特表-16063399IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2016-63399超臨界流体によるガス化装置、及びガス化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年4月28日
【発行日】2017年4月27日
(54)【発明の名称】超臨界流体によるガス化装置、及びガス化方法
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/72 20060101AFI20170407BHJP
【FI】
   C10J3/72 J
   C10J3/72 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2015-539990(P2015-539990)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2014年10月23日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
【住所又は居所】広島県東広島市鏡山1丁目3番2号
(71)【出願人】
【識別番号】596133119
【氏名又は名称】中電プラント株式会社
【住所又は居所】広島県広島市南区出汐2丁目3番18号
(71)【出願人】
【識別番号】592148878
【氏名又は名称】株式会社東洋高圧
【住所又は居所】広島県広島市西区楠木町2丁目1番22号
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 幸彦
【住所又は居所】広島県東広島市鏡山一丁目3番2号 国立大学法人広島大学内
(72)【発明者】
【氏名】和田 泰孝
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号 中国電力株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】久保田 晴仁
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号 中国電力株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭史
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号 中国電力株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】尾山 圭二
【住所又は居所】広島県広島市中区小町4番33号 中国電力株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】川井 良文
【住所又は居所】広島県広島市南区出汐二丁目3番18号 中電プラント株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】野口 琢史
【住所又は居所】広島県広島市西区楠木町2丁目1−22 株式会社東洋高圧内
(57)【要約】
本発明の課題は、ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とし、このガス化原料を分解処理して燃料ガスを得るに際し、高温域でのタールの生成を抑制することにある。
本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部41と、ラジカル捕捉剤が添加された原料スラリーにおけるガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部40とを有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、
前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部とを有することを特徴とするガス化装置。
【請求項2】
前記捕捉剤添加部は、前記ラジカル捕捉剤としてカルボン酸を用いることを特徴とする請求項1に記載のガス化装置。
【請求項3】
前記ガス化処理部から送出された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する熱交換器を、前記ガス化処理部よりも上流側に設け、
前記捕捉剤添加部は、前記熱交換器から送出された加熱後の前記ガス化原料に前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス化装置。
【請求項4】
前記熱交換器は、スパイラル式熱交換器であることを特徴とする請求項3に記載のガス化装置。
【請求項5】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、
前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加し、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧することを特徴とするガス化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス化原料から原料スラリーを作製し、作製した原料スラリーに含まれる水を加熱及び加圧して超臨界状態とし、このガス化原料を分解処理して燃料ガスを得るガス化装置、及びガス化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超臨界状態でガス化原料を分解処理して燃料ガスを得るガス化装置が知られている。例えば、特許文献1には、非金属系触媒を含んだバイオマスのスラリー体を温度374℃以上、圧力22.1MPa以上の条件下で水熱処理し、生成された燃料ガスを利用して発電装置で発電し、発電装置からの排熱を利用してスラリー体を加熱するバイオマスガス化発電システムが記載されている。
【0003】
ガス化原料に含まれている有機物は、ガス化に際しチャーやタールの発生源となる。これらのチャーやタールが発生してしまうと、配管に目詰まりが生じる等の問題が生じる。生成された燃料ガスを内燃機関で燃焼させた際に、この内燃機関に対して悪影響を及ぼす恐れもある。このため、チャーやタールはできるだけ生成されないことが望ましい。
【0004】
ここで、石炭やプラスチックをガス化原料とするガス化装置では、例えば、特許文献2に記載されているように、水素供与性溶剤からの水素ラジカルを用い、重縮合によるチャーの生成を抑制することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−246343号公報
【特許文献2】特開平9−3457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、植物、焼酎残渣、及び採卵鶏糞等をガス化原料とする場合、リグニン、タンパク質、及び脂肪といった高分子化合物を含むことから、高分子化合物が重合する400℃から650℃程度の高温域において、高分子化合物を起源とするタールが生成される。このため、高温域でのタールの生成を抑制することが求められる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高分子化合物を含むガス化原料を用いた場合において、高温域でのタールの生成を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部とを有することを特徴とする。
【0009】
前述のガス化装置において、前記捕捉剤添加部は、前記ラジカル捕捉剤としてカルボン酸を用いることが好ましい。
【0010】
前述のガス化装置において、前記ガス化処理部から送出された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する熱交換器を、前記ガス化処理部よりも上流側に設け、前記捕捉剤添加部は、前記熱交換器から送出された加熱後の前記ガス化原料に前記ラジカル捕捉剤を添加することが好ましい。
【0011】
前述のガス化装置において、前記熱交換器は、スパイラル式熱交換器であることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加し、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高分子化合物を含むガス化原料を用いて燃料ガスを生成しても、高温域でのタールの生成を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】確認試験の結果を説明する図である。
図2】超臨界ガス化装置の構成を説明する図である。
図3】(a)は、スパイラル式熱交換器の横断面図である。(b)は、スパイラル式熱交換器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
超臨界ガス化装置の説明に先立って、ラジカル捕捉剤の効果を確認するための確認試験について説明する。この確認試験では、グアヤコールにギ酸を添加したサンプルと、ギ酸を添加しないサンプルを用い、チャーの生成量を比較した。ここで、グアヤコールは、ラジカル反応によってタールを生成する化合物であり、リグニンのモデルとして選定した。ギ酸は、ラジカルの捕捉効果を有するラジカル捕捉剤の一種であり、カルボン酸の一種である。
【0016】
この確認試験では、グアヤコールを、濃度が0.25重量%、0.5重量%、1重量%となるように、かつ、ギ酸を、濃度が0.5重量%となるように溶媒に溶解することで、ラジカル捕捉剤を添加した3種類のサンプルを作製した。同様に、グアヤコールを、濃度が0.25重量%、0.5重量%、1重量%となるように溶媒に溶解することで、比較例となる3種類のサンプルを作製した。そして、これら6種類のサンプルについて、チャーの生成量を比較した。
【0017】
図1は、確認試験の結果である。図1において、横軸はグアヤコールの濃度である。また、縦軸はチャーの生成量である。そして、ラジカル捕捉剤を添加したサンプルについては、チャーの生成量を黒塗りの菱形で示した。また、比較例のサンプルについては、チャーの生成量を白塗りの正方形で示した。
【0018】
グアヤコール濃度0.25重量%において、比較例のサンプルではチャーの生成量が約0.08[−]であったのに対し、ラジカル捕捉剤を添加したサンプルではチャーの生成量が約0.00[−]であった。グアヤコール濃度0.5重量%において、比較例のサンプルではチャーの生成量が約0.02[−]であったのに対し、ラジカル捕捉剤を添加したサンプルではチャーの生成量が約0.00[−]であった。グアヤコール濃度1重量%において、比較例のサンプルではチャーの生成量が約0.1[−]であったのに対し、ラジカル捕捉剤を添加したサンプルではチャーの生成量が約0.00[−]であった。
【0019】
このように、今回の確認試験では、グアヤコール溶液にラジカル捕捉剤としてのギ酸を添加することにより、チャーの生成を抑制できることが確認された。これは、グアヤコールからのチャーの生成が、ラジカル反応によって行われるためと考えられる。すなわち、グアヤコールのラジカルがギ酸によって捕捉され、ラジカル反応が抑制された結果、チャーの生成量が大きく減少されたと考えられる。
【0020】
以上の確認試験の結果を踏まえ、改良が施された超臨界ガス化装置について説明する。図2に示すように、本実施形態における超臨界ガス化装置は、原料調整部10、原料供給部20、熱交換部30、ガス化処理部40、及び燃料ガス回収部50を有している。
【0021】
この超臨界ガス化装置では、原料調整部10で調整された原料スラリーを、原料供給部20により、熱交換部30が有する熱交換器31に送出する。そして、熱交換器31で加熱された原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加し、ガス化処理部40に導入する。ガス化処理部40では、導入された原料スラリーをさらに加熱し、原料スラリーにおけるガス化原料を含んだ水を超臨界状態にする。これにより、ガス化原料が分解処理される。超臨界状態の水を含んだ処理後流体は、熱交換器31に導入され、原料スラリーとの間で熱交換される。この熱交換によって処理後流体に含まれる水が亜臨界状態になり、処理後流体は気液二相流へと変化する。そして、気相部分には、分解処理で生成された水素、一酸化炭素、メタン等の燃料ガスが含まれる。燃料ガス回収部50では、熱交換部30から送出された処理後流体を気液分離し、気体部分を燃料ガスとしてガスタンク52に貯留する。ガスタンク52に貯留された燃料ガスは、ガス化処理部40での燃料として使用されたり、他の装置の燃料として使用されたりする。
【0022】
以下、超臨界ガス化装置の各部について説明する。
【0023】
原料調整部10は、ガス化原料等から原料スラリーを調整する部分であり、調整タンク11と破砕機12とを有している。
【0024】
調整タンク11は、ガス化原料、活性炭、水などを混合して懸濁液を作製する容器であり、図示しない攪拌翼が設けられている。ガス化原料としては、例えば、植物、焼酎残渣、及び採卵鶏糞といったように、リグニン、タンパク質、及び脂肪といった高分子化合物を含む資材を用いることができる。活性炭は、非金属系触媒として機能するものであり、平均粒径200μm以下の多孔質の粒子を用いることができる。
【0025】
破砕機12は、調整タンク11で混合された懸濁液に含まれる固形分(主にガス化原料)を破砕し、均一な大きさにするための装置である。本実施形態では、固形分の平均粒径が500μm以下になるように破砕を行っている。破砕機12による破砕により、懸濁液は原料スラリーになる。
【0026】
原料供給部20は、原料スラリーを高圧で送出する部分であり、供給ポンプ21と高圧ポンプ22とを有している。供給ポンプ21は、破砕機12から送出された原料スラリーを、高圧ポンプ22に向けて供給するための装置である。高圧ポンプ22は、原料スラリーを高圧で送出するための装置である。この高圧ポンプ22により、原料スラリーは25MPa程度まで加圧される。
【0027】
熱交換部30は、原料供給部20から供給された原料スラリーと、ガス化処理部40で分解処理された後の処理後流体との間で熱交換を行わせることで、原料スラリーを加熱するとともに処理後流体を冷却する部分である。この熱交換部30は、熱交換器31と、減圧機構32と、クーラー33とを有している。
【0028】
熱交換器31は、原料スラリーと処理後流体との間で熱交換を行わせる装置であり、スパイラル式の熱交換器31が用いられている。図3(a),(b)に示すように、この熱交換器31は円柱状の外観を呈しており、内部には高温側流路31a及び低温側流路31bが設けられている。これらの高温側流路31a及び低温側流路31bは渦巻き状に巻かれており、中心から半径方向に向かって交互に配置されている。
【0029】
スパイラル式の熱交換器31では、高温側流路31aと低温側流路31bが、交互に配置され渦巻き状に巻かれていることから、低温側流路31bを流れる原料スラリーを短時間で昇温させることができる。これにより、グルコースなどの糖類の重合によって生じるタール(便宜上、低温タールという)を効果的に抑制できる。これは、糖類の重合が200〜350℃程度の温度域で活発に行われることによる。すなわち、熱交換器31としてスパイラル式のものを用いることにより、原料スラリーが450℃程度まで短時間で加熱されるため、糖類の重合が活発になる期間が短時間で済む。これにより、低温タールの発生を効果的に抑制できる。
【0030】
図2に示すように、減圧機構32は、熱交換器31から排出された処理後流体を減圧する装置であり、クーラー33は、減圧機構32から排出された処理後流体を冷却する装置である。これらの減圧機構32とクーラー33により、クーラー33から排出される処理後流体(排水、活性炭、及び灰分の混合物)は、常圧常温程度まで減圧及び冷却される。
【0031】
ガス化処理部40は、熱交換器31で加熱された原料スラリーを加熱及び加圧することで、ガス化原料を含む水を超臨界状態とし、原料スラリーに含まれるガス化原料(有機物)を分解する部分であり、捕捉剤添加部41と、予熱器42と、ガス化反応器43を有している。
【0032】
捕捉剤添加部41は、熱交換器31で加熱された原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加する部分であり、捕捉剤タンク41aと、捕捉剤ポンプ41bとを有している。捕捉剤タンク41aは、ラジカル捕捉剤を貯留する容器である。本実施形態では、ラジカル捕捉剤として溶液状のギ酸が貯留されている。捕捉剤ポンプ41bは、捕捉剤タンク41aに貯留されたラジカル捕捉剤を高圧にして原料スラリーへ添加するものである。本実施形態では、原料スラリーが25MPaまで加圧されている。このため、捕捉剤ポンプ41bは、ラジカル捕捉剤の圧力を25MPaよりも高くして原料スラリーへ添加している。
【0033】
予熱器42は、ラジカル捕捉剤が添加された原料スラリーを予熱する装置である。本実施形態では約450℃で導入された原料スラリーを約600℃まで加熱している。ガス化反応器43は、ガス化原料を含む水を超臨界状態に維持し、原料スラリーに含まれるガス化原料(有機物)を分解させる装置である。本実施形態では温度を600℃、圧力を25MPaに定め、1〜2分間に亘ってガス化原料の分解処理を行っている。ここで、本実施形態では、原料スラリーにラジカル捕捉剤が添加されているので、確認試験で説明したように、ガス化原料の分解処理時において、ラジカル反応が生じ難くなり、チャーの発生を抑えることができる。また、ラジカル反応が生じ難くなることから、タール(便宜上、高温タールという)の発生を効果的に抑制できる。
【0034】
燃料ガス回収部50は、処理後流体から燃料ガスを回収する部分であり、気液分離器51、及び、ガスタンク52を有している。気液分離器51は、熱交換部30のクーラー33から排出された処理後流体を燃料ガス(気体)と排水、活性炭、灰分(スラリー)に分離する部分である。そして、分離後の燃料ガスについては、ガスタンク52に送られる。ガスタンク52は、気液分離器51で分離された燃料ガスを貯留する容器である。そして、ガスタンク52に貯留された燃料ガスは、ガス化処理部40が有する予熱器42やガス化反応器43の燃料として供給される。また、ガスタンク52に貯留された燃料ガスは、他の装置の燃料にも使用される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の超臨界ガス化装置によれば、ラジカル捕捉剤を原料スラリーに添加しているので、原料スラリー(ガス化原料)の分解処理時におけるチャーの発生や高温タールの発生を抑制できる。また、熱交換器31としてスパイラル式のものを用いているので、低温タールの発生も抑制できる。
【0036】
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
【0037】
ラジカル捕捉剤に関し、前述の実施形態ではギ酸を例示したが、ギ酸に限定されるものではない。例えば、ラジカル捕捉剤として、酢酸(廃棄用の酢酸)を用いてもよいし、アミノ酸や木酢液を用いてもよい。要するに、ラジカル捕捉剤としては、カルボン酸系の化合物(カルボキシル基を有する化合物)が好適に用いられる。なお、カルボン酸系の化合物以外であっても、400〜650℃程度の高温下において、高分子化合物のラジカル反応を抑制できる物質であれば、ラジカル捕捉剤として使用できる。
【0038】
捕捉剤添加部41に関し、前述の実施形態では、熱交換器31と予熱器42の間にて、ラジカル捕捉剤を添加するように構成したものを例示した。しかしながら、この構成に限定されるものではない。例えば、捕捉剤添加部41を、予熱器42とガス化反応器43の間にラジカル捕捉剤を添加する構成にしてもよい。また、捕捉剤添加部41を、予熱器42やガス化反応器43に対してラジカル捕捉剤を直接添加する構成にしてもよい。
【0039】
熱交換器31に関し、前述の実施形態では、スパイラル式熱交換器31を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、二重管式のものを用いてもよいし、他の形式の熱交換器を用いてもよい。
【0040】
そして、二重管式の熱交換器を用いた場合、この熱交換器における原料スラリーが通る低温側流路の途中に、捕捉剤添加部41によってラジカル捕捉剤を添加する構成にしてもよい。
【0041】
また、熱交換器31及び予熱器42をなくし、ガス化原料とラジカル捕捉剤をガス化反応器43へ直接導入してもよい。この場合、ガス化反応器43から排出される処理後流体に関しては、ガス化反応器43の加熱に利用することが好ましい。
【符号の説明】
【0042】
10…原料調整部,11…調整タンク,12…破砕機,20…原料供給部,21…供給ポンプ,22…高圧ポンプ,30…熱交換部,31…熱交換器(スパイラル式熱交換器),31a…高温側流路,31b…低温側流路,32…減圧機構,33…クーラー,40…ガス化処理部,41…捕捉剤添加部,41a…捕捉剤タンク,41b…捕捉剤ポンプ,42…予熱器,43…ガス化反応器,50…燃料ガス回収部,51…気液分離器,52…ガスタンク
図1
図2
図3

【手続補正書】
【提出日】2015年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、
前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部と、を有し、
前記ガス化処理部から送出された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する熱交換器を、前記ガス化処理部よりも上流側に設け、
前記捕捉剤添加部は、前記熱交換器において加熱された前記ガス化原料に前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とするガス化装置。
【請求項2】
前記捕捉剤添加部は、前記ラジカル捕捉剤としてカルボン酸を用いることを特徴とする請求項1に記載のガス化装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、スパイラル式熱交換器であることを特徴とする請求項1または2に記載のガス化装置。
【請求項4】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、
前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加し、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧し、
前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換して前記ガス化原料を加熱し、
前記加熱された前記ガス化原料に前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とするガス化方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部と、を有し、前記ガス化処理部から送出された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する熱交換器を、前記ガス化処理部よりも上流側に設け、前記捕捉剤添加部は、前記熱交換器において加熱された前記ガス化原料に前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、前記原料スラリーにラジカル捕捉剤を添加し、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧し、前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換して前記ガス化原料を加熱し、前記加熱された前記ガス化原料に前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とする。

【手続補正書】
【提出日】2016年2月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、
前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する熱交換器と、
前記熱交換器において加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部と、を有し、
記熱交換器を、前記ガス化処理部よりも上流側に設けたことを特徴とするガス化装置。
【請求項2】
前記捕捉剤添加部は、前記ラジカル捕捉剤としてカルボン酸を用いることを特徴とする請求項1に記載のガス化装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、スパイラル式熱交換器であることを特徴とする請求項1または2に記載のガス化装置。
【請求項4】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、
前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換して前記ガス化原料を加熱し、
前記加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加し、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧することを特徴とするガス化方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する熱交換器と、前記熱交換器において加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部と、を有し、前記熱交換器を、前記ガス化処理部よりも上流側に設けたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換して前記ガス化原料を加熱し、前記加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加し、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧することを特徴とする。

【手続補正書】
【提出日】2017年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、
前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する二重管式の熱交換器と、
前記熱交換器において加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部と、を有し、
前記熱交換器、前記ガス化処理部よりも上流側に設けられ、当該熱交換器における前記原料スラリーが通る低温側流路の途中に、前記捕捉剤添加部によって前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とするガス化装置。
【請求項2】
前記捕捉剤添加部は、前記ラジカル捕捉剤としてカルボン酸を用いることを特徴とする請求項1に記載のガス化装置。
【請求項3】
高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、
前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを二重管式の熱交換器において熱交換して前記ガス化原料を加熱し、
前記熱交換器における前記原料スラリーが通る低温側流路の途中において前記加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加し、
前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧することを特徴とするガス化方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前述の目的を達成するため、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化装置であって、前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを熱交換し、前記ガス化原料を加熱する二重管式の熱交換器と、前記熱交換器において加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加する捕捉剤添加部と、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧するガス化処理部と、を有し、前記熱交換器、前記ガス化処理部よりも上流側に設けられ、当該熱交換器における前記原料スラリーが通る低温側流路の途中に、前記捕捉剤添加部によって前記ラジカル捕捉剤を添加することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、本発明は、高分子化合物を含むガス化原料から原料スラリーを作製し、前記ガス化原料を含む水を加熱及び加圧して超臨界状態とすることで前記ガス化原料を分解処理し、燃料ガスを得るガス化方法であって、前記分解処理された処理後流体と前記ガス化原料とを二重管式の熱交換器において熱交換して前記ガス化原料を加熱し、前記熱交換器における前記原料スラリーが通る低温側流路の途中において前記加熱された前記ガス化原料にラジカル捕捉剤を添加し、前記ラジカル捕捉剤が添加された前記原料スラリーにおける前記ガス化原料を含む水を、超臨界状態まで加熱及び加圧することを特徴とする。
【国際調査報告】