料等から原料スラリー(「スラリー体」又は「原料」とも称する)を調整する部分であり、調整タンク11と破砕機12とを有している。
【0012】
調整タンク11は、ガス化原料、活性炭、水などを混合して懸濁液を作製する容器であり、図示しない攪拌翼が設けられている。ガス化原料としては、例えば、焼酎残渣、採卵鶏糞、汚泥を用いることができる。活性炭は、非金属系触媒として機能するものであり、平均粒径200μm以下の多孔質の粒子を用いることができる。
【0013】
破砕機12は、調整タンク11で混合された懸濁液に含まれる固形分(主にガス化原料)を破砕し、均一な大きさにするための装置である。本実施形態では、固形分の平均粒径が500μm以下になるように破砕を行っている。破砕機12による破砕により、懸濁液は原料スラリーになる。
【0014】
原料供給部20は、原料スラリーを高圧で送出する部分であり、供給ポンプ21と高圧ポンプ22とを有している。供給ポンプ21は、破砕機12から送出された原料スラリーを、高圧ポンプ22に向けて供給するための装置である。高圧ポンプ22は、原料スラリーを高圧で送出するための装置である。この高圧ポンプ22により、原料スラリーは0.1〜4MPa程度まで加圧される。
【0015】
熱交換部30は、原料供給部20から供給された原料スラリーと、ガス化処理部40で分解処理された後の処理後流体との間で熱交換を行わせることで、原料スラリーを加熱するとともに処理後流体を冷却する部分である。この熱交換部30は、熱交換器6(熱交換装置)と、クーラー32とを有している。
【0016】
熱交換器6は、原料スラリーと処理後流体との間で熱交換を行わせる装置であり、二重管式のものが用いられている。そして、内側流路を原料スラリーが流れる低温側流路として用い、外側流路を処理後流体が流れる高温側流路として用いている。本実施形態において、処理後流体の導入温度は600℃程度とされ、排出温度が120℃程度とされている。一方、原料スラリーの導入温度は常温とされ、排出温度が約450℃とされている。なお、熱交換器6については後で説明する。クーラー33は、熱交換器6から排出された処理後流体を冷却する装置である。
【0017】
ガス化処理部40は、熱交換器6で加熱された原料スラリーを超臨界状態まで加熱し、原料スラリーに含まれる有機物を分解する部分であり、予熱器41とガス化反応器42を有している。予熱器41は、熱交換器6から排出された原料スラリーを予熱する装置であり、本実施形態では約450℃で導入された原料スラリーを約600℃まで加熱している。ガス化反応器42は、原料スラリーを超臨界状態に維持して原料スラリーに含まれる有機物を分解する装置である。本実施形態では温度を600℃、圧力を25MPaに定め、1〜2分間に亘って原料スラリーの分解処理を行っている。
【0018】
燃料生成部50は、処理後流体から燃料ガスを生成する。この燃料生成部50は、減圧器51、気液分離器51、触媒回収器、ガスタンク54を有している。
【0019】
減圧器51は、クーラー32で冷却された処理後流体を減圧する。気液分離器52は、減圧器51で減圧された処理後流体を、気体(燃料ガス)と液体(排水、活性炭、灰分)とに分離する。そして、分離後の液体は触媒回収器53を介して排出される。一方、分離後の気体は、ガスタンク54内に貯蔵される。
===熱交換器===
以下、図2乃至図4を参照して、本実施形態における熱交換器について説明する。図2は、本実施形態における熱交換器を示す斜視図である。図3は、本実施形態における熱交換器を示す平面図である。図4は、本実施形態における二重管を示す断面斜視図である。尚、図4は、二重管61の長手方向に対して略直交する断面から見た状態の二重管61を示している。内管612の一部は、説明の便宜上、破線で示されている。
【0020】
熱交換器6は、スラリー体と処理後流体との間で熱交換を行わせる装置である。尚、処理後流体は、ガス化処理部40で処理されたスラリー体である。
【0021】
熱交換器6は、二重管61、配管62乃至65、加熱装置7を有している。
【0022】
二重管61は、外管611、内管612を有している。内管612は、内部をスラリー体が移動する例えば金属製の配管である。内管612は、外管611との間に処理後流体を移動させるための隙間が形成されるように、外管611内に挿通されている。尚、内管612の内側が、内側流路に対応し、内管612と外管611との間の隙間が外側流路に対応している。外管611は、内管612が内部に挿通される例えば金属製の配管である。
【0023】
二重管61は、比較的狭い空間において二重管61の長さを比較的長くすることができるように、垂直方向(Z軸)に沿っている巻回軸(不図示)を中心に、螺旋状に巻回されている。つまり、外管611及び内管612は、共に螺旋状に巻回されている。
【0024】
配管62、63は、結合部P1よりも上側(+Z)に設けられている結合部P2を介して二重管61の一端に結合されている。配管62は、内側流路と連通するように結合されている。配管63は、外側流路と連通するように結合されている。
【0025】
配管64、65は、結合部P2よりも下側(−Z)に設けられている結合部P1を介して二重管61の他端に結合されている。配管65は、内側流路と連通するように結合されている。配管64は、外側流路と連通するように結合されている。
【0026】
配管65には、原料供給部20からスラリー体が供給される。このスラリー体は、二重管61の内側流路、配管62を介してガス化処理部40に供給される。又、配管63には、ガス化処理部40から処理後流体が供給される。この処理後流体は、二重管61の外側流路、配管64を介してクーラー32に供給される。つまり、二重管61においては、スラリー体の流向と処理後流体の流向とが互いに対向することになる。
【0027】
加熱装置7は、配管62の内壁に付着する生成物T1の量が所定量よりも少なくなるように、配管62を加熱する装置である。
===生成物、加熱装置===
以下、図5及び図6を参照して、本実施形態における生成物について説明する。図5は、本実施形態における生成物が付着した状態の配管を示す側面図である。図6は、本実施形態における生成物が剥離した状態の配管を示す側面図である。
=生成物=
例えば,配管62は予熱器41と接続するため機器の配置によっては曲げ部62Aを持つことがある。例えば、配管62の曲げ部62A及び曲げ部62Aよりも下流側における曲げ部62Aの近傍の内壁には、生成物T1(スラリー体)が付着することがある。これは、例えば、曲げ部62Aにおいてスラリー体の移動速度や移動方向が変化することに基づくものである。例えば、スラリー体の移動方向が急変する位置においてスラリー体が配管の内壁に接触するが,その位置は移動速度が低減する位置でもあるため、生成物T1が付着し積層しやすくなる。尚、生成物T1は、スラリー体を加熱した際に生成される例えばタール及びチャーである。
【0028】
配管62の内壁に付着する生成物T1の量が増大した場合、例えば、スラリー体の移動が付着したスラリー体によって妨げられることがある。この場合、熱交換器6においてもスラリー体の移動が妨げられるため、スラリー体の移動速度が低下して熱交換器6の内壁へスラリー体が付着し、熱交換器6におけるスラリー体と処理後流体との間の熱通過率が低減することがある。配管62の内壁に付着する生成物T1の量が、更に増大した場合、例えば、配管62が閉塞することがある。この場合、他の熱交換器を有する他の超臨界ガス化装置が、燃料ガスを生成するのが困難となる虞がある。
【0029】
従って、熱交換器6においては、配管62の内壁に付着する生成物T1の量を、所定量よりも少なくする必要がある。尚、所定量は、例えば、配管62を閉塞しない程度の量であることとしてもよいし、配管62から排出されたスラリー体の温度が約450℃とできる程度の熱通過率を熱交換器6において維持できるか否かの、実験又はシミュレーションに基づいて定められる量であることとしてもよい。
=加熱装置=
加熱装置7は、配管62における曲げ部及び下流側を加熱するヒーターである。加熱装置7は、配管62の温度が配管62の内部を移動するスラリー体の温度よりも高くなるように、配管62に熱を付与する。これは、温度が上昇するにつれて生成物T1の粘度が低下するという、生成物T1の粘度と温度との関係に基づいて、配管62の内壁に付着した生成物T1を剥離したり、配管62の内壁に生成物T1が付着し難くしたりするための構成である。
【0030】
例えば、生成物T1が配管62の内壁に付着し積層し配管62内の流路が狭まった場合は閉塞部で流体の平均速度が増大するため、式(1)に表す通り、配管62の内壁の付着物に作用する剪断応力が増大し、内壁に付着した生成物T1を内壁から剥離させる現象が期待できる。
【0031】
【数1】
(但し、τw:配管内壁の付着物に作用する剪断応力、f:摩擦係数、ρ:流体の密度、u:流体の平均速度)
加熱装置7から配管62に対して熱を付与した場合は、配管62の温度が上昇し、生成物T1における配管62に付着している部分の粘度が低下するため、配管62の内壁に付着していた生成物T1が、前記剪断応力の増大によって、配管62の内壁との接触部から剥離する。更に、この後、配管62の温度が配管62内のスラリー体の温度よりも高くなっているために、配管62の内壁に生成物T1が付着し難くなる。これに比べて、加熱装置が設置されていない場合は,外気によって冷却されるため配管62の温度が低下し,それにつれて生成物T1における配管62に付着している部分の粘度が増大する。よって配管62の内壁に付着した生成物T1は,配管62の内壁から剥離しづらいため,前記剪断応力の増大によっても配管62の閉塞を回避できない。
【0032】
従って、加熱装置7によって配管62を加熱することにより、配管62の内壁に付着する生成物T1の量を、所定量よりも少なくすることが可能となる。尚、加熱装置7によって上昇する配管62の温度及び加熱装置7から配管62に付与される熱量は、配管62の内壁に付着する生成物T1の量が所定量よりも少なるか否かを確認する、例えば確認実験又はシミュレーション等に基づいて定められることとしてもよい。
【0033】
尚、本実施形態では、配管62の曲げ部及び下流側へ加熱装置を設置することについて説明しているが、これに限定されるものではない。スラリー体の付着が多い曲げ部のみを加熱しても良い。また,伝熱によって曲げ部の加熱が期待できる下流側のみを加熱しても良い。
===熱交換器の動作===
以下、図1図3及び図6を参照して、本実施形態における熱交換器の動作について説明する。
【0034】
原料調整部10は、ガス化原料等からスラリー体を調整(生成)する。原料供給部20は、原料調整部10で調整されたスラリー体を加圧して、熱交換器6における配管65に供給する。原料供給部20から配管65に供給されたスラリー体は、内側流路、配管62を介してガス化処理部40に供給される。この際、加熱装置7が配管62を加熱しているために、例えば生成物T1が配管62の内壁から剥離して下流側に流れるので、配管62の流れが阻害されることが無い。したがって,配管62の上流に位置する熱交換器6の流れも阻害されることが無く,熱交換器6の伝熱面に付着する生成物T1の量が所定量よりも少なくなる。従って、熱交換器6におけるスラリー体と処理後流体との間の熱通過率を向上させることができる。
【0035】
ガス化処理部40は、熱交換器6で加熱されてガス化処理部40に供給されたスラリー体を加熱して、処理後流体を生成する。ガス化処理部40で生成された処理後流体は、熱交換器6における配管63に供給する。ガス化処理部40から配管63に供給された処理後流体は、外側流路、配管64、クーラー32を介して燃料生成部50に供給される。この後、燃料生成部50は、供給された処理後流体から燃料ガスを生成する。
【0036】
前述したように、熱交換器6は、二重管61、配管62、加熱装置7を有する。二重管61の内管612は、外部の処理後流体との間で熱交換が行われるようにスラリー体が内部を移動する。配管62は、内管612から供給されるスラリー体が内部を移動するように内管612の下流側において内管612から曲げられた状態で結合されている。加熱装置7は、配管62の内壁に付着するスラリー体の量が所定量よりも少なくなるように配管62を加熱する。従って、熱交換器6の熱通過率を向上させることができる。又、生成物T1によって配管62が閉塞するのを防止して、熱交換器6からガス化処理部40に対して確実にスラリー体を供給することができる。つまり、超臨界ガス化装置100において確実に燃料ガスを生成することができる。
【0037】
又、加熱装置7は、配管62の温度が配管62の内部におけるスラリー体の温度よりも高くなるように加熱する。従って、配管62の内壁に付着する生成物T1を確実に剥離させることができる。
【0038】
又、加熱装置7は、配管62における下流側に熱を付与するヒーターである。従って、生成物T1の濃度が高くなりやすい位置において、配管62の温度を比較的高温として内壁に付着する生成物T1を確実に剥離させることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態の超臨界ガス化装置100B(図1)は、第1実施形態の超臨界ガス化装置100における熱交換器6を熱交換器700に変更したものである。超臨界ガス化装置100Bにおける熱交換器700以外の構成は、超臨界ガス化装置100の構成と同様である。
===超臨界ガス化装置、熱交換器===
以下、図1及び図7を参照して、本実施形態における超臨界ガス化装置及び熱交換器について説明する。図7は、本実施形態における熱交換器を示す平面図である。尚、図3が示す構成と同様な構成には同様な符号を付し、その説明については省略する。
【0039】
超臨界ガス化装置100Bは、熱交換器700を有している。
【0040】
熱交換器6は、二重管71、配管72、73を有している。
【0041】
二重管71における結合部P4側(+X)の一端は、曲げ部71Aにおいて曲げられた形状を呈している。尚、二重管71における一端の構成以外の構成は、二重管61の構成と同様である。
【0042】
配管72、73は、結合部P4を介して二重管71の一端に結合されている。配管72は、二重管71の内側流路と連通するように結合されている。配管73は、二重管71の外側流路と連通するように結合されている。
【0043】
二重管71の一端における内管は、配管73に供給される処理後流体により加熱される。つまり、配管73に供給される処理後流体及び二重管71の一端における外管が、加熱装置としての機能を発揮する。
【0044】
ここで、配管73に供給される処理後流体の温度は、スラリー体の温度よりも高くなっている。このために、二重管71の内管の温度が二重管71の内管を移動するスラリー体の温度より高くなるように、二重管71の内管が加熱される。従って、二重管71の内管における内壁に付着していた生成物が、内管から剥離する。よって、熱交換器700の熱通過率を向上させることができる。又、超臨界ガス化装置100Bにおいて確実に燃料ガスを生成することができる。
【0045】
尚、上記第1及び第2実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0046】
第1実施形態では、配管62が曲げられた形状を呈していることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、配管62が真っ直ぐな形状を呈していることとしてもよい。つまり、配管62が直管であることとしてもよい。この場合、配管62に曲げ部が設けられないこととなり、配管62の内部のスラリー体の移動方向及び移動速度が配管62の断面における各位置において略同様となる。このために、配管62の内壁に付着する生成物T1の量が所定量よりも少なくなる。
【0047】
又、第1実施形態では、二重管61の外側流路に処理後流体が供給されることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、二重管61の外側流路に処理後流体以外の他の流体が供給されることとしてもよい。尚、他の流体の温度は、内管612に供給されるスラリー体の温度よりも高くなるように設定されることとする。
【0048】
又、第1実施形態では、内管612が外管611に挿通されていることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、内管612が貯留槽内に設けられていることとしてもよい。尚、貯留槽内には、内管612に供給されるスラリー体の温度よりも高い温度の流体が貯留されていることとする。この場合、内管612内のスラリー体においては、貯留槽に貯留されている流体との間で熱交換が行われる。
【0049】
又、第1実施形態では、配管65に原料供給部20からスラリー体が供給され、配管63にガス化処理部40から処理後流体が供給されることについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、配管62に原料供給部20からスラリー体が供給され、配管64にガス化処理部40から処理後流体が供給されることとしてもよい。又、例えば、配管65に原料供給部20からスラリー体が供給され、配管64にガス化処理部40から処理後流体が供給されることとしてもよいし、例えば、配管62に原料供給部20からスラリー体が供給され、配管63にガス化処理部40から処理後流体が供給されることとしてもよい。この場合、二重管61においては、スラリー体の流向と処理後流体の流向とが同じ方向になる。
【0050】
又、第1実施形態では、配管62、65が内側流路と連通し、配管63、64が外側流路と連通することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、配管62、65が外側流路と連通し、配管63、64が内側流路と連通することとしてもよい。この場合、内側流路を処理後流体が移動し、外側流路をスラリー体が移動することになる。
【0051】
又、第2実施形態の二重管71における曲げ部71Aを含む一部(「第1部分」とも称する)の外側流路と、二重管71における第1部分以外の一部(「第2部分」とも称する)の外側流路とを連通させずに、外側流路夫々に対して異なる流体が供給されることとしてもよい。尚、第1及び第2部分の内管は連通していることとする。又、外側流路夫々に対して供給される異なる流体の温度は、第1及び第2部分の外管の温度が第1及び第2部分の内管を移動するスラリー体の温度よりも高くなるように設定されていることとする。
【0052】
尚、第1実施形態及び第2実施形態はともに、配管62が直管であっても、内壁の付着物によって流れが乱され、曲げ部が存在するがごとく配管62の内壁へのスラリー体の付着が増加し積層して,配管62が閉塞することがある。このため、予熱器41と接続される直前である配管66や配管74まで、加熱装置7で加温することが望ましい。
【符号の説明】
【0053】
6、700 熱交換器
30 熱交換部
61、71 二重管
62、63、64、65、72、73 配管
100、100B 超臨界ガス化装置
611 外管
612 内管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7

【手続補正書】
【提出日】2016年10月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物を調整したスラリー体を超臨界状態まで加熱する燃料ガス生成装置に用いられる熱交換装置であって、
外部の第1流体との間で熱交換が行われるように前記スラリー体が内部を移動する第1配管と、
前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管から曲げられた状態で結合されている外部が前記スラリー体より低温である第2配管と、
前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように、前記第2配管の温度が前記第2配管の内部における前記スラリー体の温度よりも高くなるように、前記第2配管を加熱する加熱装置と、
を備えたことを特徴とする熱交換装置。
【請求項2】
有機物を調整したスラリー体と外部の第1流体との間で、ガス化原料としての前記スラリー体を加熱するための熱交換が行われるように前記スラリー体が内部を移動する第1配管と、前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管から曲げられた状態で結合されている外部が前記スラリー体より低温である第2配管と、前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように、前記第2配管の温度が前記第2配管の内部における前記スラリー体の温度よりも高くなるように、前記第2配管を加熱する加熱装置と、を有する熱交換装置と、
前記熱交換装置で加熱された前記スラリー体を超臨界状態まで加熱し、前記スラリー体に含まれる有機物を分解するガス化処理部と、
前記第1及び第2配管を介して供給される前記スラリー体から燃料ガスを生成する生成装置と、
を備えたことを特徴とする燃料ガス生成装置。
【請求項3】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項に記載の熱交換装置。
【請求項4】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項に記載の燃料ガス生成装置。
【請求項5】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部及び下流側に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項に記載の熱交換装置。
【請求項6】
前記加熱装置は、前記第2配管における曲げ部及び下流側に熱を付与するヒーター、を有する
ことを特徴とする請求項に記載の燃料ガス生成装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、有機物を調整したスラリー体を超臨界状態まで加熱する燃料ガス生成装置に用いられる熱交換装置であって、外部の第1流体との間で熱交換が行われるように前記スラリー体が内部を移動する第1配管と、前記第1配管から供給される前記スラリー体が内部を移動するように、前記第1配管における下流側において前記第1配管から曲げられた状態で結合されている外部が前記スラリー体より低温である第2配管と、前記第2配管の内壁に付着する前記スラリー体の量が所定量よりも少なくなるように、前記第2配管の温度が前記第2配管の内部における前記スラリー体の温度よりも高くなるように、前記第2配管を加熱する加熱装置と、を備えたことを特徴とする熱交換装置である。
【国際調査報告】