【解決手段】ナビゲーション装置は、目的地までの走行経路に沿って車両の走行を案内する経路誘導処理部24と、自車両の位置を検出する車両位置検出部5、車両位置計算部20と、自車両が停車して自装置の停止が指示されたときに自車両の位置から走行経路に至る道順、あるいは、走行経路に沿った道順を示す複数の案内画像を生成する案内画像生成部42と、生成された複数の案内画像を保存する案内画像記憶部44と、自装置の次回起動時に、案内画像記憶部44に保存された複数の案内画像を読み出して順番に表示する案内画像読出・描画部46、表示処理部60とを備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示されたナビゲーション装置では、案内動作が開始されるまでの起動処理時に、起動処理終了後に走行する道路の制限速度情報から算出した範囲に対応する1枚の地図画像を表示するだけであるため、案内動作が開始される前の起動処理時に車両がどのような道順で道路や交差点を走行すればよいかを把握することは容易ではないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、案内動作が開始される前の起動処理時に車両が走行する道順を容易に把握することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、目的地までの走行経路に沿って車両の走行を案内する車両案内手段と、自車両の位置を検出する車両位置検出手段と、自車両が停車して自装置の停止が指示されたときに、車両位置検出手段によって検出された自車両の位置から走行経路に至る道順、あるいは、走行経路に沿った道順を示す複数の案内画像を生成する案内画像生成手段と、案内画像生成手段によって生成された複数の案内画像を保存する案内画像保存手段と、自装置の次回起動時に、案内画像保存手段に保存された複数の案内画像を読み出して順番に表示する案内画像表示手段とを備えている。
【0007】
ナビゲーション装置の起動が完了する前であって案内動作が開始できない状態において、目的地までの走行経路に至る道順やこの走行経路に沿った道順を複数の案内画像を順番に切り替えて表示することにより、自車両が走行する道順を容易に把握することが可能となる。
【0008】
また、上述した案内画像生成手段は、車両位置検出手段によって検出された自車両の位置が走行経路から外れて自車両が停車したときに複数の案内画像を生成することが望ましい。これにより、土地勘のない場所にいて、目的地までの走行経路から外れて食事や買い物などをした後の再出発時に、ナビゲーション装置の起動直後であっても迷うことなくこの走行経路に戻ることができる。
【0009】
また、上述した案内画像表示手段による案内画像の表示は、車両案内手段による案内動作が開始される前に行われることが望ましい。これにより、起動後に案内動作を開始するまでの間、運転開始直後に車両の進行方向を確実に誘導することが可能となる。
【0010】
また、上述した案内画像は、自車両の停車位置と、走行経路に至る道順あるいは走行経路に沿った道順に沿って自車両が走行する経路とが含まれる地図画像であり、複数の案内画像のそれぞれには、道順に含まれる交差点における自車両の進行方向が示されており、複数の案内画像が順番に表示されたときに、道順に含まれる複数の交差点のそれぞれにおける自車両の進行方向が順番に示されることが望ましい。特に、上述した案内画像には、交差点における自車両の進行方向を示す矢印画像が含まれ、複数の案内画像が順番に表示されたときに、自車両の進行方向を誘導する向きに、表示中の矢印の位置が変化することが望ましい。これにより、車両の右左折位置および右左折方向をわかりやすく運転者に知らせることができる。
【0011】
また、上述した地図画像は、実際の道路形状および道路間の接続状態を概略的に描画した簡易地図画像であることが望ましい。これにより、右左折箇所を強調したわかりやすい道順の案内が可能となる。
【0012】
また、上述した地図画像は、実際の道路形状および道路間の接続状態を所定の縮尺で描画した詳細地図画像であることが望ましい。これにより、実際の道路形状を反映した感覚的にわかりやすい道順の案内が可能となる。
【0013】
また、上述した案内画像表示手段は、車両案内手段による案内動作が開始される前に、少なくとも複数の案内画像の表示を一巡させ、再度同じ順番で複数の案内画像の表示を繰り返すことが望ましい。これにより、案内動作が開始されるまでの間に、予め用意しておいた一連の案内画像を全て表示して道順の案内を行うことが可能となる。
【0014】
また、上述した案内画像表示手段は、案内画像を表示中であって車両案内手段による案内動作が開始される前に、車両位置検出手段による位置検出動作が開始された場合に、検出された自車両の位置を示す特定画像を案内画像に重ねて表示することが望ましい。これにより、自車位置と右左折交差点の位置および右左折方向との関係をよりわかりやすく示すことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、一実施形態のナビゲーション装置の構成を示す図である。
図1に示すナビゲーション装置は、ナビゲーションコントローラ1、地図データ記憶装置3、操作部4、車両位置検出部5、表示装置6、オーディオ部7、電源回路8を含んで構成されている。このナビゲーション装置は、車両に搭載されている。
【0018】
ナビゲーションコントローラ1は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することにより、自車位置周辺の地図画像表示動作や施設検索動作、経路探索・誘導動作などの各種機能を実現する。ナビゲーションコントローラ1の詳細構成については後述する。
【0019】
地図データ記憶装置3は、地図表示、施設検索、経路探索などに必要な地図データが格納されている記憶媒体およびその読み取り装置である。この地図データ記憶装置3には、経度および緯度で適当な大きさに区切られた矩形形状の図葉を単位とした地図データが格納されている。各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。地図データ記憶装置3は、ハードディスク装置や半導体メモリによって、あるいは、DVDとその読み取り装置によって実現される。また、地図データ記憶装置3を通信装置に置き換えて、外部の地図配信サーバ(図示せず)から地図データを取得するようにしてもよい。
【0020】
操作部4は、利用者の指示(操作)を受け付けるためのものであり、各種の操作ボタンや操作つまみ類を備えている。また、操作部4は、表示装置6の画面に取り付けられたタッチパネルを含んでおり、画面上の一部を直接利用者が指等で指し示すことにより、操作指示を行うことができるようになっている。
【0021】
車両位置検出部5は、例えば、GPS受信機、方位センサ、距離センサなどを備えており、所定のタイミングで車両位置(経度、緯度)の検出を行い、検出結果を出力する。なお、最も簡易な構成で実現する場合には、GPS受信機のみを用いて車両位置検出部5を実現するようにしてもよい。
【0022】
表示装置6は、例えばLCD(液晶表示装置)によって構成されており、ナビゲーションコントローラ1から出力される映像信号に基づいて自車位置周辺の地図画像や交差点案内画像、あるいは、施設検索によって得られた施設やその周辺駐車場が含まれる検索結果画像などを表示する。オーディオ部7は、ナビゲーションコントローラ1から入力される音声信号に基づいて生成した案内音声等を車室内に出力する。
【0023】
電源回路8は、バッテリ100に接続されており、ナビゲーション装置の各部に対して動作電力を供給するために所定の動作電圧を生成する。この動作電圧の生成は、車両のACCスイッチ(アクセサリースイッチ)110のオン/オフ状態に連動して行われる。具体的には、ACCスイッチ110がオンされると、電源回路8は、直ちに動作電圧を生成してナビゲーション装置の各部に供給する。また、ACCスイッチ110がオフされると、所定の処理が終了した後、電源回路8は、動作電圧の供給を停止する。
【0024】
次に、ナビゲーションコントローラ1の詳細構成について説明する。
図1に示すナビゲーションコントローラ1は、地図バッファ10、地図読出制御部12、地図描画部14、車両位置計算部20、経路探索処理部22、経路誘導処理部24、施設検索部30、目的地設定部32、次回起動時経路探索処理部40、案内画像生成部42、案内画像記憶部44、案内画像読出・描画部46、入力処理部50、表示処理部60を含んで構成されている。
【0025】
地図バッファ10は、地図データ記憶装置3から読み出された地図データを一時的に格納する。地図読出制御部12は、車両位置計算部20により算出される車両位置や利用者が操作部4を操作して指定した位置に応じて、所定範囲の地図データの読み出し要求を地図データ記憶装置3に出力する。地図描画部14は、地図バッファ10に格納された地図データに基づいて、表示装置6に地図画像を表示するために必要な描画処理を行って地図画像描画データを作成する。
【0026】
車両位置計算部20は、車両位置検出部5から出力される検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図データの道路上にない場合には、自車位置を修正するマップマッチング処理を行う。
【0027】
経路探索処理部22は、経路探索処理を行って、出発地と目的地との間を所定の探索条件にしたがって結ぶ走行経路(誘導経路)を探索する。経路誘導処理部24は、経路探索処理部22による経路探索処理によって得られた誘導経路を地図上に重ねて表示したり、右左折交差点の拡大図を表示するための誘導経路描画データを作成するとともに、誘導経路に沿って車両を誘導するために必要な交差点案内等の音声信号を生成する。
【0028】
施設検索部30は、操作部4を用いて設定された検索条件を満たす施設を検索する。例えば、検索条件として、施設のジャンルを指定して候補となる施設を絞り込む場合や、電話番号あるいは住所等を特定して施設を絞り込む場合などが考えられる。このようにして特定の施設が抽出された後、この施設を目的地として用いた経路探索処理や、この施設の周辺地図や詳細情報の表示などが行われる。
【0029】
目的地設定部32は、経路探索処理部22によって行われる経路探索処理に必要な目的地あるいは経由地を設定する。例えば、施設検索部30による検索によって抽出された施設を目的地や経由地として設定する場合や、利用者が操作部4を操作して直接指定した地図画像上の地点を目的地や経由地として設定する場合などが考えられる。
【0030】
次回起動時経路探索処理部40は、経路探索処理によって得られた走行経路に沿って目的地に向かって走行中の車両がこの走行経路から外れて停車(ACCスイッチ110をオフ)時に、目的地までの経路探索処理を再実行する。この経路探索処理の再実行等の処理が終了した後に、電源回路8は、動作電圧の供給を停止する。なお、停車前に設定されていた走行経路を「走行経路A」、ACCスイッチ110をオフした後の経路探索処理の再実行によって得られた走行経路を「走行経路B」とする。
【0031】
案内画像生成部42は、走行経路Bが始めて走行経路Aと接する地点Xを検出し、停車時の自車位置と地点Xが含まれる範囲、あるいは、走行経路Bが含まれる所定範囲の案内画像を生成する。また、案内画像生成部42は、これらの範囲に含まれる走行経路Bに沿って、経路誘導処理部24による音声案内地点を検出し、この地点の数だけ案内画像を複製し、各音声案内地点における車両の進行方向を示す矢印画像を各案内画像を付加する。このようにして、N(Nは2以上の整数)箇所の異なる音声案内地点のそれぞれに対応するように、1枚の案内画像に1つの矢印画像が含まれるようにN枚の案内画像が生成される。案内画像生成部42は、このようにして生成したN枚の案内画像を案内画像記憶部44に保存する。
【0032】
上述した次回起動時経路探索処理部40による経路探索処理と、案内画像生成部42によるN枚の案内画像の生成および保存処理が終了した後、電源回路8による動作電圧の供給動作が停止される。
【0033】
案内画像読出・描画部46は、エンジン再始動時(ACCスイッチ110オン時)に、案内画像記憶部44からN枚の案内画像を順番に所定の時間間隔で読み出して必要な描画処理を行う。この案内画像は表示処理部60に入力されて表示装置6に表示される。
【0034】
入力処理部50は、操作部4から入力される各種の操作指示に対応する動作を行うための命令をナビゲーションコントローラ1内の各部に向けて出力する。
【0035】
表示処理部60は、地図描画部14によって作成される地図画像描画データが入力されており、この描画データに基づいて所定範囲の地図画像を表示装置6の画面に表示する。また、経路探索処理部22によって設定される走行経路や、施設検索部30による検索によって得られた施設を示す描画データが入力されると、表示処理部60は、これらの描画データを地図画像に重ねて表示装置6の画面に表示する。さらに、表示処理部60は、ナビゲーション装置の起動時に所定のオープニング画面を表示する処理や、案内画像読出・描画部46によって描画された案内画像を表示する処理を起動時に行うが、これらの処理については後述する。
【0036】
上述した経路誘導処理部24が車両案内手段に、車両位置検出部5、車両位置計算部20が車両位置検出手段に、次回起動時経路探索処理部40、案内画像生成部42が案内画像生成手段に、案内画像記憶部44が案内画像保存手段に、案内画像読出・描画部46、表示処理部60が案内画像表示手段にそれぞれ対応する。
【0037】
本実施形態のナビゲーション装置はこのような構成を有しており、次に、その動作を説明する。
【0038】
例えば、目的地までの走行経路に沿って経路誘導中に、目的地以外の施設に立ち寄って一旦エンジンを停止した際に案内画像記憶部44にN枚の案内画像を保存する「案内準備処理」が行われ、この案内準備処理が終了した後、電源回路8による動作電圧の供給が停止してナビゲーション装置の動作が終了する。
【0039】
また、エンジンを再始動したときに、経路誘導処理部24による走行経路に沿った案内動作が開始されるまでの間、案内画像記憶部44に保存されているN枚の案内画像が順番に読み出されて表示される「起動時簡易案内処理」が行われる。
【0040】
図2は、案内準備処理の動作手順を示す流れ図である。ナビゲーション装置が動作中に、次回起動時経路探索処理部40は、電源をオフする指示があったか否か(具体的には、ACCスイッチ110がオフされたか否か)を判定する(ステップ100)。オフする指示がない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。また、ACCスイッチ110がオフされると、ステップ100において肯定判断が行われる。
【0041】
次に、次回起動時経路探索処理部40は、目的地までの走行経路が設定されているか否かを判定する(ステップ102)。目的地までの走行経路が設定されている場合(この走行経路に沿って経路誘導処理部24による案内動作が行われている場合)には肯定判断が行われる。
【0042】
次に、案内画像生成部42は、現在の走行経路(走行経路A)を保存する(ステップ104)。また、次回起動時経路探索処理部40は、経路探索処理による再探索を行って、自車位置から目的地まで走行経路(走行経路B)を設定する(ステップ106)。
【0043】
次に、案内画像生成部42は、保存した走行経路Aと再探索後の走行経路Bが一致する地点Xを検出する(ステップ108)。また、案内画像生成部42は、地点Xが所定範囲に含まれるか否かを判定する(ステップ110)。この「所定範囲」は、次回エンジンを再始動してナビゲーション装置が起動されてから経路誘導処理部24による経路誘導が開始されるまでの間に走行可能な範囲と比較して同じあるいは広いことが望ましい。所定範囲に地点Xが含まれる場合には肯定判断が行われる。
【0044】
次に、案内画像生成部42は、自車位置と地点Xおよびこれらを結ぶ走行経路Bが含まれる所定範囲の地図を切り出す(ステップ112)。一方、所定範囲に地点Xが含まれない場合にはステップ110の判定において否定判断が行われる。この場合には、案内画像生成部42は、自車位置と自車位置から続く走行経路Bが含まれる所定範囲の地図を切り出す(ステップ114)。
【0045】
ステップ112あるいはステップ114における地図の切り出しが終了した後、案内画像生成部42は、これら切り出した地図に含まれる音声案内地点を抽出し、その数Nだけ地図を複製する(ステップ116)。ここで、「音声案内地点」とは、走行経路に沿って音声による経路誘導処理部24による交差点案内が行われる地点であり、右左折交差点だけでなく、直進を知らせる案内音声が出力される右左折しない交差点や、交差点以外の箇所も含まれる。
【0046】
次に、案内画像生成部42は、複製したN枚の地図のそれぞれについて音声案内地点において車両の進行方向を示す矢印を付加する(ステップ118)。例えば、1枚目の地図では自車位置に最も近い音声案内地点において矢印が付加される。また、2枚目の地図では自車位置から2番目に近い音声案内地点において矢印が付加される。同様にして、i(≦N)枚目の地図では自車位置からi番目に近い音声案内地点において矢印が付加される。
【0047】
次に、案内画像生成部42は、矢印を付加したN枚の地図(案内画像)を案内画像記憶部44に保存する(ステップ120)。このようにしてN枚の案内画像の保存が終了した後、電源回路8は、電源をオフし、ナビゲーション装置の各部に動作電圧の供給を停止する(ステップ122)。
【0048】
図3は、起動時簡易案内処理の動作手順を示す流れ図である。エンジンが再始動され、ACCスイッチ110がオンされて電源回路8によるナビゲーション装置各部への動作電圧の供給が開始されてナビゲーション装置が動作を開始すると、通常の地図表示動作や経路誘導動作を開始するまでの間(起動動作が完了するまでの間)、所定のオープニング表示が行われる(ステップ200)。なお、
図1では、オープニング表示を行う構成が省略されている。
【0049】
次に、案内画像読出・描画部46は、起動動作が完了したか否かを判定する(ステップ202)。起動動作中は否定判断が行われ、次に、案内画像読出・描画処理部46は、前回のエンジン停止時であってナビゲーション装置の動作が終了するまでに案内画像記憶部44にN枚の案内画像が保存された否かを判定する(ステップ204)。例えば、設定された目的地に向かって経路誘導動作が行われた場合以外(
図2のステップ102の判定において否定判断が行われた場合)には案内画像が生成されず、保存もされない。このような場合にはステップ204の判定において否定判断が行われ、ステップ200に戻ってオープニング表示が継続される。
【0050】
また、案内画像記憶部44にN枚の案内画像が保存されている場合には、ステップ204の判定において肯定判断が行われる。次に、案内画像読出・描画部46は、N枚の案内画像のそれぞれについて、1回目の案内画像の読み出しか否かを判定する(ステップ206)。例えば、起動時簡易案内処理が終了するまで、N枚の案内画像のそれぞれがT秒間隔で順番に読み出されて表示されるが、i枚目の案内画像を読み出して表示する動作はT秒間の間に複数回繰り返される。このi枚目の案内画像の表示から(i+1)枚目の案内画像の表示に切り替えるためには、i枚目の案内画像の表示が行われてからT秒が経過したことを判定する必要がある。この判定を行うために、i枚目の案内画像についての読み出し回数が1回目であるか否かを知る必要があり、上述したステップ206の判定が行われる。
【0051】
i枚目の案内画像について1回目の読み出しを行う場合にはステップ206の判定において肯定判断が行われる。次に、案内画像読出・描画部46は、i番目の案内画像について案内画像記憶部44から1回目の読出しおよび描画を行い(ステップ208)、表示処理部60はこの描画された案内画像を表示装置6に表示する(ステップ210)。その後、ステップ202に戻って起動動作完了の有無判定以降の動作が繰り返される。
【0052】
また、i番目の案内画像について2回目以降の読み出しを行う場合にはステップ206の判定において否定判断が行われる。次に、案内画像読出・描画部46は、i番目の案内画像について1回目の読み出し、描画、表示が開始されてから一定時間T経過したか否かを判定する(ステップ212)。時間Tが経過していない場合には否定判断が行われる。この場合には、案内画像読出・描画部46は、前回と同じi番目の案内画像の読出しおよび描画を行い(ステップ214)、表示処理部60はこの描画された案内画像を表示装置6に表示する(ステップ216)。その後、ステップ202に戻って起動動作完了の有無判定以降の動作が繰り返される。
【0053】
また、時間Tが経過した場合にはステップ212の判定において肯定判断が行われる。この場合には、案内画像読出・描画部46は、次の(i+1)番目の案内画像の読出しおよび描画を行い(ステップ218)、表示処理部60はこの描画された案内画像を表示装置6に表示する(ステップ220)。その後、ステップ202に戻って起動動作完了の有無判定以降の動作が繰り返される。
【0054】
このようにして、案内画像記憶部44に前回のエンジン停止時に保存されていたN枚の案内画像の表示がT秒間隔で順番に行われる。なお、N枚目の案内画像の表示が終了すると、1枚目に戻って案内画像の表示が繰り返される。また、経路誘導処理部24による案内動作が開始されるまでの間に、少なくともN枚目の案内画像までの表示が終了するように、案内画像の表示周期であるTの値が設定されている。
【0055】
また、案内画像の表示中にナビゲーション装置の起動動作が完了すると、ステップ202の判定において肯定判断が行われる。その後、経路誘導処理部24による経路誘導動作が開始される(ステップ222)。この経路誘導動作は、開始時点における自車両の位置が走行経路Bに沿った位置にある場合にはこの走行経路Bに沿って行われるが、走行経路Bから外れている場合には経路探索処理が再度行われ、新たに得られた走行経路Cに沿って行われることになる。また、前回のエンジン停止時に目的地が設定されておらず、経路誘導処理が行われていない場合(
図2のステップ102および
図3のステップ204のそれぞれにおいて否定判断された場合)には、ステップ222の経路誘導動作に変えて自車位置周辺の地図画像の表示動作が行われる。
【0056】
図4は、エンジン停止時に切り出される地図の範囲の具体例を示す図である。ある施設の駐車場に車両を駐車した場合であって、自車位置マークGによって車両位置が示されている。Bは、経路探索処理によって得られた目的地までの走行経路である。また、所定範囲に含まれる走行経路Bには、3つの音声案内地点a、b、cが含まれている。さらに、この中で地点bは、エンジン停止までの走行経路Aとエンジン停止後に再探索によって得られた走行経路Bが一致する地点Xである。すなわち、
図4に示す地図は、
図2のステップ112において地点Xを含むように切り出された所定範囲の地図を示すものである。また、
図4に示す地図は、実際の道路形状および道路間の接続状態を所定の縮尺で描画した詳細地図画像である。
【0057】
図5は、
図4に示す地図を音声案内地点の数(=3)だけ複製した後に、各音声案内地点において車両の進行方向を示す矢印を付加した地図の具体例を示す図である。
図5(A)に示す地図では、最初の音声案内地点aに車両の進行方向を示す矢印が付加されている。
図5(B)に示す地図では、2番目の音声案内地点bに車両の進行方向を示す矢印が付加されている。
図5(C)に示す地図では、3番目の音声案内地点cに車両の進行方向を示す矢印が付加されている。
【0058】
このようにして切り出された地図は、次回のエンジン始動時であってナビゲーション装置の起動準備が終了するまでの間、出発時の車両位置に音声案内地点が近い順に、具体的には
図5(A)→
図5(B)→
図5(C)の順に読み出された順番に表示される。そして、
図5(C)まで表示が終了すると、その後
図5(A)に戻って同じ順番で表示が繰り返される。
【0059】
このように、本実施形態のナビゲーション装置では、起動動作が完了する前であって経路誘導処理部24による案内動作が開始できない状態において、目的地までの走行経路に至る道順やこの走行経路に沿った道順を複数の案内画像を順番に切り替えて表示することにより、運転者は、自車両が走行する道順を容易に把握することが可能となる。また、自車両の位置がエンジン停止時に設定されていた走行経路から外れて停車したときに複数の案内画像が生成されるため、土地勘のない場所にいて、目的地までの走行経路から外れて食事や買い物などをした後の再出発時に、ナビゲーション装置の起動直後であっても迷うことなくこの走行経路に戻ることができる。また、本発明の案内画像の表示は、経路誘導処理部24による案内動作が開始される前に行われるため、ナビゲーション装置による通常の案内動作を開始するまでの間、運転開始直後に車両の進行方向を確実に誘導することが可能となる。
【0060】
また、本発明において表示される案内画像は、自車両の停車位置と、走行経路に至る道順あるいは走行経路に沿った道順に沿って自車両が走行する経路とが含まれる地図画像であり、複数の案内画像のそれぞれには、道順に含まれる交差点における自車両の進行方向が示されており、複数の案内画像が順番に表示されたときに、道順に含まれる複数の交差点のそれぞれにおける自車両の進行方向が順番に示される。特に、各案内画像には、交差点における自車両の進行方向を示す矢印画像が含まれ、複数の案内画像が順番に表示されたときに、自車両の進行方向を誘導する向きに、表示中の矢印の位置が変化する。これにより、車両の右左折位置および右左折方向をわかりやすく運転者に知らせることができる。
【0061】
また、上述した地図画像(例えば
図5に示す案内画像)は、実際の道路形状および道路間の接続状態を所定の縮尺で描画した詳細地図画像が用いられている。これにより、実際の道路形状を反映した感覚的にわかりやすい道順の案内が可能となる。
【0062】
また、上述した案内画像はN枚用意されており、経路誘導処理部24による経路誘導が開始される前に、これらN枚の案内画像の表示を一巡させ、再度同じ順番でこれらN枚の案内画像の表示を繰り返している。これにより、経路誘導が開始されるまでの間に、予め用意しておいた一連の案内画像を全て表示して道順の案内を行うことが可能となる。
【0063】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、予め用意するN枚の案内画像を、実際の道路形状および道路間の接続状態を所定の縮尺で描画した詳細地図画像としたが、
図6に示すように、実際の道路形状および道路間の接続状態を概略的に描画した簡易地図画像としてもよい。これにより、右左折箇所を強調したわかりやすい道順の案内が可能となる。
【0064】
また、実施形態では、N枚の案内画像に含まれる自車位置マークGの位置を走行開始時の駐車位置に固定したが、経路誘導処理部24による案内動作が開始される前に、車両位置検出部5および車両位置計算部20による位置検出動作が開始された場合に、検出された自車両の位置を示すように自車位置マークG(特定画像)の位置を変化させるようにしてもよい。例えば、
図7に示すように音声案内地点aとbの間を走行中に自車位置の検出動作が開始された場合には、この自車位置に対応する位置に自車位置マークGが表示される。これにより、自車位置と右左折交差点の位置および右左折方向との関係をよりわかりやすく示すことが可能となる。
【0065】
また、上述した実施形態では、各案内画像において矢印を付加する位置を音声案内地点としたが、この音声案内地点として右左折交差点のみを含めるようにしてもよい。右左折交差点以外の直進交差点や、1本道がカーブするような箇所において音声案内を行う場合もあるが、これらの箇所に矢印が付加されていなければ運転者はこの地点を直進すればよいだけであり、この地点に矢印が付加された案内画像が用意されていないからといって特に不都合はないと考えられる。
【0066】
また、上述した実施形態では、走行経路Aと走行経路Bとが一致する地点Xを検出したが(
図2のステップ108)、所定範囲に地点Xが含まれていてもいなくても結局所定範囲の地図の切り出しを行うことになるため、地点Xを検出することなく、地図の切り出しを行って処理を簡略化するようにしてもよい。この場合には、
図2のステップ104、108、110、112を省略することができる。