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特開2016-191207水平載荷試験装置および水平載荷試験方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-191207(P2016-191207A)
(43)【公開日】2016年11月10日
(54)【発明の名称】水平載荷試験装置および水平載荷試験方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 33/00 20060101AFI20161014BHJP
   G01N 3/00 20060101ALI20161014BHJP
【FI】
   E02D33/00
   G01N3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-70508(P2015-70508)
(22)【出願日】2015年3月31日
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
(71)【出願人】
【識別番号】390022389
【氏名又は名称】サンコーテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100106057
【弁理士】
【氏名又は名称】柳井 則子
(72)【発明者】
【氏名】相葉 雅史
(72)【発明者】
【氏名】金子 英敏
(72)【発明者】
【氏名】八木沢 康衛
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA07
2G061AB01
2G061DA01
2G061EA01
2G061EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運搬および設置を簡便に行うことが可能な水平載荷試験装置および水平載荷試験方法を提供する。
【解決手段】水平載荷試験装置100は、試験杭10の杭頭に取り付けられる取付台と、取付台の支圧面に設けられる荷重計と、加力装置40と、加力装置40からの力を荷重計に伝達するテンションロッドと、テンションロッドに設けられた変位計60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験杭の杭頭に取り付けられる取付台と、
前記取付台の支圧面に設けられる荷重計と、
加力装置と、
前記加力装置からの力を前記荷重計に伝達するテンションロッドと、
前記テンションロッドに設けられた変位計と、
を備えることを特徴とする水平載荷試験装置。
【請求項2】
前記変位計の測定軸および前記テンションロッドの中心軸は互いが同軸上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の水平載荷試験装置。
【請求項3】
前記変位計は、前記テンションロッドに一体に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の水平載荷試験装置。
【請求項4】
前記変位計は、前記テンションロッドに内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水平載荷試験装置。
【請求項5】
前記荷重計が圧縮型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水平載荷試験装置。
【請求項6】
前記荷重計が前記取付台と一体に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の水平載荷試験装置。
【請求項7】
試験杭を設置する工程と、
前記試験杭に対して、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水平載荷試験装置を用いて水平載荷試験を行う工程と、
を含むことを特徴とする水平載荷試験方法。
【請求項8】
前記加力装置に接続する反力体として、試験現場の重機を利用することを特徴とする請求項7に記載の水平載荷試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭の水平載荷試験を行うための水平載荷試験装置および水平載荷試験方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、杭の水平抵抗に関する各種データを得ることを目的として、所定の規定を満たした水平載荷試験が実施されている(例えば、非特許文献1参照)。このような水平載荷試験に用いられるものとして、下記特許文献1に示された装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−102527号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「地盤工学会基準 杭の水平載荷試験方法・同解説」公益社団法人地盤工学会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術に係る試験装置は、必要な部材が多く、組み立てや撤去の際に原位置周辺が煩雑になりやすいうえ、運搬や準備に労力や時間が掛かるといった問題があった。また、油圧ジャッキを用いて試験体側面を加力するため、反力体と試験体の間に設置する油圧ジャッキの調整に手間が生じていた。また、試験体の変位量は、原位置周辺の変形に影響しない地点に設置された架台に据え付けた変位計により計測するため、試験装置が大型化してしまっていた。したがって、試験当日に現場へ試験装置を搬入し、設置から試験実施、試験体撤去までを行うのは、経費や工期の関係から現実的には困難であった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、運搬および設置を簡便に行うことが可能な水平載荷試験装置および水平載荷試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様に従えば、試験杭の杭頭に取り付けられる取付台と、前記取付台の支圧面に設けられる荷重計と、加力装置と、前記加力装置からの力を前記荷重計に伝達するテンションロッドと、前記テンションロッドに設けられた変位計と、を備えた水平載荷試験装置が提供される。
【0008】
上記構成によれば、変位計がテンションロッドに設けられているので、装置構成が小型化される。これにより、試験装置の運搬が容易なものとなる。また、部品点数が少なることで試験現場での設置作業が簡便化される。
したがって、運搬および設置を簡便に行うことが可能な試験装置が提供される。
【0009】
上記第一態様においては、前記変位計の測定軸および前記テンションロッドの中心軸は互いが同軸上に配置された構成としても良い。
この構成によれば、変位計とテンションロッドとが同軸となるため、加力装置における加力軸線と変位計の測定軸とを一致させることができる。よって、試験杭に対する荷重方向と変位方向の位置ずれを考慮する必要が無くなり、水平載荷試験を簡便且つ精度良く測定できる。
【0010】
上記第一態様においては、前記変位計は、前記テンションロッドに一体に設けられた構成としても良い。
この構成によれば、変位計がテンションロッドに一体に設けられるので、装置構成を良好に小型化することができる。また、部品点数が少なることで試験現場における設置作業が簡便化される。
【0011】
上記第一態様においては、前記変位計は、前記テンションロッドに内蔵された構成としても良い。
この構成によれば、変位計がテンションロッドに内蔵されるので、装置構成を良好に小型化することができる。また、部品点数が少なることで試験現場における設置作業が簡便化される。
【0012】
上記第一態様においては、前記荷重計が圧縮型とする構成としても良い。
この構成によれば、一般的に引張型に対して低コストの圧縮型荷重計を備えるので、試験装置全体の低コスト化を実現できる。
【0013】
上記第一態様においては、前記荷重計が前記取付台と一体に形成された構成としても良い。
この構成によれば、荷重計が取付台と一体に形成されるので、部品点数が削減されることで装置構成をより小型化することができる。また、部品点数が少なることで試験現場における設置作業が簡便化される。
【0014】
本発明の第二態様に従えば、試験杭を設置する工程と、前記試験杭に対して、上記第一態様に係る水平載荷試験装置を用いて水平載荷試験を行う工程と、を含む水平載荷試験方法が提供される。
【0015】
上記構成によれば、変位計がテンションロッドに設けられることで装置構成が小型化された試験装置を用いるため、試験装置の運搬および設置を簡便に行うことができる。よって、試験の準備から始まって試験実施、試験体撤去までを当日中に完了することが可能な試験方法を提供することができる。
【0016】
上記第二態様においては、前記加力装置に接続する反力体として、試験現場の重機を利用する構成としても良い。
この構成によれば、反力体として重機が利用可能となるので、反力体を別途用意する必要がなく、試験に要するコストを低減することができる。よって、試験の実施準備および試験後の片づけ作業を短時間で行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、運搬および設置を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る水平載荷試験装置の概略構成を示す図。
図2】水平載荷試験装置の要部拡大構成を示す分解斜視図。
図3】(a)、(b)、(c)は試験に用いるアンカーの概略構成を示す図。
図4】変形例に係る水平載荷試験装置の要部構成を示す図。
図5】変形例に係る水平載荷試験装置の要部構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る水平載荷試験装置および水平載荷試験方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態において、水平載荷試験装置は、構造物の基礎として施工した試験杭に対して弾性範囲の載荷試験を行うものである。なお、試験杭としては、コンクリート杭(いわゆるPHC杭、PRC杭等)や鉄管杭、SC杭、アンカー等を例示できる。以下の説明では、試験杭として、アンカーを用いた場合を説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る水平載荷試験装置100の概略構成を示す図である。図2は、水平載荷試験装置100の要部拡大構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、水平載荷試験装置100は、施工面1に施工されたアンカー10に対して水平載荷試験を行うための装置である。
【0021】
図2に示すように、水平載荷試験装置100は、取付台20と、荷重計30と、加力装置40と、テンションロッド50と、変位計60とを備えている。取付台20は、試験杭としてのアンカー10の頭部に取り付けられるものである。荷重計30および変位計60は、不図示の外部機器(コンピュータ)に電気的に接続されており、測定結果(測定荷重量および測定変位量)を出力可能とされている。作業者は、外部機器を介して測定結果を確認することができる。
【0022】
取付台20は、水平載荷試験装置100をアンカー10に固定するためのものである。荷重計30は、水平載荷試験時にアンカー10に生じた荷重を測定するためのものである。本実施形態において、荷重計30は、例えば、圧縮型のセンターホール式ロードセルから構成される。
【0023】
加力装置40は、アンカー10に対して水平力を生じさせるためのものであり、例えば、レバーブロックやウインチなどの比較的に軽量で持ち運びが容易な巻き上げ機を使用するのが好ましい。本実施形態において、加力装置40としては、例えばレバーブロックを用いている。これにより、アンカー10に対して連続的に加力を行うことが可能となっている。
【0024】
加力装置40は、図1に示したように、アンカー10と反対側が反力体80と接続されている。加力装置40と反力体80とは、例えば、金属製のワイヤー81を介して接続される。反力体80は、加力する荷重以上の抵抗力もしくは重量を有するものであればよく、例えば、抵抗力を有するものとしては試験体(アンカー10)と同等の複数本の回転貫入杭を例示することができ、例えば、重量を有するものとしては油圧ショベル等の重機などを例示することができる。本実施形態においては、反力体80として、アンカー10の試験現場にある重機を利用した。
【0025】
テンションロッド50は、加力装置40からの力を荷重計30に伝達するためのものであり、ボルトから構成される。変位計60は、アンカー10に生じた水平方向の変位量を測定するためのものである。変位計60としては、例えば直読式ダイアルゲージ、電気式変位計など、公知の変位計を用いることが可能である。
【0026】
変位計60は、後述のように、一端側に設けられた取付部分62が荷重計30に固定される。一方、変位計60は、他端側に設けられた測定軸63の先端部がワイヤーや釣糸等の接続部材64を介して施工面1における基準点Xに設置された基準杭X1に接続される。変位量の基点となる基準点Xは、加力軸線上の加力装置40と反対側の原位置地盤の変形に影響しない位置に設定される。
【0027】
図3は、本実施形態において試験に用いるアンカー10の概略構成を示す図であり、図3(a)はアンカー10の側面図であり、図3(b)はアンカー10の下面図であり、図3(c)はアンカー10の上面図である。
図3(a)、(b)、(c)に示すように、アンカー10は、本体部11と、フランジ部12とを有する。本体部11は、軸部11aと、該軸部11aの外周に沿って螺旋状に形成されるスクリュー部11bとを含む。軸部11aは棒状から構成され、基部側にフランジ部12が設けられ、先端部側が先鋭化されている。スクリュー部11bは、施工面1である地中にねじ込まれることで軸部11aを地中に効率よく貫入させる。
【0028】
フランジ部12は、アンカー10の頭部(杭頭)を構成するものである。本実施形態において、フランジ部12は、図3(b)、(c)に示すように、平面形状が円形であり、本体部11(軸部11a)と同心状に形成される。すなわち、本体部11及びフランジ部12の中心軸はそれぞれ一致しており、以下、該中心軸をアンカー10の軸と称す。
【0029】
フランジ部12には、6つの貫通孔13が形成されている。6つの貫通孔13は、中心を基準として軸部11aの外形よりも大きい円周に沿って等間隔で配置されている。6つの貫通孔13は、1個おきに裏面側にナット14が溶接固定されている。すなわち、貫通孔13は、裏面側にナット14が溶接固定された第1貫通孔13aと、裏面側にナット14が溶接固定されない第2貫通孔13bとを含み、第1貫通孔13a及び第2貫通孔13bが交互に形成されている。
【0030】
本実施形態において、第1貫通孔13aおよび第2貫通孔13bは、水平載荷試験装置100の取付に使用される。
また、第1貫通孔13aは、例えばアンカー10を施工面1に打ち込んで貫入させる際に、打ち込み用治具を接続する時の固定に使用可能である。第2貫通孔13bは、例えば打ち込み用治具を接続する際の位置決めに使用可能である。
【0031】
本実施形態において、フランジ部12は、中央にも貫通孔15が形成されており、該貫通孔15の裏面側にもナット16が溶接固定されている。なお、本実施形態において、ナット14、16は溶接によってフランジ部12に固定されているが、これに限られず、ナット14、16がフランジ部12と一体に形成されていても良い。この貫通孔15は、例えば、アンカー10の引き抜き試験を行う時のシャフトに接続するために使用されるが、用途はこれに限定されない。
【0032】
本実施形態において、フランジ部12は、径方向における貫通孔13と貫通孔15の間の領域に、メッキ注入孔17が3個形成されている。具体的にメッキ注入孔17は、径方向において複数の貫通孔13のうち第1貫通孔13aと貫通孔15との間の領域に、それぞれ形成されている。
【0033】
メッキ注入孔17は、略円筒状からなる軸部11aの内部に溶融メッキを入り込ませて内部表面をメッキ処理するためのものである。本実施形態において、アンカー10は、表面及び内面の全体がメッキ処理されたものとなっている。なお、メッキ注入孔17の数、形成位置は本形態に限定されることは無く、軸部11aの内部までメッキ処理を行わない場合はメッキ注入孔17を設けなくても良い。
【0034】
図2に戻り、取付台20は、取付板21と、取付板21の上面(取付面)21aに固定された取付ブロック22とを含む。取付板21は平面形状が矩形の板状部材であり、第1取付穴24および第2取付穴25が2つずつ形成されている。第1取付穴24および第2取付穴25は、取付板21をアンカー10のフランジ部12に取り付ける際に用いられる。なお、取付板21の上面21aとフランジ部12の上面とは平行となっている。
【0035】
本実施形態において、第1取付穴24の上方から挿入された螺子部材32がフランジ部12に設けられた第1貫通孔13aの裏面側に溶接固定されたナット(螺子部)14に螺合する。また、第2取付穴25の上方から挿入された螺子部材33がフランジ部12に設けられた第2貫通孔13bが裏面側に配置されたワッシャ18を介してナット19に螺合する。このようにして、取付台20はフランジ部12に取り付けられる。
【0036】
取付ブロック22は、荷重計30が設けられる支圧面20aを含む。支圧面20aは、取付板21の上面21aと直交する。支圧面20aには後述のようにテンションロッド50を挿通させるための貫通孔23が形成されている。
【0037】
取付ブロック22における貫通孔23の形成位置(支圧面20aにおける高さ)は載荷点の高さに一致する。載荷点の高さは、アンカー10が実際に荷重を受ける状態に最も近い位置とするのが好ましい。本実施形態において、取付ブロック22は、載荷点の高さを考慮して寸法が設定されている。また、取付ブロック22は、平面視した状態において、フランジ部12の中心部に配置されている。
【0038】
テンションロッド50は、一端側に設けられた頭部50aが荷重計30(センターホール式ロードセル)に接触した状態で他端側に設けられたボルト部50bがセンターホール30aに挿入されている。頭部50aはセンターホール30aよりも外形が大きい。
【0039】
テンションロッド50は、ボルト部50bがセンターホール30aおよび上記貫通孔23を挿通している。ボルト部50bの先端にはフック付カプラ51が取り付けられている。フック付カプラ51は、ボルト部50bに螺合するカプラ部51aと、カプラ部51aにおけるボルト部50bと反対側に設けられたフック部51bとを含む。フック部51bは、一端に設けられた螺子部によりカプラ部51aに取り付けられる。また、フック部51bは、加力装置40のフック40aと連結される。
【0040】
このような構成に基づき、テンションロッド50は加力装置40と接続され、加力装置40の力が伝達可能となっている。テンションロッド50は、加力装置40によってボルト部50b側に引張力が生じると頭部50aにより荷重計30に荷重を付与するようになっている。本実施形態では、フランジ部12の上面に平行な取付板21の上面21aと支圧面20aとが直交している。そのため、支圧面20aに付与された荷重はアンカー10に対して水平方向の力となる。
【0041】
変位計60は、変位計本体60Aと、該変位計本体60Aに設けられた取付部分62と、変位計本体60Aに対して進退可能に取り付けられた測定軸63と、を含む。
【0042】
変位計60は、取付部分62がテンションロッド50に固定される。取付部分62はテンションロッド50に設けられた取付穴55に挿入された状態で螺子部材56により固定されている。このように変位計60およびテンションロッド50は互いが一体に設けられている。
【0043】
取付部分62は、他端側に設けられた測定軸63と同軸上に配置されている。取付部分62の中心軸は、テンションロッド50の中心軸と一致している。すなわち、測定軸63(取付部分62)は、テンションロッド50の中心軸と同軸上に配置されている。測定軸63は、取付部分62とは独立して変位計本体60Aに対して軸方向に移動可能となっている。
【0044】
続いて、上記構成を有する水平載荷試験装置100を用いてアンカー10に対する水平載荷試験を行う場合について説明する。
【0045】
まず、施工面1に施工されたアンカー10のフランジ部12に対して螺子部材32、32を用いて取付台20を取り付ける(図2参照)。
続いて、テンションロッド50およびフック付カプラ51により、荷重計30および変位計60が取付台20(取付ブロック22)に対して固定される。本実施形態においては、変位計60が予めテンションロッド50に一体に設けられている。そのため、装置構成が小型化される。これにより、試験装置の運搬が容易なものとなる。また、部品点数が少なくなるため、取付台20に対する荷重計30および変位計60の設置作業が簡便化される。
【0046】
なお、テンションロッド50およびフック付カプラ51により荷重計30および変位計60を予め取り付けた取付台20をフランジ部12に取り付けるようにしても良い。
【0047】
続いて、基準点Xに設置した基準杭X1と荷重計30(測定軸63の先端部)とを接続部材64により接続する。一方、フック付カプラ51のフック部51bと加力装置40のフック40aとを連結する。また、加力装置40は、アンカー10と反対側がワイヤー81により反力体80に接続される。
以上により、水平載荷試験装置100の設置が完了する。
【0048】
本実施形態においては、反力体80としてアンカー10の試験現場にある重機を利用している。そのため、反力体を別途用意する必要がなく、試験に要するコストを低減することができる。よって、試験の実施準備および試験後の片づけ作業を短時間で行うことができる。
【0049】
水平載荷試験を行う場合、はじめに加力装置40を作動させる。
加力装置40は、フック付カプラ51を介してテンションロッド50のボルト部50b側に引張力を生じさせる。これにより、テンションロッド50は、頭部50aが荷重計30に荷重を付与する。荷重計30は、加力装置40により生じた水平力を計測する。
【0050】
テンションロッド50は、上記水平力によって加力装置40側に移動する。変位計60は、テンションロッド50とともに加力装置40側に移動する。
【0051】
本実施形態において、テンションロッド50に固定された変位計60は、取付部分62とは独立して変位計本体60Aに対して測定軸63が軸方向に移動可能となっている。そのため、変位計本体60Aのみがテンションロッド50とともに加力装置40側に移動することで、基準杭X1に固定された測定軸63が変位計本体60Aから引き出される。変位計60は、測定軸63の引出量をアンカー10に生じた水平力に対応した変位量として計測する。
【0052】
以上述べたように、本実施形態に係る水平載荷試験方法によれば、変位計60がテンションロッド50に一体に設けられることで装置構成が小型化された試験装置を用いるため、試験装置の運搬および設置を簡便に行うことができる。よって、試験の準備から始まって試験実施、試験体撤去までを当日中に完了することができる。
【0053】
本実施形態においては、変位計60の測定軸63およびテンションロッド50の中心軸が同軸上に配置されているため、加力装置40における加力軸線とテンションロッド50の変位軸とを一致させることができる。よって、アンカー10に対する荷重方向と変位方向の位置ずれを考慮する必要が無くなり、水平載荷試験を簡便且つ精度良く測定できる。
【0054】
また、本実施形態では、荷重計30として、一般的に引張型に対して低コストの圧縮型を用いるので、試験装置全体の低コスト化を実現できる。
【0055】
以上、発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、発明の内容は上記実施形態に限定されることは無く、発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、加力装置40として、レバーブロック等の巻き上げ機を例示したが、本発明はこれに限定されず、油圧式ジャッキやその他の加力治具を用いても良い。また、加力装置40は、手動式あるいは電動式のいずれであっても良い。また、上記実施形態では、荷重計30として、圧縮型のセンターホール式ロードセルを例示したが本発明はこれに限定されない。
【0057】
また、上記実施形態では、変位計60がテンションロッド50に対して螺子部材56により一体に設けられた構成を例示したが本発明はこれに限定されない。例えば、図4に示すように、変位計160がテンションロッド150の頭部150aに内蔵された構造を採用しても良い。この場合、測定軸163は、頭部150aに対して進退可能な構成となる。
【0058】
この構成によれば、ボルト部150bをフック付カプラ51に取り付けることで変位計160および荷重計30における中心軸の位置合わせ作業が簡便なものとなる。また、変位計160がテンションロッド150に内蔵されるため、装置構成を良好に小型化することができる。また、部品点数が少なることで試験現場における設置作業が簡便化される。
【0059】
また、上記実施形態では、荷重計30が取付ブロック22の支圧面20aに設置された場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、荷重計130が取付台120の取付ブロック122と内蔵される構造(一体構造)を採用していてもよい。取付ブロック122には荷重計130のセンターホール130aに連通する開口が形成されている。取付板121には、アンカー10のフランジ部12に固定するための第1取付穴124および第2取付穴125が形成されている。
【0060】
この構成によれば、テンションロッド50のボルト部50bをセンターホール130aに挿入して取り付けることで変位計160および荷重計30における中心軸の位置合わせ作業を簡便に行うことができる。また、荷重計130が取付台120に内蔵されるため、装置構成を良好に小型化することができる。また、部品点数が少なることで試験現場における設置作業が簡便化される。
【符号の説明】
【0061】
10…アンカー(試験杭)、12…フランジ部(杭頭)、20…取付台、20a…支圧面、30…荷重計、40…加力装置、50…テンションロッド、60…変位計、63…測定軸、80…反力体(重機)。
図1
図2
図3
図4
図5