特開2015-224007(P2015-224007A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-224007(P2015-224007A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】車両制御システム及び車両
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/00 20060101AFI20151117BHJP
   B61L 3/12 20060101ALI20151117BHJP
   B61L 23/14 20060101ALI20151117BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20151117BHJP
   B60L 15/40 20060101ALI20151117BHJP
   B62D 6/00 20060101ALN20151117BHJP
【FI】
   B61B13/00 N
   B61L3/12 C
   B61L23/14 C
   B60L15/20 A
   B60L15/40 C
   B62D6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-111865(P2014-111865)
(22)【出願日】2014年5月30日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】菅原 俊晴
(72)【発明者】
【氏名】西野 尊善
(72)【発明者】
【氏名】今本 健二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕
(72)【発明者】
【氏名】和嶋 武典
(72)【発明者】
【氏名】堀江 哲
【テーマコード(参考)】
3D101
3D232
5H125
5H161
【Fターム(参考)】
3D101BA02
3D101BA07
3D101BB02
3D101BB26
3D101BB29
3D101BC03
3D101BC20
3D232CC20
3D232CC32
3D232CC40
3D232DA27
3D232DA88
3D232EB04
3D232FF01
5H125AA05
5H125BE01
5H125CA13
5H125CA14
5H125CC05
5H125EE51
5H125EE61
5H161AA01
5H161BB02
5H161BB06
5H161BB20
5H161CC04
5H161CC05
5H161CC13
5H161DD12
5H161EE01
5H161EE04
5H161EE07
5H161EE20
5H161FF07
(57)【要約】
【課題】
従来技術においては、ループコイルを利用して車両の操舵を制御することは考慮されていない。
【解決手段】
上記課題を解決するために、例えば、軌道の上を移動する車両と、軌道に沿って敷設されたループコイルと、ループコイルに電圧を掛ける電圧発生装置と、を有する車両制御システムにおいて、車両が、ループコイルから発生した磁気を検出する磁気センサと、磁気センサで検出した磁界強度に基づき軌道からの横ずれ量を検出し、前記横ずれ量に基づいて車両の操舵を制御する車両制御装置と、を有するように構成する
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道の上を移動する車両と、
前記軌道に沿って敷設されたループコイルと、
前記ループコイルに電圧を掛ける電圧発生装置と、を有する車両制御システムであって、
前記車両は、前記ループコイルから発生した磁気を検出する磁気センサと、
前記磁気センサで検出した磁界強度に基づき軌道からの横ずれ量を検出し、前記横ずれ量に基づいて車両の操舵を制御する車両制御装置と、を有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御システムであって、
前記電圧発生装置は、前記ループコイルに電文を送受信可能な交流電圧を掛け、
前記車両は、前記ループコイルを介して電文を送受信可能なアンテナを有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御システムであって、
複数の前記ループコイルを有し、
前記車両制御装置は、前記ループコイルを介して在線情報を表す電文を地上制御装置に送信し、
前記地上制御装置は、前記在線情報を表す電文に基づき前記車両の位置を検知し、前記ループコイルを介して停止限界を表す電文を前記車両の後続車両に送信し、
前記後続車両は、前記停止限界を表す電文に基づきブレーキを制御することを特徴とする車両制御システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の車両制御システムであって、
前記電圧発生装置は、前記車両の在線情報を表す電文に基づき車両が在線するループコイルと、車両が次に進入する区間のループコイルに、電圧を掛けることを特徴とする車両制御システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の車両制御システムであって、
前記電圧発生装置は、ループコイルまたは該電圧発生装置の異常を検知する異常検知手段を有し、
前記電圧発生装置は、ループコイルまたは該電圧発生装置に異常が発生したと判断した場合に、前記車両へ運行を停止する指示を送信することを特徴とする車両制御システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の車両制御システムであって、
前記車両は前記磁気センサを複数有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の車両制御システムであって、
軌道に沿って敷設された磁気ネイルを有することを特徴とするとする車両制御システム。
【請求項8】
軌道の上を移動する車両と、
前記軌道に沿って敷設されたループコイルと、
前記ループコイルに電圧を掛ける電圧発生装置と、を有する車両制御システムであって、
前記車両は、前記ループコイルから発生した電波強度を検出するアンテナと、
前記アンテナが検出した電波強度に基づき軌道からの横ずれ量を検出し、前記横ずれ量に基づいて車両の操舵を制御する車両制御装置と、を有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の車両制御システムであって、
軌道に沿って設けられた案内レールを備え、
前記車両は、車両の操舵の制御に用いる案内輪を備え、
前記ループコイルを用いた車両の操舵の制御に異常が発生した場合は、前記案内輪を前記案内レールに接触させ、車両の操舵の制御を行うことを特徴とする車両制御システム。
【請求項10】
軌道に沿って敷設されたループコイルから発生した磁気を検出する磁気センサと、
前記磁気センサで検出した磁気に基づいて車両の操舵を制御する車両制御装置と、を有し、
前記車両制御装置は、前記磁気センサで検出した磁界強度に基づき軌道からの横ずれ量を検出し、前記横ずれ量に基づいて車両の操舵を制御することを特徴とする車両。
【請求項11】
請求項10に記載の車両であって、
前記ループコイルに印加された交流電圧により地上制御装置と電文を送受信可能なアンテナを有することを特徴とする車両。
【請求項12】
請求項11に記載の車両であって、
前記車両制御装置は、前記ループコイルを介して在線情報を表す電文を前記地上制御装置に送信することを特徴とする車両。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれかに記載の車両であって、
前記磁気センサを複数有することを特徴とする車両。
【請求項14】
軌道に沿って敷設されたループコイルから発生した電波強度を検出するアンテナと、
前記アンテナで検出した電波強度に基づいて車両の操舵を制御する車両制御装置と、を有し、
前記車両制御装置は、前記アンテナで検出した電波強度に基づき軌道からの横ずれ量を検出し、前記横ずれ量に基づいて車両の操舵を制御することを特徴とする車両。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれかに記載の車両であって、
車両の操舵の制御に用いる案内輪を備え、
前記ループコイルを用いた車両の操舵の制御に異常が発生した場合は、前記車両制御装置は前記案内輪を前記軌道に沿って設けられた案内レールに接触させ、車両の操舵の制御を行うことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、車両制御システム及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、「車両運行管理システム10のインフラ施設を構成する専用路線Rの路面には、車両aを専用路線Rに沿って自動走行させる為の複数の磁気ネイル20a、20bが埋設されている。各磁気ネイル20a、20bは、例えば、専用路線Rに沿って略等間隔で連続的に埋設された永久磁石からなり、S極磁気ネイル20aと、N極磁気ネイル20bとが交互に埋設されている。」(特許文献1[0031]参照)こと、また「各車両aに搭載された車両制御装置1の磁気センサ3は、専用路線Rに埋設された磁気ネイル20a、20bからの磁界を検出している。各車両制御装置1は、磁気センサ3により検出された磁気ネイル20a、20bの磁界に基づいて、例えば、車両aの走行方向を制御して、隊列awを組む車両群の自動操舵運転を行う」(特許文献1[0032]参照)こと、また、「専用路線Rの路面のうち駅A、Bに対応する部分には、ループコイル15aが複数埋設されている」(特許文献1[0033]参照)こと、また「地上側路車間通信機15は、専用路線Rの路面に埋設されたループコイル15a及び車両側通信コイル4aを介して、車両側路車間通信機4と、路車間通信を行う」(特許文献1[0034]参照)ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-40836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、ループコイルを利用して車両の操舵を制御することは考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、軌道の上を移動する車両と、軌道に沿って敷設されたループコイルと、ループコイルに電圧を掛ける電圧発生装置と、を有する車両制御システムにおいて、車両が、ループコイルから発生した磁気を検出する磁気センサと、磁気センサで検出した磁界強度に基づき軌道からの横ずれ量を検出し、前記横ずれ量に基づいて車両の操舵を制御する車両制御装置と、を有するように構成する
【発明の効果】
【0006】
上記手段によれば、ループコイルを利用して車両の操舵を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施例における車両制御システムの構成
図2】第1、3、4の実施例におけるループコイルの配置例
図3】第1の実施例における車両制御システムの断面図
図4】第1、2、4の実施例における電圧発生装置が発生した電圧波形
図5】第1、2、4の実施例における操舵制御のブロック図
図6】第1〜4の実施例における磁気センサの構成
図7】第1、2、4の実施例における磁界強度と横位置の関係
図8】第1〜4の実施例における軌道中央からの車両の横位置と姿勢角
図9】第1〜4の実施例における所定時間後の車両の逸脱量
図10】第2の実施例における車両制御システムの断面図
図11】第2の実施例におけるループコイルと磁気ネイルの配置例
図12】第3の実施例における車両制御システムの断面図
図13】第4の実施例における車両制御システムの断面図
図14】第1〜4の実施例における電圧発生装置のハードウェア構成
図15】第1〜4の実施例における車両制御装置、操舵制御装置のハードウェア構成
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
本実施例は、軌道に沿って敷設されたループコイルに電圧を掛けて磁気を発生させ、その磁気に基づき車両の操舵装置を制御し、軌道に沿って車両を案内する車両制御システムである。
【0010】
図1に車両制御システム1の構成を示す。車両制御システム1は、軌道に沿って車両11を案内する機能と、信号システムが行っている車両11同士の衝突を防止する車間制御の機能を有する。
【0011】
車両制御システム1は、以下の各装置で構成される。車両11には、車両制御装置2と、操舵制御装置3と、操舵装置4と、磁気センサ7と、送受信機8と、アンテナ9が搭載されている。地上には、軌道に沿って複数のループコイル5と、ループコイルを制御する電圧発生装置6と、地上制御装置10が設置されている。電圧発生装置6の構成については図14を用いて後述する。
まず、車間制御の機能から説明する。車上の送受信機8およびアンテナ9は例えば車両の先頭と後尾に設置されている。車両制御装置2は、列車の在線情報を表すTD電文(Train Detect電文)として、送信元の車両ID、先頭/後尾の情報、運転方向等を送受信機8に送信する。送受信機8は、アンテナ9を介してTD電文を地上側へ送信する。
【0012】
地上側では、ループコイル5を介し、電圧発生装置6がTD電文を受信する。電圧発生装置6は、LANを介してTD電文を地上制御装置10に送信する。地上制御装置10は、受信したTD電文、ループコイル5の設置場所等に基づき、車両11の位置を検知する。例えば、図1のように車両11が複数のループコイル5に跨っている場合、地上制御装置10は、2つの電圧発生装置6からTD電文を受信し、車両11がループコイル5に跨って存在していることを検知する。
【0013】
地上制御装置10は、TD電文による位置情報および図示しない転てつ機の進路開通情報に基づき、車両10を制御するATC電文(Automatic Train Control電文)を生成する。そして、生成したATC電文(送信先の列車ID、停止限界、運転方向等が含まれる)を、電圧発生装置6に送信する。電圧発生装置6は、受信したATC電文を、ループコイル5を介して車両側に伝送する。
【0014】
車上の送受信機8は、アンテナ9を介して、ループコイル5から該当する車両IDを送信先として含むATC電文を受信し、受信したATC電文を車内LANで車両制御装置2に送信する。車両制御装置2は、停止限界及び車両の減速性能に基づき、停止限界手前に停止するための制限速度パタンを生成し、それを超えた場合にブレーキを掛ける。また、地上制御装置10が電圧発生装置6、ループコイル5を介して車両11の後続車両にATC電文を送信することで、車両同士の車間を制御することができ、車両同士の衝突を回避することができる。
【0015】
続いて、案内機能について説明する。ループコイル5は、図2のように、軌道に沿って連続的に配置されている。本実施例は、簡単のためループ面が地上面に対して平行で、ループコイル5が軌道中央に埋められている場合とする。電圧発生装置6は、ループコイル5に磁気を発生させるために直流電圧又は直流に近似できる程度の低い周波数の交流電圧を印加する。ここで、直流に近似できる交流電圧とは、前記デジタル電文の搬送波に影響を与えない程度の低い周波数をもつ電圧を意味する。本実施例では、簡単のため直流電圧を印加した場合について述べる。
【0016】
直流電圧によりループコイルに電流が流れると、その電流により図3のような磁気31が発生する。前記磁気センサ7は、磁気31に基づきループコイルを基準とした横位置(横ずれ)を検出する。車両制御装置2は、検出した横位置に基づき、軌道を追従するための目標操舵角を演算し、目標操舵角を操舵制御装置3に出力する。操舵制御装置3は、入力された目標操舵角に基づき、操舵装置4の操舵角を制御する。以上により、車両制御システム1は、軌道に沿って車両11を案内できる。
【0017】
続いて、電圧発生装置6について説明する。図14は、電圧発生装置6のハードウェア構成図である。電圧発生装置6は、CPU(Central Processing Unitの略。中央演算処理装置。)1401、電源を切ってもデータが保持可能な記録装置1402、電気的にデータを記録するメモリ1403、地上制御装置10と情報を送受信するEthernet Adapter1411、車両へ電文を送信しかつループコイルに磁気を発生させるために図4に示す電圧を発生させるD/Aコンバータ1405およびアンプ1406、ループコイルを介して車両11からの電文を受信するA/Dコンバータ1407およびアンプ1408、ループコイルに流れている電流を検知するA/Dコンバータ1409及びアンプ1410を含む。ここで、記録装置1402は例えば光ディスク、フラッシュメモリ、ハードディスク等である。メモリ1403は、例えばDIMM(Dual In-line Memory Module)等である。
電圧制御装置6では、CPU1401が記録装置1402に記録されているプログラム1404をメモリ1403に展開し、D/Aコンバータ1405、アンプ1406、A/Dコンバータ1407、アンプ1408、A/Dコンバータ1409、アンプ1410を用いてTD電文とATC電文の送受信をする機能、及びループコイルに磁気を発生させる機能を実現する。
【0018】
次に、電圧発生装置6が発生する電圧波形について図4を用いて説明する。図4に示すように、電圧発生装置6は、磁気31を発生させるために直流電圧又は直流に近似できる程度の低い周波数の交流電圧と、デジタル電文を送る搬送波の交流電圧を重畳した電圧を出力する。図4では、磁気31を発生させるための電圧は点線で、デジタル電文を送る搬送波の交流電圧を破線で、前記交流電圧と直流電圧を重畳した電圧を実線で示す。
【0019】
このように、電圧発生装置6及びループコイル5を、デジタル伝送と電磁石の両方に用いることで、デジタル伝送を用いた車間制御と、磁気誘導による車両案内を同一のハードで実現することができ、別々に実現するよりもコストを削減できる。
【0020】
さらに、電圧発生装置6は、磁気31を発生する区間を限定することも可能となる。すなわち、TD電文の車両の在線情報に基づき、車両が存在している区間と進行方向の次の区間に直流電圧を掛け、磁気31を発生させる。こうすることで、車両の走行する近辺に磁気31を発生させる区間を限定することが可能となり、永久磁石等の常に磁気を発生させるものを利用する場合に比べて磁気31による他の交通システムや歩行者に対する影響を抑制することができる。さらに、常に電圧をかけている場合に比べて消費エネルギの削減が期待できる。
【0021】
次に、図5、15を用いて、車両11の案内機能を説明する。まず、車両制御装置2、操舵制御装置3のハードウェア構成を、図15を用いて説明する。車両制御装置2及び操舵制御装置3は、それぞれCPU(Central Processing Unitの略。中央演算処理装置。)1501、車両制御装置2の電源を切ってもデータが保持可能な記録装置1502、後述の車輪速度センサ51や磁気センサ7、後述の操舵角センサ52、操舵制御装置3等の外部との間で情報を入力及び/または出力する入出力装置1503、電気的にデータを記録するメモリ1504を含む。また、記録装置1502には、CPU1501がメモリ1504に展開して実行するプログラム1506が記録されている。なお、車両制御装置2及び操舵制御装置3はそれぞれ別のハードウェアにより構成されてもよいし、車両制御装置2及び操舵制御装置3の機能を一つのハードウェアにより実現するように構成してもよい。
【0022】
記録装置1502は例えば光ディスク、フラッシュメモリ、ハードディスク等である。メモリ1504は、例えばDIMM(Dual In-line Memory Module)等である。
【0023】
車両制御装置2では、後述の車輪速度センサ51や磁気センサ7、後述の操舵角センサ52から送信された情報が入出力装置1503に入力される。そして、入力された情報を用いて、CPU1501が記録装置1502に記録されているプログラム1506をメモリ1504に展開して後述の処理を行う。そして、CPU1504の処理結果が入出力装置1503により操舵制御装置3等の外部へ出力される。
【0024】
操舵制御装置3では、車両制御装置2から出力された情報が入出力装置1503に入力される。そして、入力された情報を用いて、CPU1501が記録装置1502に記録されているプログラム1506をメモリ1504に展開して後述の処理を行う。そして、CPU1504の処理結果が入出力装置1503により操舵装置4等の外部へ出力される。
【0025】
なお、ユーザ(運転手など)の指示を入力するキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン等の入力装置、CPU1501の演算結果を出力する、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置を含むように構成し、ユーザの指示に基づいて車両制御装置2、操舵制御装置3を制御したり、車両制御装置2、操舵制御装置3による制御の内容を、出力装置を用いてユーザ(運転手など)へ提示したりすることを可能としてもよい。
【0026】
次に、車両制御装置2、及び操舵制御装置3において実行されるプログラム1506の処理を、図5を用いて説明する。図5は、車両制御装置2、及び操舵制御装置3において実行されるプログラム1506の処理を説明する機能ブロック図である。
【0027】
速度算出部53は、車輪速度センサ51で検出した車輪回転速度と予め記憶していた車輪径に基づき車両の走行速度を算出する。自車位置算出部55は、車両11の走行速度を積算し自車位置を算出する。曲率算出部56は、算出した自車位置に基づき、予め記憶していた地図情報を参照し、走行している軌道の曲率を算出する。なお、本実施例では車輪速度センサ51の情報に基づき自車位置を算出したが、トランスポンダなどで前記自車位置を補正する、あるいはGPSなどの他のセンサ情報を用いて自車位置を算出してもよい。
【0028】
続いて、磁気センサ7の横位置算出処理を説明する。磁気センサ7の構成の一例を図6に示す。磁気センサ7には、磁気抵抗素子61が垂直方向と水平方向に設置されており、垂直方向と水平方向の磁界強度を検出することができる。コントローラ62は、検出された磁界強度の情報に基づき、図7に示す予め記憶しているマップからループコイル5を基準とした横位置を算出する。なお、本実施例では磁気抵抗素子61を1組用いているが、磁気抵抗素子61を車両の左右方向に複数組設置してもよい。
【0029】
ループ面は、地上面に対して平行に埋められていることが望ましいが、平行でなくても構わない。ループ面が地上と平行でない場合、ループ面の設置角度を考慮して磁気センサ7の横位置算出処理を行う必要がある。本実施例ではループ面が地上面に対して平行である場合を例に説明している。
【0030】
続いて、車両横位置姿勢角算出部54を説明する。車両横位置姿勢角算出部54は、磁気センサ7が算出した横位置に基づき、軌道中央を基準とした車両の横位置(横ずれ)yと姿勢角θを算出する。図8に示すように、磁気センサ7の横位置を車両の先頭からy1、y2、y3 [m]、磁気センサ7間の距離をl1、l2 [m]と定義すると、車両の横位置yと姿勢角θは次式で表される。
【0031】
【数1】
【0032】
【数2】
【0033】
なお、本実施例では軌道中央にループコイル5が埋められている場合を示したが、ループコイル5の設置位置は、軌道の中央でなくても構わない。ループコイル5が軌道の中央にない場合は、軌道中央とループコイル5の位置関係を考慮して、車両の横位置を算出する必要がある。
【0034】
続いて、逸脱量予測部57は、算出された車両横位置及び姿勢角、算出された軌道の曲率、算出された車両の走行速度、操舵角センサ52で検出した操舵角に基づき、t秒後の軌道からの逸脱量を次式で算出する。図9にt秒後の軌道からの逸脱量yf [m]を示す。ここで用いられている式は自動車業界で一般的に用いられている2輪モデルと呼ばれるものである。
【0035】
【数3】
【0036】
【数4】
【0037】
【数5】
【0038】
【数6】
【0039】
【数7】
【0040】
【数8】
【0041】
ただし、r [rad/s]はヨーレート、l[m]はホイールベース、V[m/s]は車両速度δ [rad]は操舵角、Aはスタビリティファクタ、m[kg]は車両質量、Kf[N/rad]は前輪コーナリングパワ、Kr[N/rad]は後輪コーナリングパワ、lf[m]は重心と前輪の距離、lr[m]は重心と後輪の距離、xv[m]は車両座標系Σvにおけるt秒後のX座標、yv[m]は車両座標系Σvにおけるt秒後のY座標、θv[rad]は車両座標系におけるt秒後の姿勢角、R[m]は軌道の曲率半径である。なお、逸脱量の予測方法は上記に限定するものではなく、他の方法や他のセンサを用いてもよい。また、連結車両の場合も車両モデルから逸脱量を予測することができる。
【0042】
予測された逸脱量に基づき、目標操舵角算出部58は、逸脱量をゼロにするようにPID制御により車両の目標操舵角を算出する。なお、目標操舵角の算出方法は上記に限定するものではなく、他の方法を用いてもよい。以上求めた目標操舵角を、車両制御装置2は、操舵制御装置3に送信する。
【0043】
次に、操舵角制御部59は、算出された目標操舵角と操舵角センサ52で検出した操舵角に基づき、PID制御をして電流指令を算出する。モータドライブ制御部60は、算出された電流指令に基づき、PWMパルスを算出し、操舵装置4の図示しないインバータへ出力する。算出されたPWMパルスによってインバータが制御されて、モータが駆動され、操舵装置4の操舵角が制御される。以上説明した処理により、車両制御システム1は軌道に沿って車両を案内することができる。
【0044】
なお、本実施例では電圧発生装置6及びループコイル5に、電磁石の機能とデジタル電文を送受信する機能を持たせたが、電磁石機能だけを持たせてもよい。
【0045】
また、電圧発生装置6は、A/Dコンバータ1409で検出した電流により、電圧印加時に所定の電流が流れているかどうか監視し、所定の電流が流れていない場合は異常と判断する常時監視機能を有するように構成してもよい。さらに、電圧発生装置6のD/AコンバータやCPUなどの異常を検知するように構成してもよい。なお、常時監視機能が不要な場合、電圧発生装置6は電流を検出するA/Dコンバータ1409を設けない構成としてもよい。
【0046】
特許文献1では、磁気ネイルに異常が発生した場合、車両が該磁気ネイルの上を通過するまで、磁気ネイルに異常があることを検知できない。そのため、異常の磁気ネイルの上を通過した際に磁気を見失い、車両が軌道から逸脱する可能性がある。
【0047】
一方、電圧発生装置6の常時監視機能は、ループコイル5や電圧発生装置6の異常を常時監視することが可能である。従って、ループコイル5や電圧発生装置6に異常が生じ磁気が発生できなくなった場合、すぐに異常が発生したことを検知することができる。これにより、車両が異常のあるループコイル5の上を通過する前に、運行を停止することができ、軌道からの逸脱を確実に防止できる。
【0048】
また、車両制御システム1は、図1に示すように磁気センサ7を3つ搭載することで、磁気センサ7に異常が発生した場合においても、残り2つの正常な磁気センサ7で、車両の横位置と姿勢角を算出することが可能となる。よって、磁気センサ7の故障時も、車両制御システム1は案内機能を維持することができ、安全性を向上することができる。詳細は述べないが、他のセンサやアクチュエータも冗長系を構成し、1つの異常が発生しても案内機能を継続できる構成とすることが望ましい。
【0049】
上記車両制御システムでは、電圧発生装置がループコイルに電圧を印加しなければ、磁気が発生しない。従って、ループコイルによる磁気の発生する場所や時間を制御することができ、磁気による他の交通システムや歩行者への影響を最小限とどめることができる。さらに、ループコイルは磁気ネイルのようにレアアースのような希少な材料を用いていないため、価格高騰や入手難などのリスクを減らすことができる。
【実施例2】
【0050】
次に、永久磁石(磁気ネイル)を利用した他の実施例について説明する。本実施例は、軌道に沿ってループコイル5と磁気ネイル101とを敷設し、ループコイル5に電圧を印加し、ループコイル5により発生させる磁気と磁気ネイル101から発生した磁気とから車両の横位置を推定し、推定した横位置に基づき操舵装置4を制御し、軌道に沿って車両を案内する車両制御システムである。
【0051】
以下、第1の実施例との相違点を説明するが、相違点以外については第1の実施例と同様の構成を採用し、同様の制御を行うものとする。第2の実施例の車両制御システム1の断面図を図10に示す。図10に示すように、磁気を発生する装置として、ループコイル5とともに、磁気ネイル101が軌道上に敷設されている。なお、磁気ネイル101とループコイル5は、互いに磁気が干渉しないように敷設されることが望ましい。
【0052】
磁気ネイル101及びループコイル5の敷設例を図11に示す。図11に示すように、磁気ネイル101は、ループコイル5と平行に、軌道に沿って複数配置されている。第1の実施例の車両制御システム1に比べ、より広範囲に磁気を発生できるため、車両制御装置2はより広範囲で車両の横位置が検出できる。
【0053】
本実施例によれば、磁気ネイル101及びループコイル5で発生した磁気に基づき操舵装置4を制御し、軌道に沿って車両を案内することができる。第1の実施例と比較すると、ループコイル5に加えて磁気ネイル101が敷設されているため、断線や停電などループコイル5で磁気が発生できなくなった場合でも、磁気ネイル101を用いて案内機能を維持することができ、より安全な車両制御システムを提供できる。
【実施例3】
【0054】
次に、ループコイル5で発生した電波の強度を利用して車両を制御する他の実施例について説明する。本実施例は、軌道上に敷設されたループコイル5で発生した電波の強度から車両の横位置を推定し、前記横位置に基づき操舵装置4を制御し、軌道に沿って車両を案内する車両制御システムである。
【0055】
以下、第1の実施例との相違点を説明するが、相違点以外については第1の実施例と同様の構成を採用し、同様の制御を行うものとする。第3の実施例の車両制御システム1の断面図を図12に示す。第1の実施例とは、電圧発生装置6でループコイル5に直流電圧を印加していない点、車両に磁気センサ7を搭載していない点が異なる。すなわち、電圧発生装置6が印加する電圧波形は、デジタル電文の搬送波の交流電圧成分のみとなる。送受信機8は、前記アンテナ9で電波強度を検出し、ループコイルを基準にした横位置を推定し、車両制御装置2に該横位置を送信する。
【0056】
本実施例によれば、電波強度に基づき推定した車両の横位置及び姿勢に基づき、操舵装置4を制御し、軌道に沿って車両を案内することができる。また、ループコイル5に直流電圧を重畳していないため、第1の実施例に比べて消費エネルギを抑えることができる。
【実施例4】
【0057】
次に、案内輪、案内レールを利用する他の実施例について説明する。本実施例は、案内輪を案内レールに当てて操舵する新交通システム等の車両において、軌道上に敷設されたループコイル5に電圧を掛けて磁気を発生させ、前記磁気に基づき操舵装置4を制御し、軌道に沿って車両を案内する車両制御システムである。
【0058】
以下、第1の実施例との相違点を説明するが、相違点以外については第1の実施例と同様の構成を採用し、同様の制御を行うものとする。第4の実施例の車両制御システム1の断面図を図13に示す。第1の実施例とは、車両10が、前記操舵装置4と物理的に結合された案内輪131を搭載し、軌道の両側に案内レール132が敷設されている点で異なる。カーブでは案内レール132に案内輪131が接触し、その力が操舵装置4に伝わり操舵することで、車両11が旋回する。本実施例では、平常時はループコイル5を用いた案内機能を用い、ループコイル5を用いた案内機能に異常が発生した時のバックアップとして案内輪141と案内レール142による案内機能を用いる。
【0059】
以上より、第4の実施例の車両制御システム1は、平常時にループコイル5で発生した磁気に基づき車両が操舵装置4を制御し、軌道に沿って走行することができる。こうすることで、平常時は案内輪141と案内レール142の接触がなくなるため、乗り心地向上と消費エネルギの向上が期待できる。さらに、ループコイルによる案内機能の異常時は、案内輪141と案内レール142による案内がなされるため、第1の実施例の車両制御システム1よりも安全性及び信頼性を向上できる。
【0060】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…車両制御システム、2…車両制御装置、3…操舵制御装置、4…操舵装置、5…ループコイル、6…電圧発生装置6、7…磁気センサ、8…送受信機、9…アンテナ、10…地上制御装置、11…車両、31…磁気、51…車輪速度センサ、52…操舵角センサ、53…速度算出部、54…車両横位置姿勢角算出部、55…自車位置算出部、56…曲率算出部、57…逸脱量予測部、58…目標操舵角算出部、59…操舵角制御部、60…モータドライブ制御部、61…磁気抵抗素子、62…コントローラ、101…磁気ネイル、131…案内輪、132…案内レール、1401…CPU、1402…記憶装置、1403…メモリ、1404…プログラム、1405…D/Aコンバータ、1406…アンプ、1407…A/Dコンバータ、1408…アンプ、1409…A/Dコンバータ、1410…アンプ、1411…Ethernet adapter、1501…CPU、1502…記憶装置、1503…入出力装置、1504…メモリ、1506…プログラム
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