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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-114331(P2015-114331A)
(43)【公開日】2015年6月22日
(54)【発明の名称】角度及び軸方向位置センサ設備
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/249 20060101AFI20150526BHJP
   G01B 21/22 20060101ALI20150526BHJP
   G01B 21/00 20060101ALI20150526BHJP
   G04G 21/00 20100101ALI20150526BHJP
【FI】
   G01D5/249 T
   G01B21/22
   G01B21/00 C
   G04G1/00 305G
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-251646(P2014-251646)
(22)【出願日】2014年12月12日
(31)【優先権主張番号】13197208.5
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド・フーヴァー
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン・フェリ
【テーマコード(参考)】
2F002
2F069
2F077
【Fターム(参考)】
2F002AA01
2F002BA06
2F069AA02
2F069AA71
2F069DD27
2F069GG06
2F069GG07
2F069GG63
2F069HH11
2F077AA43
2F077NN03
2F077NN04
2F077NN06
2F077NN14
2F077NN17
2F077NN24
2F077NN27
2F077PP01
2F077PP05
2F077PP19
2F077QQ15
2F077RR03
2F077RR15
2F077RR22
2F077RR23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】空間及び計算用電力を最低限しか必要としない、一体型の角度及び軸方向位置センサ設備を提供する。
【解決手段】角度及び軸方向位置センサ設備10は隣接して配設された複数のセンサS1、S2、S3、S4を備え、角度的及び軸方向に変位可能な符号化部材20の軸方向に位置合わせする。符号化部材は、その全周に沿って値Aを有するN−1個の軸方向検知符号化リング21、21’、21”を備え、またその全周に沿って値Aとは異なる値Bを有する軸方向に隣接したN番目の軸方向検知符号化リング22を備える。符号化部材は、N番目の軸方向検知符号化リングに軸方向に隣接した複数の角度検知符号化リング23、23’、23”を備えている。角度検知符号化リングはその周に沿って、値A、Bで構成された符号化パターンを備え、いくつかのセンサが角度検知符号化リングとオーバラップすることで角度位置を決定する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
−軸方向に隣接するL個(Lは2以上の整数)のセンサ(S1、S2);並びに
−前記センサに対して角度的に及び軸方向に変位可能な符号化部材(20)
を含む、角度及び軸方向位置センサ設備(10)であって:
前記符号化部材(20)は、軸方向に隣接するN個(Nは2以上の整数)の軸方向検知符号化リング(21、22)を有し、N−1個の隣接する前記軸方向検知符号化リングはその全周に沿って値Aを有し、最後のN番目の前記符号化リングは、その全周に沿って値Aとは異なる値Bを有し、前記値A、Bは、前記L個のセンサのうちの1つ又は複数によって判別でき、これによって前記符号化部材の軸方向位置を、第1の前記センサ(S1)が第1の前記軸方向検知符号化リングとオーバラップする第1の軸方向位置、及び前記第1のセンサ(S1)がN番目の前記軸方向検知符号化リングとオーバラップするN番目の位置として決定できること;
前記符号化部材(20)は、M個(Mは1以上の整数)の角度検知符号化リング(23)を備え、第1の前記角度検知符号化リングは、前記N個の軸方向検知符号化リング(21、22)のうちの前記N番目の軸方向検知符号化リングに軸方向に隣接すること;並びに
前記M個の符号化リング(23)は、その全周に沿って、A値及びB値からなる符号化パターンを備え、これにより前記センサが角度位置を決定できること
を特徴とする、角度及び軸方向位置センサ設備(10)。
【請求項2】
前記符号化部材(20)は、前記L個のセンサに対して、複数の不連続な目盛り分だけ軸方向変位可能であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項3】
前記符号化部材(20)の軸方向変位目盛りのサイズは、前記いずれの軸方向検知符号化リング(21、22)及びいずれの角度検知符号化リング(23)の軸方向幅に対応することを特徴とする、請求項2に記載のセンサ設備(10)。
【請求項4】
いずれの2つの前記センサ間の距離は、前記軸方向検知符号化リング(21、22)のうちの1つ又は前記角度検知符号化リング(23)の前記軸方向幅に対応することを特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項5】
第2のセンサ(S2)に軸方向に隣接した第1のセンサ(S1)と、第2の軸方向検知符号化リング(22)に隣接した第1の軸方向検知符号化リング(21)及び前記第2の軸方向検知符号化リング(22)に隣接した角度検知符号化リング(23)を有する前記符号化部材(20)とを有すること、並びに
前記第1の軸方向検知符号化リング(21)はその全周に沿って値Aを有し、前記第2の軸方向検知符号化リング(22)はその全周に沿って、前記値Aとは異なる値Bを有すること
を特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項6】
前記符号化部材(20)は、初期設定位置から少なくとも1つの引き出し位置まで、軸方向に変位可能であることを特徴とする、請求項5に記載のセンサ設備(10)。
【請求項7】
前記初期設定位置では、前記第1のセンサ(S1)は前記第1の軸方向検知符号化リング(21)と径方向にオーバラップし、前記第2のセンサ(S2)は前記第2の軸方向検知符号化リング(22)と径方向にオーバラップすること、及び
前記引き出し位置では、前記第1のセンサ(S1)は前記第2の軸方向検知符号化リング(22)と径方向にオーバラップし、前記第2のセンサ(S2)は前記角度検知符号化リング(23)と径方向にオーバラップすること
を特徴とする、請求項6に記載のセンサ設備(10)。
【請求項8】
軸方向に隣接した少なくとも第1のセンサ(S1)及び第2のセンサ(S2)と、軸方向に隣接した第1の軸方向検知符号化リング(21)、第2の軸方向検知符号化リング(21’)、第3の軸方向検知符号化リング(22)及び軸方向に隣接した1つ又は複数の角度検知符号化リング(23、23’)を有する前記符号化部材(20)とを有し、第1の前記角度検知符号化リング(23)は前記第3の軸方向検知符号化リング(22)と隣接していること、並びに
前記第1の軸方向検知符号化リング(21)及び前記第2の軸方向検知符号化リング(21’)はその全周に沿って値Aを有し、前記第3の軸方向検知符号化リング(22)はその全周に沿って、前記値Aとは異なる値Bを有すること
を特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項9】
前記角度検知符号化リング(23)の個数Mは、L−1以下(Lは前記センサ(S1、S2)の個数)であることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項10】
前記角度検知符号化リング(23、23’)からの符号化パターンは、バイナリコード又はグレイコードを形成することを特徴とする、請求項8に記載のセンサ設備(10)。
【請求項11】
前記コードは前記符号化部材(20)の周上で2回以上反復することを特徴とする、請求項10に記載のセンサ設備(10)。
【請求項12】
軸方向に隣接した少なくとも第1のセンサ(S1)、第2のセンサ(S2)、第3のセンサ(S3)と、軸方向に隣接した第1の軸方向検知符号化リング(21)、第2の軸方向検知符号化リング(21’)、第3の軸方向検知符号化リング(21”)、第4の軸方向検知符号化リング(22)及び軸方向に隣接した少なくとも2つの角度検知符号化リング(23、23’)を有する前記符号化部材(20)とを有し、第1の前記角度検知符号化リング(23)は前記第4の軸方向検知符号化リング(22)と隣接すること、並びに
前記第1の軸方向検知符号化リング(21)、前記第2の軸方向検知符号化リング(21’)、前記第3の軸方向検知符号化リング(21”)はその全周に沿って値Aを有し、前記第4の軸方向検知符号化リング(22)はその全周に沿って、前記値Aとは異なる値Bを有すること
を特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項13】
前記角度検知符号化リング(23、23’)からの符号化パターンは、バイナリコード又はグレイコードを形成することを特徴とする、請求項12に記載のセンサ設備(10)。
【請求項14】
前記コードは前記符号化部材(20)の周上で2回以上反復することを特徴とする、請求項13に記載のセンサ設備(10)。
【請求項15】
軸方向に隣接した少なくともL=N−1個のセンサ(S1、S2)と、軸方向に隣接したN個の軸方向検知符号化リング(21、21’、22)及び軸方向に隣接した少なくともM=N−2個の角度検知符号化リング(23、23’)を有する前記符号化部材(20)とを有し、第1の前記角度検知符号化リング(23)はN番目の前記軸方向検知符号化リング(22)と隣接すること、並びに
初めのN−1前記個の軸方向検知符号化リング(21、21’)はその全周に沿って値Aを有し、前記N番目の軸方向検知符号化リング(22)はその全周に沿って、前記値Aとは異なる値Bを有すること
を特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項16】
前記角度検知符号化リング(23、23’)からの符号化パターンは、バイナリコード又はグレイコードを形成することを特徴とする、請求項15に記載のセンサ設備(10)。
【請求項17】
前記コードは前記符号化部材(20)の周上で2回以上反復することを特徴とする、請求項16に記載のセンサ設備(10)。
【請求項18】
前記符号化部材(20)は、押し込み位置から初期設定位置、第1の引き出し位置、第2の引き出し位置へと段階的に軸方向変位可能であることを特徴とする、請求項12に記載のセンサ設備(10)。
【請求項19】
前記押し込み位置では、第1のセンサ(S1)、第2のセンサ(S2)、第3のセンサ(S3)は、第1の前記軸方向検知符号化リング(21)、第2の前記軸方向検知符号化リング(21’)、第3の前記軸方向検知符号化リング(21”)と径方向にオーバラップし、第4のセンサ(S4)は第4の前記軸方向検知符号化リング(22)と径方向にオーバラップすること、
前記初期設定位置では、前記第1のセンサ(S1)、前記第2のセンサ(S2)は、前記第2の軸方向検知符号化リング(21’)、前記第3の軸方向検知符号化リング(21”)と径方向にオーバラップし、前記第3のセンサ(S3)は前記第4の軸方向検知符号化リング(22)と径方向にオーバラップし、前記第4のセンサ(S4)は第1の前記角度検知符号化リング(23)と径方向にオーバラップすること、
前記第1の引き出し位置では、前記第1のセンサ(S1)は前記第3の軸方向検知符号化リング(21”)と径方向にオーバラップし、前記第2のセンサ(S2)は前記第4の軸方向検知符号化リング(22)と径方向にオーバラップし、前記第3のセンサ(S3)、前記第4のセンサ(S4)は、前記第1の角度検知符号化リング(23)、第2の前記角度検知符号化リング(23’)と径方向にオーバラップすること、及び
前記第2の引き出し位置では、前記第1のセンサ(S1)は前記第4の軸方向検知符号化リング(22)と径方向にオーバラップし、前記第2のセンサ(S2)、前記第3のセンサ(S3)、前記第4のセンサ(S4)は、前記第1の角度検知符号化リング(23)、前記第2の角度検知符号化リング(23’)、第3の前記角度検知符号化リング(23”)と径方向にオーバラップすること
を特徴とする、請求項18に記載のセンサ設備(10)。
【請求項20】
前記符号化部材(20)の軸方向位置及び角度位置を決定するために前記L個のセンサに連結された測定ユニット(50)を更に備えている、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項21】
前記L個のセンサは、対応する前記符号化リング(21、22、23)と、電気的、磁気的、容量的又は光学的に相互作用することを特徴とする、請求項1に記載のセンサ設備(10)。
【請求項22】
電子機器であって、
請求項1〜21のいずれか1項に記載のセンサ設備(10)を少なくとも1つ有する調整ユニットを備え、
符号化部材(20)は、角度及び軸方向変位可能な要素上に配設される、電子機器。
【請求項23】
前記電子機器は電子腕時計であり、
前記符号化部材(20)は、一端にクラウン(1)を有するロッドの一部である、請求項22に記載の電子機器。
【請求項24】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のセンサ設備(10)を用いて、符号化部材(20)の角度位置及び軸方向位置を決定する方法であって:
−L個のセンサからL個の信号を受信するステップ;及び
−前記L個の信号を分析して、少なくとも前記符号化部材の角度位置を決定するステップ
を含み、
前記方法では、前記L個のセンサに連結された測定ユニット(50)が、N個の軸方向検知符号化リングからの第1のB値を前記センサが検知する前に測定されたA値の個数を計数することにより、前記角度位置を決定する、方法。
【請求項25】
−L個のセンサからのL個の信号を処理するためのプログラム手段;及び
−前記L個の信号を分析して、少なくとも符号化部材(20)の軸方向位置を決定するためのプログラム手段
を備える、コンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品では、前記L個のセンサに連結された測定ユニット(50)が、N個の軸方向検知符号化リングからの第1のB値を前記センサが検知する前に測定されたA値の個数を計数することにより、前記軸方向位置を決定する、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの一連のセンサに対して回転可能かつ軸方向に変位可能な符号化部材の角度及び軸方向位置を検知及び決定するよう適合されたセンサ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、増分又は絶対符号化スキームを用いて、ボリューム制御ノブ又は電子腕時計のクラウンといった回転デバイスの角度位置を測定できる。多くの用途において、このような制御要素は、デバイスの様々な機能をトリガ又は起動するために、軸方向にも変位できる。従って上述のノブ又はクラウンの軸方向位置も測定する必要がある。腕時計における応用では、クラウンの軸方向位置を用いて、例えば時刻表示、日付調整、時刻調整といった腕時計のモードを変更する。ある不連続な軸方向位置へとクラウンを引き出して日付調整モードとした場合、続いてクラウンの角度回転を用いて日付を次の日へと動かす。2つの不連続な軸方向目盛り分だけクラウンを引き出した場合、クラウンの角度位置を用いて時刻を設定することになる。
【0003】
軸方向及び角度位置を決定又は測定するための多くの従来技術による解決法を用いる場合、一方では角度位置を測定するため、そしてもう一方では軸方向位置を測定するための、少なくとも2つの別個のセンサ設備が必要となる。これら測定設備はそれぞれ、体積及び導電性に関して固有の設計要件を有する。
【0004】
腕時計における応用では、体積は非常に限られている。従って、相当に小型の角度及び軸方向センサ設備に対する需要は極めて大きい。従来技術による解決法では、端部にクラウンを備えるロッド上に配置された符号化リングに対して隣接する少なくとも2つのセンサを用いて、上記ロッドの角度位置を測定する。更に、腕時計内部にあるロッドの端部には、上記ロッドの軸方向位置を測定するために1つ又は複数のセンサが必要である。従って従来技術のこのようなセンサ設備は、腕時計ケース内部の大きな空間を専有し、これは欠点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、空間及び計算用電力を最低限しか必要としない、一体型の角度及び軸方向位置センサ設備を提供することである。このセンサは、電子製品内に堅固に実装でき、また妥当なコストで製造できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明は角度及び軸方向位置を測定するためのセンサ設備を提供する。上記センサ設備は、2つ以上の軸方向に隣接したセンサと、これらセンサに対して角度変位及び軸方向変位可能な符号化部材とを含む。
【0007】
上記符号化部材は、エンコーダの特定の領域の物理的特性によって、センサが論理状態Aと呼ばれるある1つの論理状態を感知するように構成される。これ以降、本文の明瞭性を高めるために、「上記エンコーダの領域は値Aを有し、上記センサは値Aを検知又は感知する」と表現する。
【0008】
上記符号化部材は、上記センサが論理状態Aを検知しないエンコーダの領域の物理的特性によって、上記センサが論理状態Aとは異なる論理状態Bを検知するように構成される。これ以降、本文の明瞭性を高めるために、「上記エンコーダの領域は値Bを有し、上記センサは値Bを検知又は感知する」と表現する。
【0009】
センサが読んだ値Aは、バイナリ1等の高い論理状態に対応する。センサが読んだ値Bは、バイナリ0等の低い論理状態に対応する。しかしながら、これら2つの値が区別可能である限りにおいて、値Aに対してバイナリ0、値Bに対してバイナリ1を対応させてもよい。
【0010】
上記符号化部材は、N個の軸方向検知符号化リングを含み、N−1個の隣接する軸方向検知符号化リングはその全周に沿って値Aを有し、最後のN番目の符号化リングは、その全周に沿って値Aとは異なる値Bを有する。センサの数は、(軸方向検知符号化リングの数−1)以上である。これらセンサは、符号化部材のN個の軸方向位置を区別できるよう、上記軸方向検知符号化リングとオーバラップする。第1の軸方向位置では、センサ群の第1のセンサを、第1の軸方向検知符号化リングとオーバラップするよう配置し、N番目の軸方向位置では、第1のセンサはN番目の軸方向検知符号化リングとオーバラップする。ここで、及びこれ以降、「オーバラップする」とは、符号化リングが、この所定の符号化リングのいくつかの領域の物理的特性をセンサが測定するように位置決めされることを意味する。典型的にはこれは、センサと、特定の符号化リングの中央とが、同一の軸方向位置にあることを意味する。従ってセンサと符号化リングとは、ある意味で互いに対向しており、即ち互いに対して位置合わせされており、センサは各角度位置に関して、測定されるリングの領域に関連する値A又はBを決定できる。
【0011】
有利には、測定ユニットをセンサに接続し、第1のセンサから始めて、第1のB値までにこれら複数のセンサが検知したA値の個数を計数することにより、符号化部材の角度位置を決定する。
【0012】
有利には、符号化部材はN個の軸方向検知符号化リングのうちのN番目の軸方向検知符号化リングに軸方向に隣接した1つ又は複数の角度検知符号化リングを備える。角度検知符号化リングは、その周に沿って変化する値A、Bからなる符号化パターンで構成され、これにより、いくつかのセンサが角度検知符号化リングとオーバラップした際に角度位置を決定できる。
【0013】
センサ設備は、符号化部材の回転軸に対して平行に配置された第1及び第2のセンサを含むことができ、この回転軸は、第1及び第2のセンサに対して角度的に及び軸方向に変位可能である。符号化部材の2つの軸方向位置を決定するために、第1及び第2の軸方向検知符号化リングを設けることができる。1つの角度検知符号化リングは、その周に沿って値A、Bの特定の符号化パターンを有する第2の軸方向検知符号化リングと軸方向に隣接し、これによってセンサは角度位置を測定できる。
【0014】
典型的には、第1及び第2のセンサはハウジングに対して不動化されており、その一方で符号化部材は上記ハウジングに対して角度的に及び軸方向に変位可能である。これにより、符号化部材は第1及び第2のセンサに対して回転可能でもあり、また軸方向に変位可能でもある。
【0015】
有利には、符号化部材は典型的には円筒形又は管状であり、この符号化部材の外周に沿って延在する一連の軸方向及び角度検知符号化リングを備えている。これらのリングは互いに物理的に分離されている必要はないが、典型的には各リングは、本明細書に記載するような軸方向又は角度位置測定という目的を果たすような物理的特性を有するものとする。これらセンサは、全ての所期の角度及び軸方向位置に関して、センサが検知符号化リングとオーバラップして、符号化部材の軸方向位置を決定でき、かつ同様に符号化部材の角度位置に関する情報を提供できるように配設するべきである。
【0016】
軸方向検知符号化リングは、単純な符号化パターンを備えている。初めのN−1個の軸方向検知符号化リングは、その全体が値Aからなり、最後のN番目の軸方向検知符号化リングは、その全体が値Bからなる。この符号化パターンにより、センサが符号化部材の軸方向位置を測定できる。
【0017】
典型的な実装形態では、角度及び軸方向位置センサ設備は、符号化部材の多数の符号化リングと相互作用する多数のセンサを備えている。実際、角度及び軸方向位置検知を提供する単純なシステムは、2つのセンサと、符号化部材の少なくとも3つの軸方向に隣接した符号化リングとを用いて既に動作及び実装可能である。このようなセンサの角度分解能はやや低いが、例えば腕時計の日付を設定する目的等の特定の用途においては十分なものである。
【0018】
角度検知符号化リングは、符号化部材の回転不変軸方向パターンを形成するために、符号化部材に対して平行に位置合わせされた複数のセンサのアレイによって上記パターンを検知できる。このようにして、角度位置検知のために元々実装された様々なセンサを、符号化部材の軸方向位置の決定にも役立てることができ、同一のセンサを用いて符号化部材の角度及び軸方向位置の両方を決定できるため、別個の軸方向位置検知設備が不要となる。結果として、それぞれの角度及び軸方向位置センサ設備を、省スペースかつ低コストで実現できる。
【0019】
角度及び軸方向位置センサ設備のある実施形態によると、符号化部材は、少なくとも2つのセンサに対して、複数の不連続な目盛り、少なくとも1つの軸方向に不連続目盛り分だけ軸方向に変位可能である。不連続目盛りでの軸方向変位は、厳密に定義された符号化部材の軸方向位置に関して発生する。このようにして、符号化部材の軸方向位置は、初めのN−1個のセンサ及びN個の軸方向検知符号化リングから常に明確に決定できる。
【0020】
更なる実施形態では、符号化部材の軸方向変位目盛りのサイズは、軸方向又は角度検知符号化リングの軸方向幅又は軸方向間隔に対応する。更に、符号化部材の軸方向目盛りのサイズもまた、使用されるセンサ間の各軸方向距離又は間隔に対応する。例えば初期構成において第1の軸方向検知符号化リングが第1のセンサと径方向にオーバラップしている場合、符号化部材の段階的な軸方向変位は、第1の軸方向検知符号化リングを、第1のセンサに隣接する別のセンサへと移動させる役割を果たす。従って、軸方向に隣接したセンサの軸方向寸法及びこれらの間の軸方向距離は、符号化部材の軸方向に隣接した様々な符号化リングの軸方向寸法及び軸方向間隔と等しい。更に、符号化部材が軸方向に変位可能である目盛りのサイズは、符号化部材の軸方向に隣接したセンサ又は様々な符号化リングそれぞれの軸方向寸法及び間隔に正確に適合する。このようにして、符号化部材のいずれの不連続な軸方向位置において、この符号化部材のいずれの符号化リングは1つのセンサとのみ明確に相互作用し、またその逆も成り立つ。
【0021】
有利には、クラウンの軸方向及び角度位置の信頼できる測定を提供するために、上記角度及び軸方向位置センサ設備を電子腕時計内に設置することが想定される。このセンサ設備は、このような設備に不可避的に発生するいずれの機械的遊びを許容できる。
【0022】
従って、更なる実施形態によると、符号化部材は初期設定位置から少なくとも第1の引き出し位置へと軸方向に変位可能である。ここで「引き出し位置(retracted position)」という用語は単なる例である。符号化部材が初期設定位置又はアイドル位置から押し込み位置(depressed position)へと軸方向変位可能である場合も考えられる。更に、符号化部材が初期設定位置又はアイドル位置から2つの対向する軸方向位置へと軸方向変位可能である場合も考えられる。従って、符号化部材を第1の軸方向位置へと押し込むことができ、また反対側の軸方向位置へと引き出すこともできる。このようにして、例えば軸方向部材を3つ又は4つの異なる軸方向位置へと変位させることができ、これら各位置に関して、符号化部材の角度回転は異なる機能を有する。
【0023】
別の実施形態によると、符号化部材が第1の軸方向位置(押し込み位置又は初期設定位置であってよい)にある場合、第1のセンサは第1の軸方向検知符号化リングと径方向にオーバラップする。この構成では、第2の又はその他のセンサもまた、その他の軸方向検知符号化リングと径方向にオーバラップする。これらセンサに接続された測定ユニットは、符号化部材の軸方向位置を、符号化部材の角度位置とは無関係に決定するために、上記センサが検知したA値の数を検知できる。
【0024】
必要な軸方向位置の数及び角度分解能に応じて、一体型角度及び軸方向位置センサ設備は多数のセンサを備えていてもよい。符号化部材は典型的には、軸方向に隣接する、センサの数よりも多数の符号化リングを備えている。
【0025】
センサの数は一般に、(符号化部材の軸方向位置の数−1)に等しくあるべきである。このようにして、軸方向検知符号化リングが提供する特徴的な軸方向符号化を用いて、符号化部材の全ての軸方向位置を区別できる。
【0026】
角度位置に関する何らかの情報を得るために、少なくとも1つの角度検知符号化リングを備える必要がある。しかしながら、角度検知符号化リングの個数には上限はない。
【0027】
角度検知符号化リングのために様々な符号化パターンを使用できる。1つの角度検知符号化リングを有する実施形態は、符号化部材の180〜360°の全角度に対して角度検知符号化リング上の値Aを、及び符号化部材の0〜180°の全角度に対して角度検知符号化リング上の値Bを有することができる。上記角度検知符号化リングでは、角度検知符号化リングの感知領域上の値が分かっても、符号化部材の角度が0〜180°であるか又は180〜360°であるかしか決定できないため、符号化部材の1/2回転分という比較的低い角度位置分解能しか得られない。
【0028】
2つの角度検知符号化リングを有する実施形態は、符号化部材の180〜360°の全角度に対して第1の角度検知符号化リング上の値Aを、符号化部材の0〜180°の全角度に対して第1の角度検知符号化リング上の値Bを、符号化部材の90〜270°の全角度に対して第2の角度検知符号化リング上の値Aを、及び符号化部材のその他の全角度に対して第2の角度検知符号化リング上の値Bを有することができる。このコード(2ビットグレイコード)を用いる角度検知符号化リングでは、これら2つの角度検知符号化リングの感知領域上の値が分かることにより、符号化部材の角度が0〜90°であるか、90〜180°であるか、180〜270°であるか又は270〜360°であるかを決定できるため、符号化部材の1/4回転分という角度位置分解能が得られる。
【0029】
3つの角度検知符号化リングを有する実施形態では、3ビットグレイコードを用いて、1/8回転分(45°)の角度位置分解能が得られるが、他のコードを使用して同一の分解能を得ることもできる。
【0030】
同様に、4つの角度検知符号化リングを使用することにより、22.5°の角度検知分解能を得ることができる。
【0031】
本センサ設備は有利には、符号化部材の軸方向及び角度位置を決定するためのセンサに連結された測定ユニットも備えている。この測定ユニットは、センサが生成する信号に変化が発生する瞬間を示すように動作させることもできる。このようにして、符号化部材が初期設定位置から引き出し位置へと引き出されたか、又は押し込み位置へと押し込まれたかを決定するように、測定ユニットを動作させることもできる。これとは別に、符号化部材の回転及び/又は軸方向変位中に様々なセンサが生成できる様々な信号を検知及び処理するように、測定ユニットを動作させることができる。
【0032】
更に別の実施形態では、センサのペアと、これに対応する符号化リングとは、電気的、磁気的、容量的又は光学的に相互作用する。電気的な実装の場合、第1及び第2のセンサは、符号化部材の符号化リングと機械的に接触した通電ブラシを備えていてもよい。ここで符号化リングは、絶縁セクションと導電セクションとを備えている。特定のセンサに対して符号化リングの絶縁セクション又は導電セクションのいずれが接触しているかに応じて、上記センサを、各符号化リングの特定の符号化セクションを表す対応する信号を生成するように動作させることができる。磁気的な実装の場合、符号化リングを所定のパターンに従って永久磁石化してもよい。容量的な実装の場合も同様のことが考えられる。光学的な実装の場合、センサは光生成素子及び光感知素子を備えており、その一方で特定の符号化リング上の各セクションは異なる反射率を備えている。
【0033】
別の態様によると、本発明は、上述の角度及び軸方向位置センサ設備を備える電子デバイスにも関する。特に本発明は、上述の角度及び軸方向位置センサ設備を少なくとも1つ備える時計、特に腕時計に関する。
【0034】
更に別の態様では、本発明は、上述の一体型角度及び軸方向位置センサ設備を用いて、符号化部材の角度及び軸方向位置を決定するための方法にも関する。上記方法は、L個のセンサからL個の信号を受信するステップと、これらL個の信号を比較して、少なくとも符号化部材の角度位置を決定するステップとを含み、この方法では、センサに連結された測定ユニットが、第1のセンサから始めて、第1のB値までにこれら複数のセンサが検知したA値の個数を計数することにより、上記角度位置を決定する。
【0035】
上記方法が、上述の角度及び軸方向位置センサの構成と相互に密接に関係していることは明らかである。実際のセンサの実装形態に応じて、特にセンサ及び符号化部材上の符号化リングの個数に応じて、本方法は、符号化部材の軸方向位置のみならず、絶対角度位置又は角度位置の増分変化をも決定するように同等に作用させることができる。
【0036】
更に別の態様では、本発明はコンピュータプログラム製品等のコンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラムに関する。上記コンピュータプログラムは、第1のセンサからの少なくとも1つの第1の信号を処理するためのプログラム手段を備えている。このコンピュータプログラムは更に、第2のセンサからの少なくとも1つの第2の信号を処理するためのプログラム手段を備えている。更に、本コンピュータプログラム製品は、第1の信号と第2の信号とを比較することによって少なくとも符号化部材の軸方向位置を決定するためのプログラム手段を備えている。このプログラム手段は典型的には、第1の信号と第2の信号とを比較して処理することにより、符号化部材の軸方向位置のみならず、角度位置又は角度位置の増分変化をも決定できるようにも適合される。
【0037】
本文脈において、角度及び軸方向位置センサ設備に関連して記載するような全ての特徴、便益及びステップは、符号化部材の角度及び軸方向位置を決定するための上記方法、並びに上記コンピュータプログラム製品に対しても有効であり、またその逆も成立する。
【0038】
上記角度及び軸方向位置センサ設備の他の目的、利点及び特徴は、図面に図示した非限定的な実施形態に基づいて作成された以下の説明においてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第1の実施形態の概略図であり、符号化部材は2つのセンサに対して初期設定位置にある。図1bは、図1aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図2図2aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第1の実施形態の概略図であり、符号化部材は引き出し位置にある。図2bは、図2aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図3図3は、機器のクラウンを端部に備えるロッドである上記第1の実施形態の符号化部材の3次元図である。
図4図4aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第2の実施形態の概略図であり、符号化部材は3つのセンサに対して押し込み位置にある。図4bは、図4aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図5図5aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第2の実施形態の概略図であり、符号化部材は初期設定位置にある。図5bは、図5aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図6図6aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第2の実施形態の概略図であり、符号化部材は引き出し位置にある。図6bは、図6aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図7図7aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第3の実施形態の概略図であり、符号化部材は4つのセンサに対して押し込み位置にある。図7bは、図7aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図8図8aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第3の実施形態の概略図であり、符号化部材は初期設定位置にある。図8bは、図8aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図9図9aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第3の実施形態の概略図であり、符号化部材は第1の引き出し位置にある。図9bは、図9aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図10図10aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第3の実施形態の概略図であり、符号化部材は第2の引き出し位置にある。図10bは、図10aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図11図11aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第4の実施形態の概略図であり、符号化部材は5つのセンサに対して押し込み位置にある。図11bは、図11aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図12図12aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第4の実施形態の概略図であり、符号化部材は初期設定位置にある。図12bは、図12aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図13図13aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第4の実施形態の概略図であり、符号化部材は第1の引き出し位置にある。図13bは、図13aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図14図14aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第4の実施形態の概略図であり、符号化部材は第2の引き出し位置にある。図14bは、図14aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図15図15aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第5の実施形態の概略図であり、符号化部材は3つのセンサに対して押し込み位置にある。図15bは、図15aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図16図16aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第5の実施形態の概略図であり、符号化部材は初期設定位置にある。図16bは、図16aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
図17図17aは、角度及び軸方向位置センサ設備の第5の実施形態の概略図であり、符号化部材は引き出し位置にある。図17bは、図17aによる符号化部材が1回転する間のセンサの信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明では、角度及び軸方向位置センサ設備の、当業者に公知である全ての構成部品については、簡単にしか説明しない。
【0041】
以下に説明する様々な実施形態において、角度及び軸方向位置センサ設備は、L個のセンサ(Lは2以上の整数)と1個の符号化部材とを含み、この符号化部材は軸の周りで回転可能であり、かつセンサに対して軸方向に変位可能であることに留意されたい。
【0042】
符号化部材は、機器の角度及び軸方向変位可能な素子上に配設できる。腕時計等の機器のクラウンを端部に備えるロッドであってもよい上記符号化部材は、軸方向に隣接したN個の軸方向検知符号化リング(Nは2以上の整数)と、軸方向に隣接したM個の角度検知符号化リング(Mは1以上の整数)とを含む。初めのN−1個の軸方向検知符号化リングは、その全周に沿って値Aで定義され、最後のN番目の軸方向検知符号化リングは、その全周に沿って値Aとは異なる値Bで定義される。M個の角度検知符号化リングは、N番目の軸方向検知符号化リングと軸方向に隣接し、また各角度検知符号化リングは、その周に沿って値A、Bで構成された符号化パターンを備え、これにより、いくつかのセンサが1つ又は複数の角度検知符号化リングとオーバラップすることで角度位置を決定できる。
【0043】
符号化部材の軸方向位置を決定するために、センサの個数Lを少なくとも軸方向検知符号化リングの個数Nより1少ない数と等しくする、即ち少なくともL=N−1とする(ここで個数Nは少なくとも2である)必要がある。特定の位置でいくつかのセンサを使用して符号化部材の角度位置を決定するために、センサの個数Lは一般に、軸方向検知符号化リングの個数N以上とすることができる。一連のセンサのうち第1のセンサは、上記符号化部材の軸方向位置を決定するために、第1の軸方向検知符号化リングからN番目の軸方向検知符号化リングまで変位可能とすることができる。センサに連結された測定ユニットが、第1のセンサから始めて、第1のB値までにこれら複数のセンサが検知したA値の個数を計数することにより、上記軸方向位置を決定できる。
【0044】
以下で説明する様々な実施形態に関して、L、Nは少なくとも2に等しく、かつMは少なくとも1に等しい。或いはL、Nは3又は4とすることができ、Mは2又は3とすることができる。或いはLは5に等しく、Nは4に等しく、Mは4に等しい。しかしながらその他の値も想定できる。他の実施形態を角度及び軸方向位置センサ設備に備えることもできる。角度測定の精度をより高めるために、角度検知符号化リングの個数Mは2以上とし、これら全てとセンサがオーバラップすることにより、M個の角度検知符号化リング上の特定のコードをMビットで得ることができる。
【0045】
図1a、2aでは、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10の第1の比較的単純な実施形態を図示する。このセンサ設備10は、例えば腕時計又はその他の何らかの種類のデバイスのハウジング内又はハウジング上に互いに対して固定して配設された第1のセンサS1及び第2のセンサS2を備えている。センサ設備10は符号化部材20を更に備え、これは軸方向に、即ち左から右又はその逆方向に変位可能であり、また中央回転軸に沿って回転可能である。上記符号化部材20は円筒形又は管状である。これら2つのセンサS1、S2は好ましくは、符号化部材に対して平行に位置合わせされている。腕時計の場合、上記符号化部材20は、上記腕時計の何らかの機能を制御するため又は時刻及び日付を設定するために腕時計ハウジングの外側で操作されるクラウン1を端部に備えるロッドの一部である。
【0046】
図1a、2aに示す初期構成では、符号化部材20は、最も右側の垂直なストライプとして示す第1の軸方向検知符号化リング21を備えている。符号化部材20は、図1a、2aにおいて中央の垂直なストライプで示す第2の軸方向検知符号化リング22を更に備えている。更に、符号化部材は、第2の軸方向検知符号化リング22に軸方向に隣接する角度検知符号化リング23を備えている。この第1の実施形態では、軸方向検知符号化リングの個数Nは2であり、角度検知符号化リングの個数Mは1である。
【0047】
図1a、2aに示すように、第1の軸方向検知符号化リング21は、それぞれその周のうちの180°に亘って分布する2つのセクションを含む。これらのセクションはそれぞれ、黒色で図示することによって示したように、値Aで符号化され、従って少なくとも1つのセンサが上記第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップすることによって検知される。第2の軸方向検知符号化リング22は2つのセクションを備え、これらのセクションはそれぞれ周のうちの180°に亘って分布し、白色セクションによって示す値Bを有する。第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング22がその全周に沿って値Aのみを有する場合、又はその全周に沿って値Bのみを有する場合、第1の軸方向検知符号化リング21及び第2の軸方向検知符号化リング22は回転によって変化しない。2つの軸方向検知符号化リング21、22のみを上記第1の実施形態に設ける場合、原理的には、少なくとも第1のセンサS1によって上記符号化部材の2つの軸方向位置を検知できる。
【0048】
図3は、図1a、2aでは2次元的に図示したクラウン1を端部に備えるロッド上の符号化部材20の3次元図である。この円筒の3次元図上では、円筒の表面の一部は裏側にあるため視認できない。従って、円筒の全表面を2次元図で明確に表すために、円筒の全周に巻きつけた紙を広げるかのように円筒の表面を広げることができると考えると理に適う。図1a、2aと図3とを比較することで、図1a、2aは円筒の断面図又は正面図ではなく、3次元図では全体を見ることができない円筒の表面を展開したものであることが分かる。円筒の軸は水平な一点鎖線で表されており、これは円筒の表面を2次元図へと展開した中心軸である。
【0049】
図1aに示す軸方向位置、即ち初期設定位置P1では、第1のセンサS1は第1の軸方向検知符号化リング21上の値Aを常に検知し、第2のセンサS2は第2の軸方向検知符号化リング22上の値Bを常に検知する。符号化部材の軸方向位置を決定するのに、第1のセンサS1からの情報のみで十分である。符号化部材20が一回転する間のセンサS1、S2からの信号を図1bに示す。符号化部材20が一回転する間、第1のセンサS1は常に値Aを検知し、第2のセンサS2は常に値Bを検知する。
【0050】
この特定の構成又は軸方向位置において、符号化部材20の角度検知符号化リング23の符号化パターンは測定されない。しかしながら、センサ設備10が、図1aの軸方向位置においても角度検知符号化リング23と相互作用するように動作させることができる第2のセンサS2に軸方向に隣接した第3のセンサも備えることを想定できる。
【0051】
同質の軸方向検知符号化リング21、22は、符号化部材20の特定の軸方向符号化パターンを形成し、これによって、第1のセンサS1、第2のセンサS2の位置に対する符号化部材20の実際の軸方向位置を表示できる。上記第1のセンサS1、第2のセンサS2に接続された測定ユニット50は、第1のセンサS1から始めて、第1のB値までにこれら複数のセンサが検知したA値の個数を計数することにより、符号化部材20の軸方向位置を決定できる。この場合、センサS1が第1の軸方向検知符号化リング21から値Aを測定し、センサS2が第2の軸方向検知符号化リング22から値Bを検知するとすれば、1つA値のみが検知される。
【0052】
図2aでは、第1の引き出し位置P0又は軸方向に変位させた構成を示す。図1aの構成と比較すると、符号化部材20全体が1つの不連続目盛り分だけ右側へと軸方向に変位したことが分かる。図2aに示すように、第2の軸方向検知符号化リング22はここでは第1のセンサS1と径方向にオーバラップし、その一方で角度検知符号化リング23は第2のセンサS2と径方向にオーバラップしている。符号化部材20の軸方向変位により、第1のセンサS1は異なる信号を検知し、これによって図1aの初期構成と比べて変位された符号化部材20の軸方向位置を表示する。この場合、第1のセンサS1が第2の軸方向検知符号化リング22からB値を測定するとすれば、測定ユニット50は第1のB値の前にいずれのA値も計数できない。図1aの第1の場合、測定ユニット50は第1のセンサS1から1つのA値を計数したが、図2aの第2の場合、第1のセンサS1から始めて第1のB値までに、A値は計数されない。
【0053】
図2aのクラウンの軸の周りで符号化部材20が回転する間、第2の軸方向検知符号化リング22はその外周に値Bのみを備えているため、第1のセンサS1はいずれの変化も検知しない。しかしながら、角度検知符号化リング23は第2のセンサS2が測定する信号を変化させる。ここでリング23上の符号化パターンは、第2のセンサに値A、Bを交互に供給するように動作できる。このようにして、分解能180°の角度位置検知が得られる。符号化部材20が一回転する間のセンサS1、S2からの信号を図2bに示す。符号化部材20が回転している間、第1のセンサS1は常に値Bを検知するが、第2のセンサS2は0〜180°の間で値B、180〜360°の間で値Aを検知する。
【0054】
このような単純なセンサ設備を用いると、符号化部材20の回転速度を測定できるが、一回転の間に2つの値を交互に有する1つの信号しか検知できないとすれば、回転方向は測定できない。上記の小型センサ設備により、上述の複数の構成のうちの1つにおいて、符号化部材20の軸方向位置及び符号化部材20の角度位置を測定できる。
【0055】
図4a〜6aでは、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10の第2の実施形態を示し、この第2の実施形態には、3つのセンサS1、S2、S3が一列に隣接して配設されている。上記センサS1、S2、S3の列は、符号化部材の軸に対して平行に位置合わせされている。符号化部材20は、軸方向に配設された3つの軸方向検知符号化リング21、21’、22と、軸方向に配設された2つの角度検知符号化リング23、23’とを備えている。第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’は、その全周に沿って値Aを有し、第3の軸方向検知符号化リング22はその全周に沿って値Bを有する。これらの3つの軸方向検知符号化リングを用いると、上記3つのセンサに接続された測定ユニット50は、第1のセンサS1が第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップする第1の軸方向位置から、第1のセンサS1が第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする第3の軸方向位置までに、符号化部材の3つの軸方向位置を検知できる。
【0056】
この場合、発生し得る3つの軸方向位置を決定するにあたってセンサは2つしか必要でないことに留意されたい。第1の軸方向位置では、第1のセンサS1は第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップし、第3の軸方向位置では、第1のセンサS1は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。
【0057】
角度検知符号化リング23、23’は、第3の軸方向検知符号化リング22に隣接して軸方向に配設されている。この2つの角度検知符号化リング23、23’は、これらの周に沿って、A値及びB値からなる異なる符号化パターンを備えている。有利には、2つの角度検知符号化リング23、23’は2ビットグレイコードを形成する。以下に説明するように、センサS1、S2、S3の第3の軸方向位置において2ビットの角度測定を実行する。
【0058】
図4aに示すように、符号化部材20は押し込み位置P2にある。腕時計の場合、上記符号化部材は、上記腕時計の何らかの機能を制御するため又は時刻及び日付を設定するために腕時計ハウジングの外側で操作されるクラウン1を端部に備えるロッドの一部である。このロッドは一般に腕時計ハウジングを貫通し、慣用の方法で封止される。上記腕時計の構成によると、クラウン1を初期設定位置P1の先へと1目盛りだけ押し込むことにより、上記押し込み位置P2を得ることができる。上記目盛りは、各軸方向検知符号化リング21、21’、22の幅に対応する。
【0059】
この押し込み位置P2では、第1のセンサS1は第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップし、第2のセンサS2は第2の軸方向検知符号化リング21’と、そして第3のセンサS3は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。この押し込み位置では角度位置は測定できないが、これら3つのセンサに接続された測定ユニット50は、第3の軸方向検知符号化リング22のB値の前に、第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’上で2つのA値を計数できる。このようにして、第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3のセンサS3から値を測定することにより、押し込み位置P2を識別できる。
【0060】
図4aの構成では、符号化部材20のいずれの回転運動も、センサS1、S2又はS3のいずれか1つが生成する信号に対して影響を及ぼさないため、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10は、純粋な軸方向位置センサとして作用することに留意されたい。図4bでは、符号化部材20が一回転する間のセンサS1、S2、S3からの信号を示す。符号化部材20が一回転する間、第1のセンサS1、第2のセンサS2からの信号は常に値Aであり、その一方で第3のセンサS3からの信号は常に値Bである。
【0061】
図5aの構成によりこの状況が変化する。図4aの構成と比較すると、符号化部材20が1つの不連続目盛り分だけ右側へと軸方向に変位して初期設定位置P1にあることが分かる。第3のセンサS3は第1の角度検知符号化リング23とオーバラップし、第2のセンサS2は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。この初期設定位置P1では、測定ユニット50は、センサS2のB値を検知する前に、第2の軸方向検知符号化リング21’とオーバラップしている第1のセンサS1からの1つのA値しか計数しない。複数のセンサS1、S2、S3に接続された上記測定ユニット50は、このような軸方向変位を検知するよう動作させることができ、また符号化部材20が現在は位置P1にあることを決定できる。
【0062】
図5aでは、第3のセンサS3は、符号化部材の一回転に対して図5bに示す信号S3を生成するよう動作させることができる。上記信号S3の上部では測定ユニットが値Bを感知し、上記信号S3の下部では値Aを感知する。図5bに示すように、第2のセンサS2は常に値Bを検知し、第1のセンサS1は常に値Aを検知する。
【0063】
図1a、2aの構成に関連して既に述べたように、この一体型角度及び軸方向位置センサ設備10は、角度位置の増分変化を検知する役割を果たすことができるものの、回転方向を決定することはできない。
【0064】
図6aでは、符号化部材20は1つの不連続目盛り分だけ更に右側へと変位し、引き出し位置P0となる。第1のセンサS1は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。第1のセンサが第3の軸方向検知符号化リング22からのB値を検知するとすれば、第1のB値の前にA値は計数されないため、ここでもまた測定ユニット50は、上述の方法と対応する方法で、符号化部材の軸方向位置P0を検知できる。ここで第1の角度検知符号化リング23の符号化パターンは第2のセンサS2とオーバラップし、第2の角度検知符号化リング23’の符号化パターンは第3のセンサS3とオーバラップすることは明らかである。
【0065】
その結果、図6bに示すように、符号化部材20が一回転する間に、上記センサS2、S3は2つの交互になった信号S2、S3を生成する。第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’の符号化パターンが全周に亘ってオフセットされているため、測定ユニット50は、センサS1、S2、S3の列に対する符号化部材20の回転を検知するよう動作させることができる。この構成では、信号S2が信号S3に対して90°だけ位相を変位されているとすれば、これら信号S2、S3は標準的な増分エンコーダから生成されるものと同一である。図6bに示すように、第1のセンサS1は常に値Bを検知する。
【0066】
図7a〜10aでは、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10の第3の実施形態を示し、この第3の実施形態には、4つのセンサS1、S2、S3、S4が一列に隣接して配設されている。上記センサS1、S2、S3、S4の列は、符号化部材20の軸に対して平行に位置合わせされている。符号化部材は、軸方向に配設された4つの軸方向検知符号化リング21、21’、21”、22を備え、また軸方向に配設された3つの角度検知符号化リング23、23’、23”も備えている。第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’、第3の軸方向検知符号化リング21”は、その全周に沿って値Aを有し、第4の軸方向検知符号化リング22はその全周に沿って値Bを有する。これらの4つの軸方向検知符号化リングを用いると、上記4つのセンサに接続された測定ユニット50は、第1のセンサS1が第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップする第1の軸方向位置から、第1のセンサS1が第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする第4の軸方向位置までに、符号化部材の4つの軸方向位置を検知できる。
【0067】
角度検知符号化リング23、23’、23”は、第4の軸方向検知符号化リング22に隣接して軸方向に配設されている。上記3つの角度検知符号化リング23、23’、23”は、これらの周に沿って、A値及びB値からなる異なる符号化パターンを備えている。有利には、3つの角度検知符号化リング23、23’、23”は3ビットグレイコードを形成する。以下に説明するように、センサS1、S2、S3、S4の第4の軸方向位置において3ビットの角度測定を実行する。
【0068】
図7aに示すように、符号化部材20は押し込み位置P3にある。腕時計の場合、上記符号化部材は、上記腕時計の何らかの機能を制御するため又は時刻及び日付を設定するために腕時計ハウジングの外側で操作されるクラウン1を端部に備えるロッドの一部である。このロッドは一般に腕時計ハウジングを貫通し、慣用の方法で封止される。上記腕時計の構成によると、クラウン1を初期設定位置P2の先へと1目盛りだけ移動させることにより、上記押し込み位置P3を得ることができる。
【0069】
この押し込み位置P3では、第1のセンサS1は第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップし、第2のセンサS2は第2の軸方向検知符号化リング21’と、第3のセンサS3は第3の軸方向検知符号化リング21”と、そして第4のセンサS4は第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。この押し込み位置P3では角度位置は測定できないが、これら4つのセンサに接続された測定ユニット50は、第4の軸方向検知符号化リング22のB値の前に、第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’、第3の軸方向検知符号化リング21”上で3つのA値を計数することにより、軸方向位置P3を識別できる。
【0070】
図7aの構成では、符号化部材20のいずれの回転運動も、センサS1、S2、S3又はS4のいずれか1つが生成する信号に対して影響を及ぼさないため、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10は、純粋な軸方向位置センサとして作用することに留意されたい。図7bでは、符号化部材20が一回転する間のセンサS1、S2、S3、S4からの信号を示す。符号化部材20が一回転する間、第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3のセンサは常に値Aを検知し、その一方で第4のセンサS4は常に値Bを検知する。
【0071】
図8aの構成によりこの状況が変化する。図7aの構成と比較すると、符号化部材20が1つの不連続目盛り分だけ右側へと軸方向に変位して初期設定位置P2にあることが分かる。センサS4は第1の角度検知符号化リング23とオーバラップし、第3のセンサS3は第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。この位置では、測定ユニット50は、センサS3のB値を検知する前に、第2の軸方向検知符号化リング21’とオーバラップしている第1のセンサS1及び第3の軸方向検知符号化リング21”とオーバラップしている第2のセンサS2からの2つのA値しか計数しない。複数のセンサS1、S2、S3、S4に接続された上記測定ユニット50は、このような軸方向変位を検知するよう動作させることができ、また符号化部材20が現在は位置P2にあることを決定できる。
【0072】
図8aの構成では、第4のセンサS4は、符号化部材20の一回転に対して図8bに示す信号S4を生成するよう動作させることができる。上記信号S4の上部では測定ユニットが値Bを検知し、上記信号S4の下部では値Aを検知する。図8bに示すように、第3のセンサS3は常に値Bを検知し、第1のセンサS1、第2のセンサS2は常に値Aを検知する。実施形態1、2に関して既に述べたように、この一体型角度及び軸方向位置センサ設備10は、角度位置の変化を検知する役割を果たすことができるものの、回転方向を決定することはできない。
【0073】
図9aでは、符号化部材20は1つの不連続目盛り分だけ更に右側へと変位し、第1の引き出し位置P1となる。第1のセンサS1及び第2のセンサS2はそれぞれ、第3の軸方向検知符号化リング21”及び第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。第4の軸方向検知符号化リング22からの第1のB値の前に、第3の軸方向検知符号化リング21”からの1つのA値のみを計数することにより、ここでもまた測定ユニット50は、上述の方法と対応する方法で、符号化部材の軸方向位置P1を検知できる。ここで第1の角度検知符号化リング23は第3のセンサS3とオーバラップし、第2の角度検知符号化リング23’は第4のセンサS4とオーバラップすることは明らかである。
【0074】
その結果、図9bに示すように、符号化部材20が一回転する間に、上記センサS3、S4は2つの交互になった信号S3、S4を生成する。第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’の符号化パターンが全周に亘ってオフセットされているため、測定ユニット50は、符号化部材20の角度位置の変化を検知するよう、及びセンサS1、S2、S3、S4の列に対する符号化部材20の回転を検知するよう動作させることができる。これら3つの角度検知符号化リング23、23’、23”が3ビットグレイコードで符号化されるだけでなく、2つの角度検知符号化リング23、23’が2ビットグレイコードで符号化されることが分かる。従って図9aに示す構成では、符号化部材の角度位置の絶対測定を90°の分解能で得ることができる。信号S3が信号S4に対して90°だけ位相が変位されているとすれば、これら信号S3、S4は標準的な増分エンコーダから生成されるものと同一である。図9bに示すように、第2のセンサS2は常に値Bを検知し、第1のセンサS1は常に値Aを検知する。
【0075】
図10aに示す構成では、符号化部材20は第2の引き出し位置P0へと移動されている。第1のセンサS1は値Bを有する第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップし、第2のセンサS2、第3のセンサS3、第4のセンサS4はそれぞれ、第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’及び第3の角度検知符号化リング23”とオーバラップする。測定ユニット50は軸方向検知符号化リング22の第1のB値の前にA値を計数しないため、位置P0を識別できる。
【0076】
図10bに示すように、符号化部材20が一回転する間に、第2のセンサS2、第3のセンサS3、第4のセンサS4は、3つの変化する信号S2、S3、S4をそれぞれ生成する。第1のセンサS1からの信号は値Bのまま一定に保たれる。上記センサ信号S2、S3、S4はそれぞれ3ビット数を表すことができ、従って符号化部材の角度位置を、それぞれ45°の角度範囲を表す8つの別個の角度セクションに分割できる。有利には、回転の各ステップにおいて1つの信号のみが状態を変化させるとすれば、グレイコードを使用する。更に、符号化部材20の全周上の第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’、第3の角度検知符号化リング23”と共に、3ビットのグレイコードを使用すると、一回転に対して8つの均一な位置で絶対角度を測定できる。
【0077】
図11a〜14aでは、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10の第4の実施形態を示し、この第4の実施形態には、5つのセンサS1、S2、S3、S4、S5が一列に隣接して配設されている。上記センサS1、S2、S3、S4、S5の列は、符号化部材20の軸に対して平行に位置合わせされている。符号化部材は、符号化部材の4つの軸方向位置を決定するために軸方向に配設された4つの軸方向検知符号化リング21、21’、21”、22を備え、また軸方向に配設された4つの角度検知符号化リング23、23’、23”、23’”も備えている。第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’、第3の軸方向検知符号化リング21”は、その全周に沿って値Aを有し、第4の軸方向検知符号化リング22はその全周に沿って値Bを有する。
【0078】
4つの軸方向位置P3、P2、P1、P0の決定に関して既に説明したように、4つのセンサS1、S2、S3、S4のうち第1のセンサS1は、軸方向位置P3において第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップし、また第1のセンサS1は、軸方向位置P0において第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。
【0079】
図11aでは、符号化部材20は押し込み位置P3にある。この押し込み位置P3では、第1のセンサS1は第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップし、第2のセンサS2は第2の軸方向検知符号化リング21’と、第3のセンサS3は第3の軸方向検知符号化リング21”と、第4のセンサS4は第4の軸方向検知符号化リング22と、第5のセンサは第1の角度検知符号化リング23とオーバラップする。第3の実施形態とは異なり、この押し込み位置P3では、第5のセンサS5は、符号化部材20の一回転に対して図11bに示す信号S5を生成できるよう動作させることができる。更に、符号化部材20が一回転する間のセンサS1、S2、S3、S4からの信号も図示する。符号化部材20が一回転する間、第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3のセンサS3は常に値Aを検知し、第4のセンサS4は常に値Bを検知する。第1、第2、第3の実施形態において既に述べたように、この一体型角度及び軸方向位置センサ設備10は、角度位置の変化を検知する役割を果たすことができるものの、回転方向を決定することはできない。
【0080】
5つのセンサS1、S2、S3、S4、S5に接続された測定ユニット50は、第4の軸方向検知符号化リング22上のB値を検知する前に、第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’、第3の軸方向検知符号化リング21”上の3つのA値を計数できる。
【0081】
図12aでは、符号化部材20は1つの不連続目盛り分だけ更に右側へと変位し、初期設定位置P2となる。第1のセンサS1及び第2のセンサS2はそれぞれ、第2の軸方向検知符号化リング21’及び第3の軸方向検知符号化リング21”とオーバラップし、第3のセンサS3は第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。第4の軸方向検知符号化リング22からのB値の前に、第2の軸方向検知符号化リング21’、第3の軸方向検知符号化リング21”からの2つのA値を計数することにより、ここでもまた測定ユニット50は、上述の方法と対応する方法で、符号化部材の軸方向位置P2を検知できる。ここで第1の角度検知符号化リング23は第4のセンサS4とオーバラップし、第2の角度検知符号化リング23’は第5のセンサS5とオーバラップすることは明らかである。
【0082】
その結果、図12bに示すように、符号化部材20が一回転する間に、上記センサS4、S5は2つの交互になった信号S4、S5を生成し、第1のセンサS1、第2のセンサS2からの信号は値Aを有し、第3のセンサS3からの信号は値Bを有する。これら4つの角度検知符号化リング23、23’、23”、23’”が4ビットグレイコードで符号化されるだけでなく、2つの角度検知符号化リング23、23’が2ビットグレイコードで符号化されることが分かる。従って図12aに示す構成では、符号化部材の角度位置の絶対測定を90°の分解能で得ることができる。信号S4が信号S5に対して90°だけ位相変位されているとすれば、これら信号S4、S5もまた標準的な増分エンコーダから生成されるものと同一である。
【0083】
図13aに示す構成では、符号化部材20は第1の引き出し位置P1に位置決めされている。この第1の引き出し位置P1では、第1のセンサS1は値Aを有する第3の軸方向検知符号化リング21”とオーバラップし、第2のセンサS2は値Bを有する第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。第3のセンサS3、第4のセンサS4、第5のセンサS5は、それぞれ第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’及び第3の角度検知符号化リング23”とオーバラップする。測定ユニット50は第1のB値の前に1つのA値しか計数しないため、上記引き出し位置P1を識別できる。
【0084】
図13aに示すような構成では、3つの角度検知符号化リング23、23’、23”が3ビットグレイコードで符号化されることが分かる。従って、3つの信号S3、S4、S5を測定することにより、符号化部材の角度位置の絶対測定を90°の分解能で得ることができる。用途に応じて、又は製造技術の制限に応じて、標準的な増分エンコーダの異なるコード、例えばより単純なコードを使用することもできる。
【0085】
図14aに示す構成では、符号化部材20は第2の引き出し位置P0へと移動されている。この第2の引き出し位置P0では、第1のセンサS1は値Bを有する第4の軸方向検知符号化リング22とオーバラップし、第2のセンサS2、第3のセンサS3、第4のセンサS4、第5のセンサS5は、それぞれ第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’、第3の角度検知符号化リング23”、第4の角度検知符号化リング23’”とオーバラップする。測定ユニット50は、センサS1が軸方向検知符号化リング22のB値を検知する前にA値を計数しないため、この第2の引き出し位置P0を識別できる。
【0086】
図14bに示すように、符号化部材20が一回転する間に、第2のセンサS2、第3のセンサS3、第4のセンサS4、第5のセンサS5は、4つの信号S2、S3、S4、S5をそれぞれ生成し、一方で第1のセンサS1からの信号は値Bを有する。上記センサ信号S2、S3、S4、S5はそれぞれ4ビット数を表すことができ、従って符号化部材の角度位置を、それぞれ22.5°の角度範囲を表す16個の別個の角度セクションに分割できる。好ましくはグレイコードを用いて、一回転に対して16個の均一な位置で符号化部材の角度位置の絶対測定を得ることができる。上述のように、異なるコードを使用することもできるが、グレイコードの特性により、位置P3から位置P2、P1を通過して位置P0までの符号化部材の各変移を用いて、より良好な測定分解能を得ることができる。
【0087】
図1a〜14bに示した全ての実施形態は、一連のセンサS1、S2、S3、S4、S5に対する符号化部材20の最大4個の軸方向絶対位置を決定できる機械的に単純かつ小型の解決法を提供するものであることに留意されたい。角度測定の分解能は、符号化部材20の軸方向位置と共に変化し得る。図1a〜14bに示すようにグレイコードを使用する場合、符号化部材の瞬間的な角度位置は、少なくとも第1の角度検知符号化リング23上のコードを測定することにより、明確に決定される。それにも関わらず、他の信号が一切測定されなければ分解能は極めて低いものとなり、角度が0〜180°であるか又は180〜360°であるかしか識別できない。分解能は更なるコードを測定するに従って上昇し、完全に引き出された構成においては分解能は極めて高くなる。しかしながら、全てのコードが角度位置の明確な測定を提供するわけではない。標準的な増分エンコーダのコードを用いる場合、測定される信号は、符号化部材の複数の異なる角度において同一となり得る。このような場合、測定ユニットのサンプリング周波数があまり高いものでなければ、角度位置情報は失われてしまうことがある。グレイコードを使用する場合、測定ユニット50のための妥当な計算要求は、角度位置検知と軸方向位置検知の両方を提供するのに十分なものである。
【0088】
図15a〜17aでは、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10の第5の実施形態を示し、この第5の実施形態には、3つのセンサS1、S2、S3が、第2の実施形態において説明したように一列に隣接して配設されている。上記3つのセンサS1、S2、S3は、符号化部材に対して平行に位置合わせされている。符号化部材20は、軸方向に配設された3つの軸方向検知符号化リング21、21’、22と、軸方向に配設された2つの角度検知符号化リング23、23’とを備えている。第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’は、その全周に沿って値Aを有し、第3の軸方向検知符号化リング22はその全周に沿って値Bを有する。これら3つの軸方向検知符号化リングを用いると、上記3つのセンサに接続された測定ユニット50は、第1のセンサS1が第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップする第1の軸方向位置から、第1のセンサS1が第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする第3の軸方向位置までに、符号化部材の3つの軸方向位置を検知できる。
【0089】
角度検知符号化リング23、23’は、第3の軸方向検知符号化リング22に隣接して軸方向に配設される。上記2つの角度検知符号化リング23、23’は、これらの周に沿って、A値及びB値からなる異なる符号化パターンを備えている。
【0090】
この第5の実施形態では、使用されるコードは図4a〜6aに示した第2の実施形態と同一である。第2の実施形態とは異なり、角度検知符号化リング上に定義された特定のコードは、符号化部材20の円筒を1周する間に2回反復されている。即ち1回目は0〜180°、2回目は180〜360°である。一般に、符号化部材20が一回転する間に、いずれのコードをR回反復できる(ここでRは1より大きい)。コードを複数回反復することによる利点は、これにより、センサの個数を増やすことなく測定分解能を上昇させることができることである。欠点は、複数の別個の角度間隔に亘ってセンサが測定する信号が同一となるため、クラウンが1秒に数回転する場合に角度位置情報を失わないという条件を満たすためには、測定ユニット50は角度位置を少なくとも2・R回測定しなければならないことである。絶対角度の直接的な測定も不可能となる。
【0091】
図15aに示すように、符号化部材20は押し込み位置P2にある。この押し込み位置P2では、第1のセンサS1は第1の軸方向検知符号化リング21とオーバラップし、第2のセンサS2は第2の軸方向検知符号化リング21’と、第3のセンサS3は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。この押し込み位置では角度位置は得られないが、これら3つのセンサに接続された測定ユニット50は、第3の軸方向検知符号化リング22のB値の前に、第1の軸方向検知符号化リング21、第2の軸方向検知符号化リング21’上の2つのA値を計数できる。このようにして、第1のセンサS1、第2のセンサS2、第3のセンサS3からの値を測定することにより、押し込み位置P2を識別できる。
【0092】
図15bでは、符号化部材20が一回転する間のセンサS1、S2、S3からの信号を示す。符号化部材20が一回転する間、第1のセンサS1、第2のセンサS2は常に値Aを検知し、第3のセンサS3は常に値Bを検知する。
【0093】
図16aの構成によりこの状況が変化する。図15aの構成と比較すると、符号化部材20が1つの不連続目盛り分だけ右側へと軸方向に変位して初期設定位置P1にある。第3のセンサS3は第1の角度検知符号化リング23とオーバラップし、第2のセンサS2は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。この初期設定位置P1では、測定ユニット50は、センサS2のB値を検知する前に、第2の軸方向検知符号化リング21’とオーバラップしている第1のセンサS1からの1つのA値しか計数しない。複数のセンサS1、S2、S3に接続された上記測定ユニット50は、このような軸方向変位を検知するよう動作させることができ、また符号化部材20が現在は位置P1にあることを決定できる。
【0094】
図16aでは、第3のセンサS3は、符号化部材20の一回転に対して図16bに示す信号S3を生成するよう動作させることができる。符号化部材の周りで特定のコードが2回反復され、上部から下部へと値B、A、B、Aの順で連続しているとすれば、上記信号S3は1回転あたり4回変化する。図16bに示すように、第2のセンサS2は常に値Bを検知し、第1のセンサS1は常に値Aを検知する。この場合、一体型角度及び軸方向位置センサ設備10は、角度位置の増分変化を検知する役割を果たすことができるものの、回転方向を決定することはできない。
【0095】
図17aでは、符号化部材20は1目盛り分だけ更に右側へと変位し、引き出し位置P0となる。第1のセンサS1は第3の軸方向検知符号化リング22とオーバラップする。第3の軸方向検知符号化リング22からのB値の前にA値は計数されないため、ここでもまた測定ユニット50は、上述のように、第3の軸方向検知符号化リング22が備える軸方向パターンの軸方向変位を検知できる。第1の角度検知符号化リング23の符号化パターンは第2のセンサS2とオーバラップし、第2の角度検知符号化リング23’の符号化パターンは第3のセンサS3とオーバラップする。
【0096】
図17bに示すように、符号化部材20が一回転する間に、上記センサS2、S3は2つの交互になった信号S2、S3を生成する。第1の角度検知符号化リング23、第2の角度検知符号化リング23’の符号化パターンが全周に亘ってオフセットされているため、測定ユニット50は、センサS1、S2、S3の列に対する符号化部材20の回転を検知するよう動作させることができる。この構成では、信号S2が信号S3に対して90°だけ位相変位されているとすれば、これら信号S2、S3は標準的な増分エンコーダから生成されるものと同一である。図17bに示すように、第1のセンサS1は常に値Bを検知する。
【0097】
なお、全ての実施形態に関して、センサと、これに対応する符号化リングとは、電気的、磁気的、容量的又は光学的に相互作用する。電気的な実装の場合、L個のセンサは、符号化部材の軸方向及び角度検知符号化リングと機械的に接触した通電ブラシを備えてよい。ここで符号化リングは、値Aを定義するための絶縁セクションと、値Bを定義するための導電セクションとを備える。特定のセンサに対して符号化リングの絶縁セクション又は導電セクションのいずれが接触しているかに応じて、上記センサを、各符号化リングの特定の符号化セクションを表す対応する信号を生成するように動作させることができる。電気的接触を有する場合、第1の軸方向検知符号化リングに隣接して追加の軸方向検知符号化リングを設け、これにより、特定の電圧を有するように導電セクションの値Aを定義するためにブラシを用いて電気的に接触させることができる。
【0098】
磁気的な実装の場合、符号化リングを所定のパターンに従って永久磁石化してよい。容量的な実装の場合も同様のことが考えられる。光学的な実装の場合、センサは光生成素子及び光感知素子を備えてよく、その一方で特定の符号化リング上の別個の複数のセクションは異なる反射率を備える。
【0099】
当業者は以上の説明から、請求項により定義される本発明の範囲から逸脱することなく、一体型角度及び軸方向位置センサ設備の複数の変形例を考案できる。角度検知符号化リングに使用する特定のコードを符号化部材の周上で複数回反復することにより、測定分解能を上昇させることができる。
【符号の説明】
【0100】
1 クラウン
10 角度及び軸方向位置センサ設備
20 符号化部材
21、21’、21”、22 軸方向検知符号化リング
23、23’ 角度検知符号化リング
50 測定ユニット
S1 第1のセンサ
S2 第2のセンサ
S3 第3のセンサ
S4 第4のセンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17