【解決手段】所定の発臭液体11を蓄え、発臭液体11を吐出するノズル13を具備するタンク12と、ノズル13中の発臭液体11を加圧する加圧手段と、加圧手段を制御する圧力制御手段16と、ノズル13が吐出した発臭液体である発臭液滴にレーザー光22を照射するレーザー21とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明を実施するための形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に使用するカートリッジ10を示す図である。
【0016】
カートリッジ10は、臭い封入装置の一例であり、発臭液体11と、タンク12と、ノズル13と、ヒーター14とを有する。また、カートリッジ10の外に、圧力制御手段16が設けられている。
【0017】
発臭液体11は、これ自体で臭いが発生するか、加熱または蒸発することによって発臭する材料である。発臭液体11は、アンモニア等の刺激臭、香料を含む香水の臭い、柑橘系の臭い等を発生する液体であり、この他に、花の臭い、汗の臭い、腐敗臭、焦げた臭い、魚等の食材の臭い、料理の臭い等、世の中に存在している全ての臭いの1つまたは複数を混合した臭いを発生する液体である。
【0018】
タンク12は、発臭液体11を蓄える容器である。
【0019】
ノズル13は、タンク12からの発臭液体11を外部に排出する。ヒーター14は、ノズル13の一部分またはその近傍に配置され、ヒーター14が発熱することによって、発臭液体11が圧縮され、この圧縮力によって、ノズル13中に存在している発臭液体11が、ノズル13の外部に吐出される。
【0020】
ヒーター14は、ノズル13中の発臭液体11を加圧する加圧手段の例である。
【0021】
圧力制御手段16は、ヒーター14を加熱することによって発臭液体11に圧力を加え、発臭液体11を出射する量、タイミングを制御する。つまり、圧力制御手段16は、加圧手段を制御する。
【0022】
カートリッジ10によれば、ノズル13の形状または容量を一定にし、封入すべき発臭液体11による臭いの濃度を一定にし、しかも、ヒーター14の発熱量を一定にすれば、臭いの発生量を正確に制御することができる。しかも、タンク12は、ガラス瓶のように破損を心配する必要がない材料を使えば、搬送することが容易である。
【0023】
図2は、本発明の実施例1である臭い発生装置20を示す図である。
【0024】
臭い発生装置20は、カートリッジ10と、圧力制御手段16と、レーザー21とを有する。レーザー21は、カートリッジ10が吐出した発臭液体11である発臭液滴11dを照射する。
【0025】
発臭液滴11dが蒸発する位置である蒸発位置PSで、レーザー光22によって発臭液滴11dが蒸発され、発臭液滴11dに対応する臭いが拡散する。また、レーザー21は、間欠的にレーザー光22を発生する。
【0026】
また、ノズル13から発臭液滴11dが吐出された後に、ノズル13の先端に発臭液体11が微量付着することがある。これに備えて、発臭液滴11の吐出後に、ノズル13の先端をレーザー光で照射し、付着した発臭液体11を蒸発させるようにしてもよい。
【0027】
なお、カートリッジ10を複数設けるようにしてもよく、この場合、カートリッジ10毎に、異なる臭いに対応する発臭液体11を封入するようにしてもよい。
【0028】
図3は、カートリッジ10の変形例であるカートリッジ10aと、圧力制御手段16aとを示す図である。
【0029】
カートリッジ10aは、ノズル13内の発臭液体11と接触するようにピエゾ素子14aが設けられている。このピエゾ素子14aの両端がノズル13に固定されている。圧力制御手段16aは、ピエゾ素子14aに電圧を印加することによって、ピエゾ素子14aが湾曲し、これによって発臭液体11に圧力をかける。
【0030】
臭い発生装置20によれば、臭いを封入している容器(カートリッジ10)を搬送することが容易であり、しかも、発臭液滴11dの大きさ、濃度を一定にすれば、発臭液滴11dを蒸発する毎に、一定量の臭いを確実に発生することできる。
【0031】
また、ヒーター14と圧力制御手段16との組み合わせ、ピエゾ素子14aと圧力制御手段16aとの組み合わせの代わりに、ノズル13を加熱するレーザーを設けて加圧手段を構成するようにしてもよい。このようにして、ノズル13が加熱されることによって、ノズル13内の発臭液体11が加圧されるようにしてもよい。
【実施例2】
【0032】
図4は、本発明の実施例2である臭い発生・消臭装置30を示す図である。
【0033】
臭い発生・消臭装置30は、
図1、
図2に示すカートリッジ10を使用した場合の装置である。
【0034】
図5は、
図4に示すV−V線から臭い発生・消臭装置30を見た断面図である。
【0035】
臭い発生・消臭装置30は、カートリッジ10と、圧力制御手段16と、マスクM1と、エアー吸引装置26と、レーザー21と、可視光発生源31とを有し、臭いを発生するとともに発生した臭いを消臭する装置である。
【0036】
マスクM1には、凸レンズ23と、凹レンズ33と、二酸化チタン膜34と、遮蔽板36と、光ファイバF2、F3と、呼気通路37と、吸気通路38とが設けられている。
【0037】
二酸化チタン膜34には、透孔35が設けられている。また、発臭液滴蒸発位置PSは、凸レンズ23が集光したレーザー光22が発臭液滴11dを照射し、発臭液滴11dを蒸発させる位置である。
【0038】
光ファイバF2は、レーザー光21が凸レンズ23に向かう経路を形成する。光ファイバF3は、可視光32が凹レンズ33に向かう経路を形成する。凹レンズ33は、可視光32を拡散し、二酸化チタン膜34のより広い範囲に向かわせる。二酸化チタン膜34は、可視光32によって励起され、二酸化チタン膜34が励起すると、二酸化チタン膜34が消臭機能を発揮する。二酸化チタン膜34に設けられている透孔35は、凸レンズ23によって集光されたレーザー光22が発臭液滴11dに照射される場合の経路を確保するための透孔である。遮蔽板36は、レーザー光22が発臭液滴11dを照射する場合に、レーザー光22が鼻Nを照射することを阻止するためのものである。
【0039】
呼気通路37は、人が呼吸する際に吐いた息を外部に排出する通路である。吸気通路38は、人が呼吸する際に吸う息を外部から取り入れる通路である。
【0040】
マスクM1は、柔軟性を有するやや厚手のシート状であり、被験者の鼻Nを覆い、つまり、凸レンズ23、凹レンズ33、二酸化チタン膜34、遮蔽板36を包みながら、被験者の鼻Nの少なくとも先端を覆う。
【0041】
次に、臭い発生・消臭装置30の動作について説明する。
【0042】
図6は、臭い発生・消臭装置30の動作を示すフローチャートである。
【0043】
まず、S1で、被験者の鼻NにマスクM1を装着し、マスクM1に、カートリッジ10を装着する。なお、マスクM1には、光ファイバF2、F3を介して、レーザー21、可視光発生源31が接続され、エアー吸引パイプP1を介して、エアー吸引装置26が接続されている。
【0044】
S2で、圧力制御手段16がヒーター14に電流を流すと、ヒーター14が加熱し、この熱によって、ノズル13中の発臭液体11が沸騰し、この沸騰による泡15が発生し、泡15がノズル13の先端部分に存在している発臭液体11を吐出し、発臭液滴11dとなって、ノズル13から突出される。
【0045】
S3で、発臭液滴11dが発臭液滴蒸発位置PSに到達する。
【0046】
この発臭液滴蒸発位置PSは、凸レンズ23が集光したレーザー光22によって、発臭液滴11dが蒸発する位置である。
【0047】
S4で、レーザー21がレーザー光22を出射し、このレーザー光22が凸レンズ23で集光され、レーザー光22の単位面積当たりのレーザーパワーが上昇し、発臭液滴蒸発位置PSに存在している発臭液滴11dを照射する。つまり、発臭液滴蒸発位置PSに発臭液滴11dが到達するタイミングに合わせて、発臭液滴11dにレーザー光22を照射する。このレーザー光22の照射によって、発臭液滴11dが蒸発され、臭いが、鼻Nの周囲に拡散する。
【0048】
S5で、発生した臭いが被験者の鼻Nに到達し、被験者が臭いを感じる。この感じ方によって、被験者の脳の反応(活動)が異なる。被験者の脳の反応を調べる場合、NIRS、脳磁計、脳波計のうちの少なくとも1つを使用する。これらの測定装置は、MRIとは異なり、測定装置の近傍に磁性体が存在していても、測定結果に影響がない。また、MRIの代わりに、MEGを使用するようにしてもよい。
【0049】
S6で、臭いが発生してから所定時間後に、可視光発生源31が可視光32を出射し、この可視光32が凹レンズによって拡散され、二酸化チタン膜34にレーザー光が照射されると、二酸化チタン膜34が励起され、二酸化チタン膜34が消臭機能を発揮する。
【0050】
なお、二酸化チタン膜34は、透明の基板に二酸化チタンが膜状に形成され、
図4中、鼻N側に二酸化チタンが形成されている。また、
図4では、発臭液滴11dの移動経路と凹レンズ33との間に、二酸化チタン膜34が設けられているが、発臭液滴11dの移動経路と鼻Nとの間に設けるようにしてもよい。この場合、二酸化チタン膜34に透孔を設け、臭いが鼻Nに到達し易くすることが好ましい。
【0051】
上記のように、二酸化チタン膜34が消臭機能を発揮した後に、S7で、発臭液体11を使用して臭いを、新たに発生する必要があると判断されれば、S2〜S6の動作を繰り返す。つまり、レーザー21がレーザー光22を発生し、臭いを発生する動作と、可視光発生源31が可視光32を照射することによって消臭する動作とを、交互に繰り返すことによって、臭いを間欠的に発生し、その都度消臭する。
【0052】
なお、二酸化チタン膜34は、光触媒の一種であり、シートに塗布されていてもよい。この場合、上記シートは、透明のシートまたは透孔を有するシートである。
【0053】
臭い発生・消臭装置30によれば、臭いに対応する発臭液体11を封入しているカートリッジ10を搬送することが容易であり、しかも、発臭液滴11dの大きさを制御することが容易であるので、一定量の臭いを確実に発生することができ、また、発生した臭いを迅速に消去することができる。
【0054】
なお、臭い発生・消臭装置30において、カートリッジ10を複数設け、1つのカートリッジ10にある種類の臭いに対応する発臭液体11を封入し、他のカートリッジ10には、同じ種類で異なる濃度の臭いに対応する発臭液体11封入するようにしてもよい。また、異なる種類の臭いで同じ濃度の臭いに対応する発臭液体11を、2つのカートリッジ10のそれぞれに封入するようにしてもよく、さらには、異なる種類の臭いで異なる濃度の臭いに対応する発臭液体11を、2つのカートリッジ10のそれぞれに封入するようにしてもよい。これらの場合、カートリッジ10に、臭いの種類、濃度を表示するようにしてもよい。
【0055】
ノズル13から発臭液滴11dが吐出されると同時に、エアー吸引装置26がエアーを吸引すれば、発臭液滴11dが発臭液滴蒸発位置PSに導かれ易い。この場合、レーザー21がレーザー光22を常時出射するようにしておけば、発臭液滴11dが発臭液滴蒸発位置PSをいつ通過しても、発臭液滴11dを必ず蒸発させることができる。つまり、発臭液滴11dが移動するタイミングに合わせて、レーザー光22を照射するタイミングを制御する必要がないので、レーザー21の制御が容易である。また、レーザー21がレーザー光22を常時出射させる代わりに、発臭液滴11dが発臭液滴蒸発位置PSを通過するであろう時刻を含む一定時間だけ連続的に、レーザー光22を出射するようにしてもよい。
【0056】
なお、ノズル13に発臭滴定11dが少量でも付着した場合に備えて、レーザー光をノズル13に照射し消臭するようにしてもよい。
【0057】
発臭液滴11dが蒸発してから所定時間経過後に、エアー吸引装置26がエアーを吸引し、エアー吸引パイプP1を介して、発臭液滴11dが蒸発した気体(におい)を外部に吸引するようにしてもよい。
【0058】
なお、臭い発生・消臭装置30において、カートリッジ10、圧力制御手段16の代わりに、
図3に示すカートリッジ10a、圧力制御手段16aを使用してもよい。
【0059】
さらには、可視光32の代わりにレーザー光を使用し、これを二酸化チタン膜34に照射して消臭するようにしてもよい。なお、二酸化チタン膜34の代わりに、他の光触媒(物質)を使用するようにしてもよい。
【0060】
臭い発生・消臭装置30を使用して、被験者の脳の活動状態を調べる場合、MRIの代わりに、MEG、NIRS、脳磁計、脳波計を使用することができる。
【実施例3】
【0061】
図7は、本発明の実施例3である臭いによる脳の反応を検査するMRI検査装置100を示す図である。
【0062】
臭いによる脳の反応を検査するMRI検査装置100は、発臭液滴11dが蒸発されたときに鼻Nの近傍に拡散された臭いを嗅いだ被験者Pの脳の反応(活動状態)をMRI60が検査する装置である。
【0063】
図8は、被験者Pが装着するマスクM2と臭い処理装置40とによって構成される臭い発生・消臭装置30aを示す図である。
【0064】
臭いによる脳の反応を検査するMRI検査装置100は、準備室R1とMRI室R2とを有する。
【0065】
準備室R1には、臭い処理装置40と、記憶装置51と、表示装置52と、制御装置53とが設けられている。
【0066】
MRI室R2には、MRI60が設けられ、MRI60内に被験者Pが横たわる。
【0067】
MRI室R2に横たわっている被験者Pの鼻Nの近傍に、凹レンズ33、二酸化チタン膜34、これらを覆うマスクM2が設けられている。
【0068】
準備室R1に設けられている臭い処理装置40には、カートリッジ10と、圧力制御手段16と、レーザー21と、エアー噴射装置25と、エアー吸引装置26と、可視光発生源31とが設けられている。また、臭い処理装置40とマスクM2との間には、臭い供給パイプP2と、エアー吸引パイプP1と、光ファイバF3とが接続されている。
【0069】
また、臭い供給パイプP2と、エアー吸引パイプP1と、光ファイバF3とが一纏めになってパイプ集合体P3が形成され、このパイプ集合体P3が、被験者Pの鼻Nの先端に設けられているマスクM2と、臭い処理装置40とに接続されている。
【0070】
記憶装置51は、MRI60が検査した被験者Pの脳の活動状態のデータ、制御装置53による制御内容等を記憶する。
【0071】
表示装置52は、MRI60が検査した被験者Pの脳の活動状態(特に被験者Pの鼻に供給した臭いに対応した脳の活動状態)を表示し、また、カートリッジ10に封入されている発臭液体11の名称、その濃度等を表示し、被験者Pの鼻Nに供給した臭いの種類、量等を表示する装置である。
【0072】
制御装置53は、レーザー21、可視光発生源31、エアー噴射装置25、エアー吸引装置26、MRI60を制御する装置である。
【0073】
次に、臭いによる脳の反応を検査するMRI検査装置100の動作について説明する。
【0074】
レーザー光22によって発臭液滴11dが蒸発し、蒸発によって生じた臭い(気体)が、エアー噴射装置25によって、マスクM2に運ばれる。この臭いが被験者Pの鼻Nの近傍に漂っていると、被験者Pが鼻Nで感知し、この臭いに応じて、被験者Pの脳が反応し、MRI60で、脳の反応を検査する。つまり、MRI検査装置100において、臭いは、反応検査試料である。
【0075】
図6に示す臭い発生・消臭装置30の動作と同様に、レーザー21がレーザー光22を発生し、レーザー光22が発臭液滴11dを蒸発することによって臭いを発生する。そして、この発生した臭いを臭い供給パイプP2を介して鼻Nに送る動作と、可視光発生源31が可視光32を照射することによって消臭する動作とを、交互に繰り返す。この過程で、MRI60によって、被験者Pの脳の活動を検査することができる。つまり、どの臭いについてどの位の量を、鼻Nに供給すると、脳のどの部分の活動が活発になるか、または、脳の活動に変化がないか等、臭いと脳の活動との関係が明らかになる。
【0076】
なお、MRI検査装置100に、呼気の終了を検出する呼気終了検出センサ(図示せず、風速計等のセンサ)を設けるようにしてもよい。この場合、呼気終了検出センサが呼気を終了したことを検出すると、圧力制御手段16が、ヒーター14を駆動し、発臭液滴11dがノズル13から吐出される。そして、発臭液滴11dが、レーザー光22によって蒸発され、臭いが発生し、エアー噴射装置25が高圧のエアーを噴射することによって、その臭いが鼻Nの周辺に到達するようにしてもよい。
【0077】
上記のように、呼気が終了した直後に発臭液滴11dを蒸発すれば、呼気の直後に吸気が始まり、このタイミングに合わせて臭いが鼻Nに到達し、臭いが鼻Nに効果的に吸い込まれる。
【0078】
また、圧力制御手段16が圧力を発生する回数を制御することによって、蒸発する発臭液滴11dの数を制御することができる。また、臭いによる脳の反応を検査するMRI検査装置100において、同一のカートリッジ10から吐出された発臭液滴11dを1つづつ蒸発することによって発臭し、発臭する毎に消臭し、つまり、発臭、消臭を繰り返すようにして、MRI測定するようにしてもよい。
【0079】
さらに、複数のカートリッジ10のそれぞれに、同じ種類の臭いであり異なる濃度の臭いを発生する発臭液体11を封入し、カートリッジ10毎に、発臭液滴11dを1つづつ蒸発することによって発臭し、発臭する毎に消臭し、つまり、発臭、消臭を繰り返すようにして、MRI測定するようにしてもよい。また、異種同濃度の臭いがそれぞれ封入されている発臭液滴11dについて、発臭、消臭を繰り返しながら、MRI測定するようにしてもよい。さらには、異種異濃度の臭いを発生する発臭液滴11dについて、発臭、消臭を繰り返しながら、MRI測定するようにしてもよい。
【0080】
なお、上記エアー噴射装置25がエアーを噴射することに同期して、エアー吸引装置26がエアーを吸引すると、発臭液滴11dが蒸発した臭いの移動が円滑になる。
【0081】
また、レーザー光22が発臭液滴11dを照射することによって発生した臭いを、エアー噴射装置25がマスクM2に向けて送り出す。この場合、レーザー光22が発臭液滴11dを照射し、これによる臭いがマスクM2に供給されてから所定時間後(臭いを被験者Pが嗅いだ後)に、エアー噴射装置25が、カートリッジ10のノズル13からマスクM2を経由し、マスクM2の外部(エアー吸引装置26)に向かってエアーを噴射すれば、マスクM2内を効率的に消臭することができる。
【0082】
さらに、発臭液滴11dの直径φD1よりも、レーザー光22の直径φD2をやや大きくし(または、同じ直径にし)、レーザー21は、このレーザー光22を照射する手段である。つまり、φD1≦φD2である。このようにすることによって、レーザー光22が発臭液滴11dの全てをカバーするので、蒸発が確実に実行され、しかも、発臭液滴11d以外を照射するレーザー光22が少ないので、レーザー光22に無駄が少なく、レーザー21の効率が良い。
【0083】
上記それぞれの条件において、異なる時間帯(朝、昼、夜、就寝前等)にMRI60で被験者Pの脳の活動を測定するようにしてもよい。このようにすれば、被験者Pの体調、パイオリズム等に応じた反応を調べることができる。
【0084】
臭い発生・消臭装置30aを、化粧品開発に必要なデータ取りに利用するようにしてもよい。このようにすれば、臭いと心地よさとの相関関係を客観的に把握することができる。
【0085】
また、所定の臭いに対する被験者Pの脳の反応度合いに基づいて、認知症等の脳障害の有無、程度を判断する場合に、MRIによる脳の反応を検査するMRI検査装置100を利用するようにしてもよい。特に、上記実施例では、発生する臭いの量を正確に制御できるので、臭いの量と脳の活動の程度との関係を正確に把握することができる。つまり、上記実施例を使用することによって、認知症等の脳障害の進展度合いを正確に把握できることが期待される。
【0086】
上記実施例において、MRI60は、脳検査手段の例であるが、この代わりに、他の脳検査手段を使用するようにしてもよい。たとえば、MEG、NIRS、脳磁計、脳波計のうちの少なくとも1つを使用するようにしてもよい。なお、MEGは、空間的に脳の活動を調べる装置であり、NIRSは、時間的に脳の活動を調べる装置である。
【0087】
また、MRI検査装置100において、MRI60を使用して、被験者Pの脳の活動状態を調べる場合、臭い処理装置40を、MRI室R2の外に設けているが、臭い処理装置40をシールドすれば、臭い処理装置40をMRI室R2の内部に設けることができる。
【0088】
さらに、臭い発生・消臭装置30aにおいて、臭い供給パイプP2からエアー吸引パイプP1に向かう経路のうちで、マスクM2をバイパスする経路を設けるようにしてもよい。この場合、マスクM2の入口、出口に、図示しない扉を設け、上記バイパスをエアーが通過する場合には、上記扉を閉じる。このように、上記両扉を閉じた状態で、エアー噴射装置25からエアーを送り出すと、臭い供給パイプP2に滞留している臭いを、エアー吸引装置26が迅速に吸引することができる。
【0089】
また、MRI室R2内では、磁性体を使用することができないが、銅線、銀線、金線、アルミニウム線等は、磁性体ではないので、MRI室R2内で使用することができる。