特開2017-212365(P2017-212365A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-212365(P2017-212365A)
(43)【公開日】2017年11月30日
(54)【発明の名称】半導体装置用基板および表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20171102BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20171102BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171102BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20171102BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20171102BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20171102BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20171102BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20171102BHJP
【FI】
   H01L29/78 626C
   H05B33/14 A
   H05B33/04
   H05B33/02
   H05B33/22 Z
   G09F9/30 310
   B32B9/00 A
   H01L29/78 627A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-105355(P2016-105355)
(22)【出願日】2016年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐一
【テーマコード(参考)】
3K107
4F100
5C094
5F110
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】バリア性能を向上させることが可能な半導体装置用基板および表示装置を提供する。
【解決手段】この半導体装置用基板は、基板と、基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1の無機材料層と、第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1の無機材料層と、
前記第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層と
を備えた
半導体装置用基板。
【請求項2】
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料を含む第1の有機平坦化層と
を有する
請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項3】
前記剥離抑制層は、チタン(Ti)、酸化チタン(TiOx)、アルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化インジウム亜鉛(IZO)および酸化インジウム錫(ITO)のうちの少なくとも1種を含む
請求項2に記載の半導体装置用基板。
【請求項4】
前記剥離抑制層は金属膜から構成され、
前記剥離抑制層の厚みは、10nm以下である
請求項2に記載の半導体装置用基板。
【請求項5】
前記機能層は、前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層である
請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項6】
前記第2の有機平坦化層は、シランカップリング剤を含む
請求項5に記載の半導体装置用基板。
【請求項7】
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層と
を有する
請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項8】
前記有機材料は、耐熱性を有する
請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項9】
前記有機材料は、ポリイミド(PI)である
請求項8に記載の半導体装置用基板。
【請求項10】
前記機能層上に形成されると共に、水分バリア性を有する第2の無機材料層を、更に備えた
請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項11】
前記基板は可撓性を有する
請求項1に記載の半導体装置用基板。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1のバリア膜と、
前記第1のバリア膜上に形成されると共に、複数の画素を含む素子部と
を備え、
前記第1のバリア膜は、前記基板の側から順に、
水分バリア性を有する第1の無機材料層と、
前記第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層と
を有する
表示装置。
【請求項13】
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料を含む第1の有機平坦化層と
を有する
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記機能層は、前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層である
請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層と
を有する
請求項12に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1のバリア膜は、更に、前記機能層上に、水分バリア性を有する第2の無機材料層を有する
請求項12に記載の表示装置。
【請求項17】
前記素子部の内部または前記素子部よりも上に、水分バリア性を有する第2のバリア膜を更に備えた
請求項12に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第2のバリア膜は、前記基板の側から順に、
水分バリア性を有する第3の無機材料層と、有機材料を含む第3の有機平坦化層と、水分バリア性を有する第4の無機材料層とを有する
請求項17に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置の水分バリアとして用いられる半導体装置用基板と、それを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばフレキシブルパネル等を用いた半導体装置には、フロントプレーンおよびバックプレーンへの水分の浸入を防ぐために、無機膜と有機膜とを積層させてなる水分バリアが用いられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002−532850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水分バリアでは、無機膜の上に有機膜を積層させることで、バリア性能を向上させることができるが、膜同士の密着性が悪く、剥がれ易い。結果として、バリア性能が低下し、半導体素子の特性不良あるいは特性低下につながる。
【0005】
バリア性能を向上させることが可能な半導体装置用基板および表示装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態の半導体装置用基板は、基板と、基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1の無機材料層と、第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層とを備えたものである。
【0007】
本開示の一実施の形態の表示装置は、基板と、基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1のバリア膜と、第1のバリア膜上に形成されると共に、複数の画素を有する素子部とを備え、第1のバリア膜は、基板の側から順に、水分バリア性を有する第1の無機材料層と、第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層とを有するものである。
【0008】
本開示の一実施の形態の半導体装置用基板および表示装置では、基板上に形成された第1の無機材料層により水分の透過が抑制されるが、この第1の無機材料層では、成膜プロセスに起因して膜中に欠陥を含むことが多く、これによりバリア性能が低下し易い。第1の無機材料層上に、有機材料を含む機能層が形成されることで、そのような第1の無機材料層の欠陥によるバリア性能の低下が抑制される。ところが、第1の無機材料層に対し、有機材料は密着性が悪く剥がれ易い。有機材料を含む機能層が剥離抑制機能を有することで、第1の無機材料層と機能層との間の剥離が抑制され(密着性が向上し)、剥離によるバリア性能の低下が抑制される。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施の形態の半導体装置用基板および表示装置では、基板上に形成された第1の無機材料層の上に、有機材料を含む機能層を形成するようにしたので、第1の無機材料層の膜質に起因するバリア性能の低下を抑制することができる。また、この機能層が剥離抑制機能を有することにより、第1の無機材料層と機能層とが剥がれにくくなり、剥離によるバリア性能の低下を抑制することができる。よって、バリア性能を向上させることが可能となる。
【0010】
尚、上記内容は本開示の一例である。本開示の効果は、上述したものに限らず、他の異なる効果であってもよいし、更に他の効果を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の概略構成を表す断面図である。
図2図1に示した表示装置の詳細構成を表す断面図である。
図3図1および図2に示したバリア基板の構成例を表す断面図である。
図4図2に示した第2バリア膜の構成例を表す断面図である。
図5】比較例に係るバリア基板の構成を表す断面図である。
図6】本開示の第2の実施の形態に係るバリア基板の構成例を表す断面図である。
図7】変形例1に係るバリア基板の構成例を表す断面図である。
図8】変形例2に係るバリア基板の構成例を表す断面図である。
図9】変形例3に係る表示装置の構成例を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施の形態について図面を参照して以下の順に詳細に説明する。

1.第1の実施の形態(無機材料層上に、剥離抑制層および有機平坦化層の積層膜を含む機能層を形成したバリア基板、表示装置の例)
2.第2の実施の形態(機能層が、ケイ素を含む有機平坦化層である場合の例)
3.変形例1(機能層が、剥離抑制層と、ケイ素を含む有機平坦化層との積層膜を含む場合の例)
4.変形例2(剥離抑制層が選択的な領域にのみ形成される場合の例)
5.変形例3(第2バリア膜の他の構成例)
【0013】
<第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の構成を表す断面図である。図2は、表示装置1の詳細構成を表す断面図である。表示装置1は、例えば、有機電界発光素子を用いた有機EL(EL;Electro Luminescence)ディスプレイであり、例えばR(赤),G(緑),B(青)のいずれかの色の光が上面側から出射される、上面発光型(トップエミッション型)の表示装置である。表示装置1は、例えばバリア基板10の上に、素子部13を備えたものである。
【0014】
バリア基板10は、素子部13を支持すると共に、素子部13への水分の浸入を抑制する役割を有するものである。このバリア基板10では、例えば支持基板11上に第1バリア膜12(第1のバリア膜)が形成されている。第1バリア膜12は、例えば、支持基板11の側から順に、無機材料層12A(第1の無機材料層)と、機能層12Bと、無機材料層12C(第2の無機材料層)とを含む積層膜である。尚、このバリア基板10が、本開示の「半導体装置用基板」の一具体例に相当する。また、本実施の形態では、バリア基板10(半導体装置用基板)を、表示装置1に適用した場合を例に挙げて説明を行うが、バリア基板10は、表示装置1に限らず、他の様々な半導体装置、例えばイメージセンサ等の撮像装置にも適用することが可能である。但し、バリア基板10は、水分の影響を受け易い(水分の浸入により特性が劣化し易い)素子、例えば有機電界発光素子、および酸化物半導体または低温多結晶シリコン(LTPS)を用いたアクティブ素子等を含む半導体装置に対して、好適に用いることができる。バリア基板10の具体的な構成については、後述する。
【0015】
素子部13は、例えば2次元配置された複数の画素を含み、例えばアクティブマトリクス方式により外部から入力される映像信号に基づいて画像を表示するものである。具体的には、素子部13では、各画素が、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)131を含む画素回路と、有機電界発光素子(有機EL素子13R,13G,13Bのいずれか)とを含んで構成されている。
【0016】
各画素には、画素配列の行方向に沿って延在する複数の走査線と、列方向に沿って延在する複数の信号線と、行方向に沿って延在する複数の電源線とが接続されている。各画素は、これらの走査線、信号線および電源線を通じて走査線駆動回路、信号線駆動回路および電源線駆動回路により表示駆動される。
【0017】
(素子部13の詳細構成)
素子部13では、バリア基板10上に、TFT131を含む画素回路が形成され、この上に、平坦化層135を介して、複数の有機EL素子13R,13G,13Bが2次元配置されている。これらの有機EL素子13R,13G,13Bの上には、例えば第2バリア膜14が設けられている。この第2バリア膜14上に、カラーフィルタ層141R,141G,141Bと、ブラックマトリクス層141BMとが配置され、この上に、オーバーコート層142および接着層143を介して第2基板144が貼り合わせられている。
【0018】
TFT131は、例えば、バリア基板10上の選択的な領域に、半導体層132cを有し、この半導体層132c上に、ゲート絶縁膜133を介してゲート電極132gを有している。ゲート電極132g上には層間絶縁膜134が形成されている。この層間絶縁膜134上には、一対のソース・ドレイン電極132sdが設けられている。これらのソース・ドレイン電極132sdは、層間絶縁膜134に設けられたコンタクトホールを通じて、半導体層132cと電気的に接続されている。一対のソース・ドレイン電極132sdのうちの一方は、コンタクト部c1を通じて、有機EL素子13R(または有機EL素子13G,13B)の第1電極136と電気的に接続されている。
【0019】
半導体層132cは、例えば酸化物半導体、低温多結晶シリコン、有機半導体、高温多結晶シリコン、微結晶シリコンまたは非結晶シリコン等を含んで構成されている。ゲート電極132gは、例えばモリブデン(Mo)、銅(Cu)およびアルミニウム(Al)等のうちの少なくとも1種を含んで構成されている。ゲート絶縁膜133および層間絶縁膜134は、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等の無機材料を含んで構成されている。ソース・ドレイン電極132sdは、ソースまたはドレインとして機能するものであり、例えばモリブデン(Mo)、銅(Cu)およびアルミニウム(Al)等のうちの少なくとも1種を含んで構成されている。ゲート電極132gおよびソース・ドレイン電極132sdは、ITO(酸化インジウム錫)またはIZO(酸化インジウム亜鉛)等の透明導電膜を含んで構成されていてもよい。ゲート絶縁膜133および層間絶縁膜134は、上記のような無機材料に限らず、有機材料を含んで構成されていてもよい。
【0020】
このTFT131は、ここでは、トップゲート型の素子構造を例示するが、TFT131の素子構造はこれに限定されず、例えばボトムゲート型であってもよい。また、シングルゲート型のものであってもよいし、デュアルゲート型のものであってもよい。
【0021】
有機EL素子13Rは、第1電極136と第2電極139との間に、赤色発光層を含む有機層138Rを有するものである。同様に、有機EL素子13Gは、第1電極136と第2電極139との間に、緑色発光層を含む有機層138G有するものである。有機EL素子13Bは、第1電極136と第2電極139との間に、青色発光層を含む有機層138Bを有するものである。
【0022】
第1電極136は、例えばアノードとして機能するものであり、画素毎(有機EL素子毎)に設けられている。この第1電極136の構成材料としては、例えばクロム(Cr),金(Au),白金(Pt),ニッケル(Ni),銅(Cu),タングステン(W)あるいは銀(Ag)などの金属元素の単体または合金が挙げられる。また、第1電極136は、これらの金属元素の単体または合金よりなる金属膜と、光透過性を有する導電性材料(透明導電膜)との積層膜を含んでいてもよい。透明導電膜としては、例えばITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)および酸化亜鉛(ZnO)系材料等が挙げられる。酸化亜鉛系材料としては、例えばアルミニウム(Al)を添加した酸化亜鉛(AZO)、およびガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(GZO)などが挙げられる。
【0023】
有機層138R,138G,138Bはそれぞれ、電界をかけることにより電子と正孔との再結合を生じ、R,G,Bのいずれかの色光を発生する有機電界発光層(赤色発光層,緑色発光層,青色発光層)を含むものである。これらの有機層138R,138G,138Bの成膜方法としては、例えば真空蒸着法、印刷法および塗布法等が挙げられる。有機層138R,138G,138Bは、有機電界発光層の他にも、必要に応じて、例えば正孔注入層、正孔輸送層および電子輸送層等を含んでいてもよい。また、有機層138R,138G,138Bと第2電極139との間には、電子注入層が形成されていてもよい。尚、この例では、画素毎に、赤色発光層,緑色発光層および青色発光層を含む有機層138R,138G,138Bが形成されているが、白色発光層を含む有機層が各画素に共通の層として形成されていても構わない。
【0024】
第2電極139は、例えばカソードとして機能するものであり、素子部13の全面にわたって(全画素に共通の電極として)形成されている。この第2電極139は、例えば透明導電膜から構成されている。透明導電膜の材料としては、透明導電膜としては、例えばITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)および酸化亜鉛(ZnO)系材料等が挙げられる。酸化亜鉛系材料としては、例えばアルミニウム(Al)を添加した酸化亜鉛(AZO)、およびガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(GZO)などが挙げられる。第2電極139の厚みは、特に限定されないが、導電性と光透過性とを考慮して設定されるとよい。第2電極139には、この他にも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)が用いられてもよい。
【0025】
これらの有機EL素子13R,13G,13Bの有機層138R,138G,138Bは、画素分離膜137によって規定された領域(開口部)にそれぞれ形成されている。画素分離膜137は、第1電極136上に形成されると共に、第1電極136に対向して開口部を有している。この画素分離膜137は、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマー、ノボラック系樹脂、エポキシ系樹脂、ノルボルネン系樹脂等の感光性樹脂を含んで構成されている。あるいは、これらの樹脂材料に顔料を分散させたものが用いられてもよい。また、画素分離膜137には、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)および酸窒化シリコン(SiON)等の無機材料が用いられても構わない。
【0026】
第2バリア膜14(第2のバリア膜)は、例えば、素子部13の内部において、有機EL素子13R,13G,13Bよりも上に設けられ、有機EL素子13R,13G,13Bへの水分の浸入を抑制するためのものである。この第2バリア膜14の具体的な構成については、後述する。
【0027】
カラーフィルタ層141R,141G,141Bはそれぞれ、有機EL素子13R,13G,13Bに対向して設けられている。ブラックマトリクス層141BMは、画素間の領域に配置されている。カラーフィルタ層141R,141G,141Bは、顔料を混入した樹脂によりそれぞれ構成されている。ブラックマトリクス層141BMは、例えば黒色の着色剤を混入した樹脂膜、または薄膜の干渉を利用した薄膜フィルタにより構成されている。薄膜フィルタは、例えば、金属,金属窒化物あるいは金属酸化物よりなる薄膜を1層以上積層し、薄膜の干渉を利用して光を減衰させるものである。薄膜フィルタとしては、具体的には、Crと酸化クロム(III)(Cr23)とを交互に積層したものが挙げられる。尚、カラーフィルタ層141R,141G,141Bは、必要に応じて配置されればよく、配置されていなくともよい。但し、カラーフィルタ層141R,141G,141Bを設けることで、有機EL素子13R,13G,13Bで発生した光を取り出すと共に、その他の迷光や外光を吸収することができ、コントラストを改善することができる。
【0028】
オーバーコート層142は、カラーフィルタ層141R,141G,141Bおよびブラックマトリクス層141BMの表面を保護および平坦化するためのものである。このオーバーコート層142の構成材料としては、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ノボラック系樹脂、エポキシ系樹脂およびノルボルネン系樹脂等が挙げられる。あるいは、これらの樹脂材料に顔料を分散させたものが用いられてもよい。
【0029】
接着層143は、例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ノボラック系樹脂、エポキシ系樹脂およびノルボルネン系樹脂等の樹脂材料を含んで構成されている。
【0030】
第2基板144は、有機EL素子13R,13G,13Bで発生した光に対して透明な材料、例えばガラスまたはプラスチック等により構成されている。
【0031】
(バリア基板10の詳細構成)
図3は、バリア基板10の断面構成を表したものである。このように、バリア基板10では、支持基板11上に、無機材料層12A、機能層12Bおよび無機材料層12Cが、この順に積層されている。本実施の形態では、機能層12Bが、剥離抑制層12B1と有機平坦化層12B2との積層膜を含んで構成されている。
【0032】
支持基板11は、例えば無機材料または有機材料を含んで構成されている。無機材料としては、例えばガラス、石英、シリコン、金属等が挙げられる。支持基板11に用いられる金属としては、例えばステンレス(SUS),アルミニウム(Al),銅(Cu)等が挙げられる。これらの金属の表面に絶縁処理が施されていてもよい。有機材料としては、例えばポリイミド(PI),ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエーテルサルフォン(PES),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリカーボネート(PC)などのプラスチックが挙げられる。
【0033】
この支持基板11はフレキシブル性(可撓性)を有するものであってもよいし、リジッドなものであってもよい。但し、本実施の形態のバリア基板10は、剥離抑制機能をもつ機能層12Bを有することから、フレキシブルデバイスにおける曲げ応力に対して耐性を発揮する。このため、バリア基板10は、特に支持基板11がフレキシブル性を有する場合に、有用である。
【0034】
無機材料層12Aは、水分バリア性を有する無機材料を含んで構成されている。そのような無機材料としては、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)および酸化アルミニウム(Al23)等が挙げられる。無機材料層12Aは、上記材料のうちのいずれかよりなる単層膜であってもよいし、上記材料のうちの2種以上からなる積層膜であってもよい。無機材料層12Aの厚みは、例えば50nm以上5000nm以下である。この無機材料層12Aは、例えばPECVD(Plasma-Enhanced Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法またはスパッタ法等を用いて成膜することができる。
【0035】
機能層12Bは、有機材料を含んで構成され、剥離抑制機能を有するものである。本実施の形態では、この機能層12Bが、無機材料層12Aの側から順に、剥離抑制層12B1と有機平坦化層12B2(第1の有機平坦化層)とを有している。
【0036】
剥離抑制層12B1は、無機材料層12Aからの剥離を抑制する(無機材料層12Aに対する密着性を高める)ためのものである。剥離抑制層12B1は、例えば、金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含んでいる。この剥離抑制層12B1には、無機材料層12Aと有機平坦化層12B2との両方に対して密着性の高い材料が用いられることが望ましい。このような材料の一例としては、チタン(Ti)、酸化チタン(TiOx)、アルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化インジウム亜鉛(IZO)および酸化インジウム錫(ITO)が挙げられる。剥離抑制層12B1は、このような材料のうちのいずれかから構成された単層膜であってもよいし、2種以上から構成された積層膜であってもよい。但し、密着性を高めるためには、単層膜であることが望ましい。この剥離抑制層12B1は、例えば無機材料層12A上の全面にわたって、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法、あるいはALD法等により形成することができる。
【0037】
この剥離抑制層12B1の厚みは、特に限定されないが、例えば剥離抑制層12B1がチタンやアルミニウム等の金属膜から構成される場合には、10nm以下であることが望ましい。剥離抑制層12B1が金属膜である場合に、その厚みが10nmより大きくなると、該金属膜の表面に形成された酸化膜から有機平坦化層12B2が剥離することがあるためである。尚、厚み10nm以下であれば剥離を防止できることは、クロスカット試験および90°剥離試験等により確認することができた。
【0038】
有機平坦化層12B2は、有機材料を含んで構成され、無機材料層12Aの表面を平坦化するためのものである。この有機平坦化層12B2に用いられる有機材料は、耐熱性を有することが望ましい。これは、表示装置1の製造プロセスにおいて、例えばバリア基板10上に、上述した素子部13を形成する場合、素子部13の形成過程(具体的には、TFT131および有機EL素子13R,13G,13Bの形成過程)において高温プロセスを経るためである。例えば、有機平坦化層12B2に用いられる有機材料は、400℃以上の耐熱性を有することが望ましい。一例としては、例えば400℃〜500℃の耐熱性を持つポリイミド(PI)が挙げられる。
【0039】
有機平坦化層12B2の厚みは、例えば5μm以上20μm以下である。この有機平坦化層12B2は、例えばスリットコート法、スプレーコート法およびノズルコート法等の各種塗布法により成膜することができる。
【0040】
無機材料層12Cは、無機材料層12Aと同様、水分バリア性を有する無機材料を含んで構成されている。そのような無機材料としては、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンおよび酸化アルミニウム等が挙げられる。無機材料層12Cは、上記材料のうちのいずれかよりなる単層膜であってもよいし、上記材料のうちの2種以上からなる積層膜であってもよい。無機材料層12Cの厚みは、例えば50nm以上5000nm以下である。無機材料層12Cの材料および厚みは、無機材料層12Aと同じであってもよいし、異なっていてもよい。この無機材料層12Cは、必ずしも設けられてなくともよいが、機能層12Bを挟んで無機材料層12A,12Cが設けられることで、第1バリア膜12におけるバリア性能をより高めることができる。
【0041】
尚、この例では、第1バリア膜12を、無機材料層12A、機能層12Bおよび無機材料層12Cからなる積層膜としているが、各層の間に更に他の層が介在していても構わない。また、機能層12Bを、剥離抑制層12B1と有機平坦化層12B2との積層膜としたが、機能層12Bの剥離抑制機能を大きく損なわないものであれば、剥離抑制層12B1と有機平坦化層12B2との間に、更に他の層が介在していても構わない。
【0042】
このような第1バリア膜12を含むバリア基板10の上に、第2バリア膜14を含む素子部13が形成されている。これにより、素子部13に形成された有機EL素子13R,13G,13BおよびTFT131等には、バックプレーン側およびフロントプレーン側から水分が浸入することが抑制される。
【0043】
図4は、第2バリア膜14の構成例を表したものである。このように、第2バリア膜14は、例えば、無機材料層14A(第3の無機材料層)上に、有機平坦化層14B(第3の有機平坦化層)および無機材料層14C(第4の無機材料層)を積層したものである。第2バリア膜14の各層は、例えば有機EL素子13R,13G,13B上に、順次成膜することができる。
【0044】
無機材料層14A,14Cは、無機材料層12Aと同様、水分バリア性を有する無機材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンおよび酸化アルミニウム等を含んで構成されている。無機材料層14Aの厚みは、例えば50nm以上5000nm以下である。無機材料層14A,14Cの材料および厚みは互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、無機材料層14Cは、必ずしも設けられてなくともよいが、有機平坦化層14Bを挟んで無機材料層14A,14Cが設けられることで、第2バリア膜14におけるバリア性能をより高めることができる。
【0045】
有機平坦化層14Bは、有機材料を含んで構成されている。ここで、第2バリア膜14は、TFT131および有機EL素子13R,13G,13Bを形成した後に、形成される。このため、第2バリア膜14の有機平坦化層14Bでは、第1バリア膜12の有機平坦化層12B2と異なり、材料の耐熱性の有無は問われない。したがって、有機平坦化層14Bでは、有機平坦化層12B2に比べ、材料選択の自由度が高い。
【0046】
[作用、効果]
上記のような表示装置1では、画素毎に有機EL素子13R,13G,13Bに駆動電流が注入されると、有機層138R,138G,138Bでは、正孔と電子との再結合により発光を生じる。この光は、例えば第2電極139、第2バリア膜14、カラーフィルタ層141R,141G,141B、オーバーコート層142、接着層143および第2基板144を順に透過して取り出される。このようにして各画素から射出された色光の加法混色により、カラーの映像表示がなされる。
【0047】
この表示装置1では、素子部13に形成された有機EL素子13R,13G,13BあるいはTFT131に水分が浸入すると、それらの特性が劣化する。このため、本実施の形態では、水分バリア性を有するバリア基板10上に、素子部13が形成されている。これにより、素子部13へのバックプレーン側からの水分の浸入を抑制することができる。
【0048】
バリア基板10では、支持基板11上に形成された無機材料層12Aにより水分の透過が抑制される。ところが、この無機材料層12Aでは、成膜プロセス(例えばPECVD法による成膜プロセス)に起因して膜中に欠陥が生じ易い。このため、欠陥を経由して水分が通過し、バリア性能が低下してしまう。無機材料層12A上に、有機材料を含む機能層12Bが形成されることで、そのような無機材料層12Aの欠陥によるバリア性能の低下が抑制される。
【0049】
図5に、本実施の形態の比較例に係るバリア基板(バリア基板100)の断面構成について示す。バリア基板100では、支持基板101上に、無機材料層102および有機平坦化層103がこの順に積層されている。このバリア基板100では、無機材料層102上に有機平坦化層103が形成されることで、無機材料層102の膜中の欠陥に起因するバリア性能の低下を抑制することができる。
【0050】
しかしながら、有機平坦化層103は、無機材料層102に対して密着性が悪く、剥がれ易い。特に、バリア基板100が高温プロセスを経る場合には、有機平坦化層103に用いられる有機材料は耐熱性を有することが望ましいが、このような耐熱性を有する有機材料は、無機材料層102に対して密着性が悪い。このため、無機材料層102と有機平坦化層103とが剥離し、有機平坦化層103を設けたことによる効果(バリア性能の低下を抑制する効果)を十分に得られなくなってしまう。
【0051】
これに対し、本実施の形態のバリア基板10では、無機材料層12A上に形成された機能層12Bが、剥離抑制機能を有している。具体的には、本実施の形態では、機能層12Bが、無機材料層12Aの側から順に、剥離抑制層12B1と有機平坦化層12B2とを有している。剥離抑制層12B1により、無機材料層12Aと機能層12B(有機平坦化層12B2)との間の剥離が抑制され(密着性が向上し)、剥離によるバリア性能の低下が抑制される。換言すると、有機平坦化層12B2を設けたことによる効果(バリア性能の低下を抑制する効果)を十分に得ることができる。
【0052】
また、機能層12Bの剥離抑制機能により、有機平坦化層12B2に高耐熱性を有する材料(例えばポリイミド等)を用いることができ、無機材料層12Aと機能層12Bとの積層構造によりバリア性能を高めつつ、プロセス耐性をも向上させることができる。
【0053】
更に、支持基板11がフレキシブル性を有する場合、バリア基板10には曲げ応力が生じるが、機能層12Bの剥離抑制機能により、曲率半径の小さな曲げ応力に対しても剥がれにくくなり、曲げ応力に対する耐性を向上させることができる。したがって、フレキシブルディスプレイに好適なバリア基板10および表示装置1を実現可能となる。
【0054】
加えて、バリア基板10では、機能層12Bの上に更に無機材料層12Cを有することで、迷路効果により、より水分を透過しにくい積層構造を実現することができる。したがって、無機材料層12Cを有することで、バリア性能をより向上させることができる。
【0055】
以上のように、本実施の形態では、支持基板11上に形成された無機材料層12Aの上に、有機材料を含む機能層12Bを形成するようにしたので、無機材料層12Aの膜質に起因するバリア性能の低下を抑制することができる。この機能層12Bが剥離抑制機能を有する(剥離抑制層12B1を有する)ことで、無機材料層12Aと機能層12B(有機平坦層層12B2)とが剥がれにくくなり、剥離によるバリア性能の低下を抑制することができる。よって、バリア性能を向上させることが可能となる。
【0056】
次に、本開示の他の実施の形態および変形例について説明する。以下では、上記第1の実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0057】
<第2の実施の形態>
図6は、本開示の第2の実施の形態に係るバリア基板(バリア基板10A)の断面構成を表したものである。バリア基板10Aは、上記第1の実施の形態のバリア基板10と同様、有機ELディスプレイ等の表示装置1あるいは他の様々な半導体装置の水分バリアとして適用されるものである。
【0058】
バリア基板10Aは、上記第1の実施の形態のバリア基板10と同様、素子部13を支持すると共に、素子部13への水分の浸入を抑制する役割を有するものである。このバリア基板10Aは、支持基板11上に、第1バリア膜12として、例えば無機材料層12Aと、有機平坦化層12B3(機能層、第2の有機平坦化層)と、無機材料層12Cとをこの順に含む積層膜を有している。
【0059】
有機平坦化層12B3は、有機材料を含んで構成され、剥離抑制機能を有する機能層である。この有機平坦化層12B3は、無機材料層12Aの表面を平坦化すると共に、無機材料層12Aからの剥離を抑制する(無機材料層12Aに対する密着性を高める)ように構成されている。
【0060】
有機平坦化層12B3に用いられる有機材料は、耐熱性を有することが望ましい。これは、上記第1の実施の形態のバリア基板10と同様、例えばバリア基板10A上に、上述のような素子部13を形成する場合、素子部13の形成過程において高温プロセスを経るためである。有機平坦化層12B3においても、高耐熱性を有する有機材料として、例えばポリイミドを好適に用いることができる。
【0061】
本実施の形態では、この有機平坦化層12B3が、ケイ素(Si)を含んで構成されている。具体的には、有機平坦化層12B3は、上記有機材料(例えばポリイミド)と反応する反応性官能基と、無機材料層12Aの表面と化学結合を形成する加水分解性基とを有するシラン化合物を含む。そのようなシラン化合物の一例としては、シランカップリング剤が挙げられる。これにより、有機平坦化層12B3では、無機材料層12Aに対する密着性を高めることができる。
【0062】
この有機平坦化層12B3の厚みは、例えば5μm以上20μm以下である。
【0063】
本実施の形態のバリア基板10Aでは、無機材料層12A上に形成された有機平坦化層12B3が、剥離抑制機能を有している。具体的には、本実施の形態では、有機平坦化層12B3が、有機材料と、ケイ素とを含んで構成されている。これにより、無機材料層12Aと有機平坦化層12B3との間の剥離が抑制され(密着性が向上し)、剥離によるバリア性能の低下を抑制することができる。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0064】
また、有機平坦化層12B3の剥離抑制機能により、有機平坦化層12B3に高耐熱性を有する材料(例えばポリイミド等)を用いることができ、上記第1の実施の形態と同様、無機材料層12Aと有機平坦化層12B3との積層構造によりバリア性能を高めつつ、プロセス耐性をも向上させることができる。
【0065】
更に、支持基板11がフレキシブル性を有する場合、バリア基板10Aには曲げ応力が生じるが、有機平坦化層12B3の剥離抑制機能により、そのような曲げ応力に対する耐性を向上させることができる。したがって、上記第1の実施の形態と同様、フレキシブルディスプレイに好適なバリア基板10Aを実現可能となる。
【0066】
加えて、バリア基板10Aでは、有機平坦化層12B3の上に更に無機材料層12Cを有することで、迷路効果により、より水分を透過しにくい積層構造を実現することができる。したがって、上記第1の実施の形態と同様、無機材料層12Cを有することで、バリア性能をより向上させることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、有機平坦化層12B3の成膜時において、有機材料にシランカップリング剤等を添加するだけでよいので、上記第1の実施の形態に比べ、成膜工程を削減することができる。
【0068】
<変形例1>
図7は、変形例1に係るバリア基板の断面構成を表したものである。上記実施の形態では、本開示の機能層が、剥離抑制層12B1および有機平坦化層12B2を含む積層膜である場合、あるいはケイ素を含む有機平坦化層12B3である場合について説明したが、機能層の構成はこれに限定されるものではない。例えば、本変形例のように、機能層として、剥離抑制層12B1と、ケイ素を含む有機平坦化層12B3とを含む積層膜が用いられてもよい。本変形例のバリア基板では、支持基板11上に形成された第1バリア膜12において、無機材料層12A上に、剥離抑制層12B1と、有機平坦化層12B3と、無機材料層12Cとがこの順に積層されている。
【0069】
本変形例では、無機材料層12A上に、剥離抑制層12B1と、ケイ素を含む有機平坦化層12B3とが設けられることで、無機材料層12Aと有機平坦化層12B3との剥離を抑制することができる。よって、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。また、剥離抑制層12B1と、有機平坦化層12B3との両方が剥離抑制機能を有するので、上記第1および第2の実施の形態よりも、強固な密着性を実現することが可能である。
【0070】
<変形例2>
図8は、変形例2に係るバリア基板の断面構成を表したものである。上記第1実施の形態では、機能層12Bにおいて剥離抑制層12B1が、無機材料層12A上の全面にわたって形成された構成を例示したが、この剥離抑制層12B1は、本変形例のように、無機材料層12A上の選択的な領域にのみ形成されていても構わない。具体的には、剥離抑制層12B1は、例えば無機材料層12A上に離散して(複数の領域に)形成することができる。あるいは、剥離抑制層12B1は、無機材料層12Aの表面のうちの端部(周縁部)のみ、もしくは端部を含む選択的な領域に形成されてもよい。
【0071】
本変形例のように、剥離抑制層12B1が選択的な領域にのみ形成された場合にも、無機材料層12Aと有機平坦化層12B2との剥離を抑制することができ、上記第1の実施の形態とほぼ同等の効果を得ることができる。但し、密着性をより高め、バリア性能を向上させるためには、上記第1の実施の形態のように、剥離抑制層12B1が無機材料層12Aの全面にわたって形成されることが望ましい。
【0072】
<変形例3>
図9は、変形例3に係る表示装置の断面構成を表したものである。上記第1の実施の形態の表示装置1では、第2バリア膜14が素子部13の内部に形成された構成を例示したが、本変形例のように、第2バリア膜(第2バリア膜15)は、素子部13上に形成されていてもよい。即ち、本変形例では、第1バリア膜12を含むバリア基板10と、第2バリア膜15との間に、素子部13が設けられている。第2バリア膜15の各層は、例えば素子部13上(詳細には、第2基板144上)に、順次成膜することができる。
【0073】
第2バリア膜15は、例えば素子部13の側から順に、無機材料層15A(第3の無機材料層)と、有機平坦化層15B(第3の有機平坦化層)と、無機材料層15C(第4の無機材料層)とを有している。
【0074】
無機材料層15A,15Cは、上記第1の実施の形態の無機材料層12Aと同様、水分バリア性を有する無機材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンおよび酸化アルミニウム等を含んで構成されている。無機材料層15A,15Cの材料および厚みは互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、無機材料層15Cは、必ずしも設けられてなくともよいが、有機平坦化層15Bを挟んで無機材料層15A,15Cが設けられることで、第2バリア膜15におけるバリア性能をより高めることができる。
【0075】
有機平坦化層15Bは、有機材料を含んで構成されている。ここで、第2バリア膜15は、素子部13を形成した後に、形成される。このため、第2バリア膜15の有機平坦化層15Bでは、第1バリア膜12の有機平坦化層12B2と異なり、耐熱性の有無は問われない。したがって、有機平坦化層15Bでは、有機平坦化層12B2に比べ、材料選択の自由度が高い。
【0076】
本変形例のように、第2バリア膜15は素子部13よりも上に設けられていてもよく、この場合にも、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0077】
以上、実施の形態および適用例を挙げて説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。上記実施の形態等において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件等は限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0078】
尚、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0079】
また、本開示は以下のような構成をとることも可能である。
(1)
基板と、
前記基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1の無機材料層と、
前記第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層と
を備えた
半導体装置用基板。
(2)
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料を含む第1の有機平坦化層と
を有する
上記(1)に記載の半導体装置用基板。
(3)
前記剥離抑制層は、チタン(Ti)、酸化チタン(TiOx)、アルミニウム(Al)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化インジウム亜鉛(IZO)および酸化インジウム錫(ITO)のうちの少なくとも1種を含む
上記(2)に記載の半導体装置用基板。
(4)
前記剥離抑制層は金属膜から構成され、
前記剥離抑制層の厚みは、10nm以下である
上記(2)または(3)に記載の半導体装置用基板。
(5)
前記機能層は、前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層である
上記(1)に記載の半導体装置用基板。
(6)
前記第2の有機平坦化層は、シランカップリング剤を含む
上記(5)に記載の半導体装置用基板。
(7)
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層と
を有する
上記(1)に記載の半導体装置用基板。
(8)
前記有機材料は、耐熱性を有する
上記(1)ないし(7)のいずれか1つに記載の半導体装置用基板。
(9)
前記有機材料は、ポリイミド(PI)である
上記(8)に記載の半導体装置用基板。
(10)
前記機能層上に形成されると共に、水分バリア性を有する第2の無機材料層を、更に備えた
上記(1)ないし(9)のいずれか1つに記載の半導体装置用基板。
(11)
前記基板は可撓性を有する
上記(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の半導体装置用基板。
(12)
基板と、
前記基板上に形成されると共に、水分バリア性を有する第1のバリア膜と、
前記第1のバリア膜上に形成されると共に、複数の画素を含む素子部と
を備え、
前記第1のバリア膜は、前記基板の側から順に、
水分バリア性を有する第1の無機材料層と、
前記第1の無機材料層上に形成され、有機材料を含むと共に剥離抑制機能を有する機能層と
を有する
表示装置。
(13)
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料を含む第1の有機平坦化層と
を有する
上記(12)に記載の表示装置。
(14)
前記機能層は、前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層である
上記(12)に記載の表示装置。
(15)
前記機能層は、前記第1の無機材料層の側から順に、
金属および金属酸化物のうちの少なくとも一方を含む剥離抑制層と、
前記有機材料と、ケイ素(Si)とを含む第2の有機平坦化層と
を有する
上記(12)に記載の表示装置。
(16)
前記第1のバリア膜は、更に、前記機能層上に、水分バリア性を有する第2の無機材料層を有する
上記(12)ないし(15)のいずれか1つに記載の表示装置。
(17)
前記素子部の内部または前記素子部よりも上に、水分バリア性を有する第2のバリア膜を更に備えた
上記(12)ないし(16)のいずれか1つに記載の表示装置。
(18)
前記第2のバリア膜は、前記基板の側から順に、
水分バリア性を有する第3の無機材料層と、有機材料を含む第3の有機平坦化層と、水分バリア性を有する第4の無機材料層とを有する
上記(17)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0080】
1…表示装置、10…バリア基板、11…支持基板、12…第1バリア膜、13…素子部、14,15…第2バリア膜、12A,12C,14A,14C,15A,15C…無機材料層、12B…機能層、12B1…剥離抑制層、12B2,12B3,14B,15B…有機平坦化層、13R,13G,13B…有機EL素子、131…TFT。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9