特開2015-87380(P2015-87380A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2015-87380腕時計の針の位置を検出する検出デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-87380(P2015-87380A)
(43)【公開日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】腕時計の針の位置を検出する検出デバイス
(51)【国際特許分類】
   G04C 3/00 20060101AFI20150410BHJP
【FI】
   G04C3/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-173825(P2014-173825)
(22)【出願日】2014年8月28日
(31)【優先権主張番号】13190872.5
(32)【優先日】2013年10月30日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエルパスクヮーレ・トルトーラ
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン・シュプリンガー
【テーマコード(参考)】
2F101
【Fターム(参考)】
2F101AC01
2F101AG02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気機械式の腕時計の針の位置を検出するデバイスの複雑さを軽減する。
【解決手段】腕時計の少なくとも第1及び第2の針10、12の位置の検出デバイスであって、第1及び第2の針10、12は、表盤の上を動き、検出デバイスは、光ビーム14を第1及び第2の針10、12の方向へ発する単一の光源2と、及び第1及び第2の光検出システム4、22とを有し、光源2及び前記第1及び第2の光検出システム4、22は、表盤の上又は下に取り付けられ、光源2及び第1及び第2の光検出システム4、22は、第1の針10が所定位置にあるときに、光源2が発する光ビーム14が第1の針10によって第1の検出システム4の方向へ反射し、かつ、第2の針12が所定位置にあるときに、光源2が発する光ビーム14が第2の針12によって第2の検出システム22の方向へ反射する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械式の腕時計の少なくとも第1及び第2の針(10、12)の位置の検出デバイスであって、
前記第1及び第2の針(10、12)は、表盤(8)の上を動き、
当該検出デバイス(1)は、光ビーム(14)を前記第1及び第2の針(10、12)の方向へ発する単一の光源(2)と、及び第1及び第2の光検出システム(4、22)とを有し、
前記光源(2)及び前記第1及び第2の光検出システム(4、22)は、前記表盤(8)の上又は下に取り付けられ、
前記光源(2)及び前記第1及び第2の光検出システム(4、22)は、前記第1の針(10)が所定位置にあるときに、前記光源(2)が発する光ビーム(14)が前記第1の針(10)によって前記第1の検出システム(4)の方向へ反射し、かつ、前記第2の針(12)が所定位置にあるときに、前記光源(2)が発する光ビーム(14)が前記第2の針(12)によって前記第2の検出システム(22)の方向へ反射するように構成した
ことを特徴とする検出デバイス。
【請求項2】
前記第1及び第2の針(10、12)はそれぞれ、前記光ビーム(14)を前記第1の光検出システム(4)及び第2の光検出システム(22)の方へそれぞれ反射する反射面(20、28)を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の検出デバイス。
【請求項3】
前記反射面(20、28)は、対応する針(10、12)の下面(18、26)に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載の検出デバイス。
【請求項4】
前記反射面(20、28)は、垂直方向の対称軸(B)に対して対称であり、角(α)をなすように傾斜しており、角(α)は位置が上から下になるに従って大きくなる
ことを特徴とする請求項3に記載の検出デバイス。
【請求項5】
前記時針(10)及び前記分針(12)の前記下面(18、26)には、異なる周期性の第1及び第2の回折網(30、32)がそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の検出デバイス。
【請求項6】
前記光源(2)及び前記第1及び第2の光検出システム(4、22)は、前記腕時計の表盤(8)の中心(A)を通る直線上で整列するように設けられている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の検出デバイス。
【請求項7】
前記光源(2)は、前記第1及び第2の光検出システム(4、22)の間に配置されている
ことを特徴とする請求項6に記載の検出デバイス。
【請求項8】
前記光源(2)は、光ビーム(14)を垂直方向の上方へ発する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の検出デバイス。
【請求項9】
前記光源(2)は、垂直空洞面発光レーザである
ことを特徴とする請求項8に記載の検出デバイス。
【請求項10】
前記光源(2)及び前記光検出システム(4、22)が前記腕時計の表盤(8)の下に取り付けられ、さらに、
前記表盤(8)は前記光源(2)が発する光の波長に対して透過性があるか、又は
前記光源(2)及び前記光検出システム(4、22)は前記表盤(8)に設けられた対応する開口に対向するように配置されている
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の検出デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械式の腕時計の少なくとも1つの針の位置を検出するデバイスに関する。より詳細には、本発明は、光源及び光検出システムを有するこの種の検出デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
針を有する電気機械式の腕時計であって、現在時刻表示の時針及び分針が、同じ電気モーターによって又はステップ単位で腕計時機構の複数の車を前進させる別個の複数の電気モーターによって駆動されるものが知られている。両方の場合では、腕時計が受ける衝撃、電磁界の存在又は他の外的障害のために、モーターのステップ動作が損なわれることがある。その結果、腕時計の内部時計が現在時刻の正確な指示を提供しているにもかかわらず、時針と分針が正しくない現在時刻指示を提供することになる。なぜなら、腕時計に与えられた外的障害の影響によって、モーターが数ステップ飛んだからである。したがって、ソフトウェアアプリケーションの要求又はユーザーの要求に応じて、時針と分針の位置を再度同期させる必要がある。
【0003】
針を有する電気機械式の腕時計用の計時機構の車の位置を検出する既知の手法は、車板の一方の側に、光ビームを発する光源及び光検出システムを設けることを伴う。光源及び光検出システムは互いが対向するように配置され、光源及び光検出システムの経路上の車板において孔が設けられている。孔が光源の近傍に到着すると、光ビームは孔を通り抜けて光検出システム上に当たる。これによって、車の位置に関して正確な指示が提供されることが可能になる。
【0004】
針を有する電気機械式の腕時計用の計時機構の車の位置を検出するこの種のデバイスにはいくつかの欠点がある。その第1の欠点は、光源及び光検出システムが、本質的に垂直方向でステップ単位の形態で配置されるということに基づく。これによって、検出デバイスがかさばり、上と下の方向に凹部を設けることが必要となる。第2の問題は、時針用車及び分針用車の場合のように、2つの同軸な車の位置を検出しようとする場合に危機的になる。実際に、その場合において、例えば、2つの光検出システムを2つの車の間に配置し、2つの同軸な車のアセンブリーの上及び下にそれぞれ光源を配置する必要がある。この種の構成は多くのスペースを必要とするだけではなく、例えば、2つの光検出システムである検出デバイス要素の2つが、2つの車の間に配置されることが必要である。これによって、これらの時計ムーブメントの製造を自動化することを実際上不可能にする。
【0005】
針を有する電気機械式の腕時計用の計時機構の車の位置を検出する別の手法が、欧州特許出願1493935に記載されている。具体的には、この文献では、針を有する電気機械式の腕時計用の計時機構の少なくとも第1の車の位置を検出するデバイスであって、第1の車が水平面に延在するものを記載している。この検出デバイスは、光ビームを発する少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの光検出システムを有し、さらに、第1の光反射素子を有し、その光源及び光検出システムは、計時機構の第1の車が所定位置にあるときに光源が発する光ビームが第1の反射素子によって光検出システムの方へ反射するように構成している。
【0006】
この手法は、単一の光源及び単一の反射素子によって、計時機構の2つの車の位置の検出を可能にすることができている。しかし、位置を検出する車の両側に、光源及び光検出システムが一方に、そして反射素子が他方に配置されることになる。これによって、計時機構の厚みを大きくしてしまい、時計ケースに内蔵することを難しくする。
【0007】
針を有する電気機械式の腕時計用の計時機構の車の位置を検出する更なる別の手法が、本出願人名義の欧州特許出願2626752に記載されている。具体的には、この文献では、針を有する電気機械式の腕時計用の計時機構の少なくとも第1の車の位置を検出するデバイスであって、第1の車が一平面に延在するものを記載している。この検出デバイスは、光ビームを発する少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの光検出システムを有する。第1の光反射素子は、計時機構の第1の車の上面又は下面の一方から突出し、この光源及び光検出システムは、計時機構の第1の車が所定位置にあるときに、光源が発する光ビームが第1の反射素子によって光検出システムへと反射するように構成している。
【0008】
この既知の手法は、光源が発する光ビームが、計時機構の車の表面上に立つ反射素子によって光検出システムの方へ反射される検出デバイスを提供する。その光源と検出システムは、車の一方の側に配置されるのではなく、車の周部分に配置していてもよい。これによって、相当な空間の節約を実現することができる。しかし、このような検出デバイスを計時機構に内蔵しなければならない。これによって、計時機構を複雑にし、製造コストが高くなる。
【0009】
電気機械式の腕時計の針の位置を検出する更なる別の手法が、日本特許出願の特開2006−275803に記載されている。この文献では、この針位置検出デバイスは、2つの光源及び2つの光検出システムを有する。光源及び光検出システムで構成する第1の対が、第1の針の位置を検出し、光源及び光検出システムで構成する第2の対が、第2の針の位置を検出する。これらの2対の光源及び光検出システムは、腕時計の表盤の下に配置され、よって、表盤は半透明である。
【0010】
概略的に説明したこの腕時計の針位置検出デバイスは、腕時計の表盤の表面の下に取り付けられた部品によって腕時計の針の位置を検出する。したがって、これによって、計時機構の体積内に検出デバイスを組み立てる必要性を回避することができる。また、この検出システムの部品が腕時計の表盤の表面の下に取り付けられるので、表盤の表面に対して針の高さを高くすることは不必要ないしほとんど必要ない。これによって、この発明に係る検出デバイスを小型にすることができる。しかし、この種の検出デバイスの顕著な欠点は、2つの別個の針の位置を検出するために2つの光源及び2つの検出システムを必要とすることである。この種の検出デバイスは、要求される部品と組み立て時間の両方において高コストになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、複雑さを軽減した電気機械式の腕時計の少なくとも1つの針の位置を検出するデバイスを提供すること等によって、前記課題を克服することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、電気機械式の腕時計の少なくとも第1及び第2の針の位置の検出デバイスに関し、前記第1及び第2の針は、表盤の上を動き、当該検出デバイスは、光ビームを前記第1及び第2の針の方向へ発する単一の光源と、及び第1及び第2の光検出システムとを有し、前記光源及び前記第1及び第2の光検出システムは、前記表盤の上又は下に取り付けられ、前記光源及び前記第1及び第2の光検出システムは、前記第1の針が所定位置にあるときに、前記光源が発する光ビームが前記第1の針によって前記第1の検出システムの方向へ反射し、かつ、前記第2の針が所定位置にあるときに、前記光源が発する光ビームが前記第2の針によって前記第2の検出システムの方向へ反射するように構成したものである。
【0013】
これらの特徴の結果、本発明は、単一の光源によって2つの別個の針の位置を検出することを可能にした電気機械式の計時器用の針位置検出デバイスを提供するものである。したがって、この種の検出デバイスは、要求される部品、及び要求される組み立て時間、スペースの両方に関して、低コストである。
【0014】
本発明の補足的な特徴によれば、第1の針及び第2の針はそれぞれ、光ビームを光検出システムの方へ反射する表面を有する。
【0015】
第1の反射面を有する第1の針のように、第2の針は第2の表面を有し、これは、光源が発する光ビームを第2の検出システムの方向へ指向性をもたせる方法で反射させる。この特徴の結果、単一の光源を使用して、2つの別個の針の位置を区別された手法で検出することができる。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、前記光源及び前記光検出システムは、腕時計の表盤の中心を通り抜ける直線上に整列するように設けられる。
【0017】
本発明の更なる別の特徴によれば、前記光源は、前記第1及び第2の光検出システムの間に配置される。
【0018】
本発明の更なる別の特徴によれば、前記光源は、光ビームを垂直方向の上方へ発する。
【0019】
本発明の更なる別の特徴によれば、前記光源は、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)である。
【0020】
本発明の更なる別の特徴によれば、前記光源及び前記光検出システムが前記腕時計の表盤の下に取り付けられ、さらに、前記表盤は前記光源が発する光の波長に対して透過性があるか、又は前記光源及び前記光検出システムは前記表盤に設けられた対応する開口に対向するように配置される。
【0021】
本発明の他の特徴及び利点が、本発明に係る検出デバイスの例である実施形態についての以下の詳細な説明によって、より明白に理解できるであろう。これらの例は、添付図面を参照して、これらに限定されない方法でのみ示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る腕時計の表盤の平面図であり、これに光源と第1及び第2の光検出システムが取り付けられている。
図2A図1の腕時計の表盤についての断面及び輪郭図であり、表盤の上を動く第1の針及び第2の針を示しており、光源が上方に光ビームを発しており、この光ビームは、第1の針の第1の表面によって第1の光検出システムの方向へ反射し、第2の針の第2の表面によって第2の光検出システムの方向へ反射している。
図2B図2Aの円に包まれた部分の拡大図である。
図3A】本発明の変形例の実施形態を示しており、時針と分針の下面に、光源が発する光ビームを異なる角度で回折する第1及び第2の回折網が設けられている。
図3B】本発明の変形例の実施形態を示しており、時針と分針の下面に、光源が発する光ビームを異なる角度で回折する第1及び第2の回折網が設けられている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、単一の光源、第1及び第2の光検出システムを表盤の表面の上又は下に取り付けるという大きな創造性のある考えから生じたものである。表盤の上を動く第1及び第2の針は少なくとも、光源が発する光ビームを対応する光検出システムの方向へ反射することができる。本発明に係る光検出デバイスは、単一の光源及び第1及び第2の光検出システムによって形成され、よって、小型である。したがって、単一の光源及び第1及び第2の光検出システムだけで、第1及び第2の針の位置を検出することができる。実際に、第1及び第2の針には、光ビームをそれぞれ第1の光検出システムの方向へ、第2の光検出システムの方向へ選択的に反射する表面が設けられている。このように、光源を増やす必要性なしに、複数の針の位置を検出することができる。
【0024】
図1は、本発明に係る腕時計の表盤の平面図であり、この表盤の上に、光源、第1及び第2の光検出システムが取り付けられている。本発明に係る検出デバイス1は、全体にわたって参照符号1で示されており、光源2、及び表盤8の上部表面6に取り付けられた第1の光検出システム4を有する。第1の針10は、例えば、時針であり、第2の針12は、例えば、分針であり、これらは、表盤8上で動く。好ましくは、光源2及び第1の光検出システム4は、表盤8の中心Aを通り抜ける直線上で整列するように設けられる。
【0025】
本発明の変形例の一実施形態によれば、光源2及び/又は光検出システム4が腕時計の表盤8の下に取り付けられる場合、表盤8は光源2が発する光の波長に対して透過性があるか、又は光源2及び/又は光検出システム4が表盤8に設けられた対応する開口に対向するように配置される。
【0026】
図2A及び2Bを検討することによってわかるように、光源2は光ビーム14を時針と分針10及び12の方へ発する。例えば(これに限定されない)、光源2は垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)である。
【0027】
光源2及び第1の光検出システム4は、時針10が所定位置にあるときに、光源2が発する光ビーム14が時針10によって第1の光検出システム4の方への光ビーム16として反射するように構成する。
【0028】
このために、時針10の下面18には、表盤8に対して傾斜している第1の反射面20が設けられ、これは、光ビーム16を第1の検出システム4の方へ選択的に反射する。
【0029】
本発明の好ましい一実施形態によれば、検出デバイス1は、表盤8の上又は下に取り付けられた第2の光検出システム22を有し、第1及び第2の光検出システム4、22の間に配置している光源2が設けられ、これら3つの部品が整列する。分針12が所定位置にあるときに、光源2が発する光ビーム14は、分針12によって、第2の光検出システム22への光ビーム24として反射される。
【0030】
このために、分針12の下面26には、第1の反射面20の傾斜とは異なる傾斜で表盤8に対して傾斜する第2の反射面28が設けられており、これは、第2の光検出システム22への光ビーム24へと選択的に反射する。
【0031】
時針10の反射面20の向きが分針12の反射面28の向きとは異ならなければならないことは上記から明らかであろう。これによって、所与の反射面が光検出システムの一方にのみ光を反射して、他の検出システムに向かっては反射しない。このために、反射面20及び28は、垂直方向の対称軸Bに対して対称であり、角αをなすように傾斜し、この角αは位置が上から下になるに従って大きくなる。
【0032】
この特徴の結果、単一の光源を使用して複数の針の位置を検出することができる。図2Aに示した例においては、第1及び第2の光検出システム4、22の間に光源2が配置されているが、この構成が必須ではないことを理解できるであろう。実際に、光ビーム14が反射後に表盤8の表面6上で当たる位置を決めるのは、第1及び第2の反射面20及び28である。これによって、光検出システム4及び22の位置も決まる。
【0033】
時針10の存在が検出されると、時針10の位置が正確に知られる。また、時針10を腕時計の表盤8上で正確な位置にするために、電気駆動モーターがどれだけのステップ動かなければならないということが知らされる。同様に、分針12の位置が正確に検出され、分針12が腕時計の表盤8上の所望位置に到達するためには電気駆動モーターがどれだけのステップ動かなければならないかが知らされる。
【0034】
このようにして、2つの針10及び12それぞれの位置を順次検出するためには、単一の光源2と2つの光検出システム4だけで十分となった。2つの針10及び12の同期は、順次行う必要がある。すなわち、一方の針の後に他方の針に対して行われる。針を同期させる方法についての詳細については、例えば、Swiss Chronometry Societyによって発行されたProceedings of the International Congress of Chronometry 2007, ページ107〜109を参照すればよい。本発明に係る光学的検出デバイスは、この文献に記載されたLC発振器と類似する方法で較正することができる。このLC発振器の周波数は、金属性の目標に接近するに従って変る。このため、腕時計が作動を開始した際や電池が交換されたときは、針の位置を決定するためには、本発明に係る光検出システムに取り付けられた各針が完全に1回転して、当該針による最大の光反射の点を利用することを制御回路が必要とする。表盤の1回転は、例えば、180モーターステップを必要とする。各モーターステップの後、光検出システムによって検出される光の強度の測定が行われる。針が光検出システムを反対方向に通過すると、針によって反射された光の強度が急激に増加する。このような測定される光強度における急激な増加は、針の位置の検出を表す。その後に、検出された光の急激な増加に対応する位置がメモリーに格納される。各測定の後に、光の強度の値がデジタル化され、制御回路に送信される。腕時計コントロールシステム又はユーザーが同期を要求すると、制御回路は、針が光検出システムに対向する位置の前の位置に針を配置するために、測定を行わずに、反射光強度の急激な増加に対応する位置から開始して、反時計回りの方向にNモーターステップ動く。その後、コントロールシステムは、各ステップで測定を行いながら2Nモーターステップ動かす。ここで得られた2Nの値は、メモリーに格納される。その後、制御回路は、針の位置を計算し、それを内部時計が供給する値と比較して、必要であれば、補正用パルスを与えることによって、針の位置を補正する。
【0035】
本発明は、当然、上記実施形態に限定されない。当業者であれば、添付した特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、様々な単純な変更及び変形例を想起することができるであろう。具体的には、光源及び一又は複数の光検出システムが表盤の上側又は下側の同じ側に取り付けられることが好ましいことが理解されるであろう。しかし、それらの一部を表盤の上側に配置して他を表盤の下側に配置することによって、光源及び光検出システムの分布を変えることを想起することができる。
【0036】
図3A及び3Bに示した変形例の一実施形態によれば、時針10及び分針12の下面18及び26にはそれぞれ、第1及び第2の回折網30及び32が設けられる。これらの回折網30、32の周期性が異なるので、光源2が発する光ビーム14は異なる角度で回折し、第1の光検出システム4、第2の光検出システム22にそれぞれ当たる。この実施形態の利点は、標準的な厚みを有する針にも実装することができるということである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B