特開2016-68597(P2016-68597A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-68597(P2016-68597A)
(43)【公開日】2016年5月9日
(54)【発明の名称】マスタシリンダ
(51)【国際特許分類】
   B60T 11/228 20060101AFI20160404BHJP
   B60T 11/22 20060101ALI20160404BHJP
【FI】
   B60T11/228
   B60T11/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-196647(P2014-196647)
(22)【出願日】2014年9月26日
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(72)【発明者】
【氏名】久保田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】小池 康広
(72)【発明者】
【氏名】菱川 貴久
【テーマコード(参考)】
3D047
【Fターム(参考)】
3D047BB17
3D047CC13
3D047CC22
3D047CC28
3D047CC30
3D047DD03
3D047LL03
(57)【要約】
【課題】 マスタシリンダの圧力室とリザーバとの連通路に絞り弁機構を設けて、作動液が逆流を応答性良く遮断するようにしたマスタシリンダの信頼性向上を、前記絞り弁機構の機能を安定化させる。
【解決手段】 シリンダボディ1とリザーバ8を連接する液通路20,21に配設され、シリンダボディ1側に向かうにしたがい径が小さくなるように形成され作動液を流通する連通孔29を有する浮動弁体26と、液通路20,21内において浮動弁体26を緩挿して保持可能な環状に形成された座部27とを有し、ピストン2,5による液通路20,21の非封鎖時に、圧力室3,6とリザーバ8間での作動液を流通可能にする開弁状態と、圧力室3,6からリザーバ8に作動液が流通する時に、作動液圧により浮動弁体26が液通路20,21を塞ぐことにより流通不能にする閉弁状態とを切り替える絞り弁機構24とを設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底のシリンダボディと、
リザーバと、
前記シリンダボディに形成された取付孔を介して前記リザーバを接続する液通路と、
前記シリンダボディに組み込まれ、当該シリンダボディ内での移動により前記液通路を塞ぐピストンと、
前記ピストンと前記シリンダボディの底面とにより区画形成される圧力室と、
前記液通路に配設され、前記シリンダボディ側に向かうにしたがい径が小さくなるように形成され作動液を流通する連通孔を有する浮動弁体と、
前記液通路内において前記浮動弁体を緩挿して前記浮動弁体を保持可能な環状に形成された座部とを有し、前記ピストンによる前記液通路の非封鎖時に、前記連通孔を介して前記圧力室と前記リザーバ間での作動液を流通可能に前記浮動弁体を保持する開弁状態と、前記圧力室から前記リザーバに作動液が流通する時に、当該圧力室と当該リザーバとの間の圧力差によって前記浮動弁体が前記リザーバ側に移動し、該リザーバに当接し前記液通路を塞ぐことによって作動液を流通不能に前記浮動弁体を保持する閉弁状態とを切り替える絞り弁機構とを具備することを特徴するマスタシリンダ。
【請求項2】
前記浮動弁体は、円錐形に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のマスタシリンダ。
【請求項3】
前記座部における前記浮動弁体との当接面は、前記浮動弁体に対して略平行となるようにテーパ状に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載のマスタシリンダ。
【請求項4】
前記浮動弁体には、前記リザーバ側の面にスリットが形成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のマスタシリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用液圧ブレーキ装置のマスタシリンダ、詳しくは、シリンダボディの内部に設けられる圧力室とリザーバとの間にリザーバ液通路を備え、そのリザーバ液通路に、シリンダボディ内の圧力室からリザーバの液室への作動液(ブレーキ液)の急激な逆流を阻止する絞り弁機構が設置されたマスタシリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用液圧ブレーキ装置は、トラクションコントロール(TRC)や走行安全性制御(いわゆるESC)などの自動ブレーキ制御機能をもつものが増えてきている。この自動ブレーキ制御機能を持つ車両用液圧ブレーキ装置の中に、自動ブレーキ時に要求される作動液(ブレーキ液)をマスタシリンダの圧力室を経由してリザーバから汲み上げる方式のものがある。この方式の液圧ブレーキ装置に採用するマスタシリンダは、非作動時には作動液がリザーバから圧力室へ抵抗なく流れ、また、ブレーキ操作の初期に起こる圧力室からリザーバへの作動液の逆流は遮断されるようにしたものが望まれる。下記特許文献1は、その要求に応えたマスタシリンダを開示している。
【0003】
この特許文献1には、リザーバ液通路に首記の絞り弁機構を設けたマスタシリンダが開示されている。このマスタシリンダは、リザーバをシリンダボディに形成した取付け孔に嵌合し、その下方に絞り弁機構を設置する構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−142365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この特許文献1のマスタシリンダは、絞り弁機構として浮動弁体を備えており、この浮動弁体をリザーバと圧力室との間に形成された液通路間に設けており、圧力室がリザーバ内圧よりも低圧な場合、すなわち、作動液がリザーバ側からマスタシリンダ側に流れている場合、絞り弁機構が開弁している。これにより、リザーバから液圧室への作動液の流れを許容する。
【0006】
また、圧力室からリザーバへの作動液の逆流が起こるときには、圧力差で浮き上がった浮動弁体が弁座に接して絞り弁機構が閉弁し、作動液は浮動弁体に設けた絞り通路を通って絞りこまれるようになっている。
【0007】
これにより、非作動時のリザーバから圧力室への作動液の流動性を良くしたマスタシリンダでも、作動初期のいわゆる空ストロークが小さく抑えられる効果があり、また、絞り効果により入力側に適度な反力が加えられるため、負圧式ブースタと組み合わせて使用する際に反力が小さいことが原因となって起こるブースタの作動初期の自励振動、異音などが発生せず、滑らかなブレーキ操作フィーリングが得られる。
【0008】
特許文献1が開示しているマスタシリンダは、シリンダボディに接続されるリザーバの接続部に弁座を形成し、この弁座にシリンダボディによって初期位置が規定される平板状の浮動弁体を着座させて絞り弁機構を閉弁する構成にしているため下記の点が懸念される。
【0009】
特許文献1の浮動弁体は平板状に形成されているため、浮動弁体が圧力室からリザーバへ流れる(逆戻り)作動液圧を受ける際、例えば、液通路の内壁に隣接する箇所では液通路の中央付近より作動液圧が小さくなることにより、浮動弁体に作用する作動液圧に偏りが生じる。これにより、浮動弁体がリザーバ側へ移動する際、浮動弁体が偏心した状態で移動を開始することにより、応答性良く作動液流路を塞ぐことができず、作動液逆戻り時の作動液の流量を遮断する効果が減少させられる。
【0010】
そこで、本発明は、マスタシリンダにおいて、圧力室とリザーバとの間の連通路に絞り弁機構を設けて、急激な作動時にマスタシリンダ側からリザーバ側へ作動液の逆流を応答性良く遮断するようにしたマスタシリンダの信頼性向上を、前記絞り弁機構の機能を安定化させて実現することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、請求項1に係るマスタシリンダは、有底のシリンダボディと、リザーバと、シリンダボディに形成された取付孔を介して前記リザーバを接続する液通路と、シリンダボディに組み込まれ、当該シリンダボディ内での移動により液通路を塞ぐピストンと、ピストンとシリンダボディの底面とにより区画形成される圧力室と、液通路に配設され、シリンダボディ側に向かうにしたがい径が小さくなるように形成され作動液を流通する連通孔を有する浮動弁体と、液通路内において浮動弁体を緩挿して浮動弁体を保持可能な環状に形成された座部とを有し、ピストンによる液通路の非封鎖時に、連通孔を介して圧力室とリザーバ間での作動液を流通可能に浮動弁体を保持する開弁状態と、圧力室からリザーバに作動液が流通する時に、当該圧力室と当該リザーバとの間の圧力差によって浮動弁体がリザーバ側に移動し液通路を塞ぐことによって作動液を流通不能に浮動弁体を保持する閉弁状態とを切り替える絞り弁機構とを具備することを特徴する。
【0012】
請求項2に係るマスタシリンダは、請求項1において、浮動弁体は、シリンダボディ側に向けて延びる円錐形に形成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係るマスタシリンダは、請求項1または2において、座部における浮動弁体との当接面は、前記浮動弁体に対して略平行となるようにテーパ状に形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係るマスタシリンダは、請求項1乃至3において、浮動弁体には、リザーバ側の面にスリットが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係るマスタシリンダによれば、絞り弁機構の浮動弁体は、シリンダボディ側に向かうにしたがい径が小さくなるように形成されている。これにより、上述した作動液の逆戻りが発生した場合、浮動弁体が作動液に押圧されるとともに、浮動弁体と作動液との当接箇所において作動液が分流する。さらに、該当接箇所の対向側では浮動弁体により分流した作動液が合流することにより、この合流点よりも内側の位置において浮動弁体の中心に向けた作動液圧が生じる。これにより、浮動弁体を板状に形成した場合に比べて、浮動弁体に中心に向けた作動液圧が浮動弁体に加わるため、浮動弁体の移動初期において浮動弁体が偏心することを抑制でき、その挙動を安定化することができる。すなわち、より信頼性のある絞り弁機構によりマスタシリンダ側からリザーバ側へ逆流する作動液を応答性良く、かつ正確に遮断できる。
【0016】
さらに、マスタシリンダの非作動時において、例えば、運転者がブレーキ部材を操作しない場合においてリザーバから各圧力室に作動液を吸入する必要が生じる場合がある。この場合、浮動弁体に形成された連通孔を作動液が流通することにより、リザーバから各圧力室への吸入が妨げられることを避けることができる。
【0017】
請求項2に係るマスタシリンダによれば、浮動弁体がシリンダボディ側に向けて円錐形に形成されているので、作動弁体の全ての方向における作動液圧に対して上述した作用を生じさせることができるので、より好適に効果を発揮することができる。
【0018】
請求項3に係るマスタシリンダによれば、マスタシリンダの非作動時において、浮動弁体をより安定な状態で保持することができるので、上述の作動液の逆戻り時において浮動弁体の偏心をより抑制することができる。
【0019】
請求項4に係るマスタシリンダによれば、浮動弁体とリザーバとの当接面において、浮動弁体に形成されたスリットにより、スリットがない場合に比べて上述の当接面の面積を小さくすることができる。これにより、作動液の逆戻り時において浮動弁体がリザーバに圧着することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るマスタシリンダの第1の実施形態を示す断面図
図2】本発明に係る絞り弁機構の第1の実施形態を示す断面図
図3】(a)本発明に係る浮動弁体の第1の実施形態を示す正面図 (b)本発明に係る浮動弁体の第1の実施形態を示す平面図
図4】本発明に係る浮動弁体の第2の実施形態を示す平面図
図5】本発明に係る絞り弁機構の第3の実施形態を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態により具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0022】
以下、この発明のマスタシリンダの第1の実施形態を添付図面の図1図3に基づいて説明する。図1の符号1はシリンダボディ、2はシリンダボディに組み込まれたプライマリピストン、3は内部の作動液をプライマリピストン2で加圧してブレーキ液圧を発生させる第1圧力室、4はプライマリピストン2の復帰スプリング、5はプライマリピストン2の前方に配置したセカンダリピストン、6は内部の作動液をセカンダリピストン5で加圧してブレーキ液圧を発生させる第2圧力室、7はセカンダリピストン5の復帰スプリング、8はリザーバである。プライマリピストン2とセカンダリピストン5は、シリンダボディ1に案内される。第1圧力室3と第2圧力室6は発生した液圧を吐出する出力ポートP1、P2を備えている。
【0023】
シリンダボディ1の内部には、プライマリピストン2とセカンダリピストン5が挿通されシリンダボディ1の軸方向に案内される。また、プライマリピストン2の外周をシールするプライマリカップ9、プライマリピストン2の外周においてシリンダと大気間を遮断するセカンダリカップ10、セカンダリピストン5の外周をシールするプライマリカップ11、セカンダリピストン5の外周において第1圧力室3とリザーバ8との間を遮断するプレッシャカップ12を配置している。プライマリカップ9、セカンダリカップ10、プレッシャカップ11は、いずれもシリンダボディ1の内周に溝を設けてその溝に収納しており、シリンダボディ1による保持がなされる。
【0024】
また、各プライマリカップ9,11の背後(図中右側)に、シリンダボディ1と一体の環状壁13,14を形成してこれらの壁でプライマリカップ9,11の背面を個別に受け支えるようにしている。
【0025】
環状壁13,14は、その内径をプライマリピストン2、セカンダリピストン5の外径よりも大きくし、各環状壁13,14と、プライマリピストン2、セカンダリピストン5との間に隙間を設けている。
【0026】
また、プライマリピストン2とセカンダリピストン5には、マスタシリンダが非作動状態にあるときに各環状壁13,14の後部に設けた環状通路15,16にそれぞれ連通するピストンポート17,18を設けている。そのピストンポート17,18は、同一円周上に複数ある。また、シリンダボディ1には環状通路15,16をリザーバ8に連通させる環状溝19、液通路20,21および取付け孔22,23を設けている。液通路20,21は、シリンダボディ1の上部に、そのシリンダボディ1の軸線と略平行に設けられている。
【0027】
さらに、この第1の実施形態のマスタシリンダは、第1圧力室3とリザーバ8との間の液通路(取付け孔の部分22)と、第2圧力室6とリザーバ8との間の液通路(取付け孔の部分23)にそれぞれ絞り弁機構24を設けている。各絞り弁機構24は、図2に示すように、リザーバ結合部25(図1参照)とシリンダボディ1との間に配置している。また、絞り弁機構24は浮動弁体26と座部27とからなり、浮動弁体26はマスタシリンダが非作動時の場合、取付け孔22,23に作動液が流通可能なように中心に孔が形成された環状の座部27により保持されている。
【0028】
浮動弁体26は、作動液よりも比重の大きい材料、例えば、ポリアミド系樹脂や硬質ゴム等で作られている。また、この浮動弁体26は、図3(a)に示すように、シリンダボディ1側に円錐形に延びる円錐部28から成る。さらに、図3(b)に示すように、浮動弁体26には、作動液を流通させるための連通孔29が同心円状に複数個設けられている。この連通孔29の下端が、浮動弁体26と座部27との当接面よりもシリンダボディ1側に位置するように形成されている。また、連通孔29は後述するリザーバ結合部25の中央連通路31を避けるように形成されている。この連通孔29により、例えば、運転者によるブレーキ操作がされない状態においてESC等が作動することによってリザーバ8から各圧力室3,6への作動液の吸入が必要な場合、作動液が連通孔29を流通することができるので、上述の吸入が妨げられることを避けることができる。
【0029】
また、リザーバ結合部25の外周をシリンダボディ1に設けた取付け孔22,23に液密に嵌合させている。このリザーバ結合部25の下端は、浮動弁体26が当接する弁座31と作動液を流通させるための中央連通路31とを有しており、この弁座30は浮動弁体26からリザーバ8側(図中上側)に所定距離離れた位置に配置されている。
【0030】
このように構成した第1実施形態のマスタシリンダは、非作動時、または、運転者によって緩やかなブレーキ操作がなされている場合、すなわち、浮動弁体26がマスタシリンダ側からリザーバ側への作動液圧(逆流圧)を受けないときには、図2に示すように、浮動弁体26が取付け孔22,23の座部27に受け支えられる位置まで下降して、浮動弁体26が開弁状態を維持し、自動ブレーキ制御で要求される作動液はリザーバから図2の点線で示すように、浮動弁体26の連通孔29を通って各圧力室に抵抗なく吸い込まれて流出していく。
【0031】
一方、運転者による急激なブレーキ操作がなされている場合、プライマリピストン2とセカンダリピストン5が前進し、第1圧力室3と第2圧力室6に容積変化が起こってそれぞれの圧力室からリザーバ8に向けて作動液が逆流する。その逆流によって発生する作動液圧により取付け孔22,23内の絞り弁機構24の浮動弁体26が即座に反応し、中央連通路31を閉じる。このとき、浮動弁体26が板状に形成されている場合に比べて、浮動弁体26の円錐部28がその作動液圧を受けることにより、浮動弁体26と作動液との当接箇所の対向側では、浮動弁体26により分流した作動液が合流することにより、該合流点よりも内側の位置において浮動弁体26の中心に向けた液圧が生じる。これにより、浮動弁体26の中心に向けた作動液圧が加わるため、浮動弁体26の移動初期において浮動弁体26が偏心することを抑制し、その挙動を安定化することができる。したがって、中央連通路31に流通する作動液を応答性良く遮断することができる。この遮断により第1圧力室3と第2圧力室6の圧力が高くなり、その圧力がピストンおよび復帰スプリング4,7経由で入力側に伝達されてブレーキペダルに適度な反力が加わり、好適なブレーキ操作のフィーリングが得られる。
【0032】
また、浮動弁体26は簡単な方法でシリンダボディ1に組付けられるため、きわめて生産性に優れているとともに、高い逆流圧が作用しても弁座30がシリンダボディ1に確実に保持されているため信頼性が高くリザーバ8への作動液の逆流を防止できる。
【0033】
また、座部27の浮動弁体26との当接面は、浮動弁体26の円錐部28と平行となるようにテーパ状に形成してもよい。これにより、マスタシリンダの非作動時において、浮動弁体26をより安定した状態で保持することができ、逆流圧時に浮動弁体26が偏心することを抑制できるので、応答性良く絞り効果を発揮できる。
【0034】
また、浮動弁体26に、リザーバ8側の面にスリットを形成しても良い。これにより、浮動弁体26と弁座30との当接面の面積をスリットが形成されていない場合よりも小さくできるので、浮動弁体26が弁座30に押し付けられることにより圧着することを防げる。
【0035】
また、図4に示すように、浮動弁体26のリザーバ8側の面にスリットが形成されている。これにより、浮動弁体26と弁座30との当接時において、スリットがない場合に比べて、浮動弁体26と弁座30との当接する面積を小さくすることができる。これにより、浮動弁体26と弁座30とが圧着することを防ぐことができる。
【0036】
また、図5に示すように、浮動弁体26は、円錐部28と円盤状の台座部32とが一体的に形成されていても良い。これにより、例えば、浮動弁体26を絞り弁機構24へ組み付けする場合、台座部32がテーパ状に形成されていないため保持し易い形状であるので、安定して組付けることができる。これにより、台座部がない場合に比べて組付け性を向上できる。
【符号の説明】
【0037】
1 シリンダボディ、2 プライマリピストン、3 第1圧力室、4 復帰スプリング、5 セカンダリピストン、6 第2圧力室、7 復帰スプリング、8 リザーバ、9 プライマリカップ、10 セカンダリカップ、11 プライマリカップ、12 プレッシャカップ、13,14 環状壁、15,16 環状通路、17,18 ピストンポート、19 環状溝、20,21 液通路、22,23 取付け孔、24 絞り機構、25 リザーバ結合部、26 浮動弁体、27 座部、28 円錐部、29 連通孔、30 弁座、31 中央連通路、32 台座部、P1,P2 出力ポート
図1
図2
図3
図4
図5