特開2015-229373(P2015-229373A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229373(P2015-229373A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】車両用ドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   B60J5/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-115057(P2014-115057)
(22)【出願日】2014年6月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】祖田 正貴
(72)【発明者】
【氏名】阿部 軌道
(57)【要約】
【課題】ドア本体に入力した衝撃荷重をアウタ補強部材およびインナ補強部材の両部材を経て車体に効率よく伝えることができ、ドア本体の変形を抑えることができる車両用ドアを提供する。
【解決手段】車両用ドア20は、車体11のドア開口部14を開閉するドア本体51と、ドア本体51のインナパネル56に設けられたインナ補強部材74と、ドア本体51のアウタパネル57に設けられたアウタ補強部材75とを備えている。この車両用ドア20は、インナ補強部材74およびアウタ補強部材75の前部74c,82aを連結する前部連結部材76と、インナ補強部材74およびアウタ補強部材75の後部74d,82dを連結する後部連結部材77とを備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナパネルおよびアウタパネルにより閉断面が形成され、車体のドア開口部を開閉するドア本体と、
前記ドア本体のベルトラインに沿って延出されるように前記インナパネルに設けられたインナ補強部材と、
前記インナ補強部材の車幅方向外側に配置され、前記ベルトラインに沿って延出されるように前記アウタパネルに設けられたアウタ補強部材と、を備えた車両用ドアであって、
前記ドア本体の内部において、前記インナ補強部材の前部および前記アウタ補強部材の前部を連結する前部連結部材と、
前記ドア本体の内部において、前記インナ補強部材の後部および前記アウタ補強部材の後部を連結する後部連結部材と、
を備えることを特徴とする車両用ドア。
【請求項2】
前記ドア本体は、前記ドア開口部の後部と車両前後方向で対向し、かつ、車幅方向に延びるドア後壁を備え、
前記後部連結部材は、前記ドア後壁に重ね合わされた状態で取り付けられる後連結壁を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用ドア。
【請求項3】
前記ドア本体は、前記ドア開口部の前部と車両前後方向で対向し、かつ、車幅方向に延びるドア前壁を備え、
前記前部連結部材は、前記ドア前壁に重ね合わされた状態で取り付けられる前連結壁を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用ドア。
【請求項4】
前記ドア本体は、
前記ドア開口部の前部に車幅方向で対向し、かつ、車両前後方向に延びるドア前延出部と、
前記ドア開口部の後部に車幅方向で対向し、かつ、車両前後方向に延びるドア後延出部と、を備え、
前記アウタ補強部材は、
前記ドア前延出部に連結されるアウタ前延出部と、
前記ドア後延出部に連結されるアウタ後延出部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用ドア。
【請求項5】
前記ドア本体は、
前記インナパネルの上フランジと前記アウタパネルの上フランジとが車幅方向に離間されることにより形成されるガラス開口部を備え、
前記アウタ補強部材は、
前記アウタパネルの上フランジに取り付けられるフランジ補強部材と、
前記フランジ補強部材に連結され、前記アウタ前延出部および前記アウタ後延出部を有するビーム部材と、
を備えることを特徴とする請求項4記載の車両用ドア。
【請求項6】
前記フランジ補強部材および前記ビーム部材により車両前後方向に延びる閉断面が形成されることを特徴とする請求項5記載の車両用ドア。
【請求項7】
前記フランジ補強部材の前部および前記アウタ前延出部の連結、前記フランジ補強部材の後部および前記アウタ後延出部の連結の少なくとも一方が離間部を介して離間状態に連結され、
前記離間部に前記前部連結部材、前記後部連結部材の少なくとも一方が連結されることを特徴とする請求項5または請求項6記載の車両用ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア本体にインナパネルおよびアウタパネルを備え、両パネルにインナ補強部材およびアウタ補強部材が設けられた車両用ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアとして、ドア本体の前端部がヒンジを介して車体のドア開口部に取り付けられ、ドア本体の内部にアウタ補強部材およびインナ補強部材がドア本体上縁のベルトラインに沿って設けられたものが知られている。アウタ補強部材がドア本体のアウタパネルに取り付けられ、インナ補強部材がドア本体のインナパネルに取り付けられている。
また、アウタ補強部材およびインナ補強部材が車幅方向に所定間隔をおいて配置されることにより、両補強部材間に窓ガラスが昇降自在に配置される。さらに、アウタ補強部材およびインナ補強部材はそれぞれの前端部がヒンジの補強部材で連結されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このように、アウタ補強部材およびインナ補強部材の前端部が補強部材に連結されることにより、ドア本体の前端部に車両前方から入力した衝撃荷重をアウタ補強部材およびインナ補強部材で受けることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−216831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の車両用ドアは、アウタ補強部材およびインナ補強部材の前端部のみが補強部材で連結され、両補強部材の後端部が連結部材で連結されていない。よって、ドア本体の前端部に衝撃荷重が入力した場合、入力した衝撃荷重で両補強部材の後端部が車幅方向に対して互いに離れる方向や近づく方向に移動することが考えられる。
このため、ドア本体の前端部に入力した衝撃荷重を、アウタ補強部材およびインナ補強部材を経て車体(例えば、センタピラーやリヤピラー)に効率よく伝えることが難しい。
【0006】
また、ドア本体の前端部に入力した衝撃荷重で両補強部材の後端部が車幅方向に対して互いに離れる方向や近づく方向に移動することにより、一方の補強部材の後端部のみが車体(特に、補強部材などの剛性の高い部位)に当接することが考えられる。
このため、ドア本体の前端部に入力した衝撃荷重が一方の補強部材に集中し、一方の補強部材では衝撃荷重を支えることができない虞がある。
【0007】
さらに、アウタ補強部材およびインナ補強部材の後端部が連結部材で連結されていないため、衝撃荷重が車両側方からドア本体の側壁に入力した場合に、アウタ補強部材の後端部が車両前方に移動してアウタ補強部材が折り曲げられることが考えられる。このため、入力した衝撃荷重でドア本体(すなわち、車両用ドア)が変形することが考えられる。
【0008】
本発明は、ドア本体に入力した衝撃荷重をアウタ補強部材およびインナ補強部材の両部材を経て車体に効率よく伝えることができ、さらに、ドア本体の変形を抑えることができる車両用ドアを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、インナパネルおよびアウタパネルにより閉断面が形成され、車体のドア開口部を開閉するドア本体と、前記ドア本体のベルトラインに沿って延出されるように前記インナパネルに設けられたインナ補強部材と、前記インナ補強部材の車幅方向外側に配置され、前記ベルトラインに沿って延出されるように前記アウタパネルに設けられたアウタ補強部材と、を備えた車両用ドアであって、前記ドア本体の内部において、前記インナ補強部材の前部および前記アウタ補強部材の前部を連結する前部連結部材と、前記ドア本体の内部において、前記インナ補強部材の後部および前記アウタ補強部材の後部を連結する後部連結部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2は、前記ドア本体は、前記ドア開口部の後部と車両前後方向で対向し、かつ、車幅方向に延びるドア後壁を備え、前記後部連結部材は、前記ドア後壁に重ね合わされた状態で取り付けられる後連結壁を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3は、前記ドア本体は、前記ドア開口部の前部と車両前後方向で対向し、かつ、車幅方向に延びるドア前壁を備え、前記前部連結部材は、前記ドア前壁に重ね合わされた状態で取り付けられる前連結壁を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記ドア本体は、前記ドア開口部の前部に車幅方向で対向し、かつ、車両前後方向に延びるドア前延出部と、前記ドア開口部の後部に車幅方向で対向し、かつ、車両前後方向に延びるドア後延出部と、を備え、前記アウタ補強部材は、前記前部に設けられ、前記ドア前延出部に連結されるアウタ前延出部と、前記後部に設けられ、前記ドア後延出部に連結されるアウタ後延出部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5は、前記ドア本体は、前記インナパネルの上フランジと前記アウタパネルの上フランジとが車幅方向に離間されることにより形成されるガラス開口部を備え、前記アウタ補強部材は、前記アウタパネルの上フランジに取り付けられるフランジ補強部材と、前記フランジ補強部材に連結され、前記アウタ前延出部および前記アウタ後延出部を有するビーム部材と、を備えることを特徴とする。
【0014】
ここで、車両側方から入力した衝撃荷重を支える部材は、高い剛性が必要とされ、肉厚寸法を大きく確保する必要がある。このため、アウタ補強部材の肉厚寸法を全体で大きく確保するとアウタ補強部材の重量が増加してしまう。
そこで、請求項5において、アウタ補強部材にフランジ補強部材とビーム部材との別部材を備え、アウタ補強部材を2部材で構成するようにした。
【0015】
請求項6は、前記フランジ補強部材および前記ビーム部材により車両前後方向に延びる閉断面が形成されることを特徴とする。
【0016】
請求項7は、前記フランジ補強部材の前部および前記アウタ前延出部の連結、前記フランジ補強部材の後部および前記アウタ後延出部の連結の少なくとも一方が離間部を介して離間状態に連結され、前記離間部に前記前部連結部材、前記後部連結部材の少なくとも一方が連結されることを特徴とする。
【0017】
ここで、ドア本体の内部において、車両前方側に前窓枠などが設けられ、車両後方側に後窓枠などが設けられる。このため、前窓枠などを設ける前空間や、後窓枠などを設ける後空間をドア本体の内部に形成する必要がある。
そこで、請求項7において、フランジ補強部材の前部およびアウタ前延出部の連結、フランジ補強部材の後部およびアウタ後延出部の連結の少なくとも一方を離間部を介して離間状態に連結した。これにより、ドア本体の内部に前空間や後空間を形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明では、インナ補強部材の前部およびアウタ補強部材をドア本体のベルトラインに沿って延出させた。また、インナ補強部材の前部とアウタ補強部材の前部とを前部連結部材で連結した。さらに、インナ補強部材の後部とアウタ補強部材の後部とを後部連結部材で連結した。
よって、ドア開口部の前部からドア本体の前部(ドア前壁)に衝撃荷重が入力した場合に、入力した衝撃荷重で、アウタ補強部材およびインナ補強部材が車幅方向に対して互いに離れる方向や近づく方向に移動することを抑制できる。
【0019】
これにより、ドア本体の前部に入力した衝撃荷重を、アウタ補強部材およびインナ補強部材の両部材を経てベルトラインに沿って車両後方に好適に伝えることができる。さらに、アウタ補強部材およびインナ補強部材の両部材に伝えられた衝撃荷重を、両補強部材を経てドア開口部の後部に効率よく伝えることができる。
【0020】
ところで、衝撃荷重が車両側方からドア本体の側壁に入力した場合に、入力した衝撃荷重で、アウタ補強部材が折り曲げられ、アウタ補強部材の前部と後部とが車両前後方向において互いに近づくように変形することが考えられる。
すなわち、入力した衝撃荷重で、アウタ補強部材の前部が車両後方に移動し、アウタ補強部材の後部が車両前方に移動することが考えられる。
【0021】
ここで、請求項1は、アウタ補強部材およびインナ補強部材の前部が前部連結部材で連結され、アウタ補強部材およびインナ補強部材の後部が後部連結部材で連結されている。
よって、アウタ補強部材の前部が車両後方に移動することをインナ補強部材の前部で抑え、アウタ補強部材の後部が車両前方に移動することをインナ補強部材の後部で抑えることができる。
すなわち、アウタ補強部材の前部および後部が車両前後方向において互いに近づくように変形することをインナ補強部材で抑制できる。これにより、車両側方から入力した衝撃荷重によるアウタ補強部材の折曲げを抑制でき、ドア本体(すなわち、車両用ドア)の変形を抑えることができる。
【0022】
請求項2に係る発明では、ドア本体にドア後壁を備え、ドア後壁をドア開口部の後部と車両前後方向で対向させた。また、後部連結部材に後連結壁を備え、後連結壁をドア後壁に重ね合わされた状態で取り付けた。ここで、後部連結部材にインナ補強部材の後部とアウタ補強部材の後部とが連結されている。
【0023】
よって、インナ補強部材およびアウタ補強部材の後部が後連結壁を介してドア後壁に車両前方側から重ね合わされた状態に連結されている。これにより、ドア本体の前部に入力した衝撃荷重を、ドア本体が変形する前に(すなわち、ドア本体の変形を待つことなく)、アウタ補強部材およびインナ補強部材の両部材を経てドア開口部の後部に迅速に伝えることができる。
【0024】
請求項3に係る発明では、ドア本体にドア前壁を備え、ドア前壁をドア開口部の前部と車両前後方向で対向させた。また、前部連結部材に前連結壁を備え、前連結壁をドア前壁に重ね合わされた状態で取り付けた。ここで、前部連結部材にインナ補強部材の前部とアウタ補強部材の前部とが連結されている。
【0025】
よって、インナ補強部材およびアウタ補強部材の前部が前連結壁を介してドア前壁に車両後方側から重ね合わされた状態に連結されている。これにより、ドア本体のドア前壁(前部)に入力した衝撃荷重を、ドア本体が変形する前に(すなわち、ドア本体の変形を待つことなく)、アウタ補強部材およびインナ補強部材に迅速に伝えることができる。
【0026】
請求項4に係る発明では、ドア開口部の前部にドア本体のドア前延出部を車幅方向で対向させ、ドア前延出部にアウタ補強部材のアウタ前延出部を連結させた。さらに、ドア開口部の後部にドア本体のドア後延出部を車幅方向で対向させ、ドア後延出部にアウタ後延出部を連結させた。
【0027】
よって、車両側方からドア本体の側壁に衝撃荷重が入力した場合に、入力した衝撃荷重がアウタ補強部材を経てアウタ前延出部およびアウタ後延出部に伝わる。アウタ前延出部に伝わった衝撃荷重が、ドア前延出部を経てドア開口部の前部で支えられる。さらに、アウタ後延出部に伝わった衝撃荷重が、ドア後延出部を経てドア開口部の後部で支えられる。
【0028】
これにより、アウタ補強部材を、車両側方から入力した衝撃荷重を支える部材(いわゆる、ビーム部材)として兼用することができる。したがって、車両側方から入力した衝撃荷重を支えるために、専用のビーム部材を別途設ける必要がなく、部品点数の削減が図れる。
【0029】
請求項5に係る発明では、アウタ補強部材にフランジ補強部材とビーム部材との別部材を備え、アウタ補強部材を2部材で構成するようにした。よって、ビーム部材の肉厚寸法を大きくして、フランジ補強部材の肉厚寸法を小さく抑えることができる。
ビーム部材の肉厚寸法を大きくすることにより、ビーム部材の剛性を高くできる。このビーム部材は、アウタ前延出部およびアウタ後延出部を有する。アウタ前延出部およびアウタ後延出部は、ドア前延出部およびドア後延出部にそれぞれ連結されている。これにより、車両側方から入力した衝撃荷重をビーム部材で好適に支えることができる。
【0030】
また、フランジ補強部材の肉厚寸法が小さく抑えられている。このように、アウタ補強部材を2部材で構成し、各部材の肉厚寸法を異ならせることにより、アウタ補強部材の重量を低く抑えることができる。
【0031】
請求項6に係る発明では、アウタ補強部材のフランジ補強部材およびビーム部材で閉断面を形成し、この閉断面を車両前後方向に延出させた。これにより、アウタ補強部材の剛性を高めることができ、車両前方や車両側方から入力した衝撃荷重をアウタ補強部材で好適に支えることができる。
【0032】
請求項7に係る発明では、フランジ補強部材の前部およびアウタ前延出部の連結、フランジ補強部材の後部およびアウタ後延出部の連結の少なくとも一方を離間部を介して離間状態に連結した。これにより、ドア本体の内部に、前窓枠などを配置する前空間や、後窓枠などを配置する後空間を形成することができる。
【0033】
さらに、離間部に前部連結部材、後部連結部材の少なくとも一方を連結させた。よって、離間部を前部連結部材、後部連結部材の少なくとも一方で補強して、離間部の剛性を高めることができる。これにより、車両側方からドア本体の側壁に衝撃荷重が入力した場合に、入力した衝撃荷重によるアウタ補強部材の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る車両用ドアを備えた車両を示す側面図である。
図2図1の2−2線断面図である。
図3図2の3部拡大図である。
図4図2の4部拡大図である。
図5図2の車両用ドアを車体から分解した状態を示す断面図である。
図6図1のドア本体からアウタパネルを分解した状態を示す側面図である。
図7図1のドア本体を7−7線で破断した状態を示す断面図である。
図8図5の8部拡大図である。
図9図5の9部拡大図である。
図10図5のドア補強部材を示す側面図である。
図11図10の11矢視図である。
図12】本発明に係るドア補強部材で車両前方から入力した衝撃荷重をドア開口部の後部に伝える例を説明する図である。
図13】本発明に係るドア補強部材で車両前方から入力した衝撃荷重をドア本体の変形前にドア開口部の後部に迅速に伝える例を説明する図である。
図14】本発明に係るアウタ補強部材で車両側方から入力した衝撃荷重を支える例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
【実施例】
【0036】
実施例に係る車両用ドア20について説明する。
図1図2に示すように、車両10は、車体11の外側壁を形成するアウタサイドパネル12と、アウタサイドパネル12および車体11の骨格材で形成されたドア開口部14と、ドア開口部14に開閉自在に取り付けられた車両用ドア20とを含む。
【0037】
ドア開口部14は、車体11の側部に形成されることにより車室27に連通され、主に乗員の昇降に利用される開口である。ドア開口部14は、サイドシル22で形成される下部15と、フロントピラー23で形成される前部16と、リヤピラー24およびアウタサイドパネル12で形成される後部17と、ルーフレール25で形成される上部18で略矩形状に開口されている。
【0038】
図3に示すように、ドア開口部14の前部16は、フロントピラー23のピラー後壁31と、フロントピラー23に取り付けられたヒンジ部材33とを含む。ヒンジ部材33は、フロントピラー23のピラー外壁32にボルト35・ナット36で取り付けられるヒンジベース34と、ヒンジベース34に支持軸37を介して回転自在に連結されるドアブラケット38とを備えている。
【0039】
ドアブラケット38のドア取付部38aが、車両用ドア20のドア本体51のうちドア前壁(前部)64にボルト41・ナット42で取り付けられている。よって、ドア開口部14に車両用ドア20がヒンジ部材33を介して開閉自在に取り付けられている。
この状態において、ヒンジ部材33のドア取付部38aがドア本体51のドア前壁64に対向された状態(具体的には、当接された状態)に配置されている。
【0040】
図4に示すように、ドア開口部14の後部17は、リヤピラー24のピラー前壁44およびピラー外壁45と、アウタサイドパネル12の後壁13とを含む。ドア開口部14の後部17が装飾用のガーニッシュ46で覆われている。
【0041】
図5図6に示すように、車両用ドア20は、ドア開口部14にヒンジ部材33を介して開閉自在に連結されたドア本体51と、ドア本体51の内部52に設けられたドア補強部材53と、ドア本体51に昇降自在に設けられたサイド窓ガラス54(図1参照)とを含む。
【0042】
ドア本体51は、ドア開口部14を閉じた状態において、車室27側に対向するインナパネル56と、車外28側に対向するアウタパネル57と、インナパネル56およびアウタパネル57間に形成されるガラス開口部58を備えている。
インナパネル56およびアウタパネル57の外周縁が、一例として、ヘミング加工により接合されることにより、インナパネル56およびアウタパネル57でドア本体51が閉断面59に形成されている。
【0043】
図7に示すように、インナパネル56の上部に上フランジ(上縁部)56aが形成され、アウタパネル57の上部に上フランジ(上縁部)57aが形成されている。インナパネル56の上フランジ56aおよびアウタパネル57の上フランジ57aでベルトライン61(図1も参照)が形成される。
インナパネル56の上フランジ56aおよびアウタパネル57の上フランジ57aが車幅方向に所定間隔L1をおいて離間されている。よって、両方の上フランジ56a,57a間にガラス開口部58が形成され、ガラス開口部58にサイド窓ガラス54(図1参照)が配置される。
【0044】
図5に戻って、インナパネル56は、車室27側に対向するインナパネル本体63と、インナパネル本体63の前端63aに設けられたドア前壁64と、ドア前壁64に設けられたドア前延出部65と、インナパネル本体63に設けられたドア後壁66と、ドア後壁66に設けられたドア後延出部67とを有する。
インナパネル本体63は、車室27側に対向するように車両前後方向へ向けて平板状に形成されている。
【0045】
図8に示すように、ドア前壁64は、インナパネル本体63の前端63aから車幅方向外側に折り曲げられて車幅方向に延出されている。
このドア前壁64は、ドア開口部14の前部16(具体的には、ピラー後壁31およびヒンジ部材33のドア取付部38a)と車両前後方向で対向するようにドア開口部14の前部16より車両後方側に配置されている。特に、ヒンジ部材33のドア取付部38aにドア前壁64が当接されている(図3も参照)。
【0046】
ドア前壁64の外端64aがドア取付部38aより車幅方向外側に配置され、ドア前壁64の外端64aからドア前延出部65が車両前方に折り曲げられている。ドア前延出部65は、ドア前壁64の外端64aに設けられて車両前後方向に延出されている。
よって、ドア前延出部65は、ドア開口部14の前部16(具体的には、ドア取付部38a)より車幅方向外側において、ドア取付部38aに車幅方向において対向するように配置されている(図3も参照)。
【0047】
ドア前延出部65にアウタパネル57の前部57bが車幅方向外側から重ね合わされ、前部57bの前端57cがドア前延出部65の前端65aにヘミング加工により接合されている。
ドア前延出部65およびアウタパネル57の前部57b間に前隙間71が形成されている。前隙間71にドア補強部材53のアウタ前延出部82bが配置され、アウタ前延出部82bがドア前延出部65に接合されている。
【0048】
図9に示すように、ドア後壁66は、インナパネル本体63の後端63bから車幅方向外側に折り曲げられて車幅方向に延出されている。このドア後壁66は、ドア開口部14の後部17(特に、ピラー前壁44)と車両前後方向で対向するように、ドア開口部14の後部17より車両前方側に配置されている(図4も参照)。
【0049】
ドア後壁66の外端66aがピラー前壁44より車幅方向外側に配置され、ドア後壁66の外端66aからドア後延出部67が車両後方に折り曲げられている。ドア後延出部67は、ドア後壁66の外端66aに設けられて車両前後方向に延出されている。
よって、ドア後延出部67は、ドア開口部14の後部17(具体的には、ピラー前壁44、ピラー外壁45)より車幅方向外側に配置され、かつ、後部17に対して車幅方向に対向するように配置されている(図4も参照)。
【0050】
ドア後延出部67の車幅方向外側にアウタパネル57の後部57dが配置され、後部57dの後端57eがドア後延出部67の後端67aにヘミング加工により接合されている。
ドア後延出部67およびアウタパネル57の後部57d間に後隙間72が形成されている。後隙間72にドア補強部材53のアウタ後延出部82dが配置され、アウタ後延出部82dが後部連結部材77の外後連結片97を介してドア後延出部67に接合されている。
【0051】
図5に戻って、ドア本体51の内部52にドア補強部材53が設けられている。
ドア補強部材53は、インナパネル56に設けられたインナ補強部材74と、アウタパネル57設けられたアウタ補強部材75と、インナ補強部材74およびアウタ補強部材75の各前部を連結する前部連結部材76(図8も参照)と、インナ補強部材74およびアウタ補強部材75の各後部を連結する後部連結部材77(図9も参照)とを備えている。
【0052】
図7図10に示すように、インナ補強部材74は、上部74a、下部74b、前部74cおよび後部74dで車両前後方向に延びるように側面視略矩形状に形成されている。このインナ補強部材74は、インナパネル56の上フランジ56a内面に上部74aが設けられることによりドア本体51の内部52に配置されている。
よって、インナ補強部材74の上部74aがドア本体51のベルトライン61に沿って車両前後方向に延出されている。これにより、インナパネル56のうち、ドア本体51のベルトライン61に相当する部位がインナ補強部材74で補強されている。
【0053】
図7図11に示すように、アウタ補強部材75は、ドア本体51の内部52において、アウタパネル57の上フランジ57a内面に設けられている。よって、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74間に所定間隔L2が形成されている。
このアウタ補強部材75は、アウタパネル57の上フランジ57aに取り付けられるフランジ補強部材81と、フランジ補強部材81に車幅方向外側から接合されるビーム部材82とを備えている。
【0054】
フランジ補強部材81は、インナ補強部材74と略同様に、上部81a、下部81b、前部81cおよび後部81dで車両前後方向に延びるように略矩形状に形成されている(図10も参照)。このフランジ補強部材81は、アウタパネル57の上フランジ57a内面に上部81aが設けられることによりドア本体51の内部52に配置されている。
【0055】
よって、フランジ補強部材81の上部81aがドア本体51のベルトライン61に沿って車両前後方向に延出されている。これにより、アウタパネル57のうち、ドア本体51のベルトライン61に相当する部位がフランジ補強部材81(すなわち、アウタ補強部材75)で補強されている。
また、インナ補強部材74およびフランジ補強部材81がドア本体51のベルトライン61に沿って車両前後方向に延出されることにより、ドア補強部材53がベルトライン61に沿って車両前後方向に延出されている(図1も参照)。
【0056】
フランジ補強部材81にビーム部材82が車幅方向外側から接合されている。ビーム部材82は、車幅方向外側に膨出された湾曲部83と、湾曲部83の上端83aから上方に折り曲げられた上ビームフランジ84と、湾曲部83の下端83bから下方に折り曲げられた下ビームフランジ85とを有する。
【0057】
上ビームフランジ84および下ビームフランジ85がフランジ補強部材81に車幅方向外側から接合されることにより、フランジ補強部材81にビーム部材82が接合される。これにより、フランジ補強部材81およびビーム部材82でアウタ補強部材75に閉断面87が形成されている。
閉断面87はドア本体51のベルトライン61に沿って車両前後方向に延出されている。これにより、アウタ補強部材75の剛性が高められ、車両前方や車両側方から入力した衝撃荷重F1がアウタ補強部材75で好適に支えられる。
【0058】
さらに、ビーム部材82は、前部82aの前端部で形成されたアウタ前延出部82bと、アウタ前延出部82bの後端に連結された前離間部82cと、後部で形成されたアウタ後延出部82dと、アウタ後延出部82dの前端に連結された後離間部82eとを有する。前部82aの後端部で前離間部82cの前部82f(図8も参照)が形成されている。
なお、実施例においては、アウタ後延出部82dがビーム部材82の後部と同じ部位で形成されている状態を示す。ここで、アウタ後延出部82dを、アウタ前延出部82bと同様に、ビーム部材82の後部の一部(例えば、後端部)で形成することも可能である。
【0059】
図8に示すように、アウタ前延出部82bは、ドア前延出部65およびアウタパネル57の前部57b間の前隙間71に配置され、ドア前延出部65に接合されることにより連結されている。
前離間部82cは、アウタ前延出部82bの後端からフランジ補強部材81の前部81cまで車両後方に向けて延出されている。
【0060】
図9に示すように、アウタ後延出部82dは、ドア後延出部67およびアウタパネル57の後部57d間の後隙間72に配置されている。アウタ後延出部82dは、ドア後延出部67に後部連結部材77の外後連結片97を介して接合されることにより、ドア後延出部67に連結されている。
後離間部82eは、アウタ後延出部82dの前端からフランジ補強部材81の後部81dまで車両前方に向けて延出されている。
【0061】
ここで、図3図4に示すように、ドア前延出部65がドア開口部14の前部16(特に、ドアブラケット38)に車幅方向で対向され、ドア後延出部67がドア開口部14の後部17(特に、ピラー前壁44、ピラー外壁45)に車幅方向で対向されている。よって、車両側方からドア本体51の外側壁(アウタパネル57)に入力した衝撃荷重F2が、アウタ補強部材75を経てアウタ前延出部82bおよびアウタ後延出部82dに衝撃荷重F3,F4として伝えられる。
アウタ前延出部82bに伝えられた衝撃荷重F3がドア開口部14の前部16(ドアブラケット38)で支えられ、アウタ後延出部82dに伝えられた衝撃荷重F4がドア開口部14の後部17(ピラー前壁44、ピラー外壁45)で支えられる。
【0062】
これにより、アウタ補強部材75を、車両側方から入力した衝撃荷重F2を支える部材(いわゆる、ビーム部材)として兼用することができる。したがって、車両側方から入力した衝撃荷重F2を支えるために、専用のビーム部材を別途設ける必要がなく、部品点数の削減が図れる。
【0063】
また、車両側方から入力した衝撃荷重F2を支える部材は、高い剛性が必要とされ、肉厚寸法を大きく確保する必要がある。このため、アウタ補強部材75の肉厚寸法を全体で大きく確保するとアウタ補強部材75の重量が増加してしまう。
そこで、アウタ補強部材75にフランジ補強部材81とビーム部材82との別部材を備え、アウタ補強部材75を2部材81,82で構成するようにした。
【0064】
よって、ビーム部材82の肉厚寸法T1を大きくして、フランジ補強部材81の肉厚寸法T2を小さく抑えることができる。ビーム部材82の肉厚寸法T1を大きくすることにより、ビーム部材82の剛性を高くできる。このビーム部材82は、アウタ前延出部82bおよびアウタ後延出部82dを有する。
アウタ前延出部82bおよびアウタ後延出部82dは、ドア前延出部65およびドア後延出部67にそれぞれ連結されている。これにより、車両側方から入力した衝撃荷重F2をビーム部材82で好適に支えることができる。
【0065】
また、フランジ補強部材81の肉厚寸法T2が小さく抑えられている。すなわち、アウタ補強部材75を2部材81,82で構成することにより、ビーム部材82の肉厚寸法T1に比べてフランジ補強部材81の肉厚寸法T2を小さく抑えることができる。
これにより、アウタ補強部材75の重量を低く抑えて車両用ドア20の軽量化が図れる。
【0066】
図8図11に示すように、インナ補強部材74の前部74cおよびビーム部材82の前部82a(すなわち、アウタ補強部材75の前部)が前部連結部材76で連結されている。
前部連結部材76は、ドア本体51の内部52に配置されてドア前壁64に取り付けられる前連結壁91と、前連結壁91の内端91aから車両後方に折り曲げられた内前連結片92と、前連結壁91の外端91bから車両後方に折り曲げられた外前連結片93とを有する。前連結壁91、内前連結片92および外前連結片93で前部連結部材76が平面視略コ字状に形成されている。
【0067】
前連結壁91は、ドア前壁64に沿って平坦に形成された前連結部位91cを有する。前連結部位91cは、ドア前壁64にドア本体51の内部52側から重ね合わされた状態で、ヒンジ部材33のドアブラケット38とともにボルト41・ナット42で取り付けられている(図3も参照)。
内前連結片92は、インナ補強部材74の前部74cに車幅方向内側から接合され、インナパネル本体63の前部63cに沿って配置されている。
【0068】
外前連結片93は、前連結壁91の外端91bからビーム部材82の前部82aのうち後端部(すなわち、前離間部82cの前部82f)に沿って車両後方へ折り曲げられている。この外前連結片93は、前部82aの後端部(前部82f)に車幅方向内側から接合されている。
内前連結片92がインナ補強部材74の前部74cに接合され、外前連結片93が前部82aの後端部(前部82f)に接合されることにより、インナ補強部材74の前部74cおよびビーム部材82の前部82aが前部連結部材76で連結されている。
【0069】
図9図11に示すように、インナ補強部材74の後部74dおよびビーム部材82のアウタ後延出部82d(すなわち、アウタ補強部材75の後部)が後部連結部材77で連結されている。
後部連結部材77は、ドア本体51の内部52に配置されてドア後壁66に取り付けられる後連結壁95と、後連結壁95の内端95aから車両前方に折り曲げられた内後連結片96と、前連結壁91の外端95bから車両後方に折り曲げられた外後連結片97とを有する。後連結壁95、内後連結片96および外後連結片97で後部連結部材77が平面視略クランク状に形成されている。
【0070】
後連結壁95は、ドア後壁66にドア本体51の内部52側から重ね合わされた状態で取り付けられている。
内後連結片96は、インナ補強部材74の後部74dに車幅方向内側から接合され、インナパネル本体63の後部63dに沿って配置されている。
【0071】
外後連結片97は、後連結壁95の外端95bからビーム部材82のアウタ後延出部82dやインナパネル56のドア後延出部67に沿って車両後方へ折り曲げられている。
この外後連結片97は、ビーム部材82のアウタ後延出部82dに車幅方向内側から接合され、かつ、ドア後延出部67に車幅方向外側から接合されている。すなわち、外後連結片97がアウタ後延出部82dおよびドア後延出部67に挟持されている。
内後連結片96がインナ補強部材74の後部74dに接合され、外後連結片97がビーム部材82のアウタ後延出部82dに接合されることにより、インナ補強部材74の後部74dおよびビーム部材82のアウタ後延出部82dが後部連結部材77で連結されている。
【0072】
図3に示すように、インナ補強部材74の前部74cおよびビーム部材82の前部82aが前部連結部材76で連結されている。また、図4に示すように、インナ補強部材74の後部74dおよびビーム部材82のアウタ後延出部82dが後部連結部材77で連結されている。
よって、図2に示すように、ドア開口部14の前部16からドア本体51のドア前壁64(前部)に入力した衝撃荷重F5で、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74が車幅方向に対して互いに離れる方向や近づく方向に移動することが抑制される。
これにより、ドア本体51のドア前壁64に入力した衝撃荷重F5が、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74の両部材75.74を経てベルトライン61に沿って車両後方に好適に伝えられる。
【0073】
さらに、図3に示すように、ドア本体51のドア前壁64がドア開口部14の前部16と車両前後方向で対向され、かつ、前部連結部材76の前連結壁91(具体的には、前連結部位91c)がドア前壁64に重ね合わされた状態で取り付けられている。
ここで、インナ補強部材74の前部74cとアウタ補強部材75(具体的には、ビーム部材82)の前部82aとが前部連結部材76で連結されている。
【0074】
よって、インナ補強部材74およびアウタ補強部材75の前部74c,82aが前連結壁91を介してドア前壁64に車両後方側から重ね合わされた状態に連結されている。
これにより、ドア本体51のドア前壁64に入力した衝撃荷重F5が、ドア本体51が変形する前に(すなわち、ドア本体51の変形を待つことなく)、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74の両部材75,74に迅速に伝えられる。
【0075】
加えて、図4に示すように、ドア本体51のドア後壁66がドア開口部14の後部17と車両前後方向で対向され、かつ、後部連結部材77の後連結壁95がドア後壁66に重ね合わされた状態で取り付けられている。ここで、後部連結部材77にインナ補強部材74の後部74dとアウタ補強部材75のアウタ後延出部82d(具体的には、ビーム部材82後部)とが連結されている。
【0076】
よって、インナ補強部材74の後部74dおよびアウタ補強部材75のアウタ後延出部82dが後連結壁95を介してドア後壁66に車両前方側から重ね合わされた状態に連結されている。
これにより、ドア本体51のドア前壁64(図2参照)を経てドア本体51に伝えられた衝撃荷重F6が、ドア本体51が変形する前に(すなわち、ドア本体51の変形を待つことなく)、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74の両部材75,74を経てドア開口部14の後部17に迅速に伝えられる。
【0077】
図8図9に戻って、ドア本体51の内部52において、車両前方側に前窓枠などが設けられ、車両後方側に後窓枠などが設けられる。このため、前窓枠などを設ける前空間101や、後窓枠などを設ける後空間102をドア本体51の内部52に形成する必要がある。
そこで、ドア本体51の内部52に前空間101を形成するために、フランジ補強部材81の前部81cがビーム部材82のアウタ前延出部82bから車両後方や車幅方向内方に離間状態に配置されている。また、フランジ補強部材81の前部81cがアウタ前延出部82bにビーム部材82の前離間部82cを介して連結されている。
【0078】
さらに、ドア本体51の内部52に後空間102を形成するために、フランジ補強部材81の後部81dがビーム部材82のアウタ後延出部82dから車両前方や車幅方向内方に離間状態に配置されている。さらに、フランジ補強部材81の後部81dがアウタ後延出部82dにビーム部材82の後離間部82eを介して連結されている。
これにより、ドア本体51の内部52に、前窓枠などを配置する前空間101や、後窓枠などを配置する後空間102が形成されている。
【0079】
ここで、前離間部82cは、車両前後方向の距離L3が後離間部82eの車両前後方向の距離L4より大きい。そこで、前離間部82cの前部82fに前部連結部材76の外前連結片93を接合させることにより、外前連結片93が前離間部82cの前部82fに連結されている。よって、前離間部82cが前部連結部材76で補強され、前離間部82cの剛性が高めされている。
これにより、車両側方からドア本体51の側壁に衝撃荷重F7が入力した場合に、入力した衝撃荷重F7による前離間部82c(すなわち、アウタ補強部材75)の変形を抑制することができる。
【0080】
つぎに、車両10の前部10aに車両前方から入力した衝撃荷重F8をドア本体51を経てドア開口部14の後部17に伝える例を図12図13に基づいて説明する。
図12(a)に示すように、車両10の前部10aに衝撃荷重F8が車両前方から入力する。入力した衝撃荷重F8の一部がドア開口部14の前部16からドア本体51のドア前壁64に衝撃荷重F9として入力する。
【0081】
図12(b)に示すように、インナ補強部材74の前部74cおよびビーム部材82の前部82aが前部連結部材76で連結され、インナ補強部材74の後部74dおよびビーム部材82のアウタ後延出部82dが後部連結部材77で連結されている。
よって、ドア本体51のドア前壁64に入力した衝撃荷重F9で、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74が車幅方向に対して互いに離れる方向や近づく方向に移動することが抑制される。
【0082】
これにより、ドア本体51のドア前壁64に入力した衝撃荷重F9を、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74の両補強部材75,74を経てベルトライン61(図12(a)参照)に沿って車両後方に矢印Aの如く好適に伝えることができる。
さらに、アウタ補強部材75およびインナ補強部材74の両補強部材75,74に伝えられた衝撃荷重F9を、両補強部材75,74を経てドア開口部14の後部17に矢印Bの如く効率よく伝えることができる。
【0083】
図13(a)に示すように、インナ補強部材74およびアウタ補強部材75の前部74c,82aが前部連結部材76の前連結壁91を介してドア前壁64に車両後方側から重ね合わされた状態に連結されている。
よって、ドア本体51が変形する前に、ドア前壁64に入力した衝撃荷重F9をアウタ補強部材75およびインナ補強部材74に矢印Aの如く迅速に伝えることができる。
【0084】
図13(b)に示すように、インナ補強部材74の後部74dおよびアウタ補強部材75(ビーム部材82)のアウタ後延出部82dが後部連結部材77の後連結壁95を介してドア後壁66に車両前方側から重ね合わされた状態に連結されている。
よって、ドア本体51が変形する前に、ドア本体51のドア前壁64に入力した衝撃荷重F9をアウタ補強部材75およびインナ補強部材74を経てドア開口部14の後部17に矢印Bの如く迅速に伝えることができる。
【0085】
ついで、車両10のドア本体51に車両側方から入力した衝撃荷重F10をアウタ補強部材75で支える例を図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、車両側方からドア本体51の側壁に衝撃荷重F10が入力する。入力した衝撃荷重F10の一部がアウタ補強部材75を経てアウタ前延出部82bに衝撃荷重F11として伝わる。
同時に、残りの荷重がアウタ補強部材75を経てアウタ後延出部82dに衝撃荷重F12として伝わる。
【0086】
図14(b)に示すように、アウタ前延出部82bがドア前延出部65に車幅方向に重ね合わされた状態で連結されている。さらに、ドア前延出部65がドア開口部14の前部16に車幅方向で対向されている。
これにより、アウタ前延出部82bに伝えられた衝撃荷重F11を、ドア前延出部65を経てドア開口部14の前部16で支えることができる。
【0087】
図14(c)に示すように、アウタ後延出部82dがドア後延出部67に後部連結部材77の外後連結片97を介して車幅方向に重ね合わされた状態で連結されている。さらに、ドア後延出部67がドア開口部14の後部17に車幅方向で対向されている。
これにより、アウタ後延出部82dに伝えられた衝撃荷重F12を、外後連結片97およびドア後延出部67を経てドア開口部14の後部17で支えることができる。
【0088】
ところで、図14(a)に戻って、車両側方からドア本体51の側壁に衝撃荷重F10が入力した場合に、入力した衝撃荷重F10で、アウタ補強部材75が車幅方向内側に向けて略く字状や略湾曲状などに折り曲げられることが考えられる。この場合、アウタ補強部材75の前部(具体的には、ビーム部材82の前部82a)と、アウタ補強部材75の後部(具体的には、アウタ後延出部82d)とが車両前後方向において互いに近づくように変形する。
すなわち、入力した衝撃荷重F10で、アウタ補強部材75の前部82aが車両後方に移動し、アウタ補強部材75の後部(アウタ後延出部82d)が車両前方に移動することが考えられる。
【0089】
ここで、実施例において、アウタ補強部材75の前部82aおよびインナ補強部材74の前部74cが前部連結部材76で連結されている。さらに、アウタ補強部材75の後部(アウタ後延出部82d)およびインナ補強部材74の後部74dが後部連結部材77で連結されている。
よって、アウタ補強部材75の前部82aが車両後方に移動することをインナ補強部材74の前部74cで抑えることができる。さらに、アウタ補強部材75の後部(アウタ後延出部82d)が車両前方に移動することをインナ補強部材74の後部74dで抑えることができる。
【0090】
これにより、アウタ補強部材75の前部82aおよび後部(アウタ後延出部82d)が車両前後方向において互いに近づくように変形することをインナ補強部材74で抑制できる。したがって、車両側方から入力した衝撃荷重F10によるアウタ補強部材75の車幅方向内側への折曲げを抑制でき、ドア本体51(すなわち、車両用ドア20)の変形を抑えることができる。
【0091】
なお、本発明に係る車両用ドアは、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例では、ドア開口部14の前部16にヒンジ部材33を含む例について説明したが、これに限らないで、ピラー後壁31を車両用ドア20の外面まで膨出させてピラー後壁31のみでドア開口部14の前部16を形成することも可能である。
【0092】
また、前記実施例では、ドア前延出部65およびドア後延出部67をインナパネル56で形成した例について説明したが、これに限らないで、アウタパネル57でドア前延出部65およびドア後延出部67を形成することも可能である。
【0093】
さらに、前記実施例では、ビーム部材82の前離間部82cに外前連結片93(すなわち、前部連結部材76)を連結した例について説明したが、この連結に加えて、ビーム部材82の後離間部82eに外後連結片97(すなわち、後部連結部材77)を連結することも可能である。
また、ビーム部材82の後離間部82eのみに外後連結片97(すなわち、後部連結部材77)を連結することも可能である。
【0094】
さらに、前記実施例では、ドア本体51のドア前壁64に入力した衝撃荷重F9をアウタ補強部材75およびインナ補強部材74を経てドア開口部14の後部17に伝える例について説明したが、これに限らないで、ドア本体51のドア後壁66に入力した衝撃荷重を両補強部材75,74を経てドア開口部14の前部15に伝えることも可能である。
【0095】
また、前記実施例で示した車両、車体、ドア開口部、車両用ドア、ドア本体、インナパネル、アウタパネル、ガラス開口部、ドア前壁、ドア前延出部、ドア後壁、ドア後延出部、インナ補強部材、アウタ補強部材、前部連結部材、後部連結部材、フランジ補強部材、ビーム部材、前離間部、アウタ後延出部、前連結壁および後連結壁などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、ドア本体のインナパネルにインナ補強部材が設けられ、アウタパネルにアウタ補強部材が設けられた車両用ドアを備えた自動車への適用に好適である。
【符号の説明】
【0097】
10 車両
11 車体
14 ドア開口部
16 ドア開口部の前部
17 ドア開口部の後部
20 車両用ドア
51 ドア本体
52 ドア本体の内部
56 インナパネル
56a インナパネルの上フランジ
57 アウタパネル
57a アウタパネルの上フランジ
58 ガラス開口部
59 インナパネルおよびアウタパネルにより形成される閉断面
61 ベルトライン
64 ドア前壁
65 ドア前延出部
66 ドア後壁
67 ドア後延出部
74 インナ補強部材
74c インナ補強部材の前部
74d インナ補強部材の後部
75 アウタ補強部材
76 前部連結部材
77 後部連結部材
81 フランジ補強部材
81c フランジ補強部材の前部
81d フランジ補強部材の後部
82 ビーム部材
82a アウタ補強部材の前部(ビーム部材の前部)
82b アウタ前延出部
82c 前離間部(離間部)
82d アウタ後延出部(ビーム部材の後部、アウタ補強部材の後部)
87 フランジ補強部材およびビーム部材により形成される閉断面
91 前連結壁
95 後連結壁
図1
図2
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図14