特開2016-213171(P2016-213171A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2016-213171光源制御装置、光源制御方法、およびプロジェクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-213171(P2016-213171A)
(43)【公開日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】光源制御装置、光源制御方法、およびプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20161118BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20161118BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20161118BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20161118BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20161118BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20161118BHJP
   G03B 21/00 20060101ALN20161118BHJP
【FI】
   H05B37/02 L
   G09G3/36
   G03B21/14 A
   G09G3/20 680C
   G09G3/34 J
   G09G3/20 612U
   F21S2/00 300
   G03B21/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-154780(P2015-154780)
(22)【出願日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2015-92552(P2015-92552)
(32)【優先日】2015年4月30日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】飯田 道彦
【テーマコード(参考)】
2K203
3K243
3K273
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA34
2K203FA44
2K203GA44
2K203GA52
2K203MA22
3K243AA01
3K243AC06
3K243BE08
3K243CB18
3K273PA09
3K273QA05
3K273QA21
3K273QA22
3K273QA27
3K273QA28
3K273QA32
3K273QA33
3K273QA36
3K273QA38
3K273RA14
3K273SA03
3K273SA08
3K273SA09
3K273SA31
3K273SA50
3K273TA03
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA62
3K273TA68
3K273UA21
3K273VA08
5C006AA21
5C006AF44
5C006AF45
5C006BB11
5C006BB29
5C006BC16
5C006BF01
5C006BF08
5C006BF15
5C006BF36
5C006EA01
5C006EC11
5C006EC12
5C006FA47
5C080AA10
5C080AA17
5C080BB05
5C080CC03
5C080CC04
5C080DD08
5C080DD14
5C080DD25
5C080DD26
5C080DD29
5C080EE28
5C080EE29
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ05
5C080JJ07
(57)【要約】
【課題】高速に光量を調整することが可能な光源制御装置、光源制御方法、およびこれらを利用したプロジェクタを提供すること。
【解決手段】光源制御装置は、コントローラと、複数のドライバとを具備する。前記コントローラは、少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値を送信するように構成される。前記複数のドライバは、送信された前記指令値をそれぞれ取得し、前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値をそれぞれ決定するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値を送信するように構成されたコントローラと、
送信された前記指令値をそれぞれ取得し、前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値をそれぞれ決定するように構成された複数のドライバと
を具備する光源制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源制御装置であって、
前記複数のドライバを構成する個々のドライバは、前記関数として、直線で近似される関数を用いるように構成される
光源制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光源制御装置であって、
前記複数のドライバを構成する個々のドライバは、前記関数として、複数の駆動領域に対応してそれぞれ設定された複数の関数を用いるように構成される
光源制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の光源制御装置であって、
前記個々のドライバは、前記直線で近似される関数として、複数の駆動領域に対応して設定された複数の直線領域で近似される関数を用いるように構成される
光源制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の光源制御装置であって、
前記個々のドライバは、前記直線の傾き、基準光量、および前記基準光量に対応する基準駆動値を既知パラメータとして、前記関数を用いるように構成される
光源制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光源制御装置であって、
前記個々のドライバは、前記既知パラメータのうち前記直線の傾きおよび前記基準光量に基づく演算値を、前記コントローラから取得、または予め記憶するように構成される
光源制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光源制御装置であって、
前記コントローラは、所定の条件に基づき、前記関数を更新するように構成される
光源制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の光源制御装置であって、
前記コントローラは、前記複数のドライバに、前記指令値を同報するように構成される
光源制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の光源制御装置であって、
前記複数のドライバは、
前記発光部のうち第1波長域で発光する複数の発光部をそれぞれ駆動するように構成された複数の第1波長域発光用ドライバと、
前記発光部のうち、前記第1波長域とは異なる第2波長域で発光する複数の発光部をそれぞれ駆動するように構成された複数の第2波長域発光用ドライバとを含み、
前記コントローラは、前記複数の第1波長域発光用ドライバに第1指令値を送信し、前記複数の第1波長域発光用ドライバに第2指令値を送信するように構成される
光源制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載の光源制御装置であって、
前記発光部は、第1発光部と第2発光部とを含み、
前記複数のドライバは、
基準ラインにおける基準電位と、第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、前記基準ラインと前記第1ラインとの間に接続された前記第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続可能な第1ドライバと、
前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、前記基準ラインと前記第2ラインとの間に接続された前記第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続可能な第2ドライバとを含む
光源制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の光源制御装置であって、
前記第1ドライバおよび前記第2ドライバは、前記基準電位としてゼロボルトの電位を使用するように構成される
光源制御装置。
【請求項12】
請求項10に記載の光源制御装置であって、
前記基準電位が一定電位に設定され、
前記第2ドライバは、前記基準電位より低い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成される
光源制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光源制御装置であって、
前記第1ドライバは、前記基準電位より高い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成される
光源制御装置。
【請求項14】
請求項10に記載の光源制御装置であって、
前記第1発光部のアノードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第1発光部のカソードを前記第2ラインに接続させるように、前記第1発光部の接続先を変える変更部
をさらに具備する光源制御装置。
【請求項15】
請求項10に記載の光源制御装置であって、
前記第2発光部のカソードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第2発光部のアノードを前記第1ラインに接続させるように、前記第2発光部の接続先を変える変更部
をさらに具備する光源制御装置。
【請求項16】
請求項10に記載の光源制御装置であって、
前記基準ラインのうち、前記コントローラに接続されるライン、および前記複数のドライバに接続されるラインのうち少なくとも一方に設けられた抵抗素子
をさらに具備する光源制御装置。
【請求項17】
少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値をコントローラにより送信し、
送信された前記指令値を複数のドライバによりそれぞれ取得し、
前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値を前記複数のドライバによりそれぞれ決定する
光源制御方法。
【請求項18】
複数の発光部と、
前記複数の発光部からの光を変調する光変調素子と、
前記光変調素子で変調されて得られる変調光を投射する投射光学系と、
前記複数の発光部を構成する個々の発光部の光量の調整に関する指令値を送信するように構成されたコントローラと、
送信された前記指令値をそれぞれ取得し、前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値をそれぞれ決定するように構成された複数のドライバと
を具備するプロジェクタ。
【請求項19】
請求項18に記載のプロジェクタであって、
前記複数の発光部は、
基準ラインと第1ラインとの間に接続された第1発光部と、
前記基準ラインと第2ラインとの間に接続された第2発光部とを含み、
前記複数のドライバは、
前記基準ラインにおける基準電位と、前記第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、前記第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続された第1ドライバと、
前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、前記第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続された第2ドライバとを含む
プロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、プロジェクタに関し、プロジェクタの光源を制御する光源制御装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、発光ダイオードを駆動する駆動回路が開示されている。この駆動回路、直列に接続された6個の発光ダイオードを一組とした発光部と、複数の発光部で構成される複数組をそれぞれ駆動する複数のドライバと、これらのドライバを制御する1つのドライバ制御ICチップとを備える。具体的には、ドライバ制御ICチップは、発光部を発光させるための目標電流値信号および調整命令の信号を、各ドライバに出力する。各ドライバは、調整命令を受けると、発光部に流れる電流が目標電流値になるように、電圧調整回路により電流を調整する。各ドライバによる調整動作が、時間的に重なっていることにより、各ドライバの調整がすべて完了するまでの時間が短縮される(例えば、特許文献1の明細書段落[0025]、[0028]、[0039]、図1、3、4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-175676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の駆動回路のように、複数の発光部が複数のドライバによってそれぞれ駆動される形態では、各発光部の個体差によって、駆動電流およびそれに対応する光量にばらつきが生じる場合がある。その場合、各発光部で均一な光量調整を行うためには、制御部は、ドライバごとに異なる指令値を発生する必要があり、光量調整を高速化に行うことは難しい。また、例えばアイリスにより機械的に光量を調整する方法があるが、機械的な手段では光量調整の高速化には限界がある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、高速に光量を調整することが可能な光源制御装置、光源制御方法、およびこれらを利用したプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本技術に係る光源制御装置は、コントローラと、複数のドライバとを具備する。
前記コントローラは、少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値を送信するように構成される。
前記複数のドライバは、送信された前記指令値をそれぞれ取得し、前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値をそれぞれ決定するように構成される。
コントローラが指令値を送信することにより、複数のドライバが所定の関数を用いて駆動値をそれぞれ決定するので、光量を高速に調整することができる。
【0007】
前記複数のドライバを構成する個々のドライバは、前記関数として、直線で近似される関数を用いるように構成されていてもよい。
これにより、それらドライバの演算量を少なくすることができ、光量調整の高速化に寄与する。
【0008】
前記複数のドライバを構成する個々のドライバは、前記関数として、複数の駆動領域に対応してそれぞれ設定された複数の関数を用いるように構成されていてもよい。
これにより、光量調整の精度が向上する。
【0009】
前記個々のドライバは、前記直線で近似される関数として、複数の駆動領域に対応して設定された複数の直線領域で近似される関数を用いるように構成されていてもよい。
これにより、光量調整の精度を向上させながら、それらドライバの演算量をできるだけ少なくすることができる。
【0010】
前記個々のドライバは、前記直線の傾き、基準光量、および前記基準光量に対応する基準駆動値を既知パラメータとして、前記関数を用いるように構成されていてもよい。
【0011】
前記個々のドライバは、前記既知パラメータのうち前記直線の傾きおよび前記基準光量に基づく演算値を、前記コントローラから取得、または予め記憶するように構成されていてもよい。
これにより、光量調整時の演算量を少なくし、光量調整の高速化に寄与する。予め記憶とは、光量調整より前に予め記憶することを意味する。
【0012】
前記コントローラは、所定の条件に基づき、前記関数を更新するように構成されていてもよい。
これにより、発光部に経時、経年変化が生じた場合でも、高精度な光量調整が可能となる。
【0013】
前記複数のドライバは、複数の第1波長域発光用ドライバと、複数の第2波長域発光用ドライバとを含んでいてもよい。
前記複数の第1波長域発光用ドライバは、前記発光部のうち第1波長域で発光する複数の発光部をそれぞれ駆動するように構成される。
前記複数の第2波長域発光用ドライバは、前記発光部のうち、前記第1波長域とは異なる第2波長域で発光する複数の発光部をそれぞれ駆動するように構成される。
そして、前記コントローラは、前記複数の第1波長域発光用ドライバに第1指令値を送信し、前記複数の第2波長域発光用ドライバに第2指令値を送信するように構成されていてもよい。
これにより、2色以上の光を発光部が発する形態であっても、高速に光量調整を行うことができる。
【0014】
前記複数のドライバは、第1ドライバと、第2ドライバとを含んでいてもよい。
前記第1ドライバは、基準ラインにおける基準電位と、第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、前記基準ラインと前記第1ラインとの間に接続された第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続可能である。
前記第2ドライバは、前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、前記基準ラインと前記第2ラインとの間に接続された第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続可能である。
第2ドライバが基準電位より低い電位による電圧を生成するので、基準ラインを介して、上記コントローラを含むコントローラ基板、第1ドライバ、および第2ドライバへ流れ込む電流の総和が小さくなる。すなわち、基準ラインを介してコントローラ基板へ流れ込む電流が小さくなるので、コントローラ基板の基準ラインパターンによる電位差の発生を抑制することができる。これにより、コモンモードノイズの発生を抑制できる。
【0015】
「接続」とは、本明細書では電気的接続を意味する
【0016】
前記第1ドライバおよび前記第2ドライバは、前記基準電位としてゼロボルトの電位を使用するように構成されていてもよい。
基準電位をゼロボルトとすることで、各ドライバの回路設計が容易になる。
【0017】
前記基準電位が一定電位に設定され、前記第2ドライバは、前記基準電位より低い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成されていてもよい。
基準電位より低い電位が調整されることにより、第2ドライバやその他の回路の故障を抑制し、安全性を高められる、という効果がある。
【0018】
前記第1ドライバは、前記基準電位より高い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成されていてもよい。
【0019】
前記光源制御装置は、前記第1発光部のアノードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第1発光部のカソードを前記第2ラインに接続させるように、前記第1発光部の接続先を変える変更部をさらに具備してもよい。
これにより、発光部の一部が故障した場合でも光源ユニットの制御が容易になり、また、照度ムラの発生を抑制できる。
【0020】
同様に、前記光源制御装置は、前記第2発光部のカソードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第2発光部のアノードを前記第1ラインに接続させるように、前記第2発光部の接続先を変える変更部をさらに具備してもよい。
【0021】
前記光源制御装置は、前記基準ラインのうち、前記コントローラに接続されるライン、および前記複数のドライバに接続されるラインのうち少なくとも一方に設けられた抵抗素子をさらに具備してもよい。
これにより、抵抗素子で戻り電流を熱エネルギーに変えて、コントローラ、複数のドライバに流れ込む電流値を下げることができる。
【0022】
本技術に係る光源制御方法は、少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値をコントローラにより送信することを含む。
送信された前記指令値が複数のドライバによりそれぞれ取得される。
前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値が、前記複数のドライバによりそれぞれ決定される。
【0023】
本技術の他の形態に係る光源制御装置は、上記第1ドライバと、上記第2ドライバと、コントローラユニットとを具備する。
前記コントローラユニットは、前記基準ライン、前記第1ドライバおよび前記第2ドライバに接続可能であり、前記第1ドライバおよび前記第2ドライバを制御するように構成される。
第2ドライバが基準電位より低い電位による電圧を生成するので、基準ラインを介して、コントローラユニット、第1ドライバ、および第2ドライバへ流れ込む電流の総和が小さくなる。すなわち、基準ラインを介してコントローラユニットへ流れ込む電流が小さくなるので、コントローラユニットの基準ラインパターンによる電位差の発生を抑制することができる。これにより、コモンモードノイズの発生を抑制できる。
【0024】
本技術の一形態に係るドライバユニットは、上記第1ドライバと、上記第2ドライバとを具備する。
【0025】
本技術に係る光源ユニットは、第1発光部と、第2発光部とを具備する。
前記第1発光部は、基準ラインと第1ラインとの間に接続され、前記基準ラインにおける基準電位と、前記第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間に生成される電圧による電流で駆動される。
前記第2発光部は、前記基準ラインと第2ラインとの間に接続され、前記基準ラインにおける基準電位と、前記第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間に生成される電圧による電流で駆動される。
【0026】
本技術に係るプロジェクタは、複数の発光部と、前記複数の発光部からの光を変調する光変調素子と、前記光変調素子で変調されて得られる変調光を投射する投射光学系と、上記した光源制御装置とを具備する。
【0027】
前記プロジェクタにおいて、前記複数の発光部は、基準ラインと第1ラインとの間に接続された第1発光部と、前記基準ラインと第2ラインとの間に接続された第2発光部とを含んでいてもよい。前記複数のドライバは、上記第1ドライバと、上記第1ドライバとを含んでいてもよい。
【0028】
本技術の他の形態に係るプロジェクタは、上記複数の発光部と、上記光変調素子と、上記投射光学系と、上記ドライバユニットと、上記コントローラユニットとを具備する。
【発明の効果】
【0029】
以上、本技術によれば、発光部の光量を高速に調整することが可能となる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本技術の一実施形態に係る光源制御装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、上記発光部の駆動値としての駆動電流と光量との関係を示すグラフである。
図3図3は、関数が、発振閾値電流以上の駆動領域で1本の直線で近似される実施形態についての、駆動電流および光量の関係を示すグラフである。
図4図4は、図3に示す駆動電流および光量の関係を持つ光源制御装置の動作を示すフローチャートである。
図5図5は、関数が、発振閾値電流以上の駆動領域で2本の直線で近似される実施形態についての、駆動電流および光量の関係を示すグラフである。
図6図6は、図4に示す駆動電流および光量の関係を持つ光源制御装置の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、本技術の別の実施形態に係る光源制御装置を示すブロック図である。
図8図8は、図7で示した光源制御装置を備えるプロジェクタの光学系の構成例を示す。
図9図9は、別の課題を説明するための、光源および光源制御装置の構成を示し、本技術の比較例に係る図である。
図10図10は、上記別の課題を解決するための実施形態に係る、光源ユニットおよびこれを制御する光源制御装置の構成を示す図である。
図11図11は、図10に示す実施形態とは別の形態に係る光源ユニットおよびこれを制御する光源制御装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
1.光源制御装置の構成
【0033】
図1は、本技術の一実施形態に係る光源制御装置の構成を示すブロック図である。光源制御装置101は、典型的には、液晶素子等の光変調素子を持つプロジェクタの光源を駆動する装置として用いられる。本実施形態では、そのプロジェクタからの画像信号(映像信号)を受け、それに基づいて発光を制御する光源制御装置の例について説明する。
【0034】
光源制御装置101は、映像信号処理部15、コントローラ20、および複数のドライバ30を備えている。複数のドライバ30には、複数の発光部40で構成される光源(光源ユニット)50が電気的に接続されている。
【0035】
映像信号処理部15は、例えば映像信号を処理するチップで構成され、例えば外部機器(例えばPC)等から入力される映像信号に関する各種の処理を実行する。また、映像信号処理部15は、映像データの一部として、例えば輝度データをコントローラ20に送るように構成されている。
【0036】
コントローラ20は、例えばメインコントローラ22およびインターフェース部24を有する。
【0037】
メインコントローラ22は、主にCPU(Central Processing Unit)あるいはMPU(Micro Processing Unit)で構成され、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read OnIy Memory)等を含む。メインコントローラ22は、映像信号処理部15から出力される上記輝度データ等を取得するように構成される。
【0038】
メインコントローラ22は、特に、取得した輝度データに基づいて、所定のアルゴリズムを用いて、複数の発光部40全体で実質的に同じ明るさを持つ光を発生するように、その光量を制御する機能を有する。典型的には、コントローラ20は、映像信号の1フレームごと(あるいは複数フレームごとでもよい)に、その複数の発光部40の全体を実質的に同じ輝度とするように、各ドライバ30の駆動を制御するように構成される。
【0039】
上記の所定のアルゴリズムとは、例えば、フレームごとの全体輝度に応じて、所定ビット数の段階を持つ輝度で発光部40を発光させるためのアルゴリズムである。このようなアルゴリズムでは、例えば画面全体が黒である場合、液晶素子から漏れる光をできるだけ小さくするために、複数の発光部40全体の輝度が比較的小さく設定される。なお、このアルゴリズムでは、画面のほとんどの領域が黒であるが、画面の一部に比較的明るい領域がある場合、その比較的明るい領域に対応する輝度に、複数の発光部40全体の輝度が統一される。つまり、複数の発光部40全体の輝度は、プロジェクタに入力された画像データにおける全画素の輝度値のうち、最も高い輝度値を再現できるように調整される。このように、入力された画像データに基づいて発光部の光量を調整する指令値を送信することで、画面全体が暗い場合は発光部の光量を減らすことができる。したがって、発光部40での消費電力を抑えることができるとともに発光部40の寿命を延ばすことができる。さらに、液晶素子で遮断する光量を減らすことができるので、液晶素子の寿命を延ばすことができる。
【0040】
インターフェース部24は、メインコントローラ22から出力された、光量の調整に関する指令値を受け、これを各ドライバ30に同報(ブロードキャスト)する制御基板により構成される。メインコントローラ22からインターフェース部24への伝送の規格として、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)が用いられることにより、安価にシステムを実現できる。もちろん、他の規格が採用されてもよい。
【0041】
本実施形態では、メインコントローラ22とインターフェース部24とが別々のチップで構成されているが、1チップで構成されていてもよい。
【0042】
ドライバ30は、発光部40を駆動する機能を有する。ドライバ30ごとに発光部40がそれぞれ接続されている。ドライバ30は、インターフェース部24に並列接続されている。ドライバ30および発光部40は、例えば4〜20個程度設けられるが、この範囲に限られるわけではない。1つの発光部40は、複数の発光素子42が直列接続されて構成されている。発光素子42としては、例えばLD(Laser Diode)が用いられる。
【0043】
インターフェース部24および各ドライバ30間のインターフェースの規格として、例えばI2C、またはSPI(Serial Peripheral Interface)が用いられる。I2Cは、ジェネラルコールアドレスの機能を有し、スレーブアドレスを0に設定することにより、スレーブ側をすべて選択できる。これにより、インターフェース部24から各ドライバ30への同報通知が可能となる。
【0044】
SPIでは、SS(Slave Select)信号が使用され、スレーブごとに1本ずつの接続ではその本数が多くなり、その本数分の基板面積を必要とし、またマスタ側にその本数分のポートが必要になる。例えば、ドライバ30基板のID番号(スレーブアドレスに相当)を送るインストラクションを定義して、すべてのスレーブを選択することで、同報通知が可能となる。
【0045】
2.光源制御装置による発光制御の原理
【0046】
2.1)発光部の駆動値と光量の関係
【0047】
図2は、上記発光部40の駆動値としての駆動電流と光量との関係を示すグラフである。ここでは、上述したように、複数の発光部40の全体で実質的に同じ均一な輝度を得るための発光制御の原理について説明する。
【0048】
発光部40ごとに図2に示した関係が存在し、これら関係(グラフ)は概ね同一の形態を有するが、発光部40ごとに若干の個体差を有する。もちろん、すべての発光部40のうち少なくとも2つの発光部40において、当該個体差が無く、同一形態の、駆動電流および光量の関係を有する場合もある。
【0049】
図2を参照して、P0は、発光部40を構成する発光素子42の発振閾値電流I0に対応する光量である。発振閾値電流I0は、具体的には、最小の光量を発生させる電流値である。Pcは基準光量であり、本実施形態では最大光量である。その基準光量を得るための基準駆動値(基準駆動電流)としての駆動電流をIcとする。
【0050】
任意の駆動電流Iyに対応する光量をPyとし、これらの関係を、関数fを用いて以下の式0.1で示す。
Py = f(Iy) ・・・式0.1
【0051】
式0.1を逆関数f-1で表すと、以下の式0.2になる。
Iy = f-1(Py) ・・・式0.2
【0052】
最大光量からの変化の割合、つまり減光の割合y(ただし、0≦y≦1)は、以下の式0.3で表されるため、これにより式0.4を得る。
y = Py/Pc ・・・式0.3
Py = y・Pc ・・・式0.4
【0053】
式0.2、式0.4から、以下の式0.5が得られる。
Iy = f-1(y・Pc) ・・・式0.5
【0054】
例えば各ドライバ30は、関数(逆関数)f-1およびPcを予め記憶しておく。コントローラ20が指令値としてyを各ドライバ30に同報することにより、個々のドライバ30は、式0.5を用いて、Iyを個々に算出することができる。すなわち、個々のドライバ30は、関数f-1を用いて、指令値yに基づき、駆動電流Iyをそれぞれ決定することができる。上述したように、発光部40ごとにf-1について若干の個体差を持つ場合があるため、同じ指令値yであっても、ドライバ30ごとに駆動電流Iyが異なる場合がある。
【0055】
例えば、各ドライバ30は、f-1およびPcを記憶する代わりに、ルックアップテーブル形式で、式0.5により規定される、駆動電流およびこれに対応する光量の各データ値を記憶してもよい。ドライバ30のメモリは、揮発性および不揮発性のどちらのタイプであってもよい。
【0056】
例えばこれらのメモリが揮発性メモリである場合、コントローラ20が予め関数f-1やルックアップテーブルのデータを記憶おけばよい。そして、光源制御装置101に電源が投入されるタイミング、またはその後の所定のタイミングで、コントローラ20が各ドライバ30にそれら関数f-1やルックアップテーブルを渡すようにしてもよい。
【0057】
例えばドライバ30のメモリが不揮発性メモリである場合、コントローラ20がドライバ30に関数f-1やルックアップテーブルのデータを送信してそれを各ドライバ30が取得した以降は、それら不揮発性メモリがそれらを記憶しておいてもよい。あるいは、それら不揮発性メモリは、工場出荷時に予めそれらを記憶しておいてもよい。
【0058】
2.2)実施形態1(具体的な関数の例1)
【0059】
以下では、上記関数fまたはf-1の具体的な実施形態として、発振閾値電流I0以上の駆動領域で1本の直線で近似される例について説明する。図3は、その実施形態に係る、駆動電流および光量の関係を示すグラフである。本実施形態1のグラフは、発振閾値電流I0から、最大光量Pcに対応する基準駆動電流Icまでの駆動領域において、直線で近似される。このグラフから、以下の式1.1に示すように、その直線の傾き(Pb-Pa)/(Ib-Ia)をk1と置く。
【0060】
k1 = (Pb-Pa)/(Ib-Ia) ・・・式1.1
【0061】
式1.1は、式1.2であり、つまりIyは式1.3のようにPyの関数として表される。
Py-Pc = k1(Iy-Ic) ・・・式1.2
Iy =f-1(Py) ・・・式1.3
【0062】
具体的には、Iyは、式1.2から以下の式1.4で表される。
Iy = (Py-Pc)/k1 + Ic ・・・式1.4
【0063】
y = Py/Pc、0≦y≦1とすると、式1.4から以下の式1.5が導かれる。
Iy = Pc(y-1)/k1 + Ic ・・・式1.5
【0064】
ここで、ζ =Pc/k1とおくと、式1.5は以下の式1.6となる。
Iy = (y-1)ζ + Ic ・・・式1.6
【0065】
個々のドライバ30は、既知パラメータとしてk1、Pc、およびIcを記憶する。k1およびPcの代わりに、k1およびPcに基づく演算値であるζが記憶されてもよい。コントローラ20のインターフェース部24は、光量をPyに変更する場合、指令値として例えばy-1をドライバ30に同報することにより、個々のドライバ30は、式1.6を用いて駆動電流Iyを算出することができる。
【0066】
図4は、本実施形態1に係る光源制御装置101の動作を示すフローチャートである。
【0067】
光源制御装置101に電源が投入されると、コントローラ20は、例えば初期設定として、各ドライバ30ごとに予め定められた上記既知パラメータであるIcおよびζを各ドライバ30に送信する(ステップ101)。個々のドライバ30はIcおよびζを取得し、メモリにこれを記憶する。上述したように、個々のドライバ30は、不揮発性メモリにIcおよびζを予め記憶しておいてもよい。
【0068】
そして、コントローラ20は、電流Icを目標駆動電流として、発光部40を駆動するための駆動開始コマンドを各ドライバ30に送信する(ステップ102)。駆動開始コマンドも、典型的には同報により通知される。
【0069】
次に、コントローラ20は、例えば映像信号処理部15から、光量調整(ここではdimming調整)の指令を受けると、同じ指令値y-1を各ドライバ30に同報する(ステップ103)。この指令値y-1は、最大光量Pcからの変化の割合yに基づく演算値である。
【0070】
個々のドライバ30は、ステップ101で記憶したIcおよびζを含む式1.6を用いて、取得した指令値y-1に基づき、電流Iyを目標駆動電流として決定し、この駆動電流Iyで発光部40を駆動する(ステップ104)。
【0071】
以上のように、コントローラ20は、指令値y-1を同報することにより、個々のドライバ30は式1.6を用いて駆動電流Iyをそれぞれ算出する。すなわち、コントローラ20は、発光部40ごと(ドライバ30ごと)に異なる可能性がある駆動電流値を各ドライバ30にそれぞれ送信する必要がない。したがって、光量調整の高速化を実現することができる。
【0072】
特に、コントローラ20が、個々のドライバ30に、(発光部40ごとの光量の個体差を吸収するための)異なる指令値をそれぞれ送信していたのでは、1フレームごとのタイミングにその送信が間に合わない。本実施形態1では、コントローラ20は、同じ指令値を同報するだけでよいので、発光部40ごとの光量調整を、例えば1フレームごとに行うことができる。
【0073】
コントローラ20は、指令値としてy-1を送るが、もちろんyを送ってもよい。その場合、個々のドライバ30が、y-1を演算する。しかし、y-1は、各ドライバ30に共通の値であるため、コントローラ20がy-1を演算する方が、光量調整の高速化に寄与する。
【0074】
また、コントローラ20は、上記のように予めζを持っておくのではなく、光量調整ごとにPc/k1を演算するようにしてもよい。しかし、Pc/k1は既知であり、本実施形態のようにこのような除算等の演算処理を予め行っておくことにより、光量調整時の演算量を少なくし、光量調整の高速化に寄与する。
【0075】
2.3)実施形態2(具体的な関数の例2)
【0076】
図5は、上記実施形態1とは別の実施形態に係る関数を示す。本実施形態では、上記実施形態1で説明した箇所について、同様の説明箇所を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0077】
本実施形態2では、図5に示すように、この関数は、発振閾値電流I0から基準駆動値である基準駆動電流Icまでの複数の駆動領域に対応して、複数の直線領域で近似される。つまり、発振閾値電流I0以上の駆動領域で、複数の関数が規定される。具体的には、この関数は2つの直線領域に分けらて設定されている。
【0078】
説明の便宜上、駆動電流Ibから基準駆動電流Icまでの領域を第1駆動領域とし、発振閾値電流I0から駆動電流Ibまでの領域を第2駆動領域とする。第1駆動領域の直線の傾きk1、第2駆動領域の直線の傾きk2は、以下の式2.1、式2.2でそれぞれ表される。
k1 = (Pc-Pb)/(Ic-Ib) ・・・式2.1
k2 = (Pb-Pa)/(Ib-Ia) ・・・式2.2
【0079】
第1駆動領域(Pb<Py)では、上記式1.6と同様に、傾きk1を用いて、以下の式2.3が導き出される。
Iy = (y-1)ζ1 + Ic ・・・式2.3
ただし、ζ1=Pc/k1、y=Py/Pc
【0080】
第2駆動領域(P0<Py≦Pb)では、傾きk2を用いて、以下の式2.4が導き出される。
Py = Pb + k2(Iy-Ib) ・・・式2.4
【0081】
y=Py/Pcから、式2.4を変形して、以下の式2.5が得られる。
Iy = y・Pc/k2 - Pb/k2 + Ib ・・・式2.5
【0082】
ζ2=Pc/k2、ζ3=Pb/k2とすると、式2.5は以下の式2.6で表される。
Iy = ζ2y - ζ3 + Ib ・・・式2.6
【0083】
以上のように、個々のドライバ30は、第1駆動領域では式2.3を用い、第2駆動領域では式2.6を用いて、駆動電流Iyを算出するように構成される。個々のドライバ30は、既知パラメータとしてk1、k2、Pc、Ic、Pb、およびIbを記憶する。Pcおよびk1の代わりに、それらの演算値であるζ1が記憶されてもよく、Pcおよびk2の代わりに、それらに基づく演算値であるζ2が記憶されてもよい。また、Pbおよびk2の代わりに、それらに基づく演算値であるζ3が記憶されてもよい。
【0084】
コントローラ20は、光量を第1駆動領域に対応するPyに変更する場合、例えば指令値としてy(またはy-1でもよい)をドライバ30に同報することにより、個々のドライバ30は、式2.3または式2.6を用いて駆動電流Iyを算出することができる。
【0085】
図6は、本実施形態2に係る光源制御装置の動作を示すフローチャートである。
【0086】
光源制御装置に電源が投入されると、コントローラ20は、例えば初期設定として、各ドライバ30ごとに予め定められた上記既知パラメータであるIc、Ib、ζ1、ζ2、ζ3を各ドライバ30に送信する(ステップ201)。個々のドライバ30はIc、Ib、ζ1、ζ2、ζ3を取得し、メモリにこれを記憶する。上述したように、個々のドライバ30は、不揮発性のメモリにIc、Ib、ζ1、ζ2、ζ3を予め記憶しておいてもよい。
【0087】
そして、コントローラ20は、電流Icを目標駆動電流として、発光部40を駆動するための駆動開始コマンドを各ドライバ30に送信する(ステップ202)。
【0088】
コントローラ20は、例えば映像信号処理部15から、光量調整(ここではdimming調整)の指令を受けると、同じ指令値yを各ドライバ30に同報する(ステップ203)。
【0089】
個々のドライバ30は、指令値yについて判定処理を行う。つまり個々のドライバ30は、光量PyがPbを超えるか否かを判定する(ステップ204)。このステップ204では、個々のドライバ30が、予めPbのPcに対する割合y1、つまりy1=Pb/Pcを予め記憶(例えばステップ201でコントローラ20からPbをさらに取得し、Pb/Pc=y1を算出してこれを記憶)しておき、y1<yを判定するようにしてもよい。
【0090】
個々のドライバ30は、Pb<Py(y1<y)であると判定した場合、その指令値yに基づき、式2.3を用いて駆動電流Iyを目標駆動電流として決定し、この駆動電流Iyで発光部40を駆動する(ステップ205)。一方、個々のドライバ30は、Pb<Py(y1<y)でないと判定した場合、その指令値yに基づき、式2.6を用いて駆動電流Iyを目標駆動電流として決定し、この駆動電流Iyで発光部40を駆動する(ステップ206)。
【0091】
以上のように、本実施形態2では、複数の駆動領域に分けて、駆動電流および光量の関係が規定されるので、実施形態1に比べ、演算量は増えるが、光量調整の精度が向上する。
【0092】
2.4)
以上述べた実施形態1、2は、次のような効果も奏する。CPUやMPU等のコントローラが、個々のドライバに設定する電流目標値を演算しながら送信する形態に比べ、本実施形態では個々のドライバ30が並行して演算するので、演算実行時間が短くなる。
【0093】
また、メインコントローラ22による演算処理量が減るため、メインコントローラ22の負荷が減り、メインコントローラ22が実行すべき他の処理を高速に実行できるようになる。
【0094】
3.別の実施形態に係る光源制御装置
【0095】
図7は、本技術の別の実施形態に係る光源制御装置を示すブロック図である。光源制御装置102は、図1で示した光源制御装置101の光源が、異なる3色の光を発する3つの光源50R、50G、50Bに置き換えられた構成を備え、すなわち、複数の波長域で発光する光源50R、50G、50Bを備える。
【0096】
光源50Rは、例えば赤色の波長域を持つ光を発する複数の発光部40を有する。発光Gは緑色の波長域を持つ光を発する複数の発光部40を有する。光源50Bは青色の波長域を持つ複数の発光部40を有する。すなわち、光源50R、50G、50Bにより白色光が生成される。図1に示す形態と同様に、発光部40は、直列接続された複数の発光素子42で構成される。
【0097】
コントローラ20は、映像信号処理部15から、3つの光源50R、50G、50Bに対応する映像信号の輝度データを取得し、その輝度データに基づき、1フレームごとまたは複数フレームごとに、光源50ごとの発光部40全体の明るさ(輝度)で、各光源50R、50G、50Bを発光させる。コントローラ20は、光源50ごとに基本的には異なる指令値(同じ場合もある)を、すべての光源50で同じタイミングで一斉に同報するように構成される。あるいは、異なる光源50間では、映像表示に影響がない程度のわずかな送信タイミングのずれ(例えば1フレーム時間より十分に短い時間のずれ)があってもよい。
【0098】
そして、各ドライバ30が光源50ごとに、その指令値に基づいて、上記したような関数を用いて駆動電流を決定し、その駆動電流でそれぞれの光源50R、50G、50Bを発光させる。
【0099】
このように、コントローラ20が、複数の波長域(つまり第1波長域および第2波長域を少なくとも含む)を持つ光を発生する光源50ごとに設けられたドライバ30(複数の第1波長域発光用ドライバおよび複数の第2波長域発光用ドライバを少なくとも含む)に指令値(第1指令値および第2指令値を少なくとも含む)を同報する。そして、各ドライバ30が関数を用いて駆動電流を決定するので、3つの光源50R、50G、50Bを用いたとしても、高速に光量調整を行うことができる。
【0100】
4.プロジェクタ
【0101】
図8は、例えば図7で示した光源制御装置102を備えるプロジェクタの光学系の構成例を示す。プロジェクタ500は、白色光を出射可能な光源装置100と、光源装置100からの光をもとに画像を生成する画像生成部200と、生成された画像を図示しないスクリーン等に投射する投射部(投射光学系)400とを有する。
【0102】
光源装置100は、赤色波長域の赤色レーザ光R、緑色波長域の緑色レーザ光G、および青色波長域の青色レーザ光Bを合成して白色光Wを出射する。光源装置100は、例えば図7で示した光源制御装置102を含む装置である。
【0103】
画像生成部200は、照射された光をもとに画像を生成する光変調素子210と、光変調素子210に光源装置100からの白色光を照射する照明光学系220とを有する。照明光学系220は、ダイクロイックミラー260および270、ミラー280、290および300、リレーレンズ310および320、フィールドレンズ330R、330Gおよび330B、光変調素子210として例えば液晶素子210R、210G、および210B、ダイクロイックプリズム340を含んでいる。
【0104】
ダイクロイックミラー260および270は、所定の波長域の色光を選択的に反射し、それ以外の波長域の光を透過させる性質を有する。例えば、ダイクロイックミラー260が、緑色レーザ光Gおよび青色レーザ光Bを選択的に反射する。ダイクロイックミラー270は、ダイクロイックミラー260により反射された緑色レーザ光Gおよび青色レーザ光Bのうち、緑色レーザ光Gを選択的に反射する。残る青色レーザ光Bが、ダイクロイックミラー270を透過する。これにより、光源装置100から出射された光が、異なる色の複数のレーザ光に分離される。なお複数のレーザ光に分離するための構成や、用いられるデバイス等は限定されない。
【0105】
分離された赤色レーザ光Rは、ミラー280により反射され、フィールドレンズ330Rを通ることによって平行化され、液晶素子210Rに入射する。緑色レーザ光Gは、フィールドレンズ330Gを通ることによって平行化され、液晶素子210Gに入射する。青色レーザ光Bは、リレーレンズ310を通ってミラー290により反射され、さらにリレーレンズ320を通ってミラー300により反射される。ミラー300により反射された青色レーザ光Bは、フィールドレンズ330Bを通ることによって平行化され、液晶素子210Bに入射する。
【0106】
液晶素子210R、210Gおよび210Bは、画像情報を含んだ画像信号を供給する図示しない信号源(例えばPC等)と電気的に接続されている。液晶素子210R、210Gおよび210Bは、供給される各色の画像信号に基づき、入射光を画素毎に変調し、それぞれ赤色画像、緑色画像および青色画像を生成する。変調された各色のレーザ光(形成された画像)は、ダイクロイックプリズム340に入射して合成される。ダイクロイックプリズム340は、3つの方向から入射した各色の光を重ね合わせて合成し、投射部400に向けて出射する。
【0107】
投射部400は、光変調素子210により生成された画像を投射する。投射部400は、複数のレンズ410等を有し、ダイクロイックプリズム340によって合成された光を図示しないスクリーン等に照射する。これによりフルカラーの画像が表示される。
【0108】
5.他の種々の実施形態
【0109】
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
【0110】
例えば、コントローラ20は、所定の条件に基づき、関数またはその関数を構成するパラメータを更新するように構成されていてもよい。具体的には、所定の条件とは、電源が投入されて所定の日数が経過した場合や、光源制御装置が工場出荷時にデフォルトで記憶している関数(の既知パラメータ)から、現在の既知パラメータが変化した場合などである。後者の場合、例えば光源制御装置が輝度センサ等を備え、コントローラ20が、定期、不定期、またはユーザの操作入力があった時等に、発光部40の駆動電流および発光量を調べてそれらを記録するように構成されていればよい。これにより、発光部40に経時、経年変化が生じた場合でも、高精度な光量調整が可能となる。
【0111】
光源50の個々の発光部40を構成する素子として、LDの代わりにLED(Light Emitting Diode)が用いられてもよい。
【0112】
上記実施形態では、基準光量は最大光量とされたが、これに限られず、任意の光量でよい。
【0113】
光変調素子として液晶素子が用いられたが、DMD(Digital Micro-mirror Device)が用いられてもよい。
【0114】
図7に示した光源制御装置102に別系統のRGBの3つの光源50R、50G、50Bをさらに設けることにより、3D映像を投射するプロジェクタを実現することができる。この場合、インターフェース部24(図7参照)から6本の並列的な線が配線される設計となる。
【0115】
上記実施形態では、コントローラが、指令値を各ドライバに同報するように構成された。しかし、必ずしも「同報」でなくてもよく、コントローラは、少なくとも2つのドライバへの指令値の送信タイミングをずらすように構成されていてもよい。
【0116】
上記実施形態では、1つの発光部40は、複数の発光素子42を有していたが、単一の発光素子42により構成されていてもよい。
【0117】
以上説明した光源制御装置の実施形態は、以下に説明する光源制御装置および光源ユニットの実施形態とを組み合わせることもできる。また、以上説明したプロジェクタは、以下に説明する実施形態に係る光源制御装置や光源ユニットを含むこともできる。
【0118】
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。以下に説明するいくつかの実施形態についても同様である。
【0119】
6.光源における戻り電流に起因する課題
【0120】
ところで、光源における各発光部の戻り電流は比較的大電流であり、このような大電流が電子機器のコントローラ基板の基準ライン(典型的にはグランドライン)に流れ込むと、次のような問題が起こるおそれがある。すなわち、当該グランドラインに大電流が流れ込むと、その配線パターンにより規定される抵抗値に基づく電位差が発生し、これによりコモンモードノイズが生じる。
【0121】
本開示の別の目的は、基準ラインの配線パターンによる電位差の発生を抑制することができる技術を提供することにある。
【0122】
図9は、上記課題を具体的に説明するための、光源および光源制御装置の構成を示し、本技術の比較例に係る図である。図9に示した装置は、電源ユニット60、コントローラユニット(例えばコントローラ基板)120、ドライバユニット150、および光源(光源ユニット)50を備える。なお、上記図1等に示した実施形態では、電源ユニット60の図示やその説明は省略されている。
【0123】
コントローラユニット120は、ドライバユニット150に搭載された複数のドライバ30に制御信号を送り、それらドライバ30の駆動をそれぞれ制御する。コントローラユニット120は、例えば上述した実施形態の「コントローラ20」(図1参照)を含む基板ユニットで構成される。この場合、コントローラユニット120は、インターフェース部24や映像信号処理部15を含んでいてもよいし、それらを含まない場合はコントローラユニット120の外部にそれらが設けられていてもよい。
【0124】
ドライバユニット150の各ドライバ30には、上記実施形態で説明したように、発光部40がそれぞれ接続されている。1つの発光部40は、例えば、上述したように直列接続された複数の発光素子42を有する。電源ユニット60は、コントローラユニット120およびドライバユニット150に電力を供給し、また、ドライバユニット150を介して光源ユニット50に電力を供給する。
【0125】
ドライバユニット150(の各ドライバ30)は、正電源ライン51(複数)およびグランドライン59に接続されている。各発光部40は、グランドライン59と正電源ライン51との間にそれぞれ接続されている。正電源ライン51には、グランドライン59のゼロボルトより高電位が印加され、各発光部40は、そのグランドライン59および正電源ライン51間の電圧による電流で駆動されるようになっている。
【0126】
ここで、コントローラユニット120にもグランドライン(ライン59g)が接続されている場合、次のような問題が起こる。グランドライン59を通る、発光部40からの戻り電流は大電流であり、この大電流がドライバユニット150およびコントローラユニット120に流れ込む。例えば、1つの発光部40に1A〜2Aの電流が流れ、発光部40が20個設けられる設計の場合、グランドライン59には20A〜40Aの大きな戻り電流が流れる。
【0127】
例えば、図9に示したように、各発光部40(例えば4つ)を流れる電流値をIf1、If2、If3、If4とする。グランドライン59を流れる電流は、それら4つの電流値の総和であり、総和Irは、Ir= If1+If2+If3+If4である。そして、グランドライン59のドライバユニット150へのライン59sに流れる電流をIs、コントローラユニット120に接続へのライン59gに流れる電流をIgとすると、Ir= Ig+Isである。コントローラユニット120およびドライバユニット150におけるインピーダンスがほぼ同じであれば、Ig=Irとなる。つまりIrの1/2の電流が、コントローラユニット120に流れ込むことになる。
【0128】
ドライバユニット150は、大電流を取り扱う設計を有するため、大電流が戻り電流としてドライバユニット150に流れ込んでも問題は起こりにくい。一方、コントローラユニット120に大電流が流れ込むと、上述したように、コントローラユニット120のグランドラインの配線パターンで決まる抵抗値に基づく電位差が発生し、これによりコモンモードノイズが発生する。
【0129】
具体的には、この光源および光源制御装置を含む電子機器は、光源ユニット50やコントローラユニット120(コントローラ基板)等の各要素を支持する導電性フレーム70を有する場合がある。この場合、この導電性フレーム70がこの光源制御装置の電気的なグランドとして機能する。このような導電性フレーム70が存在すると、コントローラユニット120のグラインドラインと、この導電性フレーム70との間で上述したように電位差が発生し、これによりコモンモードノイズが発生する。
【0130】
このような問題の解決策として、光源ユニット50を、上記導電性フレーム70から絶縁することが考えられる。この導電性フレーム70は、図9において、このような、光源ユニット50の、コントローラユニット120(導電性フレーム70)からの絶縁を、模式的に破線の「×」印で示している。このように光源ユニット50を導電性フレーム70から絶縁した場合には、その導電性フレーム70を介してコントローラユニット120に電流Igが流れ込むことを防ぐことができる。
【0131】
ここで、光源ユニット50を対する作業(例えばメンテナンスなど)を行う場合に、光源ユニット50を機器(例えばプロジェクタ)から取り外す必要がある。したがって、ドライバユニット150と光源ユニット50とを接続しているケーブルが外されることになる。しかしながら、上記の「×」印のような絶縁手法を採ると、ドライバユニット150と光源ユニット50とを接続するケーブルが外された場合、光源ユニット50が電気的に浮遊状態となり、光源ユニット50内の静電気の発生により、発光素子42が劣化する等の問題がある。
【0132】
6.1)上記課題を解決するための実施形態
【0133】
図10は、上記課題を解決するための実施形態に係る、光源ユニットおよびこれを制御する光源制御装置の構成を示す。本実施形態において、上記比較例(図9参照)に係る装置の要素と同一の要素については、同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
【0134】
本実施形態に係る装置と、上記比較例に係る装置と異なる主な点は、本実施形態に係る光源ユニット50Aは、正電源ライン(第1ライン)51とグランドライン(基準ライン)59のほか、負電源ライン(第2ライン)52をさらに有する点である。そして、少なくとも1つの発光部40である第2発光部40bが、そのグランドライン59と負電源ライン52との間に接続されている。
【0135】
ドライバユニット150は、グランドライン59、正電源ライン51および負電源ライン52に接続されている。具体的には、ドライバユニット150は、基準電位(例えば0V)と、当該基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、第1発光部40aを駆動する1つ以上の第1ドライバ31を有する。つまり、第1ドライバ31は、正電源ライン51およびグランドライン59(ライン59s)に接続される。
【0136】
また、ドライバユニット150は、基準電位(例えば0V)と、当該基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、第2発光部40bを駆動する1つ以上の第2ドライバ32を有する。つまり、第2ドライバ32は、負電源ライン52およびグランドライン59(ライン59s)に接続される。
【0137】
図10において、例えば2つの第1発光部40aを流れる電流値をそれぞれIf1、If2とする。また、2つの第2発光部40bを流れる電流値をそれぞれIf3、If4とする。グランドライン59のうち、ドライバユニット150に接続されるライン59sと、コントローラユニット120に接続されるライン59gの合流点を流れる電流値の総和Irは、Ir= If1+If2-(If3+If4)である。また、ライン59sを流れる電流値をIs、ライン59gを流れる電流値をIgとすると、Ir= Ig+Isである。
【0138】
Irは、If1とIf2の和から、If3およびIf4を減じた値となる。本実施形態では、各発光部40は定電流駆動(輝度の調整範囲を含む)により駆動されるため、If1、If2、If3、If4が概ね同じであることにより、Irは非常に小さい値となる。したがって、上記Ir= Ig+Isから、Igも非常に小さい値となる。
【0139】
以上のように、本実施形態では、グランドライン59を介してコントローラユニット120に流れ込む戻り電流を非常に小さい値にすることができる。これにより、コントローラユニット120のグランドラインの配線パターンによる電位差の発生も抑制され、コモンモードノイズが抑制される。その結果、コントローラユニット120における信号処理時の誤作動を防止できる。
【0140】
また、本実施形態では戻り電流が非常に小さいので、上述したように、グランドのベースとなる導電性フレーム70から、光源ユニット50を絶縁する必要がない。光源ユニット50に対する作業(例えばメンテナンス作業)を行う場合に、ドライバユニット150と光源ユニット50とを接続しているケーブルを外す必要もなく、作業性が向上する。また、光源ユニット50の電気的に浮遊状態となることはなく、光源ユニット50内に静電気が発生することも抑制される。これにより、発光素子42の劣化も抑制される。
【0141】
本実施形態では、基準電位として0Vの電位を使用するので、各ドライバの回路設計が容易になる。もちろん、基準電位として、正電位を使用してもよい。例えば、高電位側を20V、基準電位を10V、低電位側を0Vとしてもよい。この場合、その高電位側のライン(第1ライン)と基準ライン(基準電位側のライン)との間に第1発光部40aが接続され、基準ラインと低電位側のライン(第2ライン)との間に第2発光部40bが接続されるようにしてもよい。つまり、第1発光部40aのアノードが高電位側のラインに接続され、また、第1発光部40aのカソードが基準ラインに接続される。そして、第2発光部40bのアノードが基準ラインに接続され、第2発光部40bのカソードが低電位側のラインに接続される。
【0142】
本実施形態では、基準電位が一定(典型的にはグランド電位である0V)に設定され、第2ドライバ32が負電源ライン52の電位を調整することで、上記駆動値(電流値)を調整することができる。このように、基準電位より低い電位が調整されることにより、第2ドライバ32やその他の回路の故障を抑制し、安全性を高められる、という効果がある。また、この場合、第1ドライバ31は、正電源ライン51の電位を調整することで、駆動値(電流値)を調整するように構成される。
【0143】
この光源制御装置は、図10に示すように、ライン59gに設けられた抵抗素子Rgおよびライン59sに設けられたRsを備えていてもよい。これにより、戻り電流を熱エネルギーに変えて、コントローラユニット120およびドライバユニット150に流れ込む戻り電流の値を下げることができる。
【0144】
なお、抵抗素子RgおよびRsのうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。この場合、好ましくは、抵抗素子Rgのみが設けられる。なお、抵抗素子RgおよびRsは必須の要素ではない。
【0145】
6.2)上記課題を解決するための他の実施形態
【0146】
図11は、上記課題を解決するための他の実施形態に係る光源および光源制御装置の構成を示す。
【0147】
本実施形態に係る装置が上記実施形態と異なる点は、次のような点である。本実施形態に係る装置は、高電位側の第1発光部40aのアノードをグランドライン59に接続させ、かつ、第1発光部40aのカソードを負電源ライン52に接続させるように、第1発光部40aの接続先を変える変更部を備える。例えば、変更部は、コントローラユニット120およびスイッチ群S1、S2を含む。
【0148】
スイッチ群S1は、1以上(すべてでもよい)の第1発光部40aに接続された4つのスイッチQ1〜Q4を含む。同様にスイッチ群S2は、1以上(すべてでもよい)の第2発光部40bに接続された4つのスイッチQ1〜Q4を含む。図11は、第1発光部40a、第2発光部40bそれぞれ1つずつにスイッチ群が設けられる構成を示している。
【0149】
スイッチQ1〜Q4としては、例えばFET(Field Effect Transistor)等の半導体スイッチが用いられる。これらスイッチQ1〜Q4は、コントローラユニット120によってそのON/OFFの切り替えが制御されるようになっている。以下では、第1発光部40aのスイッチ群S1について説明する。
【0150】
スイッチQ1は、正電源ライン51と、第1発光部40aのアノード(端部の発光素子42のアノード)との間に接続されている。スイッチQ2は、第1発光部40aのカソード(反対側の端部の発光素子42のカソード)と、グランドライン59との間に接続されている。
【0151】
スイッチQ3は、スイッチQ1と並列に第1発光部40aのアノードに接続され、当該第1発光部40aのアノードとグランドライン59との間に接続されている。スイッチQ4は、スイッチQ2と並列に第1発光部40aのカソードに接続され、当該第1発光部40aのカソードとグランドライン59との間に接続されている。
【0152】
このような構成によれば、次のような動作が可能となる。例えば、この光源ユニット50が、複数(例えば10個)の第1発光部40aと、複数(例えば10個)の第2発光部40bとを含むとする。この場合において、10個の第2発光部40bのうち偶数個、例えば2個の第2発光部40bが故障した場合、コントローラユニット120は、それを何らかの方法で検出する。検出方法としては、電流検出、電圧検出、または発光照度検出が挙げられる。
【0153】
そして、コントローラユニット120は、スイッチ群S1が設けられる1つの第1発光部40aを、低電位側の発光部として、つまり第2発光部40bとして機能するように、スイッチ群S1を切り替える。具体的には、第1発光部40aにおいて、スイッチQ1およびQ2をOFFとし、スイッチQ3およびQ4をONとする。そうすると、正常に動作する高電位側の発光部が9個、正常に動作する低電位側の発光部も9個となる。これにより、光源ユニット50の正側と負側の電気的バランスおよび照度バランスを取ることができる。その結果、発光部の一部が故障した場合でも光源ユニット50の制御が容易になり、また、照度ムラの発生を抑制できる。
【0154】
例えば偶数個の第1発光部40aが故障した場合でも、第2発光部40bのスイッチ群S2の上記同様な切り替え動作により、同様の効果が得られる。
【0155】
正側と負側のバランスを取る目的に限られず、他の目的でスイッチ群のON/OFFが制御されてもよい。他の目的とは、例えば光源ユニット50からの基本的な出射光量を調整すること(例えば、常時、最大出射光量の半分の光量で機器を使用する場合など)が挙げられる。
【0156】
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、基準電位が一定(典型的にはグランド電位である0V)に設定され、第2ドライバ32が負電源ライン52の電位を調整することで、上記駆動値(電流値)を調整することができる。また、この場合、第1ドライバ31は、正電源ライン51の電位を調整することで、駆動値(電流値)を調整するように構成される。
【0157】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値を送信するように構成されたコントローラと、
送信された前記指令値をそれぞれ取得し、前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値をそれぞれ決定するように構成された複数のドライバと
を具備する光源制御装置。
(2)
前記(1)に記載の光源制御装置であって、
前記複数のドライバを構成する個々のドライバは、前記関数として、直線で近似される関数を用いるように構成される
光源制御装置。
(3)
前記(1)に記載の光源制御装置であって、
前記複数のドライバを構成する個々のドライバは、前記関数として、複数の駆動領域に対応してそれぞれ設定された複数の関数を用いるように構成される
光源制御装置。
(4)
前記(2)に記載の光源制御装置であって、
前記個々のドライバは、前記直線で近似される関数として、複数の駆動領域に対応して設定された複数の直線領域で近似される関数を用いるように構成される
光源制御装置。
(5)
前記(2)または(4)に記載の光源制御装置であって、
前記個々のドライバは、前記直線の傾き、基準光量、および前記基準光量に対応する基準駆動値を既知パラメータとして、前記関数を用いるように構成される
光源制御装置。
(6)
前記(5)に記載の光源制御装置であって、
前記個々のドライバは、前記既知パラメータのうち前記直線の傾きおよび前記基準光量に基づく演算値を、前記コントローラから取得、または予め記憶するように構成される
光源制御装置。
(7)
前記(1)から(6)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記コントローラは、所定の条件に基づき、前記関数を更新するように構成される
光源制御装置。
(8)
前記(1)から(7)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記コントローラは、前記複数のドライバに、前記指令値を同報するように構成される
光源制御装置。
(9)
前記(1)から(8)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記複数のドライバは、
前記発光部のうち第1波長域で発光する複数の発光部をそれぞれ駆動するように構成された複数の第1波長域発光用ドライバと、
前記発光部のうち、前記第1波長域とは異なる第2波長域で発光する複数の発光部をそれぞれ駆動するように構成された複数の第2波長域発光用ドライバとを含み、
前記コントローラは、前記複数の第1波長域発光用ドライバに第1指令値を送信し、前記複数の第1波長域発光用ドライバに第2指令値を送信するように構成される
光源制御装置。
(10)
前記(1)から(9)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記発光部は、第1発光部と第2発光部とを含み、
前記複数のドライバは、
基準ラインにおける基準電位と、第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、前記基準ラインと前記第1ラインとの間に接続された前記第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続可能な第1ドライバと、
前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、前記基準ラインと前記第2ラインとの間に接続された前記第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続可能な第2ドライバとを含む
光源制御装置。
(11)
前記(10)に記載の光源制御装置であって、
前記第1ドライバおよび前記第2ドライバは、前記基準電位としてゼロボルトの電位を使用するように構成される
光源制御装置。
(12)
前記(10)または(11)に記載の光源制御装置であって、
前記基準電位が一定電位に設定され、
前記第2ドライバは、前記基準電位より低い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成される
光源制御装置。
(13)
前記(12)に記載の光源制御装置であって、
前記第1ドライバは、前記基準電位より高い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成される
光源制御装置。
(14)
前記(10)から(13)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記第1発光部のアノードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第1発光部のカソードを前記第2ラインに接続させるように、前記第1発光部の接続先を変える変更部
をさらに具備する光源制御装置。
(15)
前記(10)から(13)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記第2発光部のカソードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第2発光部のアノードを前記第1ラインに接続させるように、前記第2発光部の接続先を変える変更部
をさらに具備する光源制御装置。
(16)
前記(10)から(15)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記基準ラインのうち、前記コントローラに接続されるライン、および前記複数のドライバに接続されるラインのうち少なくとも一方に設けられた抵抗素子
をさらに具備する光源制御装置。
(17)
少なくとも1つの発光部の光量の調整に関する指令値をコントローラにより送信し、
送信された前記指令値を複数のドライバによりそれぞれ取得し、
前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値を前記複数のドライバによりそれぞれ決定する
光源制御方法。
(18)
基準ラインにおける基準電位と、第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成することで、前記基準ラインと前記第1ラインとの間に接続された第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続可能な第1ドライバと、
前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成することで、前記基準ラインと前記第2ラインとの間に接続された第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続可能な第2ドライバと、
前記基準ライン、前記第1ドライバおよび前記第2ドライバに接続可能であり、前記第1ドライバおよび前記第2ドライバを制御するように構成されたコントローラユニットと
を具備する光源制御装置。
(19)
前記(18)に記載の光源制御装置であって、
前記第1ドライバおよび前記第2ドライバは、前記基準電位としてゼロボルトの電位を使用するように構成される
光源制御装置。
(20)
前記(18)または(19)に記載の光源制御装置であって、
前記基準電位が一定電位に設定され、
前記第2ドライバは、前記基準電位より低い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成される
光源制御装置。
(21)
前記(20)に記載の光源制御装置であって、
前記第1ドライバは、前記基準電位より低い側の電位を調整することで、前記駆動値を調整するように構成される
光源制御装置。
(22)
前記(18)から(21)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記第1発光部のアノードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第1発光部のカソードを前記第2ラインに接続させるように、前記第1発光部の接続先を変える変更部
をさらに具備する光源制御装置。
(23)
前記(18)から(21)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記第2発光部のカソードを前記基準ラインに接続させ、かつ、前記第2発光部のアノードを前記第1ラインに接続させるように、前記第2発光部の接続先を変える変更部
をさらに具備する光源制御装置。
(24)
前記(18)から(23)のうちいずれか1項に記載の光源制御装置であって、
前記基準ラインのうち、前記コントローラに接続されるライン、および前記複数のドライバに接続されるラインのうち少なくとも一方に設けられた抵抗素子
をさらに具備する光源制御装置。
(25)
基準ラインにおける基準電位と、第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成し、前記基準ラインと前記第1ラインとの間に接続された第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続可能な第1ドライバと、
前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成し、前記基準ラインと前記第2ラインとの間に接続された第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続可能な第2ドライバと
を具備するドライバユニット。
(26)
基準ラインと第1ラインとの間に接続され、前記基準ラインにおける基準電位と、前記第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間に生成される電圧による電流で駆動される第1発光部と、
前記基準ラインと第2ラインとの間に接続され、前記基準ラインにおける基準電位と、前記第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間に生成される電圧による電流で駆動される第2発光部と
を具備する光源ユニット。
(27)
複数の発光部と、
前記複数の発光部からの光を変調する光変調素子と、
前記光変調素子で変調されて得られる変調光を投射する投射光学系と、
前記複数の発光部を構成する個々の発光部の光量の調整に関する指令値を送信するように構成されたコントローラと、
送信された前記指令値をそれぞれ取得し、前記発光部ごとに設定された、前記発光部を駆動する駆動値と前記光量との関数を用いて、前記指令値に基づき、前記発光部ごとの前記駆動値をそれぞれ決定するように構成された複数のドライバと
を具備するプロジェクタ。
(28)
前記(27)に記載のプロジェクタであって、
前記複数の発光部は、
基準ラインと第1ラインとの間に接続された第1発光部と、
前記基準ラインと第2ラインとの間に接続された第2発光部とを含み、
前記複数のドライバは、
前記基準ラインにおける基準電位と、前記第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、前記第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続された第1ドライバと、
前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、前記第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続された第2ドライバとを含む
プロジェクタ。
(29)
基準ラインと第1ラインとの間に接続された第1発光部と、前記基準ラインと第2ラインとの間に接続された第2発光部とを含む複数の発光部と、
前記複数の発光部からの光を変調する光変調素子と、
前記光変調素子で変調されて得られる変調光を投射する投射光学系と、
前記基準ラインにおける基準電位と、前記第1ラインにおける、前記基準電位より高い電位との間の電圧を生成して、前記第1発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第1ラインに接続された第1ドライバと、前記基準電位と、第2ラインにおける、前記基準電位より低い電位との間の電圧を生成して、前記第2発光部を駆動するように構成され、前記基準ラインおよび前記第2ラインに接続された第2ドライバとを含むドライバユニットと、
前記基準ライン、前記第1ドライバおよび前記第2ドライバに接続可能であり、前記第1ドライバおよび前記第2ドライバを制御するように構成されたコントローラユニットと
を具備するプロジェクタ。
【符号の説明】
【0158】
20…コントローラ
30…ドライバ
31…第1ドライバ
32…第2ドライバ
40…発光部
40a…第1発光部
40b…第2発光部
42…発光素子
50、50R、50G、50B、50A、50B…光源(光源ユニット)
51…正電源ライン
52…負電源ライン
59…グランドライン
101、102…光源制御装置
120…コントローラユニット
150…ドライバユニット
210…光変調素子
500…プロジェクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11