特開2015-160506(P2015-160506A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015160506-スロープ装置 図000003
  • 特開2015160506-スロープ装置 図000004
  • 特開2015160506-スロープ装置 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-160506(P2015-160506A)
(43)【公開日】2015年9月7日
(54)【発明の名称】スロープ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/02 20060101AFI20150811BHJP
【FI】
   B60R3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-36721(P2014-36721)
(22)【出願日】2014年2月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 弘憲
(72)【発明者】
【氏名】川口 聡
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022AA01
3D022AC04
3D022AD06
3D022AE10
(57)【要約】
【課題】本発明は構造が簡単であり、車両の開口端部や高台の段差端部に取り付けることができるアシスト付きの展開機構からなるスロープ装置の提供を目的とする。
【解決手段】スロープと、当該スロープを取り付ける基部側に所定の範囲回動自在に取り付けた回動ブラケットと、当該スロープの展開及び格納をアシストするダンパーとを備え、前記スロープは下端部を回動中心にして外側にスロープ状に展開及び内側に概ね起立状に格納可能であり、前記ダンパーは上端部をスロープに軸着連結し、下端部を回動ブラケットに軸着連結してあることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロープと、当該スロープを取り付ける基部側に所定の範囲回動自在に取り付けた回動ブラケットと、当該スロープの展開及び格納をアシストするダンパーとを備え、
前記スロープは下端部を回動中心にして外側にスロープ状に展開及び内側に概ね起立状に格納可能であり、
前記ダンパーは上端部をスロープに軸着連結し、下端部を回動ブラケットに軸着連結してあることを特徴とするスロープ装置。
【請求項2】
前記回動ブラケットは、スロープの起立格納状態にて、
当該回動ブラケットの上部にて前記ダンパーの下端部と連結してあり、
当該回動ブラケットの回動中心が前記ダンパーの下端部との連結部よりも下側に位置し、かつ、前記ダンパーの軸線Dの延長線上より外側近傍に位置させたことを特徴とする請求項1記載のスロープ装置。
【請求項3】
前記回動ブラケットはスロープを起立格納状態より少し内側に倒すと、回動中心がダンパーの軸線Dの延長線上より内側に移動することで回動ブラケットが外側方向に回動するものであることを特徴とする請求項2記載のスロープ装置。
【請求項4】
前記スロープを外側にスロープ状に展開した状態にて、前記回動ブラケットの回動中心がダンパーの軸線Dの延長線状よりも下側に位置するように、前記回動ブラケットの外側方向の回動範囲を規制したストッパー手段を有することを特徴とする請求項3記載のスロープ装置。
【請求項5】
前記スロープの回動中心を前記回動ブラケットの回動中心よりも外側に位置させ、スロープの起立格納状態にて、回転ブラケットがスロープの外側に突出しないようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスロープ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスロープ装置に関し、特にスロープの展開機構に係る。
【背景技術】
【0002】
車両と路面との間や、建築物の段差部にスロープ面を形成するために使用時にはスロープ状に展開し、使用しないときには起立状態に格納するスロープ装置は公知である。
例えば特許文献1に、車両のテールゲートの内側にスロープ部材を取り付け、テールゲート及びスロープ部材の開閉を一体的にアシストするアシスト機構をテールゲート内に設けた例が開示されている。
しかし、同公報に開示するスロープ装置は車両のテールゲートと一体的に設計、製作をしなければならず、スロープ装置又はテールゲートの設計自由度が制限される。
特許文献2に車両フロアから階段の如き橋体を地表面に展開するのをアシストするガスダンパが外部から目につかないようにフロア面から拡大するフロア拡張部の下部に、このガスダンパを設けた例を開示する。
しかし、同公報に開示するフロア拡張部は下部側にガスダンパを収納しなければならないので構造が複雑であるとともに、このフロア拡張部は概ね水平方向にしか展開できないものである。
また、特許文献1,2のようにスロープの展開側にアシスト機構を設けるとその分だけ、スロープの回動中心が車両の室内側に入り込むので室内空間が狭くなる。
また、車両の後部やテールゲートとの干渉を避けるため工夫が必要となり、設計自由度に制限があった。
特許文献3には、ガススプリングに働く伸長力を補助リンクに伝達させ、この補助リンクにてスロープの引き上げをアシストするスロープ装置を開示する。
しかし、このような補助リンク機構は構造が複雑になるだけでなく、スロープの幅方向に大きな設置スペースが必要になるため、その分だけスロープ幅が狭くなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−224086号公報
【特許文献2】特開2013−216239号公報
【特許文献3】特開2010−64571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は構造が簡単であり、車両の開口端部や高台の段差端部に取り付けることができるアシスト付きの展開機構からなるスロープ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスロープ装置は、スロープと、当該スロープを取り付ける基部側に所定の範囲回動自在に取り付けた回動ブラケットと、当該スロープの展開及び格納をアシストするダンパーとを備え、前記スロープは下端部を回動中心にして外側にスロープ状に展開及び内側に概ね起立状に格納可能であり、前記ダンパーは上端部をスロープに軸着連結し、下端部を回動ブラケットに軸着連結してあることを特徴とする。
ここでスロープを取り付ける基部とは、スロープ装置を搭載する車両フロアや建築物の段差部の高台側等の取付ベース部となる部位をいう。
また、本明細書にてスロープをスロープ状に展開する側を外側と表現し、概ね起立状態に格納する側を内側と表現する。
また、格納状態はスロープが概ね起立状態になっていればよく、必ずしも直角に起立している必要はなく、格納安定性の観点からやや内側に倒れ込むように起立しているのが好ましい。
【0006】
本発明において、回動ブラケットは、スロープの起立格納状態にて、当該回動ブラケットの上部にて前記ダンパーの下端部と連結してあり、当該回動ブラケットの回動中心が前記ダンパーの下端部との連結部よりも下側に位置し、かつ、前記ダンパーの軸線Dの延長線上より外側近傍に位置させてあるのが好ましい。
これにより、前記回動ブラケットはスロープを起立格納状態より少し内側に倒すと、回動中心がダンパーの軸線Dの延長線上より内側に移動することで回動ブラケットが外側方向に回動する。
また、前記スロープを外側にスロープ状に展開した状態にて、前記回動ブラケットの回動中心がダンパーの軸線Dの延長線状よりも下側に位置するように、前記回動ブラケットの外側方向の回動範囲を規制したストッパー手段を有するのが好ましい。
このようにすると、スロープの先端を持ち上げ起立させると回動ブラケットが先に内側に回転する。
なお、前記スロープの回動中心を前記回動ブラケットの回動中心よりも外側に位置させ、スロープの起立格納状態にて、回転ブラケットがスロープの外側に突出しないようにすることもできる。
本発明においてスロープは1つでもよく、複数のスロープをスライド式、折り畳み式に連結してあっても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るスロープ装置の展開機構にあっては、スロープの展開及び格納操作に追随して、ダンパーの下端部を連結した回動ブラケットが所定の範囲回動するので、部品点数が少なく簡単な構造からなる低コストの展開機構となる。
スロープを展開する際には、スロープを格納状態から少し内側に倒すだけで回動ブラケットが外側に向けて回転突出するので、この外側に突出した回動ブラケットにダンパーの下端部が支えられるようにしてスロープがゆっくり外側に回転及び展開する。
一方、スロープを格納方向に起立させると、回動ブラケットが内側に回動するのでダンパーの下端部が内側に移動しつつスロープが起立する。
また、本発明に係る展開機構にあっては、回動ブラケットをスロープの格納状態にてスロープの基部側の回動中心よりも内側に配置することもできるので車体フロアの開口端部や建築物高台の段差端部の先端ギリギリにスロープを取り付けることができるので室内側のスペースの確保がしやすい。
また、スロープの幅方向の側部にダンパー及び回動ブラケットを設けるだけなのでスロープの幅寸法を車両の開口部に合せ大きく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)はスロープを起立格納した状態、(b)はスロープを少し内側に倒した際のダンパーの軸線Dと回動ブラケットの中心の位置関係を示す。
図2】(a)は回動ブラケットが外側に向けて回転及び突出した状態を示し、(b)はスロープの展開状態から起立格納方向に移動させる状態を示す。
図3】本発明に係るスロープ装置を車両のバックドアの内側に取り付けた例を示す。(a)は格納状態、(b),(c)は車外に展開した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るスロープ装置の構造例を以下図面に基づいて説明する。
図1(a)はスロープ装置100を概ね起立状態に格納した状態の側面視を示す。
本実施例は車両のフロアや建築物の高台に後付けしやすいように、フラッパー40の外側端部に、スロープ10を構成する基端スロープ11の下端部を枢着部11cにて枢着(軸着)し、この枢着部11cよりも少し内側に回動中心32を有する回動ブラケット30を取り付けた例になっている。
回動ブラケット30は側面視にて略三角形状になっており、この回動ブラケット30の上部の軸着部31にてダンパー20の下端部を軸支連結し、ダンパー20の上端部の軸着部11bにて基端スロープ11の側部と連結板11aを介して軸支連結してある。
ダンパー20はシリンダー21と、このシリンダー内を摺動するロッド22からなり、シリンダー21内に封入された流体によりロッド22がゆっくり伸縮するようになっている。
本実施例ではシリンダー21の端部を上端部として基端スロープ11のスロープ方向途中の側面部に連結板11aで連結し、ロッド22側の端部を下端部として回動ブラケット30の上部の軸着部31に軸支させた例になっている。
図1(a)に示したスロープ10の格納状態では拡大図に示すように、上方がやや内側に傾斜したダンパー20の軸線Dの延長線上より少し外側に回動ブラケット30の回動中心32が位置する。
即ち、回動ブラケット30の上部にてダンパー20の下端部の軸着部と軸着連結してあり、回動ブラケット30の回動中心32は上記ダンパー20の下端部の軸着部よりも下側に位置し、且つ、ダンパー20の軸線Dの延長線よりも外側近傍に位置するようにフラッパー40の側部の立設片40bに軸着してある。
この状態では回動ブラケット30の下辺部33が、フラッパー40の立設片40bの外側に段差状に設けた規制部41に当接し、格納状態が維持されている。
従って、この状態では回動ブラケット30には内側方向Wの方向に回転力が作用している。
また、この状態では図1(a)に示すように回動ブラケット30は基端スロープ11よりも外側に突出しないようになっている。
本発明においてスロープ10の構造に制限はない。
本実施例は基端スロープ11に対して第2スロープ12及び第3スロープ13が順次スライド伸長及び縮小可能になっている。
【0010】
スロープ10を格納状態から図1(b)に示すように基端スロープ11をfの力にて少し内側に倒す。
すると図1(b)拡大図に示すようにダンパー20の軸線Dの延長線上の内側に回動ブラケット30の回動中心32が移動する。
一旦、この状態になると回動ブラケット30には外側方向の回転力Wが発生する。
これにより図2(a)に示すようにダンパー20のロッド22が伸長し、回動ブラケット30が回転し、その上部が基端スロープ11の枢着部11cよりも外側に突出する。
この状態でスロープ10を外側に展開するとスロープ10はダンパー20にて外側から支えられながらゆっくり外側に倒れ、さらにスロープ状に展開する。
図3に、本発明に係るスロープ装置100を車両1のバックドア2の内側に装着した例を示す。
図3(a)の状態からバックドア2を開き(b),(c)のように外側の路面に向かってスロープ面を形成することができる。
回動ブラケット30が起立格納時には図3(a)に示すように基端スロープ11よりも内側に位置するのでバックドアの取り付け内側にフロア最端部Bに取り付けることができるので、車両のフロアとの干渉が少なく室内スペースを広くとることができる。
また、本実施例ではフラッパー40にスロープ10及び回動ブラケット30を取り付けたのでフラッパー40を車両のフロアに取り付けるだけで車両に搭載できる。
本実施例ではフラッパー40から車両フロア側に車椅子等が走行しやすいように先端が薄く、テーパー状のつなぎ部40aを取り付けてある。
【0011】
回動ブラケットが外側に回転及び突出した状態では図2(a)拡大図に示すように、回動ブラケット30の回動中心32よりも外側に段差状の切欠き当接部34を形成してあり、この切欠き当接部34がフラッパー40の外側端部の規制部42に当たり、回動ブラケット30かそれ以上、外側に回転しないようにストッパー手段を設けてある。
また、この状態では図2(b)に示すようにダンパー20の軸線Dの延長線上よりも回動ブラケットの回動中心32が位置するように設定してあり、スロープ10をfの方向に持ち上げようとすると、回動ブラケット30に内側方向の回転力Wが生じ、回動ブラケット30が内側方向に起立回転しながらスロープ10が起立する。
これによりスロープ10が図1(a)の状態に格納される。
本発明においてはダンパー20及び回動ブラケット30をスロープの幅方向両側に設けてもよく、幅の狭いスロープの場合は片側のみでもよい。
基端スロープの側部に回動ブラケット30を介してダンパー20を取り付けた簡単な構造であるので省スペース化を図ることができ、スロープの幅方向を従来の特許文献3に比較して広く採用できる。
【符号の説明】
【0012】
10 スロープ
11 基端スロープ
12 第2スロープ
13 第3スロープ
20 ダンパー
21 シリンダー
22 ロッド
30 回動ブラケット
40 フラッパー
100 スロープ装置
図1
図2
図3