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特開2017-43568イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-43568(P2017-43568A)
(43)【公開日】2017年3月2日
(54)【発明の名称】イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/97 20170101AFI20170210BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20170210BHJP
【FI】
   A61K8/97
   A61Q15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-167895(P2015-167895)
(22)【出願日】2015年8月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 慶晃
(72)【発明者】
【氏名】松下 瑠美
(72)【発明者】
【氏名】望月 佑次
(72)【発明者】
【氏名】植村 清美
(72)【発明者】
【氏名】横山 裕実
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AD071
4C083AD072
4C083BB21
4C083CC17
4C083DD17
4C083EE18
(57)【要約】
【課題】イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法を提供すること。
【解決手段】ノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
【請求項2】
有機吸着パウダーと組み合わせて用いられる、請求項1に記載のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
【請求項3】
有機吸着パウダーがナイロン末からなる群から選択される1種以上である、請求項2に記載のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
【請求項4】
ノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する製剤を皮膚に塗布することによる、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
足臭(足の不快な臭気)は、皮脂、蛋白質(角質)、汗等の有機物質が、靴の中で繁殖する細菌類によって分解されて発生するものである。足臭は、足が履物の内側に取り囲まれ、汗をかく時に発生する。足は身体の他の部分よりも汗腺が多いため、過剰に汗をかき、産生された汗は履物の中に足が取り囲まれていることに起因して蒸発することができない。従って、足臭は継続的に揮発して臭気を発し、靴下や靴にも付着する。
特許文献1および2には、その足臭の主たる原因物質がイソ吉草酸であると考えられていること、およびイソ吉草酸はL−ロイシンの酵素的変換により主に生成されることが記載されている。
特許文献3には、プロピレングリコールを消臭成分として0.1〜15重量%、並びにセージ油、バジル油、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブ油、オリバナム油、ローズマリー油、タイム油、ラベンダー油、ラバンディン油、カルボン、ユーカリプトール、チモール、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、カンファーより選ばれる一つ以上の香料成分を0.01〜1.0重量%含み、靴下着用の足に直接、または靴の中へ、噴霧するものである足臭用消臭剤が開示されている。実施例には、上記の各成分によるイソ吉草酸の臭いの消臭作用が記載されている。しかし、特許文献3には、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制作用については一切記載されていない。
【0003】
イソ吉草酸の類縁物質であるイソ吉草酸アルデヒドについては、足臭に関連する報告は今までなされたことがない。足臭以外の臭いについては、特許文献4および5に以下の通り報告されている。
特許文献4には、メタンチオール、プロパンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、トリメチルアミン、ジアセチル、アセトインおよび3−メチルブタナール(イソ吉草酸アルデヒド)が、経血臭または生理臭への寄与度の高い成分であると記載されている。
特許文献5には、非水系皮膚外用製品が微生物に汚染して発生する臭いの成分を分析した結果、イソ吉草酸、イソバレルアルデヒド(イソ吉草酸アルデヒド)、アセトイン、酢酸、酪酸等が大幅に増加していたことが記載されている。
イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤または生成抑制方法については、特許文献4および5には記載されておらず、また今まで報告されてもいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−24422
【特許文献2】特表2009−508478
【特許文献3】特許4353659号
【特許文献4】特開2007−198829
【特許文献5】特開2014−150758
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、足臭の強度はイソ吉草酸の量ではなく、イソ吉草酸アルデヒドの量に強く相関することを見出した。特に、弱い足臭では、イソ吉草酸が発生していないにもかかわらず不快な足臭を発する場合がある。そのような弱い足臭の状況においても、イソ吉草酸アルデヒドは発生しており、イソ吉草酸アルデヒドの量によって、弱い足臭まで評価できることを見出した。かかる知見に基づいて、本発明者らは、イソ吉草酸アルデヒドの産生能を有する微生物を利用して、イソ吉草酸アルデヒドに起因する足臭の発生を抑制するための足臭抑制剤のスクリーニング方法等を発明した。
本発明者らは、上記のスクリーニング方法等を用いて、多数の植物抽出物について、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制するかの試験を行ったところ、多くの植物抽出物はイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制しないが、意外にもノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの植物の抽出物がイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制することを見出した。本発明は、かかる知見に基づくものであり、具体的には、本発明は以下の通りである。
【0007】
[1] ノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
[2] 有機吸着パウダーと組み合わせて用いられる、[1]に記載のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
[3] 有機吸着パウダーがナイロン末からなる群から選択される1種以上である、[2]に記載のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤。
[4] ノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する製剤を皮膚に塗布することによる、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制させるイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法が提供される。本発明のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法によって、皮膚常在微生物等によるイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制することができ、足臭、体臭等の臭気を抑制させることができる。本発明によって、イソ吉草酸アルデヒドの生成後にその臭気を消臭するのではなく、臭気の発生前にイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1における、10名の被験者の足臭の強度とイソ吉草酸アルデヒドの量の関係を示すグラフである。
図2】実施例1における、10名の被験者の足臭の強度とイソ吉草酸の量の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例1に示すように、足臭の強度はイソ吉草酸アルデヒドの量に強く相関する。従って、イソ吉草酸アルデヒドを指標とすることで、弱い足臭から強い足臭まで広い範囲で、足臭を客観的に評価することができる。そこで、イソ吉草酸アルデヒドからなる足臭判定用指標剤は、足臭の客観的な判定、足臭の消臭効果または防臭効果の評価、デオドラント剤の評価、足臭抑制剤のスクリーニング等に有用である。
【0011】
1.足臭抑制剤のスクリーニング方法
イソ吉草酸アルデヒドに起因する足臭の発生を抑制するための足臭抑制剤のスクリーニング方法は、
(1)イソ吉草酸アルデヒドの産生能を有する微生物を、被験物質およびL−ロイシンを含有する培地で培養するステップ、
(2)前記ステップ(1)で得られた培養物における前記微生物の生菌数および/または前記イソ吉草酸アルデヒドの量を測定することにより、被験物質がイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制するかどうかを判定するステップ、および
(3)前記ステップ(2)において、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制する被験物質を、足臭抑制剤として選択するステップ
を含む工程によって実施される。
【0012】
ステップ(1)では、前記微生物を、被験物質およびL−ロイシンを含有する培地で培養して、培養物(培養物A)を得る。
実施例2に記載の通り、足の皮膚に存在しうる皮膚常在微生物を、L−ロイシンを含有する培地で培養することで、イソ吉草酸アルデヒドが生成することを、本発明者らは見出した。すなわち、イソ吉草酸アルデヒドは、皮膚の角質に存在する蛋白質が微生物によって加水分解されて生成されるL−ロイシンから、皮膚常在微生物の作用によって生成されることが明らかとなった。従って、ステップ(1)は、足臭が発生する状況を完全に反映したものであって、ステップ(1)において、被験物質が存在することでイソ吉草酸アルデヒドの量が減少すれば、当該被験物質は足臭抑制剤としての効果を有すると判断することができる。
【0013】
前記微生物は、イソ吉草酸アルデヒドの産生能を有するものであればよく、例えば、皮膚常在微生物、土壌微生物、腸内常在微生物、発酵食品に用いられる微生物などが挙げられる。前記微生物としては、足臭を抑制するのにより適した足臭抑制剤をスクリーニングする観点から、皮膚常在微生物が好ましい。皮膚常在微生物としては、例えば、Staphylococcus.epidermidis、Staphylococcus.warneri A、Staphylococcus.warneri B、Staphylococcus.caprae B、Staphylococcus.haemolyticus、Staphylococcus.capitis A、Staphylococcus.capitis B、Staphylococcus.lentus、Staphylococcus.gallinarum、Staphylococcus.delphini、Staphylococcus.aureus、Staphylococcus.hominis、Staphylococcus.xylosus、Staphylococcus.hyicus、Staphylococcus.cohnii、Corynebacterium.minutissimum、Corynebacterium.xerosis、Corynebacterium.tenuis、Micrococcus等が挙げられる。好ましくは、Staphylococcus.aureus、Staphylococcus.epidermidisおよびCorynebacterium.minutissimum等が挙げられる。
【0014】
被験物質としては、例えば、L−ロイシンからイソ吉草酸アルデヒドまでの変換経路のいずれの段階での変換を阻害するもの、イソ吉草酸アルデヒドを分解させるもの、イソ吉草酸アルデヒドの構造を変化させるもの、イソ吉草酸アルデヒドを吸収または吸着するもの等が挙げられる。好ましくは、L−ロイシンからイソ吉草酸アルデヒドまでの変換経路のいずれの段階での変換を阻害するものが挙げられる。
被験物質の適用量としては、足臭抑制剤としての効果を奏するであろうと思われる量を中心に複数の適応量を試験することが好ましい。
前記培地におけるL−ロイシンの含有率としては、実際の足臭が発生する際の条件を再現する観点から、例えば、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%が挙げられる。
【0015】
用いる培地としては、前記微生物の培養に通常用いられる培地を使用することができる。添加される培地成分としては、例えば、酵母エキス、リン酸、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化カルシウム等が挙げられる。
前記微生物の培養時間は、微生物の種類、培地の種類などによって異なるが、微生物によるL−ロイシンからイソ吉草酸アルデヒドが生成するのに要する時間を十分に確保する観点から、例えば、1〜72時間、好ましくは3〜24時間が挙げられる。
前記微生物の培養温度は、微生物の種類などによって異なるが、微生物を良好に生育させる観点から、例えば、20〜50℃、好ましくは30〜40℃が挙げられる。
【0016】
ステップ(2)では、前記ステップ(1)で得られた培養物(培養物A)における前記微生物の生菌数および/またはイソ吉草酸アルデヒドの量を測定することにより、被験物質がイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制するかを判定する。
前記培養物における前記微生物の生菌数の測定方法は、特に限定されないが、例えば、前記培養物を寒天培地に塗布し、一定時間培養後に生成したコロニーの数を計測するコロニーカウント法、顕微鏡観察によって培養物Aにおける前記微生物の数を測定する方法などが挙げられる。
イソ吉草酸アルデヒドの量の測定方法としては、例えば、ガスクロマトグラフ−質量分析法、ガスクロマトグラフ−水素炎イオン検出法、ガスクロマトグラフ−電子捕獲式検出法、高速液体クロマトグラフ−紫外可視分光法、高速液体クロマトグラフ−質量分析法、半導体センサを用いた検出法等が挙げられ、好ましくは、ガスクロマトグラフ−質量分析法が挙げられる。例えば、ガスクロマトグラフ−質量分析法では、クロマトグラムにおけるイソ吉草酸アルデヒドのピーク高さまたはピーク面積の数値を用いてイソ吉草酸アルデヒドの量を算出することができる。
【0017】
ステップ(2)において、被験物質がイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制するかどうかを判定するためには、例えば、被験物質を含めずに、前記ステップ(1)の操作を行って培養物(培養物B)を調製して、
(a)培養物Bにおける微生物の生菌数を、前記培養物Aにおける微生物の生菌数と比較すること、および/または
(b)培養物Bに含まれるイソ吉草酸アルデヒドの量と、培養物Aに含まれるイソ吉草酸アルデヒドの量とを比較すること、
などにより行うことができる。
この場合、
(a1)培養物Aにおける微生物の生菌数が培養物Bにおける微生物の生菌数よりも少ないこと、および/または
(b1)培養物Aに含まれるイソ吉草酸アルデヒドの量が培養物Bに含まれるイソ吉草酸アルデヒドの量よりも少ないこと
を満たす場合、被験物質がイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制する物質であると判定することができる。
【0018】
ステップ(3)では、前記ステップ(2)において、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制する被験物質を、足臭抑制剤として選択する。
上記の足臭抑制剤のスクリーニング方法では、前記微生物の生菌数および/または前記微生物により産生されるイソ吉草酸アルデヒドの量によって、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制する被験物質を足臭抑制剤として選択する。したがって、上記の足臭抑制剤のスクリーニング方法は、官能評価によって足臭抑制剤を選択する場合と比べ、簡便な操作で客観的かつ的確に、足臭抑制剤を評価することができる。
【0019】
2.イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤/生成抑制方法
本発明によって、バラ科、褐藻、キク科、シソ科、ブドウ科、オトギリソウ科、クワ科、オレンジ科、ツバキ科、マメ科、センダン科およびツツジ科の植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤、ならびに前記抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する製剤を皮膚に塗布することによる、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制方法が提供される。
好ましくは、ノイバラ(バラ科)、ノバラ(バラ科)、アイセニア(褐藻)、セイヨウノコギリソウ(キク科)、エンメイソウ(シソ科)、アカブドウ(ブドウ科)、オトギリソウ(オトギリソウ科)、クワ(クワ科)、マンダリンオレンジ(オレンジ科)、セージ(シソ科)、ペパーミント(シソ科)、チャノキ(ツバキ科)、シソ(シソ科)、クララ(マメ科)、ニーム(センダン科)およびビルベリー(ツツジ科)の植物の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤、ならびに前記抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する製剤を皮膚に塗布することによる、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制方法が提供される。
【0020】
より好ましくは、ノイバラの果実(エイジツ)、ノバラの果実(ローズヒップ)、アイセニアの全藻、セイヨウノコギリソウの全草、エンメイソウの葉/茎、アカブドウの葉、オトギリソウの花/葉/茎、クワの根皮(ソウハクヒ)、マンダリンオレンジの果皮(陳皮)、セージの葉、ペパーミントの葉、チャノキの葉、シソの葉、クララの根、ニームの葉およびビルベリーの葉の抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤、ならびに前記抽出物からなる群から選択される1種以上を含有する製剤を皮膚に塗布することによる、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制方法が提供される。
上記植物の抽出する部位としては、例えば葉、花、実、樹皮、根、茎、芽等が挙げられる。抽出に際しては、植物原料をそのまま用いてもよく、乾燥させて用いてもよい。植物原料は、粉砕して用いることができる。
【0021】
抽出溶媒としては、水および有機溶媒の何れも使用できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等が挙げられる。抽出溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、水、低級アルコール、及び多価アルコールが好ましく、水、エタノール、プロピレングリコール、及びブチレングリコールがより好ましい。2種以上を組み合わせて用いる場合、エタノールと水とを混合またはブチレングリコールと水とを混合して使用することが好ましい。その場合のエタノール、ブチレングリコールの使用比率は、溶媒の全体に対して、約30〜90容量%が好ましく、約40〜80容量%がより好ましい。
【0022】
抽出溶媒として、室温又は常温の溶媒を用いることもできるが、加熱溶媒や熱溶媒(溶媒を沸点付近に加熱したもの)を用いることもできる。具体的には、抽出溶媒が水の場合、抽出時の温度は、溶媒の沸点以下であればよく特に限定されないが、約40〜100℃が好ましく、約60〜100℃がより好ましく、約80〜100℃がさらにより好ましい。上記範囲であれば、抗糖化活性を有する成分を十分に抽出することができる。抽出時間は、特に限定されないが、通常約30秒間〜4時間、好ましくは約3〜50分間、さらに好ましくは約4〜40分間とすることができる。
また、必要に応じて攪拌して常圧で抽出することができる。但し、抽出方法及び抽出条件等を特に限定するものではなく、例えば加圧抽出を行うこともできる。
【0023】
バラとしては、バラ科植物であればいずれも用いられるが、好ましくはノイバラ、ノバラ等が挙げられる。バラの抽出物としては、例えばバラ科植物の果実からの抽出物が挙げられ、好ましくはノイバラの果実(営実:エイジツ)またはノバラの果実(ローズヒップ)等を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
アイセニアとは、サガラメとも呼ばれる褐藻である。アイセニアの抽出物としては、例えばアイセニアの全藻を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
【0024】
セイヨウノコギリソウとは、ヨーロッパ原産のキク科ノコギリソウ属の多年草である。セイヨウノコギリソウの抽出物としては、例えばセイヨウノコギリソウの全草を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
エンメイソウ(延命草)は、シソ科の多年草であり、学名はヒキオコシまたはクロバナヒキオコシと呼ばれる。エンメイソウの抽出物としては、例えばエンメイソウの葉または柔らかい茎の部分を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
シソの抽出物としては、例えばシソ科のシソの葉、枝先または実を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
【0025】
アカブドウの抽出物としては、例えばブドウ科のアカブドウの葉または果皮を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
オトギリソウ(弟切草)の抽出物としては、例えばオトギリソウの花、葉および/または茎を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
クワの抽出物としては、例えばクワの葉、実または根の皮(桑白皮:ソウハクヒ)等を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
マンダリンオレンジの抽出物としては、例えば果皮(陳皮:チンピ)等を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
【0026】
セージとは、シソ科アキギリ属の多年草または常緑低木である。セージの抽出物としては、例えばセージの葉を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
ペパーミントとは、シソ科ハッカ属の多年草植物であり、日本ではセイヨウハッカとも呼ばれている。ペパーミントの抽出物としては、例えばペパーミントの葉を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
チャノキの抽出物としては、例えばチャノキの葉から、室温時、温時または熱時、水、酸性水溶液、含水エタノール、エタノール、含水メタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチルまたはグリセリン水溶液等で抽出した抽出物等が挙げられる。この抽出物には緑茶抽出物、紅茶抽出物、中国茶抽出物等が含まれ、好ましくは緑茶抽出物が挙げられる。
クララの抽出物としては、例えばクララの根を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
ニームの抽出物としては、例えばニームの葉を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
ビルベリーの抽出物としては、例えばビルベリーの葉を水、エタノールまたは1,3−ブチレングリコール等で抽出した抽出物等が挙げられる。
本発明のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤は、乾燥状態の抽出物からなる製剤であっても、前記乾燥状態の抽出物を溶媒に混合した液剤の製剤であってもよい。前記溶媒として、前記抽出溶媒として挙げられた溶媒等が挙げられる。
【0027】
本発明において組み合わせて用いられる有機吸着パウダーとしては、イソ吉草酸アルデヒドを吸着できるのものであれば、いかなるものも使用しうる。有機吸着パウダーとしては、例えばナイロン末、シリコーン系樹脂、ポリエチレン末、架橋ポリスチレン、メチルシロキサン網状重合体、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン−1クロスポリマー、ポリシリコーン−22、ポリメチルシルセスキオキサン(メチルシロキサン網状重合体)、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、アクリレートクロスポリマー、高融点ポリエチレン末、ナイロン−12、ナイロン−6/12等が挙げられ、発明の効果を発揮する観点から、ナイロン末、シリコーン系樹脂が好ましい。
これらのパウダーは、市販品を使用してもよく、例えば、KSP-100、KSP-101、KSP-300、KSP-105、KSP-411、KSP-441、KMP-590、KMP-591、トスパール1110A(登録商標)、トスパール150KA(登録商標)、トスパール2000B(登録商標)、ガンツパール SI-020(登録商標)、ガンツパールGMP-0820(登録商標)、ガンツパールGS-1105(登録商標)、ガンツパールGS-2006(登録商標)、ミペロンPM-200(登録商標)、ORGASOL 2002 UD NAT COS(登録商標)、ORGASOL 2002 EXD NAT COS(登録商標)、ORGASOL 2002 EXD NAT COS TypeS(登録商標)、ORGASOL 4000 EXD NAT COS(登録商標)、ナイロンパウダー SP-10、ナイロンパウダー SP-500等の市販品を使用することができる。
植物抽出物と有機吸着パウダーを組み合わせることで、相加的または相乗的にイソ吉草酸アルデヒドの臭いをより抑えることができる。
【0028】
本発明のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤は、足、体表等の皮膚上におけるイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制することができるため、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制するための化粧料、医薬部外品、医薬品等に好適に用いることができる。
本発明のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤は、例えば化粧料、医薬部外品、医薬品等として製剤化することができる。その製剤の剤型としては、例えばエアゾール剤、ロールオン、スティック、洗浄料、クリーム、シート剤、ローション、乳液、ジェル、粉剤等が挙げられ、具体的には、デオドラント剤(例えば、デオドラントローション、デオドラントジェル、デオドラントスプレー、デオドラントロールオン、デオドラントペーパー、デオドラントスティックなど)、乳液、スキンケアクリーム、シート化粧料(例えば、拭き取り用シート、シートパック剤など)等が挙げられる。
本発明のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤の含有量としては、抽出物の種類、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤の用途等に応じて適宜調整することができる。上記製剤中の乾燥状態の抽出物の含有量としては、例えば0.000001〜1重量%が挙げられ、好ましくは0.00001〜0.5重量%が挙げられ、より好ましくは0.0001〜0.1重量%が挙げられる。吸着パウダーを本発明のイソ吉草酸アルデヒドの消臭剤に添加する場合は、上記製剤中の吸着パウダーの含有量としては、例えば0.01〜50重量%が挙げられ、好ましくは0.05〜30重量%が挙げられ、より好ましくは0.1〜20重量%が挙げられる。
本発明のイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤が配合された化粧料、医薬部外品、医薬品等には、化粧料、医薬部外品、医薬品に通常用いられる原料、例えば油、界面活性剤、アルコール、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、増粘剤、香料、殺菌剤等の成分を前記化粧料、医薬部外品、医薬品などに添加することができる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例、試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
足臭の強度の評価、足からのサンプリング、ならびにイソ吉草酸およびイソ吉草酸アルデヒドの量の分析は以下のようにして行った。
【0030】
足臭の強度の評価方法
パネラー3人によって、以下の評価基準を用いて足の裏および指(靴下および試験片)における足臭の強度の評価を行った。得られた評価結果の数値から平均値を算出して、足臭の強度とした。
〔評価基準〕
0点:におわない
1点:かすかににおう
2点:弱くにおう
3点:はっきりにおう
4点:やや強くにおう
5点:かなり強くにおう
【0031】
足からのサンプリング方法
被験者は指定の靴下(洗浄済、綿100%)および靴を履き、一定時間(6時間)放置する。放置後、足の親指と人差し指の間、人差し指と中指の間、中指と薬指の間に各々2cm×8cmの試験片(綿100%)を2つ折りにして挟んだ後、外れないようにテープを巻き、靴下および靴を履く。更に2時間経過後、靴下および試験片を回収し、官能評価(嗅覚)を行う。
【0032】
イソ吉草酸およびイソ吉草酸アルデヒドの量の分析方法
足から得たサンプル(試験片)を、ヘッドスペースバイアルに挿入し、気化させた成分をヘッドスペース−ガスクロマトグラフ−質量分析法(HSS−GC−MS)を用いて下記条件で分析して、イソ吉草酸およびイソ吉草酸アルデヒドのピーク高さ(またはピーク面積)を得た。
〔GC−MSの分析条件〕
機種:アジレント・テクノロジー社製 ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ−質量分析装置(HSS−GC−MS)
HSS:7697A
GC :7890B
MS :5977A
カラム :GLサイエンス社製 InertCap Pure Wax 60m,0.25mmI.D.,0.25μm
キャリヤーガス:He
【0033】
[試験条件]
<ヘッドスペース条件>
ループサイズ:3mL
オーブン温度:45℃
ループ温度 :75℃
トランスファーライン温度:100℃
バイアル平衡化:10分
注入時間:1分
<GC条件>
温度:40℃(2分)⇒昇温(3℃/分)⇒180℃⇒昇温(10℃/分)⇒220℃
注入口:200℃
スプリット比 10:1
平均線速度:28cm/秒
ただし、実施例3及び実施例4では、GC条件において温度およびスプリット比は以下のように変更して実施した。
温度:40℃(8分)⇒昇温(3℃/分)⇒180℃⇒昇温(10℃/分)⇒220℃
スプリット比 20:1
<MS条件>
イオン化法:電子イオン化法(EI)
【0034】
〔イソ吉草酸アルデヒドの定量〕
上記の分析結果で得られたイソ吉草酸アルデヒドのピーク高さ(またはピーク面積)に基づいて、下記のとおり、イソ吉草酸アルデヒドの定量値(ppm)を求めた。
既知濃度のイソ吉草酸アルデヒドのプロピレングリコール溶液を調製し、ヘッドスペースバイアルに添加したものを標準試料とした。試料及び標準試料につき、上記条件でHSS−GC−MSにより試験を行い、試料および標準試料のピーク高さ(またはピーク面積)を求めた。
イソ吉草酸アルデヒドの量(ppm)
=標準試料の濃度(ppm)×試料のピーク高さ(またはピーク面積)÷標準試料のピーク高さ(またはピーク面積)
実施例1および2では、イソ吉草酸およびイソ吉草酸アルデヒドのピーク高さで評価した。実施例3および4では、イソ吉草酸アルデヒドのピーク面積に基づいて定量値を求めた。
【0035】
実施例1
足臭の強度とイソ吉草酸アルデヒドおよびイソ吉草酸の量の関係
前記の足臭の強度の評価方法、足からのサンプリング、ならびにイソ吉草酸およびイソ吉草酸アルデヒドの量の分析方法に従って、被験者10名の足臭について評価および分析を行った。その評価および分析の結果を図1および図2にまとめる。図1では、横軸に10名の被験者を並べて、縦軸に各被験者の「足臭の強度」を●でプロットし、各被験者の「イソ吉草酸アルデヒドのピーク高さ」を■でプロットしている。図2では、横軸に10名の被験者を並べて、縦軸に各被験者の「足臭の強度」を●でプロットし、各被験者の「イソ吉草酸のピーク高さ」を■でプロットしている。
図2から分かる通り、特に足臭の強度が低いところで、イソ吉草酸は観測されず、足臭の強度を示す指標にはなり得ない。他方、図1から分かる通り、イソ吉草酸アルデヒドの量は、足臭の強度が弱いところから強いところまで広い範囲で、足臭の強度と強い相関を示している。
以上より、イソ吉草酸アルデヒドは、足臭の強度を示す優れた足臭判定用指標として用いることができることが分かる。
【0036】
実施例2
各種微生物によるイソ吉草酸アルデヒドの生成
足の皮膚に存在しうる皮膚常在微生物を用いて、L−ロイシンの存在下または非存在下、イソ吉草酸アルデヒドが生成されるかを実験した。用いた微生物は、Staphylococcus.aureus、Staphylococcus.epidermidisおよびCorynebacterium.minutissimumである。
菌濃度が1×10(CFU/mL)になるように1重量%ロイシン入り生理食塩水を用いて調製する。被験物質を1重量%になるように添加した。培養液をヘッドスペースバイアルに入れて封入し、よく混和後、36℃で6時間静置培養した。
【0037】
得られた培養液より気化したガスを下記の分析方法で分析して、生成したイソ吉草酸アルデヒドの量を測定した。その結果を以下に表1に記す。
【表1】
【0038】
L−ロイシンを培地に添加しない場合、いずれの微生物の培地にもイソ吉草酸アルデヒドは測定されなかった。それに対して、1重量%のL−ロイシンを培地に添加した場合、Staphylococcus.aureus、Staphylococcus.epidermidisおよびCorynebacterium.minutissimumの3つの微生物では、イソ吉草酸アルデヒドが生成された。
この試験結果から、足臭判定用指標剤であるイソ吉草酸アルデヒドは、足の皮膚表面に繁殖する微生物、例えばStaphylococcus.aureus、Staphylococcus.epidermidisおよびCorynebacterium.minutissimumによって、L−ロイシンから生成されることが分かる。L−ロイシンは、皮膚の角質に存在する蛋白質が微生物によって加水分解されて生成される。
この試験結果から、足の皮膚表面に繁殖する微生物、例えばStaphylococcus.aureus、Staphylococcus.epidermidisおよびCorynebacterium.minutissimumを用いることで、足臭判定用指標剤であるイソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制する足臭抑制剤をスクリーニングすることが可能であることが理解される。
【0039】
実施例3
植物抽出物によるイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制の試験
表2に記載の植物抽出物を用いて、イソ吉草酸アルデヒドの生成抑制を試験した。
20mLヘッドスペースGCバイアルに1%ロイシンおよび10個のStaphylococcus.epidenmidis 12228を含有する生理食塩水を調製した。この液5mLに植物抽出物50μLを添加して密栓し、36℃で6時間培養したものを試料とした。別に、1%ロイシンおよび10個のStaphylococcus.epidenmidis 12228を含有する生理食塩水5mLを標準試料とし、試料および標準試料について、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析計でイソ吉草酸アルデヒドのピーク面積を測定した。試料に対する標準試料のイソ吉草酸アルデヒドのピーク面積より、各試料におけるイソ吉草酸アルデヒドの減少率を算出した。その結果を表2に示す。
【表2】
【0040】
a1)ファルコレックス エイジツ B (登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a2)ローズヒップ抽出液BG100(丸善製薬株式会社)
a3)アイセニアヴェール B (登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a4)ファルコレックス セイヨウノコギリソウ B (登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a5)ファルコレックス エンメイソウ (登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a6)アカブドウ抽出液BG(丸善製薬株式会社)
a7)オトギリソウ抽出液BG(丸善製薬株式会社)
a8)ソウハクヒ抽出液BG(丸善製薬株式会社)
a9)チンピ抽出液BG(丸善製薬株式会社)
a10)ファルコレックス セージ(サルビア)(登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a11)ファルコレックス ペパーミント B (登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a12)緑茶リキッド(一丸ファルコス株式会社)
a13)ファルコレックス シソ HB (登録商標)(一丸ファルコス株式会社)
a14)ファルコレックス クララ B(一丸ファルコス株式会社)
a15)ニームリーフリキッド B(一丸ファルコス株式会社)
a16)キュアベリー(一丸ファルコス株式会社)
a17)カミツレリキッド(一丸ファルコス株式会社)
a18)ヨモギリキッド(一丸ファルコス株式会社)
【0041】
本試験結果から分かる通り、カミツレおよびヨモギの抽出物にはイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制作用が無かったのに対して、ノイバラ、ノバラ、アイセニア、セイヨウノコギリソウ、エンメイソウ、アカブドウ、オトギリソウ、クワ、マンダリンオレンジ、セージ、ペパーミント、チャノキ、シソ、クララ、ニームおよびビルベリーの抽出物はイソ吉草酸アルデヒドの量を減少させた。本試験では、Staphylococcus.epidenmidis 12228によるロイシンからイソ吉草酸アルデヒドの生成を上記の植物抽出物が抑制したと考えている。
【0042】
実施例4
吸着パウダーによるイソ吉草酸アルデヒドの減少率の試験
表3に記載の吸着パウダーを用いて、イソ吉草酸アルデヒドの減少率を試験した。
20mLヘッドスペースGCバイアルに2ppmイソ吉草酸アルデヒド/ポリエチレングリコール溶液0.25mLおよび表3に記載の吸着パウダー0.2gを添加し、密栓したものを試料とした。別に、2ppmイソ吉草酸アルデヒドのポリエチレングリコール溶液0.25mLにポリエチレングリコール1mLを添加したものを標準試料とし、試料および標準試料について、ヘッドスペースガスクロマトグラフ質量分析計でイソ吉草酸アルデヒドのピーク面積を測定した。試料に対する標準試料のイソ吉草酸アルデヒドのピーク面積より、各試料におけるイソ吉草酸アルデヒドの減少率を算出した。その結果を表3に示す。
【表3】
【0043】
b1)ORGASOL 2002 EXD NAT COS (登録商標)(アルケマ株式会社)
b2)ORGASOL 2002 EXD NAT COS Type S (登録商標)(アルケマ株式会社)
b3)ORGASOL 4000 EXD NAT COS (登録商標)(アルケマ株式会社)
b4)トスパール 2000B (登録商標)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
b5)KMP-590(信越化学工業株式会社)
b6)KSP-300(信越化学工業株式会社)
b7)マツモトマイクロスフェアー M-305 QD7 (登録商標)(松本油脂製薬株式会社)
b8)マツモトマイクロスフェアー M-305 QD7N (登録商標)(松本油脂製薬株式会社)
b9)ガンツパール SI-020 (登録商標)(アイカ工業株式会社)
b10)ガンツパール GMP-0820 (登録商標)(アイカ工業株式会社)
b11)ガンツパール GS-1105 (登録商標)(アイカ工業株式会社)
b12)サンスフェア H-51 (登録商標)(AGCエスアイテック株式会社)
b13)サンスフェア H-121 (登録商標)(AGCエスアイテック株式会社)
b14)ゴッドボール N-15C (登録商標)(AGCエスアイテック株式会社)
【0044】
本試験結果から、無機吸着パウダーである無水ケイ酸はイソ吉草酸アルデヒドを全く吸着しないのに対して、有機吸着パウダーではイソ吉草酸アルデヒドを吸着して、臭いが減ることが分かる。有機吸着パウダーの中でも、特にナイロン末(ナイロン−12、ナイロン−6/12)であるORGASOL 2002 EXD NAT COS、ORGASOL 2002 EXD NAT COS TypeS、ORGASOL 4000 EXD NAT COS(登録商標:アルケマ株式会社)は50%以上の高い減少率を示しており、イソ吉草酸アルデヒドに対して顕著に強力な消臭効果を発揮することが理解される。
植物抽出物に、吸着パウダーを組み合わせることで、イソ吉草酸アルデヒドの臭いをより抑えることができる。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によって、イソ吉草酸アルデヒドの生成を抑制させるイソ吉草酸アルデヒドの生成抑制剤および生成抑制方法が提供される。
図1
図2