特開2017-202266(P2017-202266A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-202266(P2017-202266A)
(43)【公開日】2017年11月16日
(54)【発明の名称】吸収性物品及び包装体
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/514 20060101AFI20171020BHJP
   D04H 1/425 20120101ALI20171020BHJP
   D04H 1/4382 20120101ALI20171020BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20171020BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20171020BHJP
【FI】
   A61F13/514 400
   D04H1/425
   D04H1/4382
   A61F13/15 358
   A61F13/511 300
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-97495(P2016-97495)
(22)【出願日】2016年5月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】深山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】坂口 智
(72)【発明者】
【氏名】宇田 匡志
【テーマコード(参考)】
3B200
4L047
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA14
3B200BA15
3B200BB01
3B200BB03
3B200BB09
3B200DA25
3B200DC01
3B200DC02
3B200DD01
3B200DD02
3B200DD09
3B200DF09
3B200EA18
4L047AA08
4L047AA28
4L047CA02
4L047CA05
4L047CA06
4L047CA07
4L047CB07
4L047CC03
(57)【要約】
【課題】使用者により安心感を与えることができる吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品1は、不織布3,4を備える。不織布3,4は、オーガニックコットン繊維10を含む。オーガニックコットン繊維10は、不織布3,4内で複数の繊維塊11を形成している。繊維塊11は、外部から視認可能に構成されている。不織布3,4における繊維塊11の部分の光線透過率は、不織布3,4における繊維塊11が存在しない部分の光線透過率よりも低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布を備えた吸収性物品であって、
前記不織布は、オーガニックコットン繊維を含み、
前記オーガニックコットン繊維は、前記不織布内で複数の繊維塊を形成しており、
前記繊維塊は、外部から視認可能に構成されており、
前記不織布における前記繊維塊の部分の光線透過率は、前記不織布における前記繊維塊が存在しない部分の光線透過率よりも低い、吸収性物品。
【請求項2】
前記複数の繊維塊は、前記吸収性物品の厚み方向において、前記吸収性物品の表面側に偏って設けられている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記不織布に重複する着色シートを有し、
前記着色シートは、前記吸収性物品の厚み方向において、前記不織布よりも内側に設けられている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記繊維塊の繊維密度が0.075〜0.2g/cmである、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記不織布は合成繊維をさらに含み、
前記繊維塊の周りに、前記繊維塊及び前記合成繊維の密度よりも小さい密度を有する領域が形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記不織布は合成繊維を含み、
前記オーガニックコットン繊維は、前記合成繊維の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記オーガニックコットン繊維は、前記合成繊維に熱融着されていない、請求項5又は6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装袋と、を有する吸収性物品の包装体であって、
前記包装袋に、前記オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されている、吸収性物品の包装体。
【請求項9】
前記吸収性物品に、前記オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されている、請求項8に記載の吸収性物品の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーガニックコットン繊維を含む不織布を備えた吸収性物品と、当該吸収性物品を包装した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、疎水性合成繊維と親水性繊維とを含む不織布を備えた吸収性物品を開示している。親水性繊維は、天然セルロース繊維、例えばコットンやレーヨンである。親水性繊維の少なくとも一部は、集合体となってシート内に分散している。集合体を構成する親水性繊維の少なくとも一部は疎水性繊維の表面に融着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−651号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、自然環境を保護するという意識の高まり、及び肌に優しい素材を使用したいという意識の高まりから、使用者は、無農薬栽培された自然由来の素材に対する関心を高めている。特に乳幼児に使用する使い捨ておむつのような吸収性物品に対して肌に優しい素材を使いたいというニーズが高まっている。しかしながら、使用者が自ら吸収性物品の素材を確認することは困難であり、製品に対する安心感を実感することができないことがある。
【0005】
よって、使用者により安心感を与えることができる吸収性物品が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る吸収性物品は、不織布を備え、前記不織布は、オーガニックコットン繊維を含み、前記オーガニックコットン繊維は、前記不織布内で複数の繊維塊を形成しており、前記繊維塊は、外部から視認可能に構成されており、前記不織布における前記繊維塊の部分の光線透過率は、前記不織布における前記繊維塊が存在しない部分の光線透過率よりも低い。
【0007】
一態様に係る吸収性物品の包装体は、上記の吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装袋と、を有する吸収性物品の包装体であって、前記包装袋に、前記オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る吸収性物品の平面図である。
図2図2は、図1とは反対側から見た吸収性物品の平面図である。
図3図3は、吸収性物品を構成する不織布の断面を示す模式図である。
図4図4は、一実施形態に係る吸収性物品の断面を示す模式図である。
図5図5は、一実施形態に係る吸収性物品の包装体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
不織布を備えた吸収性物品であって、
前記不織布は、オーガニックコットン繊維を含み、
前記オーガニックコットン繊維は、前記不織布内で複数の繊維塊を形成しており、
前記繊維塊は、外部から視認可能に構成されており、
前記不織布における前記繊維塊の部分の光線透過率は、前記不織布における前記繊維塊が存在しない部分の光線透過率よりも低い、吸収性物品。
【0011】
オーガニックコットン繊維からなる繊維塊の部分の光線透過率がそのまわりの部分の光線透過率よりも低いため、使用者は、外部から繊維塊を容易に視認することができる。これにより、使用者は、オーガニックコットン繊維が使用されていることを実感することができ、製品に対してより安心感を得ることができる。
【0012】
好ましい一態様によれば、前記複数の繊維塊は、前記吸収性物品の厚み方向において、前記吸収性物品の表面側に偏って設けられている。繊維塊が吸収性物品の表面側に偏って設けられているため、使用者は、外部から繊維塊をより容易に視認することができる。
【0013】
好ましい一態様によれば、吸収性物品は、前記不織布に重複する着色シートを有し、前記着色シートは、前記吸収性物品の厚み方向において、前記不織布よりも内側に設けられている。不織布よりも内側に着色シートが設けられているため、白色の繊維塊を外部からより目立たせることができる。これにより、使用者は、外部から繊維塊をより容易に視認することができる。
【0014】
好ましい一態様によれば、前記繊維塊の繊維密度が0.075〜0.2g/cmである。繊維塊の繊維密度を高めることにより繊維塊をより目立たせることができる。これにより、使用者は、外部から繊維塊をより容易に視認することができる。
【0015】
好ましい一態様によれば、前記不織布は合成繊維をさらに含み、前記繊維塊の周りに、前記繊維塊及び前記合成繊維の密度よりも小さい密度を有する領域が形成されている。繊維塊のまわりに密度の低い領域が存在するため、繊維塊をより目立たせることができる。これにより、使用者は、外部から繊維塊をより容易に視認することができる。
【0016】
好ましい一態様によれば、前記不織布は合成繊維を含み、前記オーガニックコットン繊維は、前記合成繊維の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有する。合成繊維12の平均繊維長を長くすることで、不織布及び吸収性物品全体の強度を向上させることができ、製造中及び使用中における繊維のケバ立ちを抑制することができる。一方、オーガニックコットン繊維10の平均繊維長を短くすることで、合成繊維12同士の熱融着点を減少させ、不織布及び吸収性物品として適度な柔軟性を実現できる。
【0017】
好ましい一態様によれば、前記オーガニックコットン繊維は、前記合成繊維に熱融着されていない。オーガニックコットン繊維からなる繊維塊が合成繊維に熱融着されていないので、繊維塊と合成繊維との間の境界がより目立つようになる。これにより、使用者は、外部から繊維塊をより容易に視認することができる。
【0018】
好ましい一態様によれば、上記態様の吸収性物品と、前記吸収性物品を包装する包装袋と、を有する吸収性物品の包装体であって、前記包装袋に、前記オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されている。
【0019】
吸収性物品を包んだ状態のままでも、包装袋にオーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されているので、使用者にオーガニックコットン繊維を使用していることを明示的に知らせることができる。これにより、肌に優しいという安心感を使用者に与えることができる。
【0020】
一態様によれば、前記吸収性物品に、前記オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されている。
【0021】
吸収性物品を包装袋から取り出した状態でも、吸収性物品にオーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されているので、使用者にオーガニックコットン繊維を使用していることを明示的に知らせることができる。これにより、肌に優しいという安心感を使用者に与えることができる。
【0022】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る吸収性物品の詳細について説明する。本発明の吸収性物品は、例えば使い捨ておむつや生理用ナプキンである。以下の実施形態では、使い捨ておむつを例に挙げて詳細に説明する。
【0023】
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
【0024】
図1は、一実施形態に係る吸収性物品1の平面図である。図2は、図1とは反対側から見た吸収性物品1の平面図である。吸収性物品1は、長手方向L及び幅方向Wを有する。長手方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、長手方向Lと直交する方向である。以下、使用時に着用者の肌に面する側を、「肌面側」と呼ぶことがある。また、使用時に着用者の肌とは反対に向けられる側を、「非肌面側」と呼ぶことがある。
【0025】
吸収性物品1は、表面シート3と、裏面シート4と、吸収体7と、を有する。吸収体7は、表面シート3と裏面シート4の間に設けられている。表面シート3は、液透過性のシートから構成されていてよい。
【0026】
裏面シート4と吸収体7との間には、液不透過性の防漏シート5が設けられていてよい。防漏シート5は、少なくとも吸収体7を覆っている。裏面シート4は、防漏シート5を覆っており、防漏シート5よりも外側まで延びている。裏面シート4のうち、防漏シート5と重複していない領域は、幅方向Wにおける両外側で、長手方向Lの前側端部から後側端部まで延びている。
【0027】
表面シート3及び裏面シート4は不織布から構成される。図3は、表面シート3又は裏面シート4の断面を示す模式図である。この不織布は、オーガニックコットン繊維10と、合成繊維12と、を含む。ここで、「オーガニックコットン」は、農業段階において、国際的な基準(CODEXに準じた各国の基準)に基づき有機性が認証され、それが証明されるコットンを意味する。
【0028】
合成繊維12は、熱可塑性樹脂からなる繊維であってよい。熱可塑性樹脂からなる繊維としては、例えば、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。熱可塑性樹脂からなる繊維は、親水化剤によって親水化されていてもよい。
【0029】
合成繊維12の繊度は、特に制限されないが、不織布の強度、柔軟性、肌触り、液透過性などの点から、1.1〜8.8dtex、好ましくは1.5〜4.6dtexの範囲にあることが好ましい。
【0030】
また、2.0dtex以上の繊度を有する繊維に、2.0dtex未満の繊度を有する繊維を好ましくは10〜40%、より好ましくは20〜30%含んだ合成繊維を用いてもよい。この場合、平均繊維長を長く保ちつつ、繊維長の短い合成繊維を含めることができる。合成繊維12が細い番手の繊維を含むことで、コットン繊維の繊維塊が不織布から脱落することをより抑制することができる。
【0031】
オーガニックコットン繊維10は、不織布内で複数の繊維塊11を形成している。オーガニックコットン繊維10は、合成繊維12よりも短い平均繊維長を有していてよい。これにより、オーガニックコットン繊維10は、不織布内で繊維塊11を形成し易くなる。
【0032】
オーガニックコットン繊維10からなる繊維塊11は、外部から視認可能に構成されている。不織布における繊維塊11の部分の光線透過率は、不織布における繊維塊11が存在しない部分の光線透過率よりも低い。なお、本明細書において、光線透過率は、可視光線透過率のことを意味する。
【0033】
オーガニックコットン繊維10からなる繊維塊11の部分の光線透過率がそのまわりの部分の光線透過率よりも低いため、使用者は、外部から繊維塊11を容易に視認することができる。これにより、使用者は、オーガニックコットン繊維10が使用されていることを実感することができ、製品に対してより安心感を得ることができる。
【0034】
なお、不織布に光を当てて肉眼で確認することにより、オーガニックコットン繊維10からなる繊維塊11の部分がそのまわりの領域よりも白く見えることにより、繊維塊11の部分の光線透過率とそのまわりの部分の光線透過率との違いを確認することができる。
【0035】
図3に示すように、複数の繊維塊11は、吸収性物品1の厚み方向において、吸収性物品1の表面側に偏って設けられていることが好ましい。ここで、厚み方向において吸収性物品1を表面側の両層と中央の層とに三等分し、複数の繊維塊11のうちの60%以上、好ましくは70%以上の繊維塊が表面側(外部側)の層に存在する場合に、複数の繊維塊11が吸収性物品1の表面側に偏って設けられているものとする。また、繊維塊が表面側(外部側)の層に存在するとは、繊維塊の一部分が表面側(外部側)の層に存在することを意味する。
【0036】
複数の繊維塊11が吸収性物品1の表面側に偏って設けられていることにより、使用者は、外部から繊維塊をより容易に視認することができる。なお、繊維塊11が不織布から脱落することを防止する観点から、繊維塊11は不織布の表面に露出していないことが好ましい。
【0037】
厚み方向における繊維塊11の偏りを確認するためには、X線CTを用いることができる。具体的には、測定対象の繊維塊11の部分を含む不織布について、不織布の一方の面から、他方の面が撮影されるようにX線CT(例えば、株式会社ビームセンス社製FLEX-M863)により撮影する。撮影によって得られた画像を用いて、同一不織布内の10点の繊維塊11について確認することで、繊維塊11の偏りを判断できる。なお、撮影後のサンプル中の繊維塊11は、後述するカヤステインQによる染色方法を利用することによって、オーガニックコットン繊維の繊維塊11であるかどうかを確認することができる。
【0038】
不織布は、一般的には10〜60g/cmの範囲の坪量を有することが好ましい。不織布の厚みは好ましくは0.5〜5.0mm、より好ましくは0.8〜3.5mmである。不織布の厚さは、測定圧3g/cm、直径10mmの測定端子を有する厚み計(株式会社 尾崎製作所社製 Peacockダイヤルシックネスゲージ)を用いて測定することができる。具体的には、対象の不織布の異なる10点の厚みを測定し、その平均値から「厚さ」を得る。
【0039】
上記厚みを有する不織布において、合成繊維に対するオーガニックコットン繊維の重量比率を25%より小さくすることが好ましい。この条件で、厚み方向における不織布の中央に繊維塊11を偏って設けることで、製造工程中及び製品使用中におけるオーガニックコットン繊維の脱落をより抑制することが可能となる。
【0040】
合成繊維に対するオーガニックコットン繊維の重量比率は、以下の方法により算出することができる。まず、不織布から単位面積(例えば、5cm×5cm)の試験片を取り出す。この試験片からオーガニックコットン繊維を取り出し、取り出したオーガニックコットン繊維の重量を測定する。これにより、合成繊維に対するオーガニックコットン繊維の重量比率を算出することができる。
【0041】
また、試験片からオーガニックコットン繊維を取り出す際に、合成繊維とオーガニックコットン繊維との違いを判別する必要がある。不織布中の繊維が、オーガニックコットン繊維からなるか合成繊維からなるかということは以下の方法により確認することができる。まず、試験片と同量のカヤステインQ(日本化薬株式会社製)を秤量し、カヤステインQの100倍の重量のイオン交換水(60〜70度)で溶解する。この溶液を加熱し、溶液が沸騰する直前に、中性洗剤で洗浄した試験片を溶液内に投入する。その後、溶液を5分間煮沸した後、試験片を速やかに水洗・乾燥した。この時点で、繊維塊は、繊維の種別に応じた色に染色される。その後、カヤステインQの各種繊維への色相を元に繊維塊の鑑別を行うことができる。
【0042】
不織布に含まれるオーガニックコットン繊維10は、合成繊維12の平均繊維長よりも短い平均繊維長を有し、及び/又は合成繊維12の繊度よりも細い繊度を有することが好ましい。合成繊維12の平均繊維長を長くし、及び/又は合成繊維12の繊度を太くすることで、不織布全体の強度を向上させることができ、製造中及び使用中における繊維のケバ立ちを抑制することができる。一方、オーガニックコットン繊維10の平均繊維長を短くし、及び/又はオーガニックコットン繊維10の繊度を細くすることで、合成繊維12同士の熱融着点を減少させ、不織布として適度な柔軟性を実現できる。
【0043】
「平均繊維長」は、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定される平均繊維長とする。なお、上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法にあたる。
【0044】
図3では、表面シート3又は裏面シート4を構成する単層の不織布の断面が示されている。この代わりに、表面シート3又は裏面シート4は、複数の不織布が重ね合わせられた複層構造を有していてもよい。
【0045】
図4は、吸収性物品の一部分(例えば図1のF3−F3線)の断面を示している。吸収性物品1は、表面シート3及び/又は裏面シート4を構成する不織布に重複する着色シート300を有することが好ましい。着色シート300は、吸収性物品1の厚み方向において、表面シート3及び/又は裏面シート4を構成する不織布よりも内側に設けられている。オーガニックコットン繊維10を含む不織布よりも内側に着色シート300が設けられているため、白色の繊維塊11をより目立たせることができる。これにより、使用者は、外部から繊維塊11をより容易に視認することができる。
【0046】
オーガニックコットン繊維10からなる繊維塊11の繊維密度は0.075〜0.2g/cmであることが好ましい。繊維塊11の繊維密度を高めることにより繊維塊11をより目立たせることができる。これにより、使用者は、外部から繊維塊11をより容易に視認することができる。
【0047】
また、繊維塊11を目立たせるという観点から、繊維塊11の繊維密度は、合成繊維12の繊維密度よりも0.02g/cm以上大きいことが好ましい。
【0048】
図3及び図4に示すように、繊維塊11の周りに、繊維塊11及び合成繊維12の密度よりも小さい密度を有する領域15が形成されていることが好ましい。繊維塊11のまわりに密度の低い領域15が存在するため、繊維塊11をより目立たせることができる。これにより、使用者は、外部から繊維塊11をより容易に視認することができる。
【0049】
好ましくは、オーガニックコットン繊維10は、合成繊維12に熱融着されていない。オーガニックコットン繊維10からなる繊維塊11が合成繊維12に熱融着されていないので、繊維塊11と合成繊維12との間の境界がより目立つようになる。これにより、使用者は、外部から繊維塊11をより容易に視認することができる。
【0050】
なお、不織布中の繊維塊11が、オーガニックコットン繊維からなるか合成繊維からなるかということは、上記のカヤステインQを用いた方法で行うことができる。
【0051】
図5は、一実施形態に係る吸収性物品の包装体を示す図である。包装体は、不織布を備えた吸収性物品1と、吸収性物品1を包装する包装袋100と、を有する。吸収性物品1の構成は、前述したとおりである。
【0052】
包装袋100は、複数の吸収性物品1を収容する。包装袋100に、オーガニックコットン繊維10の使用を使用者に認識させるマーク82が付されている。さらに吸収性物品1にも、オーガニックコットン繊維10の使用を使用者に認識させるマーク84が付されていることが好ましい。吸収性物品1に付されたマーク84は、包装袋100に付されたマーク82と同様の認識を使用者に与えるマークである。具体的には、吸収性物品1に付されたマーク84は、包装袋100に付されたマーク82と同一又は類似のマークであってよい。なお、オーガニックコットン繊維10の使用を使用者に認識させることができれば、吸収性物品1に付されたマーク84は、包装袋100に付されたマーク82と異なっていてもよい。
【0053】
マーク82,84は、オーガニックコットンを使用することを証明する外部機関によって認定されたマークであってもよい。この場合、オーガニックコットンを使用しているという信頼性を向上させることができ、より高い安心感を使用者に与えることができる。
【0054】
図2及び図5では、吸収性物品1と包装袋100の両方に全く同一のマーク82,84が付されている。この代わりに、吸収性物品1に付されたマーク82は、包装袋80に付されたマーク84と全く同一ではなく、類似していればよい。この場合であっても、オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させることができる。
【0055】
これにより、吸収性物品1を包装袋100で包んだ状態においては、包装袋100に付されたマーク82によって、使用者に、オーガニックコットン繊維の使用を認識させることができる。また、包装袋100から吸収性物品1を取り出した状態においても、吸収性物品1に付されたマーク84によって使用者にオーガニックコットン繊維を使用していることを明示的に知らせることができる。したがって、肌に優しいという安心感を使用者に与えることができる。
【0056】
なお、複数の吸収性物品1は、包装袋100内で、個別に包装されていてもよい。この場合、吸収性物品1を個別に包装する包装材に、オーガニックコットン繊維の使用を使用者に認識させるマークが付されていてもよい。
【0057】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0058】
1 吸収性物品
3 表面シート
4 裏面シート
7 吸収体
10 オーガニックコットン繊維
11 繊維塊
12 合成繊維
82 マーク
84 マーク
100 包装袋
300 有色シート
図1
図2
図3
図4
図5