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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-121163(P2015-121163A)
(43)【公開日】2015年7月2日
(54)【発明の名称】液体タンク用ブラケット
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20150605BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20150605BHJP
【FI】
   F01N3/08 B
   B01D53/36 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-265717(P2013-265717)
(22)【出願日】2013年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】303002158
【氏名又は名称】三菱ふそうトラック・バス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】長尾 拓
【テーマコード(参考)】
3G091
4D048
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB04
3G091AB15
3G091BA14
3G091BA39
3G091CA17
4D048AA06
4D048AB02
4D048AC03
4D048CC61
(57)【要約】
【課題】ブラケット自体の構造を工夫して熱害対策を施しながら、種々の取付環境や種々の仕様の液体タンクに対してブラケットの共用化を図ることができるようにする。
【解決手段】液体タンク10を車両の取付部に取り付けるためのブラケット20であって、液体タンク10を下方から支持する底面部25と、液体タンク10の左右の側面と対向する左右の側面部26と、液体タンク10の背面12と対向する後面部27と、を備え、後面部27には、液体タンク10の背面12と部分的に接触する凸状面部30が形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体タンクを車両の取付部に取り付けるためのブラケットであって、
前記液体タンクを下方から支持する底面部と、
前記液体タンクの左右の側面と対向する左右の側面部と、
前記液体タンクの背面と対向する後面部と、を備え、
前記後面部には、前記液体タンクの背面と部分的に接触する凸状面部が形成されている
ことを特徴とする液体タンク用ブラケット。
【請求項2】
前記後面部又前記後面部の近傍に、前記凸状面部の周囲の空間とブラケット外部とを連通する隙間が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の液体タンク用ブラケット。
【請求項3】
前記後面部には、外部の熱の進入を遮蔽する遮熱板部が形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の液体タンク用ブラケット。
【請求項4】
前記取付部は、車両のフレームであって、
前記後面部に、前記ブラケットを前記フレームへ取り付ける取付面部が設けられ、
前記遮熱板部は、前記凸状面部の下方に配置され、前記フレームの近傍に配置された熱源に対向する方向に配向され、
前記左右の側面部の前記遮熱板部に隣接する隅部に、前記隙間が形成されている
ことを特徴とする請求項3記載の液体タンク用ブラケット。
【請求項5】
前記底面部には、前記液体タンクの下部に装備されるオプションパーツの突出を許容する穴部が形成されると共に、前記穴部を補強する補強部材が前記オプションパーツの突出空間を回避するように配設されている
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の液体タンク用ブラケット。
【請求項6】
前記液体タンクはユリアタンクである
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の液体タンク用ブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に液体タンクを取り付けるための液体タンク用ブラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、液体タンクが搭載されるものがある。例えばディーゼルエンジンを搭載した車両に装備されるユリアタンクがある。このユリアタンクは、排気ガスを浄化するための尿素SCR(Selectve Catalytic Reduction)システムに用いる尿素水を貯留するもので、尿素水の補給等を考慮して車両外部からアクセスしやすい個所に配置される。
【0003】
なお、尿素SCRシステムでは、SCR触媒を備え、このSCR触媒の排気系上流側の排気通路中に尿素水を噴射し、排気ガス中のNOxを選択的にSCR触媒に吸着させ、尿素水中の尿素を加水分解して還元剤であるアンモニア(NH)をSCR触媒に供給し、SCR触媒に吸着したNOxを還元して窒素と水に分解して排出させることで、NOxの排出濃度を低減させる。
【0004】
ユリアタンクに限らず液体タンクを車両に搭載するには、一般に、ブラケットを介して車体に取り付ける。このユリアタンクの場合、例えばシャシフレームの側部の下方など、車両下部の空いている空間等を利用してブラケットを介して取り付ける(特許文献1参照)。
なお、液体タンクには、板金製のものや樹脂製のものがあり、ユリアタンクの場合、国や地域によって板金製のものに制限されたり、樹脂製のものが許容されたりする。
【0005】
車両の下部空間には例えばマフラー等の熱源が位置する場合があり、液体タンクを熱源の近くに配置せざるを得ない場合がある。液体タンクを熱源の近くに配置すると、タンク内の液体への熱影響や、樹脂製の液体タンクの場合にはタンク自体への熱影響のおそれがある。この場合、液体タンクを支持するブラケットの熱源側の面にインシュレータ(遮熱板)を別途取り付ける等の熱害対策が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−92109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、液体タンクを熱源の近くに配置した場合には、上記のように、別部材のインシュレータを取り付ける等の熱害対策が必要になり部品増を招くため、そのコストが増加する。そこで、部品増を招くことなく、ブラケット自体の構造を工夫することによって熱害対策を施せるようにしたい。
【0008】
さらに、こうして熱害対策の構造を適用したブラケットを汎用性の高いものにして、種々の取付環境や種々の仕様の液体タンクに対してブラケットを共用することができるようにしたい。例えば、液体タンクの取付位置によっては熱害対策が不要な場合もあるが、こうした場合に熱害対策構造付きのブラケットをレイアウト的にもコスト的にも支障なく使用できるようにしたい。また、液体タンクは、仕様によってオプション部品が外部に突出するように配置されて液体タンクの外形が変わるものもある。このような外形が異なる液体タンクに対しても、熱害対策構造付きのブラケットを支障なく使用できるようにしたい。
【0009】
本発明は、ブラケット自体の構造を工夫することによって熱害対策を施しながら、種々の取付環境や種々の仕様の液体タンクの取り付けに用いるブラケットについて、その共用化を図ることができるようにした液体タンク用ブラケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の液体タンク用ブラケットは、液体タンクを車両の取付部に取り付けるためのブラケットであって、前記液体タンクを下方から支持する底面部と、前記液体タンクの左右の側面と対向する左右の側面部と、前記液体タンクの背面と対向する後面部と、を備え、前記後面部には、前記液体タンクの背面と部分的に接触する凸状面部が形成されていることを特徴としている。
【0011】
(2)前記後面部又前記後面部の近傍に、前記凸状面部の周囲の空間とブラケット外部とを連通する隙間が形成されていることが好ましい。
(3)前記後面部には、外部の熱の進入を遮蔽する遮熱板部が形成されていることが好ましい。
【0012】
(4)前記取付部は、車両のフレームであって、前記後面部に、前記ブラケットを前記フレームへ取り付ける取付面部が設けられ、前記遮熱板部は、前記凸状面部の下方に配置され、前記フレームの近傍に配置された熱源に対向する方向に配向され、前記左右の側面部の前記遮熱板部に隣接する隅部に、前記隙間が形成されていることが好ましい。
【0013】
(5)前記底面部には、前記液体タンクの下部に装備されるオプションパーツの突出を許容する穴部が形成されると共に、前記穴部を補強する補強部材が前記オプションパーツの突出空間を回避するように配設されていることが好ましい。
(6)前記液体タンクはユリアタンクであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の液体タンク用ブラケットによれば、液体タンクの背面と対向する後面部に、液体タンクの背面と部分的に接触する凸状面部が形成されているので、後面部の近傍に熱源がありこの熱源から熱を受けて後面部が昇温した場合にも、液体タンクの背面は、この後面部と凸状面部で部分的に接触しており接触面積が制限されるため、後面部から液体タンクへの熱の伝播も抑制される。また、後面部において液体タンクの背面と接触しない部分には、液体タンクとの間に空間が形成されるため、この空間内の空気によって後面部等や液体タンクが冷却される。
【0015】
このように、ブラケット自体の構造を工夫することによって別部材のインシュレータを取り付けることなく液体タンクの熱害対策を施すことができ、熱害対策のコスト増を抑えることができるため、熱害対策が不要な取付位置に液体タンクを取り付ける場合でも、本ブラケットをレイアウト的にもコスト的にも支障なく使用できる。また、液体タンクの背面或いは前記サイドレールに別途取付けられるオプションパーツ等の突出があっても、本ブラケットの後面部および前記サイドレールと液体タンクとの間に形成される空間にこの突出部を収容することができ、本ブラケットを支障なく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態にかかる液体タンク用ブラケットを斜め下方から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる液体タンク用ブラケットに液体タンクを搭載した状態を斜め上方から見た斜視図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる液体タンク用ブラケットに液体タンクを搭載した状態を斜め下方から見た斜視図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる液体タンク用ブラケットに液体タンクを搭載した状態のブラケット下部を液体タンクの背面側から見た要部背面図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる液体タンク用ブラケットに液体タンクを搭載した状態のブラケット下部を液体タンクの側面側から見た要部側面図(図4のA矢視図)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、図中に矢印F,R,T,B,RS,LSを記すが、矢印Fは液体タンク及びブラケットの前方(前面側)を示し、矢印Rは液体タンク及びブラケットの後方(背面側)を示し、矢印Tは液体タンク及びブラケットの上方(上面側)を示し、矢印Bは液体タンク及びブラケットの下方(低面側)を示し、矢印RSは液体タンク及びブラケットの右方(前面を向いて右側)を示し、矢印LSは液体タンク及びブラケットの左方(前面を向いて左側)を示す。
【0018】
また、本実施形態にかかる車両は、ディーゼルエンジンを搭載しシャシフレーム(以下、単に、フレームと言う)を備えたトラックであって、ディーゼルエンジンの排気系には、排気ガス中を浄化するために、尿素SCRシステムが装備されている。このため、車輛には尿素SCRシステムに用いるユリア水(尿素水)を貯留するユリアタンク(尿素水タンク)が装備される。本実施形態にかかる液体タンクは、このユリアタンクである。
【0019】
〔1.構成〕
図2に示すように、ユリアタンク10は、ラダーフレームが採用された車両のシャシフレームの一方のサイドレール2の側面2aを取付部として、この取付部2aにブラケット20を介して取り付けられている。また、フレームの上方には、図示しない荷台等のリヤボディが搭載されるため、ユリアタンク10は、その下部をフレームよりもやや下方に突出させるように配置されている。以下各部を説明する。
【0020】
〔1−1.ユリアタンク〕
図2図3に示すように、ユリアタンク10は、内部にユリア水を貯留するために密閉された容器であり、本実施形態では樹脂製タンクが適用される。ユリアタンク10は、取付部2aに取り付けられる側を背面側とすると、前面部11と、取付部2aと対向する背面部12と、鉛直上方を向いた上面部13と、鉛直下方を向いた下面部14と、左右の側面部15,15と、の6面を有し、直方体形状に形成されている。
【0021】
ただし、ユリアタンク10は、完全な直方体ではなく、種々の部品を取り付けるために、切り欠き状や、凸状又は凹状に形成された箇所が設けられている。
例えば、上面部13と前面部11との角部は斜めに切り欠かれて車両の外方且つ斜め上方を向いた切欠面11aが形成され、この切欠面11aには、ユリア水を供給するための注入口部18が車両外方且つ斜め上方に向け配置されている。
また、注入口部18には、注入口部18に着脱可能なユリアタンクキャップ19が取り付けられている。
【0022】
また、このユリアタンク10には、その内部にポンプ16が装備されており、上面部13の中央及び背面部12側が前面部11側よりも低く形成されており、この部分に、ポンプ16の一部(吐出口等)が上方に突出している。なお、ユリアタンク10の下面部14には下方に突出した突出部14aが結合され、ポンプ16の図示しない吸引口はこのユリアタンク10の突出部14aの底部付近に配置されている。
【0023】
さらに、ユリアタンク10の下面部14の突出部14aは、前面部11側に延びた延設部14bを備えており、この延設部14bには、内部のユリア水の品質を検出するユリア水クオリティセンサ17が一部を延設部14bのさらに下方に突出させて設けられている。このユリア水クオリティセンサ17は、オプション装着される部材であって、国や地域或いは使用者が要求すれば装着される。また、要求がない場合には、ユリア水クオリティセンサ17は省略され、延設部14bも省略され、突出部14aには正面視がほぼ円形のものが適用される。
【0024】
〔1−3.ブラケット〕
図1図2に示すように、ブラケット20は、鋼板等を用いた板金製であり、ユリアタンク10を下方から支持する底面部25と、ユリアタンク10の左右の側面部15,15と対向する左右の側面部26,26と、リアタンク10の背面部12と対向する後面部27と、を備え、これらの面部25〜27によってユリアタンク10を収容するタンク収容空間20Aが形成されている。
【0025】
また、ブラケット20は、底面部25,側面部26,26の主要部及び後面部27の一部を構成するメインパネル21と、後面部27の主要部を構成する後面パネル22と、側面部26,26の一部及び後面部27の一部を補強するスティフナ23,23とが結合されて、上記の底面部25と左右の側面部26,26と後面部27とが形成されている。
【0026】
メインパネル21は、一枚の板金をプレス成型等によって屈曲形成されたもので、底面部25,側面部26,26及び後面部27の一部を形成している。側面部26,26は底面部25の左右を上方に直角に屈曲させて互いに平行になるように起立して形成され、起立した側面部26,26の後面部27の側が互いに接近するようにフランジ状に屈曲形成した屈曲片部21aが後面部27の一部を構成している。
【0027】
側面部26,26は正面視で略直角三角形状に形成され、装着されるユリアタンク10の前方及び上方を向いた斜辺部には、外側にフランジ状に屈曲した上縁部28が形成される。この上縁部28には、ユリアタンク10をブラケット20に固定するためのバンド33を締結するボルト穴28aが複数形成されている。なお、側面部26,26と底面部25との屈曲部には補強用リブ29aが、側面部26,26と上縁部27との屈曲部には補強用リブ29bが、側面部26から後面部21aへの屈曲部には補強用リブ29cが、それぞれ剛性,強度を向上させるために複数形成されている。
【0028】
底面部25には、突出部14aに対応した穴部25aが形成される。この穴部25aは突出部14aの延設部14bに対応して拡大された拡大部25bをそなえている。これにより、底面部25は、ユリアタンク10の延設部14b付きの突出部14aと干渉することなく、ユリアタンク10を下方から支持できるようになっている。また、このように比較的大きな穴部25aによる底面部25の剛性,強度低下を補うために、拡大部25bの近辺には、補強パネル(補強部材)24が結合されている。
【0029】
補強パネル24は、底壁部24aと、底壁部24aの両縁から上方に先端が開いた状態で立設した立壁部24b,24bと、各立壁部24b,24bの先端が外方に折り曲げられたフランジ部24c,24cを有するチャネル形状に形成されている。補強パネル24は、フランジ部24c,24cを底面部25にスポット溶接等によって固設されている。底壁部24aは底面部25から下方に離隔するため、補強パネル24が、突出部14aの延設部14bのさらに下方に突出したユリア水クオリティセンサ17と干渉することなく、底面部25が補強されるとともに、ユリア水クオリティセンサ17を、走行中の飛び石・水はね等の暴露から保護する。
【0030】
後面パネル22は、一枚の板金をプレス成型等によって屈曲形成されたもので、後面部27の主要部を構成し、取付部2aに当接する基礎面部27aと、基礎面部27aからタンク収容空間20Aの側に突出した凸状面部30と、凸状面部30の下方に形成され、外部の熱の進入を遮蔽する遮熱板部31と、遮熱板部31から延設された結合面部31aとを備えている。
【0031】
この後面パネル22は、基礎面部27aをメインパネル21の屈曲片部21aにスポット溶接等によって結合され、結合面部31aをメインパネル21の底面部25にスポット溶接等によって結合される。凸状面部30及び遮熱板部31は、本ブラケット20に特徴的なもので、いずれも、この後面パネル22の近傍に車両の熱源が存在する場合に、樹脂製のユリアタンク10やその内部のユリア水への熱影響を抑制する熱害対策として装備されている。これらについては後述する。
【0032】
スティフナ23は板金製のアングル材であって、メインパネル21の側面部26に外方から重合される側面補強部23aと、メインパネル21の屈曲片部21aに背面側から重合される背面補強部23bとを備え、各補強部23a,23bがメインパネル21の対応箇所にスポット溶接等によって結合される。また、スティフナ23の背面補強部23b及びインパネル21の屈曲片部21aには、ブラケット20をサイドレール2の取付部2aに締結するボルト用の穴部23c,21bが形成されている。
【0033】
〔1−4.熱害対策構造(凸状面部及び遮熱板部)〕
図4図5に示すように、後面パネル22に形成された凸状面部30は、基礎面部27aからタンク収容空間20Aの側に傾斜した左右の傾斜面部30bと、これらの傾斜面部30bの先端に形成され、ユリアタンク10の背面部12の一部に面接触等で当接する当接面部30aとを備えている。これにより当接面部30aとユリアタンク10の背面部12との接触面積が抑えられ、後面パネル22からユリアタンク10の背面部12への熱伝導が抑制されるようになっている。
【0034】
遮熱板部31は、基礎面部27a及び凸状面部30の下方に、基礎面部27aの面(即ち、取付部2aの面)に対して、下方に行くにしたがって離隔するように傾斜した傾斜面で形成される。本実施形態では、遮熱板部31の下端は、メインパネル21の底面部25よりも下方に延設されており、上方への折り返し部31bを介して結合面部31aが形成されている。
【0035】
このように、遮熱板部31が傾斜し且つ方に延設されているのは、図5に矢印Bで示す方向に遮熱板部31と近接して車両の熱源(例えば、マフラー等の排気管)が配置されているためである。遮熱板部31の面を熱源側に向けること、及び、熱源に近い下方まで遮熱板部31を延ばすことにより、遮熱効果を確実に得るようにしている。
【0036】
また、ここでは、傾斜面部30bの上部中央は屈曲して当接面部30aに続く傾斜面部30cとして構成されており、当接面部30aは、基礎面部27a,遮熱板部31,傾斜面部30b,30cによって三次元的に支持されており、当接面部30aの支持剛性や支持強度が確保されている。また、基礎面部27a,傾斜面部30b,30c及び遮熱板部31と、ユリアタンク10の背面部12との間には、空間32aが形成され、この空間32a内の空気により、後面パネル22の各部が冷却されるようになっている。
【0037】
そして、左右の側面部26の遮熱板部31に隣接する隅部(背面側下方の隅部)には、空間32aと外部空間とを連通する隙間32が形成されている。この隙間32から空間32a内には外気が進入でき、空間32a内で後面パネル22を冷却して高温になった空気は、基礎面部27aとユリアタンク10の背面部12との間の空間から上方に排出され、温度の低い外気が隙間32から空間32a内に導入され、効率よく空気冷却が行なわれるようになっている。
【0038】
〔2.作用及び効果〕
本発明の一実施形態にかかる液体タンク用ブラケットは上述のように構成されているので、ユリアタンク10の背面部12と対向するブラケット20の後面部22に、背面部12と部分的に接触する凸状面部30が形成されているので、後面部22の近傍に熱源がありこの熱源から熱を受けて後面部22が昇温した場合にも、ユリアタンク10の背面部12は、この後面部22と凸状面部30で部分的に接触しており接触面積が制限されるため熱の伝達量が抑えられ、後面部22からユリアタンク10への熱の伝播が抑制される。これによって、ユリアタンク10やその内部にユリア水の温度上昇が抑制される。
【0039】
また、後面部22においてユリアタンク10の背面部12と接触しない部分には、ユリアタンク10との間に空間32aが形成されるため、この空間32a内の空気によって後面部22等やユリアタンク10が冷却される。特に、空間32aに外気を導入可能な隙間32が形成されるため、後面部22等やユリアタンク10の空気による冷却はより促進される。これらによっても、ユリアタンク10やその内部にユリア水の温度上昇が抑制される。
【0040】
このように、ブラケット20自体の構造を工夫することによって別部材のインシュレータを取り付けることなくユリアタンク10の熱害対策を施すことができ、熱害対策のコスト増を抑えることができ、また、熱害対策のためのブラケット20の形状変更にかかるコスト増は僅かなものと見込めるため、熱害対策が不要な取付位置にユリアタンク10を取り付ける場合でも、本ブラケット20をレイアウト的にもコスト的にも支障なく兼用(共用)することができ、別の専用ブラケットを用意するのに比べてコストを抑制できる。
【0041】
また、ユリアタンク10の背面或いは前記サイドレール2に別途取付けられるオプションパーツの突出があっても、後面部22とユリアタンク10の背面12との間に形成される空間32aやサイドレール2の取付面2aとユリアタンク10の背面12との間に形成される空間32aよりも上方の空間12aにこのオプションパーツの突出部分を収容することができ、本ブラケット20を支障なく兼用(共用)することができ、別の専用ブラケットを用意するのに比べてコストを抑制できる。
【0042】
また、ブラケット20の底面部25には、ユリアタンク10の下面部14の突出部14aに対応した穴部25aが形成され、さらに、穴部25aは突出部14aの延設部14bに対応して拡大された拡大部25bをそなえているので、底面部25は、ユリアタンク10の延設部14b付きの突出部14aと干渉することなく、ユリアタンク10を下方から支持できる。
【0043】
また、比較的大きな穴部25aによる底面部25の剛性,強度低下を補うために、拡大部25bの近辺に、補強パネル24が結合されているので、底面部25の剛性,強度が確保される。補強パネル24の底壁部24aは底面部25から下方に十分に離隔するため、補強パネル24が、突出部14aの延設部14bのさらに下方に突出したユリア水クオリティセンサ17の一部に、補強パネル24が干渉することなく、底面部25が補強されるとともに、ユリア水クオリティセンサ17を、走行中の飛び石・水はね等の暴露から保護する。
【0044】
〔3.その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、かかる実施形態の一部を変更したり、或いは、かかる実施形態の一部のみを利用したりして実施することができる。
【0045】
例えば、上記実施形態では、ブラケット20により取り付ける液体タンクを、車両のサイドレール2に取り付けられるユリアタンク10として例示したが、本発明のブラケットにより取り付ける液体タンクは、これに限らず、車両に取り付けられる種々の液体タンクに広く適用しうる。
【0046】
また、上記実施形態では、後面部27又後面部27の近傍に、凸状面部30の周囲の空間32aとブラケット外部とを連通する隙間32が形成されており、ブラケット20やユリアタンク10の空気冷却を促進しているが、この隙間32も必須ではなく、ブラケット20の上方空間のみを利用しても冷却空気の入れ替えは可能である。
【0047】
また、上記実施形態では、遮熱板部31によって外部の熱の進入を遮蔽しているが、この板金製の遮熱板部31の表面等にさらに熱の進入を遮蔽するのに適した材料を追加して装着しても良い。また、外部の熱源との距離がある程度あれば、遮熱板部31を小型化したり、省略したりすることも考えられる。
【0048】
また、上記実施形態では、ブラケット20の底面部25には、ユリアタンク10の下面部14の突出部14aに対応した穴部25aが形成され、さらに、穴部25aは、ユリア水クオリティセンサ17のための突出部14aの延設部14bに対応して拡大された拡大部25bをそなえ、大きな穴部25aによる底面部25の剛性,強度低下を補うために、拡大部25bの近辺に、補強パネル24が結合されていているが、ユリアタンク10の下面部14の構造によっては、突出部14aの延設部14bを省略し、補強パネル24を省略したり補強パネル24をよりシンプルな平板状にしたりすることもできる。
【符号の説明】
【0049】
2 サイドレール
2a サイドレール2の側面(取付部)
10 ユリアタンク
11 前面部
11a 切欠面
12 背面部
12a 空間 13 上面部
14 下面部
14a 突出部
14b 延設部
15 側面部
16 ポンプ
17 ユリア水クオリティセンサ
18 注入口部
19 ユリアタンクキャップ
20 ブラケット
20A タンク収容空間
21 メインパネル
21a 屈曲片部
21b ボルト用の穴部
22 後面パネル
23 スティフナ
23a 側面補強部
23b 背面補強部
23c ボルト用の穴部
24 補強パネル(補強部材)
24a 底壁部
24b 立壁部
24c フランジ部
25a 穴部
25b 拡大部
25 底面部
26 側面部
27 後面部
27a 基礎面部
28a ボルト穴
29a 補強用リブ
29b 補強用リブ
30 凸状面部
30a 当接面部
30b,30c 傾斜面部
31 遮熱板部
31a 結合面部
31b 折り返し部
32 隙間
32a 空間
図1
図2
図3
図4
図5