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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-227131(P2015-227131A)
(43)【公開日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】着座検出装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 99/00 20090101AFI20151120BHJP
   B62J 1/12 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   B62J99/00 J
   B62J1/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-114001(P2014-114001)
(22)【出願日】2014年6月2日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100084870
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 香樹
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】真壁 知也
(57)【要約】
【課題】シート構造の複雑化や車体の大型化を避けつつ着座状態を精度よく検出できる着座検出装置を提供する。
【解決手段】左右一対のシートレール23L,23Rによって支持される鞍乗型車両のシート20に作用する荷重を、荷重検出部Sによって検出する着座検出装置において、シート20は、荷重を受けるクッション部材33と該クッション部材33を支持する底板部材27とを含む。底板部材27の下面に、左右一対のうちの一側のシートレール23Lの上端面28Lに対向するクッションラバー34を取り付ける。荷重検出ユニットSを上端面28Lから下方に離間した位置に配置する。クッションラバー34と上端面28Lとの間に介在して、シート20が受ける荷重を荷重検出ユニットSへ伝達する荷重伝達部材50を具備する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対のシートレール(23L,23R)によって支持される鞍乗型車両のシート(20)に作用する荷重を、荷重検出部(S)によって検出する着座検出装置において、
前記シート(20)は、前記荷重を受けるクッション部材(33)と該クッション部材(33)を支持する底板部材(27)とを含み、
前記底板部材(27)の下面に、前記左右一対のうちの一側のシートレール(23L)の上端面(28L)に対向するクッションラバー(34)が取り付けられており、
前記荷重検出部(S)が、前記上端面(28L)から下方に離間した位置に配置されており、
前記クッションラバー(34)と前記上端面(28L)との間に介在して、前記シート(20)が受ける荷重を前記荷重検出部(S)へ伝達する荷重伝達部材(50)を具備することを特徴とする着座検出装置。
【請求項2】
前記荷重検出部(S)は、前記一側のシートレール(23L)の内側面に形成される凹部(26L)に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の着座検出装置。
【請求項3】
前記荷重伝達部材(50)は、前記一側のシートレール(23L)の上端面(28L)と前記クッションラバー(34)との間に挟まれる入力部(51)と、該入力部(51)の端部から屈曲して下方に延びる伝達部(52)と、該伝達部(52)の端部から屈曲して水平方向に指向する出力部(53)とを有する板状部材であり、
前記荷重検出部(S)は、前記出力部(53)で上方から押圧される歪センサ(63)を含む組立体であることを特徴とする請求項1または2に記載の着座検出装置。
【請求項4】
前記シート(20)には、運転者が着座する第1着座面(21)および該第1着座面(21)の後方で同乗者が着座する第2着座面(22)が設けられており、
前記荷重検出部(S)は、前記第1着座面(21)の下方に配置され、
前記荷重伝達部材(50)は、鉛直方向に指向して荷重検出部(S)に荷重を伝達することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の着座検出装置。
【請求項5】
前記荷重検出部(S)が、前記一側のシートレール(23L)に対して着脱可能なブラケット(66,70)によって前記一側のシートレール(23L)に固定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の着座検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座検出装置に係り、特に、自動二輪車のシートに乗員が着座しているか否かを検出する着座検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のアイドルストップやエアバッグ展開等の制御に利用するため、シートに乗員が着座しているか否かを検出する着座検出装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、鞍乗型の自動二輪車のシートに設けられた着座検出装置が開示されている。この着座検出装置では、シートのクッション部とシート底板との間にオンオフスイッチが設けられ、クッション部を介して伝わる着座荷重によってスイッチがオンに切り替わることで着座状態を検出するように構成されている。
【0004】
また、特許文献2には、車室を有する四輪車のシートに設けられた着座検出装置が開示されている。この着座検出装置では、車室内の床に対してシート全体を前後スライド可能に支持するレール部分に、歪ゲージからなる感圧式センサを組み込んで、この感圧式センサの出力に基づいて着座状態を検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−176720号公報
【特許文献2】特開2004−114986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された着座検出装置では、感圧式のオンオフスイッチが高価であるうえ、シートのクッションと底板との間にセンサを配置するためにシート構造が複雑となって製造工数が増えるという課題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された着座検出装置は、シートのスライド機構の一部に歪センサを組み込む構造であるため、通常、そのような機構を持たない自動二輪車のシートには適用しにくいという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、シート構造の複雑化や車体の大型化を避けつつ着座状態を精度よく検出できる着座検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、左右一対のシートレール(23L,23R)によって支持される鞍乗型車両のシート(20)に作用する荷重を、荷重検出部(S)によって検出する着座検出装置において、前記シート(20)は、前記荷重を受けるクッション部材(33)と該クッション部材(33)を支持する底板部材(27)とを含み、前記底板部材(27)の下面に、前記左右一対のうちの一側のシートレール(23L)の上端面(28L)に対向するクッションラバー(34)が取り付けられており、前記荷重検出部(S)が、前記上端面(28L)から下方に離間した位置に配置されており、前記クッションラバー(34)と前記上端面(28L)との間に介在して、前記シート(20)が受ける荷重を前記荷重検出部(S)へ伝達する荷重伝達部材(50)を具備する点に第1の特徴がある。
【0010】
また、前記荷重検出部(S)は、前記一側のシートレール(23L)の内側面に形成される凹部(26L)に配設されている点に第2の特徴がある。
【0011】
また、前記荷重伝達部材(50)は、前記一側のシートレール(23L)の上端面(28L)と前記クッションラバー(34)との間に挟まれる入力部(51)と、該入力部(51)の端部から屈曲して下方に延びる伝達部(52)と、該伝達部(52)の端部から屈曲して水平方向に指向する出力部(53)とを有する板状部材であり、前記荷重検出部(S)は、前記出力部(53)で上方から押圧される歪センサ(63)を含む組立体である点に第3の特徴がある。
【0012】
また、前記シート(20)には、運転者が着座する第1着座面(21)および該第1着座面(21)の後方で同乗者が着座する第2着座面(22)が設けられており、前記荷重検出部(S)は、前記第1着座面(21)の下方に配置され、前記荷重伝達部材(50)は、鉛直方向に指向して荷重検出部(S)に荷重を伝達する点に第4の特徴がある。
【0013】
さらに、前記荷重検出部(S)が、前記一側のシートレール(23L)に対して着脱可能なブラケット(66,70)によって前記一側のシートレール(23L)に固定されている点に第5の特徴がある。
【発明の効果】
【0014】
第1の特徴によれば、シートは、荷重を受けるクッション部材と該クッション部材を支持する底板部材とを含み、底板部材の下面に、左右一対のうちの一側のシートレールの上端面に対向するクッションラバーが取り付けられており、荷重検出部が、上端面から下方に離間した位置に配置されており、クッションラバーと上端面との間に介在して、シートが受ける荷重を荷重検出部へ伝達する荷重伝達部材を具備するので、シートの下方側に離間した位置に配設した荷重検出部によって、シートが受ける荷重を検出することが可能となる。
【0015】
これにより、クッション部材と底板部材との間等に荷重検出部を配置する構成に比して、シート構造の複雑化を避けることができる。また、シートとシートレールとの間に荷重検出部を配設するためのスペースを設ける必要がないので、シートおよびシートレールを、着座検出機能を持たないモデルと共通化できる。また、クッションラバーを介して荷重伝達部材に荷重を伝達するため、クッションラバーの弾発力によって荷重伝達部材等のガタつきが抑えられ、荷重の検知精度を高められる。
【0016】
さらに、シートと車体側との間を配線で接続する必要がないため、メンテナンス時に車体からシートを着脱する作業に影響を与えることがない。また、シートレールの上端面から下方に離間した内側の位置に配設されるため、シートを取り外した際に荷重検出部が水分や埃等の影響を受ける可能性を低減できる。
【0017】
第2の特徴によれば、荷重検出部は、一側のシートレールの内側面に形成される凹部に配設されているので、シートレールをアルミ鋳造の板状部材等で形成した際に、剛性バランスや軽量化等のためにシートレールの内側面に形成されるデッドスペースを有効利用して、荷重検出部を配設することが可能となる。これにより、車幅方向の大型化を防ぐと共に、マスの集中を図ることができる。
【0018】
第3の特徴によれば、荷重伝達部材は、一側のシートレールの上端面とクッションラバーとの間に挟まれる入力部と、該入力部の端部から屈曲して下方に延びる伝達部と、該伝達部の端部から屈曲して水平方向に指向する出力部とを有する板状部材であり、荷重検出部は、出力部で上方から押圧される歪センサを含む組立体であるので、左右のシートレール間にバッテリやヒューズ等の部品が密に配設されている場合でも、これらの部品と干渉することなく荷重検出部に荷重を伝達することができる。また、荷重伝達部材をシートレールの内側に配設して外部に露出しないようにしつつ、荷重を伝達することが可能となる。
【0019】
第4の特徴によれば、シートには、運転者が着座する第1着座面および該第1着座面の後方で同乗者が着座する第2着座面が設けられており、荷重検出部は、第1着座面の下方に配置され、荷重伝達部材は、鉛直方向に指向して荷重検出部に荷重を伝達するので、第1着座面および第2着座面を有して前後に長尺なタンデム式シートであっても、乗車検出の重要度が高い運転者側を主とした荷重検出が可能となる。
【0020】
第5の特徴によれば、荷重検出部が、一側のシートレールに対して着脱可能なブラケットによって一側のシートレールに固定されているので、着座検出機能を得るためにシートおよびシートレールを専用設計する必要がなく、着座検出機能を選択的に取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る着座検出装置を適用した自動二輪車の左側面図である。
図2】自動二輪車のシートおよびシートレールの斜視図である。
図3】シートレールおよびその周辺の拡大平面図である。
図4図3のIV−IV線断面図である。
図5図3のV−V線断面図である。
図6図3のVI−VI線断面図である。
図7】荷重検出ユニットの分解斜視図である。
図8】荷重検出ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る着座検出装置を適用した鞍乗型車両としての自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1の車体フレーム2の前端部には、ステアリングステム(不図示)を回動自在に軸支するヘッドパイプ7が設けられている。前輪WFを回転自在に軸支する左右一対のフロントフォーク10は、ステアリングステムにより車体フレーム2に対して操舵可能に取り付けられている。フロントフォーク10の上端部には操向ハンドル4が取り付けられ、フロントフォーク10の中間部には前輪WFの上部を覆うフロントフェンダ11が取り付けられている。
【0023】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ7から後方に延びてエンジン11の上部を覆う左右一対のメインチューブを有し、該メインチューブは、エンジン11の後部で下方に屈曲してスイングアーム14のピボット軸13を支持する。メインチューブの屈曲部に設けられた延出部2aには、左右一対のシートレール23が取り付けられている。
【0024】
エンジン11の駆動力は、スイングアーム14を貫通するドライブシャフト(不図示)を介して後輪WRに伝達される。スイングアーム14は、車体フレーム2の延出部2aに対してリヤクッション15を介して揺動自在に懸架されている。
【0025】
ヘッドパイプ7の前方および側方は、ウインドスクリーン5および前照灯9が取り付けられたフロントカウル8で覆われている。ウインドスクリーン5の車幅方向外側の位置には、ウインカ内蔵バックミラー6が左右一対で取り付けられている。
【0026】
フロントカウル8は、エンジン11のクランクケース前部を覆う位置まで延びており、クランクケース下部はアンダカウル18によって覆われている。エンジン11の排気管12は、その一部がアンダカウル18の下方から露出しつつ車体後方のマフラ12aに導かれる。
【0027】
車体フレーム2の上部には燃料タンク3が取り付けられており、燃料タンク3の後部にシート20が配設されている。シート20は、運転者が着座する第1着座面21の後方に同乗者が着座する第2着座面22が設けられた、前後一体式のタンデム式シートとして構成されている。シートレール23の車幅方向外側は左右一対のリヤカウル19で覆われており、シートレール23の後端部には、尾灯装置17およびリヤフェンダ16が取り付けられている。
【0028】
シート20から下方に離間した位置には、シート20にかかる荷重を検出する荷重検出部としての荷重検出ユニットSが配設されている。シート20に印加された荷重は、鉛直方向に指向する荷重伝達部材50を介して荷重検出ユニットSに伝達される。本実施形態では、乗員の着座状態を検出するために必要な、荷重検出ユニットS、荷重伝達部材50、シート20およびシートレール23を含めた全体を着座検出装置と呼称する。
【0029】
図2は、自動二輪車1のシート20およびシートレール23の斜視図である。シート20は、樹脂からなる底板部材27の上面に発泡素材からなるクッション部材33を取り付けて表皮で覆った構成とされる。一方、シートレール23は、アルミ鋳造等からなる略左右対称の左側シートレール23Lおよび右側シートレール23Rからなる。なお、左右のシートレール23L,23R(以下、単にシートレール23と示すこともある)は車体後方側で結合されていてもよく、互いに着脱式とすることもできる。
【0030】
左右のシートレール23L,23Rには、貫通孔25L,25Rおよび29L,29Rを貫通する締結部材(不図示)によって、車体フレーム2の延出部2aに固定される。また、貫通孔29L,29Rの前方上方に突出する突出部24には、燃料タンク3の後端を軸支して、メンテナンス時等に燃料タンク3を揺動展開させるための貫通孔24L,24Rが形成されている。
【0031】
シートレール23は、剛性バランスや軽量化等を考慮しつつ各部の厚さを調整したアルミ鋳造の板状部材とされる。シート20は、シートレール23の上部を覆うように上方から取り付けられ、底板部材27の下面が複数のクッションラバーを介してシートレール23の上端面28L,28Rに当接することで車体側に支持される。
【0032】
シートレール23の内側面には、他の部分より肉厚を低減した凹部26L、26Rが形成されている。シート20が受ける荷重を検出する荷重検出ユニットSは、左右のうちの一側としての左側シートレール23Lに形成された凹部26Lに収まる位置に配設されている。
【0033】
図3は、シートレール23およびその周辺の拡大平面図である。また、図4図3のIV−IV線断面図である。左右のシートレール23L,23Rの間で車体前方寄りの位置には、バッテリ32およびヒューズボックス31が配設されている。貫通孔24L,24Rが設けられた延出部24の間には、燃料タンク3の後端部に設けられた揺動軸30が位置する。
【0034】
シートレール23の上端面28L,28Rは車幅方向の幅が狭い平坦面であり、バッテリ32の車幅方向外側の位置から車体後方側に延在してシート20を支持する。荷重検出ユニットSは、左側シートレール23Lの凹部26Lに収められることで、上端面28Lの鉛直下方に位置することとなる。荷重検出ユニットSの上方の上端面28Lには、荷重伝達部材50の入力部51が位置する。
【0035】
ここで、図7,8を参照して、荷重検出ユニットSの構造を説明する。図7は、車体斜め前方から見た際の荷重検出ユニットSの分解斜視図であり、図8は車体内側から見た際の荷重検出ユニットSの断面図である。
【0036】
荷重検出ユニットSは、ベースプレート62の撓みを検出素子の抵抗変化に変換して検出する歪ゲージ63を検出部として用いる。ベースプレート62は、長手方向の両端部が一対の支持プレート60,61に狭持されて保持され、中央部に荷重入力軸55が取り付けられている。荷重入力軸55には、ゴム材料等の弾性部材からなるスペーサ59が取り付けられ、このスペーサ59に当接する板状の出力部53が、ナット54によって保持されている。ベースプレート62の両端の支持プレート60,61は、ナット58によってセンサブラケット57の上面に突設された一対のボルト軸56に締結固定される。
【0037】
荷重伝達部材50は、水平方向に指向する板状の入力部51と、該入力部51の端部から屈曲して下方に延びる伝達部52と、該伝達部52の端部から屈曲して水平方向に指向する出力部53とを有する板状部材である。換言すれば、荷重伝達部材50は、左側シートレール23Lの上端面28Lの上方に位置してシート荷重を受ける入力部51と、スペーサ59を介して歪センサ63のベースプレート62を押圧する出力部53と、入力部51および出力部53を連結する伝達部52によって構成されている。支持プレート60の端部には、センサ信号を出力するコネクタ64が設けられている。
【0038】
図4を参照して、荷重検出ユニットSは、凹部26Lの上方のボスに対して締結部材67を用いて固定される上側ブラケット66と、凹部26Lの下方のボスに対して締結部材71を用いて固定される下側ブラケット70とによって支持されている。
【0039】
荷重検出ユニットSに荷重を伝達する荷重伝達部材50の入力部51は、左側シートレール23Lの上端面28Lに沿って配設される板状部材であり、上端面28Lとの間には、荷重伝達部材50の移動代として任意の隙間(例えば、1mm)を設定することができる。
【0040】
一方、シート20のクッション部材33を支持する底板部材27の下面には、シート20をシートレール23の上端面28L,28Rに対して安定的に支持するためのクッションラバー34,35が取り付けられている。このクッションラバー34,35は、シートキャッチ等の係合装置によってシート20を車体側に固定した際に、若干変形して押圧力が印加されたまま保持された状態となり、クッションラバー34,35の弾発力によって上端面28L,28Rと底板部材27とを密着させる機能を有する。
【0041】
上記したような構成によれば、シート20が受けた荷重が、クッションラバー34から荷重伝達部材50を介して、シート20の下方に離間して位置する荷重検出ユニットSに伝達されることとなる。
【0042】
その結果、クッション部材33と底板部材27との間等に荷重検出ユニットを内蔵する構成に比して、シート20の構造の複雑化を避けることができる。また、シート20とシートレール23との間に荷重検出ユニットSを配設するための特別のスペースを設ける必要がないので、シート20およびシートレール23を、着座検出機能を持たないモデルと共通化することができる。
【0043】
さらに、シート20と車体側との間を配線で接続する必要がないため、メンテナンス等でシート20を着脱する作業に影響を与えることがない。また、荷重検出ユニットSが、シートレール23の上端面28Lから下方に離間した内側の位置に配設されるため、シート20を取り外した際に荷重検出ユニットSが水分や埃等の影響を受ける可能性が低減される。
【0044】
また、荷重検出ユニットSは、左側シートレール23Lの肉抜きによって形成された凹部26Lに収まるように配設されている。これにより、デッドスペースの有効活用を図って車幅方向の大型化を避けると共に、荷重検出ユニットSをクッションラバー34の鉛直方向下方に配設し、シート20が受ける荷重を精度よく検出することが可能となる。
【0045】
さらに、荷重伝達部材50が板状部材であるため、左右のシートレール23L,23Rの間にバッテリ32やヒューズボックス31が密に配設されている場合であっても、これらと干渉することなく荷重検出ユニットSに荷重を伝達することができる。
【0046】
なお、本実施形態係るクッションラバー34,35は、直方体状の本体の上部に底板部材27と係合するための係合突起を設けると共に、その下面に肉抜き凹部を有する構成とされているが、その形状は任意に変更することができる。クッションラバーは、第1着座面21の下方、すなわち、荷重検出ユニットSの上方の位置に限られず、第2着座面22側にも設けることができ、形状や総数も車種等に応じて任意に変更できる。
【0047】
図5は、図3のV−V線断面図である。また、図6図3のVI−VI線断面図である。荷重検出ユニットSは、シート20の第1着座面21の下方に配置され、荷重伝達部材50は、鉛直方向に指向して荷重検出ユニットSに荷重を伝達する。これにより、シート20が第1着座面21および第2着座面22を有して前後に長尺なタンデム式シートであっても、乗車検出の重要度が高い運転者側を主とした荷重検出が可能となる。
【0048】
また、前記したように、荷重検出ユニットSは、上側ブラケット66の下端で水平方向に屈曲する面と、下側ブラケット71の上端で水平方向に屈曲する面とによって支持されている。両支持面の間は、締結部材や溶接等によって互いに固定するほか、上側ブラケット66および下側ブラケット71を一体部品として構成してもよい。荷重検出ユニットSは、上下ブラケットに対して締結部材等で固定される。
【0049】
この構成によれば、シート20およびシートレール23の形状を変えることなく、クッションラバー34、上下ブラケット66,70、荷重検出ユニットSおよび荷重伝達部材50からなる部品セットの取付の有無のみで、着座検出機能の有するモデルと不要なモデルとを作り分けることが可能となり、生産効率を高めることができる。
【0050】
なお、自動二輪車の形態、シート、シートレールの形状や構造、荷重検出ユニットの構造、荷重伝達部材やクッションラバーの形状等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、荷重検出ユニットを左側シートレールに取り付けたが、これを右側シートレールに取り付けたり、または左右両側や前後に取り付けることで、シートにかかる種々の荷重変化を検知することもできる。本発明に係る着座検出装置は、自動二輪車のほか鞍乗型の3輪/4輪車両等の種々の車両に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…自動二輪車、20…シート、21…第1着座面、22…第2着座面、23(23L,23R)…シートレール、26(26L,26R)…凹部、27…底板部材、28(28L,28R)…上端面、33…クッション部材、34…クッションラバー、50…荷重伝達部材、51…入力部、52…伝達部、53…出力部、63…歪センサ(荷重センサ)、66…上側ブラケット、70…下側ブラケット、S…荷重検出ユニット(荷重検出部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8