特開2015-225077(P2015-225077A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-225077腕時計又は測定機器等の携帯型物品のための発光表示針
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-225077(P2015-225077A)
(43)【公開日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】腕時計又は測定機器等の携帯型物品のための発光表示針
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/30 20060101AFI20151117BHJP
   G01D 11/28 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   G04B19/30 C
   G01D11/28 P
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-101595(P2015-101595)
(22)【出願日】2015年5月19日
(31)【優先権主張番号】14170036.9
(32)【優先日】2014年5月27日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクヮーレ・トルトラ
【テーマコード(参考)】
2F074
【Fターム(参考)】
2F074AA04
2F074BB06
2F074DD00
2F074EE00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの必要に応じて様々な色で照明でき、寸法及び美的外観に関して課せられた制約を遵守した発光表示針を提供する。
【解決手段】携帯型物品のための発光表示針。携帯型物品は、電気エネルギ供給源16を格納するフレーム18を含み、針は、駆動アーバ10を通すための孔が配設された光導体2と、光導体2に光を注入する光源14を収容するためのハウジングとを含み、光源14は第1の極14A及び第2の極14Bを含み、光源14の第1の極14Aは、針の駆動アーバ10を介してエネルギ供給源16に接続され、光源14の第2の極14Bは、携帯型物品のフレーム18を介してエネルギ供給源16に接続される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型物品のための発光表示針であって、
前記携帯型物品は、電気エネルギ供給源(16)を格納するフレーム(18)を含み、
前記針(1)は、駆動アーバ(10)を通すための孔(8)が配設された光導体(2)と、前記光導体(2)に光を注入する光源(14)を収容するためのハウジング(12)とを含み、
前記光源(14)は第1の極(14A)及び第2の極(14B)を含み、
前記光源(14)の前記第1の極(14A)は、前記針(1)の前記駆動アーバ(10)を介して前記エネルギ供給源(16)に接続され、
前記光源(14)の前記第2の極(14B)は、前記携帯型物品の前記フレーム(18)を介して前記エネルギ供給源(16)に接続される、発光表示針。
【請求項2】
前記光源(14)の前記第2の極(14B)は、前記光源(14)を支持する導電性支持部品(24)を介して前記携帯型物品の前記フレーム(18)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の発光表示針。
【請求項3】
前記支持部品(24)と前記携帯型物品の前記フレーム(18)との間の電気的接続は、摩擦によって達成されることを特徴とする、請求項2に記載の発光表示針。
【請求項4】
前記光導体(2)は、観察者に対面する第1の表面部分(20)と、前記第1の表面部分(20)と反対側の第2の表面部分(22)とを含み、
前記駆動アーバ(10)に前記光源(14)を電気的に接続する導電性外側部分(32)は、前記光導体(2)の前記第1の表面部分(20)上に配設される
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の発光表示針。
【請求項5】
前記支持部品(24)は、前記光導体(2)の前記第2の表面部分(22)に固定されることを特徴とする、請求項4に記載の発光表示針。
【請求項6】
前記光源(14)の前記第2の極(14B)は接地接続されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光表示針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型物品のための発光表示針に関する。本発明は特に、アナログディスプレイを有する腕時計等の時計又は測定装置のための発光表示針に関する。
【背景技術】
【0002】
腕時計の針は厳密な許容誤差で製造される。パイプを通すための針の孔は一般に、約1マイクロメートルの精度で作製される。この精度は、針をそのアーバ上に確実に正確に打ち込むために必要である。針は一般に、厚さ数百マイクロメートル以下の金属シートから作製される。腕時計の厚さを低減するために、針と腕時計の風防ガラスとの間の距離は通常1ミリメートル以下であり、例えば時針及び分針である2つの同軸の針を隔てる距離は数分の1ミリメートルのレベルである。
【0003】
腕時計の針は、例えば現在時刻を指示するといった機能的役割を有することは明らかであるが、その一方で腕時計の針は、これら針が取り付けられる腕時計の審美的外観に大きく寄与することにより、装飾的役割も有する。この目的のために、針は厳格な基準を満たさなければならない。針を暗所で視認できるようにするための腕時計製作の分野で公知の技術は、ユーザの方向を向いた針の表面を燐光性材料の層でコーティングすることからなる。このような材料の一例は、日本の企業である根本特殊化学株式会社が登録商標「Super−Luminova(登録商標)」の下で販売している非放射性フォトルミネセンス顔料である。この顔料は、腕時計の文字盤上の、時間を表す記号をコーティングするためにも使用できる。昼間は上記燐光性材料の層は光エネルギを吸収する。燐光性材料の層は夜間にこの光エネルギを光放射の形態で放出する。腕時計の針を照明するためのこのような技術は、燐光性材料の層が完全に受動的な様式で動作し、従ってこれを機能させるためにいずれの機械的又は電気的デバイスの起動を必要とせず、また腕時計からいずれのエネルギを取得する必要がないため、極めて便利である。しかしながら、腕時計の針を照明するためのこのような技術はいくつかの欠点も有しており、言及しておく必要がある第1の欠点は、燐光性材料層が光エネルギを伝送できるよりも前に、燐光性材料層を光源によって事前に照明しなければならないことである。同様に、燐光によって光を再伝送する現象は、その時間が限られているため、燐光性層の光度は、これが貯蔵した光エネルギを放出するにつれて徐々に低下する。従って燐光性材料の層でコーティングされた針の外観は一定ではない。最後に、市場で入手可能な燐光性材料の範囲は限られているため、このような材料を使用する腕時計の大半は一般に、暗所においてのみならず白昼においてさえも、同一の外観を有するものとなる。
【0004】
燐光性層の変形例として、腕時計の針を照明するために別個の光源を使用する、能動的照明技術を使用することも考えられる。例えば腕時計に紫外線光源を組み込むことができ、これにより、放出された放射が、針をコーティングしている蛍光材料を励起する。しかしながらこの種類の実施形態も欠点を有する。まず、ブラックライト光源としても知られる紫外線光源は一定量の可視光を放出するため、光源が配置された箇所においてユーザが光のハロを視認してしまう可能性が高い。また、針が紫外線光源に対して移動できるため、針は常に同一量の紫外線光を受信するわけではなく、従って針の光度が変動し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ユーザの必要に応じて様々な色で照明でき、寸法及び美的外観に関して課せられた制約を遵守した発光表示針を提供することによって、上述の欠点及びその他の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために本発明は、携帯型物品のための発光表示針に関する。上記携帯型物品は、電気エネルギ供給源を格納するフレームを含み、上記針は、駆動アーバを通すための孔が配設された光導体と、上記光導体に光を注入する光源を収容するためのハウジングとを含み、上記光源は第1及び第2の極を含み、上記光源の第1の極は、針の駆動アーバを介してエネルギ供給源に接続され、上記光源の第2の極は、携帯型物品のフレームを介してエネルギ供給源に接続される。
【0007】
これらの特徴の結果として、本発明は、例えば腕時計又は測定機器等の携帯型物品のための、外観が経時的に一定である発光表示針を提供する。更に、発光ダイオード等の点光源によって提供される色の範囲は極めて広い。従って針の外観、及びこれに伴って上記針が取り付けられる例えば腕時計等の携帯型物品の外観を独自のものとすることができ、競合製品の中で目立たせることができる。最後に、点光源は針の駆動アーバではなく光導体内に配設されたハウジングに配置されるため、このような針の設計が大幅に簡略化される。
【0008】
本発明の補足的な特徴によると、光源の第2の極は、光源を支持する導電性支持部品を介して携帯型物品のフレームに接続される。
【0009】
本発明の別の特徴によると、支持部品と携帯型物品のフレームとの間の電気的接続は摩擦によって達成される。
【0010】
本発明の更に別の特徴によると、光導体は、観察者に対面する第1の表面部分と、上記第1の表面部分と反対側の第2の表面部分とを含み、駆動アーバに光源を電気的に接続する導電性外側部分は、光導体の第1の表面部分上に配設される。
【0011】
本発明の更に別の特徴によると、支持部品は光導体の第2の表面部分に固定される。
【0012】
本発明の別の特徴によると、光源の第2の極は接地接続される。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の一実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことで、より明らかになるであろう。上記例は、添付の図面を参照して単なる非限定的な例示として提供されているものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明による発光表示針の上面図である。
図2図2は、本発明による発光表示針の、図1の線II−IIに沿った断面図である。
図3図3は、光源を支持する導電性支持部品の斜視図である。
図4図4は、図2と同様の図であり、光導体内への光源の組み込みを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、好ましくは発光ダイオードである点光源を用いて、腕時計又は測定機器等の携帯型物品のための表示針を照明することからなる一般発明概念に由来するものである。この発光表示針は、いくつかの利点を有する:その外観は時間の経過と共に劣化することがなく、また幅広い既存の発光ダイオードが存在するため、針の外観、及びこれに伴って上記針が取り付けられる携帯型物品の外観を独自のものとすることができ、競合製品の中で目立たせることができる。更に、本発明の別の利点によると、光源は例えば針の駆動アーバではなく光導体内に格納されるため、このような針の設計、及び携帯型物品のフレーム内に格納された電気エネルギ源への針の電気的接続が大幅に簡略化される。
【0016】
図1、2はそれぞれ、本発明による発光表示針1の上面図、及び本発明による発光表示針1の、図1の線II−IIに沿った断面図を示す。本発明による発光表示針1は、全体を通して一般参照番号2で表される光導体を含み、この光導体は必要に応じて、プラスチック、石英、ケイ素、サファイア、ルビー又はその他の材料といった、透過性、半透過性又は半透明の材料で作製できる。光導体2は、略直線状の部分6によって延長された環状要素4を含む。環状要素4はその中心に、駆動アーバ10を通すための孔8を有する。発光ダイオード等の光源14を収容するよう構成されたハウジング12は、光導体2の環状要素4内の、環状要素4が直線状部分6によって延長されている領域に配設される。その結果、光源14は、光導体2の内部、特に光導体2の直線状部分に連結することによって光を注入できる。以下に更に詳細に説明するように、光源14は、例えば本発明による発光表示針が取り付けられた腕時計のフレーム18内部に格納された電気エネルギ供給源16への電気的接続のための、第1の極14A及び第2の極14Bを含む(図3を参照)。電気エネルギ供給源16は、セル又は充電式バッテリであってよい。ここで問題となっている光源は典型的には、数十〜数百マイクロアンペアレベルの電力消費を有するため、携帯型物品が備える腕時計の香箱、又はユーザが例えば押しボタンを用いて起動する発電機若しくはダイナモを用いて、上記光源に給電することさえ考えられる。このような解決法の利点は、上記解決法により、物理化学的現象に依存したいずれのエネルギ貯蔵を用いた解決法を回避できるという事実にある。また電力消費が数十マイクロアンペア程度と低い光源を使用する場合でさえ、得られる照明効果は、発光表示針をコーティングするために通常使用される燐光性材料の照明効果と同等となることが理解できるだろう。
【0017】
図1、2に示すように、光導体2は、ユーザに対面する第1の表面部分20、第1の表面部分20と反対側の第2の表面部分22を有する、正方形又は長方形の断面を有する。図示した実施例では、第1の表面部分20及び第2の表面部分22は平坦である。しかしながらこれら表面部分20、22は平坦でなくてもよく、例えば所望の光学的効果を生成するために少なくとも部分的に湾曲しているか又は構造化されていてもよいことは言うまでもない。第1の表面部分20と第2の表面部分22との間の、考慮すべき光導体2の厚さは、典型的には200〜300マイクロメートルである。
【0018】
図3は、光源14を支持する導電性支持部品24の斜視図である。この支持部品24はリング状であり、このリングは、内径が光導体2の環状要素4に配設された孔8上に侵入せず、かつ外径が光導体2の環状要素4の外径よりも小さい。例えば接着剤接合による支持部品24の固定を容易にするために、支持部品24が格納される円形溝26を、環状要素4の基部に配設してよい。支持部品24上の光源14の位置決めは、支持部品24を光導体2に固定する際、上記光源を収容するよう構成されたハウジング12内に突出するようになっていることが理解されるだろう。
【0019】
図4は、光導体2内への光源14の組み込みを示す。図4では、光源14の第2の極14Bは、導電性支持部品24を介して携帯型物品のフレーム18に接続され、その結果として電気エネルギ供給源16に接続される。単なる非限定的な例示として、支持部品24と、例えば本発明による発光表示針1がその上で運動する文字盤28等の、携帯型物品のフレーム18の要素との間の電気的接続は、摩擦部分30を用いて達成される。この摩擦部分30は好ましくは、駆動アーバ10に可能な限り近接して位置決めされ、これにより発光表示針1の回転に対する摩擦の影響を最小化できる。光源14の第1の極14Aは、光導体2の第1の表面部分20上に配設された、駆動アーバ10と電気的に接触している導電性外側部分32を介して、エネルギ供給源16に接続される。よって外側部分32は、その装飾的機能に加えて、電気的コネクタとしての機能も有する。実際には、外側部分32の存在により、光導体2には従来の腕時計の針の外観が与えられる。例えば接着剤接合による外側部分32の固定を容易にするために、外側部分32が格納される溝34を、第1の表面部分20に配設してよい。その結果、外側部分32は縁部36を介して駆動アーバ10と電気的に接触している。そして、導電性材料性であるか又は導電性材料で外側をコーティングされているこの駆動アーバ10は、エネルギ供給源16に接続される。好ましい比限定的な変形例によると、フレーム18は接地端子に接続され、光源14の第1の極14Aはエネルギ供給源16の正極に接続される。
【0020】
本発明は上述の実施形態に限定されないこと、並びに当業者は、添付の請求項によって定義されているような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な単純な代替例及び変形例を考案できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0021】
1 発光表示針
2 光導体
4 環状要素
6 直線状部分
8 孔
10 駆動アーバ
12 ハウジング
14 光源
14A 第1の極
14B 第2の極
16 電力供給源
18 フレーム
20 第1の表面部分
22 第2の表面部分
24 支持部品
26 円形溝26
28 文字盤
30 摩擦部分
32 外側部分
34 溝
36 縁部
図1
図2
図3
図4