特開2015-229463(P2015-229463A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-229463(P2015-229463A)
(43)【公開日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】ステアリング
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   B62D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-117621(P2014-117621)
(22)【出願日】2014年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】前久保 義明
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DA24
3D030DA34
3D030DA38
3D030DA45
3D030DA54
3D030DA69
3D030DB02
(57)【要約】
【課題】加熱体から加飾部へ伝わる熱のばらつきを抑制することができるステアリングを提供する。
【解決手段】ステアリングホイール10は加飾部40を備えている。加飾部40は、加飾された第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bを筒状に組付けて構成されている。第1加飾部位40Aの内周42Aにはシート状の第1加熱体60Aが設けられ、第2加飾部位40Bの内周42Bにはシート状の第2加熱体60Bが設けられている。加飾部40の周方向において第1加飾部位40Aに設けられた一対の係止部44A及び係止部44Bに第1加熱体60Aが第1加飾部位40A側へ曲がった状態で係止されている。同様に、第2加飾部位40Bに設けられた一対の係止部44C及び係止部44Dに第2加熱体60Bが第2加飾部位40B側へ曲がった状態で係止されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加飾された加飾部位が組付けられ、乗員が把持可能とされる筒状の加飾部と、
前記加飾部位の内周側に設けられたシート状の加熱体と、
前記加飾部位に前記加飾部の周方向において一対で設けられ、前記加熱体が前記加飾部位側へ曲がった状態で係止される係止部と、
を備えたステアリング。
【請求項2】
前記係止部は、前記加飾部位の縁部から内周側へ突出され、前記加飾部位が組付けられる位置に配置される請求項1に記載のステアリング。
【請求項3】
前記加飾部位は、複数設けられ、前記係止部は、前記加飾部位の延在方向の一部に設けられる請求項1又は請求項2に記載のステアリング。
【請求項4】
前記係止部は、前記加飾部位の延在方向の全部に設けられる請求項2に記載のステアリング。
【請求項5】
前記加熱体は、前記加飾部位に接着剤を介して接着されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のステアリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両のステアリングシャフトに芯金が固定されるステアリングホイールが開示されている。芯金のリム芯金部には本木により木目調として加飾された加飾部が設けられている。加飾部の内側にはヒータが設けられ、ヒータは加飾部を暖める構成とされている。
【0003】
ところで、加飾部の内周面は凹曲面状とされ、この内周面に沿ってシート状のヒータが貼付けられている。しかしながら、仮に、加飾部とヒータとの距離にばらつきが生じると、ヒータから加飾部へ伝わる熱にばらつきが生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−36840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、加熱体から加飾部へ伝わる熱のばらつきを抑制することができるステアリングを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明に係るステアリングは、加飾された加飾部位が組付けられ、乗員が把持可能とされる筒状の加飾部と、加飾部位の内周側に設けられたシート状の加熱体と、加飾部位に加飾部の周方向において一対で設けられ、加熱体が加飾部位側へ曲がった状態で係止される係止部と、を備えている。
【0007】
請求項1に係るステアリングでは、乗員が把持可能とされる筒状の加飾部が設けられる。加飾部は、加飾された加飾部位を組付けて構成される。そして、加飾部位の内周側にシート状の加熱体が設けられる。
【0008】
ここで、加飾部位に加飾部の周方向において一対で係止部が設けられ、加熱体が加飾部位側へ曲がった状態で係止部に係止される。このため、加飾部位と加熱体との距離のばらつきを抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載された発明に係るステアリングでは、請求項1に係るステアリングにおいて、係止部は、加飾部位の縁部から内周側へ突出され、加飾部位が組付けられる位置に配置される。
【0010】
請求項2に係るステアリングによれば、加飾部位が組付けられる位置に係止部が配置され、係止部が加飾部位の縁部から内周側へ突出される。このため、係止部の突出方向へ加飾部位の組付け面積を増加させることができ、加飾部位の組付け面積の増加のために係止部を除く加飾部位の肉厚を厚くする必要がない。従って、加飾部の肉厚を薄くして加飾部の熱抵抗を減少させることができる。
【0011】
請求項3に記載された発明に係るステアリングでは、請求項1又は請求項2に係るステアリングにおいて、加飾部位は、複数設けられ、係止部は、加飾部位の延在方向の一部に設けられる。
【0012】
請求項3に係るステアリングによれば、係止部が加飾部位の延在方向の一部に設けられる。このため、加飾部位の延在方向の他部に係止部が設けられていないので、複数の加飾部位にそれぞれ設けられた加熱体間が加飾部位の延在方向の他部において接続可能とされる。
【0013】
請求項4に記載された発明に係るステアリングでは、請求項2に係るステアリングにおいて、係止部は、加飾部位の延在方向の全部に設けられる。
【0014】
請求項4に係るステアリングによれば、係止部が加飾部位の延在方向の全部に設けられるので、加飾部位の延在方向の全部において加飾部位の組付け面積を増加させることができる。このため、係止部を除く加飾部位の肉厚をより一層薄くすることができるので、加飾部の熱抵抗を更に減少させることができる。
【0015】
請求項5に記載された発明に係るステアリングでは、請求項1〜請求項4のいずれか1項に係るステアリングにおいて、加熱体は、加飾部位に接着剤を介して接着されている。
【0016】
請求項5に係るステアリングによれば、加熱体が接着剤を介して加飾部位に接着されるので、加飾部位と加熱体との距離のばらつきを更に抑制することができる。加えて、加飾部位と加熱体との間の空気層が減少されるので、加熱体から加飾部への熱抵抗を減少させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るステアリングは、加熱体から加飾部へ伝わる熱のばらつきを抑制することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施の形態に係るステアリングホイールを車両の運転席に着座状態の乗員から見た正面図である。
図2図1に示されるステアリングホイールの一点鎖線により取囲み符号Bを付した部位を拡大して示す分解斜視図である。
図3図1に示されるステアリングホイールをA−A線で切って矢印が指示す方向から見た断面図である。
図4図3に示されるステアリングホイールにおいて加飾部位の周方向端部を拡大した要部拡大断面図である。
図5】第1実施の形態に係るステアリングホイールの加飾部の製造方法を説明する斜視図である。
図6】加飾部の製造方法を説明する図3に対応する断面図である。
図7】本発明の第2実施の形態に係るステアリングホイールにおいて加飾部の加飾部位の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施の形態]
以下、図1図6を用いて、本発明の第1実施の形態に係るステアリングホイールを説明する。
【0020】
(ステアリングホイールの全体構成)
図1に示されるように、ステアリングとしてのステアリングホイール10は芯金12を備えている。芯金12は例えば合金材を鋳造成形することにより形成されている。合金材として、例えばアルミニウム合金材、マグネシウム合金材等が使用されている。
【0021】
芯金12は中心部にボス部14を備えている。ボス部14は車両の操舵装置(ステアリング装置)を構成するステアリングシャフト16に固定されている。ボス部14を中心としたボス部14の周囲には芯金12の一部を構成するリム芯金部20が設けられている。リム芯金部20は、運転席に対向して設置され、運転席に着座した乗員が正面から見て略環状に形成されている。また、図2及び図3に示されるように、ステアリングシャフト16の軸方向(ステアリング軸方向)に沿って切ったリム芯金部20の断面が、二股状とされてステアリング軸の下方(図3中、矢印C方向)側に開口されたC字形状とされている。本実施の形態では、リム芯金部20に芯金12を構成する鉄製のウエイト22が嵌込まれている。図示を省略したが、乗員が正面から見て、ウエイト22の形状は略環状とされている。
【0022】
図1に示されるように、ボス部14とリム芯金部20との間には、芯金12を構成する複数本のスポーク部18が設けられている。スポーク部18はボス部14とリム芯金部20とを連結する構成とされ、ボス部14、スポーク部18及びリム芯金部20は一体に形成されている。つまり、リム芯金部20をその回転軸線回りに回転させると、スポーク部18を介してボス部14が回転すると共に、ボス部14に固定されたステアリングシャフト16がそのステアリング軸回りに回転する。
【0023】
図1及び図2に示されるように、乗員が正面から見て、ステアリングホイール10の左右両側及び下側には、乗員がステアリングホイール10の操作において把持可能な把持部24が設けられている。本実施の形態において、把持部24は、各スポーク部18のリム芯金部20側の部位とリム芯金部20の左右両側及び下側の部位との周囲を被覆して、各スポーク部18及びリム芯金部20に取付けられている。把持部24は、例えば操作時に滑り難く、感触が良く、又高級感が溢れる加飾性に優れた例えば革材(外革材)により形成されている。革材として、本革、合成革のいずれかを使用することができる。図示を省略したが、リム芯金部20の軸方向(長手方向)における把持部24端はリム芯金部20側へ折曲げられている。図2に示されるように、把持部24は、本実施の形態では、一対の第1把持部位24A及び第2把持部位24Bを備えている。第1把持部位24Aは、リム芯金部20の軸芯を中心とした周囲の半分を被覆する半筒状で形成されている。第2把持部位24Bは、リム芯金部20の周囲の残りの半分を被覆する半筒状で形成されている。第1把持部位24A及び第2把持部位24Bは縫製されて組付けられ、完成品として把持部24はリム芯金部20の周囲の全体を被覆する筒状で構成されている。
【0024】
図2に示されるように、把持部24のリム芯金部20側の内側には芯材としての軟質部材26が設けられている。軟質部材26としては、リム芯金部20に比べて軟らかい合成樹脂材、本実施の形態では硬質ウレタン系樹脂材が使用されている。換言すれば、リム芯金部20の左右両側及び下側の周囲を覆って軟質部材26が設けられ、軟質部材26の周囲を覆って把持部24が設けられている。
【0025】
図1及び図2に示されるように、リム芯金部20の軸方向における軟質部材26端に接して、リム芯金部20の周囲には中間部材30が設けられている。中間部材30は、リム芯金部20の軸方向と同一方向に数mm〜数cmの幅を持ち、リム芯金部20からの厚さを軟質部材26の外周表面の高さと同等とした略環状(リング状)とされ、リム芯金部20に嵌込まれている。中間部材30は、例えば樹脂材料により形成された樹脂ピースとして構成されている。中間部材30は、リム芯金部20に軟質部材26を形成する際に、軟質部材26端に位置して軟質部材26端のバリの発生を抑制すると共に、リム芯金部20に対する軟質部材26の位置決めを行う構成とされている。
【0026】
図1に示されるように、乗員が正面から見て、把持部24が設けられていないステアリングホイール10の上側及び左右両側の斜め下側には、乗員がステアリングホイール10の操作において把持可能であって加飾された加飾部40が設けられている。図1図3に示されるように、加飾部40は、リム芯金部20の周囲を被覆して、かつリム芯金部20に樹脂製のスペーサ48を介在させて取付けられている。スペーサ48が介在されているので、スペーサ48を除く加飾部40とリム芯金部20との間に本実施の形態では符号を省略した空気層が形成されている。加飾部40は、例えば操作時に滑り難く、感触が良く、又高級感が溢れる加飾性に優れた例えば木目を持つ木材(本木)により形成されている。また、木材に代えて、木目調、金属調、カーボン調等の加飾が少なくとも表面に施された樹脂材であってもよい。
【0027】
図2及び図3に示されるように、加飾部40は、本実施の形態では、一対の第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bを備えている。第1加飾部位40Aは、リム芯金部20の軸芯を中心としてリム芯金部20の周囲の約半分を被覆する半円筒状で形成されている。第1加飾部位40Aのリム芯金部20側の内周42Aは外周(符号は省略する)側へ凹む凹曲面形状とされ、内周42Aはリム芯金部20から離間されている。第2加飾部位40Bは、リム芯金部20の周囲の残りの約半分を被覆する半円筒状で形成されている。第1加飾部位40Aの内周42Aと同様に、第2加飾部位40Bの内周42Bは、凹曲面形状とされ、リム芯金部20から離間されている。第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bは、図3に示されるように、周方向両縁部において、ここでは接着剤52により接着されて組付けられ、リム芯金部20の周囲の全体を被覆する筒状で構成されている。接着剤52として、例えば木工用樹脂系接着剤が使用されている。
【0028】
本実施の形態に係るステアリングホイール10では、図2及び図3に示されるように、第1加飾部位40Aの内周42Aの凹曲面に沿ってシート状の第1加熱体(ヒータ)60Aが設けられている。同様に、第2加飾部位40Bの内周42Bの凹曲面に沿ってシート状の第2加熱体(ヒータ)60Bが設けられている。第1加熱体60A及び第2加熱体60Bは電気的に直列又は並列に接続されて1つの加熱体60とされており、加熱体60は加飾部40を暖める構成とされている。加熱体60は、図1に示されるコントローラ70にハーネス(配線)78を通して接続されている。コントローラ70には電源72及びスイッチ74が接続されており、スイッチ74が投入されると、電源72からコントローラ70を介してハーネス78へ電流が流れる構成とされている。電源72には車両に積載されたバッテリィが使用されている。
【0029】
加熱体60の第1加熱体60Aは、詳しく説明すると、図2に示されるように、シート(フィルム)62と、シート62の表面に蛇行して張巡らされた熱線64と、熱線64の端部に設けられた結線用配線66とを備えている。シート62は、リム芯金部20の軸方向と同一方向を長手方向とし、リム芯金部20の周方向と同一方向を短手方向とする例えば矩形状のシートとして形成されている。シート62は例えば樹脂シートやゴムシートをベースとして形成され、本実施の形態ではシート62の厚さが0.1mm〜0.5mmに設定されている。熱線64はニクロム線である。また、結線用配線66は前述のハーネス78に接続されている。一方、第2加熱体60Bは、第1加熱体60Aと同様の構成とされている。
【0030】
第1加熱体60Aは、図3及び図4に示されるように、第1加飾部位40Aの内周42Aに接着剤50Aを介して接着されている。詳しく説明すると、図2図4に示されるように、第1加飾部位40Aの周方向両縁部に、第1加熱体60Aのシート62の周方向の一端62Aと係止される係止部44A及びシート62の周方向の他端62Bと係止される係止部44Bが設けられている。係止部44A及び係止部44Bは、ここでは第1加飾部位40Aと一体にかつ一対で形成され、第2加飾部位40Bとの組付け位置となる第1加飾部位40Aの両縁部からリム芯金部20側(内側)へ突出された断面矩形状の突出部位として形成されている。つまり、第1加熱体60Aは、シート62の一端62Aが係止部44Aにより係止され、かつシートの他端62Bが係止部44Bに係止されると共に、内周42Aの凹曲面形状に沿って同様の曲面形状を描いて第1加飾部位40A側へ曲がった状態において、第1加飾部位40Aに接着されている。本実施の形態では、係止部44A及び係止部44Bは第1加飾部位40Aの長手方向の全部に設けられている。
【0031】
図4に示されるように、シート62の厚さがt1、接着剤50Aの厚さがt2とされるとき、係止部44Aの突出寸法dは、接着剤50Aの厚さt2を越えてリム芯金部20との離間距離lを確保することができる範囲内に設定されている。すなわち、突出寸法dは、シート62の一端62A(又は他端62B)が引掛かり係止される寸法からリム芯金部20に接触しない寸法の範囲内に設定されている。離間寸法lとして、温度変化や湿度変化に伴う第1加飾部位40Aの伸縮を考慮して、本実施の形態では0.1mmが必要とされる。また、本実施の形態において、接着剤50Aとしてクロロプレンゴム系樹脂接着剤が使用される場合、接着剤50Aの厚さt2は例えば0.05mm〜0.20mmに設定される。従って、本実施の形態では、突出寸法dが0.3mm〜0.5mmに設定されている。また、本実施の形態では、シート62の厚さt1と接着剤50Aの厚さt2とを加算した寸法と同等かその寸法よりも若干大きい寸法に突出寸法dが設定されている。なお、本実施の形態では、シート62の一端62Aが係止される係止部44Aの側面44Sと内周42Aとがなす角度αが直角とされているが、角度αを鋭角としてシート62の係止部44Aでの係止能力を更に向上させてもよい。また、係止部44Bの構成は係止部44Aと同一の構成とされている。
【0032】
第1加熱体60Aと同様に、第2加熱体60Bは、図3に示されるように、第2加飾部位40Bの内周42Bに接着剤50Bを介して接着されている。図2及び図3に示されるように、第1加飾部位40Aとの組付け位置となる第2加飾部位40Bの周方向両縁部に、第2加熱体60Bのシート62の周方向の一端62Cと係止される係止部44C及びシート62の周方向の他端62Dと係止される係止部44Dが設けられている。係止部44A及び係止部44Bと同様に、係止部44C及び係止部44Dは、第2加飾部位40Bと一体にかつ一対で形成され、第2加飾部位40Bの両縁部からリム芯金部20側(内側)へ突出された断面矩形状の突出部位として形成されている。つまり、第2加熱体60Bは、シート62の一端62Cが係止部44Cにより係止され、かつシートの他端62Dが係止部44Dに係止されると共に、内周42Bの凹曲面形状に沿って同様の曲面形状を描いて第2加飾部位40B側へ曲がった状態において、第2加飾部位40Bに接着されている。係止部44C及び係止部44Dの突出寸法d及び形状は、係止部44A及び係止部44Bの突出寸法d及び形状と同一とされている。
【0033】
(加飾部の製造方法)
ここで、図5及び図6を用いて、前述の加飾部40の製造方法について、簡単に説明する。まず、加飾部40の第1加飾部位40Aの原材料となる角材40Cが準備される(図5参照)。一方、角材40Cに切削加工を行う切削工具80が準備される(図5参照)。切削工具80は、第1加飾部位40Aの内周42Aの凹曲面形状を形成する半球状の刃部82と、刃部82の直径よりも縮径されかつ係止部44A及び係止部44Bの突出部位を形成する円柱状の刃部84とを備えている。角材40Cに対して、角材40Cの長手方向一端から他端へ相対的に切削工具80を回転させながら移動させる。これにより、図5に示されるように、角材40Cに凹曲面形状の内周42Aと係止部44A及び係止部44Bとが形成される。同様の切削工具80を用いて、第2加飾部位40Bの原材料となる角材40Dに凹曲面形状の内周42Bと係止部44C及び係止部44Dとが形成される(図6参照)。
【0034】
次に、角材40Cの内周42Aに沿って接着剤50Aを介して第1加熱体60Aが接着される(図6参照)。このとき、第1加熱体60Aは、シート62の一端62Aが係止部44Aに係止され、かつ他端62Bが係止部44Bに係止されて、形状回復力に抗して内周42Aに沿って凹曲面形状に湾曲させた状態で維持される。このため、接着剤50Aの乾燥前後に関係なく、第1加飾部位40Aの内周42Aに接着剤50Aを介して第1加熱体60Aが密着され、接着剤50Aの乾燥後も内周42Aに対して第1加熱体60Aに浮きが生じない。
【0035】
同様に、角材40Dの内周42Bに沿って接着剤50Bを介して第2加熱体60Bが接着される(図6参照)。このとき、第2加熱体60Bは、シート62の一端62Cが係止部44Cに係止され、かつ他端62Dが係止部44Dに係止されて、形状回復力に抗して内周42Bに沿った凹曲面形状に湾曲させた状態で維持される。このため、接着剤50Bの乾燥前後に関係なく、第2加飾部位40Bの内周42Bに接着剤50Bを介して第2加熱体60Bが密着され、接着剤50Bの乾燥後も内周42Bに対して第2加熱体60Bに浮きが生じない。
【0036】
次に、図6に示されるように、リム芯金部20の周囲を覆い、互いの内周42Aと内周42Bとを向合わせて、角材40Cと角材40Dとが接着剤52を介して接着され、リム芯金部20に角材40C及び角材40Dが組付けられる。リム芯金部20と角材40C及び角材40Dとの間にはスペーサ48が介在されている。引き続き、角材40C及び角材40Dの外側が断面円弧状に削取られる。これにより、前述の図3に示されるように、半筒状の第1加飾部位40A及び半筒状の第2加飾部位40Bが形成されると共に、それらが組付けられた筒状の加飾部40が形成される。
【0037】
なお、前述の図6に示されるように、角材40Cと角材40Dとが接着剤52により接着されると、接着剤52の余分な余剰部52Aが角材40Cと角材40Dとの接着面から外側に突出される。この余剰部52Aは、あえて工程を設けて取除く必要がなく、角材40C及び角材40Dの外側が削取られる際に併せて取除かれる。また、接着面から内側へ突出される接着剤52の余分な余剰部(符号は省略する)は、加飾部40の加飾性に影響を与えないので、特に取除かずにそのままとされる。
【0038】
(本実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係るステアリングホイール10では、図1に示されるように、乗員が把持可能とされる筒状の加飾部40が設けられている。図2及び図3に示されるように、加飾部40は、加飾された第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bを組付けて構成される。そして、第1加飾部位40Aの内周42Aにシート状の第1加熱体60Aが設けられると共に、第2加飾部位40Bの内周42Bにシート状の第2加熱体60Bが設けられる。
【0039】
ここで、図3及び図4に示されるように、第1加飾部位40Aに加飾部40の周方向において一対で係止部44A及び係止部44Bが設けられ、第1加熱体60Aが第1加飾部位40A側へ曲がった状態で係止部44A及び係止部44Bに係止される。同様に、第2加飾部位40Bに加飾部40の周方向において一対で係止部44C及び係止部44Dが設けられ、第2加熱体60Bが第2加飾部位40B側へ曲がった状態で係止部44C及び係止部44Dに係止される。このため、第1加熱体60A、第2加熱体60Bの形状復元力が制限されるので、第1加飾部位40Aと第1加熱体60Aとの距離のばらつき並びに第2加飾部位40Bと第2加熱体60Bとの距離のばらつきを抑制することができる。
【0040】
従って、本実施の形態に係るステアリングホイール10によれば、第1加熱体60Aと第1加飾部位40Aとの間の熱抵抗並びに第2加熱体60Bと第2加飾部位40Bとの間の熱抵抗のばらつきを抑制することができるので、加熱体60から加飾部40へ伝わる熱のばらつきを抑制することができる。
【0041】
特に、図3に示されるように、ステアリングホイール10では、第1加飾部位40Aの内周42Aの凹曲面形状と第1加熱体60Aの湾曲形状とが一致されるので、第1加飾部位40Aと第1加熱体60Aとの距離を減少することができる。同様に、第2加飾部位40Bの内周42Bの凹曲面形状と第2加熱体60Bが湾曲形状とが一致されるので、第2加飾部位40Bと第2加熱体60Bとの距離を減少することができる。このため、加熱体60から加飾部40への熱抵抗を減少することができるので、加熱体60により加飾部40が効率良く暖められる。
【0042】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール10では、図2図4に示されるように、第1加飾部位40Aが組付けられる位置に係止部44A及び係止部44Bが配置され、係止部44A及び係止部44Bが第1加飾部位40Aの両縁部から内周42A側へ突出される。同様に、第2加飾部位40Bが組付けられる位置に係止部44C及び係止部44Dが配置され、係止部44C及び係止部44Dが第2加飾部位40Bの両縁部から内周42B側へ突出される。このため、係止部44A〜係止部44Dの突出方向へ第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bの組付け面積(接着剤52の接着面積)を増加させることができる。従って、第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bの組付け面積を増加させるために、係止部44A〜係止部44Dを除く第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bの肉厚を厚くする必要がない。つまり、加飾部40の肉厚を薄くして加飾部40の熱抵抗を減少することができる。本実施の形態では、加飾部40の肉厚を2.5mm〜3.5mmまで薄くすることが可能となる。結果的に、加熱体60により加飾部40を効率良く暖めることができる。
【0043】
更に、本実施の形態に係るステアリングホイール10では、図2及び図5に示されるように、係止部44A及び係止部44Bが第1加飾部位40Aの延在方向の全部に設けられると共に、係止部44C及び係止部44Dが第2加飾部位40Bの延在方向の全部に設けられる。このため、第1加飾部位40Aの延在方向の全部において第1加飾部位40Aの組付け面積(接着剤52の接着面積)を増加させることができると共に、第2加飾部位40Bの延在方向の全部において第2加飾部位40Bの組付け面積(接着剤52の接着面積)を増加させることができる。従って、係止部44A〜係止部44Dを除く第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bの肉厚をより一層薄くすることができ、加飾部40の熱抵抗を更に減少させることができる。
【0044】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール10では、図3及び図4に示されるように、第1加熱体60Aが接着剤50Aを介して第1加飾部位40Aに接着されるので、第1加熱体60Aの形状復元力が更に制限される。同様に、第2加熱体60Bが接着剤50Bを介して第2加飾部位40Bに接着されるので、第2加熱体60Bの形状復元力が更に制限される。このため、第1加飾部位40Aと第1加熱体60Aとの距離のばらつき並びに第2加飾部位40Bと第2加熱体60Bとの距離のばらつきを更に抑制することができる。加えて、第1加飾部位40Aと第1加熱体60Aとの間の空気層を減少させることができる。同様に、第2加飾部位40Bと第2加熱体60Bとの間の空気層を減少させることができる。このため、熱抵抗が高い空気層が減少されるので、加熱体60から加飾部40への熱抵抗を減少させることができる。
【0045】
[第2実施の形態]
以下、図7を用いて、本発明の第2実施の形態に係るステアリングホイールを説明する。なお、本実施の形態において、第1実施の形態に係るステアリングホイール10の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付け、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0046】
(加飾部の構成)
図7に示されるように、本実施の形態に係るステアリングホイール10の加飾部40は第1実施の形態の加飾部40と同様に、一対の第1加飾部位40A及び第2加飾部位40Bを組付けて構成されている。第1加飾部位40Aの周方向両縁部には係止部44A及び係止部44Bが設けられている。係止部44A及び係止部44Bは、第1加飾部位40Aの延在方向の全部ではなく一部に設けられている。第1加飾部位40Aの係止部44A及び係止部44Bが設けられていない第1加飾部位40Aの周方向縁部に沿った内周42A側の箇所は、第1加飾部位40Aと第2加飾部位40Bとを連通する通路44E及び通路44Fとして使用可能とされている。
【0047】
同様に、第2加飾部位40Bの周方向両縁部には係止部44C及び係止部44Dが設けられている。係止部44C及び係止部44Dは、係止部44A及び係止部44Bと対応する位置に配置されると共に、第2加飾部位40Bの延在方向の一部に設けられている。第2加飾部位40Bの係止部44C及び係止部44Dが設けられていない第2加飾部位40Bの周方向縁部に沿った内周42B側の箇所は、通路44E及び通路44Fとして使用可能とされている。
【0048】
(本実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態に係るステアリングホイール10では、図7に示されるように、第1実施の形態に係るステアリングホイール10により得られる作用効果の他に、係止部44A及び係止部44Bが第1加飾部位40Aの延在方向の一部に設けられる。同様に、係止部44C及び係止部44Dが第2加飾部位40Bの延在方向の一部に設けられる。このため、第1加飾部位40Aの延在方向の他部に係止部44A及び係止部44Bが、第2加飾部位40Bの延在方向の他部に係止部44C及び係止部44Dがそれぞれ設けられていないので、第1加飾部位40Aに設けられた第1加熱体60Aと第2加飾部位40Bに設けられた第2加熱体60Bとが係止部44A〜係止部44Dが設けられていない箇所(通路44E及び通路44F)を通してハーネス78(図1参照)又は結線用配線66(図2参照)により簡易に接続することができる。
【0049】
[上記実施の形態の補足説明]
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲において例えば以下の通り変形可能である。例えば、上記実施の形態では、加飾部にのみ加熱体が設けられていたが、本発明は、把持部にも加熱体を設けてもよい。また、本発明は、加飾部の第1加飾部位、第2加飾部位のいずれか一方に加熱体を設けてもよい。更に、本発明は、加飾部の第1加飾部位の半筒状の割合と第2加飾部位の半筒状の割合(加飾部の周方向の長さの割合)を5割づつに限定するものではなく、例えば4割と6割とに半筒状の割合を設定してもよい。また、本発明では、加飾部の周方向において加飾部位が3分割以上に分割されていてもよい。
【0050】
更に、本発明は、把持部を設けずに、ステアリングホイールの全周に加飾部を組付けてもよい。また、本発明は、環状のステアリングホイールに限定されるものではなく、例えば矩形状やH字状のステアリングにも適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 ステアリングホイール(ステアリング)
12 芯金
16 ステアリングシャフト
20 リム芯金部
24 把持部
40 加飾部
40A 第1加飾部位
40B 第2加飾部位
40C、40D 角材
42A、42B 内周
44A〜44D 係止部
44E、44F 通路
50、50A、50B、52 接着剤
60 加熱体
60A 第1加熱体
60B 第2加熱体
62A、62C 一端
62B、62D 他端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7