【課題】監視装置に接続された無線装置と、監視センター装置との間の通信状況の確認にかかる通信コストを低減するとともに、基地局のリプレースに起因する、無線装置と監視センター装置との間で通信が行えなくなる状況の発生を防ぐ。
【解決手段】本発明の昇降機の遠隔監視システムでは、監視センター装置が、複数の無線装置のそれぞれにおいて実施される回線チェック発報の実施間隔を設定する。そして、監視センター装置が、受信した回線チェック信号に含まれる基地局の識別情報が、当該回線チェック信号を送信した無線装置による前回の回線チェック発報の実施時に受信した回線チェック信号に含まれる基地局の識別情報と異なるときには、複数の無線装置のうちの回線チェック信号を送信した無線装置以外の無線装置に対して回線チェック発報の実施を要求する。
前記回線チェック発報間隔設定部は、前記複数の無線装置のそれぞれにおいて実施される前記回線チェック発報の実施間隔を前記複数の無線装置の台数に対応する日数に設定し、且つ、各無線装置が前記回線チェック発報を実施する日が互いに異なるように、各無線装置の前記回線チェック発報の実施態様を設定する
請求項2に記載の昇降機の遠隔監視システム。
昇降路内を昇降する昇降機の異常発生の有無を監視し、前記異常発生を検知した場合に異常を検知したことを通報する複数の監視装置にそれぞれ接続され、所定の基地局と無線通信可能であり、且つ、前記所定の基地局の識別情報が付加された回線チェック信号を前記所定の基地局を介して送信する回線チェック発報を行うことが可能な複数の無線装置のそれぞれと、前記所定の基地局を介して、通信接続可能な通信部と、
前記複数の無線装置のそれぞれにおいて実施される前記回線チェック発報の実施間隔を設定する回線チェック発報間隔設定部と、
前記複数の無線装置のうちの所定の無線装置から前記通信部を介して前記回線チェック信号を受信した場合に、当該回線チェック信号に含まれる基地局の第1の識別情報と、前記所定の無線装置による前回の前記回線チェック発報の実施時に受信した前記回線チェック信号に含まれる基地局の第2の識別情報とを比較し、前記第1の識別情報が前記第2の識別情報と同一でなかったときには、前記複数の無線装置のうちの前記所定の無線装置以外の無線装置に対して前記回線チェック発報の実施を要求する基地局識別情報確認部と、を備える
監視センター装置。
昇降路内を昇降する昇降機の異常発生の有無を監視し、前記異常発生を検知した場合に異常を検知したことを通報する複数の監視装置と、前記複数の監視装置にそれぞれ接続され、所定の基地局と無線通信可能であり且つ前記所定の基地局の識別情報が付加された回線チェック信号を前記所定の基地局を介して送信する回線チェック発報を行うことが可能な複数の無線装置と、前記所定の基地局を介して、前記複数の無線装置のそれぞれと通信接続可能であり、前記昇降機の稼働状況を遠隔で監視する監視センター装置と、を備える昇降機の遠隔監視システムの前記監視センター装置が、前記複数の無線装置のそれぞれにおいて実施される前記回線チェック発報の実施間隔を設定することと、
前記監視センター装置が、前記無線装置からの前記回線チェック信号を受信した場合に、当該回線チェック信号に含まれる基地局の第1の識別情報と、当該回線チェック信号を送信した無線装置による前回の前記回線チェック発報の実施時に受信した前記回線チェック信号に含まれる基地局の第2の識別情報とを比較することと、
前記監視センター装置が、前記第1の識別情報が前記第2の識別情報と異なるときには、前記複数の無線装置のそれぞれから受信した直近の前記回線チェック信号に含まれる基地局の識別情報が、前記第2の識別情報と同一である無線装置に対して前記回線チェック発報の実施を要求することと、を含む
昇降機の遠隔監視方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係る昇降機の遠隔監視システム及びそれを用いた昇降機の遠隔監視手法の内容について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0013】
[昇降機の遠隔監視システムの全体構成]
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る昇降機の遠隔監視システムの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態の昇降機1の遠隔監視システム10の全体構成を示す概略構成図である。
【0014】
遠隔監視システム10は、
図1に示すように、昇降機1と、該昇降機1に設けられた無線装置5と基地局6及び通信回線網7を介して通信接続可能な監視センター装置8とを備える。なお、基地局6は、無線通信事業者によって所有及び管理され、アンテナ61から発する電波の到達範囲内に設置された無線装置5との間で、無線による通信が可能である。また、通信回線網7は、無線通信事業者が所有するネットワークである。
【0015】
昇降機1は、乗客等を運搬する乗りかご2、制御装置3、監視装置4、及び、監視装置4に接続された無線装置5を備える。
【0016】
乗りかご2は、昇降路1a内を昇降し、不図示の乗客の操作により指定された所定の階床Fk(kは1〜nの自然数)に停止する。制御装置3は、例えばCPU(Central Processing Unit)やメモリ等をLSI(Large-scale Integration)チップに集積した回路(マイコン)を含んで構成され、乗りかご2の昇降動作を含む、昇降機1の運転動作全般を制御する。なお、制御装置3による昇降機1の運転動作全般の制御は、昇降機1を構成する各部に制御信号を出力すること等により行われる。
【0017】
監視装置4は、制御装置3から入力される制御信号に基づいて昇降機1の異常発生の有無を監視し、昇降機1の異常を検知した場合には、異常を検知した旨を、無線装置5に通知する。なお、監視装置4の内部構成、機能等については、後述の
図3を参照して詳述する。
【0018】
無線装置5は、電波を送受信するアンテナ51を有し、アンテナ51を介して基地局6と無線通信を行う。無線装置5は、監視装置4が昇降機1の異常を検知した場合に、異常検知した旨を、基地局6及び通信回線網7を介して接続される監視センター装置8に通報する。また、無線装置5は、監視センター装置8によって予め定められた所定の間隔で、定期的に回線チェック発報を実施する。
【0019】
回線チェック発報は、監視装置4(無線装置5)と、監視センター装置8との間の通信が正常に行われるか否かを確認する目的で実施される発報である。回線チェック発報は、無線装置5から監視センター装置8に対して所定の情報を含む信号(以下、「回線チェック信号」と称する)を送信することにより行われる。具体的には、回線チェック発報において、無線装置5は、自装置が無線通信を行っている基地局6の個体識別番号である基地局ID(Identification)(基地局の識別情報の一例)を、回線チェック信号に付加する。そして、無線装置5は、基地局IDが付加された回線チェック信号を、監視センター装置8に送信する。
【0020】
また、無線装置5は、監視センター装置8から、回線チェック発報の即時実施が要求されると、即時に回線チェック発報を実施する。なお、以下では、この回線チェック発報の態様と、上述した定期的に行われる回線チェック発報の態様とを区別するため、無線装置5によって即時に実施される回線チェック発報のことを「即時回線チェック発報」と称する。無線装置5は、この即時回線チェック発報実施時にも、自装置が無線通信を行っている基地局6の基地局IDを回線チェック信号に付加する。なお、無線装置5の内部構成、機能等については、後述の
図5を参照して詳述する。
【0021】
監視センター装置8は、監視装置4と離れた場所に設置され、昇降機1を遠隔で監視する。例えば、監視センター装置8は、監視センター(不図示)内に設けられ、通信回線網7及び基地局6を介して、昇降機1に設けられた無線装置5と通信接続される。無線装置5から、昇降機1の異常検知を知らせる通報が送信されると、該通報を受信した監視センター装置8を有する監視センターから、昇降機1の保守業務を担当する営業所に対して、異常を是正するための適切な対応指示が出される。対応指示を受けた営業所は、作業員を現地に派遣して、作業員に昇降機1の復旧作業を行わせる。
【0022】
また、監視センター装置8は、無線装置5が回線チェック発報を実施する間隔を、同一の基地局6を介して自装置と通信接続される無線装置5の台数に応じて、所定の間隔に設定(決定)する。なお、同一の基地局6を介して自装置と通信接続される無線装置5とは、監視センター装置8が通信する所定の基地局6の電波到達範囲内に設置された、該基地局6と無線通信を行う無線装置5である。
【0023】
本実施形態では、監視センター装置8は、監視センター装置8が1日に1台の無線装置5のみと回線チェック発報を実施するように、回線チェック発報の態様(実施間隔及び実施タイミング)を設定する。例えば、所定の基地局6を介して監視センター装置8と通信可能な無線装置5がm台存在する場合には、各無線装置5が実施する回線チェック発報の実施間隔をm日(実施頻度を1回/m日)に設定する。さらに、本実施形態では、回線チェック発報の対象となる無線装置5が日によって順次変わるように回線チェック発報の態様を設定する。
【0024】
図2は、監視センター装置8と通信可能な1つの基地局6が発する電波の到達範囲Ar内に、7台の無線装置(無線装置5a〜無線装置5g)が設置されている例を示す図である。
図2に示す例に、上述した回線チェック発報の実施態様の設定手法を適用すると、回線チェック発報の実施間隔が1週間(7日間)となり、且つ、毎日、回線チェック発報の実施対象となる無線装置が変わる。この場合、無線装置5a〜無線装置5gのそれぞれにおける回線チェック発報の実施頻度を、1回/1週間にすることができる。それゆえ、本実施形態によれば、各無線装置で実施される回線チェック発報における通信コストを低減することができる。なお、監視センター装置8と各無線装置(無線装置5a〜無線装置5gのそれぞれ)の間で行われる回線チェック発報の実施態様の設定例については、後述の
図6を参照して詳述する。
【0025】
また、監視センター装置8は、所定の無線装置5から回線チェック信号を受信した際(回線チェック発報実施時)、回線チェック発報に含まれる基地局ID(第1の識別情報の一例)を抽出する。また、この際、監視センター装置8は、今回抽出した基地局IDと、所定の無線装置5との間で実施された前回の回線チェック発報に含まれていた基地局ID(第2の識別情報の一例)とを比較する。以下、前者の基地局IDを「今回基地局ID」と称し、後者の基地局IDを「前回基地局ID」と称する。監視センター装置8は、今回基地局IDが前回基地局IDと一致しない場合、基地局6のリプレースが行われたと判断する。そして、監視センター装置8は、予め管理している、基地局6と無線通信可能な、所定の無線装置5以外の他の無線装置5に対して、即時回線チェック発報の実施を要求する。
【0026】
即時回線チェック発報の実施要求を受けた各無線装置5は、即時回線チェック発報を実施する。この際、各無線装置5で実施される即時回線チェック発報にも、各無線装置5が無線通信を行っている基地局6の基地局IDが含まれ、基地局6がリプレースされている場合には、リプレース後の基地局6の基地局IDが即時回線チェック発報に含まれることになる。それゆえ、監視センター装置8は、即時回線チェック発報に含まれる基地局IDの情報等に基づいて、リプレース後の基地局6と各無線装置5との間の通信状況を把握することができる。
【0027】
つまり、本実施形態によれば、回線チェック発報の実施にかかる通信コストを低減しつつ、基地局6のリプレースに起因する、各無線装置5と監視センター装置8との間で通信が行えなくなる状況の発生も、防ぐことができる。
【0028】
[監視装置、無線装置及び監視センター装置の内部構成]
次に、監視装置4、監視センター装置8及び無線装置5の内部構成について説明する。
【0029】
まず、
図3を参照して、監視装置4の内部構成について説明する。
図3は、監視装置4の内部構成を示すブロック図である。監視装置4は、昇降機監視部41、情報送信部42及び制御部43を有する。
【0030】
昇降機監視部41は、制御装置3から入力される制御信号に基づいて、昇降機1における異常発生の有無や、昇降機1の稼動状態を監視する。情報送信部42は、昇降機監視部41が昇降機1の異常を検知した場合に、昇降機1の異常検知を示す情報を、無線装置5を介して監視センター装置8に送信する。制御部43は、例えば各種演算機能を備えたCPU等で構成され、情報送信部42及び制御部43の動作を制御する。
【0031】
次に、
図4を参照して、監視センター装置8の内部構成について説明する。
図4は、監視センター装置8の内部構成を示すブロック図である。監視センター装置8は、回線チェック発報間隔設定部81、基地局IDチェック部82(基地局識別情報確認部の一例)、通信装置83(通信部の一例)、データベース84、表示装置85、入力装置86及び制御部87を有する。
【0032】
回線チェック発報間隔設定部81は、同一の基地局6を介して監視センター装置8と通信接続される無線装置5の台数に応じて、各無線装置5が回線チェック発報を実施する間隔を決定する。具体的には、各無線装置5の回線チェック発報の実施間隔を、無線装置5の台数分の日数に設定する。また、回線チェック発報間隔設定部81は、回線チェック発報を実施する無線装置5の1日毎の順序、すなわち、各無線装置5の回線チェック発報の実施タイミング(例えば、実施曜日等)も決定する。
【0033】
なお、回線チェック発報間隔設定部81で決定された回線チェック発報の実施態様(実施間隔及び実施タイミング)の、各無線装置5への設定処理は、監視センター装置8から通信回線網7及び基地局6を介して各無線装置5に送信される制御信号等を用いて行ってもよい。また、作業員が手動で、回線チェック発報の実施態様を各無線装置5に設定してもよい。なお、回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例については、後述の
図6を参照して詳述する。
【0034】
基地局IDチェック部82は、無線装置5から受信した回線チェック信号に付加されている基地局ID(今回基地局ID)と、当該無線装置5から前回受信した回線チェック信号に付加されていた基地局ID(前回基地局ID)とを比較する。そして、両基地局IDが異なっている場合、基地局IDチェック部82は、基地局6のリプレースが行われたと判断する。基地局6のリプレースが行われたと判断された場合、基地局IDチェック部82は、同一の基地局6と通信を行う他の無線装置5に対して、即時回線チェック発報の実施要求を行う。
【0035】
通信装置83は、通信回線網7及び基地局6を介して接続される無線装置5との間で行う信号及び/又はデータの送受信を制御する。データベース84は、監視対象になる昇降機1の所有者名(顧客名)や、昇降機1が設置されている建物の住所などの情報等が格納(管理)される。また、データベース84には、所定の基地局6と、該所定の基地局6と無線通信可能な無線装置5との対応関係を示す情報も格納(管理)される。
【0036】
表示装置85は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイで構成され、その画面には、オペレーターが監視センター装置8を操作する際に必要となる各種情報等が、表示される。入力装置86は、例えばキーボード、マウス、タッチセンサー等で構成され、オペレーターの操作内容に応じた操作信号を生成して制御部87に出力する。制御部87は、例えば各種演算機能を備えたCPU等で構成され、監視センター装置8を構成する各部の動作を制御する。
【0037】
次いで、
図5を参照して、無線装置5の構成について説明する。
図5は、無線装置5の内部構成を示すブロック図である。なお、
図2に示す無線装置5a〜無線装置5gのそれぞれの構成も
図5に示す構成と同様である。
【0038】
無線装置5は、基地局ID取得部52、基地局通信部53、回線チェック発報部54及び制御部55を有する。
【0039】
基地局ID取得部52は、自装置が無線通信を行っている基地局6の基地局IDを取得する。基地局通信部53は、基地局6との間で無線通信を行う。回線チェック発報部54は、監視センター装置8の回線チェック発報間隔設定部81(
図4参照)により設定された間隔で、回線チェック発報を実施する。また、回線チェック発報部54は、監視センター装置8からの即時回線チェック発報の実施要求を受けた場合には、即時回線チェック発報を実施する。さらに、回線チェック発報部54は、定期的な回線チェック発報の実施時及び即時回線チェック発報の実施時に、基地局ID取得部52が取得した基地局IDを回線チェック信号に付加する処理も行う。すなわち、回線チェック発報部54は、定期的な回線チェック発報及び即時回線チェック発報に基地局IDを含ませる処理も行う。また、制御部55は、例えば各種演算機能を備えたCPU等で構成され、無線装置5を構成する各部の動作を制御する。
【0040】
[回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例]
次に、
図6A〜
図6Fを参照して、回線チェック発報間隔設定部81による回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例について説明する。
図6A〜
図6Fは、それぞれ、同一の基地局6を介して監視センター装置8に接続される無線装置5の台数が2台〜7台である場合の設定例を示す図である。なお、
図6A〜
図6Fでは、説明の便宜上、各無線装置の符号を、
図2に示す例に合わせて、無線装置5a〜無線装置5gと記す。
【0041】
図6Aに示す設定パターンP1は、1つの基地局6の電波到達範囲Ar(
図2参照)内に、無線装置5a及び無線装置5bの2台の無線装置が設置されている場合における、各無線装置の回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例である。設定パターンP1では、回線チェック発報の実施間隔には、無線装置5a及び無線装置5bのいずれにおいても2日(実施頻度は1回/2日)が設定される。また、設定パターンP1では、回線チェック発報の実施の起点とする曜日として、無線装置5aには日曜日が設定され、無線装置5bには月曜日が設定される。
【0042】
設定パターンP1の回線チェック発報の実施態様が設定されると、無線装置5aでは、日曜を起点とする1日おき(実施しない日を1日、間に挟んで)、すなわち、日、火、木、土、月、水、金曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5bでは、月曜を起点とする1日おき、すなわち、月、水、金、日、火、木、土曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。
【0043】
図6Bに示す設定パターンP2は、1つの基地局6の電波到達範囲Ar内に、無線装置5a〜無線装置5cの3台の無線装置が設置されている場合における、各無線装置の回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例である。設定パターンP2では、回線チェック発報の実施間隔には、無線装置5a〜無線装置5cのいずれにおいても3日(実施頻度は1回/3日)が設定される。また、設定パターンP2では、回線チェック発報の実施の起点とする曜日として、無線装置5aには日曜日が設定され、無線装置5bには月曜日が設定され、無線装置5cには火曜日が設定される。
【0044】
設定パターンP2の回線チェック発報の実施態様が設定されると、無線装置5aでは、日曜を起点とする2日おき(実施しない日を2日、間に挟んで)、すなわち、日、水、土、火、金曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5bでは、月曜を起点とする2日おき、すなわち、月、木、日、水、土曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5cでは、火曜を起点とする2日おき、すなわち、火、金、月、木曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。
【0045】
図6Cに示す設定パターンP3は、1つの基地局6の電波到達範囲Ar内に、無線装置5a〜無線装置5dの4台の無線装置が設置されている場合における、各無線装置の回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例である。設定パターンP3では、回線チェック発報の実施間隔には、無線装置5a〜無線装置5dのいずれにおいても4日(実施頻度は1回/4日)が設定される。また、設定パターンP3では、回線チェック発報の実施の起点とする曜日として、無線装置5aには日曜日が設定され、無線装置5bには月曜日が設定され、無線装置5cには火曜日が設定され、無線装置5dには水曜日が設定される。
【0046】
設定パターンP3の回線チェック発報の実施態様が設定されると、無線装置5aでは、日曜を起点とする3日おき(実施しない日を3日、間に挟んで)、すなわち、日、木、月、金曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5bでは、月曜を起点とする3日おき、すなわち、月、金、火、土曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5cでは、火曜を起点とする3日おき、すなわち、火、土、水曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5dでは、水曜を起点とする3日おき、すなわち、水、日、木曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。
【0047】
図6Dに示す設定パターンP4は、1つの基地局6の電波到達範囲Ar内に、無線装置5a〜無線装置5eの5台の無線装置が設置されている場合における、各無線装置の回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例である。設定パターンP4では、回線チェック発報の実施間隔には、無線装置5a〜無線装置5eのいずれにおいても5日(実施頻度は1回/5日)が設定される。また、設定パターンP4では、回線チェック発報の実施の起点とする曜日として、無線装置5aには日曜日が設定され、無線装置5bには月曜日が設定され、無線装置5cには火曜日が設定される。無線装置5dには水曜日が設定され、無線装置5eには木曜日が設定される。
【0048】
設定パターンP4の回線チェック発報の実施態様が設定されると、無線装置5aでは、日曜を起点とする4日おき(実施しない日を4日、間に挟んで)、すなわち、日、金、水曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5bでは、月曜を起点とする4日おき、すなわち、月、土、木曜日・・・の順に回線チェック発報が実施され、無線装置5cでは、火曜を起点とする4日おき、すなわち、火、日、金曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5dでは、水曜を起点とする4日おき、すなわち、水、月、土曜日・・・の順に回線チェック発報が実施され、無線装置5eでは、木曜を起点とする4日おき、すなわち、木、火曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。
【0049】
図6Eに示す設定パターンP5は、1つの基地局6の電波到達範囲Ar内に、無線装置5a〜無線装置5fの6台の無線装置が設置されている場合における、各無線装置の回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例である。設定パターンP5では、回線チェック発報の実施間隔には、無線装置5a〜無線装置5fのいずれにおいても6日(実施頻度は1回/6日)が設定される。また、設定パターンP5では、回線チェック発報の実施の起点とする曜日として、無線装置5aには日曜日が設定され、無線装置5bには月曜日が設定され、無線装置5cには火曜日が設定される。無線装置5dには水曜日が設定され、無線装置5eには木曜日が設定され、無線装置5fには金曜日が設定される。
【0050】
設定パターンP5の回線チェック発報の実施態様が設定されると、無線装置5aでは、日曜を起点とする5日おき(実施しない日を5日、間に挟んで)、すなわち、日、土、金曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5bでは、月曜を起点とする5日おき、すなわち、月、日、土曜日・・・の順に回線チェック発報が実施され、無線装置5cでは、火曜を起点とする5日おき、すなわち、火、月曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5dでは、水曜を起点とする5日おき、すなわち、水、火曜日・・・の順に回線チェック発報が実施され、無線装置5eでは、木曜を起点とする5日おき、すなわち、木、水曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。無線装置5fでは、金曜を起点とする5日おき、すなわち、金、木曜日・・・の順に回線チェック発報が実施される。
【0051】
図6Fに示す設定パターンP6は、1つの基地局6の電波到達範囲Ar内に、無線装置5a〜無線装置5gの7台の無線装置が設置されている場合における、各無線装置の回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングの設定例である。設定パターンP6では、回線チェック発報の実施間隔には、無線装置5a〜無線装置5gのいずれにおいても7日(実施頻度は1回/7日)が設定される。また、設定パターンP6では、回線チェック発報の実施の起点とする曜日として、無線装置5aには日曜日が設定され、無線装置5bには月曜日が設定され、無線装置5cには火曜日が設定され、無線装置5dには水曜日が設定される。無線装置5eには木曜日が設定され、無線装置5fには金曜日が設定され、無線装置5gには土曜日が設定される。
【0052】
設定パターンP6の回線チェック発報の実施態様が設定されると、無線装置5aでは、日曜を起点とする6日おき(実施しない日を6日、間に挟んで)、すなわち、毎週日曜日に回線チェック発報が実施される。無線装置5bでは、月曜を起点とする6日おき、すなわち、毎週月曜日に回線チェック発報が実施され、無線装置5cでは、火曜を起点とする6日おき、すなわち、毎週火曜日に回線チェック発報が実施される。無線装置5dでは、水曜を起点とする6日おき、すなわち、毎週水曜日に回線チェック発報が実施され、無線装置5eでは、木曜を起点とする6日おき、すなわち、毎週木曜日に回線チェック発報が実施される。さらに、無線装置5fでは、金曜を起点とする6日おき、すなわち、毎週金曜日に回線チェック発報が実施され、無線装置5gでは、土曜を起点とする6日おき、すなわち、毎週土曜日に回線チェック発報が実施される。なお、
図6A〜
図6Fでは、説明が省略されているが、回線チェック発報の実施タイミングには、曜日だけでなく、実施時刻も規定されている。
【0053】
監視センター装置8が、回線チェック発報の実施態様(実施間隔及び実施タイミング)を上述のように設定することにより、各無線装置5における回線チェック発報の実施頻度を1回/(無線装置5の台数分の日数)にすることができる。この場合、複数台の無線装置5のそれぞれが個別に毎日回線チェック発報を実施する場合と比較して、各無線装置5における回線チェック発報の実施回数を低減することができ、昇降機1の遠隔監視システム10における通信コストを低減することができる。
【0054】
なお、
図6A〜
図6Fに示す例では、1つの基地局6の電波の到達範囲Ar内に設置された無線装置5の台数が7台以下である場合を説明したが、上述した回線チェック発報の実施態様の設定手法は、無線装置5の設置台数が8台以上である場合にも適用可能である。例えば、無線装置5の台数が10台である場合には、各無線装置5の回線チェック発報の実施間隔は10日(実施頻度は1回/10日)に設定される。
【0055】
[昇降機の遠隔監視システムによる遠隔監視手法]
次に、本実施形態の昇降機1の遠隔監視システム10による遠隔監視手法について、
図7及び
図8を参照しながら説明する。
図7及び
図8は、定期的に行われる回線チェック発報の実施時及び即時回線チェック発報の実施時に、監視センター装置8、並びに、
図2に示す無線装置5a〜無線装置5gのそれぞれにおいて行われる各種処理の手順を示すフローチャートである。
【0056】
なお、以下では、監視センター装置8と無線装置5aとの間で実施された定期的な回線チェック発報において、基地局6のリプレースが判明した場合の処理例を示す。それゆえ、後述のステップS11〜S14の処理は、無線装置5aで行われる処理であり、後述のステップS31〜S35の処理は、無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれで行われる処理である。
【0057】
まず、無線装置5aの回線チェック発報部54は、現時刻が、定期的に行われる回線チェック発報の実施時刻(日時)であるか否かを判定する(ステップS11)。すなわち、無線装置5aの回線チェック発報部54は、監視センター装置8の回線チェック発報間隔設定部81により設定された回線チェック発報の実施日時が訪れたか否かを判定する。ステップS11において、回線チェック発報部54が、回線チェック発報の実施日時が訪れていないと判定した場合(ステップS11がNO判定の場合)、回線チェック発報部54は、ステップS11の判定処理を繰り返す。
【0058】
一方、ステップS11において、回線チェック発報部54が、回線チェック発報の実施日時が訪れたと判定した場合(ステップS11がYES判定の場合)、基地局ID取得部52は、無線通信している基地局6の基地局IDを取得する(ステップS12)。次いで、回線チェック発報部54は、ステップS12で取得した基地局IDを回線チェック信号に付加する(ステップS13)。次いで、回線チェック発報部54は、基地局IDが付加された回線チェック信号を、基地局通信部53を介して監視センター装置8に送信する、すなわち、回線チェック発報部54は、定期的な回線チェック発報を実施する(ステップS14)。そして、ステップS14の処理後、無線装置5aは処理を終了する。
【0059】
一方、監視センター装置8の通信装置83は、回線チェック信号(回線チェック発報)の受信処理を行う(ステップS21)。次いで、基地局IDチェック部82は、ステップS21の処理によって通信装置83が回線チェック信号を受信したか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22において、基地局IDチェック部82が、通信装置83が回線チェック発報を受信していないと判定した場合(ステップS22がNO判定の場合)、基地局IDチェック部82は、処理をステップS21に戻し、ステップS21以降の処理を行う。
【0060】
一方、ステップS22において、基地局IDチェック部82が、通信装置83が回線チェック信号を受信したと判定した場合(ステップS22がYES判定の場合)、基地局IDチェック部82は、ステップS23の処理を行う。ステップS23では、基地局IDチェック部82は、ステップS21で無線装置5aから受信した回線チェック信号に含まれる今回基地局IDが、無線装置5aから前回受信した回線チェック信号に含まれていた前回基地局IDと同一であるか否かを判定する。
【0061】
ステップS23において、基地局IDチェック部82が、両基地局IDが同一であると判定した場合(ステップS23がYES判定の場合)、制御部87は、昇降機1の遠隔監視処理を終了する。一方、ステップS23において、両基地局IDが同一でないと判定された場合(ステップS23がNO判定の場合)、基地局IDチェック部82が、即時回線チェック発報の実施要求信号を無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれに送信する(ステップS24)。
【0062】
すなわち、ステップS24の即時回線チェック発報の実施要求信号の送信処理は、前回基地局IDにより特定される基地局6と通信していた複数の無線装置のうち、ステップS21で受信した回線チェック発報の送信元の無線装置以外の無線装置を対象に行われる。なお、即時回線チェック発報の実施要求信号の送信対象となる無線装置の特定は、例えば、基地局IDチェック部82が、データベース84において管理される、基地局6と、該基地局6と無線通信可能な無線装置5との対応関係の情報を参照することにより行われる。
【0063】
次いで、基地局IDチェック部82は、即時回線チェック発報の実施要求信号の送信処理が、送信先対象となる全ての無線装置(無線装置5b〜無線装置5g)に対して実行されたか否かを判定する(ステップS25)。ステップS25において、基地局IDチェック部82が、即時回線チェック発報の実施要求信号の送信が完了していないと判定した場合(ステップS25がNO判定の場合)、基地局IDチェック部82は、処理をステップS24に戻す。そして、基地局IDチェック部82は、ステップS24以降の処理を行う。なお、無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれが、即時回線チェック発報の実施要求信号を受信した際の処理については、後で詳述する。
【0064】
一方、ステップS25において、基地局IDチェック部82が、即時回線チェック発報の実施要求信号の送信処理が完了したと判定した場合(ステップS25がYES判定の場合)、通信装置83は、即時回線チェック発報の受信処理を行う(ステップS26)。次いで、通信装置83は、ステップS24で即時回線チェック発報の実施要求信号の送信対象となった全ての無線装置5b〜無線装置5gから、即時回線チェック発報を受信したか否かを判定する(ステップS27)。
【0065】
ステップS27において、無線装置5b〜無線装置5gからの即時回線チェック発報の受信処理が完了していないと判定された場合(ステップS27がNO判定の場合)、基地局IDチェック部82は、所定の時間が経過したか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28において、基地局IDチェック部82が、所定の時間が経過していないと判定した場合(ステップS28がNO判定の場合)、制御部87は、処理をステップS26に戻し、ステップS26以降の処理を行う。つまり、基地局IDチェック部82は、予め定められた所定の時間が経過するまでの間、無線装置5b〜無線装置5gの全てから即時回線チェック発報を受信したか否かの判定処理を続ける。
【0066】
一方、ステップS28において、所定の時間が経過したと判定された場合(ステップS28がYES判定の場合)、基地局IDチェック部82は、即時回線チェック発報の未受信の無線装置を特定する情報を、データベース84に記憶する(ステップS29)。この処理により、対象となっている基地局6のリプレース、もしくは他の原因によって、基地局6と無線通信できなくなったと考えられる無線装置の情報を、監視センター装置8で管理できる。また、ステップS29において、基地局IDチェック部82は、即時回線チェック発報に含まれる新しい基地局IDの情報を用いて、データベース84において管理される基地局6と無線装置5a〜無線装置5gとの対応関係の情報を更新してもよい。そして、ステップS29の処理後、制御部87は、昇降機1の遠隔監視処理を終了する。
【0067】
ここで再度、ステップS27の説明に戻る。ステップS27において、通信装置83が、無線装置5b〜無線装置5gからの即時回線チェック発報の受信処理を完了したと判定した場合(ステップS27がYES判定の場合)、制御部87は、昇降機1の遠隔監視処理を終了する。
【0068】
次に、監視センター装置8から無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれに、即時回線チェック発報の実施要求信号が送信された際に、無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれにおいて実行される処理について説明する。
【0069】
まず、各無線装置(無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれ)の基地局通信部53は、即時回線チェック発報の実施要求信号の受信処理を行う(ステップS31)。次いで、回線チェック発報部54は、ステップS31の処理において即時回線チェック発報の実施要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32において、回線チェック発報部54が、即時回線チェック発報の実施要求信号を受信していないと判定した場合(ステップS32がNO判定の場合)、制御部55は、処理をステップS31に戻し、ステップS31以降の処理を行う。
【0070】
一方、ステップS32において、即時回線チェック発報の実施要求信号を受信したと判定された場合(ステップS32がYES判定の場合)、基地局ID取得部52は、基地局通信部53が無線通信を行っている基地局6の基地局IDを取得する(ステップS33)。次いで、回線チェック発報部54は、基地局ID取得部52が取得した基地局IDを回線チェック信号に付加する(ステップS34)。
【0071】
次いで、回線チェック発報部54は、基地局IDが付加された回線チェック信号を、基地局通信部53を介して監視センター装置8に送信する、すなわち、回線チェック発報部54は、即時回線チェック発報を実施する(ステップS35)。無線装置5b〜無線装置5gのそれぞれにおいて、ステップS35で送信された回線チェック信号は、上述したステップS26で行われる即時回線チェック信号受信処理により、監視センター装置8の通信装置83によって受信される。そして、ステップS35の処理後、制御部55は、処理を終了する。
【0072】
[各種効果]
上述のように、本実施形態の昇降機1の遠隔監視システム10では、1つの基地局6を介して監視センター装置8と接続される複数の無線装置5のそれぞれにおける回線チェック発報の実施間隔及び実施タイミングは、無線装置5の台数に応じて設定される。この際、例えば、各無線装置5の回線チェック発報の実施頻度が1回/(無線装置5の台数分の日数)となるように設定される。それゆえ、1つの基地局6を介して監視センター装置8と接続される各無線装置5が、1回/1日の頻度で回線チェック発報を実施する場合と比較して、回線チェック発報の実施にかかる通信コストを低減することができる。
【0073】
また、本実施形態の昇降機1の遠隔監視システム10では、監視センター装置8は、無線装置5から送信された回線チェック発報に含まれていた今回基地局IDが、前回受信した回線チェック発報に含まれていた前回基地局IDと同一であるか否かを判定する。そして、監視センター装置8は、両基地局IDが異なると判定した場合に、基地局6のリプレースが行われたと判断し、基地局6を介して通信を行う他の無線装置5に対して、即時回線チェック発報の実施要求を行う。これにより、基地局6のリプレースが行われた場合に、当該基地局6を介して互いに接続される監視センター装置8及び無線装置5間の通信状況を、予定されている次回の回線チェック発報の実施を待たずに、即時に確認することができる。
【0074】
それゆえ、本実施形態の昇降機1の遠隔監視システム10によれば、回線チェック発報の実施にかかる通信コストを低減するとともに、基地局のリプレースに起因する、監視センター装置8及び無線装置5間での通信が行えない状況の発生を防止することができる。
【0075】
[各種変形例]
以上、本発明の一実施形態に係る昇降機1の遠隔監視システム10、及び、遠隔監視システム10による昇降機1の遠隔監視方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明の構成は、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の変形例、応用例の構成を取り得る。例えば、次のような各種変形例も本発明に含まれる。
【0076】
上記実施形態では、同一の基地局6を介して監視センター装置8と接続されるm台の無線装置5のそれぞれにおいて、回線チェック発報の実施間隔をm日(実施頻度を1回/m日)とし、各無線装置5の回線チェック発報の実施日が互いに異なる例を説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。コスト低減を図ることが可能な回線チェック発報の実施態様であれば、任意の態様を適用することができる。
【0077】
例えば、各無線装置5における回線チェック発報の実施頻度は1回/m日に設定するが、複数の無線装置5のうち、例えば2台の無線装置5の回線チェック発報を同日に実施するように、回線チェック発報の実施態様を設定にしてもよい。ただし、この場合には、同日に回線チェック発報を実施する無線装置5の回線チェック発報の実施時刻を互いに異なるように設定する。回線チェック発報の実施態様をこのように設定することにより、基地局6のリプレースが行われてから該リプレースを監視センター装置8が検知するまでの期間を、より短縮することができる。
【0078】
また、上記実施形態では、複数の無線装置5の回線チェック発報の実施態様として、回線チェック発報の対象となる無線装置5が毎日変化する態様を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各無線装置5の回線チェック発報の実施態様(実施間隔及び実施タイミング)を、複数の無線装置5のうち、所定の無線装置5において、例えば2日間程度連続して回線チェック発報が実施されるように設定にしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、各無線装置5における回線チェック発報の実施態様を、無線装置5の台数に加えて、各無線装置5の基地局6に対する相対的な設置位置も考慮して設定してもよい。例えば、回線チェック発報の実施態様を、基地局6を中心とする略対角線上に位置する2台の無線装置5が、同時に回線チェック発報を実施するような態様に設定してもよい。回線チェック発報の実施態様をこのように設定した場合、監視センター装置8が、例えば、回線チェック発報の受信の可否、回線チェック発報の受信強度等の情報に基づいて、基地局6から発せられる電波の指向性に関する情報等も取得することが可能となる。
【0080】
なお、上述した実施形態及び各種変形例は、本発明を分かりやすく説明するために装置(昇降機、監視装置、監視センター装置、無線装置及び遠隔監視システム)の構成を詳細且つ具体的に説明したものである。よって、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0081】
また、上述した昇降機の遠隔監視システムの制御に係る各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現されてもよい。また、上述した制御に係る各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより、すなわちソフトウェアにより実現されてもよい。なお、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報(データ)は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。