特開2017-217112(P2017-217112A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニ・チャーム株式会社の特許一覧
<>
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000003
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000004
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000005
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000006
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000007
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000008
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000009
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000010
  • 特開2017217112-尿取りパッド 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-217112(P2017-217112A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】尿取りパッド
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/53 20060101AFI20171117BHJP
   A61F 13/534 20060101ALI20171117BHJP
   A61F 13/535 20060101ALI20171117BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20171117BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20171117BHJP
【FI】
   A61F13/53 100
   A61F13/534 100
   A61F13/535 200
   A61F13/535 100
   A61F13/511 110
   A61F13/47 100
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-112183(P2016-112183)
(22)【出願日】2016年6月3日
(11)【特許番号】特許第6117408号(P6117408)
(45)【特許公報発行日】2017年4月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(72)【発明者】
【氏名】村井 隆将
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA01
3B200BB03
3B200BB17
3B200CA11
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB06
3B200DB11
3B200DB12
3B200DB19
3B200DB23
3B200DC04
3B200DC09
(57)【要約】
【課題】吸収体が崩れる事態を防止しつつ、吸収体に許容される容量近くまで尿を吸収することが可能な尿取りパッドを提供する。
【解決手段】尿取りパッドは表面シート120と裏面シート130と吸収体140とを備える。吸収体140は、肌側に位置する上層吸収体140aと、非肌側に位置する下層吸収体140bと、を備える。上層吸収体140aは、排尿領域に、長手方向に延設され、表面シート側の面から厚さ方向に上層吸収体の内部に延びる上層溝部141aをする。下層吸収体140bは、吸収性コア144と、吸収性コアを包む被覆シート145と、を含む。被覆シートは、吸収性コアの非肌側の面及び幅方向の両側面を覆い、かつ被覆シートの幅方向の両端縁同士が吸収性コアの肌側で重なり合った状態で吸収性コアの肌側の面を覆うように、吸収性コアを包み込んでいる。吸収性コアの肌側の面は被覆シートと非接合である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを備え、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有する尿取りパッドであって、
前記吸収体は、肌側に位置する上層吸収体と、非肌側に位置する下層吸収体と、を備え、
前記上層吸収体は、排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記表面シート側の面から前記厚さ方向に前記上層吸収体の内部に延びる上層溝部を有し、
前記下層吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを包む被覆シートと、を含み、
前記被覆シートは、前記吸収性コアの非肌側の面及び前記幅方向の両側面を覆い、かつ前記被覆シートの前記幅方向の両端縁同士が前記吸収性コアの肌側で重なり合った状態で前記吸収性コアの肌側の面を覆うように、前記吸収性コアを包み込んでおり、
前記吸収性コアの肌側の面は前記被覆シートと非接合である、
尿取りパッド。
【請求項2】
前記上層吸収体の非肌側の面と、前記被覆シートの肌側の面とは非接合である、
請求項1に記載の尿取りパッド。
【請求項3】
前記上層吸収体は、前記下層吸収体よりも前記幅方向に広く、
前記下層吸収体よりも広い部分は前記裏面シートと接合している
請求項1又は2に記載の尿取りパッド。
【請求項4】
前記長手方向において、前記尿取りパッドの両端部での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量は、前記尿取りパッドの前記両端部以外での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量よりも大きい、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項5】
前記上層吸収体の上層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記下層吸収体の前記吸収性コアは、前記排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記厚さ方向に窪んだ下層溝部を有し、
前記下層溝部は、前記上層溝部の少なくとも一部と前記厚さ方向に重なる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項6】
前記吸収性コアの前記下層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記吸収性コアにおける前記下層溝部の非肌側の端縁を囲む領域は、前記被覆シートと接合されている、
請求項5に記載の尿取りパッド。
【請求項7】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記下層溝部の前記腹側方向の下層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記下層溝部の前記背側方向の下層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記下層腹側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項5又は6に記載の尿取りパッド。
【請求項8】
前記下層溝部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項9】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項10】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記幅方向の一方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の一方の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記幅方向の他方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の他方の端部との距離は、前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記一方及び他方の上層幅方向端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項11】
前記上層吸収体及び前記下層吸収体は、高分子吸収体とパルプ繊維とを含んでおり、
前記高分子吸収体と前記パルプ繊維とを合わせた坪量に対する前記高分子吸収体の坪量の割合は、前記上層吸収体の方が前記下層吸収体の方よりも大きい、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項12】
前記表面シートは、肌側の表面に凸部を形成された不織布であり、
前記不織布のうち前記凸部における厚さ方向配向繊維の含有率が、前記不織布のうち前記凸部以外の部分における厚さ方向配向繊維の含有率よりも大きく、
前記不織布の湿潤時厚みが、前記不織布の乾燥時厚みの85%以上である、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿取りパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
尿取りパッドは、おむつの中に配置されて使用される尿吸収用のパッドであり、例えば寝たきりの人や体の不自由な人などに利用される。したがって、ある程度の長時間で装着されることが想定されるので、それに見合った多量の尿を吸収可能であることが要求される。一方で、多量の尿を吸収すると、吸収体が崩れる可能性があり、吸収体が崩れる事態を起こさせずに、多量の尿を吸収可能にする技術が検討されている。
【0003】
吸収体の吸収性能を高める技術として、例えば特許文献1に使いすておむつが開示されている。特許文献1の使いすておむつでは、吸収体を包む親水性シートとトップシートとの間、及び/又は、親水性シートと吸収体との間、が接着剤で接着固定され、長手方向に延び、幅方向の中央に位置する長手方向中央帯域の接着剤量が、長手方向に延び、幅方向の両側に位置する長手方向両側縁帯域の接着剤量よりも少ない。すなわち、長手方向中央帯域での接着剤の塗布量を少なくし、尿が吸収体に向かうときにその接着剤で妨げられないようにすることで、吸収性能を損なわないようにしつつ、接着剤を塗布していることで、吸収体が崩れる事態を防止しようとしている。また、特許文献2には、吸収性物品において、トップシートに形成され、透液性及び肌触りを向上させる凸部の形状を湿潤状態でも維持可能にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−17470号公報
【特許文献2】特許第5683742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の使い捨ておむつでは、トップシートとバックシートとの周縁部分での接合及びバックシートと親水性シートとの接合については明細書及び図面に明示されていないが、技術的常識を考慮するといずれも互いに接着剤で接着固定されていると考えられる。その場合、親水性シートの肌側の部分及び非肌側の部分がいずれも接着剤で他の部材に固定されていることになり、親水性シートで囲まれた領域の容積を大きくすることはできない。そうなると、吸収体が尿を吸収して膨潤しようとしても、親水性シートに膨潤を妨げられて親水性シートで囲まれた領域の容積までしか膨潤できず、よって吸収体の尿の吸収量が制限を受けてしまう。その結果、吸収体を、容量の限界まで使用することができず、すなわち吸収体に許容される容量近くまで尿を吸収することができず、吸収体での吸収性能を十分に生かし切れないおそれがある。そうなると、一つの使い捨ておむつに吸収可能な尿の量が少なくなり、例えば寝たきりの人や体の不自由な人などにおいて夜間での使い捨ておむつの交換の回数が増加して、それらの人やそれらの介護者にとって排泄に係る負担が増加してしまう。
【0006】
本発明の目的は、吸収体が崩れる事態を防止しつつ、吸収体に許容される容量近くまで尿を吸収することが可能な尿取りパッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の尿取りパッドは、(1)液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを備え、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有する尿取りパッドであって、前記吸収体は、肌側に位置する上層吸収体と、非肌側に位置する下層吸収体と、を備え、前記上層吸収体は、排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記表面シート側の面から前記厚さ方向に前記上層吸収体の内部に延びる上層溝部を有し、前記下層吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを包む被覆シートと、を含み、前記被覆シートは、前記吸収性コアの非肌側の面及び前記幅方向の両側面を覆い、かつ前記被覆シートの前記幅方向の両端縁同士が前記吸収性コアの肌側で重なり合った状態で前記吸収性コアの肌側の面を覆うように、前記吸収性コアを包み込んでおり、前記吸収性コアの肌側の面は前記被覆シートと非接合である、尿取りパッド。
【0008】
本尿取りパッドでは、上層吸収体には表面シート側の面から下層吸収体へ向かって窪んだ上層溝部を形成すると共に、下層吸収体の吸収性コアの肌側の面を被覆シートと非接合にしている、すなわち吸収性コアの膨潤に応じて、被覆シートの幅方向の両端縁が外側に移動してゆき、被覆シートの内側の領域の容積を大きくすることができるようにしている。それにより、排泄された尿の大部分を排尿領域の上層溝部を介して下層吸収体の内部へ移動させ吸収させることができると共に、下層吸収体での尿の吸収量が多くなって下層吸収体の吸収性コアが膨潤しても、被覆シートが吸収性コアの膨潤を妨げることを抑制できる。その結果、下層吸収体が尿の吸収量の制限を受けることはなく、吸収体をその容量の限界まで使用することができる。このとき、下層吸収体の吸収性コアが膨潤して、吸収性コアの肌側の面の一部が被覆シートに覆われなくなり、吸収性コアが崩れるおそれがある。しかし、吸収性コアの肌側には上層吸収体が位置しているので、被覆シートで覆われなくなった吸収性コアの肌側の面を上層吸収体で覆うことで、吸収体が崩れる事態を防止できる。このようにして、吸収体が崩れることを防止しつつ、吸収体をその容量の限界近くまで使用することができる。すなわち尿取りパッドにおいて吸収性能を十分に生かすことができ、着用者や着用者を介護する介護者の負担を減らすことが可能となる。
【0009】
本発明の尿取りパッドは、(2)前記上層吸収体の非肌側の面と、前記被覆シートの肌側の面とは非接合である、上記(1)に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、上層吸収体と下層吸収体の被覆シートとが接合されていないので、被覆シートは、上層吸収体による移動がより制限されなくなる。それにより、下層吸収体の吸収性コアが膨潤したとき、被覆シートの重なり合った両端縁は上層吸収体に妨げられずにより容易に幅方向の外側に移動することができる。それにより、吸収体が崩れることを防止しつつ、吸収体をその容量の限界近くまで使用することができる。
【0010】
本発明の尿取りパッドは、(3)前記上層吸収体は、前記下層吸収体よりも前記幅方向に広く、前記下層吸収体よりも広い部分は前記裏面シートと接合している、上記(1)又は(2)に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、上層吸収体が下層吸収体よりも幅方向に広く、その広い部分が裏面シートと接合している。その場合、幅方向において、下層吸収体は尿を吸収して膨潤し、その両端縁がその広い部分と裏面シートとの接合部分まで達すると、下層吸収体の略中央部分が上層吸収体の側、すなわち肌側へ凸な形状になり、下層吸収体の幅方向の変形が吸収される。その変形により、着用者の排尿領域に吸収体がより近づく形態となり、排泄された尿の大部分を排尿領域の上層溝部から下層吸収体の内部へ移動させ吸収させ易くできる。それにより、吸収体が崩れることを防止しつつ、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用することができる。
【0011】
本発明の尿取りパッドは、(4)前記長手方向において、前記尿取りパッドの両端部での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量は、前記尿取りパッドの前記両端部以外での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量よりも大きい、上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
吸収性コアが尿を吸収して膨潤が進むと、吸収体の膨らむ力が強くなり過ぎて長手方向の両端部に隙間が生じ、長手方向の両端部から吸収性コアが崩れるおそれがある。本尿取りパッドでは、尿取りパッドの長手方向の両端部にて接着剤が多く塗布されているので、そのような長手方向の両端部から吸収体が崩れる事態を防止できる。それにより、吸収体が崩れることを防止しつつ、吸収体をその容量の限界近くまで使用することができる。
【0012】
本発明の尿取りパッドは、(5)前記上層吸収体の上層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、前記下層吸収体の前記吸収性コアは、前記排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記厚さ方向に窪んだ下層溝部を有し、前記下層溝部は、前記上層溝部の少なくとも一部と前記厚さ方向に重なる、上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、下層吸収体にも下層溝部が形成されているので、非肌側に尿をより下層吸収体の内部へ引き込むことができ、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。また、尿が表面シートに拡がって湿った状態となることを抑制でき、吸収体をその容量の限界近くまで使用しても、着用者の肌が湿った状態になることを抑制でき、肌を乾燥した状態に維持することができる。
【0013】
本発明の尿取りパッドは、(6)前記吸収性コアの前記下層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、前記吸収性コアにおける前記下層溝部の非肌側の端縁を囲む領域は、前記被覆シートと接合されている、上記(5)に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、吸収性コアにおける下層溝部の非肌側の端縁を囲む領域が、被覆シートと接合されているので、下層溝部の非肌側の端縁の位置が固定される。それにより、着用者の動きや尿の流通にかかわらず、下層溝部の形状を維持することができる。それにより尿を下層吸収体に引き込む性能を維持することができ、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0014】
本発明の尿取りパッドは、(7)前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、前記下層溝部の前記腹側方向の下層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記下層溝部の前記背側方向の下層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、前記下層腹側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、上記(5)又は(6)に記載の尿取りパッド、であってもよい。
下層腹側端部の壁面は、下層背側端部の壁面よりも尿取りパッドの端部に近いので、下層腹側端部から漏れ出た尿は、上層溝部を介して尿取りパッドの端部に相対的に到着し易い。本尿取りパッドでは、下層腹側端部の壁面を、下層背側端部の壁面よりも、下層溝部内の底面に対して垂直に近く、より急峻にしている。そのため、下層腹側端部から上層溝部を介して尿取りパッドの端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。尿をより下層吸収体の内部へ引き込むことができる。それにより、尿を漏らすことなく、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0015】
本発明の尿取りパッドは、(8)前記下層溝部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、上記(5)乃至(7)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、下層溝部の壁面を、上層溝部の壁面よりも、溝部内の底面に対して垂直に近く、より急峻にしている。そのため、上層溝部の壁面が緩やかなので、上層溝部を介して尿を下層溝部へより引き込み易くなり、かつ、下層溝部の壁面が急峻なので一度引き込んだ尿を外部へ漏れ難くすることができる。それにより、尿を漏らすことなく、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0016】
本発明の尿取りパッドは、(9)前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、上記(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
上層腹側端部の壁面は、上層背側端部の壁面よりも尿取りパッドの端部に近いので、上層腹側端部から漏れ出た尿は、尿取りパッドの端部に相対的に到着し易い。本尿取りパッドでは、上層腹側端部の壁面を、上層背側端部の壁面よりも、上層溝部内の底面に対して垂直に近く、より急峻にしている。そのため上層腹側端部から尿取りパッドの端部へ向かって尿を漏れ難くすることができ、尿をより下層吸収体の内部へ引き込むことができる。その結果、尿を漏らすことなく、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0017】
本発明の尿取りパッドは、(10)前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、前記上層溝部の前記幅方向の一方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の一方の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記幅方向の他方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の他方の端部との距離は、前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、前記一方及び他方の上層幅方向端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、上記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
上層幅方向端部の壁面は、上層腹側端部の壁面及び上層背側端部の壁面よりも尿取りパッドの端部に近いので、上層幅方向端部から漏れ出た尿は、尿取りパッドの端部に相対的に到着し易い。本尿取りパッドでは、上層幅方向端部の壁面を、上層腹側端部の壁面及び上層背側端部の壁面よりも、上層溝部内の底面に対して垂直に近く、より急峻にしている。そのため、上層幅方向端部から尿取りパッドの端部へ向かって尿を漏れ難くすることができ、尿をより下層吸収体の内部へ引き込むことができる。それにより、尿を漏らすことなく、吸収体をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0018】
本発明の尿取りパッドは、(11)前記上層吸収体及び前記下層吸収体は、高分子吸収体とパルプ繊維とを含んでおり、前記高分子吸収体と前記パルプ繊維とを合わせた坪量に対する前記高分子吸収体の坪量の割合は、前記上層吸収体の方が前記下層吸収体の方よりも大きい、上記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、下層吸収体の方が上層吸収体の方よりもパルプ繊維の割合が高くなっているため、尿をより下層吸収体の内部へ引き込むことができる。それにより、吸収体をその容量のより限界近くまで使用できる。
【0019】
本発明の尿取りパッドは、(12)前記表面シートは、肌側の表面に凸部を形成された不織布であり、前記不織布のうち前記凸部における厚さ方向配向繊維の含有率が、前記不織布のうち前記凸部以外の部分における厚さ方向配向繊維の含有率よりも大きく、前記不織布の湿潤時厚みが、前記不織布の乾燥時厚みの85%以上である、上記(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の尿取りパッド、であってもよい。
本尿取りパッドでは、表面シートが所定の特性を有し、肌側の表面に凸部を形成された不織布であるため、表面シートでの凸部の形状が維持され、表面シートの目詰まりが抑制されて、吸収体をその容量の限界の更により近くまで使用できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、吸収体が崩れる事態を防止しつつ、吸収体に許容される容量近くまで尿を吸収することが可能な尿取りパッドを提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態に係る尿取りパッドの平面図である。
図2図1に示す尿取りパッドの主要部の分解斜視図である。
図3図1のIII−III断面図である。
図4図1のIV−IV断面図である。
図5図1に示す尿取りパッドの吸収体の作用を説明する模式図である。
図6図1に示す尿取りパッドの溝部の長手方向形状を説明する模式図である。
図7図1に示す尿取りパッドの溝部の幅方向形状を説明する模式図である。
図8図1に示す尿取りパッドの表面シートの部分斜視図である。
図9図8の表面シートの製造方法を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態に係る尿取りパッドについて図面を参照して説明する。
【0023】
図1図4は本実施の形態に係る尿取りパッド100の構成を示している。ただし、図1は尿取りパッド100の平面図であり、図2は尿取りパッド100の主要部の分解斜視図であり、図3図1のIII−III断面図であり、図4図1のIV−IV断面図である。尿取りパッド100は、長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、幅方向Wの中心を通り、長手方向Lに延びる中央軸線CLと、長手方向Lの股間部(後述)の中心を通り、幅方向Wに延びる中央軸線CWを更に有する。中央軸線CLに向かう方向及び遠ざかる方向を、それぞれ幅方向Wの内側及び外側の方向とし、中央軸線CWに向かう方向及び遠ざかる方向を、長手方向Lの内側及び外側の方向とする。また、図1において、向って上方を長手方向Lの前方側又は腹側とし、向って下方を長手方向Lの後方側又は背側とする。また、本明細書において、尿取りパッド100を上面側から厚さ方向に見ることを単に「平面視」という。「肌側」及び「非肌側」とは、尿取りパッド100の着用者が尿取りパッド100を着用したとき、厚さ方向Tにおいて相対的に着用者の肌面に近い側及び遠い側をそれぞれ意味する。
【0024】
図1及び図2に示すように、尿取りパッド100は、長手方向に沿って並ぶ腹側部111、股間部112及び背側部113を有し、平面視にて、長手方向の股間部112の略中央がくびれた瓢箪形状を有する。尿取りパッド100が着用されるとき、腹側部111は着用者の腹部に当てられ、股間部112は着用者の股間部に当てられ、背側部113は着用者の尻部及び/又は背部に当てられる。尿取りパッド100は、例えば長手方向Lの寸法は350〜880mmであり、幅方向Wの寸法は160〜460mmである。
【0025】
尿取りパッド100は、表面シート120と、裏面シート130と、吸収体140と、を備える。なお、尿取りパッド100の長手方向L、幅方向W及び厚さ方向T、肌側及び非肌側は、表面シート120、裏面シート130及び吸収体140と一致するので、表面シート120、裏面シート130及び吸収体140においても尿取りパッド100と同様に長手方向L、幅方向W及び厚さ方向T、肌側及び非肌側を用いる。
【0026】
表面シート120は、厚さ方向Tにおいて肌側に位置する液透過性シートである。表面シート120としては、例えば液透過性の不織布や織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、これらの複合シートなど、任意の液透過性シートが挙げられる。裏面シート130は、厚さ方向Tにおいて非肌側に位置する液不透過性のシートである。裏面シート130としては、例えば液不透過性の不織布や合成樹脂フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート、SMS不織布など、任意の液不透過性シートが挙げられる。吸収体140は、表面シート120と裏面シート130との間に位置する、液吸収性及び液保持性を有する部材である。吸収体140は、肌側に位置する上層吸収体140aと、非肌側に位置し、吸収性コア144とその吸収性コア144を包む被覆シート145とを含む下層吸収体140bとを備える。上層吸収体140a及び吸収性コア144の材料としては、例えばパルプ繊維、合成繊維、高分子吸収体などが挙げられる。被覆シート145としては、例えば不織布やティッシュが挙げられる。なお、吸収体140が有する層の数は任意であり、本実施の形態では、吸収体140は更に上層吸収体140aよりも肌側に位置する上層シート140cを含む。上層シート140cとしては、例えば不織布やティッシュが挙げられる。
【0027】
本実施の形態では、尿取りパッド100は一対の防漏壁160、160と、外装シート170と、を更に備える。一対の防漏壁160、160は、表面シート120の幅方向Wの両側に位置し、長手方向Lに延在する液不透過性のシートである(図2で図示省略)。防漏壁160の幅方向Wの外側の端縁部は、表面シート120に固定された固定端であり、内側の端縁部は自由端である。防漏壁160の自由端には、長手方向Lに延在する弾性部材(図示されず)が設けられ、一対の防漏壁160、160は着用時に肌側に立ち上がる。外装シート170は、裏面シート130の非肌側に位置する液不透過性のシートである(図1図2で図示省略)。防漏壁160や外装シート170の材料に特に制限はなく、例えば裏面シート130の材料が挙げられる。
【0028】
吸収体140の肌側の表面、すなわち上層シート140cの肌側の面と表面シート120とは互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合され、吸収体140の非肌側の表面、すなわち下層吸収体140bの非肌側の面と裏面シート130とは互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。また、表面シート120と裏面シート130とはそれらの周縁部分にて互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。また、一対の防漏壁160、160と表面シート120とは互いに所定パターンの接着剤(図示されず)によりに接合され、外装シート170と裏面シート130とは互いに所定パターンの接着剤(図示されず)によりに接合される。外装シート170と一対の防漏壁160、160とはそれらの周縁部分にて互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。接着剤の坪量(g/m)は、資材や性能等を考慮して適宜調整される。坪量は例えば0.5〜50g/m2、好ましくは1〜20g/m2である。接着剤の坪量は、尿取りパッド100における所定面積の資材(表面シート120、裏面シート130、吸収体140など)に塗布される接着剤の塗布量(質量)を、その所定面積で除算して算出する。
【0029】
上層吸収体140a及び下層吸収体140bの厚さ、坪量等は吸収体140の吸液性等を考慮して適宜調整される。上層吸収体140aの厚さは通常1.5〜5.0mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、坪量は通常150〜400g/m2、好ましくは200〜300g/m2である。下層吸収体140bの厚さは通常1.5〜5.0mm、好ましくは2.5〜3.5mmであり、坪量は通常150〜400g/m2、好ましくは200〜300g/m2である。吸収体の厚さの測定は、尿取りパッドから切り出した100mm×100mmの吸収体サンプルと、市販の厚さ測定器(例えば、PEACOCK社製JA257,測定面50mm(直径),測定圧3g/cm2)とを使用して、次の様に実施される。厚さ測定器により、吸収体サンプルの異なる5つの部位を定圧3g/cm2で加圧し、各部位における加圧10秒後の厚みを測定し、5つの測定値の平均値を厚み(mm)とする。吸収体の坪量の測定は、例えば次の通りである。吸収体から切り出された3個の試験片(10mm×10mm)の質量を直示天秤(例えば、研精工業株式会社製 電子天秤HF−300)で測定し、3個の試験片の質量の平均値から算出された吸収体の単位面積当たりの質量(g/m2)を、吸収体の坪量とする。
【0030】
上層吸収体140a及び下層吸収体140bは、吸収性能の観点から、高分子吸収体及びパルプ繊維を含んでいることが好ましい。その場合、高分子吸収体とパルプ繊維とを合わせた坪量(本実施の形態では吸収体の坪量)に対する高分子吸収体の坪量の割合、すなわち高分子吸収体の含有率は、上層吸収体140aの方が下層吸収体140bの方よりも大きいことが好ましい。言い換えると、高分子吸収体とパルプ繊維とを合わせた坪量に対するパルプ繊維の坪量の割合、すなわちパルプ繊維の含有率は、下層吸収体140bの方が上層吸収体140aの方よりも大きいことが好ましい。本尿取りパッド100では、下層吸収体140bの方が上層吸収体140aの方よりもパルプ繊維の割合が高くなっているため、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。それによ、吸収体140をその容量のより限界近くまで使用できる。高分子吸収体の坪量は、所定面積の吸収体に配合される高分子吸収体の配合量(質量)を、その所定面積で除算して算出する。パルプ繊維の坪量は、吸収体の坪量から高分子吸収体の坪量を減算して算出する。
【0031】
上層吸収体140aは、平面視で、長手方向Lに長く、股間部112における長手方向Lの略中央がくびれた略瓢箪形の形状を有する。下層吸収体140bは平面視で長手方向Lに長く、幅方向Wが短い略矩形状を有する。ただし、下層吸収体140bにおいて、長手方向Lの寸法は上層吸収体140aの長手方向Lの寸法よりも短く、幅方向Wの寸法は上層吸収体140aの幅方向Wの寸法よりも短い。したがって、上層吸収体140aの長手方向Lの両端縁は下層吸収体140bの長手方向Lの両端縁よりも長手方向Lの外側に位置しており、よって上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも長手方向Lの両側に広く形成されている。また、上層吸収体140aの幅方向Wの両端縁は、下層吸収体140bの幅方向Wの両端縁よりも長手方向Lの外側に位置しており、よって上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも幅方向Wの両側に広く形成されている。また、上層シート140cは平面視で長手方向Lが長く、幅方向Wの寸法が短い略矩形状である。ただし、上層シート140cの長手方向Lの寸法は上層吸収体140aの長手方向Lの寸法と同じで、幅方向Wの寸法は上層吸収体140aの幅方向Wの股間部112の寸法よりも長く、腹側部111及び背側部113の寸法よりも短い略矩形状である。なお、吸収体140の各構成の平面視の形状は任意である。
【0032】
図3及び図4に示すように、下層吸収体140bでは、吸収性コア144は、非肌側面144sc、肌側面144sa、及び、非肌側面144scと肌側面144saとの間の幅方向Wの両側面144sb、144sbを有する。また、被覆シート145(コアラップ)は、吸収性コア144を包み込んだとき非肌側面144scに対向する非肌側部分145sc、両側面144sb、144sbに対向する両側部分145sb、145sb、及び、肌側面144saに対向する部分であって、幅方向Wの両端部145e1、145e2を含む二つの肌側部分145sa1、145sa2を有する。そして、被覆シート145は、吸収性コア144の非肌側面144scを非肌側部分145scで覆い、吸収性コア144の幅方向Wの両側面144sb、144sbを両側部分145sb、145sbで覆い、及び、吸収性コア144の肌側面144saを二つの肌側部分145sa1、145sa2を重ね合わせて覆うことで、吸収性コア144を包み込んでいる。
【0033】
吸収体140において、上層シート140cの非肌側の面と上層吸収体140aの肌面側の面とは互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。また、被覆シート145の非肌側部分145scと吸収性コア144の非肌側面144scとは互いに所定パターンの接着剤(図示されず)により接合される。接着剤の坪量(g/m)は、尿取りパッド100の資材や性能等を考慮して適宜調整される。坪量は、通常0.5〜50g/m2、好ましくは1〜20g/m2である。
【0034】
一方、吸収性コア144の肌側面144saは被覆シート145と非接合である。すなわち、吸収性コア144の肌側面144sa(好ましくは両側面144sb、144sb)と被覆シート145の肌側部分145sa1、145sa2(好ましくは両側部分145sb、145sb)とは非接合であり、よって接着剤等により接合されておらず、更に、被覆シート145の肌側部分145sa1、145sa2における両端部145e1、145e2同士は非接合であり、よって接着剤等により接合されていない。
【0035】
吸収性コア144の肌側面144saが被覆シート145と非接合の場合の作用について説明する。図5は吸収体140の作用を模式的に説明する図である。図5(a)に示すように、尿取りパッド100の使用前には、吸収性コア144は、例えば幅方向Wの寸法W1、厚さ方向Tの寸法T1を有する。その後、尿取りパッド100が使用されて、吸収性コア144での尿の吸収量が増加すると、吸収性コア144が膨潤して、幅方向W及び厚さ方向Tに寸法が増加する。仮に、吸収性コア144の肌側面144sa上に位置する被覆シート145の肌側部分145sa1、145sa2が接着剤等で吸収性コア144に拘束されていると、被覆シート145の内側の領域の容積に上限ができる。その場合、吸収性コア144がその容積を超えて大きくなれず、尿の吸収が制限されてしまう。
【0036】
しかし、本実施の形態では、吸収性コア144の肌側面144sa上に位置する被覆シート145の肌側部分145sa1、145sa2や両側部分145sb、145sbが接着剤等で吸収性コア144に拘束されていない。それゆえ被覆シート145の肌側部分145sa1、145sa2や両側部分145sb、145sbは幅方向Wや厚み方向Tに容易に移動・変形ができ、被覆シート145の内側の領域の容積を増加させることができる。したがって下層吸収体140bでの尿の吸収量が多くなり、下層吸収体140bの吸収性コア144が膨潤して幅方向Wや厚さ方向Tに拡がっても、それに対応・追随して被覆シート145の肌側部分145sa1、145sa2や両側部分145sb、145sbも幅方向Wや厚さ方向Tに移動・変形できる。すなわち、被覆シート145が吸収性コア144の膨潤を妨げることを抑制できる。その結果、下層吸収体140bが尿の吸収量の制限を受けずに、吸収体140をその容量の限界まで使用することができる。例えば、図5(b)に示すように、吸収性コア144は、幅方向Wの寸法がW1より十分に大きいW2となり、厚さ方向Tの寸法がT1より十分に大きいT2となることができる。
【0037】
ただし、このとき、尿の吸収量が増加するにしたがって、下層吸収体140bの吸収性コア144が膨潤してゆき、図5(b)に示すように、いずれ吸収性コア144の肌側面144saの一部が被覆シート145に覆われなくなる場合が起こる。そうなると、一見、被覆シート145に被覆されなくなった吸収性コア144が崩れるとも考え得る。しかし、本実施の形態では、吸収性コア144の肌側には上層吸収体140aが位置しているので、被覆シート145で覆われなくなった吸収性コア144の肌側面144saを上層吸収体140aで覆うことで、吸収体140が崩れる事態を防止できる。この場合、被覆シート145と上層吸収体140aとは、被覆シート145の動きをあまり妨げない程度に接合していてもよい。
【0038】
本実施の形態では、更に、被覆シート145と上層吸収体140aとは非接合である。すなわち、被覆シート145の肌側部分145sa、145saと上層吸収体140aの非肌側の面とは非接合であり、よって接着剤等により接合されていない。したがって、被覆シート145は、上層吸収体140aによりその移動・変形がほとんど制限されない。それにより、下層吸収体140bの吸収性コア144が膨潤して幅方向Wの外側に拡がっても、被覆シート145の肌側部分145sa、145saも上層吸収体140aに妨げられることなくより容易に幅方向Wの外側に移動でき、よって被覆シート145の内側の領域の容積をより大きくすることができる。すなわち、被覆シート145が吸収性コア144の膨潤を妨げることをより的確に抑制できる。
【0039】
本実施の形態では、上述のように上層吸収体140aは下層吸収体140bよりも幅方向Wの両側に広く形成されている。このとき、上層吸収体140aにおける下層吸収体140bよりも幅方向Wに広い部分は非肌側において裏面シート130と接着剤で接合している。この場合、幅方向Wにおいて下層吸収体140bは尿を吸収して膨潤し、その両端縁がその広い部分と裏面シート130との接合部分まで達すると、幅方向Wにはそれ以上膨潤できなくなる。そのため、下層吸収体140bの略中央部分が上層吸収体140aの側、すなわち肌側へ盛り上がることで、下層吸収体140bの幅方向Wへの変形が吸収される。下層吸収体140bが肌側に凸となる変形により、着用者の排泄口が当接する領域、すなわち排尿領域に吸収体140がより近づく形態となり、排泄された尿の大部分を排尿領域の少なくとも上層溝部141a(後述)から下層吸収体140bの内部へ移動させ吸収させ易くできる。特に、本実施の形態では、吸収体140での尿の吸収量が多くなり(下層吸収体140bの膨潤が進み)、吸収速度が低下してくるときに、排尿領域が吸収体140に近づいて尿の吸収を促進できて好ましい。これらにより、吸収体140が崩れることを防止しつつ、吸収体140をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0040】
本実施の形態では、更に、上述のように上層吸収体140aは下層吸収体140bより長手方向Lの両側に広く形成されている。このとき、上層吸収体140aにおける下層吸収体140bよりも長手方向Lに広い部分は非肌側において裏面シートと接着剤で接合している。この場合も、上層吸収体140aが下層吸収体140bより幅方向Wの両側に広く形成されている場合と同様に、下層吸収体140bが肌側に凸となる変形を補助すると共に、排泄された尿の大部分を上層溝部141a(後述)から下層吸収体140bの内部へ移動させ吸収させ易くできる。
【0041】
本実施の形態では、長手方向Lにおいて、図1に示す尿取りパッド100の両端部E1、E2での表面シート120と裏面シート130との間の接着剤の坪量は、尿取りパッド100の両端部E1、E2以外での表面シート120と裏面シート130との間の接着剤の坪量よりも大きくしている。ここで、両端部E1、E2は、長手方向Lにおいて、尿取りパッド100の両端縁から内側に所定長さ分の領域であり、その領域の内側に吸収体140の両端の一部を含む領域である。例えば、尿取りパッド100の両端縁から尿取りパッド100の長さの20%程度の範囲である。吸収性コア144が尿を吸収して膨潤が進むと、吸収体140の膨らむ力が強くなり過ぎて長手方向Lの両端部E1、E2に厚み方向Tに隙間が生じて、長手方向Lの両端部E1、E2付近から吸収性コア144が崩れることが考え得る。しかし、本尿取りパッド100では、その尿取りパッド100の両端部E1、E2において接着剤が多く塗布されているので、その両端部E1、E2に隙間が生じて両端部E1、E2から吸収体140が崩れる事態を防止できる。それにより、吸収体140が崩れることを防止しつつ、吸収体140をその容量の限界近くまで使用することができる。
【0042】
本実施の形態において、幅方向Wにおいて、尿取りパッド100における平面視で吸収体140の存在しない吸収体非存在領域での表面シート120と裏面シート130との間の接着剤の坪量は、尿取りパッド100における平面視で吸収体140の存在する吸収体存在領域での表面シート120と裏面シート130との間の接着剤の坪量よりも大きくしていてもよい。吸収性コアが尿を吸収して膨潤が進むと、吸収体の膨らむ力が強くなり過ぎて幅方向Wの両端部にも隙間が生じ、幅方向Wの両端部から吸収性コア144が崩れることが考え得る。しかし、尿取りパッド100において、尿取りパッドの幅方向Wの両端部にて接着剤が多く塗布されている場合、そのような幅方向Wの両端部から吸収体が崩れる事態を防止できる。それにより、吸収体140が崩れることを防止しつつ、吸収体140をその容量の限界近くまで使用することができる。
【0043】
吸収体140では、図2及び図3に示すように、上層吸収体140aは肌側から非肌側に向かって厚さ方向Tに窪んだ上層溝部141aを有する。上層溝部141aは、本実施の形態では上層吸収体140aを厚さ方向Tに貫通する貫通孔である。上層溝部141aは、尿取りパッド100の股間部112に位置すると共に、吸収体140の幅方向Wの中心を通って長手方向Lに延在する。すなわち、上層溝部141aは排尿領域内に形成される。それにより、排泄された尿が表面シート120上を拡散する前に、すなわち尿取りパッド100の肌側表面をほとんど汚さずに、その尿を、上層溝部141aを介して下層吸収体140bの内部へ引き込むことができ、吸収体140をその容量の限界近くまで使用可能にすることできる。特に、本実施の形態では、上層溝部141aが貫通孔であるので、尿をより素早く下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。
【0044】
本実施の形態では、上層溝部141aが貫通孔であり、更に下層吸収体140bは肌側から非肌側に向かって厚さ方向Tに窪んだ下層溝部141bを有する。下層溝部141bは、本実施の形態では下層吸収体140bを厚さ方向Tに貫通する貫通孔である。下層溝部141bは、尿取りパッド100の股間部112に位置すると共に、吸収体140の幅方向Wの中心を通って長手方向Lに延在する。すなわち、下層溝部141bは、排尿領域内に形成される。また、上層溝部141a及び下層溝部141bは、平面視で少なくとも一部が重なるように形成される。それにより、排泄された尿が上層吸収体140aの上層溝部141aを介して下層吸収体140bに達したとき、その尿を、下層溝部141bを介して下層吸収体140bの更に内部へ引き込むことができ、吸収体140をその容量の限界近くまで使用可能にできる。特に、本実施の形態では、下層溝部141bが貫通孔であるため、尿をより素早く下層吸収体140bのより内部へ引き込むことができる。
【0045】
本実施の形態では、上層溝部141a及び下層溝部141bとしての両貫通孔の位置が、平面視で互いに一致するように(すなわち両貫通孔が互いに通じるように)形成される。その結果、吸収体140には、上層溝部141a及び下層溝部141bが厚さ方向Tに重なる溝部141が形成される。それにより、排泄された尿が上層吸収体140aの上層溝部141aを介して下層吸収体140bに達したとき、その尿をより確実に下層溝部141bへ導入でき、下層吸収体140bの更に内部へ引き込むことができる。尿を下層により引きこみ、下層吸収体140bで尿を吸わせることで上層吸収体140aへの液戻りを防いで、さらっと感を維持する、すなわちリウェットバックを減らすことができる。
【0046】
上層溝部141a及び下層溝部141bの平面視での長手方向Lの寸法(長さ)及び幅方向Wの寸法(幅)等は、上層吸収体140a及び下層吸収体140bのサイズ等を考慮して適宜調整される。上層溝部141aの幅は、通常5.0〜50mm、好ましくは10〜20mmである。下層溝部141bの幅は、上層溝部141aの幅と等しいか又はそれよりも狭く、通常5.0〜40mm、好ましくは10〜15mmである。上層溝部141aの長さは、通常50〜300mm、好ましくは50〜200mm、さらに好ましくは50〜150mmである。下層溝部141bの長さは、上層溝部141aの長さと等しいか又はそれよりも短く、通常30〜250mm、好ましくは30〜150mmである。上層溝部141aの幅及び長さが、下層溝部141bの幅及び長さと等しいか又はそれよりも大きいことにより、上層吸収体140a及び下層吸収体140bを積層する工程で多少のずれが生じたとしても、吸収体140の表面シート120側表面からみた溝部141の大きさがほぼ一定に保たれる。また、溝部141の内壁面に段差が生じ、溝部141の内表面積が大きくなるので、溝部141が形成された部分における吸収体140の尿吸収能が向上する。
【0047】
一般に吸収体がヨレてしまうのを防ぐため、吸収体を被覆シートにて被覆後では、熱融着したり、圧搾したりする手段がとられることがある。しかし、それらを行ってしまうと、吸収体の容積が減ってしまったり、尿を吸収して吸収体が膨潤してきたときに意図しない変形が発生して、尿が漏れてしまったりするおそれがある。そこで、本実施の形態では、そのような事態を防止するため、これら手段を実質的に施さないことが好ましい。
【0048】
図6及び図7は、吸収体140の溝部141及びその周辺部分について、長手方向Lに沿い幅方向Wに垂直な断面図及び幅方向Wに沿い長手方向Lに垂直な断面図をそれぞれ模式的に示している。これらの図において、上層シート140cの記載を省略し、吸収性コア144及び被覆シート145を一体的に下層吸収体140bとして記載している。ここで、上層溝部141aは、長手方向Lに沿い幅方向Wに対面配置された壁面SWU1、SWU2と、幅方向Wに沿い長手方向Lに対面配置された前側(腹側)の壁面FWU及び後側(背側)の壁面BWUと、を備える。また、下層溝部141bは、長手方向Lに沿い幅方向Wに対面配置された壁面SWL1、SWL2と、幅方向Wに沿い長手方向Lに対面配置された前側(腹側)の壁面FWL及び後側(背側)の壁面BWUと、を備える。ただし、図6において、長手方向Lの左側が前側(腹側)であり、右側が後側(背側)である。また、上層溝部141aの底面BUは、上層溝部141aが貫通孔の場合には、上層吸収体140aの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とする。同様に、下層溝部141bの底面BLは、下層溝部141bが貫通孔の場合には、下層吸収体140bの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とする。したがって、底面BU、BLは互いに平行である。
【0049】
図1及び図6から分るように、下層溝部141bの腹側方向の端部である下層腹側端部LL1と尿取りパッド100の腹側方向の端部との距離は、下層溝部141bの背側方向の端部である下層背側端部LL2と尿取りパッド100の背側方向の端部との距離よりも短い。そこで本実施の形態では、図6に示すように、下層腹側端部LL1の壁面FWLが下層溝部141b内の底面BLに対して成す角β1が、下層背側端部LL2の壁面BWLが下層溝部141b内の底面BLに対して成す角β2よりも底面BLに対して垂直に近く、すなわちより急峻にしている。ここで、下層腹側端部LL1から漏れ出た尿は、上層溝部141aを介して尿取りパッド100の腹側方向の端部に相対的に到着し易い。しかし、上記構成を有することで、下層腹側端部LL1から上層溝部141aを介して尿取りパッド100の腹側方向の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。その結果、尿を漏らすことなく、吸収体140をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0050】
図1及び図6から分るように、上層溝部141aの腹側方向の端部である上層腹側端部LU1と尿取りパッド100の腹側方向の端部との距離は、上層溝部141aの背側方向の端部である上層背側端部LU2と尿取りパッド100の背側方向の端部との距離よりも短い。そこで本実施の形態では図6に示すように、上層腹側端部LU1の壁面FWUが上層溝部141a内の底面BLに対して成す角α1が、上層背側端部LU2の壁面BWUが上層溝部141a内の底面BLに対して成す角α2よりも底面BUに対して垂直に近く、より急峻にしている。ここで、上層腹側端部LU1から漏れ出た尿は、尿取りパッド100の腹側方向の端部に相対的に到着し易い。しかし、上記構成を有することで、上層腹側端部LU1から尿取りパッド100の腹側方向の端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。その結果、尿を漏らすことなく、吸収体140をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0051】
本実施の形態では、図6及び図7に示すように、下層溝部141bの壁面FWL、BWL、SL1、SL2が下層溝部141b内の底面BLに対して成す角β1、β2、β3、β4は、上層溝部141aの壁面FWU、BWU、SU1、SU2が上層溝部141a内の底面BUに対して成す角α1、α2、α3、α4よりも底面BU、BLに対して垂直に近く、より急峻にしている。言い換えると、上層溝部141aの壁面FWU、BWU、SU1、SU2を下層溝部141bの壁面FWL、BWL、SL1、SL2よりも溝部141内の底面BL、BUに対してより緩やかにしている。したがって、上記構成を有すると、上層溝部141aの壁面FWU、BWU、SU1、SU2が緩やかなので、上層溝部141aを介して尿を下層溝部141bへより引き込み易くなり、かつ、下層溝部141bの壁面FWL、BWL、SL1、SL2が急峻なので一度引き込んだ尿を外部へ漏れ難くすることができる。それにより、尿を下層により引きこみ、下層吸収体140bで尿を吸わせることで上層吸収体140aへの液戻りを防いで、さらっと感を維持し(リウェットバックを減らし)、かつ、尿を漏らすことなく、吸収体140をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0052】
図1図6及び図7から分るように、上層溝部141aの幅方向Wの一方の上層幅方向端部WU1と尿取りパッド100の幅方向Wの一方の端部との距離、及び、上層溝部141aの幅方向Wの他方の上層幅方向端部WU2と、尿取りパッド100の幅方向Wの他方の端部との距離は、上層溝部141aの腹側方向の上層腹側端部LU1と尿取りパッド100の腹側方向の端部との距離、及び、上層溝部141aの背側方向の上層背側端部LU2と尿取りパッド100の背側方向の端部との距離よりも短い。本実施の形態では、図6及び図7に示すように、一方及び他方の上層幅方向端部WU1、WU2の壁面SU1、SU2が上層溝部141a内の底面BUに対して成す角α3、α4は、上層腹側端部LU1の壁面FWUが上層溝部141a内の底面BUに対して成す角α1、及び、上層背側端部LU2の壁面BWUが上層溝部141a内の底面BUに対して成す角α2よりも底面BUに対して垂直に近く、急峻にしている。上記構成により、上層幅方向端部WU1、WU2から尿取りパッドの端部へ向かって尿を漏れ難くすることができる。それにより、尿をより下層吸収体140bの内部へ引き込むことができる。その結果、リウェットバックを減らし、尿を漏らすことなく、吸収体140をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0053】
ただし、上記の各角度α1〜α4、β1〜β4の測定方法は以下の様に行う。(株)ビームセンス製のX線透視装置FLEX−M863を用いた。溝部を中心としてサンプルを20×40mmに切り取り、切片サンプルを0.2度ずつ回転させて360度スキャンを行う。その後、撮影した1800枚の画像をつなぎ合わせて3D画像を作成する。そして、3D画像から長手方向Lの断面図及び幅方向Wの断面図を抽出し、当該図から各角度α1〜α4、β1〜β4を測定した。ただし、底面BUは、上層溝部141aが貫通孔の場合には、上層吸収体140aの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とし、底面BLは、下層溝部141bが貫通孔の場合には、下層吸収体140bの非肌側の面を貫通孔に仮想的に延長させた平面とする。したがって、底面BU、BLは互いに平行である。
【0054】
本実施の形態では、吸収性コア144の下層溝部141bは厚さ方向Tに貫通している。この場合、吸収性コア144における下層溝部141bの非肌側の端縁を囲む領域(下層溝部141bの貫通孔を囲む環状の領域、少なくとも平面視で上層溝部141aの範囲)は、被覆シート145と接合する。そのような構成により、吸収性コア144における下層溝部141bの非肌側の端縁を囲む非肌側面144sc上の領域が、被覆シート145の非肌側部分145sc上に接着剤で接合されているので、下層溝部141bの非肌側の端縁の位置が被覆シート145上に固定される。それにより、着用者の動きや尿の流通によらず、下層溝部141bの形状を維持できる。それにより尿を下層吸収体に引き込む性能を維持することができ、吸収体140をその容量の限界のより近くまで使用できる。
【0055】
本実施の形態では、表面シート120は、肌側の表面に凸部を形成された不織布で形成される。図8は表面シート120(不織布)の部分斜視図である。表面シート120は、肌側表面121に、畝部122(凸部の一例)が形成されている。畝部122は、長手方向Lに延在し、幅方向Wに所定間隔で並んでおり、隣り合う2つの畝部122の間には1つの溝部123が形成されている。このような表面シート120は、排泄された尿が畝部122及び溝部123に沿って長手方向Lに広がりやすく、幅方向Wへの尿の広がり及びこれに起因する尿取りパッド100からの尿の漏れを防止でき、好ましい。なお、図1において、1つの畝部122は、隣り合う2本の線の間の領域として示されており、1つの溝部123は1本の線によって示されている。また、図の簡略化のため、図1では、肌側表面121に形成された畝溝構造124の一部が省略され、図2図4では畝溝構造124は省略されている。
【0056】
また、表面シート120のうち畝部122(凸部)における厚さ方向Tの配向繊維の含有率は、表面シート120のうち凸部以外の部分における厚さ方向Tの配向繊維の含有率よりも大きく、表面シート120の湿潤時厚みが、表面シート120の乾燥時厚みの85%以上であることが好ましい。表面シート120が肌側表面121を有する第1の繊維層と、第1の繊維層よりも吸収体側に位置する第2の繊維層とを有し、第1の繊維層が、耐久親水性を有する繊維で構成され、第2の繊維層が耐久親水性を有する繊維と、非耐久親水性を有する繊維層とで構成されていることがより好ましい。
【0057】
畝部122の厚さt1は例えば0.3〜1.5mmであり、幅w1は例えば2.0〜5.0mmである。一方、溝部123の厚さt2は例えば0.1〜0.5mmであり、幅w2は例えば1.0〜3.0mmである。畝部の厚さの測定は、レーザー変位計(例えば、キーエンス株式会社製:高精度2次元レーザー変位計LJ−Gシリーズ(型式:LJ−G030))を用い、尿取りパッドから切り出した100mm×100mmの表面シート試料を水平の測定台の上に置き、異なる5つの畝部について、測定台からの変位をレーザー変位計で測定し、5つの測定値の平均値を畝部の厚み(mm)とする。同様に、異なる5つの溝部について、測定台からの変位をレーザー変位計で計測し、5つの測定値の平均値を溝部の厚み(mm)とする。畝部の幅の測定は、無加圧状態における表面シート試料の平面写真又は平面画像に基づいて、畝部と、その両側に位置する2つの溝部との境界線間の距離として計測される。溝部の幅も同様である。
【0058】
表面シート120が上記のような所定の特性を有し、肌側表面121に畝部122(凸部)を有しているので、尿取りパッド100が多量の尿を吸収しても、表面シート120での凸部の形状が維持され、尿の固形成分による表面シート120の目詰まりが抑制されて、吸収体140をその容量の限界の更により近くまで使用できる。
【0059】
このような不織布の製造方法としては、例えば、特許第5683742号公報に記載された方法を用いることができる。この方法によれば、図9に模式的に示す製造装置において、ウェブWを通気性支持部材310(例示:網状支持部材)に載置し、通気性支持部材310を所定方向に移動させながら、噴射部330に所定間隔で形成された複数の噴射口332から気体GをウェブWの上面に連続的に噴射する。通気性支持部材310を通り抜けた気体Gは、噴射部330の下方に配置された吸気部によって吸引される。ウェブWの上面のうち、気体Gが噴射された領域には、通気性支持部材310の移動方向に延在する溝部123が形成されるとともに、隣り合う2つの溝部123の間に畝部122が形成される。それにより、ウェブWに畝溝構造124を形成することができる。
【0060】
ただし、厚さ方向Tの配向繊維とは、厚さ方向Tに対して+45度〜−45度の角度範囲で配向している繊維である。表面シート用の不織布の所定部分における厚さ方向配向繊維の含有率の測定方法は、以下の通りである。(1)不織布を切断し、不織布サンプルを作製する。(2)株式会社キーエンス製のデジタルマイクロスコープVHX−100を使用して、不織布サンプルの切断面に対して垂直の方向からの拡大画像を撮影する。拡大画像は、50本以上の繊維の測定が可能となるような倍率に拡大された画像であり、拡大倍率は、例えば20〜50倍である。拡大画像の撮影の際、不織布サンプルの切断面の最も手前の繊維(イレギュラーに手前に飛び出した繊維を除く)にピントを合わせ、撮影深度(奥行き)を設定する。拡大画像は、3D画像としてPC画面上に作成される。(3)3D画像を2D画像に変換し、2D画像上に、不織布サンプルの厚さ方向に平行に延在する複数の線を引き、不織布サンプルの厚さ方向に対して+45度〜−45度の角度で配向する繊維の本数をカウントする。(4)カウントした繊維の本数の、測定範囲内の全繊維の本数に対する割合を計算する。(5)(1)〜(4)を数回(例えば3〜5回)繰り返し、その平均値を厚さ方向配向繊維の含有率とする。
【0061】
乾燥時厚み及び湿潤時厚みの測定には、事前に状態調節した表面シート用の不織布が使用される。不織布の状態調節は、乾燥状態にある不織布を標準状態(温度23±2℃,相対湿度50±5%)において24時間以上保存することにより実施される。乾燥状態にある不織布は、水分率が通常12%以下、好ましくは10%以下である不織布である。乾燥時厚みは以下の様に測定される。厚さ計(例:株式会社大栄科学精器製作所製FS−60DS,測定子面積15cm2)を用いて、状態調整後の不織布の異なる3つの部位(厚さ計FS−60DSを使用する場合、各部位の面積は15cm2)を定圧3g/cm2で加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定する。10枚の不織布のそれぞれについて同様の測定を行い、合計30個の測定値の平均値を不織布の乾燥時厚さとする。一方、湿潤時厚みは以下の様に測定される。状態調整後の不織布から切り出された10個の試験片(長さ10mm×幅10mm)を20℃の蒸留水に1時間浸漬する。次いで、厚さ計(例:株式会社大栄科学精器製作所製FS−60DS,測定子面積15cm2)を用いて、各試験片の異なる3つの部位(厚さ計FS−60DSを使用する場合、当該部位の面積は15cm2)を定圧3g/cm2で加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定する。合計30個の測定値の平均値を不織布の湿潤時厚さとする。
【0062】
この尿取りパッドは、寝たきり人や体の不自由な人など、頻繁におむつを交換し難い人の尿を吸収するのに好適である。この尿取りパッドは、吸収体に許容される容量近くまで尿を吸収することが可能であり、それにより、尿を複数回、例えば3回以上、好ましくは4回以上、より好ましくは5回以上、漏らさずに吸収できる。この尿取りパッドは、量的には、例えば400mL以上、好ましくは500mL以上、より好ましくは600mL以上、漏らさずに吸収できる。例えば、寝たきりの高齢者(65歳以上の人)の多くは、一晩に約3回以上、計400mL以上の尿を排泄する。したがって、尿取りパッドが少なくとも3回、あるいは400mLの尿を吸収できれば、夜間の尿取りパッドの交換の回数が少なくなる。それにより、高齢者本人は、夜間、安眠を妨害され難くなり、その介護者は、夜間に、吸収性物品の交換をする手間が省略でき、介護、具体的には排泄に係る負担が軽減される。
【0063】
本発明により、吸収体が崩れる事態を防止しつつ、吸収体に許容される容量近くまで尿を吸収することが可能な尿取りパッドを提供することができる。
【0064】
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
【符号の説明】
【0065】
100 尿取りパッド
120 表面シート
130 裏面シート
140 吸収体
140a 上層吸収体
140b 下層吸収体
141a 上層溝部
144 吸収性コア
145 被覆シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2016年10月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを備え、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有する尿取りパッドであって、
前記吸収体は、肌側に位置する上層吸収体と、非肌側に位置する下層吸収体と、を備え、
前記上層吸収体は、排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記表面シート側の面から前記厚さ方向に前記上層吸収体の内部に延びる上層溝部を有し、
前記下層吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを包む被覆シートと、を含み、
前記被覆シートは、前記吸収性コアの非肌側の面及び前記幅方向の両側面を覆い、かつ前記被覆シートの前記幅方向の両端縁同士が前記吸収性コアの肌側で重なり合った状態で前記吸収性コアの肌側の面を覆うように、前記吸収性コアを包み込んでおり、
前記吸収性コアの肌側の面は前記被覆シートと非接合であ
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記幅方向の一方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の一方の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記幅方向の他方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の他方の端部との距離は、前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記一方及び他方の上層幅方向端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
尿取りパッド。
【請求項2】
前記上層吸収体の非肌側の面と、前記被覆シートの肌側の面とは非接合である、
請求項1に記載の尿取りパッド。
【請求項3】
前記上層吸収体は、前記下層吸収体よりも前記幅方向に広く、
前記下層吸収体よりも広い部分は前記裏面シートと接合している
請求項1又は2に記載の尿取りパッド。
【請求項4】
前記長手方向において、前記尿取りパッドの両端部での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量は、前記尿取りパッドの前記両端部以外での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量よりも大きい、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項5】
前記上層吸収体の上層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記下層吸収体の前記吸収性コアは、前記排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記厚さ方向に窪んだ下層溝部を有し、
前記下層溝部は、前記上層溝部の少なくとも一部と前記厚さ方向に重なる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項6】
前記吸収性コアの前記下層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記吸収性コアにおける前記下層溝部の非肌側の端縁を囲む領域は、前記被覆シートと接合されている、
請求項5に記載の尿取りパッド。
【請求項7】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記下層溝部の前記腹側方向の下層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記下層溝部の前記背側方向の下層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記下層腹側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項5又は6に記載の尿取りパッド。
【請求項8】
前記下層溝部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項9】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項10】
前記上層吸収体及び前記下層吸収体は、高分子吸収体とパルプ繊維とを含んでおり、
前記高分子吸収体と前記パルプ繊維とを合わせた坪量に対する前記高分子吸収体の坪量の割合は、前記上層吸収体の方が前記下層吸収体の方よりも大きい、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項11】
前記表面シートは、肌側の表面に凸部を形成された不織布であり、
前記不織布のうち前記凸部における厚さ方向配向繊維の含有率が、前記不織布のうち前記凸部以外の部分における厚さ方向配向繊維の含有率よりも大きく、
前記不織布の湿潤時厚みが、前記不織布の乾燥時厚みの85%以上である、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【手続補正書】
【提出日】2016年12月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを備え、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有する尿取りパッドであって、
前記吸収体は、肌側に位置する上層吸収体と、非肌側に位置する下層吸収体と、を備え、
前記上層吸収体は、排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記表面シート側の面から前記厚さ方向に前記上層吸収体の内部に延びる上層溝部を有し、
前記下層吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを包む被覆シートと、を含み、
前記被覆シートは、前記吸収性コアの非肌側の面及び前記幅方向の両側面を覆い、かつ前記被覆シートの前記幅方向の両端縁同士が前記吸収性コアの肌側で重なり合った状態で前記吸収性コアの肌側の面を覆うように、前記吸収性コアを包み込んでおり、
前記吸収性コアの肌側の面は前記被覆シートと非接合であり、
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記幅方向の一方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の一方の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記幅方向の他方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の他方の端部との距離は、前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記上層溝部における前記幅方向の一方及び他方の前記上層幅方向端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部における前記腹側方向の前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層溝部における前記背側方向の前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近
前記上層溝部における前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層溝部における前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は垂直よりも大きい、
尿取りパッド。
【請求項2】
前記上層吸収体の非肌側の面と、前記被覆シートの肌側の面とは非接合である、
請求項1に記載の尿取りパッド。
【請求項3】
前記上層吸収体は、前記下層吸収体よりも前記幅方向に広く、
前記下層吸収体よりも広い部分は前記裏面シートと接合している
請求項1又は2に記載の尿取りパッド。
【請求項4】
前記長手方向において、前記尿取りパッドの両端部での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量は、前記尿取りパッドの前記両端部以外での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量よりも大きい、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項5】
前記上層吸収体の上層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記下層吸収体の前記吸収性コアは、前記排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記厚さ方向に窪んだ下層溝部を有し、
前記下層溝部は、前記上層溝部の少なくとも一部と前記厚さ方向に重なる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項6】
前記吸収性コアの前記下層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記吸収性コアにおける前記下層溝部の非肌側の端縁を囲む領域は、前記被覆シートと接合されている、
請求項5に記載の尿取りパッド。
【請求項7】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記下層溝部の前記腹側方向の下層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記下層溝部の前記背側方向の下層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記下層溝部における前記腹側方向の前記下層腹側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記下層溝部における前記背側方向の前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近
前記下層溝部における前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は垂直よりも大きい、
請求項5又は6に記載の尿取りパッド。
【請求項8】
前記下層溝部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項9】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記上層溝部における前記腹側方向の前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部における前記背側方向の前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項10】
前記上層吸収体及び前記下層吸収体は、高分子吸収体とパルプ繊維とを含んでおり、
前記高分子吸収体と前記パルプ繊維とを合わせた坪量に対する前記高分子吸収体の坪量の割合は、前記上層吸収体の方が前記下層吸収体の方よりも大きい、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項11】
前記表面シートは、肌側の表面に凸部を形成された不織布であり、
前記不織布のうち前記凸部における厚さ方向配向繊維の含有率が、前記不織布のうち前記凸部以外の部分における厚さ方向配向繊維の含有率よりも大きく、
前記不織布の湿潤時厚みが、前記不織布の乾燥時厚みの85%以上である、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【手続補正書】
【提出日】2017年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置する吸収体とを備え、長手方向、幅方向及び厚さ方向を有する尿取りパッドであって、
前記吸収体は、肌側に位置する上層吸収体と、非肌側に位置する下層吸収体と、を備え、
前記上層吸収体は、排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記表面シート側の面から前記厚さ方向に前記上層吸収体の内部に延びる上層溝部を有し、
前記下層吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを包む被覆シートと、を含み、
前記被覆シートは、前記吸収性コアの非肌側の面及び前記幅方向の両側面を覆い、かつ前記被覆シートの前記幅方向の両端縁同士が前記吸収性コアの肌側で重なり合った状態で前記吸収性コアの肌側の面を覆うように、前記吸収性コアを包み込んでおり、
前記吸収性コアの肌側の面は前記被覆シートと非接合であり、
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記幅方向の一方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の一方の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記幅方向の他方の上層幅方向端部と、前記尿取りパッドの前記幅方向の他方の端部との距離は、前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離、及び、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記上層溝部における前記幅方向の一方及び他方の前記上層幅方向端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部における前記腹側方向の前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層溝部における前記背側方向の前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近く、
前記上層溝部における前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角、及び、前記上層溝部における前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は垂直よりも大きい、
尿取りパッド。
【請求項2】
前記上層吸収体の非肌側の面と、前記被覆シートの肌側の面とは非接合である、
請求項1に記載の尿取りパッド。
【請求項3】
前記上層吸収体は、前記下層吸収体よりも前記幅方向に広く、
前記下層吸収体よりも広い部分は前記裏面シートと接合している
請求項1又は2に記載の尿取りパッド。
【請求項4】
前記長手方向において、前記尿取りパッドの両端部での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量は、前記尿取りパッドの前記両端部以外での前記表面シートと前記裏面シートとの間の接着剤の坪量よりも大きい、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項5】
前記上層吸収体の上層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記下層吸収体の前記吸収性コアは、前記排尿領域に、前記長手方向に延設され、前記厚さ方向に窪んだ下層溝部を有し、
前記下層溝部は、前記上層溝部の少なくとも一部と前記厚さ方向に重なる、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項6】
前記吸収性コアの前記下層溝部は前記厚さ方向に貫通しており、
前記吸収性コアにおける前記下層溝部の非肌側の端縁を囲む領域は、前記被覆シートと接合されている、
請求項5に記載の尿取りパッド。
【請求項7】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記下層溝部の前記腹側方向の下層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記下層溝部の前記背側方向の下層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記下層溝部における前記腹側方向の前記下層腹側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記下層溝部における前記背側方向の前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近く、
前記下層溝部における前記下層背側端部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は垂直よりも大きい、
請求項5又は6に記載の尿取りパッド。
【請求項8】
前記下層溝部の壁面が前記下層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項9】
前記長手方向の一方は腹側方向であり、他方は背側方向であり、
前記上層溝部の前記腹側方向の上層腹側端部と前記尿取りパッドの前記腹側方向の端部との距離は、前記上層溝部の前記背側方向の上層背側端部と前記尿取りパッドの前記背側方向の端部との距離よりも短く、
前記上層溝部における前記腹側方向の前記上層腹側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角は、前記上層溝部における前記背側方向の前記上層背側端部の壁面が前記上層溝部内の底面に対して成す角よりも垂直に近い、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項10】
前記上層吸収体及び前記下層吸収体は、高分子吸収体とパルプ繊維とを含んでおり、
前記高分子吸収体と前記パルプ繊維とを合わせた坪量に対する前記高分子吸収体の坪量の割合は、前記上層吸収体の方が前記下層吸収体の方よりも大きい、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項11】
前記表面シートは、肌側の表面に凸部を形成された不織布であり、
前記不織布のうち前記凸部における厚さ方向配向繊維の含有率が、前記不織布のうち前記凸部以外の部分における厚さ方向配向繊維の含有率よりも大きく、
前記不織布の湿潤時厚みが、前記不織布の乾燥時厚みの85%以上である、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の尿取りパッド。
【請求項12】
前記収性コアは高分子吸収体を含み、
前記被覆シートは、前記吸収性コアの肌側の面を覆う、前記被覆シートの前記幅方向の両端部のうちの一方及び他方である第1の肌側部分及び第2の肌側部分を含み、
前記第1の肌側部分は、平面視で、前記幅方向の一方から他方へ向かって、前記下層溝部の上方を覆い、かつ、前記上層溝部の下方を覆いつつ、前記下部溝部以外の前記吸収コアと前記上部溝部以外の前記上層吸収体との間にまで延び、
前記第2の肌側部分は、平面視で、前記幅方向の他方から一方へ向かって、前記下層溝部の上方を覆い、かつ、前記上層溝部の下方を覆いつつ、前記下部溝部以外の前記吸収コアと前記上部溝部以外の前記上層吸収体との間にまで延びる、
請求項5に記載の尿取りパッド。