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特開2015-232560時計ケースの中間部内にケーシング・リングを組み付けるためのデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-232560(P2015-232560A)
(43)【公開日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】時計ケースの中間部内にケーシング・リングを組み付けるためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/05 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   G04B37/05 Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-111103(P2015-111103)
(22)【出願日】2015年6月1日
(31)【優先権主張番号】14170867.7
(32)【優先日】2014年6月3日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ボルツ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】時計ケース中間部内にケーシング・リングを組み付けるためのデバイスを提供する。
【解決手段】ケーシング・リング10を時計ケース中間部内に組み付けるためのデバイスであって、時計ケース中間部は、その内側壁上に支承面を含み、ケーシング・リング10は、ケーシング・リング10の横面12に開口し、ケーシング・リング10の上側又は下側面に開口する2つのハウジング11を含む。デバイスは、係止部品20を含み、この係止部品20は、第1の位置から第2の位置まで、上側又は下側開口111を貫通する回転垂直軸周りに枢動可能であり、第1の位置では、係止部品20をハウジング11内に収容し、第2の位置では、係止部品20が突出しケース中間部の内側壁の支承面に当接してケーシング・リング10をケース中間部内に保持するようにする。1つの係止部品20は、ハウジング11のそれぞれの中にスナップ嵌めされ、回転垂直軸周りに枢動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング・リング(10)を時計ケース中間部(30)内に組み付けるためのデバイス(1)であって、前記時計ケース中間部(30)は、前記時計ケース中間部(30)の内側壁上に少なくとも1つの支承面(31)を含み、前記ケーシング・リング(10)は、一方では、前記ケーシング・リング(10)の横面(12)において横開口(110)を通って開口し、もう一方では、前記ケーシング・リング(10)の上側(13)又は下側面において上側又は下側開口(111)を通って開口する少なくとも1つのハウジング(11)を含み、
前記デバイスは、前記ハウジング(11)に対して相補形状である少なくとも1つの係止部品(20)を含み、前記係止部品(20)は、後退位置と呼ばれる第1の位置から係止位置と呼ばれる第2の位置まで、前記上側又は下側開口(111)を貫通する回転垂直軸(V)周りに枢動可能であり、前記第1の位置では、前記係止部品(20)を前記ハウジング(11)内に少なくとも部分的に収容し、前記第2の位置では、前記係止部品(20)が突出し前記ケース中間部(30)の前記内側壁の前記支承面(31)のうち1つに当接して前記ケーシング・リング(10)を前記ケース中間部(30)内に保持するようにする、デバイス(1)において、
前記少なくとも1つの係止部品(20)は、前記少なくとも1つのハウジング(11)内にスナップ嵌めされ、前記回転垂直軸(V)周りに枢動することを特徴とするデバイス(1)。
【請求項2】
前記係止部品(20)は、前記係止部品(20)と一体であるピン(21)を含む、請求項1に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項3】
前記ハウジング(11)は、前記係止部品(20)を横開口(110)に通して横方向にスナップ嵌めするように、前記係止部品(20)の前記ピン(21)と協働可能なスナップ嵌め開口(113)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組付けデバイス。
【請求項4】
前記スナップ嵌め開口(113)は、保持部分を形成するボトルネック部を有する入口、及び前記ピン(21)を受け入れるように構成した受け入れ領域を連続して含み、前記受け入れ領域において、前記ピン(21)を保持、枢動できる、請求項3に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項5】
前記係止部品(20)の前記ピン(21)は、ねじ留め工具と協働可能なスロット(23)を有する、請求項2から4のうちいずれか一項に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項6】
前記ピン(21)の前記スロット(23)に前記上側又は下側開口(111)を通してアクセス可能であるように、前記スナップ嵌め開口(113)、前記ピン(21)及び前記上側又は下側開口(111)を前記回転垂直軸(V)に沿って同軸に配置した、請求項5に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項7】
前記係止部品(20)は、前記垂直軸(V)に直交する平面(P)に平行な上側面及び下側面、前記上側面及び下側面に直交する後面(22)及び前面、並びに前記上側面及び下側面並びに前記前面及び後面(22)に直交する2つの横面を有し、前記係止部品は、前記前面及び前記横面上に開口する溝(24)を含み、前記溝(24)は、前記ケース中間部(30)の前記支承面(31)と協働するように構成される、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項8】
前記溝(24)は、前記前面に沿って前記上側面と前記下側面との間に延在し、U字形側面を有する、請求項7に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項9】
前記ケーシング・リング(10)は、前記ケース中間部(30)に対する軸方向及び径方向への位置決めを保証するために、前記ケーシング・リング(10)の周りに角度を付けて分配したいくつかのハウジング(11)及び係止部品(20)を含む、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項10】
前記ケーシング・リング(10)及び前記係止部品(20)は、プラスチック材料から製造される、請求項1から9のうちいずれか一項に記載の組付けデバイス(1)。
【請求項11】
ムーブメント(16)、ガスケット(17)と一体であるガラス(19)、及び裏カバーを更に含む、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の前記デバイスを装着した時計ケースであって、前記ムーブメント(16)は、ダイアル(15)を上に載せ、前記ケーシング・リング(10)内に取り付けられ、前記ケーシング・リング(10)は、ケース中間部(30)内に取り付けられ、前記ケース中間部(30)は、前記ケース中間部(30)の内側壁上に、前記係止部品(20)と協働することを意図する周辺肩部を有する、時計ケース。
【請求項12】
請求項1から11のうちいずれか一項に記載の前記組み付けデバイス(1)を装着した計時器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計ケースの中間部内にケーシング・リングを組み付けるためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーシング・リングは、通常、クランプ及び/又はねじにより時計ケースに固定される。しかし、そのような組付け方法は、いくつかの欠点を有する。実際、クランプ及びねじ頭の厚さは、不都合であることが判明する場合があり、また、部品に余分な厚みを生じることがある。更に、これに使用するねじは、組付け作業に特定の工具及び一定量の経験を必要とする。
【0003】
したがって、ねじ又はクランプ等の更なる手段の使用を必要とせずに時計ケース内にケーシング・リングを組み付けることが既に提案されている。
【0004】
欧州特許第1312989号は、時計ケースにケーシング・リングを組み付けるそのようなデバイスを開示している。より具体的には、この文献は、時計ケースの内側壁内を機械加工した切頭ハウジング、及びリングの後面及び横面上に開口する少なくとも2つの切頭チャンバを含むケーシング・リングを含む時計ケースを開示している。この切頭チャンバは、係止部品を受けることができ、この係止部品は、係止部品が完全にチャンバ内にある自由位置から、係止部品がチャンバ内に部分的に収容されケース内の対応するハウジング内部に部分的に収容される係止位置まで回転移動できる。
【0005】
上記した組付けデバイスは、いくつかの欠点を有する。まず、係止部品が取り外し可能であることが挙げられ、このことには、係止部品を所定位置に置いた後ケーシング・リングを慎重に組み付けることを必要とする。というのは、ケーシング・リングは、1つ又は複数の係止部品が外れるのを防止するために平坦なままにしなければならないためである。次に、係止部品の大きさが小さいことが挙げられ、このことは、時計を組み付ける間、係止部品の取扱いが困難であることを意味する。最後に、係止部品の形状のために、時計ケース及びケーシング・リングの両方に複雑な機械加工作業を必要とすることが述べられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第1312989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
こうした公知の技法の様々な欠点を克服することが本発明の目的である。
【0008】
より詳細には、時計の組付け中に作業者が複雑な作業を実施する必要のない組付けデバイスを提供することが本発明の目的である。
【0009】
少なくとも特定の一実施形態では、実装が簡単で安価であるデバイスを提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
他の目的と共に以下でより明らかになるこれらの目的は、時計ケース中間部内にケーシング・リングを組み付けるためのデバイスにより本発明によって達成され、この時計ケース中間部は、その内側壁上に少なくとも1つの支承面を含み、前記ケーシング・リングは、一方では、前記ケーシング・リングの横面において横開口を通り、もう一方では、ケーシング・リングの上側又は下側面において上側又は下側開口を通る少なくとも1つのハウジング開口を含み、
前記デバイスは、前記ハウジングに対して相補形状である少なくとも1つの係止部品を含み、この係止部品は、後退位置と呼ばれる第1の位置から係止位置と呼ばれる第2の位置まで前記上側又は下側開口を貫通する回転垂直軸周りに枢動可能であり、この第1の位置では、前記係止部品を前記ハウジング内に少なくとも部分的に収容し、第2の位置では、前記係止部品が突出し前記ケース中間部の内側壁の前記支承面に当接して前記ケーシング・リングを前記ケース中間部内に保持するようにする。
【0011】
本発明によれば、前記少なくとも1つの係止部品は、前記少なくとも1つのハウジング内にスナップ嵌めされ、前記回転垂直軸周りに枢動する。
【0012】
単独又は組み合わせて採用される本発明の任意選択の特徴によれば、
−前記係止部品は、係止部品と一体であるピンを含み;
−前記ハウジングは、前記係止部品を横開口に通して横方向にスナップ嵌めするために前記係止部品の前記ピンと協働可能なスナップ嵌め開口を含み;
−前記スナップ嵌め開口は、保持部分を形成するボトルネック部を有する入口、及び前記ピンを受け入れるように構成した受け入れ領域を連続して含み、この受け入れ領域において、前記ピンを保持、枢動でき;
−前記係止部品の前記ピンは、ねじ留め工具と協働可能なスロットを有し;
−前記ピンのスロットに前記上側又は下側開口を通してアクセス可能であるように、前記スナップ嵌め開口、前記ピン及び前記上側又は下側開口を前記回転垂直軸に沿って同軸に配置し;
−前記係止部品は、垂直軸に直交する面に平行な上側面及び下側面、上側面及び下側面に直交する後面及び前面、並びに上側面及び下側面並びに前面及び後面に直交する2つの横面を有し、前記係止部品は、その前面及び横面上に開口する溝を含み、溝は、前記ケース中間部の前記支承面と協働するように構成され;
−前記溝は、その前面に沿って上側面と下側面との間に延在し、U字形側面を有し;前記ケーシング・リングは、ケース中間部に対する軸方向及び径方向への位置決めを保証するために、前記ケーシング・リングの周りに角度を付けて分配したいくつかのハウジング及び係止部品を含み;
−前記ケーシング・リング及び前記係止部品は、プラスチック材料から製造される。
【0013】
本発明は、本発明によるデバイスを装着した時計ケースであって、ダイアルを載せるムーブメント、ベゼルに固定されるガラス、ケース中間部及び裏カバーを含み、このムーブメントをケーシング・リング内に取り付け、更にケーシング・リングをケース内に取り付けた、時計ケースにも関し、前記ケース中間部は、その内側壁上に、前記係止部品と協働することを意図する周辺肩部を有する。
【0014】
本発明は、本発明による組付けデバイスを装着した計時器にも関する。
【0015】
したがって、上記した様々な機能的及び構造的態様により、本発明の主題は、ケーシング・リングを時計ケース中間部に確実で単純に組み付けることを保証できる。
【0016】
本発明の他の特性及び利点は、単なる例示的で非限定的な例として示される本発明の特定の実施形態の以下の説明、及び添付の図面を読めばより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による組付けデバイスの斜視図である。
図2】係止位置における、本発明による組付けデバイスの図1の線II−IIに沿った断面図である。
図3a】後退位置における、本発明による組付けデバイスの斜視図である。
図3b】係止位置における、本発明による組付けデバイスの斜視図である。
図4a】本発明による組付けデバイスの係止部品の斜視図である。
図4b】本発明による組付けデバイスのハウジングの図1の線IV−IVに沿った断面図である。
図5】本発明による組付けデバイスを装着した時計ケースの分解図である。
図6】本発明による組付けデバイスのハウジングの軸Vに沿った縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図1図2図3a、図3b、図4a、図4b及び図5を一緒に参照しながら、例示的実施形態の組付けデバイス1を以下に説明する。
【0019】
上述のように、本発明の一般原理は、ケーシング・リング10を時計ケース中間部30内に組み付けるためのデバイス1の実装にあり、時計ケース中間部30は、その内側壁上に少なくとも1つの支承面31を含み、ケーシング・リング10は、一方では、前記ケーシング・リング10の横面12において横開口110を通り、もう一方では、ケーシング・リング10の上側又は下側面13において上側又は下側開口111を通る少なくとも1つのハウジング11の開口を含む。
【0020】
デバイスは、実質的に平行六面体でありハウジング11に対して相補形状である少なくとも1つの係止部品20を含み、この係止部品20は、後退位置と呼ばれる第1の位置から係止位置と呼ばれる第2の位置まで上側又は下側開口111を貫通する回転垂直軸V周りに枢動するように構成され、この第1の位置では、係止部品20をハウジング11内に載置し、第2の位置では、係止部品20が突出しケース中間部30の内側壁内の凹部31内に係合してケーシング・リング10をケース中間部30内に保持するようにする。
【0021】
係止部品20は、垂直軸Vに直交する平面Pに平行である上側面及び下側面、上側面及び下側面に直交する後面22及び前面、並びに、上側面及び下側面並びに前面及び後面22に直交する2つの横面を有し、上側面は、ケーシング・リング10の上側開口111に面しており、係止部品20は、後面22を通してハウジング11に挿入される。図示しない本発明の代替形態によれば、ケーシング・リング10は、ただ1つの係止部品20及び暗示的にはただ1つのハウジング11を有し、固定係止部品として作用する突起は、時計ケース中間部30と協働してケーシング・リング10をケース中間部30に片側で固着するようにする。次に、ケーシング・リングは、係止部品20を係止位置に移動させることによってケース中間部に永続的に固着される。
【0022】
本発明によれば、係止部品20は、横開口110に通し、ケーシング・リング10のハウジング11内に横方向にスナップ嵌めすることを意図する。
【0023】
時計ケース中間部30の内側壁上に形成した1つ又は複数の支承面31は、凹部31の形状が、この凹部31内に受け入れられる係止部品20の部分の形状と一致するように、例えば矩形又は長方形形状のハウジングの形態を取ることができる。
【0024】
ケース中間部30の内側壁上に形成した支承面31が、時計ケース中間部30の内側面の全て又は一部にわたって延在する舌部の形態を取ることを想定することも可能である。
【0025】
図示しない更に別の実施形態によれば、時計のケース中間部30は、係止部品20のための支承面として作用することを意図する周辺又は局所肩部を含むことができる。
【0026】
図4aから理解できるように、係止部品20は、実質的に矩形形状のものであり、後面22は、ケーシング・リング10のハウジング11内部での係止部品20の回転を促進するために丸みのある縁部を有する。
【0027】
図6に示す本発明の変形形態によれば、係止部品20は、この係止部品20の前面上及び横面のそれぞれの上に開口する溝24を含む。この変形形態によれば、溝24は、部品20の幅部にわたって、軸Vに直交する平面P内に延在し、U字形側面を有する。
【0028】
係止部品20の溝24は、支承面として作用する少なくとも1つのリブ310と協働するように構成され、リブは、ケース中間部30の内側壁上に形成され、ケース中間部30の内側壁に直交して延在する上側面311及び下側面312を有する。
【0029】
係止位置において、溝24の上側壁241及び下側壁242はそれぞれ、ケース中間部30のリブ310の上側面311及び下側面312上に支承する。この構成により、ケーシング・リング10をケース中間部30内に正確に係止、位置決めすることが容易になる。
【0030】
ケース中間部は、例えば、ケース中間部30の内側壁上に角度を付けて分配した3つのリブ310、或いは周辺リブ310を有することもできる。
【0031】
好ましくは、円筒形状のピン21を後面22の近傍に配設し、ピンの大きな面のうちの1つから垂直に延在する。このピンは、ピン21の形状に対して相補形状であるスナップ嵌め開口113でハウジング11内にスナップ嵌めする。ピン21は、ねじ回し等の工具を挿入して係止部品20を回転可能にするように、その上側面上にスロット23も有する。このスロット23は、ピン21を支える面とは反対側の大きな面上に配置でき、そのために、ケーシング・リング10をケースの裏側からケース中間部30内に取り付ける際にスロット23にアクセス可能である。
【0032】
この例では、係止部品20及びピン21は、プラスチック材料製であっても、又は更には金属材料製であってもよい単一要素を形成する。本明細書では、当業者が本発明の範囲内で他の材料を想定できることは理解されよう。
【0033】
図1から明らかなように、ケーシング・リング10は、例えばフライス削りによってケーシング・リング10内に機械加工したハウジング11を含み、ハウジング11は、リングの横面12上に矩形形状の横開口110、及びリングの上側面13上に円形形状の上側開口111を有する。好ましくは、ケーシング・リング10は、少なくとも2つのハウジング11及び対応する2つの係止部品20を含み、係止部品20のそれぞれは、ケース中間部30の内側壁内で事前機械加工したそれぞれの凹部31と協働する。ケーシング・リング10の組付け方向に応じて、下側開口を上側開口111の代わりに備えることができる。
【0034】
ハウジング11をケーシング・リング10内に機械加工する場合、係止部品20を垂直にハウジング11内に保持するようにブリッジ114を上側面又は下側面上に形成する。したがって、係止位置への変更の間、係止部品20はハウジング11内に垂直に保持され、ピン21がスナップ嵌め開口113から外れ得ない。
【0035】
図5に見える中空部101も、時計を組み立てる間にムーブメント16にクラウンを挿入するためにケーシング・リング10内に形成される。
【0036】
ケーシング・リング10は、その基部上に少なくとも1つの位置決め突起115も含み、この位置決め突起115は、ケーシング・リング10をケース中間部30内に適切に位置決めするように、ケース中間部30と協働することを意図する。図面には示さない別の実施形態によれば、位置決め突起115は、ケーシング・リング10の周辺にわたって延在する。
【0037】
図面に示す例示的実施形態では、ハウジング11の上側開口111は、わずかに中心から外して、ハウジング11の縁部の1つに向かって位置決めする。
【0038】
本発明の別の実施形態によれば、ケーシング・リング10は、いくつかの、例えば3つのハウジング11及び係止部品20を含み、ケース中間部30は、ケーシング・リング10を確実に保持するように係止部品20の数と一致するいくつかの支承面31を有する。
【0039】
前述の実施形態によれば、ハウジング11及び係止部品20をケーシング・リング10の周りに角度を付けて分配して、ケース中間部30に対するケーシング・リング10の適切な軸方向及び径方向への位置決めを保証する。
【0040】
本発明の好ましい実施形態によれば、ケーシング・リング10は、製造費用を低減するために、例えば射出成形によりプラスチック材料から製造できる。
【0041】
図4bで示すように、ハウジング11は、前面に、係止部品20を受け入れることを意図する第1の空間112を有し、第1の空間112は、係止部品20がハウジング11内で摩擦なく枢動できるように係止部品20の本体の寸法よりもわずかに大きな寸法を有する。
【0042】
ハウジング11は、スナップ嵌め開口113と呼ばれ係止部品ピン21を受け入れることを意図する第2の空間を含む。スナップ嵌め開口113は、ピン21が入口に隣接する受け入れ領域内部に押し込まれるように、ピン21の直径の寸法よりもわずかに小さい寸法のボトルネック部を形成する入口を有し、この受け入れ領域は、円形形状であってピン21の直径よりもわずかに大きく、係止部品20をハウジング11内に保持するようにする。
【0043】
有利には、スナップ嵌め開口113、及びより正確にはスナップ嵌め開口113の受け入れ領域は、円形開口111と同軸に配設され、それにより、ピン21のスロット23に円形開口111を通してアクセス可能であり、円形開口111は、スナップ嵌め開口113の直径よりもわずかに小さい直径を有する。
【0044】
スナップ嵌合した後、係止部品20は、後退位置と呼ばれる第1の位置から係止位置と呼ばれる第2の位置に枢動でき、この第1の位置では、係止部品20をハウジング11内に載置し、第2の位置では、係止部品20が突出しケース中間部30の内側壁の支承面31と協働してケーシング・リング10をケース中間部30内に維持するようにする。
【0045】
図3a及び図3bで観察できるように、係止部品20の一部分が突出し時計ケース中間部の支承面と協働できるように、ハウジング11の長さは、係止部品20の長さよりもわずかに大きく、係止部品20の長さは、ハウジング11の深さよりも大きい。
【0046】
図2に示すように、ケーシング・リング10は、既にスナップ嵌合させた係止部品20を備えており、これらの係止部品20は、ケース中間部30の凹部31内に嵌め込むことによってケース30に対しケーシング・リング10を位置決め可能にする。
【0047】
図5は、ケース中間部30、ケース中間部30に取り外し可能に組み付けられる裏カバー14を含む時計ケースを示し、本発明のケーシング・リング10は、ケース中間部30に挿入可能である。ケーシング・リング10は、時計ムーブメント16を維持するように働き、係止部品20によりケース中間部30の内部に保持される。
【0048】
ムーブメント16は、図示する例では上方から、ムーブメント16がケーシング・リング10の内側面の肩部116と接触するまでケーシング・リング10内に摺動する。ムーブメント16−ケーシング・リング10を備える組立体は、組付け方向に応じて、組立体がダイアル15又は裏カバー14に当接するまで、ケース中間部30内に摺動する。有利には、本発明によれば、ケーシング・リング10上に存在する係止部品20は、ケーシング・リング10をケース中間部30に固着可能にする。
【0049】
図面から明らかなように、時計はクラウン32を含み、このクラウン32は、ケース中間部30の穴、ケーシング・リング10の中空部101及びムーブメント16の穴に連続して通してムーブメント16上に取り付け、ムーブメント16に固着するようにする。
【0050】
時計ケースは突縁18及びガスケット17も含み、この突縁18は、ダイアル15の周辺を部分的に重複するようにダイアル15とガラス19との間に取り付け、ケース中間部30上に支承し、上記ガスケット17は、ガラス19をケース中間部30に固着させ、こうして時計ケースの上側部品を閉鎖する。
【0051】
時計ケースの下側部は、ムーブメント16−ケーシング・リング10組立体がケース中間部30を押圧するように裏カバー14を固着することによって閉鎖する。
【0052】
ケーシング・リング10の時計ケース30上への組付けは、以下のように達成する。
【0053】
最初に、作業者は、スナップ嵌め開口113のそれぞれにピン21を強制的に挿入することによってケーシング・リングのハウジング11のそれぞれの中に係止部品20をスナップ嵌めし、その結果、ピン21上に存在するスロット23が円形開口111を通して見えるようにする。スナップ嵌めを行った後、作業者は、手作業又はねじ回しにより係止部品20を後退位置に位置決めする。
【0054】
次に、作業者は、ケーシング・リング10の下側又は上側面が組付け方向に応じて、ケース中間部30のダイアル15又は裏カバー14に当接するまで、係止部品20を装着したケーシング・リング10を時計ケース30に挿入する。次に、ねじ回しを用いて、作業者は、ピン21を介して係止部品20を4分の1回転だけ回転させて係止部品20を係止位置内に移動させるようにする。したがって、係止部品20のそれぞれの一部分は時計ケース30の支承面31と協働し、このことは、ケーシング・リング10をケース中間部30に固着させる効果を有する。時計ムーブメント16は、選択した組立て順序に応じて、ケーシング・リング10をケース中間部30に固着する前又はその後にケーシング・リング10内に配設できる。
【0055】
図3a及び図3bに示す本発明の一実施形態によれば、ケーシング・リング10は、回転方向を示す矢印を伴って「開ける」及び「閉じる」等のマークを上側面13上に有することができ、こうしたマークは、例えば作業者に、係止部品20を枢動させてケーシング・リング10をケース中間部30に係止する方向、又は係止部品20を枢動させてケーシング・リング10をケース中間部30から解除する方向を示すことを意図する。
【0056】
本発明は、上記した組付けデバイス1を装着した計時器にも関し、計時器は、機械式時計であっても、電子時計であってもよい。
【0057】
本発明のこれらの異なる態様の結果として、ケーシング・リングを時計ケース中間部内に組み付けるためのデバイスが提供され、このケーシング・リングは、作業者にとって取扱い及び設置が容易で、ねじ又はクランプの使用を必要としない。
【0058】
当然、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によって他の実施形態を想定できる。
【符号の説明】
【0059】
1 組付けデバイス
10 ケーシング・リング
101 ケーシング・リング中空部
11 ハウジング
110 横開口
111 上側開口
112 ハウジングの第1の空間
113 スナップ嵌め開口
114 保持ブリッジ
115 位置決め突起
116 ケーシング・リング肩部
12 横面
13 上側面
14 裏カバー
15 ダイアル
16 ムーブメント
17 ガスケット
18 突縁
19 ガラス
20 係止部品
21 ピン
22 係止部品の後面
23 スロット
24 溝
241 溝の上側壁
242 溝の下側壁
30 ケース中間部
31 支承面
310 リブ
311 リブの上側面
312 リブの下側面
32 クラウン
V 回転垂直軸
P 垂直軸に直交する平面
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
【外国語明細書】
2015232560000001.pdf