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特開2015-183892ノズル、バーナ、燃焼器、ガスタービン、ガスタービンシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-183892(P2015-183892A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】ノズル、バーナ、燃焼器、ガスタービン、ガスタービンシステム
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20150925BHJP
   F02C 9/00 20060101ALI20150925BHJP
   F23R 3/26 20060101ALI20150925BHJP
   F23R 3/16 20060101ALI20150925BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20150925BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20150925BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F02C9/00 B
   F23R3/26 B
   F23R3/28 D
   F23R3/16
   F02C7/22 C
   F23R3/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-59127(P2014-59127)
(22)【出願日】2014年3月20日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】井上 慶
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 智志
(72)【発明者】
【氏名】赤松 真児
(72)【発明者】
【氏名】谷口 健太
(72)【発明者】
【氏名】安部 直樹
(57)【要約】
【課題】ノズル先端部への逆火を確実に抑制する。
【解決手段】燃焼器10は、先端部25sから空気を噴射させる空気噴射部51が形成されたノズル25と、前記ノズル25を外周側から覆うと共に、前記ノズル25との間に空気流路を形成する筒状部材26と、前記空気流路に設けられ、前記空気流路を流れる空気に圧力損失を生じさせる圧力損失部27と、を備え、前記ノズル25は、前記圧力損失部27よりも上流側の外周面から空気を取り入れる空気取入部52と、前記空気取入部52から取り入れた空気を前記空気噴射部51まで導く噴出空気流路R2を形成する流路形成部50と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を噴射する燃焼器のノズルであって、
先端部から空気を噴射させる空気噴射部を備えるノズル。
【請求項2】
請求項1に記載のノズルを備え、燃料を噴射するバーナ。
【請求項3】
請求項2に記載のバーナを備える燃焼器であって、
前記ノズルを外周側から覆うと共に、前記ノズルとの間に空気流路を形成する筒状部材と、
前記空気流路に設けられ、前記空気流路を流れる空気に圧力損失を生じさせる圧力損失部と、を備え、
前記ノズルは、
前記圧力損失部よりも上流側の外周面から空気を取り入れる空気取入部と、
前記空気取入部から取り入れた空気を前記空気噴射部まで導く流路を形成する流路形成部と、を備える燃焼器。
【請求項4】
前記空気取入部は、前記ノズルの外周面に複数設けられ、
前記流路形成部は、複数の前記空気取入部から取り入れた空気を、前記空気噴射部の上流側で合流させる合流部を備える請求項3に記載の燃焼器。
【請求項5】
前記流路形成部は、断面円環状の流路を形成する請求項3に記載の燃焼器。
【請求項6】
前記流路形成部は、同心円上に配される複数の流路を形成する請求項3に記載の燃焼器。
【請求項7】
請求項3から5の何れか一項に記載の燃焼器と、
前記燃焼器から送り出された燃焼ガスにより回転するロータを備えたタービン本体と、
を備えるガスタービン。
【請求項8】
請求項1に記載のノズルを備える燃焼器と、
前記燃焼器から送り出された燃焼ガスにより回転するロータを備えたタービン本体と、
前記タービン本体の車室内の空気を前記空気噴射部に供給する車室空気供給部と、
前記車室空気供給部における前記車室から前記空気噴射部への前記空気の供給を制御する制御弁と、
前記燃焼器における逆火の発生を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記制御弁を開閉制御する制御装置と、
を備えるガスタービンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼器に用いられるノズル、バーナ、燃焼器、ガスタービン、ガスタービンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガスタービンの燃焼器においては、圧縮機から送られた圧縮空気(燃焼用空気)に予め燃料を混合して混合気を生成して、この混合気を燃焼させる予混合燃焼方式が広く用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この種の燃焼器としては、燃焼器の中心軸線上に設けられたパイロットノズルと、このパイロットノズルと平行に配置された複数のメインノズルとを有するものが知られている。
【0003】
このような予混合燃焼方式を採用したガスタービン燃焼器では、混合気の流速が低い領域において、火炎が混合気の流れ方向に逆行する逆火が発生することがある。
【0004】
特許文献4には、メインノズルの外周側に備えられ、圧縮機から送り込まれた圧縮空気を旋回させる旋回翼の下流端部近傍に、空気等の流体を噴射する流体噴射穴を備えた構成が開示されている。この構成では、流体噴射穴から流体を高速で噴射することによって、混合気の流速が低い領域を減らすとともに、下流端部の燃料濃度を減少させることによって、逆火の発生を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−46333号公報
【特許文献2】特許第3139978号公報
【特許文献3】特開平8−261466号公報
【特許文献4】特開2011−17334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献4に記載のように、旋回翼の下流端部近傍に流体噴射穴を備えた構成では、流体の噴射によって逆火の発生を抑制できる部位が限られる。例えば、メインノズルの先端に対しては、流体の噴射による逆火の発生抑制効果を発揮することができない。
【0007】
メインノズルの先端部近傍は、旋回翼によって発生した旋回流の渦芯となるため流速が遅い。このため、逆火が発生した場合、火炎がメインノズルの先端部に向けて遡上する。そして、遡上した火炎がノズル先端近傍で停滞すると、ノズル先端が焼損してしまう可能性がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ノズル先端部への逆火を確実に抑制することのできるノズル、バーナ、燃焼器、ガスタービン、ガスタービンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明に係るノズルは、燃料を噴射する燃焼器のノズルであって、先端部から空気を噴射させる空気噴射部を備える。
このように構成することで、ノズルの空気噴射部から空気を噴射させると、ノズルを備えた燃焼器では、ノズルの先端部近傍で、燃料と空気とが混合された混合気における燃料濃度を下げることができる。これにより、ノズルの先端部で火炎が発生し難くなる。また、空気噴射部から噴射される空気により、ノズルの先端部における混合気の流速が高まる。これにより、逆火が発生した場合、火炎がノズルの先端部に向けて遡上し難くなる。
【0009】
この発明に係るバーナは、上記のノズルを備え、燃料を噴射する。
このように構成することで、ノズルの空気噴射部から空気を噴射させると、ノズルの先端部近傍で、混合気における燃料濃度を下げることができる。
【0010】
また、この発明に係る燃焼器は、上記のバーナを備える燃焼器であって、前記ノズルを外周側から覆うと共に、前記ノズルとの間に空気流路を形成する筒状部材と、前記空気流路に設けられ、前記空気流路を流れる空気に圧力損失を生じさせる圧力損失部と、を備え、前記ノズルは、前記圧力損失部よりも上流側の外周面から空気を取り入れる空気取入部と、
前記空気取入部から取り入れた空気を前記空気噴射部まで導く流路を形成する流路形成部と、を備える。
このように構成することで、燃焼器において、ノズルと筒状部材との間に形成された空気流路では、圧力損失部により、空気流路を流れる空気に圧力損失が生じる。そして、ノズルは、圧力損失部よりも上流側に空気取入部を有し、前記圧力損失部よりも下流側にノズルの先端部の空気噴射部を有する。これにより、空気取入部と空気噴射部との間には、圧力損失部での圧力損失により圧力差が生じる。すると、流路形成部によって形成された流路において、空気取入部から空気噴射部に向かう空気の流れが発生する。このようにして、ノズルの外周面に形成された空気取入部から流路内に空気を効率良く取り入れて、空気噴射部から噴射させることができる。
【0011】
また、この発明に係る燃焼器は、上記燃焼器において、前記空気取入部は、前記ノズルの外周面に複数設けられ、前記流路形成部は、複数の前記空気取入部から取り入れた空気を、前記空気噴射部の上流側で合流させる合流部を備えるようにしてもよい。
このように構成することで、複数の空気取入部から取り入れた空気は、流路形成部によって形成された流路を通り合流部で合流する。合流した空気は、空気噴射部から噴射される。これにより、空気噴射部からの空気噴射量を増大させることができる。
【0012】
また、この発明に係る燃焼器は、上記燃焼器において、前記流路形成部は、断面円環状の流路を形成するようにしてもよい。
このように構成することで、複数本の流路を並設する場合に比較し、流路断面積を容易に大きく確保することができる。
【0013】
また、この発明に係る燃焼器は、上記燃焼器において、前記流路形成部が、同心円上に配される複数の流路を形成するようにしてもよい。
このように構成することで、例えば、断面円環状の流路を形成する場合のように、流路断面積を容易に大きくできるとともに、流路形成部の施工性も向上することができる。
【0014】
この発明に係るガスタービンは、上記したような燃焼器と、前記燃焼器から送り出された燃焼ガスにより回転するロータを備えたタービン本体と、を備える。
このようなガスタービンによれば、ノズルの先端部への逆火の遡上、および逆火の発生を抑えることができる。
【0015】
この発明に係るガスタービンシステムは、上記のノズルを備える燃焼器と、前記燃焼器から送り出された燃焼ガスにより回転するロータを備えたタービン本体と、前記タービン本体の車室内の空気を前記空気噴射部に供給する車室空気供給部と、前記車室空気供給部における前記車室から前記空気噴射部への前記空気の供給を制御する制御弁と、前記燃焼器における逆火の発生を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記制御弁を開閉制御する制御装置と、を備える。
このようなガスタービンシステムによれば、車室空気供給部から車室内の空気を空気噴射部に供給することで、空気噴射部から空気を噴射し、ノズルの先端部への逆火の遡上、および逆火の発生を抑えることができる。また、制御弁および制御装置で制御することにより、車室空気供給部による空気噴射部への空気の供給量を調整することができる。制御装置は、例えば、検出部で逆火の発生を検出した場合に、車室空気供給部による空気噴射部への空気の供給を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るノズル、バーナ、燃焼器、ガスタービン、ガスタービンシステムによれば、ノズル先端部への逆火を確実に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この実施形態のガスタービンの概略構成を示す半断面図である。
図2】上記ガスタービンの第一実施形態における燃焼器を示す断面図である。
図3】上記燃焼器の構成を示す断面図である。
図4】上記燃焼器のメインノズルの構成を示す断面図である。
図5】上記メインノズルの軸線に直交する断面図である。
図6】上記メインノズルの変形例を示す図である。
図7】第二実施形態におけるガスタービンシステムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施形態に係るノズル、バーナ、燃焼器、ガスタービン、ガスタービンシステムを図面に基づき説明する。
(第一実施形態)
図1は、この実施形態のガスタービンの概略構成を示す半断面図である。図2は、上記ガスタービンに備えられた燃焼器を示す断面図である。図3は、上記燃焼器の構成を示す断面図である。
図1に示すように、この実施形態のガスタービン1は、圧縮機2と、複数の燃焼器10と、タービン(タービン本体)3と、を備える。
【0019】
圧縮機2は、空気を空気取込口から作動流体として取り込んで圧縮空気を生成する。
燃焼器10は、圧縮機2の吐出口に接続されている。燃焼器10は、圧縮機2から吐出された圧縮空気に燃料を噴射して高温・高圧の燃焼ガスを発生させる。
タービン3は、燃焼器10から送り出された燃焼ガスの熱エネルギをロータ3aの回転エネルギに変換して駆動力を発生させる。このタービン3は、発生させた駆動力をロータ3aに連結された発電機(図示無し)に伝達する。
【0020】
図2に示すように、各燃焼器10は、燃焼器本体11と、尾筒30とを備えている。燃焼器本体11は、供給された燃料と圧縮空気Aとを反応させる燃焼室として機能する。尾筒30は、燃焼器本体11から流入した燃焼ガスBの流速を速めて後流のタービン3に導入する。
【0021】
図2図3に示すように、燃焼器本体11は、円筒状の内筒12と、内筒12の中心軸方向一端側の外周側に同心円状に設けられた外筒13と、を備えている。
外筒13と内筒12との間から燃焼器本体11内に流入した圧縮空気Aは、外筒13の一端側13aで180°転回し、内筒12の内部に供給される。
【0022】
図3に示すように、燃焼器本体11は、内筒12内にパイロットバーナ21と、メインバーナ(バーナ)22と、を備えている。
【0023】
パイロットバーナ21は、内筒12の中心軸Oに沿って設けられている。パイロットバーナ21は、外部から供給される燃料を先端部21aから噴射し、この燃料に着火することで火炎を生成する。パイロットバーナ21は、パイロットコーン24を備えている。パイロットコーン24は、パイロットバーナ21の先端部21aの外周側を囲む筒状に形成されている。パイロットコーン24は、パイロットバーナ21の先端部21a近傍から、火炎の生成方向に向けて、その内径が漸次拡大するテーパコーン部24cを有している。テーパコーン部24cは、火炎の拡散範囲、方向を規制し、保炎性を高めている。
【0024】
メインバーナ22は、内筒12内に複数本設けられている。これらメインバーナ22は、パイロットバーナ21の外周側に周方向に間隔を空けて配されている。各メインバーナ22は、内筒12の中心軸Oに平行に延びている。
【0025】
メインバーナ22の先端部には、メインノズル(ノズル)25が設けられている。メインノズル25は、先端部25sに向かってその外径が漸次縮小する略円錐状をなしている。
【0026】
メインバーナ22は、メインノズル25の外周側に、コーン部材(筒状部材)26を備えている。コーン部材26は、筒状で、メインノズル25を外周側から囲うように設けられている。コーン部材26は、内筒12の中心側のパイロットコーン24に近接する側26aが、火炎の生成方向に向けて漸次外周側に傾斜して形成されている。コーン部材26は、メインバーナ22との間に圧縮空気Aが流れる主流路R1を形成する。
【0027】
メインバーナ22は、コーン部材26内にメインスワラ(圧力損失部)27を備えている。メインスワラ27は主流路R1における流れに旋回力を付与する。
メインバーナ22は、メインバーナ22の外周面側に、例えばメインスワラ27に設けられた燃料ノズル(図示無し)から燃料(メイン燃料)が噴射される。燃料ノズル(図示無し)は、メインスワラ27以外の部位、例えばメインバーナ22の外周面側において後述する空気取入口52よりも下流側の部位等に設けても良い。この燃料は、内筒12内の圧縮空気Aと混合し、予混合気Fを生成する。メインスワラ27により生成された旋回流によって、予混合気Fはメインバーナ22周りに旋回しながら主流路R1を下流に向けて流れていく。
【0028】
図4は、上記燃焼器のメインノズルの構成を示す断面図である。図5は、上記メインノズルの軸線に直交する断面図である。
図4に示すように、メインノズル25は、流路孔(流路形成部)50と、空気噴射口(空気噴射部)51と、空気取入口(空気取入部)52と、を備えている。
【0029】
流路孔50は、メインノズル25の軸方向に向かって延びている。図4図5に示すように、この実施形態において、複数本の流路孔50が形成されている。これら流路孔50は、メインノズル25の周方向に間隔を空けて配されている。これら流路孔50は、メインノズル25と同心円上にそれぞれ配されている。図5においては、流路孔50が3つ形成される場合を例示しているが、2つ以上であってもよい。これら複数の流路孔50によってこの発明の流路形成部が構成されている。
【0030】
図4に示すように、空気噴射口51は、メインノズル25の先端部25sに開口して形成されている。
空気取入口52は、メインノズル25の外周面に複数形成されている。各空気取入口52は、それぞれ流路孔50の一端が、メインノズル25の外周面に開口することで形成されている。各空気取入口52は、メインノズル25の外周面において、メインスワラ27よりも上流側に開口している。
【0031】
複数本の流路孔50は、メインノズル25内の合流部54で一本に合流し、一つの空気噴射口51に連通している。このようにして、流路孔50は、メインスワラ27よりも上流側の空気取入口52から取り入れた圧縮空気Aを、メインノズル25の先端部25sの空気噴射口51まで導く噴出空気流路R2を形成する。
【0032】
このようなメインノズル25を備えたメインバーナ22は、主流路R1を流れる圧縮空気Aの一部が空気取入口52から流路孔50内に流れ込み、メインノズル25の先端部25sの空気噴射口51から噴出される。空気噴射口51から圧縮空気Aを噴射させると、メインノズル25の先端部25s近傍における、予混合気Fにおける燃料濃度が下がる。また、空気噴射口51から噴射される圧縮空気Aにより、メインノズル25の先端部25sにおける予混合気Fの流速が高まる。
【0033】
また、メインノズル25とコーン部材26との間に形成された主流路R1では、メインスワラ27で予混合気Fを旋回させることにより、主流路R1を流れる予混合気Fに圧力損失が生じる。メインノズル25は、メインスワラ27よりも上流側に空気取入口52を有し、メインスワラ27よりも下流側にメインノズル25の先端部25sの空気噴射口51を有している。これにより、空気取入口52と空気噴射口51との間には、メインスワラ27での圧力損失によって圧力差が生じる。具体的には、空気取入口52側の方が、空気噴射口51側よりも圧力が高い。この圧力差により、流路孔50によって形成された噴出空気流路R2において、空気取入口52から空気噴射口51に向かう流れが発生する。このようにして、メインノズル25の外周面に形成された空気取入口52から噴出空気流路R2内に空気を良好に取り入れることができる。
【0034】
したがって、上述した第一実施形態のメインノズル25、燃焼器10、ガスタービン1によれば、メインノズル25の先端部25sに空気噴射口51を設けていることで、この空気噴射口51から圧縮空気Aを噴射させると、メインノズル25の先端部25s近傍における予混合気Fの燃料濃度が下がる。そのため、インノズル25の先端部25sで火炎が発生し難くなる。また、空気噴射口51から噴射される圧縮空気Aにより、メインノズル25の先端部25sにおける予混合気Fの流速が高まる。そのため、逆火が発生した場合、火炎がメインノズル25の先端部25sに向けて遡上し難くなる。
このようにして、メインノズル25の先端部25sへの逆火の遡上および発生を確実に抑制することが可能となる。その結果、メインノズル25の焼損も避けることができる。
【0035】
しかも、空気噴射口51に連通する流路孔50は、メインスワラ27よりも上流側に空気取入口52を有し、メインスワラ27よりも下流側にメインノズル25の先端部25sの空気噴射口51を有している。そのため、メインスワラ27での圧力損失によって空気取入口52と空気噴射口51との間に生じる圧力差によって、空気取入口52から噴出空気流路R2内に空気を良好に取り入れることができる。これにより、逆火の抑制を、確実かつ効率的に行うことができる。
【0036】
また、メインノズル25は、複数組の空気取入口52および流路孔50を有し、これらが、合流部54にて合流するようにした。これにより、複数の空気取入口52から取り入れた空気が、流路孔50に形成された噴出空気流路R2を通り、合流部54で合流する。その後、この合流した空気が、空気噴射口51から噴射される。そのため、空気噴射口51からの空気噴射量を増大させることができる。
【0037】
さらに、流路形成部が同心円上の複数の流路孔50を形成するため、流路断面積を容易に大きくできるとともに、流路形成部の施工性も向上することができる。
【0038】
(第一実施形態の変形例)
上記第一実施形態では、メインノズル25は、流路孔50を複数備えているが、これに限らない。
図6は、上記メインノズルの変形例を示す図である。
図6に示すように、流路孔50Bは、断面形状が円環状をなすようにしても良い。これは、メインノズル25を二重管構造とすることで実現できる。
このように構成することで、複数本の流路孔50を並設する場合と比較して、容易に流路断面積を大きくして十分な流路断面積を確保することができる。これにより、空気噴射口51からの空気噴射量を増大させることができる。
【0039】
(第二実施形態)
次に、この発明にかかるガスタービンシステムについて説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図7は、第二実施形態におけるガスタービンシステムの概略構成を示す図である。
図7に示すように、この実施形態におけるガスタービンシステム100は、燃焼器10と、タービン3(図1参照)と、車室空気供給管(車室空気供給部)60と、制御弁61と、検出センサ(検出部)62と、制御装置63と、を備える。
【0040】
燃焼器10に設けられたメインバーナ22のメインノズル25Bは、先端部25sに空気噴射口51を備える。メインノズル25Bには、空気噴射口51に一端が連通する流路孔50が形成されている。
【0041】
車室空気供給管60は、メインノズル25Bの流路孔50の他端に接続されている。車室空気供給管60は、タービン3の車室内の圧縮空気Aを空気噴射口51に供給する。これにより、メインノズル25Bの空気噴射口51から、空気が噴射される。
【0042】
制御弁61は、車室空気供給管60に設けられている。制御弁61は、開閉操作を行うことで、車室空気供給管60における車室から空気噴射口51への圧縮空気Aの供給を制御する。
【0043】
検出センサ62は、燃焼器10における逆火の発生を検出する。このような検出センサ62としては、メインバーナ22のメインノズル25Bの近傍に設けられた温度センサ、
圧力センサ、光度センサ等を用いることができる。検出センサ62は、メインノズル25Bの近傍における温度、圧力、光度等を検出し、その検出データを制御装置63に出力する。
【0044】
制御装置63は、検出センサ62の検出結果に基づいて制御弁61を開閉制御する。制御装置63は、検出センサ62で検出したメインノズル25Bの近傍における温度、圧力、光度等のパラメータの変化を監視し、メインノズル25Bの近傍で逆火が発生したか否かを判定する。そして、逆火が発生したと判定された場合に、制御装置63は、制御弁61を開くようになっている。
制御弁61が開放されると、車室空気供給管60を通して、タービン3の車室内の圧縮空気Aが空気噴射口51に供給される。これにより、メインノズル25Bの空気噴射口51から空気が噴射され、メインノズル25の先端部25sへの逆火の遡上および逆火の発生を抑制することが可能となる。その結果、メインノズル25の焼損を避けることができる。
【0045】
また、制御装置63は、ガスタービン1の運転状態が、予め定めた状態となったときに、制御弁61を開き、メインノズル25Bの空気噴射口51から、空気を噴射するようにしてもよい。
【0046】
このようなガスタービンシステム100によれば、制御装置63における制御により、逆火が発生した場合や、逆火が発生しやすい状態である場合等に、空気噴射口51から圧縮空気Aを噴射する。これにより、メインノズル25の先端部25sへの逆火の遡上、および逆火の発生を抑えることができる。
このような制御を行うことで、不要時においては、空気噴射口51からの空気の噴射を停止させることができる。
【0047】
(その他の変形例)
なお、上記実施形態で、メインスワラ27を圧力損失部としたが、これに限らない。空気流路を流れる空気に圧力損失を生じさせることができるのであれば、いかなる構成としても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 ガスタービン
2 圧縮機
3 タービン(タービン本体)
3a ロータ
10 燃焼器
11 燃焼器本体
12 内筒
13 外筒
13a 一端側
21 パイロットバーナ
21a 先端部
22 メインバーナ(バーナ)
24 パイロットコーン
24c テーパコーン部
25,25B メインノズル(ノズル)
25s 先端部
26 コーン部材(筒状部材)
27 メインスワラ(圧力損失部)
30 尾筒
50,50B 流路孔(流路形成部)
51 空気噴射口(空気噴射部)
52 空気取入口(空気取入部)
54 合流部
60 車室空気供給管(車室空気供給部)
61 制御弁
62 検出センサ(検出部)
63 制御装置
100 ガスタービンシステム
A 圧縮空気
B 燃焼ガス
F 予混合気
O 中心軸
R1 主流路
R2 噴出空気流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7