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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-217718(P2017-217718A)
(43)【公開日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】球体研磨装置及び球体研磨方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 11/06 20060101AFI20171117BHJP
   B24B 53/00 20060101ALI20171117BHJP
【FI】
   B24B11/06
   B24B53/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-112997(P2016-112997)
(22)【出願日】2016年6月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】増田 祐生
(72)【発明者】
【氏名】河原 徹
(72)【発明者】
【氏名】三井 哲弥
(72)【発明者】
【氏名】小野▲崎▼ 徹
(72)【発明者】
【氏名】若園 賀生
(72)【発明者】
【氏名】新美 匡俊
【テーマコード(参考)】
3C047
3C049
【Fターム(参考)】
3C047AA15
3C047CC10
3C047CC11
3C049AA04
3C049AA09
3C049AA11
3C049AA14
3C049AA18
3C049AB01
3C049AB04
3C049AB08
3C049CA02
3C049CB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】球体の真球度を大幅に向上できる球体研磨装置及び球体研磨方法を提供する。
【解決手段】球体研磨装置は、第一研磨溝(23a)における中心軸線(L1)方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、第二研磨溝(33a)における中心軸線(L2)方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、第一研磨溝(23a)の断面円弧中心(C1)による軌跡を第一軌跡とし、第二研磨溝(33a)の断面円弧中心(C2)による軌跡を第二軌跡とし、第一軌跡と第二軌跡とは、中心軸線(L2(L1))方向から見た場合に、径方向の距離が周方向において変化する関係を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に中心軸線回りに環状に形成される第一研磨溝を有する第一研磨盤と、
前記第一研磨盤の中心軸線と同軸上の中心軸線回りに前記第一研磨盤に対して相対的に回転可能に設けられ、前記第一研磨盤の前記一方の面に対向する面に、前記中心軸線回りに環状に形成される第二研磨溝を有する第二研磨盤と、を備え、
研磨対象である球体を前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝で挟圧して、前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤を相対的に回転させることで、前記球体を研磨加工する球体研磨装置であって、
前記第一研磨溝における中心軸線方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、
前記第二研磨溝における中心軸線方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、
前記第一研磨溝の断面円弧中心による軌跡を第一軌跡とし、前記第二研磨溝の断面円弧中心による軌跡を第二軌跡とし、
前記第一軌跡と前記第二軌跡とは、前記中心軸線方向から見た場合に、径方向の距離が周方向において変化する関係を有する、球体研磨装置。
【請求項2】
前記第一軌跡と前記第二軌跡とは、前記中心軸線方向から見た場合に、複数箇所にて交差する、請求項1に記載の球体研磨装置。
【請求項3】
前記第一軌跡及び前記第二軌跡の一方は、円形状に形成され、
前記第一軌跡及び前記第二軌跡の他方は、非円形状に形成される、請求項1又は2に記載の球体研磨装置。
【請求項4】
前記第一軌跡及び前記第二軌跡は、非円形状に形成される、請求項1又は2に記載の球体研磨装置。
【請求項5】
前記非円形状は、複数の花弁部を有する花冠形状である、請求項3又は4に記載の球体研磨装置。
【請求項6】
前記非円形状は、複数の花弁部を有する花冠形状であり、
前記花冠形状の外接円は、前記円形状より大径であり、
前記花冠形状の外接円の中心軸線は、前記円形状の中心軸線と同軸に位置し、
前記花冠形状の内接円は、前記円形状より小径であり、
前記花冠形状の内接円の中心軸線は、前記円形状の中心軸線と同軸に位置し、
前記第一軌跡と前記第二軌跡とは、前記中心軸線方向から見た場合に、前記花冠形状における各花弁部にて交差する、請求項3に記載の球体研磨装置。
【請求項7】
前記非円形状は、楕円形状である、請求項3又は4に記載の球体研磨装置。
【請求項8】
前記非円形状は、楕円形状であり、
前記楕円形状の中心軸線は、前記円形状の中心軸線と同軸に位置し、
前記第一軌跡と前記第二軌跡とは、前記中心軸線方向から見た場合に、楕円の長軸と短軸の各間に位置する4箇所の角度にて交差する、請求項3に記載の球体研磨装置。
【請求項9】
前記球体研磨装置は、
前記第一研磨盤が設けられる基台と、
前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤に対して前記第一研磨盤の中心軸線方向及び中心軸線と直角な方向の少なくとも2軸方向に相対的に移動可能に前記基台に設けられ、前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝をツルーイングするツルアと、
前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤を相対回転させて前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝により前記球体を研磨し、前記ツルアを前記2軸方向に相対的に移動させ且つ前記第一研磨盤を回転させながら前記ツルアにより前記第一研磨溝をツルーイングし、且つ、前記ツルアを前記2軸方向に相対的に移動させ且つ前記第二研磨盤を回転させながら前記ツルアにより前記第二研磨溝をツルーイングする制御装置と、
を備える、請求項1−7の何れか一項に記載の球体研磨装置。
【請求項10】
前記ツルアは、前記第一研磨盤の中心軸線と直角な方向の軸線回りに回転する総型のロータリーツルアである、請求項9に記載の球体研磨装置。
【請求項11】
球体研磨装置による球体研磨方法であって、
前記球体研磨装置は、
一方の面に中心軸線回りに環状に形成される第一研磨溝を有する第一研磨盤と、
前記第一研磨盤の中心軸線と同軸上の中心軸線回りに前記第一研磨盤に対して相対的に回転可能に設けられ、前記第一研磨盤の前記一方の面に対向する面に、前記中心軸線回りに環状に形成される第二研磨溝を有する第二研磨盤と、を備え、
前記第一研磨溝における中心軸線方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、
前記第二研磨溝における中心軸線方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、
前記第一研磨溝の断面円弧中心による軌跡を第一軌跡とし、前記第二研磨溝の断面円弧中心による軌跡を第二軌跡とし、
前記第一軌跡と前記第二軌跡とは、前記中心軸線方向から見た場合に、径方向の距離が周方向において変化する関係を有し、
前記球体研磨方法は、前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝で研磨対象である球体を挟圧して、前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤を相対的に回転させることで、前記球体を研磨加工する、球体研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球体研磨装置及び球体研磨方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、研磨溝が形成される対向する回転盤と固定盤とを備え、回転盤を回転させることで両研磨溝間に配置される球体を研磨する球体研磨装置が記載されている。また、特許文献2には、相対的に回転可能な対向する2つの円盤と、2つの円盤の間に円盤と平行に配置される楕円形状の通路が形成された楕円通路構成部材とを備え、楕円形状の通路に複数の球体を配置して2つの円盤を回転させることで球体を研磨する球体研磨装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−77657号公報
【特許文献2】特開平2−1902525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の球体研磨装置では、球体の自転軸は研磨加工面に略平行な状態に維持されるので、球体の真球度の向上に限界がある。また、特許文献2の球体研磨装置では、複数の球体が楕円形状の通路内においてランダムに移動して球体同士が接触するため、球体の真球度の向上に限界がある。
【0005】
本発明は、球体の真球度を大幅に向上できる球体研磨装置及び球体研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1.球体研磨装置)
球体研磨装置は、一方の面に中心軸線回りに環状に形成される第一研磨溝を有する第一研磨盤と、前記第一研磨盤の中心軸線と同軸上の中心軸線回りに前記第一研磨盤に対して相対的に回転可能に設けられ、前記第一研磨盤の前記一方の面に対向する面に、前記中心軸線回りに環状に形成される第二研磨溝を有する第二研磨盤と、を備え、研磨対象である球体を前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝で挟圧して、前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤を相対的に回転させることで、前記球体を研磨加工する。そして、前記第一研磨溝における中心軸線方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、前記第二研磨溝における中心軸線方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、前記第一研磨溝の断面円弧中心による軌跡を第一軌跡とし、前記第二研磨溝の断面円弧中心による軌跡を第二軌跡とし、前記第一軌跡と前記第二軌跡とは、前記中心軸線方向から見た場合に、径方向の距離が周方向において変化する関係を有する。
【0007】
(2.球体研磨方法)
また、球体研磨方法は、上述した球体研磨装置を用いる球体研磨方法であって、前記第一研磨溝及び前記第二研磨溝で研磨対象である球体を挟圧して、前記第一研磨盤及び前記第二研磨盤を相対的に回転させることで、前記球体を研磨加工する。
【0008】
(3.球体研磨装置及び方法による効果)
上述した球体研磨装置及び球体研磨方法によれば、第一研磨溝の断面円弧中心の第一研磨溝に沿った第一軌跡は、第二研磨溝の断面円弧中心の第二研磨溝に沿った第二軌跡に対し変化するので、第一研磨溝及び第二研磨溝と球体との接触位置は変化することになり、球体の自転軸の傾きは変動する。よって、球体は、第一、第二研磨溝によって研磨されている最中において、球体の姿勢が変化するので、真球度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の球体研磨装置の構成を示す図であり、図4のI-I断面図である。
図2図1の球体研磨装置の第一研磨盤の平面図である。
図3図1の球体研磨装置の第二研磨盤の平面図である。
図4図1の球体研磨装置の横断面図であり、図5のIV-IV断面図である。
図5図4のV-V断面図である。
図6】制御装置のブロック構成図である。
図7】球体を挟圧して球体の研磨を開始する時の第一研磨盤及び第二研磨盤の状態を示す平面図である。
図8図7のVIII-VIII断面図である。
図9図7のIX-IX断面図である。
図10】第一研磨溝と第二研磨溝のずれを説明するための図9に対応させて示す断面図である。
図11】ツルアにより第一研磨溝をツルーイングする際の球体研磨装置の図である。
図12】ツルアにより第二研磨溝をツルーイングする際の球体研磨装置の図である。
図13】第一研磨溝及び第二研磨溝の第一の別形態を溝の断面円弧中心の軌跡で示す平面図である。
図14】第一研磨溝及び第二研磨溝の第二の別形態を溝の断面円弧中心の軌跡で示す平面図である。
図15】第一研磨溝及び第二研磨溝の第三の別形態を溝の断面円弧中心の軌跡で示す平面図である。
図16】第一研磨溝及び第二研磨溝の第四の別形態を溝の断面円弧中心の軌跡で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1.球体研磨装置の構成)
本実施形態の球体研磨装置1について図1を参照して説明する。図1に示すように、球体研磨装置1は、基台11、コラム12、第一移動体13、第二移動体14及び上下駆動機構15を備える。基台11は、床面に設置され、中央に上下方向への貫通孔11aを備える。コラム12は、基台11の上面に固定される。コラム12の側面には、上下方向に延びるガイドレール12a,12bが設けられる。
【0011】
第一移動体13は、基台11の上面及び貫通孔11aに配置される。第一移動体13は、第一本体部21、第一研磨盤支持体22、第一研磨盤23、第一静圧軸受24及び第一モータ25を備える。
【0012】
第一本体部21は、中央孔21aを有する円盤状に形成される。第一本体部21は、中央孔21aが基台11の貫通孔11aと同軸上に位置するように、基台11の上面に固定される。中央孔21aの中心軸線は、L1であり、鉛直軸方向に一致する。第一本体部21は、基台11に対して中心軸線L1の方向及び中心軸線L1の直交方向に移動規制される。
【0013】
第一研磨盤支持体22は、第一本体部21に対して、中心軸線L1の回りに回転可能に設けられる。第一研磨盤支持体22は、第一本体部21の中央孔21aを貫通する軸部22a、第一本体部21の上面及び下面に対向する円盤状のフランジ部22b,22cを備える。
【0014】
第一研磨盤23は、第一研磨盤支持体22の上側のフランジ部22bの上面に一体的に固定される。つまり、第一研磨盤23は、第一本体部21に対して中心軸線L1の回りに回転可能に設けられる。第一研磨盤23は、環状に形成される。さらに、図2に示すように、第一研磨盤23は、一方の面(上面)に中心軸線L1の回りに円形状に形成される第一研磨溝23aを有する。第一研磨溝23aは、研磨対象である球体2を研磨する。
【0015】
詳細には、第一研磨溝23aの中心軸線L1方向の断面形状は、断面円弧半径がγの円弧凹状に形成される(図10参照)。そして、第一研磨溝23aの中心軸線L1方向から見た形状は、第一研磨溝23aの断面円弧中心C1と第一研磨盤23の中心軸線L1との距離R及び断面円弧半径γの加算値R+γを半径とする外周円と、上記距離R及び断面円弧半径γの減算値R−γを半径とする内周円でなる円形状に形成される。
【0016】
図1に示すように、第一静圧軸受24は、第一本体部21に保持され、第一研磨盤23に一体的に固定される第一研磨盤支持体22を、第一本体部21に対してラジアル方向及びスラスト方向に支持する。詳細には、第一静圧軸受24は、第一本体部21の中央孔21aに保持され、軸部22aの外周面に対して流体圧により支持するラジアル軸受24aを備える。さらに、第一静圧軸受24は、第一本体部21の上面及び下面に保持され、フランジ部22b,22cに対して流体圧により支持するスラスト軸受24b,24cを備える。
【0017】
第一静圧軸受24に供給される流体は、共通の流体供給源から供給され、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cに分岐される。第一静圧軸受24は、さらにオリフィス絞り24d(図6に示す)を備える。オリフィス絞り24dは、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cのそれぞれに設けられる。ここで、第一静圧軸受24を構成するオリフィス絞り24dの位置は可変であるため、流体圧は可変とされる。第一モータ25は、第一本体部21又は基台11に支持され、第一研磨盤支持体22を回転駆動する。
【0018】
第二移動体14は、コラム12に対して上下方向に移動可能に配置される。第二移動体14は、第二本体部31、第二研磨盤支持体32、第二研磨盤33、第二静圧軸受34及び第二モータ35を備える。
【0019】
第二本体部31は、円筒状に形成され、下円盤部及び上円盤部には中央孔31a,31bを有する。第二本体部31の中央孔31a,31bの中心軸線は、L2であり、第一本体部21の中央孔21aの中心軸線L1に一致する。第二本体部31の円筒部は、コラム12の側面のガイドレール12a,12bに摺動可能に設けられる。つまり、第二本体部31は、コラム12に対して上下方向(Y1方向)に移動可能である。そして、第二本体部31は、基台11及びコラム12に対して中心軸線L2の直交方向に移動規制される。
【0020】
第二研磨盤支持体32は、第二本体部31に対して、中心軸線L2の回りに回転可能に設けられる。第二研磨盤支持体32は、第二本体部31の下円盤部の中央孔31aを貫通する軸部32a、第二本体部31の下円盤部の下面及び上面に対向する円盤状のフランジ部32b,32cを備える。
【0021】
第二研磨盤33は、第二研磨盤支持体32の下側のフランジ部32bの下面に一体的に固定される。つまり、第二研磨盤33は、第二本体部31に対して中心軸線L2の回りに回転可能に設けられる。第二研磨盤33は、環状に形成される。さらに、図3に示すように、第二研磨盤33は、一方の面(下面)に中心軸線L2の回りに非円形状、本例では花冠形状に形成される第二研磨溝33aを有する。第二研磨溝33aは、研磨対象である球体2を研磨する。第二研磨盤33の第二研磨溝33a側の面は、第一研磨盤23の第一研磨溝23a側の面に対向する。
【0022】
詳細には、第二研磨溝33aの中心軸線L2方向の断面形状は、第一研磨溝23aの断面円弧半径γと同一の断面円弧半径γの円弧凹状に形成される(図10参照)。そして、第二研磨溝33aの中心軸線L2方向から見た形状は、第二研磨盤33の径方向外側に張り出た図示一点鎖線で囲まれる凸部331と、第二研磨盤33の径方向内側に引っ込んだ図示二点鎖線で囲まれる凹部332とが、第二研磨盤33の周方向に45度の間隔で交互に出現する花冠形状に形成される。つまり、凸部331及び凸部331の両側に位置する凹部332は、花冠形状を構成する花弁部を形成する。
【0023】
本例では、第二研磨溝33aは、第二研磨溝33aの外接円の半径、すなわち凸部331の最外周の点Aと中心軸線L2との距離は、第一研磨溝23aの外周円の半径R+γと同一のR+γ(なお、Rは、第二研磨溝33aの断面円弧中心C2と第二研磨盤33の中心軸線L2との距離)となり、第二研磨溝33aの内接円の半径、すなわち凸部331の最内周の点Bと中心軸線L2との距離は、第一研磨溝23aの内周円の半径R−γと同一のR−γとなるように形成される。つまり、点A及び点Bを通る直線上において、第二研磨溝33aの断面円弧中心C2と第二研磨盤33の中心軸線L2との距離Rは、第一研磨溝23aの断面円弧中心C1と第一研磨盤23の中心軸線L1との距離Rと同一となる。
【0024】
よって、図2及び図3に示すように、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aは、第一研磨溝23aの断面円弧中心C1を、第一研磨溝23aに沿って移動させたときの第一軌跡V1が、第二研磨溝33aの断面円弧中心C2を、第二研磨溝33aに沿って移動させたときの第二軌跡V2に対し、中心軸線L2方向から見て径方向の距離が周方向において変化するように形成される。本例では、花冠形状の第二研磨溝33aの外接円は、第一研磨溝23aの外周円形状と同径であり、第二研磨溝33aの内接円は、第一研磨溝23aの内周円形状より小径である。よって、第二軌跡V2は、凸部331における径方向外側に最も張り出た位置において第一軌跡V1と接し、凸部331から凹部332に向かうに従って第一軌跡V1に対し径方向内側に徐々に離間し、凹部332における径方向内側に最も引っ込んだ位置において第一軌跡V1から最も離間する。
【0025】
図1に示すように、第二静圧軸受34は、第二本体部31の下円盤部に保持され、第二研磨盤33に一体的に固定される第二研磨盤支持体32を、第二本体部31に対してラジアル方向及びスラスト方向に支持する。詳細には、第二静圧軸受34は、第二本体部31の下円盤部の中央孔31aに保持され、軸部32aの外周面に対して流体圧により支持するラジアル軸受34aを備える。さらに、第二静圧軸受34は、第二本体部31の下円盤部の上面及び下面に保持され、フランジ部32b,32cに対して流体圧により支持するスラスト軸受34b,34cを備える。
【0026】
第二静圧軸受34に供給される流体は、共通の流体供給源から供給され、ラジアル軸受34a、スラスト軸受34b,34cに分岐される。第二静圧軸受34は、さらにオリフィス絞り34d(図6に示す)を備える。オリフィス絞り34dは、ラジアル軸受34a、スラスト軸受34b,34cのそれぞれに設けられる。ここで、第二静圧軸受34を構成するオリフィス絞り34dの位置は可変であるため、流体圧は可変とされる。また、第二静圧軸受34に流体を供給する流体供給源は、第一静圧軸受24に流体を供給する流体供給源と共通して設けられる。第二モータ35は、第二本体部31に支持され、第二研磨盤支持体32を回転駆動する。
【0027】
上下駆動機構15は、コラム12に対して第二本体部31を上下移動させる。上下駆動機構15は、コラム12の上端に固定されるモータ41と、モータ41の出力軸に連結されるボールねじ42と、ボールねじ42に螺合する第二本体部31の上円盤部の中央孔31bに固定されるボールねじナット43とを備える。
【0028】
(2.ツルーイング装置の構成)
球体研磨装置1は、さらにツルーイング装置17を備える。ツルーイング装置17について、図4及び図5を参照して説明する。ツルーイング装置17は、ガイド部材61、第一移動体62、第二移動体63、回転軸部材64及びツルア65を備える。
【0029】
ガイド部材61は、基台11の上面に配置される。ガイド部材61は、第一研磨盤23の中心軸線L1に直交する軸線L3方向に沿って形成される。第一移動体62は、ガイド部材61の上に配置され、ガイド部材61の軸線L3方向に移動可能に設けられる。第一移動体62は、図示しないモータによって、ガイド部材61上を、軸線L3方向に移動する。第一移動体62の側面には、第一研磨盤23の中心軸線L1方向に沿ってガイドが形成される。
【0030】
第二移動体63は、第一移動体62の側面ガイドに係止され、第一移動体62の側面ガイドの軸線L1方向に移動可能に設けられる。第二移動体63は、図示しないモータによって、第一移動体62の側面ガイドに沿って、軸線L1方向に移動する。
【0031】
回転軸部材64は、第二移動体63に軸線L3の回りに回転可能に設けられる。回転軸部材64は、図示しないモータによって、第二移動体63に対して回転可能とされる。ツルア65は、回転軸部材64の先端に取り付けられる。つまり、ツルア65は、第一研磨盤23及び第二研磨盤33に対して、第一研磨盤23の中心軸線L1方向及び中心軸線L1の直交方向の少なくとも2軸方向に相対的に移動可能に基台11に設けられる。このツルア65は、回転軸部材64の回転に伴って回転するロータリーツルアである。1個のツルア65は、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aをツルーイングする。
【0032】
(3.制御装置の構成)
球体研磨装置1は、さらに制御装置16を備える。制御装置16は、図6に示すように、モータ制御部51と、流体圧調整部52と、ツルーイング制御部53とを備える。モータ制御部51は、各モータ25,35,41を制御する。つまり、モータ制御部51が第一モータ25を回転駆動することにより、第一研磨盤23が回転する。また、モータ制御部51が第二モータ35を回転駆動することにより、第二研磨盤33が回転する。また、モータ制御部51がモータ41を回転駆動することにより、第二移動体14が上下動する。
【0033】
流体圧調整部52は、各オリフィス絞り24d,34dの絞り量を調整する。流体圧調整部52が第一オリフィス絞り24dの位置を移動させることにより、第一静圧軸受24の剛性が変化する。また、流体圧調整部52が第二オリフィス絞り34dの位置を移動させることにより、第二静圧軸受34の剛性が変化する。
【0034】
第一オリフィス絞り24dは、ラジアル軸受24a、スラスト軸受24b,24cの流体圧全てを同時に調整する。つまり、第一オリフィス絞り24dが調整されることで、ラジアル軸受24aによる剛性、及び、スラスト軸受24b,24cによる剛性が調整される。同時に、第一静圧軸受24によるモーメント剛性が調整される。
【0035】
また、第二オリフィス絞り34dは、ラジアル軸受34a、スラスト軸受34b,34cの流体圧全てを同時に調整する。つまり、第二オリフィス絞り34dが調整されることで、ラジアル軸受34aによる剛性、及び、スラスト軸受34b,34cによる剛性が調整される。同時に、第二静圧軸受34によるモーメント剛性が調整される。
【0036】
ツルーイング制御部53は、ツルーイング装置17を制御する。詳細には、ツルーイング制御部53は、第一移動体62を移動するモータ、第二移動体63を移動するモータ、及び、回転軸部材64を回転するモータをそれぞれ制御する。
【0037】
(4.球体研磨装置を用いる球体の研磨方法)
制御装置16は、第一,第二静圧軸受24,34の流体圧が球体2の研磨を行うときに使用する流体圧となるように、オリフィス絞り24d,34dを設定しておく。そして、制御装置16は、モータ41を駆動して、第二移動体14を上方へ移動させておく。この状態で、研磨素材である複数の球体2を、第一研磨盤23の第一研磨溝23aに配置する。続いて、制御装置16は、モータ41を駆動して、第二移動体14を下方へ移動させて、第二研磨盤33の第二研磨溝33aが球体2に接触させて挟圧する。
【0038】
続いて、制御装置16は、第一研磨盤23の回転速度を一定値とするように又は周期的に変動させるように第一モータ25を駆動し、且つ、第二研磨盤33の回転速度を一定値とするように第二モータ35を駆動する。このとき、第一研磨盤23と第二研磨盤33とは逆方向に回転される。
【0039】
このようにして、球体2は、第一,第二研磨盤23,33によって研磨される。この状態を設定した時間を経過したところで、制御装置16は、第一モータ25及び第二モータ35を停止して、モータ41を駆動して第二移動体14を上方へ移動させる。また、第二移動体14の下降位置を固定した後、研磨荷重が十分に下がったときを加工完了としてもよい。なお、球体2の研磨中において、ツルア65は、第一研磨盤23及び第二研磨盤33の径方向外側に位置している。
【0040】
(5.第一、第二研磨溝による球体の動作)
次に、第一、第二研磨溝23a,33aに挟圧される球体2の研磨時における球体2の動作について、図を参照して説明する。なお、第一研磨盤23と第二研磨盤33とは、逆方向に絶対値が同一回転速度となるように回転されるものとする。
【0041】
ここで、図7に示すように、球体2を挟圧した当初の第一、第二研磨盤23,33を中心軸線L2(L1)方向の上方から見たとき、第一研磨溝23aの断面円弧中心C1は、第二研磨溝33aの凸部331における点A及び点Bを通る直線上の断面円弧中心C2とは重なった位置にあり、第二研磨溝33aの凹部332における点A及び点Bから45度位相がずれた点C及び点Dを通る直線上の断面円弧中心C2とは、中心軸線L2(L1)と直角な方向にσだけずれた位置にある。以下の説明では、第一研磨溝23aと第二研磨溝33aの凸部331の点A,B間に位置する球体2A、及び、第一研磨溝23aと第二研磨溝33aの凹部332の点C,D間に位置する球体2Bに着目して説明する。
【0042】
図8に示すように、球体2Aと第一研磨溝23aは、第一研磨溝23aの断面円弧中心C1を通る中心軸線L1に平行な軸線L11と、第一研磨溝23aの断面円弧と、の交点P1を中心とする楕円形状の領域Aa1と接触する。また、球体2Aと第二研磨溝33aは、第二研磨溝33aの断面円弧中心C2を通る中心軸線L2に平行な軸線L22と、第二研磨溝33aの断面円弧と、の交点P2を中心とする楕円形状の領域Aa2と接触する。
【0043】
そして、第一研磨盤23と第二研磨盤33とは、相対的に回転するため、接触楕円領域Aa1,Aa2において研磨抵抗が発生し、球体2Aは、第一研磨盤23の中心軸線L1に直交する軸線X1の回りに回転する。
【0044】
図9に示すように、球体2Bにおいては、第一研磨溝23aと第二研磨溝33aが中心軸線L1(L2)と直角な方向にσだけずれているため、球体2Bと第一研磨溝23aの接触楕円領域Aa11は、接触楕円領域Aa1に対し図示時計回りの方向に角度θだけずれ、球体2Bと第二研磨溝33aの接触楕円領域Aa12は、接触楕円領域Aa2に対し図示時計回りの方向に角度θだけずれる。よって、球体2Bは、軸線X1に対し図示時計回りの方向に角度θだけずれた軸線X11回りに回転する。
【0045】
つまり、第一研磨盤23と第二研磨盤33との相対的な回転によって、球体2は、第一研磨盤23の中心軸線L1に直交する軸線X1の回りに回転するとともに、軸線X1に対し図示時計回りの方向に角度θだけずれた軸線X11回りに回転する。従って、球体2は、第一、第二研磨溝23a,33aによって研磨されている最中において、球体2の姿勢が常に変化する。その結果、球体2の真球度が向上する。
【0046】
次に、第一研磨溝23aと第二研磨溝33aのずれについて説明する。第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aは、以下の2つのずれの条件を満たすように形成する。第1の条件としては、第一研磨溝23a(第二研磨溝33a)の中心軸線L1(L2)回りの一周にわたってずれ量が一定とならないように第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aを形成する。この理由は、第一、第二研磨溝23a,33aに挟圧されて研磨される球体2の自転軸を変動させて姿勢を変化させる必要があるためである。
【0047】
第2の条件としては、最大ずれ量σが、第二研磨溝33aの断面円弧半径γ、球体2の半径R及び公知のヘルツの理論等から導かれる式(1)−式(4)を満たすように第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aを形成する。最大ずれ量σが大き過ぎると、接触楕円領域Aa11,Aa12が第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aの内周面からはみ出し、球体2と第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aとの接触圧力が局所的に高くなって真球度の向上を図ることが困難となるからである。なお、式(1)−式(4)は、球体2と第二研磨溝33aとの最大ずれ量σを表しているが、球体2と第一研磨溝23aとの最大ずれ量σも同様である。
【0048】
【数1】
【0049】
【数2】
【0050】
【数3】
【0051】
【数4】
【0052】
ここで、式(1)−式(4)の各符号は、図10に示す通りであり、各符号の意味は、以下の通りである。
γ:第二研磨溝33aの断面円弧半径
:球体2の半径
【0053】
de:第二研磨溝33aの溝深さ
UL:第二研磨溝33aの断面円弧中心C2と第一研磨溝23aの断面円弧中心C1との中心間距離
【0054】
:ずれが無い状態での第二研磨溝33aの断面円弧中心C2と第二研磨盤33の中心軸線L2との距離
:第一研磨溝23aの断面円弧中心C1と第一研磨盤23の中心軸線L1との距離
:接触楕円領域Aa2の長半径
σ:第一研磨溝23aの断面円弧中心C1と第二研磨溝33aの断面円弧中心C2との中心軸線L1(L2)と直角な方向の最大ずれ量
【0055】
(6.ツルーイング方法)
ツルーイング装置17による第一、第二研磨溝23a,33aのツルーイング方法について、図11及び図12を参照して説明する。本実施形態においては、ツルア65によって第一研磨溝23aと第二研磨溝33aとを別々にツルーイングする方法を採用する。ツルア65は、小径円盤状のロータリーツルアを用いるが、総型のロータリーツルアを用いてもよい。
【0056】
図11を参照して、ツルア65による第一研磨溝23aのツルーイング方法について説明する。まず、モータ制御部51は、モータ41を駆動して、第二研磨盤33を上方へ移動させる。続いて、ツルーイング制御部53は、ツルーイング装置17の第二移動体63を上方(Y2方向)へ移動させた後に、ツルア65が第一研磨溝23aの上方に対向する位置に至るまで第一移動体62を第一研磨盤23側(X2方向)へ移動させる。
【0057】
続いて、ツルーイング制御部53がツルア65を軸線L3の回りに回転させると共に、モータ制御部51が第一研磨盤23を軸線L1の回りに回転させる。続いて、ツルーイング制御部53が、第一移動体62のX2方向へ移動と第二移動体63のY2方向への移動を同期制御しながら、ツルア65を第一研磨溝23aの成形形状に沿って移動させる。このとき、ツルア65は、第一研磨溝23aの外周縁から溝底を通過して内周縁へ移動することによって、第一研磨溝23aを成形する。
【0058】
次に、図12を参照して、ツルア65による第二研磨溝33aのツルーイング方法について説明する。まず、モータ制御部51は、モータ41を駆動して、第二研磨盤33を上方へ移動させて位置決めする。続いて、ツルーイング制御部53は、ツルーイング装置17の第二移動体63を上方(Y2方向)へ移動させた後に、ツルア65が第二研磨溝33aの下方に対向する位置に至るまで第一移動体62を第二研磨盤33側(X2方向)へ移動させる。
【0059】
続いて、ツルーイング制御部53がツルア65を軸線L3の回りに回転させると共に、モータ制御部51が第二研磨盤33を軸線L2の回りに回転させる。続いて、ツルーイング制御部53が、第一移動体62のX2方向へ移動と第二移動体63のY2方向への移動を同期制御しながら、ツルア65を第二研磨溝33aの成形形状に沿って移動させる。このとき、ツルア65は、第二研磨溝33aの外周縁から溝底を通過して内周縁へ移動することによって、第二研磨溝33aを成形する。
【0060】
(7.その他)
上述の実施形態では、花冠形状の第二研磨溝33aの外接円を第一研磨溝23aの外周円形状と同径で形成し、第二研磨溝33aの内接円を第一研磨溝23aの内周円形状より小径で形成したが、第二研磨溝33aの外接円を第一研磨溝23aの外周円形状より大径で形成し、第二研磨溝33aの内接円を第一研磨溝23aの内周円形状より小径で形成してもよい。これにより、図13に示すように、第一軌跡V11と第二軌跡V12とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、花冠形状における各花弁部F1にて交差するので、球体2の自転軸の傾きの変動幅を大きくして球体2の姿勢を大きく変化させることができ、真球度を大幅に向上できる。
【0061】
また、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aは、共に非円形状に形成してもよい。例えば、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aは、共に花冠形状に形成してもよい。これにより、図14に示すように、第一軌跡V21と第二軌跡V22とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、各花冠形状における各花弁部F2にて交差し、又は大きく離間するので、球体2の自転軸の傾きの変動幅をさらに大きくして球体2の姿勢を大きく変化させることができ、真球度を大幅に向上できる。
【0062】
共に非円形状の別例として例えば、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aは、共に楕円形状に形成してもよい。これにより、図15に示すように、第一軌跡V31と第二軌跡V32とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、一方の楕円形状の長軸と他方の楕円形状の短軸とが重なったときに最も大きく離間するので、球体2の自転軸の傾きの変動幅をさらに大きくして球体2の姿勢を大きく変化させることができ、真球度を大幅に向上できる。
【0063】
また、上述の実施形態では、第一研磨溝23aは、円形状に形成し、第二研磨溝33aは、花冠形状に形成したが、第一研磨溝23aは、円形状に形成し、第二研磨溝33aは、楕円形状に形成してもよい。この場合、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aは、図16に示すように、第一軌跡V41と第二軌跡V42とが、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、楕円形状の長軸と短軸の各間に位置する4箇所の角度の位置F3にて交差するように形成する。これにより、球体2の自転軸の傾きの変動幅をさらに大きくして球体2の姿勢を大きく変化させることができ、真球度を大幅に向上できる。
【0064】
また、上述の実施形態では、第二研磨溝33aは、凸部331と凹部332とが、第二研磨盤33の周方向に45度の間隔で交互に出現する花冠形状、すなわち4つの花弁部を有する花冠形状に形成したが、3つ以上の複数の花弁部を有する花冠形状、すなわち第二研磨盤33の周方向に任意の角度間隔で交互に出現する花冠状に形成してもよい。
なお、以上説明した第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aの形状の組み合わせは、逆の組み合わせであってもよい。
【0065】
(8.実施形態の効果)
本実施形態の球体研磨装置1は、一方の面に中心軸線L1回りに環状に形成される第一研磨溝23aを有する第一研磨盤23と、第一研磨盤23の中心軸線L1と同軸上の中心軸線L2回りに第一研磨盤23に対して相対的に回転可能に設けられ、第一研磨盤23の一方の面に対向する面に、中心軸線L2回りに環状に形成される第二研磨溝33aを有する第二研磨盤33と、を備え、研磨対象である球体2を第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aで挟圧して、第一研磨盤23及び第二研磨盤33を相対的に回転させることで、球体2を研磨加工する。
【0066】
そして、第一研磨溝23aにおける中心軸線L1方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、第二研磨溝33aにおける中心軸線L2方向の断面の内周縁は、円弧状に形成され、第一研磨溝23aの断面円弧中心C1による軌跡を第一軌跡V1,V11,V21,V31,V41とし、第二研磨溝33aの断面円弧中心C2による軌跡を第二軌跡V2,V12,V22,V32,V42とし、第一軌跡V1,V11,V21,V31,V41と第二軌跡V2,V12,V22,V32,V42とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、径方向の距離が周方向において変化する関係を有する。
【0067】
第一研磨溝23aの断面円弧中心C1の第一研磨溝23aに沿った第一軌跡V1,V11,V21,V31,V41は、第二研磨溝33aの断面円弧中心C2の第二研磨溝33aに沿った第二軌跡V2,V12,V22,V32,V42に対し変化するので、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aと球体2との接触位置Aa1,Aa2は変化することになり、球体2の自転軸の傾きは変動する。よって、球体2は、第一、第二研磨溝23a,33aによって研磨されている最中において、球体2の姿勢が変化するので、真球度が向上する。
【0068】
また、第一軌跡V1,V11,V21,V31,V41と第二軌跡V2,V12,V22,V32,V42とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、複数箇所にて交差するので、球体2の姿勢を大きく変化させることができる。
また、第一軌跡V1,V11,V41及び第二軌跡V2,V12,V42の一方は、円形状に形成され、第一軌跡V1,V11,V41及び第二軌跡V2,V12,V42の他方は、非円形状に形成されるので、球体2の自転軸の傾きを大きく変動させることができる。
【0069】
また、第一軌跡21,31及び第二軌跡22,32は、非円形状に形成されるので、球体2の自転軸の傾きをさらに大きく変動させることができる。
また、非円形状は、複数の花弁部331,332,332を有する花冠形状、特に複数の花弁部331,332,332を有する花冠形状であるので、球体2の姿勢を頻繁に変化させることができる。
また、花冠形状の外接円は、円形状より大径であり、花冠形状の外接円の中心軸線L2は、円形状の中心軸線L1と同軸に位置し、花冠形状の内接円は、円形状より小径であり、花冠形状の内接円の中心軸線L2は、円形状の中心軸線L1と同軸に位置し、第一軌跡V11と第二軌跡V12とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、花冠形状における各花弁部F1にて交差するので、球体2の自転軸の傾きの変動幅を大きくして球体2の姿勢を大きく変化させることができ、真球度を大幅に向上できる。
【0070】
また、非円形状は、楕円形状であるので、球体2の姿勢を大きく変化させることができる。
また、非円形状は、楕円形状であり、楕円形状の中心軸線L2は、円形状の中心軸線L1と同軸に位置し、第一軌跡V41と第二軌跡V42とは、中心軸線L2(L1)方向から見た場合に、楕円の長軸と短軸の各間に位置する4箇所の角度にて交差する。これにより、球体2の自転軸の傾きの変動幅をさらに大きくして球体2の姿勢を大きく変化させることができ、真球度を大幅に向上できる。
【0071】
また、球体研磨装置1は、第一研磨盤23が設けられる基台11と、第一研磨盤23及び第二研磨盤33に対して第一研磨盤23の中心軸線L1方向及び中心軸線L1と直角な方向の少なくとも2軸方向に相対的に移動可能に基台11に設けられ、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aをツルーイングするツルア65と、第一研磨盤23及び第二研磨盤33を相対回転させて第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aにより球体2を研磨し、ツルア65を2軸方向に相対的に移動させ且つ第一研磨盤23を回転させながらツルア65により第一研磨溝23aをツルーイングし、且つ、ツルア65を2軸方向に相対的に移動させ且つ第二研磨盤33を回転させながらツルア65により第二研磨溝33aをツルーイングする制御装置16と、を備える。これにより、第一研磨溝23a及び第二研磨溝33aを容易にツルーイングできる。
【0072】
また、ツルア65は、第一研磨盤23の中心軸線L1と直角な方向の軸線X2回りに回転する総型のロータリーツルアであるので、ツルーイングの制御が容易となる。
球体研磨装置1による球体研磨方法は、第一研磨溝及び第二研磨溝で研磨対象である球体を挟圧して、第一研磨盤及び第二研磨盤を相対的に回転させることで、球体を研磨加工する。これにより、上述の球体研磨装置1の効果と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0073】
1:球体研磨装置、 2:球体、 11:基台、 12:コラム、 16:制御装置、 17:ツルーイング装置、 23:第一研磨盤、 23a:第一研磨溝、 33:第二研磨盤、 33a:第二研磨溝、 65:ツルア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16