特開2016-64744(P2016-64744A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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  • 特開2016064744-車両用足踏式パーキングブレーキ装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-64744(P2016-64744A)
(43)【公開日】2016年4月28日
(54)【発明の名称】車両用足踏式パーキングブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/06 20060101AFI20160401BHJP
【FI】
   B60T7/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-194696(P2014-194696)
(22)【出願日】2014年9月25日
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 卓也
【テーマコード(参考)】
3D124
【Fターム(参考)】
3D124AA33
3D124BB02
3D124CC28
3D124DD30
3D124DD32
3D124DD33
3D124DD35
(57)【要約】
【課題】 増踏み時の操作を容易にすることのできる車両用足踏式パーキングブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】 レリーズレバー27が非レリーズ回動位置にある時にはポール25をラチェット歯23aに係合した第1回動位置に回動させるように付勢すると共にレリーズレバー27を非レリーズ回動位置に保持するように付勢するスプリング26と、踏込み操作されることでレリーズレバー27をレリーズ回動位置から非レリーズ回動位置へ回動させる増踏み用操作部材30とをペダルアーム16に設けた。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定される取付け用のブラケットと、前記ブラケットに回動軸を中心に回動可能に取り付けられ、パーキングブレーキ制御ケーブルが連結されたペダルアームと、前記ブラケットに前記ペダルアームの回動軸と同心の円弧に沿って列設された多数のラチェット歯と、前記ペダルアームに前記ペダルアームの回動軸と平行な軸部材を中心として回動可能に取り付けられていて前記ラチェット歯に係合した第1回動位置と前記ラチェット歯から離脱した第2回動位置との間を回動し、且つ、前記ペダルアームに前記ペダルアームの回動方向にスライド可能に取り付けられていて第1スライド位置と第2スライド位置との間をスライドするポールと、前記ペダルアームに前記軸部材を中心として回動可能に取り付けられていてレリーズ回動位置と非レリーズ回動位置との間を回動するレリーズレバーと、一端及び他端を前記ポール及び前記レリーズレバーに夫々取り付けられ、前記レリーズレバーが前記非レリーズ回動位置にある時には前記ポールを前記第1回動位置に回動させるように付勢すると共に前記レリーズレバーを前記非レリーズ回動位置に保持するように付勢し、更に、前記レリーズレバーが前記レリーズ回動位置にある時には前記ポールを前記第2回動位置に回動させるように付勢すると共に前記レリーズレバーを前記レリーズ回動位置に保持するように付勢するスプリングと、前記ポールが前記第1スライド位置から前記第2スライド位置に移動したときには前記レリーズレバーを前記非レリーズ回動位置から前記レリーズ回動位置へ回動させるように前記ポールと前記レリーズレバーとの間に設けられた第1連動手段と、前記ペダルアームがパーキングブレーキ作用位置からパーキングブレーキ解除位置へ回動したときには前記レリーズレバーを前記レリーズ回動位置から前記非レリーズ回動位置へ回動させるように前記レリーズレバーと前記ブラケットとの間に設けられた第2連動手段と、前記ペダルアームに前記ペダルアームの回動方向に移動可能に取り付けられ、踏込み操作されることで前記レリーズレバーを前記レリーズ回動位置から前記非レリーズ回動位置へ回動させる増踏み用操作部材と
を備えた車両用足踏式パーキングブレーキ装置。
【請求項2】
前記ペダルアームの先端には踏込み操作時の被踏込み箇所となるペダルパッドが設けられ、前記増踏み用操作部材は、前記ペダルアームの長手方向において前記ペダルパッドと前記レリーズレバーとの間に配設される請求項1に記載の車両用足踏式パーキングブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の足踏式パーキングブレーキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用足踏式パーキングブレーキ制御装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この装置では、一端踏み込んでペダルアームをパーキングブレーキ作動位置に保持させた状態から再び踏み込んで(増踏みして)ペダルアームを更に踏み込まれた位置に保持できるようになっている。
【0003】
ペダルアームの先端には操作箇所であるペダルパッドが上下方向に回動可能に支持されており、ペダルパッドの上部を踏み込むことでポールとラチェット歯との係合が可能な状態となり、そのままペダルアームを増踏みすることで、ペダルアームが更に踏み込まれた位置に保持されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−58539
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の装置では、増踏みを行っている最中は常にペダルパッドの上部を踏み続けないと(途中で下部を踏んだりすると)ポールとラチェット歯との係合が解除されてしまい、ペダルアームがパーキングブレーキ解除位置側に戻ってしまうという不都合がある。この操作態様は増踏み時の操作を困難なものとする。
【0006】
本発明の課題は、増踏み時の操作を容易にすることのできる車両用足踏式パーキングブレーキ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車体に固定される取付け用のブラケットと、前記ブラケットに回動軸を中心に回動可能に取り付けられ、パーキングブレーキ制御ケーブルが連結されたペダルアームと、前記ブラケットに前記ペダルアームの回動軸と同心の円弧に沿って列設された多数のラチェット歯と、前記ペダルアームに前記ペダルアームの回動軸と平行な軸部材を中心として回動可能に取り付けられていて前記ラチェット歯に係合した第1回動位置と前記ラチェット歯から離脱した第2回動位置との間を回動し、且つ、前記ペダルアームに前記ペダルアームの回動方向にスライド可能に取り付けられていて第1スライド位置と第2スライド位置との間をスライドするポールと、前記ペダルアームに前記軸部材を中心として回動可能に取り付けられていてレリーズ回動位置と非レリーズ回動位置との間を回動するレリーズレバーと、一端及び他端を前記ポール及び前記レリーズレバーに夫々取り付けられ、前記レリーズレバーが前記非レリーズ回動位置にある時には前記ポールを前記第1回動位置に回動させるように付勢すると共に前記レリーズレバーを前記非レリーズ回動位置に保持するように付勢し、更に、前記レリーズレバーが前記レリーズ回動位置にある時には前記ポールを前記第2回動位置に回動させるように付勢すると共に前記レリーズレバーを前記レリーズ回動位置に保持するように付勢するスプリングと、前記ポールが前記第1スライド位置から前記第2スライド位置に移動したときには前記レリーズレバーを前記非レリーズ回動位置から前記レリーズ回動位置へ回動させるように前記ポールと前記レリーズレバーとの間に設けられた第1連動手段と、前記ペダルアームがパーキングブレーキ作用位置からパーキングブレーキ解除位置へ回動したときには前記レリーズレバーを前記レリーズ回動位置から前記非レリーズ回動位置へ回動させるように前記レリーズレバーと前記ブラケットとの間に設けられた第2連動手段と、前記ペダルアームに前記ペダルアームの回動方向に移動可能に取り付けられ、踏込み操作されることで前記レリーズレバーを前記レリーズ回動位置から前記非レリーズ回動位置へ回動させる増踏み用操作部材と、を備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、増踏み用操作部材を踏込み操作することで、レリーズレバーは非レリーズ回動位置へ回動させられる。そして、この状態において、レリーズレバーはスプリングの付勢力によって非レリーズ回動位置に保持される。このとき、スプリングによってポールが第1回動位置に回動させられるため、ペダルアームが増踏み後の位置に保持されうるようになる。
【0009】
このように、スプリングによってレリーズレバーが非レリーズ回動位置に保持されるため、増踏み用操作部材はレリーズレバーを非レリーズ回動位置へ回動させうる分だけ操作すれば足りる。したがって、例えば、増踏みにかかるペダルアームの全ストロークにわたって増踏み用操作部材を継続的に操作することなく、ポールを第1回動位置に回動させ、ペダルアームを増踏み後の位置に保持することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、前記ペダルアームの先端には踏込み操作をするためのペダルパッドが設けられ、前記増踏み用操作部材は、前記ペダルアームの長手方向において前記ペダルパッドと前記レリーズレバーとの間に配設される。
【0011】
請求項2の発明によれば、例えば、レリーズレバーそのものに増踏み用操作部材を設ける態様と比較して、レリーズレバーを長大化させることなく増踏み用操作部材をペダルパッドに近接して配置することができる。このように、増踏み用操作部材がペダルパッドに近接して配置されることで、増踏み時のペダルアームの踏込みと増踏み用操作部材の踏込み(移動)との同時操作が容易になる。
【0012】
また、例えば、増踏み用操作部材をペダルパッドよりもペダルアーム先端側に配設する態様と比較して、増踏み用操作部材を備えたペダルアーム全体の長さを抑えることができ小型化に寄与するとともに、フットスペースを広く確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態のパーキングブレーキが解除された状態を示す作用説明図。
図2】同じくパーキングブレーキが作用した状態を示す作用説明図。
図3】同じくパーキングブレーキを解除すべくペダルアームが踏込まれた状態を示す作用説明図。
図4】同じくペダルアームを増踏みしたときの作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態により具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施形態によって限定されるものではない。
図1及び図2において、車体への取付け用のブラケット11には、ペダルアーム16が軸部材14により回動可能に枢支されている。なお、ペダルアーム16は、図1ではブラケット11の奥側に位置する主ペダルアーム17と、ブラケット11の手前側に位置する図示しない副ペダルアームとからなっており、両ペダルアームでブラケット11を挟むように構成されている。主ペダルアーム17と副ペダルアームとは、軸部材14とは別に後述する連結ピン15により連結されており、軸部材14を中心に一体に回動可能である。
【0015】
主ペダルアーム17の長手方向の一端には、踏込み操作時の被踏込み箇所となるペダルパッド10が取り付けられ、他端側には外方に開口する溝部17dが形成されている。該溝17d内には、一端が主ペダルアーム17に固定されたパーキングブレーキ制御ケーブル20が巻かれている。パーキングブレーキ制御ケーブル20の他端は、車輪ブレーキ機構(図示省略)と作動的に連結されており、ペダルアーム16が図1において軸部材14を中心として図示位置から反時計方向に回動することによりパーキングブレーキ制御ケーブル20が牽引されて、車輪ブレーキ機構が作動され、パーキングが作用する。ペダルアーム16は、ブラケット11と主ペダルアーム17との間に張設された図示しないリターンスプリングにより図1において軸部材14を中心として時計方向に回動するように付勢されている。図1におけるペダルアーム16の時計方向への回動は、ブラケット11の一部に主ペダルアーム17が当接することで規制される。
【0016】
主ペダルアーム17が踏込まれた場合に主ペダルアーム17を車輪ブレーキ機構が作動した位置に保持するため、図1図4に示すように、主ペダルアーム17の軸部材17を中心とした揺動軌跡内に位置するブラケット11の下方部に多数のラチェット歯23aを有するセクタ部材23が固定されており、ラチェット歯23aの1つと係合可能な爪25aを有するポール25が主ペダルアーム17に連結ピン15を中心として回動可能に設置されている。ラチェット歯23aは主ペダルアーム17の回動中心である軸部材14と同心の円弧の上に配列されている。
【0017】
また、主ペダルアーム17には、連結ピン15を中心として回動可能にレリーズレバー27が枢支されている。ポール25とレリーズレバー27とは、連結ピン15に装着された図示しないカラーによって所定の間隔が確保されるようになっている。ポール25は、ラチェット歯23aに係合した第1回動位置と図3に示されるようにラチェット歯23aから離脱した第2回動位置との間を回動可能とされている。連結ピン15を貫通させるポール25の孔25bは主ペダルアーム17の略回動方向(略揺動方向)に延在する長孔とされており、これによりポール25は図1及び図4に示される第1スライド位置(ペダルアーム16の回動方向のうちパーキングブレーキ解除側(図では左側)の位置)と図2及び図3に示される第2スライド位置(ペダルアーム16の回動方向のうちパーキングブレーキ作用側(図では右側)の位置)との間をスライド可能とされている。
【0018】
ポール25を第1回動位置と第2回動位置のいずれかに選択的に回動付勢させるとともにポール25を第1スライド位置にスライドさせるように付勢させるためのトーションスプリング26は、その一端26aをポール25の孔25cに係止され、またその他端26bをレリーズレバー27の孔27aに係止されている。ポール25は、孔25bの延在方向に対して略直角方向且つ主ペダルアーム17の長手方向にペダルパッド10側に延びる長腕部25Aと、長腕部25Aに対して孔25bから反対側に延びる短腕部25Bを有し、長腕部25Aの端部に孔25cが形成され、短腕部25Bの端部に爪25aが形成されている。レリーズレバー27は、主ペダルアーム17の長手方向にペダルパッド10側に延びる長腕部27bと、長腕部27bに対して連結ピン15から反対側に延びる短腕部27cを有し、長腕部27bの端部に孔27aが形成されている。レリーズレバー27は、図1及び図4に示される非レリーズ回動位置と図2及び図3に示されるレリーズ回動位置との間を回動可能とされている。
【0019】
ポール25が、図1及び図4の第1スライド位置から図2及び図3の第2スライド位置へスライドすることによりレリーズレバー27を図1及び図4の非レリーズ回動位置から図2及び図3のレリーズ回動位置へ回動させるため、ポール25の短腕部25Bには当接部25dが形成され、レリーズレバー27の短腕部27cには上記当接部25dに当接可能な突起部27eが形成されている。ポール25の当接部25d及びレリーズレバー27の突起部27eは、ポール25が第1スライド位置から第2スライド位置に移動したときにレリーズレバー27を非レリーズ回動位置からレリーズ回動位置へ回動させる第1連動手段を構成する。
【0020】
また、図2及び図3のレリーズ回動位置にあるレリーズレバー27を主ペダルアーム17の通常位置(パーキングブレーキが解除状態となっている図1に示す位置)への復帰動作により非レリーズ回動位置に回動させるために、主ペダルアーム17の通常位置にてレリーズレバー27の短腕部27cの先端が当接可能な当接部11aがブラケット11には形成されている。レリーズレバー27の短腕部27c及びブラケット11の当接部11aは、ペダルアーム16がパーキングブレーキ作用位置からパーキングブレーキ解除位置へ回動したときにレリーズレバー27をレリーズ回動位置から非レリーズ回動位置へ回動させる第2連動手段を構成する。
【0021】
また、主ペダルアーム17には、踏込み操作されることでレリーズレバー27を図2及び図3のレリーズ回動位置から図1及び図4の非レリーズ回動位置へ回動させる増踏み用操作部材30が設けられている。増踏み用操作部材30は、ペダルアーム16の長手方向においてペダルパッド10とレリーズレバー27との間に配設されている。
【0022】
増踏み用操作部材30は主ペダルアーム17に固定された軸部材19により回動可能に枢支されている。軸部材19は増踏み用操作部材30においてペダルパッド10側の端部(ペダルパッド側端部30a)に形成された孔に挿通されており、増踏み用操作部材30は、ペダルパッド側端部30aと反対側のレリーズレバー27側の端部(レリーズレバー側端部30b)がペダルアーム16の回動方向(図では左右方向)に往復移動できるよう支持されている。
【0023】
増踏み用操作部材30は、軸部材19に支持されたトーションスプリングからなる戻しばね31によって図1図3の非作動位置に戻されるよう常時付勢されている。増踏み用操作部材30は、両端部30a,30b間に設けられた被操作部30cが踏み込まれることでレリーズレバー側端部30bが作動位置側すなわち図の右側に移動してレリーズレバー27の長腕部27bを押接する。これにより、レリーズレバー27を図2及び図3のレリーズ回動位置から図1及び図4の非レリーズ回動位置へ回動できるようになっている。
【0024】
増踏み用操作部材30は、被操作部30cから踏力が除去されると、戻しばね31の付勢力によって非作動位置に戻されるようになっている。
【0025】
以上の構成から成る本実施形態の作用を説明する。図1は、パーキングブレーキを作用させていない状態を示している。パーキングブレーキを作用させるためにペダルアーム16が踏込まれた場合、ペダルアーム16が図1において軸部材14を中心として反時計方向に回動し、パーキングブレーキ制御ケーブル20を牽引し、車輪ブレーキ機構が作動する。ペダルアーム16の回動により、トーションスプリング26によって第1回動位置へ向けて回動付勢されているポール25の爪25aが多数のラチェット歯23aの一つと係合する。
【0026】
この状態においてペダルアーム16から踏力が除去されると、車輪ブレーキ機構からパーキングブレーキ制御ケーブル20を介してペダルアーム16に加わっている反力及び前述のリターンスプリングの付勢力により、ペダルアーム16がポール25の孔25bと連結ピン15の隙間分だけ時計方向に図2の位置まで回動し、それに伴ってラチェット歯23aに係合しているポール25は第1スライド位置から図2に示す第2スライド位置にスライドする。ポール25が第1スライド位置から図2の第2スライド位置へスライドする過程において、ポール25の短腕部25Bの当接部25dがレリーズレバー27の突起部27eに当接してレリーズレバー27を連結ピン15を中心として時計方向へ回動させ、レリーズレバー27が図1の非レリーズ回動位置から図2のレリーズ回動位置へ回動する。レリーズレバー27がレリーズ回動位置へ回動すると、トーションスプリング26の姿勢が図2に示すように変化し、トーションスプリング26はポール25を第2回動位置へ回動させるように付勢するようになるが、車輪ブレーキ機構からペダルアーム16に加わる反力により図2に実線の矢印で示すような力がポール25に作用しラチェット歯23aと爪25aとが強く係合されているので、ポール25は第1回動位置に保持される。従って、パーキングブレーキが作用する。
【0027】
なお、レリーズレバー27がレリーズ回動位置へ回動することによりレリーズレバー27の短腕部27cの先端が、ペダルアーム16がパーキングブレーキを作用させていない状態位置に戻される際にブラケット11の当接部11aに当接するようにラチェット歯23a側に突出する。
【0028】
パーキングブレーキの作用を解除するために、増踏み用操作部材30の被操作部30cが踏込まれることなくペダルパッド10が踏込まれると、ラチェット歯23aとポール25の爪25aとの係合を強めるように働く力が消滅し、ポール25がトーションスプリング26の力により図3に示す第2回動位置へ回動されて爪25aがラチェット歯23aから離脱する。この後、ペダルアーム16に対する踏込みを解除すれば、ペダルアーム16が車輪ブレーキ機構からの反力と前述のリターンスプリングの付勢力とにより時計方向へ回動され、図1に示される通常位置へ復帰する。この際、ペダルアーム16が通常位置へ復帰する過程において、ブラケット11の当接部11aにレリーズレバー27の短腕部27cの先端が当接してレリーズレバー27が図3のレリーズ回動位置から図1の非レリーズ回動位置へ回動する。レリーズレバー27がレリーズ回動位置から非レリーズ回動位置へ回動すると、トーションスプリング26の姿勢が図1に示すように変化し、ポール25が図3の第2スライド位置から図1の第1スライド位置へスライドされる。
【0029】
ところで、ペダルアーム16を踏込んで一旦パーキングブレーキを作用させた状態で、更にパーキングに係るブレーキ力を強めたい場合がある。このとき、例えば、ペダルアーム16を再度踏込んでペダルアーム16の踏込み量(ストローク)を増加させることでブレーキ力を強めることはできる。但し、単にペダルパッド10のみ踏込んだ場合は、前述したように、ポール25とラチェット歯23aとの係合が解除されて、その後のペダルアーム16に対する踏込みの解除に伴い図1に示される通常位置へ復帰することとなる。
【0030】
その点、本実施形態では、増踏み用操作部材30を備えているため、一旦パーキングブレーキを作用させた状態から再びペダルアーム16を踏込んで踏込み量を増加(増踏み)させた場合に、ペダルアーム16を前述の通常位置側に戻すことなく、増踏みされた位置に保持可能である。
【0031】
すなわち、一旦パーキングブレーキを作用させた状態からペダルパッド10を再び踏込むと(増踏みすると)、前述のように、ポール25とラチェット歯23aとの係合が解除される。この状態で増踏み用操作部材30の被操作部30cに踏込み力が加わると、増踏み用操作部材30が軸部材19を中心に回動してレリーズレバー側端部30bがレリーズレバー27の長腕部27bを押接し、該レバー27を図3に示されるレリーズ回動位置から図4に示される非レリーズ回動位置側に回動させる。
【0032】
レリーズレバー27がレリーズ回動位置から非レリーズ回動位置へ回動すると、トーションスプリング26の姿勢が図4に示すように変化し、ポール25が図3の第2スライド位置から図4の第1スライド位置へスライドされる。この状態では、トーションスプリング26が、ポール25を図4の第1回動位置に回動させるように付勢すると共にレリーズレバー27を図4の非レリーズ回動位置に保持するように付勢する。このポール25及びレリーズレバー27の位置状態は、増踏み操作が完了してペダルアーム16から踏力が除去され始めるまではトーションスプリング26によって保持されるため、増踏み用操作部材30を増踏み操作期間全般に亘って踏込み続けなくても、ペダルアーム16は増踏みされた位置に保持される。
【0033】
本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
(1)本実施形態では、増踏み操作時に増踏み用操作部材30を踏込むことで、レリーズレバー27が非レリーズ回動位置へ回動させられる。そして、この状態において、レリーズレバー27はトーションスプリング26の付勢力によって非レリーズ回動位置に保持される。このとき、トーションスプリング26によってポール25が第1回動位置に回動させられるため、ペダルアーム16が増踏み後の位置に保持され得るようになる。
【0034】
このように、トーションスプリング26によってレリーズレバー27が非レリーズ回動位置に保持されるため、増踏み用操作部材30はレリーズレバー27を非レリーズ回動位置へ回動させ得る分だけ操作すれば足りる。したがって、例えば、増踏みにかかるペダルアーム16の全ストロークにわたって増踏み用操作部材30を継続的に操作することなく、ポール25を第1回動位置に回動させ、ペダルアーム16を通常位置に戻すことなく増踏み後の位置に保持することができる。
【0035】
(2)パーキングブレーキを作用させていない状態からペダルアーム16を踏込みポール25をラチェット歯23aに係合させた後にペダルアーム16から踏力を除去することで、パーキングブレーキ制御ケーブル20を介してペダルアーム16に加わっている反力によりポール25が第1スライド位置から第2スライド位置にスライドされ、そのスライド過程においてポール25の当接部25dとレリーズレバー27の突起部27eとの当接によりレリーズレバー27が回動してトーションスプリング26がポール25を第2回動位置に向けて付勢するように構成した。これによれば、上記の状態からペダルパッド10を踏込むだけでポール25をラチェット歯23aから離脱させることができる。すなわち、パーキングブレーキを作用させる操作と同様な簡単な操作でパーキングブレーキの作用を解除することができる。
【0036】
(3)増踏み用操作部材30を、ペダルアーム16の長手方向においてペダルパッド10とレリーズレバー27との間に配設した。これによれば、例えば、レリーズレバーそのものに増踏み用操作部材を設ける態様と比較して、レリーズレバー27を長大化させることなく増踏み用操作部材30をペダルパッド10に近接して配置することができる。このように、増踏み用操作部材30がペダルパッド10に近接して配置されることで、増踏み時のペダルアーム16の踏込みと増踏み用操作部材30の踏込みとの同時操作が容易になる。また、例えば、増踏み用操作部材をペダルパッドよりもペダルアーム先端側に配設する態様と比較して、増踏み用操作部材30を備えたペダルアーム16全体の長さを抑えることができ小型化に寄与するとともに、フットスペースを広く確保できる。
【0037】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した、例えば以下のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、増踏み用操作部材30の被操作部30cをペダルアーム16の長手方向においてパダルパッド10とレリーズレバー27との間に配置したが、これに代えて、ペダルアーム16においてペダルパッド10よりもペダルアーム16先端側に増踏み用操作部材を設けてもよい。この場合、増踏み用操作部材とレリーズレバーとは直接当接するものであってもよいし、両者間に両者を連動させる別部材を介在させてもよい。
【0038】
・上記実施形態では、軸部材19を中心に回動する増踏み用操作部材30を用いたが、これに代えて、例えば直線的に往復動可能に支持した部材を増踏み用操作部材として採用し、該部材によってレリーズレバー27を駆動するようにしてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、増踏み用操作部材30をレリーズレバー27と別の部材としたが、これに限らず、増踏み用操作部材をレリーズレバーと一体的に設けてもよい(レリーズレバーの一部としてもよい)。
【0040】
・上記実施形態では、増踏み用操作部材30の被操作部30cをペダルパッド10と別の部材としたが、これに代えて、特開平8−58539に開示される技術のように、ペダルパッドをペダルアームに対して回動可能に設けてこれを被操作部とし、ペダルパッドの上部(又は下部)を踏んだ際の変位を別のリンク部材でレリーズレバーに伝達し該レバーを非レリーズ回動位置に回動させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 ペダルパッド
11 ブラケット
11a 当接部(第2連動手段)
14 軸部材(回動軸)
15 連結ピン(軸部材)
16 ペダルアーム
20 パーキングブレーキ制御ケーブル
23a ラチェット歯
25 ポール
25d 当接部(第1連動手段)
26 トーションスプリング(スプリング)
27 レリーズレバー
27c 短腕部(第2連動手段)
27e 突起部(第1連動手段)
図1
図2
図3
図4