特開2015-222753(P2015-222753A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イビデン株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000003
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000004
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000005
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000006
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000007
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000008
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000009
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000010
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000011
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000012
  • 特開2015222753-プリント配線板及びその製造方法 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-222753(P2015-222753A)
(43)【公開日】2015年12月10日
(54)【発明の名称】プリント配線板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20151113BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20151113BHJP
【FI】
   H05K3/46 T
   H05K3/46 B
   H05K3/46 X
   H01L23/12 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-106006(P2014-106006)
(22)【出願日】2014年5月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(72)【発明者】
【氏名】呉 有紅
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA06
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA17
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC02
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC32
5E316DD02
5E316DD03
5E316DD22
5E316DD33
5E316EE31
5E316FF04
5E316HH11
5E316HH33
(57)【要約】
【課題】絶縁層のうち最外導電回路層が積層される面の平面度を従来より高くすることが可能なプリント配線板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のプリント配線板10では、最外導電回路層21の下方に配置される第1絶縁層16のうち最外導電回路層21側に第1絶縁層16より薄い第2絶縁層17を積層することで第1絶縁層16の微少な凹凸を第2絶縁層17で埋めて、その第2絶縁層17のうち最外導電回路層21側を第1絶縁層16側より平坦にすることができる。これにより第1絶縁層16と第2絶縁層17とからなる絶縁層15のうち最外導電回路層21が積層される面の平面度を従来より高くすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に積層されかつ、基板実装部品に対する接続部を備える最外導電回路層と、
前記第1絶縁層下に積層されている内部導電回路層と、を備えるプリント配線板であって、
前記第1絶縁層と前記最外導電回路層との間に挟まれかつ前記第1絶縁層より薄い第2絶縁層を有し、
前記第2絶縁層の前記最外導電回路層側は、前記第1絶縁層側より平坦になっている。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板において、
前記第2絶縁層は、補強材を含有していない、又は無機フィラーの含有量が第1絶縁層より少ない熱硬化性絶縁樹脂である。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプリント配線板において、
前記第1絶縁層は、30〜70重量%の無機フィラーを含有している。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載のプリント配線板において、
前記第2絶縁層の平均厚さは、前記最外導電回路層と前記内部導電回路層との間隔の20〜45%になっている。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載のプリント配線板において、
前記第2絶縁層は、複数絶縁層からなる。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載のプリント配線板において、
前記最外導電回路層と前記内部導電回路層との間隔は、7〜30[μm]になっている。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載のプリント配線板において、
前記内部導電回路層、前記第1絶縁層、前記第2絶縁層及び前記最外導電回路層が表裏の両側に積層されているコア基板を有する。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載のプリント配線板において、
前記最外導電回路層上に積層されているソルダーレジスト層を有する。
【請求項9】
補強材を含有する第1絶縁層を導電回路層上に積層することと、
前記第1絶縁層上に、熱硬化性絶縁樹脂を塗布して、又は、熱硬化性絶縁樹脂フィルムを敷設して、第2絶縁層を形成することと、
前記第2絶縁層上に、基板実装部品に対する接続部を備える最外導電回路層を積層することと、を行うプリント配線板の製造方法であって、
前記第2絶縁層上に前記最外導電回路層を積層する前に、前記第2絶縁層を加熱板、または、ローラにて平坦に加圧成形することを行う。
【請求項10】
請求項9に記載のプリント配線板の製造方法において、
コア基板の表裏の両側に前記導電回路層、前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層の順に積層することと、
表裏の両側に前記第2絶縁層まで積層された前記コア基板を、互いに平行な対向面を有する第1と第2の加熱板、または、ローラの間で挟んで前記第2絶縁層を平坦に加圧成形することとを行う。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記第2絶縁層を硬化温度より低い温度の加熱板、または、ローラで平坦に加圧してから前記硬化温度より高い温度になるまで加熱することを行う。
【請求項12】
請求項9乃至11の何れか1の請求項に記載のプリント配線板の製造方法において、
粘度5〜600[Pa・s]の流体状の熱硬化性絶縁樹脂を前記第1絶縁層上に塗布して前記第2絶縁層を形成する。
【請求項13】
請求項9乃至11の何れか1の請求項に記載のプリント配線板の製造方法において、
片面に剥離シートが重ねられた熱硬化性絶縁樹脂フィルムを用意することと、
前記熱硬化性絶縁樹脂フィルムのうち前記剥離シートと反対側を前記第1絶縁層に重ねて前記第2絶縁層を形成することと、
前記剥離シートの上から加熱板を押し付けて前記第2絶縁層を平坦に加圧成形することと、
前記剥離シートを前記第2絶縁層から剥離することとを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部導電回路層上に絶縁層を介して最外導電回路層が積層され、その最外導電回路層に、基板実装部品に対する接続部が設けられているプリント配線板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のプリント配線板として、内部導電回路層上に熱硬化性の樹脂シートを敷設して加熱プレスすることで絶縁層を形成したものが知られている。また、絶縁層の内部導電回路層側の積層面は、内部導電回路層の凹凸に対応した凹凸形状に成形される一方、絶縁層のうち内部導電回路層と反対側の積層面は、加熱プレス機の平坦な加熱板に押圧されて平坦面に成形され、その平坦面上にめっき等によって最外導電回路層が形成される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−72371号公報(段落[0028])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来のプリント配線板では、絶縁層のうち最外導電回路層が積層される面が、内部導電回路層側の凹凸形状の影響を受けて十分な平面度を得られていないという問題があった。このため、例えば、最外導電回路層に複数の半田バンプを縦横複数列に並べて備え、それら半田バンプ群に基板実装部品を接続する際、一部の半田バンプの接続が不十分になる不具合が生じ得た。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、絶縁層のうち最外導電回路層が積層される面の平面度を従来より高くすることが可能なプリント配線板及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に積層されかつ、基板実装部品に対する接続部を備える最外導電回路層と、前記第1絶縁層下に積層されている内部導電回路層と、を備えるプリント配線板であって、前記第1絶縁層と前記最外導電回路層との間に挟まれかつ前記第1絶縁層より薄い第2絶縁層を有し、
前記第2絶縁層の前記最外導電回路層側は、前記第1絶縁層側より平坦になっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のプリント配線板では、最外導電回路層の下方に配置される第1絶縁層のうち最外導電回路層側に第1絶縁層より薄い第2絶縁層を積層することで第1絶縁層の凹凸を第2絶縁層で埋めて、その第2絶縁層のうち最外導電回路層側を第1絶縁層側より平坦にすることができる。これにより第1絶縁層と第2絶縁層とからなる絶縁層のうち最外導電回路層が積層される面の平面度を従来より高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るプリント配線板の断面図
図2図1におけるR領域の拡大図
図3】プリント配線板の製造工程を示す断面図
図4】プリント配線板の製造工程を示す断面図
図5】プリント配線板の製造工程を示す断面図
図6】プリント配線板の製造工程を示す断面図
図7】プリント配線板の使用例を示す概念図
図8】(A)半導体チップを実装したプリント配線板の断面図、(B)半導体チップを実装し接続不良のあるプリント配線板の断面図
図9】第2実施形態のプリント配線板の製造工程を示す断面図
図10】第3実施形態に係るプリント配線板の断面図
図11】他の実施形態に係るプリント配線板の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1から図8に基づいて説明する。本実施形態のプリント配線板10は、図1の断面図に示されているように、例えば、コア基板11の表裏の両面にビルドアップ層20,20を有する構造になっている。コア基板11は、絶縁部材で構成され、そのコア基板11の表裏の両面に、それぞれ導体回路層12,12(本発明の「内部導電回路層」に相当する)が形成されている。また、コア基板11には、複数の貫通孔13が形成され、それら各貫通孔13にめっきを充填してなるスルーホール導体14によって、コア基板11の表裏の導体回路層12,12の一部が導通接続されている。
【0010】
コア基板11の表裏の各導体回路層12上には、それぞれ絶縁層15、最外導電回路層21及びソルダーレジスト層22が順番に積層され、絶縁層15と最外導電回路層21とから上記したビルドアップ層20が構成されている。絶縁層15は、熱硬化性絶縁樹脂に補強材を含有してなる(例えば、補強材としての無機フィラーを30〜70重量%含有してなる)第1絶縁層16と、熱硬化性絶縁樹脂に補強材を含有していない又は無機フィラーの含有量が第1絶縁層16より少ない第2絶縁層17との二層構造になっていて、第1絶縁層16が導体回路層12上に積層され、その第1絶縁層16上に第2絶縁層17が積層されている。また、最外導電回路層21と導体回路層12との間隔L1(図1参照)は、7〜30[μm]になっていて、第2絶縁層17の平均厚は、最外導電回路層21と導体回路層12との間隔L1の20〜45%になっている。
【0011】
ここで、第1絶縁層16のうち導体回路層12側は、コア基板11から突出した導体回路層12による凹凸に合った凹凸形状をなし、第1絶縁層16のうち導体回路層12と反対側の面は概ね平坦になっている。しかしながら、図2に拡大して示すように、第1絶縁層16のうち導体回路層12と反対側の面は、導体回路層12側の凹凸形状の影響を受けて僅かに波打った形状(以下、「微少凹凸形状」という)になっている。これに対し、第2絶縁層17は、第1絶縁層16側の面が第1絶縁層16に合った微少凹凸形状をなす一方、その反対側の面が、第1絶縁層16側より平面度が高い平坦な形状になっている。また、絶縁層15には、複数のビア18が形成され、それら各ビア18にめっきを充填してなるビア導体19が形成され、それらビア導体19によって導体回路層12と最外導電回路層21の一部が導通接続されている。
【0012】
ソルダーレジスト層22には、複数のパッド用孔が形成され、最外導電回路層21の一部がパッド用孔内に位置して複数のパッド23(本発明の「接続部」に相当する)になっている。また、一部のパッド23群は、縦横複数列に並べられ、そこに半導体チップ25(図8(A)参照。本発明の「基板実装部品」に相当する)を実装されるようになっている。
【0013】
本実施形態のプリント配線板10は、以下のようにして製造される。
(1)図3(A)に示すように、コア基板11としてエポキシ樹脂又はBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂とガラスクロスなどの補強材からなる絶縁性基材11Kの表裏の両面に、銅箔11Cがラミネートされているものが用意される。
【0014】
(2)図3(B)に示すように、コア基板11にCO2レーザが照射されて複数の貫通孔13が形成される。具体的には、コア基板11の表裏の一方の面(所謂、F面)にCO2レーザが照射されてコア基板11の厚さ方向の中間部まで延びた複数のテーパー孔が穿孔される。次いで、コア基板11の表裏の他方の面(所謂、S面)のうちF面の各テーパー孔の真裏となる位置にCO2レーザが照射されてF面と同様の複数のテーパー孔が穿孔される。そして、それらF面とS面のテーパー孔同士が連通して複数の貫通孔13が形成される。
【0015】
(3)無電解めっき処理が行われ、コア基板11の表裏の両面の各銅箔11C上と貫通孔13の内面とに無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
【0016】
(4)図3(C)に示すように、銅箔11C上の無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト33が形成される。
(5)電解めっき処理が行われ、無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト33から露出している部分に電解めっき膜34が形成されると共に、貫通孔13内にめっきが充填されてスルーホール導体14が形成される。
【0017】
(6)めっきレジスト33が剥離されると共に、めっきレジスト33の下方の無電解めっき膜(図示せず)及び銅箔11Cが除去され、残された電解めっき膜34、無電解めっき膜及び銅箔11Cにより、コア基板11の表裏の両面に導体回路層12,12が形成される。
【0018】
(7)図4(A)に示すように、コア基板11の表裏の各導体回路層12上に、樹脂フィルム35が積層されてから、加熱プレスされる。樹脂フィルム35は、例えば、味の素(株)製:商品名;ABFであって、熱硬化性絶縁樹脂に補強材としての無機フィラーを30〜70重量%含有してなる。その樹脂フィルム35は、プレスされることで樹脂フィルム35の一部が導体回路層12の回路同士の間の隙間に入り込み、導体回路層12側がその導体回路層12に合った凹凸形状に成形される一方、導体回路層12と反対側が加熱プレス機(図示せず)の平坦な加熱板によって概ね平坦な形状に成形される。そして、樹脂フィルム35が熱硬化して第1絶縁層16になる。その際、第1絶縁層16は、例えば、導体回路層12側の凹凸形状による「ひけ」の影響により、導体回路層12と反対側の面が僅かに波打った微少凹凸形状になる。
【0019】
(8)図4(B)に示すように、コア基板11の表裏の各第1絶縁層16上に、熱硬化性絶縁樹脂36が塗布される。その熱硬化性絶縁樹脂36は、粘度5〜600[Pa・s]の流体状の所謂、接着剤であって、例えば、スプレーによって第1絶縁層16上に塗布される。
【0020】
(9)コア基板11の表裏の両面の第1絶縁層16,16上に熱硬化性絶縁樹脂36がそれぞれ塗布された状態で、図示しない加熱プレス機の1対の加熱板の間にコア基板11が配置され、1対の加熱板が熱硬化性絶縁樹脂36の上から各第1絶縁層16に押し付けられる。このとき、1対の加熱板は、熱硬化性絶縁樹脂36の硬化温度より低い温度になっていて、熱硬化性絶縁樹脂36は、第1絶縁層16側が第1絶縁層16に合った微少凹凸形状に成形される一方、その反対側の面が、第1絶縁層16側より平面度が高い平坦な形状に成形される。そして、熱硬化性絶縁樹脂36を熱硬化性絶縁樹脂36の硬化温度より高い温度環境に置き、これにより熱硬化性絶縁樹脂36が硬化して前記した第2絶縁層17になり、コア基板11の表裏の両面に第1絶縁層16と第2絶縁層17とからなる絶縁層15,15が形成される。
【0021】
(10)図4(C)に示すように、コア基板11の表裏の両面の各絶縁層15にCO2レーザが照射されて、各絶縁層15を貫通する複数のビア18が形成される、
【0022】
(10)無電解めっき処理が行われ、絶縁層15上とビア18内とに無電解めっき膜(図示せず)が形成される。
【0023】
(11)図5(A)に示すように、絶縁層15上の無電解めっき膜上に、所定パターンのめっきレジスト37が形成される。
【0024】
(12)電解めっき処理が行われ、図5(B)に示すように電解めっきがビア18内に充填されてビア導体19が形成されると共に、絶縁層15上の無電解めっき膜(図示せず)のうちめっきレジスト37から露出している部分に電解めっき膜38,38が形成される。
【0025】
(13)めっきレジスト37が剥離されると共に、めっきレジスト37の下方の無電解めっき膜(図示せず)が除去され、図5(C)に示すように、残された電解めっき膜38、無電解めっき膜により、各絶縁層15上に最外導電回路層21が形成される。そして、最外導電回路層21と導体回路層12の一部がビア導体19によって接続された状態になる。
【0026】
(14)図6(A)に示すように、コア基板11の表裏の最外導電回路層21,21上にソルダーレジスト層22,22が積層される。
【0027】
(15)図6(B)に示すように、ソルダーレジスト層22,22の所定箇所にテーパー状のパッド用孔が形成されて最外導電回路層21,21の一部がソルダーレジスト層22,22から露出して上記したパッド23になる。
【0028】
(16)図1に示すように、パッド23上に、ニッケル層、金層の順に積層されて金属膜42が形成される。以上のプリント配線板10が完成する。
【0029】
本実施形態のプリント配線板10の構造及び製造方法に関する説明は以上である。次にプリント配線板10の作用効果を、プリント配線板10の使用例と共に説明する。本実施形態のプリント配線板10は、例えば、以下のようにして使用される。即ち、図7に示すように、プリント配線板10の複数のパッド23上に複数の半田バンプ24が形成される。そして、例えば、TCB(Thermal Compression Bonding)と呼ばれる方法で、半導体チップ25等の基板実装部品が実装される。具体的には、半導体チップ25として、その下面に備えた接続部25Aに予めNCF(Non Conductive Film)25Bがラミネートされているものが用意される。半田バンプ24群にプラズマが照射された後、プリント配線板10が100[℃]に加熱される。そして、例えば、300[℃]に加熱されたTCBヘッド26を半導体チップ25の上面に宛がった状態で、そのTCBヘッド26により半導体チップ25が保持され、半導体チップ25の接続部25Aが、半田バンプ24及びNCF25Bの軟化点より高い温度(例えば、240±5[℃])に加熱される。この状態で、TCBヘッド26が降下し、半導体チップ25の接続部25Aがプリント配線板10の半田バンプ24に押し付けられる。これにより半田バンプ24が軟化してプリント配線板10に半導体チップ25が半田付けされる。
【0030】
このとき、もしプリント配線板10における絶縁層15の平面度が低いと、図8(B)に示すように、複数の半田バンプ24の一部が半導体チップ25に接続されない事態が生じ得るが、本実施形態のプリント配線板10では、最外導電回路層21の下方に配置される第1絶縁層16のうち最外導電回路層21側に第1絶縁層16より薄い第2絶縁層17を積層することで第1絶縁層16の微少な凹凸を第2絶縁層17で埋めて、その第2絶縁層17のうち最外導電回路層21側を第1絶縁層16側より平坦にすることができる。これにより第1絶縁層16と第2絶縁層17とからなる絶縁層15のうち最外導電回路層21が積層される面の平面度を従来より高くすることができる。また、第2絶縁層17は粘度が低いため流動性が高く、第1絶縁層16より薄いので硬化する際の「ひけ」の問題が生じ難い。これにより、第2絶縁層17の最外導電回路層21側を容易に平坦にすることができる。
【0031】
[第2実施形態]
本実施形態のプリント配線板10の製造方法のうち第2絶縁層17を形成する工程が前記第1実施形態と異なる。即ち、本実施形態のプリント配線板10の製造方法では、図9に示すように片面に剥離シート41が重ねられた熱硬化性絶縁樹脂フィルム40が用意される。そして、コア基板11の表裏の両側で、熱硬化性絶縁樹脂フィルム40のうち剥離シート41を有しない側が第1絶縁層16に重ねられた状態で熱硬化性絶縁樹脂フィルム40が積層される。そして、加熱プレスの1対の加熱板の間にコア基板11が配置され、1対の加熱板が剥離シート41の上から各第1絶縁層16に押し付けられる。これにより、熱硬化性絶縁樹脂フィルム40は、第1絶縁層16側が第1絶縁層16に合った微少凹凸形状に成形される一方、その反対側の面が、第1絶縁層16側より平面度が高い平坦面に成形されて前記した第2絶縁層17になる。そして、剥離シート41が第2絶縁層17から剥離され、以下、第1実施形態と同様にして、最外導電回路層21、ソルダーレジスト層22等が形成されてプリント配線板10が完成する。本実施形態の構成によれば、第2絶縁層17を成形するための熱硬化性絶縁樹脂が飛散するようなことがなく、第2絶縁層17を容易に形成することができる。
【0032】
[第3実施形態]
本実施形態のプリント配線板10Vは、図10に示すように、コア基板11の表裏の各第1絶縁層16上に複数(例えば、2つ)の第2絶縁層17A,17Bが積層されている点が第1及び第2の実施形態と異なる。そして、第1絶縁層16と複数の第2絶縁層17A,17Bとが絶縁層15Vが構成されている。具体的には、第1絶縁層16側の一方の第2絶縁層17Aは、最外導電回路層21側の第2絶縁層17Bに比べて、例えば、1〜3倍の厚さになっている。また、一方の第2絶縁層17Aと他方の17Bは、補強材を含有していない、又は無機フィラーの含有量が第1絶縁層16より少ない熱硬化性絶縁樹脂になっている。
【0033】
本実施形態のプリント配線板10Vは、以下のようにして製造される。コア基板11の表裏の両面に第1絶縁層16,16が形成されたら、第1実施形態の第2絶縁層17を形成する場合と同じ方法で、第1絶縁層16,16上にスプレーにて流体状の熱硬化性樹脂36Aが吹き付けられてからコア基板11が表裏の両側から加熱プレスされて各第1絶縁層16上に第2絶縁層17Aが形成される。そして、これと同様の処理を繰り返して、各第2絶縁層17A上に、スプレーにて流体状の熱硬化性樹脂36Bが吹き付けられてからコア基板11が加熱プレスされて各第2絶縁層17A上に第2絶縁層17Bが形成されて、第2絶縁層17と第2絶縁層17A,17Bとからなる絶縁層15Vが完成する。以下、第1実施形態と同様にして、最外導電回路層21、ソルダーレジスト層22等が形成されてプリント配線板10が完成する。本実施形態の構成によれば、絶縁層15Vのうち最外導電回路層21が積層される面の平面度をより一層高くすることができる。なお、第2実施形態のように片面に剥離シート41を有する熱硬化性絶縁樹脂フィルム40を使用して上記した第2絶縁層17A,17Bを形成してもよい。
【0034】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0035】
(1)前記第1〜第3の実施形態では、加熱板を使用して第1絶縁層16及び第2絶縁層17,17A,17Bの各一方の面が平坦になるように成形していたが、1対のローラの間にコア基板11を通して第1絶縁層16等を平坦に加圧成形してもよい。
【0036】
(2)前記第1〜第3の実施形態のプリント配線板10,10Vはコア基板11を有していたが、図11に示すようなコア基板を有しないプリント配線板10V2に本発明を適用してもよい。
【0037】
(3)前記第1実施形態では、第2絶縁層17になる熱硬化性絶縁樹脂36をその硬化温度より低い温度の加熱板加圧してから硬化温度より高い温度になるまで加熱していたが、予め、熱硬化性絶縁樹脂の硬化温度より高い温度に加熱された加熱板で熱硬化性絶縁樹脂を加圧して第2絶縁層を形成してもよい。
【0038】
(4)前記第1〜第3の実施形態のプリント配線板10,10Vはコア基板11の両面にビルドアップ層20,20がそれぞれ1層ずつ積層されていたが、複数のビルドアップ層を積層してもよい。
【符号の説明】
【0039】
10,10V,10V2 プリント配線板
11 コア基板
12 導体回路層(内部導電回路層)
16 第1絶縁層
17,17A,17B 第2絶縁層
21 最外導電回路層
22 ソルダーレジスト層
23 パッド(接続部)
25 半導体チップ(基板実装部品)
35 樹脂フィルム(熱硬化性絶縁樹脂フィルム)
36 熱硬化性絶縁樹脂
40 熱硬化性絶縁樹脂フィルム
41 剥離シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11