【解決手段】第1の遊技状態と、第1の遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たした場合に移行可能な第2の遊技状態と、第3の遊技状態と、第3の遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たした場合に移行可能な第4の遊技状態とを備え、第1の遊技状態には、第1通常遊技状態と、第1通常遊技状態より所定の遊技状態移行条件を満たしやすい第1特殊遊技状態とを備え、第3の遊技状態には、第2通常遊技状態と、第2通常遊技状態より所定の遊技状態移行条件を満たしやすい第2特殊遊技状態とを備え、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とは、所定の遊技状態移行条件の満たしやすさの異なる複数の段階を備えた。
遊技状態として、少なくとも第1の遊技状態と、前記第1の遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たした場合に移行可能な第2の遊技状態と、第3の遊技状態と、前記第3の遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たした場合に移行可能な第4の遊技状態とを備え、
前記第1の遊技状態には、第1通常遊技状態と、前記第1通常遊技状態より前記所定の遊技状態移行条件を満たしやすい第1特殊遊技状態とを備え、
前記第3の遊技状態には、第2通常遊技状態と、前記第2通常遊技状態より前記所定の遊技状態移行条件を満たしやすい第2特殊遊技状態とを備え、
前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とは、前記所定の遊技状態移行条件の満たしやすさの異なる複数の段階を備えたことを特徴とする遊技機。
少なくとも前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、前記段階を記憶した共通のデータを参照するようにしていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の遊技機。
前記遊技状態移行条件は、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に移行する場合では、前記第1の遊技状態において獲得した第1のポイントが所定のポイント数に到達した場合であり、前記第3の遊技状態から前記第4の遊技状態に移行する場合では、前記第3の遊技状態において獲得した第2のポイントが所定のポイント数に到達した場合であり、
前記第1のポイントと前記第2のポイントとのポイント数は、抽選により決定され、
前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、当該抽選により決定されたポイント数に対して前記段階に応じた所定の数値を掛けることで前記遊技状態移行条件を満たしやすいようにしていることを特徴とする請求項4、請求項4に従属する請求項5、請求項6の何れか1項に記載の遊技機。
前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、前記共通のデータに基づいて、当該第1特殊遊技状態で獲得する前記第1のポイントと、当該第2特殊遊技状態で獲得する前記第2のポイントとの前記ポイントの獲得の難易度を示唆する演出が行われ、
前記ポイントの獲得の難易度を示唆する演出は、前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、異なった演出態様で行われることを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0032】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0033】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0034】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御基板200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0035】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0036】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0037】
(メダルセレクタ17)
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0038】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0039】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0040】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0041】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0042】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0043】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図3参照)。
【0044】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0045】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0046】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
【0047】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0048】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0049】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0050】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0051】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64と中回転リール66と右回転リール68との中段とを結んだ1本のみからなるものである。
【0052】
図2に示すように、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤7(R7)、青7(B7)、バー1(BR1)、バー2(BR2)、チェリー(CH)、スイカ1(W1)、スイカ2(W2)、ベル(B1)、リプレイ(RP)、ブランク(BL)」の複数の種々の図柄61が形成されている。そして、
図8〜
図10に示すように、これらの図柄の組み合せが複数種類の役に対応して設けられている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の番号(コマ番号)は、回転リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0053】
(演出装置70)
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0054】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0055】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0056】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0057】
(制御装置100)
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御基板200(メイン制御手段ともいう)と、このメイン制御基板200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御基板300(サブ制御手段ともいう)とを備えている。
【0058】
なお、メイン制御基板200とサブ制御基板300との間は、メイン制御基板200への不正操作を防止するために、メイン制御基板200からサブ制御基板300への一方向の通信により行われ、サブ制御基板300からメイン制御基板200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御基板200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、マックスベットスイッチ34、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御基板300は、メイン制御基板200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御基板300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0059】
なお、特に図示していないが、メイン制御基板200を有するメイン基板と、サブ制御基板300を有するサブ基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御基板200は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御基板300は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0060】
メイン制御基板200及びサブ制御基板300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0061】
また、本実施の形態に係るメイン制御基板200のRAMには、通常ポイント計数手段264により計数される通常ポイント数を記憶するための記憶領域と、ATポイント計数手段284により計数されるATポイント数を記憶するための記憶領域と、が設けられている。
また、メイン制御基板200のRAMには、通常レベルアップ抽選手段263により更新される段階の値を記憶するための記憶領域と、ATレベルアップ抽選手段283により更新される段階の値を記憶するための記憶領域とが、共通の記憶領域として設けられている。つまり、この共通の記憶領域に記憶される値(共通のデータ)は、通常状態(特に、通常一般状態)において参照されるときには通常ポイント有利状態の段階を示す値となり、AT状態(特に、AT通常状態)において参照されるときにはATポイント有利状態の段階を示す値となる。このため、例えば通常状態を終了した時点で通常ポイント有利状態が段階「2」であると、この段階「2」を記憶した記憶領域をART通常状態においても参照するため、ATポイント有利状態が段階「2」に設定されることとなる。
【0062】
また、メイン制御基板200のRAMには、通常ポイント有利ゲーム数抽選により決定される「通常ポイント有利状態のゲーム数」を記憶するための記憶領域と、ATポイント有利ゲーム数抽選により決定される「ATポイント有利状態のゲーム数」を記憶するための記憶領域とが、共通の記憶領域として設けられている。つまり、この共通の記憶領域に記憶される値(共通のデータ)は、通常状態(特に、通常一般状態)において参照されるときには「通常ポイント有利状態のゲーム数」を示す値となり、AT状態(特に、AT通常状態)において参照されるときには「ATポイント有利状態のゲーム数」を示す値となる。このため、例えば通常状態を終了した時点で「通常ポイント有利状態のゲーム数」が「50」ゲームであると、この「50」を記憶した記憶領域をART遊技状態においても参照するため、ATポイント有利状態のゲーム数が「50」に設定されることとなる。
なお、通常ポイント有利状態の段階を記憶する記憶領域と、ATポイント有利状態の段階を記憶する記憶領域とを共通にする以外にも、異なる記憶領域とすることも可能である。同様に、通常ポイント有利状態のゲーム数を記憶する記憶領域と、ATポイント有利状態のゲーム数を記憶する記憶領域とを共通にする以外にも、異なる記憶領域とすることも可能である。
【0063】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われるノーマル遊技が設けられている。このノーマル遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、メイン制御基板200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図13参照)。これらの遊技は、メイン制御基板200により制御される。
【0064】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。
【0065】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御基板200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0066】
(メイン制御基板200)
メイン制御基板200は、
図4に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、通常状態制御手段260、AT移行抽選手段270、AT制御手段280及び送信手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、AT移行抽選手段270、AT制御手段280は、メイン制御基板200ではなく、サブ制御基板300が有しても良いし、又、メイン制御基板200とサブ制御基板300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0067】
以上の構成をもって、メイン制御基板200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御基板200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0068】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0069】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、
図8〜
図10に示すように、大別すると、小役(メダルの払い出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
具体的には、小役には、
図10に示すストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となるAT役が含まれ、当該予め定められた順番で操作されない場合はAT役こぼし図柄が停止表示される。
また、再遊技役には、
図9に示すストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順リプレイ役が含まれ、所定の遊技状態において当該押し順リプレイが当選し当該予め定められた順番で操作された場合に、RT2移行図柄が停止表示され、当該予め定められた順番で操作されない場合は転落リプレイ図柄が停止表示される。
【0070】
つぎに、
図8乃至
図12を用いて、役抽選手段210により抽選される役について、より具体的に説明する。
なお、役抽選手段210により抽選される役は
図8乃至
図12に示すものに限定されない。
図8に示すように、ボーナス移行役として、RBB1役とRBB2役とのBB役、RBB3役〜RBB5役のRBB役があり、RBB1役の場合は、その図柄組み合わせが、左リール64、中リール66、右リール68の順(以下同様)に「B7、B7、B7」であり、配当(メダル払出枚数)は0枚となっている。また、RBB3役の場合は、その図柄組み合わせが「B7、B7、BR1」であり、配当(メダル払出枚数)は0枚となっている。
【0071】
図9に示すように、再遊技役(リプレイ役)として、NRP_1〜4NRP_6の基本リプレイ役、URP_1、URP_2の昇格リプレイ役、DRP_1、DRP_2の転落リプレイ役、CH_1〜CH_9のチェリー役、WM_1〜WM_7のスイカリプレイ役、CRP_1のチャンスリプレイA役、CRP_2〜CRP_4のチャンスリプレイB役、CRP_5、CRP_6のチャンスリプレイC役、PRP_1〜PRP4のPリプレイA役、PRP_5〜PRP_12のPリプレイB役、7RP_1〜7RP_7の7揃いリプレイA役、7RP_8、F7RP〜5〜F7RP_10の7揃いリプレイB役、F7RP_1〜F7RP_4のF7揃いリプレイ役があり、その図柄組み合わせが、NRP_1「RP、RP、RP」、URP_1「RP、RP、CH」などであり、配当(メダル払出枚数)は、無し(但し次の遊技がメダル投入無しで遊技開始可能)となっている。
【0072】
図10に示すように、入賞役(AT役)として、BEA_1、BEA_2のL1st正解ベルA、BEA_3のC,R1st正解ベルA、BEB_1のL1st正解ベルB、BEB_2〜BEB_4のC,R1st正解ベルB、BEC_1のL1st正解ベルC、BEC_2〜BEC_4のC,R1st正解ベルCなどがあり、その図柄組み合わせが、BEA_1「RP、CH、CH」、BEA_3「B1、B1、B1」などであり、配当(メダル払出枚数)は、L1st正解ベルA、C,R1st正解ベルAが12枚、L1st正解ベルB、C,R1st正解ベルBが8枚、L1st正解ベルC、C,R1st正解ベルCが6枚などとなっている。
【0073】
図11、
図12に示すように、役抽選の結果として、通常リプレイ役、7揃いリプレイA役が同時に当選(重複して当選)するNRP、通常リプレイ役、昇格リプレイ役が同時に当選(重複して当選)するURP1、通常リプレイ役、転落リプレイ役が同時に当選(重複して当選)するDRP1、L1st正解ベルA、L1st停止3枚役A、L1st停止3枚役B、中AT1_A、右AT1_Aが同時に当選(重複して当選)するATA1などが設けられている。
【0074】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0075】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定1〜設定6)設定されており、設定1が最も低く、設定6が最も高くなるように設定されている。
【0076】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0077】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、当選役を決定する役抽選を実行するものである。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御基板200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技状態用、RT遊技状態用、ボーナス内部中用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御基板200のROM上に記憶されている。役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による処理は、後述するステップS11(
図16参照)において行われる。
【0078】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御基板200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップS12(
図16参照)において行われる。
【0079】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御基板200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップS13(
図16参照)において行われる。
【0080】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
なお、原則として、払い出されたメダルの枚数(具体的には、当選した役の配当として設定された枚数)が、通常ポイント計数手段264により通常ポイント、ATポイント計数手段275によりATポイント、として計数される。
【0081】
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図13に示すように、大別すると、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252及びボーナス遊技制御手段253の各手段を有する。
【0082】
(ノーマル遊技制御手段251)
ノーマル遊技制御手段251は、「ノーマル遊技」の進行を制御するものである。ここで、「ノーマル遊技」は、後述するRT制御手段252による「RT遊技」(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、
図13を用いて後述する「RT0」及び「RT1」を含む。
【0083】
(RT制御手段252)
RT制御手段252は、「RT遊技」の進行を制御するものである。ここで、「RT遊技」は、
図8を用いて後述する「RT2」及び「ボーナス内部中」を含む。
【0084】
(ボーナス遊技制御手段253)
ボーナス遊技制御手段253は、
図13を用いて後述する「ボーナス遊技」を制御するものである。
「ボーナス遊技」は、「ボーナス内部中」にボーナス移行役の図柄を揃えることで移行し、いわゆる「BB」「RB」が連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、「BB」の場合は280枚、「RB」の場合は60枚を超えるメダルの払い出しで終了し、「RT0」に移行する。
【0085】
(通常状態制御手段260)
通常状態制御手段260は、
図14を用いて後述する「通常状態」を制御するものである。
具体的には、通常状態制御手段260は、
図6に示すように、大別すると、通常ポイント有利移行抽選手段261、通常ポイント有利制御手段262、通常ポイント計数手段264、AT高確移行抽選手段265、AT高確制御手段266の各手段を有する。
なお、本実施の形態では、通常ポイント有利状態を制御する通常ポイント有利制御手段262を設けるのに対し、通常ポイント通常状態を通常状態制御手段260により制御する構成となっている。これに限らず、通常ポイント通常状態を制御する通常ポイント通常制御手段を設け、この通常ポイント通常制御手段を通常状態制御手段260が有するよう構成することも可能である。この場合には、通常ポイント通常制御手段が、通常ポイント有利移行抽選手段261を備えることになる。
【0086】
(通常ポイント有利移行抽選手段261)
通常ポイント有利移行抽選手段261は、
図14を用いて後述する通常ポイント通常状態において通常ポイント有利状態への移行抽選(通常ポイント有利移行抽選)を行うものである。通常ポイント有利移行抽選手段261による処理は、後述するステップS26(
図17参照)において行われる。
通常ポイント有利移行抽選は、毎ゲーム行われるが、役抽選手段210の抽選結果が所定の役の当選である場合、又は、通常ポイント通常状態での遊技を所定ゲーム数実行した場合に行うようにしても良い。
【0087】
通常ポイント有利移行抽選に当選した場合は、通常ポイント有利状態の通常ポイント有利ゲーム数抽選を行い、初期ゲーム数を決定する。
かかる通常ポイント有利ゲーム数抽選は、所定のゲーム数抽選テーブルを用いて行われ、図示しないが、本実施の形態では、予め定められたゲーム数、「10G」、「25G」、「50G」、「75G」、「100G」の中から、役抽選手段210の抽選結果に応じて抽選される。具体的には、役抽選手段210の抽選結果がいわゆるレア役の当選の場合は、上述したゲーム数の中から大きなゲーム数が高い確率で抽選されるように設定されている。通常ポイント有利ゲーム数抽選は、後述するステップS28(
図17参照)において行われる。
【0088】
また、通常ポイント有利移行抽選に当選した場合は、後述する通常ポイント有利状態の段階「1」に移行するが、通常ポイント有利状態の段階を抽選により決定するようにしても良い。
すなわち、段階「1」に移行するのではなく、他の段階「2」「3」に移行するようにしても良い。
また、この段階を抽選により決定する場合では、役抽選手段210の抽選結果に応じて段階が抽選されるようにしても良い。具体的には、役抽選手段210の抽選結果がいわゆるレア役の当選の場合は、高い段階が高い確率で抽選されるように設定しても良い。
【0089】
また、通常ポイント有利移行抽選と通常ポイント有利ゲーム数抽選とを行っているが、通常ポイント有利ゲーム数の異なる複数の通常ポイント有利状態を備え、いずれの通常ポイント有利状態へ移行するか否かの抽選により、通常ポイント有利移行抽選と通常ポイント有利ゲーム数抽選とを兼ねるようにしても良い。
【0090】
(通常ポイント有利制御手段262)
通常ポイント有利制御手段262は、
図14を用いて後述する通常ポイント有利状態を制御するものである。
また、通常ポイント有利状態は、
図14に示すように、通常ポイントの獲得しやすさの異なる複数の段階に分かれており、かかる段階を上の段階にアップするか否かを後述する通常レベルアップ抽選手段263により抽選している。通常レベルアップ抽選手段263による処理は、後述するステップS22(
図17参照)において行われる。
通常ポイント有利制御手段262は、
図6に示すように、通常レベルアップ抽選手段263を有する。
【0091】
(通常レベルアップ抽選手段263)
通常レベルアップ抽選手段263は、通常ポイントの獲得のしやすさの段階を上の段階にアップするか否かの通常レベルアップ抽選を行うものである。
この通常レベルアップ抽選により決定された段階は、「通常ポイント有利状態の段階の値」を記憶するための記憶領域に記憶される。但し、「ATポイント有利状態の段階の値」を記憶するための記憶領域と共通にしているため、このときに記憶される「通常ポイント有利状態の段階の値」は、共通のデータとしてAT状態(ATポイント有利状態)においても参照されることになる。
具体的には、段階が初期値の段階「1」の場合は「2」へ、段階が「2」の場合は「3」へアップするか否かの抽選を行う。
そして、通常レベルアップ抽選に当選した場合は、通常ポイント有利ゲーム数抽選を行い、決定されたゲーム数が通常ポイント有利状態のゲーム数に加算される。
すなわち、本実施の形態では、通常ポイント通常状態において通常ポイント有利移行抽選に当選した場合と、通常ポイント有利状態において通常レベルアップ抽選に当選した場合とに、通常ポイント有利状態の通常ポイント有利ゲーム数抽選が行われる。
前記通常ポイント有利ゲーム数抽選で決定されたゲーム数は、「通常ポイント有利状態のゲーム数」を記憶するための記憶領域に記憶される。但し、「ATポイント有利状態のゲーム数」を記憶するための記憶領域と共通にしているため、このときに加算された「通常ポイント有利状態のゲーム数」は、共通のデータとしてAT状態(ATポイント有利状態)においても参照されることになる。
【0092】
具体的には、通常ポイント有利状態のゲーム数が5ゲーム残っている状態で、通常レベルアップ抽選に当選し、ゲーム数抽選の結果10ゲームが決定された場合は、5+10の15ゲームの通常ポイント有利状態が実行可能となる。
なお、段階が「3」である場合は、「3」が最高段階であるため通常レベルアップ抽選は行われるが、当選しても「4」にはアップしないが、ゲーム数抽選により決定されたゲーム数の加算は行われ、通常ポイント有利状態が延長される。
また、通常レベルアップ抽選は、1回の抽選で1段階アップする以外にも、例えば段階1から段階3にアップするなど、1回の抽選で複数段階アップする(言い換えると、1つ又は複数段階をスキップしてアップする)ように設定しても良い。
【0093】
また、通常ポイント有利状態の段階は、後述するATポイント有利状態の段階として引き継がれる。
すなわち、通常ポイント有利状態の段階とATポイント有利状態の段階とを記憶する記憶手段(メモリ(図示せず))は、同じ記憶手段を使用しており、通常ポイント有利状態の段階とATポイント有利状態の段階とを区別せず記憶している。
具体的には、一旦、段階「3」になった後に、AT移行抽選手段270によるAT移行抽選に当選した場合は、ATポイント有利状態の段階「3」の遊技状態からAT状態が開始される。
なお、通常ポイント有利状態とATポイント有利状態との段階を記憶する記憶手段は、同じ記憶手段を使用する場合に限定されず、別々の記憶手段を使用しても良い。この場合には、通常ポイント有利状態の段階を記憶する記憶手段に記憶されている段階の値を、ATポイント有利状態の開始時にATポイント有利状態の段階を記憶する記憶手段に記憶されている段階の値として読み込むこととなる。
【0094】
また、通常ポイント有利状態の途中でAT高確移行抽選に当選した場合は、通常ポイント有利状態の残りゲーム数が記憶され、AT高確状態でAT移行抽選に当選した場合は、当該記憶された通常ポイント有利状態の残りゲーム数を初期ゲーム数としたATポイント有利状態が開始される。すなわち、かかる場合は、ATポイント通常状態を経由せず、ATポイント有利状態のART通常状態が開始される。
【0095】
なお、通常ポイント有利移行抽選手段261による通常ポイント有利移行抽選を行わず、通常レベルアップ抽選手段263による通常レベルアップ抽選を行うことで、通常ポイント有利状態へ移行するようにしても良い。
すなわち、通常ポイント通常状態を段階「0」として、段階「1」へのレベルアップ抽選に当選することで、通常ポイント有利状態に移行するようにしても良い。
【0096】
(通常ポイント計数手段264)
通常ポイント計数手段264は、通常一般状態中に獲得される第1のポイントの一例である通常ポイントを計数するものである。
通常ポイント計数手段264により計数される通常ポイントは、抽選により決定される。ここで、抽選には、本実施の形態では、役抽選手段210による役抽選が含まれ、当該役抽選の結果、当選した役に対応したポイント数が計数される。
なお、抽選は、役抽選の他、獲得されるポイント数を決定する抽選であっても良い。
【0097】
また、当選した役に対応したポイント数は、本実施の形態では、払出制御手段240により払い出されるメダルの枚数に設定されている。
具体的には、通常ポイント通常状態では、入賞した場合に8枚のメダルが払い出される役に入賞した場合は、「8ポイント」が通常ポイントのポイント数として計数される。
なお、メダルの払出枚数に設定されている場合に限定されず、入賞した役に応じて予め獲得するポイント数が決定されているようにしても良い。
【0098】
また、通常ポイント有利状態では、当該抽選により決定されたポイント数に対して当該通常ポイント有利状態の段階に応じた所定の数値を掛けることにより計数される通常ポイントのポイント数が算出されるように設定されている。
詳しくは、通常ポイント有利状態では、通常ポイント有利状態の段階を示す値を記憶した記憶領域から値を読み出して、その時点での通常ポイント有利状態の段階を示す値(段階1ならば「1」、段階2ならば「2」、段階3ならば「3」)を取得する。そして、取得した段階を示す値(1〜3)に対して、規定の増加値「1」を加算した値を算出し、この算出値を「所定の数値」とする。この様にして算出した「所定の数値」と、前記抽選により決定されたポイント数(即ち、役抽選の配当として設定されているメダルの払出枚数)とを掛けることで通常ポイントを算出する。
【0099】
なお、本実施の形態では、通常ポイント有利状態の段階を示す値を記憶した記憶領域と、ATポイント有利状態の段階を示す値を記憶した記憶領域とを共通にしているため、言うなれば、通常ポイント有利状態では、ATポイント有利状態であったならばATポイント有利状態の段階を示す値を取得して、通常ポイントを算出している。
具体的には、
図15に示すように、段階が「1」で、払出枚数が「5」枚の場合は、当該「5」枚に「2」を掛けた「10」ポイント、段階が「2」の場合は「5」枚に「3」を掛けた「15」ポイント、段階が「3」の場合は「5」枚に「4」を掛けた「20」ポイントを、通常ポイントのポイント数として算出するようにしている。
すなわち、通常ポイント有利状態は、通常ポイント通常状態と役抽選手段210の抽選結果と払出枚数が同じであっても、獲得するポイント数が多くなる。
通常ポイント計数手段264による処理は、後述するステップS31(
図18参照)において行われる。
また、通常ポイント計数手段264は、通常一般状態中にメダルが払い出された場合に、ポイントを計数するものであり、通常一般状態以外の場合、例えば、AT高確状態中やAT状態中などにメダルが払い出された場合であってもポイントは計数せず、通常ポイントは変動しない。
【0100】
なお、通常ポイント計数手段264により計数されている通常ポイントのポイント数が、後述するATポイント計数手段284によりATポイントのポイント数として引き継がれるようにしても良い。
すなわち、40ポイントに到達した状態で、AT移行抽選手段270によるAT移行抽選に当選した場合は、40ポイント獲得した状態で、ATポイントの計数を開始するようにしても良い。
【0101】
また、本実施の形態では、後述するように、通常ポイント計数手段264により計数されている通常ポイントのポイント数が所定のポイントに到達する毎にAT高確移行抽選が行われるが、この場合に限定されず、ポイントを加算、減算するようにしても良い。
例えば、初期値のポイントを50ポイントとし、役抽選手段210の抽選結果が特定の役の当選である場合には、加算ポイントを計数し、他の特定の役の当選である場合には、減算ポイントを計数し、当該加算・減算されることにより、100ポイントか、0ポイントに到達する毎に、AT高確移行抽選を行うようにしても良い。
【0102】
また、本実施の形態では、後述するように、通常ポイント計数手段264により計数されている通常ポイントのポイント数が所定のポイントに到達する毎にAT高確移行抽選が行われ、所定のポイントを超えるポイントを獲得した場合は、当該超えたポイント分は計数していない、例えば、所定のポイントを50ポイントとした場合に、49ポイント計数されている状態から8ポイント獲得した場合の50ポイントの超えた7ポイント分はなかったものと扱うが、この場合に限定されず、超えたポイントを次のAT高確移行抽選のポイントとして引き継ぐようにしても良い。
これにより、所定のポイントを超えたポイントを無駄なく利用することが可能となる。
【0103】
また、本実施の形態では、通常ポイント有利状態において獲得可能な最大のポイント数は、AT高確移行抽選の契機となる所定のポイントよりも小さく設定されている。
例えば、通常ポイント有利状態では、最大払出枚数「12」枚(
図10参照)に段階「3」の数値「4」を掛けても「48」になり、所定のポイント「50」よりも小さくなるように設定されている。ただし、特に、次のAT高確移行抽選のポイントとして引き継ぐことが可能である場合は、この場合に限定されない。
【0104】
また、本実施の形態では、通常ポイント通常状態においては「払出枚数」を通常ポイントとして決定しているが、この場合に限定されず、通常ポイント通常状態においても「払出枚数に対して数値を掛けた値」を通常ポイントとして決定することも可能である。但し、この場合、通常ポイント有利状態においては、前記「数値」よりも大きな数値を払出枚数に対して掛けるよう「段階に対応する数値」を設定しておく。
具体的には、通常ポイント通常状態においては、払出枚数に対して「2」を掛けた値を通常ポイントとして決定し、通常ポイント有利状態においては、段階1のときには「4」、段階2のときには「5」、段階3のときには「6」、を払出枚数に対して掛けた値を通常ポイントとして決定する。
【0105】
(AT高確移行抽選手段265)
AT高確移行抽選手段265は、
図14を用いて後述するAT高確状態へ移行するか否かの移行抽選(AT高確移行抽選)を行うものである。
AT高確移行抽選は、本実施の形態では、通常ポイント計数手段264により計数される通常ポイントが所定のポイント、例えば50ポイントに到達する毎に行われる。
なお、50ポイント毎に行われる場合に限定されない。
AT高確移行抽選手段265による処理は、後述するステップS33(
図18参照)において行われる。
【0106】
また、通常ポイント有利状態中にAT高確移行抽選に当選してAT高確状態に移行した後、AT高確状態でAT移行抽選に当選した場合に、通常ポイント有利状態の残りのゲーム数をATポイント有利状態のゲーム数として引き継ぐようにしている。
すなわち、通常ポイント有利状態とATポイント有利状態とのゲーム数を計数するカウンタ(図示せず)は、同じカウンタを使用しており、通常ポイント有利状態のゲーム数とATポイント有利状態のゲーム数とを区別せず計数している。
具体的には、通常ポイント有利状態の50ゲーム中の40ゲーム目にAT高確移行抽選に当選した場合は、残りの10ゲームを初期ゲーム数としたATポイント有利状態が実行される。
【0107】
なお、通常ポイント有利状態とATポイント有利状態とのゲーム数を計数するカウンタは、同じカウンタを使用する場合に限定されず、別々のカウンタを使用しても良い。この場合には、通常ポイント有利状態のゲーム数を計数するカウンタのカウント値を、ATポイント有利状態の開始時にATポイント有利状態のゲーム数を計数するカウンタのカウント値として読み込むこととなる。
【0108】
(AT高確制御手段266)
AT高確制御手段266は、所定のゲーム数の間、
図14を用いて後述するAT高確状態を制御するものである。
【0109】
(AT移行抽選手段270)
AT移行抽選手段270は、通常状態中に、毎ゲーム、
図14を用いて後述するAT状態へ移行するか否かの抽選(AT移行抽選)を行うものである。
【0110】
(AT制御手段280)
AT制御手段280は、
図14に示す「AT状態」中のAT遊技を制御するものである。そして、後述するAT演出制御手段330を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
【0111】
AT遊技は、いわゆる「アシストタイム」ともよばれ、当該AT遊技に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。また、AT遊技は、本実施の形態では、メイン制御基板200側で制御され、このとき、メイン制御基板200側のRT制御手段252で制御される「RT遊技」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT遊技」で、且つ「AT遊技」の遊技状態をいう。
【0112】
また、AT遊技は、本実施の形態では、初期ゲーム数として50ゲームの遊技が可能に設定されており、AT制御手段280は、消化したゲーム数が当該50ゲームに到達した場合に、「AT遊技」を終了するように設定されている。
【0113】
なお、「AT遊技」を、メイン制御基板200側に配置したAT制御手段280により制御したが、これに限定されず、「AT遊技」の全部又は一部をサブ制御基板300側で制御させても良い。
【0114】
また、AT制御手段280は、
図7に示すように、大別すると、ATポイント有利移行抽選手段281、ATポイント有利制御手段282、ATポイント計数手段284、上乗せ高確移行抽選手段285、上乗せ高確制御手段286、上乗せ移行抽選手段287、上乗せ制御手段288の各手段を有する。
なお、本実施の形態では、ATポイント有利状態を制御するATポイント有利制御手段282を設けるのに対し、ATポイント通常状態をAT制御手段280により制御する構成となっている。これに限らず、ATポイント通常状態を制御するATポイント通常制御手段を設け、このATポイント通常制御手段をAT制御手段280が有するよう構成することも可能である。この場合には、ATポイント通常制御手段がATポイント有利移行抽選手段281を備えることとなる。
【0115】
(ATポイント有利移行抽選手段281)
ATポイント有利移行抽選手段281は、
図14を用いて後述するATポイント通常状態においてATポイント有利状態への移行抽選(ATポイント有利移行抽選)を行うものである。ATポイント有利移行抽選手段281による処理は、後述するステップS46(
図19参照)において行われる。
ATポイント有利移行抽選は、毎ゲーム行われるが、役抽選手段210の抽選結果が所定の役の当選である場合、又は、ATポイント通常状態での遊技を所定ゲーム数実行した場合に行うようにしても良い。
【0116】
ATポイント有利移行抽選に当選した場合は、ATポイント有利状態のATポイント有利ゲーム数抽選を行い、初期ゲーム数を決定する。
かかるATポイント有利ゲーム数抽選は、所定のゲーム数抽選テーブルを用いて行われ、図示しないが、本実施の形態では、予め定められたゲーム数、「10G」、「25G」、「50G」、「75G」、「100G」の中から、役抽選手段210の抽選結果に応じて抽選される。具体的には、役抽選手段210の抽選結果がいわゆるレア役の当選の場合は、上述したゲーム数の中から大きなゲーム数が高い確率で抽選されるように設定されている。通常ポイント有利ゲーム数抽選は、後述するステップS48(
図19参照)において行われる。
【0117】
また、ATポイント有利移行抽選とATポイント有利ゲーム数抽選とを行っているが、ATポイント有利ゲーム数の異なる複数のATポイント有利状態を備え、いずれのATポイント有利状態へ移行するか否かの抽選により、ATポイント有利移行抽選とATポイント有利ゲーム数抽選とを兼ねるようにしても良い。
【0118】
なお、ATポイント有利ゲーム数抽選で参照するゲーム数抽選テーブルは、通常ポイント有利ゲーム数抽選で参照するゲーム数抽選テーブルと、一部又は全部を共通にすると良く(つまり、前記2つの抽選で、同じ抽選テーブルの一部又は全部を参照しても良く)、これにより、メイン制御基板200のROMに記憶されるデータ容量を削減することができる。勿論、これ以外にも、ATポイント有利ゲーム数抽選と通常ポイント有利ゲーム数とで異なるゲーム数抽選テーブルを参照することも可能である。
また、ATポイント有利移行抽選手段281を構成するプログラムと、通常ポイント有利移行抽選手段261を構成するプログラムとは、少なくとも一部を共通にすることも可能であり、これにより、メイン制御基板200のROMに記憶されるプログラム容量を削減することができる。勿論、これ以外にも、ATポイント有利移行抽選手段281を構成するプログラムと、通常ポイント有利移行抽選手段261を構成するプログラムとを、別々のプログラムで構成することも可能である。
【0119】
(ATポイント有利制御手段282)
ATポイント有利制御手段282は、
図14を用いて後述するATポイント有利状態を制御するものである。
また、ATポイント有利状態は、
図14に示すように、ATポイントの獲得しやすさの異なる複数の段階に分かれており、かかる段階を上の段階にアップするか否かを後述するATレベルアップ抽選手段283により抽選している。ATレベルアップ抽選手段283による処理は、後述するステップS42(
図19参照)において行われる。
ATポイント有利制御手段282は、
図7に示すように、ATレベルアップ抽選手段263を有する。
【0120】
(ATレベルアップ抽選手段283)
ATレベルアップ抽選手段283は、ATポイントの獲得のしやすさの段階を上の段階にアップするか否かのATレベルアップ抽選を行うものである。
このATレベルアップ抽選により決定された段階は、「ATポイント有利状態の段階の値」を記憶するための記憶領域(但し、「通常ポイント有利状態の段階の値」を記憶するための記憶領域と共通)に記憶される。
具体的には、段階「1」の場合は「2」へ、段階が「2」の場合は「3」へアップするか否かの抽選を行う。
そして、ATレベルアップ抽選に当選した場合は、ATポイント有利ゲーム数抽選を行い、決定されたゲーム数がATポイント有利状態のゲーム数に加算される。
すなわち、本実施の形態では、ATポイント通常状態においてATポイント有利移行抽選に当選した場合と、ATポイント有利状態においてATレベルアップ抽選に当選した場合とに、ATポイント有利状態のATポイント有利ゲーム数抽選が行われる。
前記ATポイント有利ゲーム数抽選により決定されたゲーム数は、「ATポイント有利状態のゲーム数」を記憶するための記憶領域(但し、「通常ポイント有利状態のゲーム数」を記憶するための記憶領域と共通)に記憶される。
【0121】
具体的には、ATポイント有利状態のゲーム数が5ゲーム残っている状態で、ATレベルアップ抽選に当選し、ゲーム数抽選の結果10ゲームが決定された場合は、5+10の15ゲームのATポイント有利状態が実行可能となる。
なお、段階が「3」である場合は、「3」が最高段階であるためATレベルアップ抽選は行われるが、当選しても「4」にはアップしないが、ゲーム数抽選により決定されたゲーム数の加算は行われ、ATポイント有利状態が延長される。
また、ATレベルアップ抽選は、1回の抽選で1段階アップする以外にも、例えば段階1から段階3にアップするなど、1回の抽選で複数段階アップする(言い換えると、1つ又は複数段階をスキップしてアップする)ように設定しても良い。
【0122】
また、ATポイント有利状態の段階は、通常ポイント有利状態の段階を引き継いでいる。
すなわち、一旦、通常ポイント有利状態が段階「3」になった後に、AT移行抽選手段270によるAT移行抽選に当選した場合は、ATポイント有利状態の段階「3」の遊技状態からAT状態が開始される。
【0123】
なお、ATレベルアップ抽選において参照する抽選テーブルは、通常レベルアップ抽選において参照する抽選テーブルと、一部又は全部を共通にしている(つまり、前記2つの抽選で、同じ抽選テーブルの一部又は全部を参照している)。このため、メイン制御基板200のROMに記憶されるデータ容量の削減が図られている。勿論、これ以外にも、ATレベルアップ抽選と通常レベルアップ抽選とで異なる抽選テーブルを参照することも可能である。
また、ATレベルアップ抽選手段283による処理と、通常レベルアップ抽選手段263による処理とは、それぞれの処理内容が近似しているため、各抽選手段を構成するプログラムを、少なくとも一部において共通にすることが可能であり、これにより、メイン制御基板200のROMに記憶されるプログラム容量の削減を図ることができる。勿論、これ以外にも、ATレベルアップ抽選手段283と通常レベルアップ抽選手段263とを別々のプログラムで構成することも可能である。
【0124】
(ATポイント計数手段284)
ATポイント計数手段284は、ART通常状態中に獲得される第2のポイントの一例であるATポイントを計数するものである。
ATポイント計数手段284により計数されるATポイントは、抽選により決定される。ここで、抽選には、本実施の形態では、役抽選手段210による役抽選が含まれ、当該役抽選の結果、当選した役に対応したポイント数が計数される。
なお、抽選は、役抽選の他、獲得されるポイント数を決定する抽選であっても良い。
【0125】
また、当選した役に対応したポイント数は、本実施の形態では、払出制御手段240により払い出されるメダルの枚数に設定されている。
具体的には、ATポイント通常状態では、入賞した場合に8枚のメダルが払い出される役に入賞した場合は、「8ポイント」がATポイントのポイント数として計数される。
なお、メダルの払出枚数に設定されている場合に限定されず、入賞した役に応じて予め獲得するポイント数が決定されているようにしても良い。
【0126】
また、AT状態中は、報知されるストップスイッチ50の押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで最も多い枚数のメダルが払い出されるが(
図12参照)、ATポイントは、押し順に従ってストップスイッチ50が操作されなかった場合であっても、押し順に従った場合のメダルの払出枚数を元に、ATポイントのポイント数を計数するようにしても良い。
具体的には、報知されるストップスイッチ50の押し順に従った場合は、12枚払い出されるが、従わなかった場合は、1枚のみ払い出される場合に、「12」をATポイントのポイント数として計数するようにしても良い。
【0127】
また、ATポイント有利状態では、当該抽選により決定されたポイント数に対してATポイント有利状態の段階に応じた所定の数値を掛けることにより計数されるATポイントのポイント数が算出されるように設定されている。
詳しくは、ATポイント有利状態では、ATポイント有利状態の段階を示す値を記憶した記憶領域から値を読み出して、その時点でのATポイント有利状態の段階を示す値(段階1ならば「1」、段階2ならば「2」、段階3ならば「3」)を取得する。そして、取得した段階を示す値(1〜3)に対して、規定の増加値「1」を加算した値を算出し、この算出値を「所定の数値」とする。この様にして算出した「所定の数値」と、前記抽選により決定されたポイント数(即ち、役抽選の配当として設定されているメダルの払出枚数)とを掛けることでATポイントを算出する。
【0128】
なお、本実施の形態では、ATポイント有利状態の段階を示す値を記憶した記憶領域と、通常ポイント有利状態の段階を示す値を記憶した記憶領域とを共通にしているため、言うなれば、ATポイント有利状態では、通常ポイント有利状態であったならば、通常ポイント有利状態の段階を示す値を取得してATポイントを算出している。
【0129】
なお、本実施の形態では、ATポイント有利状態と通常ポイント有利状態とで段階の「個数」や「所定の数値」を共通としているため、前記「規定の増加値」も、ATポイント有利状態と通常ポイント有利状態とで同じ値としている。これに限らず、ATポイント有利状態と通常ポイント有利状態とで段階の「個数」や「所定の数値」を異ならせる場合には、これに対応して、前記「規定の増加値」も異ならせることとなる。
具体的には、
図15に示すように、段階が「1」で、払出枚数が「5」枚の場合は、当該「5」枚に「2」を掛けた「10」ポイント、段階が「2」の場合は「5」枚に「3」を掛けた「15」ポイント、段階が「3」の場合は「5」枚に「4」を掛けた「20」ポイントを、ATポイントのポイント数として算出するようにしている。
すなわち、ATポイント有利状態は、ATポイント通常状態と役抽選手段210の抽選結果と払出枚数が同じであっても、獲得するポイント数が多くなる。
ATポイント計数手段284による処理は、後述するステップS51(
図20参照)において行われる。
また、ATポイント計数手段284は、ART通常状態中にメダルが払い出された場合に、ポイントを計数するものであり、ART通常状態以外の場合、例えば、上乗せ高確状態中や上乗せ状態中などにメダルが払い出された場合であってもポイントは計数せず、ATポイントは変動しない。
【0130】
また、本実施の形態では、後述するように、ATポイント計数手段284により計数されているATポイントのポイント数が所定のポイントに到達する毎に上乗せ高確移行抽選が行われるが、この場合に限定されず、ポイントを加算、減算するようにしても良い。
例えば、初期値のポイントを50ポイントとし、役抽選手段210の抽選結果が特定の役の当選である場合には、加算ポイントを計数し、他の特定の役の当選である場合には、減算ポイントを計数し、当該加算・減算されることにより、100ポイントか、0ポイントに到達する毎に、上乗せ高確移行抽選を行うようにしても良い。
【0131】
また、本実施の形態では、後述するように、ATポイント計数手段284により計数されているATポイントのポイント数が所定のポイントに到達する毎に上乗せ高確移行抽選が行われ、所定のポイントを超えるポイントを獲得した場合は、当該超えたポイント分は計数していない、例えば、所定のポイントを50ポイントとした場合に、49ポイント計数されている状態から8ポイント獲得した場合の50ポイントの超えた7ポイント分はなかったものと扱うが、この場合に限定されず、超えたポイントを次の上乗せ高確移行抽選のポイントとして引き継ぐようにしても良い。
これにより、所定のポイントを超えたポイントを無駄なく利用することが可能となる。
【0132】
また、本実施の形態では、ATポイント有利状態において獲得可能な最大のポイント数は、上乗せ高確移行抽選の契機となる所定のポイントよりも小さく設定されている。
例えば、ATポイント有利状態では、最大払出枚数「12」枚(
図10参照)に段階「3」の数値「4」を掛けても「48」になり、所定のポイント「50」よりも小さくなるように設定されている。ただし、特に、次の上乗せ高確移行抽選のポイントとして引き継ぐことが可能である場合は、この場合に限定されない。
また、本実施の形態では、ATポイント通常状態においては「払出枚数」をATポイントとして決定しているが、この場合に限定されず、ATポイント通常状態においても「払出枚数に対して数値を掛けた値」をATポイントとして決定することも可能である。但し、この場合、ATポイント有利状態においては、前記「数値」よりも大きな数値を払出枚数に対して掛けるよう「段階に対応する数値」を設定しておく。
具体的には、ATポイント通常状態においては、払出枚数に対して「2」を掛けた値をATポイントとして決定し、ATポイント有利状態においては、段階1のときには「4」、段階2のときには「5」、段階3のときには「6」、を払出枚数に対して掛けた値をATポイントとして決定する。
【0133】
(上乗せ高確移行抽選手段285)
上乗せ高確移行抽選手段285は、
図14を用いて後述する上乗せ高確状態へ移行するか否かの移行抽選(上乗せ高確移行抽選)を行うものである。
上乗せ高確移行抽選は、本実施の形態では、ATポイント計数手段284により計数されるATポイントが所定のポイント、例えば50ポイントに到達する毎に行われる。
なお、50ポイント毎に行われる場合に限定されない。
上乗せ高確移行抽選手段285による処理は、後述するステップS53(
図15参照)において行われる。
【0134】
(上乗せ高確制御手段286)
上乗せ高確制御手段286は、所定のゲーム数の間、
図14を用いて後述する上乗せ高確状態を制御するものである。
【0135】
(上乗せ移行抽選手段287)
上乗せ移行抽選手段287は、
図14を用いて後述するART状態から上乗せ状態へ移行するか否かの抽選(上乗せ移行抽選)を行うものである。
【0136】
(上乗せ制御手段288)
上乗せ制御手段288は、
図14を用いて後述する上乗せ状態中に、ART遊技の遊技区間、本実施の形態では、ART遊技のゲーム数に上乗せするか否か、及び上乗せする場合の上乗せゲーム数を抽選により決定するものである。
【0137】
(送信手段290)
送信手段290は、サブ制御基板300へ信号を送信するためのものである。
【0138】
(サブ制御基板300)
サブ制御基板300は、
図5に示すように、受信手段310、通常演出制御手段320、AT演出制御手段330及びボーナス演出制御手段340の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、AT演出制御手段330は、サブ制御基板300ではなく、メイン制御基板200が有しても良い。
【0139】
以上の構成をもって、サブ制御基板300は、メイン制御基板200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、演出制御手段300は、ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0140】
(受信手段310)
受信手段310は、送信手段290からの信号を受信するものである。
【0141】
(通常演出制御手段320)
通常演出制御手段320は、
図14を用いて後述する通常状態の演出を制御するものである。
ここで、通常状態とは、AT制御手段280によるAT状態以外の状態をいう。
具体的には、通常演出制御手段320は、メイン制御基板200から送信された通常ポイント有利状態とATポイント有利状態との「段階」を示す共通のデータ(コマンド:
図15参照)と、現在実行中の演出状態を示すデータとを受信し、当該情報に基づいて、通常ポイントとATポイントとの獲得の難易度を示唆する演出を、通常ポイントとATポイントとでは異なった演出で実行する。
【0142】
例えば、通常状態を実行している場合は、「段階」を示す数値が「0」ならば演出背景画像を「城内」、「1」ならば「城外の広場」、「2」ならば「城外の森」、「3」ならば「城外の街」、とする演出を実行する。
また、AT状態を実行している場合には、「段階」を示す数値が、「0」ならば演出背景画像を「闘技場」、「1〜3」ならば「全体が赤色っぽい赤背景の闘技場」、とする演出を実行する。
【0143】
(AT演出制御手段330)
AT演出制御手段330は、所定の遊技区間の間、
図14を用いて後述するAT遊技の演出を制御、例えば、メイン制御基板200のAT制御手段280からストップスイッチ50の押し順を報知させるコマンドを受信した場合に当該ストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等、を実行するものである。
AT演出制御手段330は、具体的には、演出装置70を制御して押し順を報知させる演出を実行し、例えば表示装置84ならば画像又は映像により、例えばスピーカー72ならば音声により、例えば演出用ランプならば発光態様(点灯、消灯、点滅)により、押し順を報知させる演出を実行する。
【0144】
(ボーナス演出制御手段340)
ボーナス演出制御手段340は、遊技制御手段250及びAT制御手段280の状態により、図示しないが、後述する通常状態、AT状態から移行するボーナス状態(
図13を用いて後述するボーナス遊技の演出状態)の演出を制御するものである。
【0145】
(
図13を用いた遊技の状態の説明)
つぎに、
図13を用いて「遊技の状態」について説明する。
「遊技の状態」は、メイン制御基板200により管理され、
図13に示すように、大別すると、「ノーマル遊技」、「RT遊技」及び「ボーナス遊技」がある。「RT」は、いわゆる「リプレイタイム」の略語であり、「RT遊技」に移行すると、再遊技役に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が高くなる。
【0146】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、「ノーマル遊技」においては「1/7.3」に設定されており、「RT遊技」では「ノーマル遊技」よりも高く、「ボーナス遊技」では「ノーマル遊技」よりも低く(RBB1,2)又は高く(RBB3〜5)設定されている。
【0147】
「ノーマル遊技」は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、「RT0」と、「RT1」とがある。
「RT0」から「RT1」には、AT役こぼし図柄を停止表示させた時に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、図示しないが、例えば、左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。「RT0」では押し順ナビが実行されず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作している。そのため、例えば「左第一不正解」の役当選時にはAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0148】
「RT遊技」は、RT制御手段252により制御され、「ノーマル遊技」より再遊技役への当選確率の高い「RT2」と、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する「ボーナス内部中」(RBB1,2当選時のRT3とRBB3〜5当選時のRT4)とがある。
ここで、「ノーマル遊技」から「RT遊技」、具体的には、「RT1」から「RT2」には、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。例えば、図示しないが押し順リプレイ役の押し順「正解」時に、RT2移行図柄を停止表示させた時に移行する。
【0149】
また、「RT2」においてAT役こぼし図柄や転落リプレイ図柄を停止表示させると「RT1」に移行する。ここで「AT役こぼし図柄」とは、上述したとおり、例えば、左第一停止が不正解の役に当選し、押し順不正解(ストップスイッチ50を左第一停止で操作)した際に停止表示される図柄である。例えば、「RT2」において遊技状態が
図14のART遊技であり、押し順が報知されるが、AT遊技が終了すると、押し順が報知されず、遊技者は通常の押し順すなわち、ストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、左第一停止が不正解の役に当選してもAT役こぼし図柄が停止表示され、「RT1」に移行する。
【0150】
「ボーナス内部中」は、ボーナス内部中制御手段253により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
【0151】
「ボーナス遊技」は、ボーナス遊技制御手段254により制御され、「ボーナス内部中」に「ボーナス図柄」を揃えることで移行する。
「ボーナス遊技」には、「RBB1」〜「RBB5」がある。ここで、「RBB1」「RBB2」はいわゆる「BB」が連続作動し、所定の枚数、例えば239枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB3」「RBB4」「RBB5」はいわゆる「RB」が連続作動し、所定の枚数、例えば85枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、「ボーナス遊技」終了後、「RT0」に移行する。
【0152】
(
図14を用いた演出の状態の説明)
図14に示すように、演出の状態は、「通常状態」と、「AT状態」とがある。
【0153】
(通常状態)
「通常状態」は、後述する「AT状態」等の特殊な状態を除いた状態であり、「通常状態」の演出状態としては、「通常一般状態」、「AT高確状態」などを備える。
「通常状態」では、毎ゲーム、AT移行抽選手段270による「AT状態」へ移行するか否かの抽選(AT移行抽選)、通常ポイント有利移行抽選手段261による「通常ポイント有利状態」へ移行するか否かの抽選(通常ポイント有利移行抽選)等が行われている。
【0154】
また、「通常一般状態」では、通常ポイント計数手段264により通常ポイントを計数し、当該計数されている通常ポイントのポイント数が50ポイントに到達する毎に、AT高確移行抽選手段265によりAT高確状態への移行抽選を行っている。
ここで、通常ポイント計数手段264による通常ポイントの計数は、払出制御手段240による払出枚数と同じ数のポイントを計数することにより行われる。例えば、払出枚数8枚の役に当選した場合は、払出制御手段240により8枚のメダルが払い出されるとともに、通常ポイント「8ポイント」を獲得し、計数される。
【0155】
(通常一般状態)
「通常一般状態」は、「通常状態」の後述する「AT高確状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
また、「通常一般状態」では、通常ポイント計数手段264により通常ポイントを計数し、当該計数されている通常ポイントのポイント数が50ポイントに到達する毎に、AT高確移行抽選手段265によりAT高確状態への移行抽選を行っている。
【0156】
ここで、後述する「通常ポイント有利状態」以外の「通常ポイント通常状態」では、通常ポイント計数手段264による通常ポイントの計数は、払出制御手段240による払出枚数と同じ数のポイントを計数することにより行われる。例えば、払出枚数8枚の役に当選した場合は、払出制御手段240により8枚のメダルが払い出されるとともに、通常ポイント「8ポイント」を獲得し、計数される。
「通常一般状態」の演出状態としては、「通常ポイント通常状態」、「通常ポイント有利状態」を備える。
【0157】
(通常ポイント通常状態)
「通常ポイント通常状態」は、第1の遊技状態の第1通常遊技状態の一例であって、「通常一般状態」のうち、「通常ポイント有利状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
「通常ポイント通常状態」では、毎ゲーム、通常ポイント有利移行抽選手段261による「通常ポイント有利状態」へ移行するか否かの抽選(通常ポイント有利移行抽選)等が行われている。
【0158】
(通常ポイント有利状態)
「通常ポイント有利状態」は、第1の遊技状態の第1特殊遊技状態の一例であって、「通常ポイント通常状態」より通常ポイントを獲得しやすい遊技である。
「通常ポイント有利状態」は、通常ポイント有利移行抽選手段261による通常ポイント有利移行抽選に当選した場合に行われる通常ポイント有利ゲーム数抽選により決定されたゲーム数を初期ゲーム数として実行される。そして、当該ゲーム数を消化した場合に、「通常ポイント通常状態」に戻る。
なお、通常ポイント有利ゲーム数抽選により決定されたゲーム数を初期ゲーム数とする場合に限定されず、予め定められたゲーム数や、通常ポイント有利移行抽選に当選した際の遊技の役抽選手段210の抽選結果に応じたゲーム数を初期ゲーム数としても良い。
【0159】
「通常ポイント有利状態」では、本実施の形態では、上述したように払出制御手段240によるメダルの払出枚数に所定の数値を掛けることで多くのポイントを獲得しやすいようにしている。
これにより、例えば役抽選の結果に応じたポイントを獲得するポイント獲得抽選を別途実行するなどのポイントを獲得するか否かのためのみの抽選を行わないことで、メイン制御基板200の処理負担を軽減している。
【0160】
「通常ポイント有利状態」中は、通常レベルアップ抽選手段263による通常レベルアップ抽選が行われ、通常レベルアップ抽選に当選した場合は、段階「3」を限度として、段階がアップし、払出枚数に掛ける数値の数が大きくなる。
また、通常レベルアップ抽選に当選した場合は、通常ポイント有利ゲーム数抽選が行われ、抽選により決定されたゲーム数が、現在残っている通常ポイント有利ゲーム数に加算され、当該加算されたゲーム数の間、通常ポイント有利状態が実行される。すなわち、通常レベルアップ抽選に当選する毎に、段階がアップするだけではなく、ゲーム数も加算され、通常ポイント有利状態が延長される。
【0161】
なお、かかる段階が記憶され、ART状態に移行した場合は、同じ段階のATポイント有利状態へ移行する。また、通常ポイント有利状態の途中でAT高確移行抽選に当選した場合は、通常ポイント有利状態の残りゲーム数が記憶され、AT高確状態でAT移行抽選に当選した場合は、当該記憶された通常ポイント有利状態の残りゲーム数を初期ゲーム数としたATポイント有利状態へ移行する。
【0162】
具体的に、
図15を用いて、通常ポイントの計数について説明する。
通常ポイント通常状態では、払出枚数に「1」を掛ける、すなわち、払出枚数が獲得ポイント数となる。
通常ポイント有利状態では、段階1の場合は払出枚数に「2」を、段階2の場合は払出枚数に「3」を、段階3の場合は払出枚数に「4」を掛けることにより獲得ポイント数を計数する。
すなわち、
図15に示すように、通常ポイント通常状態:「1」、段階1:「2」、段階2:「3」、段階3:「4」と、段階が上がることにより払出枚数に掛ける数値を「+1」していく。
これにより段階のレベルアップに伴うポイントの算出処理を軽くしている。
【0163】
なお、本実施の形態では、払出枚数に数値を掛けることで多くのポイントを獲得しやすいこととしているが、これに限定されず、通常ポイントを獲得するか否かのポイント獲得抽選に高確率で当たるように当選確率を高くする場合、多いポイントに高確率で当たるように当選確率を高くする場合などでも良い。
【0164】
(AT高確状態)
「AT高確状態」は、第2の遊技状態の一例であって、「通常一般状態」よりもAT移行抽選の当選確率を高く設定することで、「AT状態」に移行しやすいように設定された遊技状態である。
「AT高確状態」は、所定のゲーム数の間、AT移行抽選手段270によるAT移行抽選が行われ、当該AT移行抽選に当選した場合は、後述する「AT状態」に移行する。
【0165】
また、「通常ポイント有利状態」から「AT高確状態」へ移行した後、当該「AT高確状態」においてAT移行抽選に当選した場合は、当該「通常ポイント有利状態」の「段階」を初期の「段階」とした「ATポイント有利状態」に移行する。
AT移行抽選に当選せず、所定のゲーム数を消化した場合は、「通常一般状態」に戻る。
なお、ART高確移行前の「通常一般状態」中に計数された通常ポイントのポイント数は「ART高確状態」移行後も記憶されており、当該記憶されている通常ポイントのポイント数で「通常一般状態」が再開される。
【0166】
なお、「通常状態」には、AT高確移行抽選に当選し「AT高確状態」への移行が確定した場合に、所定のゲーム数からなる「AT高確前兆状態」を設け、当該「AT高確前兆状態」を経てから「AT高確状態」へ移行するようにしても良い。
また、「AT高確前兆状態」では、通常ポイントを計数するようにしても良い。
【0167】
(AT状態)
「AT状態」は、「通常状態」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0168】
「AT状態」の演出状態としては、「ART状態」、「上乗せ状態」がある。
(ART状態)
「ART状態」は、「通常状態」より遊技者に有利な状態である。当該「ART状態」に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技であるAT遊技と、RT2とが開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
【0169】
「ART状態」は、本実施の形態では、50ゲームの遊技が可能に設定されており、50ゲームを消化した後に、ART中のAT遊技を終了し、且つ、AT役こぼし目(転落リプレイ)を表示した場合に「通常状態」へ戻る。すなわち、50ゲームを消化した場合は、ART(AT+RT)のうち、AT遊技が終了するように設定されているため、ストップスイッチ50の押し順の報知が終了され、これに伴い、転落リプレイ図柄の表示を回避するストップスイッチ50の押し順が報知されなくなり、結果として、転落リプレイ図柄を表示した場合に、「通常遊技」へ戻る。すなわち、転落リプレイ図柄は、例えば
図11に示す重複当選役「DRP3」が当選し、ストップスイッチ50を左第一停止で操作した際に停止表示される図柄61である。AT遊技が終了しているため押し順の報知が行われず、遊技者はストップスイッチ50を左第一停止で操作するため、転落リプレイが図柄停止表示され、「通常状態」に移行する。
【0170】
また、「ART状態」は、後述する「上乗せ状態」等の特殊な状態を除いた状態であり、「ART状態」の演出状態としては、「ART通常状態」、「上乗せ高確状態」などを備える。
「ART状態」では、毎ゲーム、上乗せ移行抽選手段287による「上乗せ状態」への移行抽選(上乗せ移行抽選)等が行われている。
【0171】
また、「ART状態」では、ATポイント計数手段284によりATポイントを計数し、当該計数されているATポイントのポイント数が50ポイントに到達する毎に、上乗せ高確移行抽選手段285により上乗せ高確状態への移行抽選を行っている。
ここで、ATポイント計数手段284によるATポイントの計数は、払出制御手段240による払出枚数と同じ数のポイントを計数することにより行われる。例えば、払出枚数8枚の役に当選した場合は、払出制御手段240により8枚のメダルが払い出されるとともに、通常ポイント「8ポイント」を獲得し、計数される。
【0172】
(ART通常状態)
「ART通常状態」は、後述する「上乗せ高確状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
「ART通常状態」では、毎ゲーム、ATポイント有利移行抽選手段281による「ATポイント有利状態」への移行抽選(ATポイント有利移行抽選)等が行われている。
【0173】
また、「ART通常状態」では、ATポイント計数手段284によりATポイントを計数し、当該計数されているATポイントのポイント数が50ポイントに到達する毎に、上乗せ高確移行抽選手段285により上乗せ高確状態への移行抽選を行っている。
【0174】
ここで、後述する「ATポイント有利状態」以外の「ATポイント通常状態」では、ATポイント計数手段284によるATポイントの計数は、払出制御手段240による払出枚数と同じ数のポイントを計数することにより行われる。例えば、払出枚数8枚の役に当選した場合は、払出制御手段240により8枚のメダルが払い出されるとともに、通常ポイント「8ポイント」を獲得し、計数される。
「ART通常状態」の演出状態としては、「ATポイント通常状態」、「ATポイント有利状態」を備える。
【0175】
(ATポイント通常状態)
「ATポイント通常状態」は、第3の遊技状態の第2通常遊技状態の一例であって、「ART通常状態」のうち、「ATポイント有利状態」等の特殊な状態を除いた状態である。
「ATポイント通常状態」では、毎ゲーム、ATポイント有利移行抽選手段281による「ATポイント有利状態」へ移行するか否かの抽選(ATポイント有利移行抽選)等が行われている。
【0176】
(ATポイント有利状態)
「ATポイント有利状態」は、第3の遊技状態の第2特殊遊技状態の一例であって、「ATポイント通常状態」よりATポイントを獲得しやすい遊技である。
また、「ATポイント有利状態」は、「通常ポイント有利状態」に比べ、AT遊技(複数の役のうち特定の役の入賞の可能性を高める案内を伴う遊技の一例)が行われることから、メダルの払い出しを受けやすくなり、ポイントを獲得しやすいように設定されている。
【0177】
「ATポイント有利状態」は、通常ポイント有利状態の途中でAT高確移行抽選に当選し、AT高確状態でAT移行抽選に当選した場合は、通常ポイント有利状態の残りゲーム数を初期ゲーム数として実行される。また、通常ポイント有利状態の最後のゲームにおいてAT高確移行抽選に当選した場合など残りゲーム数がない場合は、ATポイント有利ゲーム数抽選により決定されたゲーム数を初期ゲーム数として実行される。そして、当該ゲーム数を消化した場合に、「ATポイント通常状態」に戻る。
なお、ATポイント有利ゲーム数抽選により決定されたゲーム数を初期ゲーム数とする場合に限定されず、予め定められたゲーム数や、ATポイント有利移行抽選に当選した際の遊技の役抽選手段210の抽選結果に応じたゲーム数を初期ゲーム数としても良い。
【0178】
「ATポイント有利状態」では、本実施の形態では、上述したように払出制御手段240によるメダルの払出枚数に所定の数値を掛けることで多くのポイントを獲得しやすいようにしている。
これにより、例えば役抽選の結果に応じたポイントを獲得するポイント獲得抽選を別途実行するなどのポイントを獲得するか否かのためのみの抽選を行わないことで、メイン制御基板200の処理負担を軽減している。
【0179】
「ATポイント有利状態」中は、ATレベルアップ抽選手段283によるレベルアップ抽選が行われ、レベルアップ抽選に当選した場合は、段階「3」を限度として、段階がアップし、払出枚数に掛ける数値の数が大きくなる。
また、レベルアップ抽選に当選した場合は、ATポイント有利ゲーム数抽選が行われ、抽選により決定されたゲーム数が、現在残っているATポイント有利ゲーム数に加算され、当該加算されたゲーム数の間、ATポイント有利状態が実行される。すなわち、レベルアップ抽選に当選する毎に、段階がアップするだけではなく、ゲーム数も加算され、ATポイント有利状態が延長される。
【0180】
具体的に、
図15を用いて、ATポイントの計数について説明する。
ATポイント通常状態では、払出枚数に「1」を掛ける、すなわち、払出枚数が獲得ポイント数となる。
ATポイント有利状態では、段階1の場合は払出枚数に「2」を、段階2の場合は払出枚数に「3」を、段階3の場合は払出枚数に「4」を掛けることにより獲得ポイント数を計数する。
すなわち、
図15に示すように、ATポイント通常状態:「1」、段階1:「2」、段階2:「3」、段階3:「4」と、段階が上がることにより払出枚数に掛ける数値を「+1」していく。
これにより段階のレベルアップに伴うポイントの算出処理を軽くしている。
【0181】
なお、本実施の形態では、払出枚数に数値を掛けることで多くのポイントを獲得しやすいこととしているが、これに限定されず、ATポイントを獲得するか否かのポイント獲得抽選に高確率で当たるように当選確率を高くする場合、多いポイントに高確率で当たるように当選確率を高くする場合などでも良い。
【0182】
(上乗せ高確状態)
「上乗せ高確状態」は、第4の遊技状態の一例であって、「ART通常状態」、「ATポイント有利状態」よりも上乗せ移行抽選の当選確率を高く設定することで、「上乗せ状態」に移行しやすいように設定された遊技状態である。
そして、上乗せ高確状態のゲーム数消化後、上乗せ移行抽選に当選しない場合は、「ART通常状態」に戻る。
【0183】
(上乗せ状態)
「上乗せ状態」は、所定の遊技区間、上乗せ制御手段288によりART遊技の遊技区間、本実施の形態では、ART遊技のゲーム数に上乗せするか否か、及び上乗せする場合の上乗せゲーム数を抽選により決定する遊技である。
上乗せ移行抽選に当選せず、所定のゲーム数を消化した場合は、「ART通常状態」に戻る。
【0184】
(
図15を用いた段階とポイントの計数との関係)
図15を用いて、段階とポイントの計数との関係について説明する。
上述したように、通常ポイント有利状態の段階と払出枚数の掛ける数値との関係と、ATポイント有利状態の段階と払出枚数の掛ける数値との関係とは、共通のデータを参照するようにしている。
【0185】
すなわち、通常一般状態・ART通常状態では、共に、払出枚数に「1」を掛ける、すなわち、払出枚数が獲得ポイント数となる。通常ポイント有利状態・ATポイント有利状態では、共に、段階1の場合は払出枚数に「2」を、段階2の場合は払出枚数に「3」を、段階3の場合は払出枚数に「4」を掛けることにより獲得ポイント数を計数するように設定されている。
これにより、通常状態とART状態とで、別々のデータを参照して各ポイントを計数する場合に比べ、メイン制御基板200のメモリ容量を削減することができる。
【0186】
(
図16を用いた遊技の基本的な流れの説明)
図16に示すフローチャートに基づいて、メイン制御基板200が1回の遊技毎に実行する一般的な遊技制御処理について説明する。
【0187】
ステップS10において、メイン制御基板200により、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御基板200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップS11に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS10となる。
【0188】
なお、このステップS10の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御基板200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数(3枚)に達しているか否かの判定が行われる。
【0189】
ステップS11において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。また、このとき、役抽選の結果がメイン制御基板200からサブ制御基板300へ送信される。役抽選処理が終了すると、次のステップS12に進む。
【0190】
ステップS12において、リールユニット60における回転リール62の回転変動処理が行われる。回転リール62が所定の回転速度に達した後、メイン制御基板200により、回転中の回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作があった場合に、リール制御手段220により、各回転リール62の回転が停止させられる。このときのストップスイッチ50(左ストップスイッチL、中ストップスイッチC、右ストップスイッチR)の当選役に対応する押し順は、メイン制御基板200に形成された所定の記憶領域に記憶されると共に、その後の処理にて読み出される。
【0191】
また、全ての停止操作終了後、メイン制御基板200の送信手段290からサブ制御基板300の受信手段310へ全回転リール62の回転停止情報が送信される。そして、全ての回転リール62の回転変動処理が終了すると、次のステップS13に進む。
ステップS13において、停止図柄判定手段230により、有効ライン86上の図柄61の組合せに対して所定の役の図柄61の組合せが揃っているか否かの入賞等の判定処理が行われる。ここで、入賞等の判定処理の判定結果のデータは、メイン制御基板200からサブ制御基板300へ送信される。そして、判定処理が終わると、次のステップS14に進む。
なお、この入賞等の判定処理の後、通常ポイント計数手段264、ATポイント計数手段284によるポイントの計数が行われる。
【0192】
ステップS14において、払出制御手段240により、停止図柄判定手段230の判定結果に対応した払出処理等が行われる。なお、判定結果、払出が不要な場合には、払出処理は行われない。そして、当該処理が終了する。
【0193】
(
図17及び
図18を用いた通常状態中の処理の説明)
図17及び
図18を用いて、通常状態中の処理について説明する。
ステップS20において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。
スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、次のステップS21に進む。
【0194】
一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS20となる。
ステップS21において、通常ポイント有利状態のゲーム数が0であるか、すなわち、通常ポイント有利状態のゲーム数が残っているか否かが判定される。
通常ポイント有利状態のゲーム数が残っていると判定された場合は、次のステップS22に進む。
ステップS22において、通常レベルアップ抽選手段263により、「段階」をアップするか否かのレベルアップ抽選が行われる。そして、次のステップS23に進む。
【0195】
ステップS23において、ステップS22において行われた通常レベルアップ抽選に当選したか否かが判定される。通常レベルアップ抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS24に進む。
一方、通常レベルアップ抽選に当選したと判定されない場合、すなわち、通常レベルアップ抽選にハズレた場合は、ステップS24、S25を経ずに、ステップS29に進む。
【0196】
ステップS24において、「段階」がアップされる。すなわち、「段階」が初期の「1」であった場合は「2」になり、「2」であった場合は「3」になり、「3」であった場合は既に上限の「3」であるため「段階」がそのまま「3」で維持される。そして、次のステップS25に進む。
ステップS25において、通常ポイント有利状態のゲーム数を抽選し、抽選により決定されたゲーム数を加算する。すなわち、通常ポイント有利状態のゲーム数が10ゲーム残っていた場合に、抽選により20ゲームが決定された場合は、10+20の30ゲームになる。そして、次のステップS29に進む。
【0197】
一方、先に説明したステップS21において、通常ポイント有利状態のゲーム数が残っていると判定されない場合は、次のステップS26に進む。
ステップS26において、通常ポイント有利移行抽選手段261により通常ポイント有利移行抽選が行われる。そして、次のステップS27に進む。
ステップS27において、ステップS26において行われた通常ポイント有利移行抽選に当選したか否かが判定される。通常ポイント有利移行抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS28に進む。
【0198】
一方、通常ポイント有利移行抽選に当選したと判定されない場合、すなわち、通常ポイント有利移行抽選にハズレた場合は、ステップS28を経ずに、ステップS29に進む。
ステップS28において、通常ポイント有利状態のゲーム数抽選が行われる。そして、決定されたゲーム数が通常ポイント有利状態のゲーム数としてセットされる。そして、次のステップS29に進む。
【0199】
ステップS29において、通常ポイント有利状態のゲーム数から減算(「−1))される。そして、次のステップS30に進む。
ステップS30において、通常ポイントを獲得したか否か、すなわち、払出制御手段240による払い出しがあったか否かが判定される。払出制御手段240による払い出しがあったと判定された場合は、次のステップS31に進み、払い出しがなかったと判定された場合は、処理を終了する。
【0200】
ステップS31において、通常ポイント計数手段264により獲得ポイントを計数する。すなわち、通常ポイント有利状態ではない通常ポイント通常状態の場合は、払出枚数×1(又は、演算することなく、配当として設定されている払出枚数そのもの)、「段階1」の通常ポイント有利状態の場合は、払出枚数×2、「段階2」の通常ポイント有利状態の場合は、払出枚数×3、「段階3」の通常ポイント有利状態の場合は、払出枚数×4、により、獲得ポイントが計算され、初期のポイント数、例えば「50」から減算される。そして、次のステップS32に進む。
【0201】
ステップS32において、獲得ポイント数が、「50」に到達したか、すなわち、初期のポイント数「50」から獲得ポイント数を減算する方式であるため、通常ポイント計数手段264により計数される通常ポイントの残りのポイント数が「0」であるか否かが判定される。残りのポイント数が「0」であると判定された場合は、次のステップS33に進み、「0」であると判定されない場合は、処理を終了する。
なお、初期のポイント数を「0」として、ポイントを獲得する毎に加算していく方式の場合であっても良いが、この場合は、通常ポイント計数手段264により計数される通常ポイントのポイント数が「50」であるか否かが判定される。
【0202】
ステップS33において、AT高確移行抽選手段265によりAT高確移行抽選が行われる。すなわち、本実施の形態では、獲得ポイント数が「50」に到達する毎に、AT高確移行抽選が行われる。そして、次のステップS34に進む。
ステップS34において、ステップS33において行われたAT高確移行抽選に当選したか否かが判定される。AT高確移行抽選に当選したと判定された場合は、通常一般状態からAT高確状態に移行して処理を終了し、AT高確移行抽選に当選したと判定されない場合、すなわち、AT高確移行抽選にハズレた場合は、処理を終了する。
なお、本実施の形態では、通常ポイント有利移行抽選結果の判定、通常ポイント有利ゲーム数の決定、獲得ポイントの計数、AT高確状態への移行設定を、通常ポイント有利移行抽選に当選した遊技において実行しているが、これに限らず、通常ポイント有利移行抽選結果を記憶しておき、それぞれの処理を、通常ポイント有利移行抽選に当選した遊技の次のゲーム、又は次のゲームよりも後のゲーム、で実行しても良い。
【0203】
(
図19及び
図20を用いたART通常状態中の処理の説明)
図19及び
図20を用いて、ART通常状態中の処理について説明する。
ステップS40において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。
スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、次のステップS41に進む。
一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップS40となる。
【0204】
ステップS41において、ATポイント有利状態のゲーム数が0であるか、すなわち、ATポイント有利状態のゲーム数が残っているか否かが判定される。
ATポイント有利状態のゲーム数が残っていると判定された場合は、次のステップS42に進む。
【0205】
なお、ステップS41において判定されるATポイント有利状態のゲーム数は、通常ポイント有利状態の途中でAT高確移行抽選に当選した場合は、通常ポイント有利状態の残りゲーム数が記憶され、AT高確状態でAT移行抽選に当選した場合は、当該記憶された通常ポイント有利状態の残りゲーム数を初期ゲーム数としたATポイント有利状態へ移行するため、ART通常状態の最初のゲームであっても、「0」ではない場合がある。
ステップS42において、ATレベルアップ抽選手段283により、「段階」をアップするか否かのレベルアップ抽選が行われる。そして、次のステップS43に進む。
【0206】
ステップS43において、ステップS42において行われたATレベルアップ抽選に当選したか否かが判定される。ATレベルアップ抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS44に進む。
一方、ATレベルアップ抽選に当選したと判定されない場合、すなわち、ATレベルアップ抽選にハズレた場合は、ステップS44、S45を経ずに、ステップS49に進む。
【0207】
ステップS44において、「段階」がアップされる。すなわち、「段階」が初期の「1」であった場合は「2」になり、「2」であった場合は「3」になり、「3」であった場合は既に上限の「3」であるため「段階」がそのまま「3」で維持される。そして、次のステップS45に進む。
【0208】
なお、「段階」は、通常ポイント有利状態の途中でAT高確移行抽選に当選した場合は、通常ポイント有利状態の「段階」が記憶され、AT高確状態でAT移行抽選に当選した場合は、当該記憶された通常ポイント有利状態の「段階」を初期の「段階」としたATポイント有利状態へ移行するため、ART通常状態の最初のゲームであっても、段階が「1」ではない場合がある。
【0209】
ステップS45において、ATポイント有利状態のゲーム数を抽選し、抽選により決定されたゲーム数を加算する。すなわち、ATポイント有利状態のゲーム数が10ゲーム残っていた場合に、抽選により20ゲームが決定された場合は、10+20の30ゲームになる。そして、次のステップS49に進む。
一方、先に説明したステップS41において、ATポイント有利状態のゲーム数が残っていると判定されない場合は、次のステップS46に進む。
【0210】
ステップS46において、ATポイント有利移行抽選手段281によりポイント有利移行抽選が行われる。そして、次のステップS47に進む。
ステップS47において、ステップS46において行われたATポイント有利移行抽選に当選したか否かが判定される。ATポイント有利移行抽選に当選したと判定された場合は、次のステップS48に進む。
一方、ATポイント有利移行抽選に当選したと判定されない場合、すなわち、ATポイント有利移行抽選にハズレた場合は、ステップS48を経ずに、ステップS49に進む。
【0211】
ステップS49において、ATポイント有利状態のゲーム数抽選が行われる。そして、決定されたゲーム数がATポイント有利状態のゲーム数としてセットされる。そして、次のステップS49に進む。
ステップS49において、ATポイント有利状態のゲーム数から「−1」減算される。そして、次のステップS50に進む。
【0212】
ステップS50において、ATポイントを獲得したか否か、すなわち、払出制御手段240による払い出しがあったか否かが判定される。払出制御手段240による払い出しがあったと判定された場合は、次のステップS51に進み、払い出しがなかったと判定された場合は、処理を終了する。
【0213】
ステップS51において、ATポイント計数手段284により獲得ポイントを計数する。すなわち、ATポイント有利状態ではないATポイント通常状態の場合は、払出枚数×1(又は、演算することなく、配当として設定されている払出枚数そのもの)、「段階1」のATポイント有利状態の場合は、払出枚数×2、「段階2」のATポイント有利状態の場合は、払出枚数×3、「段階3」のATポイント有利状態の場合は、払出枚数×4、により、獲得ポイントが計算され、初期のポイント数、例えば「50」から減算される。そして、次のステップS52に進む。
【0214】
ステップS52において、獲得ポイント数が、「50」に到達したか、すなわち、初期のポイント数から獲得ポイント数を減算する方式であるため、ATポイント計数手段284により計数される通常ポイントの残りのポイント数が「0」であるか否かが判定される。残りのポイント数が「0」であると判定された場合は、次のステップS53に進み、「0」であると判定されない場合は、処理を終了する。
【0215】
ステップS53において、上乗せ高確移行抽選手段285により上乗せ高確移行抽選が行われる。すなわち、本実施の形態では、獲得ポイント数が「50」に到達する毎に、上乗せ高確移行抽選が行われる。そして、次のステップS54に進む。
ステップS54において、ステップS53において行われた上乗せ高確移行抽選に当選したか否かが判定される。上乗せ高確移行抽選に当選したと判定された場合は、ART通常状態から上乗せ高確状態に移行して処理を終了し、上乗せ高確移行抽選に当選したと判定されない場合、すなわち、上乗せ高確移行抽選にハズレた場合は、処理を終了する。
【0216】
なお、
図17〜
図20のフローチャート及びこれに基づく説明では、「通常ポイント遊技G数」や「ATポイント有利G数」として別々のゲーム数として表記しているが、既述の通り、これらのゲーム数は、共通(単一)のカウンタを使用して計数され、共通の記憶領域に記憶されている。
なお、本実施の形態では、ATポイント有利移行抽選結果の判定、ATポイント有利ゲーム数の決定、獲得ポイントの計数、上乗せ高確状態への移行設定を、ATポイント有利移行抽選に当選した遊技において実行しているが、これに限らず、ATポイント有利移行抽選結果を記憶しておき、それぞれの処理を、ATポイント有利移行抽選に当選した遊技の次のゲーム、又は次のゲームよりも後のゲーム、で実行しても良い。
【0217】
(実施の形態の補足的な説明)
上記実施の形態は、以下の技術思想を包含する特徴点を含むものである。
(1)特徴点1
(1−1)構成
遊技状態として、少なくとも第1の遊技状態と、前記第1の遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たした場合に移行可能な第2の遊技状態と、第3の遊技状態と、前記第3の遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たした場合に移行可能な第4の遊技状態とを備え、前記第1の遊技状態には、第1通常遊技状態と、前記第1通常遊技状態より前記所定の遊技状態移行条件を満たしやすい第1特殊遊技状態とを備え、前記第3の遊技状態には、第2通常遊技状態と、前記第2通常遊技状態より前記所定の遊技状態移行条件を満たしやすい第2特殊遊技状態とを備え、前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とは、前記所定の遊技状態移行条件の満たしやすさの異なる複数の段階を備えたことを特徴とする。
【0218】
(1−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
ここで、「第1の遊技状態」には、通常の演出が行われる通常一般状態を含むが、これに限定されない。
また、「遊技状態移行条件」には、所定のポイント数に達することを含むが、これに限定されない。また、第1の遊技状態から第2の遊技状態へ移行する場合の「遊技状態移行条件」と、第3の遊技状態から第4の遊技状態へ移行する場合の「遊技状態移行条件」とは、同じであっても良いが、異なっていても良い。また、第1の遊技状態又は第3の遊技状態において所定のポイント数に達した場合に満たす「遊技状態移行条件」は、1つであるが、複数であっても良く、かかる場合は、第2の遊技状態及び第4の遊技状態へ移行する権利を複数獲得することとなる。
【0219】
また、「移行可能な」には、所定のポイント数に達した場合の移行抽選に当選することを含むが、これに限定されず、所定のポイント数に達した場合に抽選することなく移行する場合なども含む。
また、「第2の遊技状態」には、アシストタイム(AT)への移行確率が高いAT高確状態やチャンスゾーンを含むが、これに限定されない。
また、「第3の遊技状態」には、ATやアシストリプレイタイム(ART)などの、当選役に関する報知が行われる演出状態を含むが、これに限定されない。
【0220】
また、「第4の遊技状態」には、ATやARTの遊技区間が延長される可能性の高い上乗せ遊技への移行確率が高い状態を含むが、これに限定されない。
また、「第1特殊遊技状態」には、第1の遊技状態から第2の遊技状態へ移行するためのポイントを獲得しやすい状態を含むが、これに限定されない。
また、「満たしやすい」には、多くのポイントを獲得しやすいことを含むが、これに限定されない。
【0221】
また、「第2特殊遊技状態」には、第3の遊技状態から第4の遊技状態へ移行するためのポイントを獲得しやすい状態を含むが、これに限定されない。
また、「満たしやすさの異なる複数の段階」には、取得したポイントに当該段階によって異なる数値を掛けることで多くのポイントを獲得しやすくなることを含むが、これに限定されず、ポイント抽選の当選確率を異ならせて、ポイント抽選に当選しやすさの異なる複数の段階を備えた場合や、多いポイントの当選確率を高くするようにした複数の段階を備えた場合であっても良い。
ここで、第1特殊遊技状態の段階の数(段階1・段階2…の個数)と、第2特殊遊技状態の段階の数(段階1・段階2…の個数)とは、データ容量の削減を図ることが可能となるため、同じ数にすると良いが、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とで異なる数とすることも可能である。
【0222】
(1−3)作用効果
特徴点1によれば、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とで、遊技状態移行条件の満たしやすさの異なる複数の段階を共通に管理することが可能な遊技機を提供することができる。
また、共通に管理することにより、個々に管理する場合に比べ、メモリ容量を削減することが可能な遊技機を提供することができる。
【0223】
また、特徴点1の構成に係る発明(以下、第1の発明という)では、他の遊技状態へ移行するための条件が成立し易い特殊遊技状態を経て、複数の遊技状態のいずれかの遊技状態、すなわち第2の遊技状態又は第4の遊技状態へ移行させるにあたって、当該特殊遊技状態を、第2の遊技状態へ移行させるための第1特殊遊技状態と、第4の遊技状態へ移行させるための第2特殊遊技状態として、別々の設けるものである。
このため、第1の発明では、第1特殊遊技状態において、所定の遊技状態移行条件を満たし易い状態で、当該移行条件を満たしたとしても、これにより、第4の遊技状態へ移行することはなく、同様に、第2特殊遊技状態において、所定の遊技状態移行条件を満たし易い状態で、当該移行条件を満たしたとしても、これにより、第2の遊技状態へ移行することがない。
したがって、第1の発明では、例えば第1特殊遊技状態における遊技を実行している遊技者に対し、第2の遊技状態への移行を望むならば安心感のある遊技性を提供することができ、又、第4の遊技状態への移行を望むならば、満たし易い所定の遊技状態移行条件を満たさないよう緊張感のある遊技性を提供することができる。
なお、第1特殊遊技状態から第4の遊技状態へ移行する場合には、例えば第1特殊遊技状態を含む第1の遊技状態から第2の遊技状態へ移行し、この第2の遊技状態から第4の遊技状態へ移行させる、また、例えば第1特殊遊技状態を含む第1の遊技状態から第3の遊技状態へ移行し、この第3の遊技状態から第4の遊技状態へ移行させることが可能である。
【0224】
(2)特徴点2
(2−1)構成
前記第1の遊技状態では、当該第1の遊技状態から前記第2の遊技状態への前記所定の遊技状態移行条件を満たすための遊技が実行可能であり、前記第3の遊技状態では、当該第3の遊技状態から前記第4の遊技状態への前記所定の遊技状態移行条件を満たすための遊技が実行可能であり、前記第3の遊技状態へは、前記第1の遊技状態と前記第2の遊技状態から移行可能に設定されており、前記第2の遊技状態は、前記第1の遊技状態より、前記第3の遊技状態へ移行しやすいように設定されていることを特徴とする。
【0225】
(2−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
ここで、「第3の遊技状態へ移行しやすい」には、第1の遊技状態より第2の遊技状態の方が、第3の遊技状態への移行抽選に当選する確率を高く設定していることを含むが、これに限定されない。
【0226】
(2−3)作用効果
特徴点2によれば、第1の遊技状態で所定の遊技状態移行条件を満たすことにより第2の遊技状態へ移行した場合は、移行前の第1の遊技状態よりも第3の遊技状態へ移行しやすいように設定された遊技機を提供することができる。
また、第1の遊技状態から第2の遊技状態に移行した場合は、第3の遊技状態への期待感を抱かせることが可能な遊技機を提供することができる。
【0227】
また、特徴点2の構成に係る発明(以下、第2の発明という)では、第1通常遊技状態と第1特殊遊技状態とを備える第1の遊技状態と、当該第1の遊技状態から移行する第2の遊技状態とを備え、これら遊技状態から、第2通常遊技状態と第2特殊遊技状態とを備える第3の遊技状態へ移行可能となっている。このため、第1の遊技状態から第4の遊技状態へ移行する遊技の流れ(以下、ルートという)として、第1通常遊技状態と第2通常遊技状態の複数の通常遊技状態を経るルートと、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態との複数の特殊遊技状態を経るルートが形成される。
前者のルートの場合、第2及び第4の遊技状態へ移行し難い第1及び第2通常遊技状態を経るため、後者のルートに比べて長期に渡る遊技を要することになり、逆に、後者のルートの場合、第2及び第4の遊技状態へ移行し易い第1及び第2特殊遊技状態を経るため、前者のルートに比べて短期の遊技で済んでしまう。よって、第1の遊技状態から第4の遊技状態への移行を望む遊技者に対し、変化に富んだ遊技性を提供することができる。
また、第2の発明では、第1の遊技状態から第4の遊技状態へ移行させる場合、第2通常遊技状態及び第2特殊遊技状態を備える第3の遊技状態を介することで第4の遊技状態への移行が可能となるようにしているため、例えば第1の遊技状態から第4の遊技状態へ移行する、或いは、例えば第2の遊技状態からは第4の遊技状態へ移行するなど、より少ない遊技状態で第4の遊技状態へ移行することが抑制されており、多様なルートによって変化に富んだ遊技性をより確実に提供することができる。
【0228】
(3)特徴点3
(3−1)構成
前記第3の遊技状態は、前記第1の遊技状態から移行可能な前記第1通常遊技状態より遊技者に有利な有利遊技を所定遊技区間遊技可能なものであり、前記第1特殊遊技状態から前記第2の遊技状態へ移行した後、当該第2の遊技状態において前記第3の遊技状態への移行が決定された場合に、当該第1特殊遊技状態の前記段階を、前記第2特殊遊技状態の前記段階として引き継ぐことを特徴とする。
なお、当該引き継ぐ段階がない場合は、予め定められた段階に移行しても良いし、抽選により決定された段階に移行しても良い。
【0229】
(3−2)作用効果
特徴点3によれば、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とで、遊技状態移行条件の満たしやすさの異なる複数の段階を共通に管理することが可能な遊技機を提供することができる。
また、共通に管理することにより、個々に管理する場合に比べ、メモリ容量を削減することが可能な遊技機を提供することができる。
【0230】
また、特徴点3の構成に係る発明(以下、第3の発明という)では、第1特殊遊技状態において所定の遊技状態移行条件が成立することで、第1の遊技状態から、第2の遊技状態を介して、第2通常遊技状態及び第2特殊遊技状態を備える第3の遊技状態へ移行可能であり、この様な場合、第1特殊遊技状態で前記条件が成立したことを第3の遊技状態に反映させることが可能である。
ここで、「第1特殊遊技状態における条件成立を第3の遊技状態に反映させる」とは、第1特殊遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たすと、例えば第3の遊技状態の遊技を第2特殊遊技状態から開始する、例えば第3の遊技状態において第2通常遊技状態から第2特殊遊技状態へより一層移行し易くする、など、第1特殊遊技状態を第2特殊遊技状態へ引き継ぐことである。よって、第3の発明では、第1特殊遊技状態の途中より、第2の遊技状態へ移行することで、遊技者が抱く損失感を軽減することができる。
特に、第1特殊遊技状態は、第2特殊遊技状態と共通する複数の段階を備えるため、第1の遊技状態を終了するときには、前記複数の段階のいずれかの段階に設定されていることになる。よって、単に、所定の遊技状態移行条件を満たし易い特殊遊技状態を引き継ぐだけでなく、第1特殊遊技状態における前記いずれかの段階も、第2特殊遊技状態の段階として引き継ぐことができる。
例えば、第3の遊技状態を開始するときには、第2通常遊技状態ではなく、前記いずれかの段階に対応する段階の第2特殊遊技状態から開始することが可能であり、これにより、第3の遊技状態において、最も所定の遊技状態移行条件を満たし易い段階の第2特殊遊技状態を早期に遊技者へ提供することができる。
【0231】
(4)特徴点4
(4−1)構成
少なくとも前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、前記段階と、前記段階に応じた所定の数値とを対応させて記憶した共通のデータを参照するようにしていることを特徴とする。
【0232】
(4−2)作用効果
特徴点4によれば、第1特殊遊技状態と第2の遊技状態とで個々に管理する場合に比べ、メモリ容量の削減をすることが可能な遊技機を提供することができる。
【0233】
また、特徴点4の構成に係る発明(以下、第4の発明という)では、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とが、それぞれ異なった遊技状態(第1の遊技状態、第3の遊技状態)に備わり、それぞれの遊技状態において発生する。この様に、それぞれ異なった遊技状態において発生するにも関わらず、第1及び第2特殊遊技状態における所定の遊技状態移行条件の満たし易さ(具体的には、第1ポイント又は第2のポイントの獲得のし易さ)を左右する要素、すなわち「特殊遊技状態の段階」に関するデータを、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とで共通のデータとし、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態においては、前記共通のデータを参照して、それぞれの所定の遊技状態移行条件に係る処理(具体的には、第1特殊遊技状態における第1のポイントの計数、第2特殊遊技状態における第2のポイントの計数)が実行される。従って、第4の発明では、特殊遊技状態に関してデータ容量の削減に寄与することができ、特に、データを記憶するROM容量が制限されているメイン制御基板200において第1及び第2特殊遊技状態を制御する際には好適である。
また、第4の発明では、例えば第1の遊技状態および第3の遊技状態において、払出枚数に所定値を掛けた値をポイントとし、このポイント数に基づいて所定の遊技状態移行条件を判定するなど、第1特殊遊技状態を含む第1の遊技状態と、第2特殊遊技状態を含む第3の遊技状態とにおいて、所定の遊技状態移行条件を満たすための遊技処理を共通化(同じ基準でポイントを獲得する点で共通化)させておくことが可能である。この場合、第1及び第2特殊遊技状態を制御するプログラムの共通化(一部又は全部)に寄与することができ、特に、プログラムを記憶するROM容量が制限されているメイン制御基板200において第1及び第2特殊遊技状態を制御する際には好適である。
【0234】
(5)特徴点5
(5−1)構成
前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とは、所定の遊技区間遊技可能であり、前記第3の遊技状態は、前記第1の遊技状態から移行可能な前記第1通常遊技状態より遊技者に有利な有利遊技を所定遊技区間遊技可能なものであり、前記第1特殊遊技状態の前記所定の遊技区間の途中で当該第1特殊遊技状態から前記第2の遊技状態へ移行した後、当該第2の遊技状態において前記第3の遊技状態への移行が決定された場合に、当該第1特殊遊技状態の前記所定の遊技区間の残りの区間を、前記第2特殊遊技状態の前記所定の遊技区間として引き継ぐことを特徴とする。
【0235】
(5−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
ここで、「引き継ぐ」には、第1特殊遊技状態の残りのゲーム数を第2特殊遊技状態の初期ゲーム数とする場合、第2特殊遊技状態の初期ゲーム数に第1特殊遊技状態の残りのゲーム数を加算して第2特殊遊技状態のゲーム数とする場合が含まれるが、これに限定されない。
なお、当該引き継ぐ残りゲーム数がない場合は、予め定められたゲーム数で第2特殊遊技状態を実行するようにしても良いし、抽選により決定されたゲーム数で第2特殊遊技状態を実行するようにしても良い。
【0236】
(5−3)作用効果
特徴点5によれば、第1特殊遊技状態の残りのゲーム数を、第2特殊遊技状態のゲーム数として管理することが可能となり、個々に管理する場合に比べ、メモリ容量を削減することが可能な遊技機を提供することができる。
【0237】
また、特徴点5の構成に係る発明(以下、第5の発明という)では、所定の遊技状態移行条件を満たし易い特殊遊技状態を所定の遊技区間(例えば30ゲーム)から構成することにより、特殊遊技状態の終了時期(例えば、所定の遊技状態移行条件を満たし易い状態で実行できる遊技がどの程度残っているか)が明確になり、第2及び第4の遊技状態の発生に対する過度な期待を抑制することが期待できる。
一方、上述のように、特殊遊技状態の終了時期を明確にした場合、特殊遊技状態の終わりの頃に当該状態を終了したのか、特殊遊技状態の始まりの頃に当該状態を終了したのか、も明確になり、実際に終了したタイミングによっては、遊技者の受ける心証が悪化する恐れがある。
第5の発明では、特殊遊技状態を所定の遊技区間から構成した場合、第1の遊技状態に含まれる第1特殊遊技状態において所定の遊技状態移行条件を満たすと、その時点での第1特殊遊技状態の残り遊技区間を、第3の遊技状態へ移行させたときに反映させる(引き継ぐ)ものとする。よって、第3の遊技状態へ移行した場合、例えば前記残り遊技区間を有する第2特殊遊技状態から遊技を開始することが可能となる。従って、第5の発明では、第1特殊遊技状態の始まりの頃に所定の遊技状態移行条件を満たし、第1特殊遊技状態の残り遊技区間が長いときに第1の遊技状態を終了したときであっても、遊技者の損失感を軽減することができる。
【0238】
(6)特徴点6
(6−1)構成
少なくとも前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、前記第1特殊遊技状態の前記所定の遊技区間を計数する場合と前記第2特殊遊技状態の前記所定の遊技区間を計数する場合とで共通のカウンタを用いて、共通のデータを参照するようにしていることを特徴とする。
【0239】
(6−2)作用効果
特徴点6によれば、第1特殊遊技状態と第2の遊技状態とで個々に管理する場合に比べ、メモリ容量の削減をすることが可能な遊技機を提供することができる。
【0240】
また、特徴点6の構成に係る発明(以下、第6の発明という)では、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とが、それぞれ異なった遊技状態(第1の遊技状態、第3の遊技状態)に備わり、それぞれの遊技状態において発生する。この様に、それぞれ異なる遊技状態において発生するにも関わらず、第1の遊技状態と第3の遊技状態とにおける「所定の遊技状態移行条件が満たし易い期間」、すなわち「特殊遊技状態の残り遊技区間」に関するデータ(カウント値)を、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とで共通のデータとし、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とにおいては、前記共通のデータを参照して、それぞれ遊技状態において所定の遊技状態移行条件に係る処理(具体的には、第1特殊遊技状態における残りゲーム数の計数、第2特殊遊技状態における残りゲーム数の計数)が実行される。従って、第6の発明では、特殊遊技状態に関してデータ容量の削減に寄与することができ、特に、データを記憶するROM容量が制限されているメイン制御基板200において第1及び第2特殊遊技状態を制御する際には好適である。
また、特殊遊技状態の遊技区間を計数するためにカウンタを採用した場合、当該遊技区間が取り得る範囲が広いほど、カウンタ値が多くなり、カウンタ値を記憶するデータサイズも大きくなる傾向にあるため、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とで共通化しておくことは、前記カウンタを採用した場合に好適である。
【0241】
(7)特徴点7
(7−1)構成
前記遊技状態移行条件は、前記第1の遊技状態から前記第2の遊技状態に移行する場合では、前記第1の遊技状態において獲得した第1のポイントが所定のポイント数に到達した場合であり、前記第3の遊技状態から前記第4の遊技状態に移行する場合では、前記第3の遊技状態において獲得した第2のポイントが所定のポイント数に到達した場合であり、前記第1のポイントと前記第2のポイントとのポイント数は、抽選により決定され、前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、当該抽選により決定されたポイント数に対して前記段階に応じた所定の数値を掛けることで前記遊技状態移行条件を満たしやすいようにしていることを特徴とする。
【0242】
(7−2)用語の定義と実施の形態との対応関係
ここで、ポイント数が決定される「抽選」は、獲得するポイント数を決定する「抽選」や、役に当選するか否かの「抽選」が含まれるが、これに限定されない。
なお、役に当選するか否かの「抽選」の場合は、「抽選」の結果、当選した役に対応したポイント数が決定されることを含むが、これに限定されない。
【0243】
(7−3)作用効果
特徴点7によれば、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とでは、早く第2の遊技状態と、第4の遊技状態とに移行することが可能な遊技機を提供することができる。
そして、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とでは、第2の遊技状態と第4の遊技状態とへの移行の期待感を抱かせることが可能な遊技機を提供することができる。
【0244】
また、特徴点7の構成に係る発明(以下、第7の発明という)では、第1の遊技状態の遊技で獲得可能なポイントを第1のポイントとし、第3の遊技状態における遊技で獲得可能なポイントを第2のポイントとすると共に、第1のポイントが所定のポイント数に到達すると第1の遊技状態から第2の遊技状態へ移行可能となると共に、第2のポイントが所定のポイント数に到達すると第3の遊技状態から第4の遊技状態へ移行可能となる。つまり、主に第2の遊技状態へ移行するためのポイントを獲得する遊技状態と、主に第4の遊技状態へ移行するためのポイントを獲得する遊技状態とが異なっているため、各々の遊技状態から他の遊技状態へ移行するにあたって、ポイントを効率的に獲得するこことが可能となる。よって、第7の発明では、例えば第1の遊技状態において第2のポイント獲得の発生が抑えられるなど、第1の遊技状態であれば第2の遊技状態への移行を円滑に進めることができ、また、第3の遊技状態であれば第4の遊技状態への移行を円滑に進めることができる。
【0245】
第7の発明では、互いに共通又は異なる所定の抽選により決定されるポイント数を元に第1のポイントと第2のポイントとを獲得することにしている。特に、第1及び第2特殊遊技状態にあっては、予め複数の段階に対応する所定の数値が設けられており、これら複数の段階のいずれかの段階に対応する数値(1を超える数値)と、前記抽選により決定されるポイント数と、を乗算した結果を、第1のポイント又は第2のポイントすることで、当該特殊遊技状態を「所定の遊技状態移行条件を満たし易い状態」として実現している。
この様に、第7の発明では、抽選により得られた値(抽選値)に対して、所定の数値を演算(例えば乗算)することで、特殊遊技状態を実現しているため、例えばポイントの獲得に係る所定の抽選における抽選確率をアップさせるなど、より大きな抽選値又はより小さな抽選値を得るために「所定の抽選」における抽選確率を変化させなくても、獲得するポイント数を一層上昇又は減少させることが可能となる。よって、ポイントを獲得するための「所定の抽選」を、他の要素を決定するための抽選と兼用したとしても、他の要素への影響を抑えることができる。
例えば、第1のポイントを獲得する抽選(第1ポイント抽選)において、ある抽選結果Aが得られた場合はポイント数を「5」とし、ある抽選結果Bが得られた場合はポイント数を「10」とする。この第1ポイント抽選を、ART遊技上乗せゲーム数の抽選と兼用したとする(例えば、抽選結果Aが得られた場合は上乗せG数を「100」、抽選結果Bが得られた場合は上乗せG数を「200」とする)。
この場合、第1のポイントを獲得し易くする第1特殊遊技状態において、第1ポイント抽選の当選確率を高める(例えば抽選確率Bの当選確率をアップさせる)ことで、第1のポイントを獲得し易くすると、ART遊技上乗せゲーム数(「200」)まで獲得し易くなる。しかし、第7の発明では、第1ポイント抽選の抽選確率を高め(例えば抽選結果Bの確率をアップさせ)なくても、段階(所定の数値)を上昇させれば、第1のポイントを獲得し易くなるため、ART遊技上乗せゲーム数まで獲得し易くなることは無い。
【0246】
(8)特徴点8
(8−1)構成
前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、前記共通のデータに基づいて、当該第1特殊遊技状態で獲得する前記第1のポイントと、当該第2特殊遊技状態で獲得する前記第2のポイントとの前記ポイントの獲得の難易度を示唆する演出が行われ、前記ポイントの獲得の難易度を示唆する演出は、前記第1特殊遊技状態と前記第2特殊遊技状態とでは、異なった演出態様で行われることを特徴とする。
【0247】
(8−2)作用効果
特徴点8によれば、獲得するポイントの種別が分かると共に、個々のデータに基づいて演出を行う場合に比べ、メモリ容量の削減をすることが可能な遊技機を提供することができる。
【0248】
(9)特徴点9
(9−1)構成
複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行う役抽選手段を備え、前記第3の遊技状態は、前記複数の役のうち特定の役の入賞の可能性を高める案内を伴う遊技が行われる遊技状態であり、前記第1のポイントと前記第2のポイントとは、入賞の結果払い出される遊技媒体の数に応じて算出され、前記第2特殊遊技状態では、前記案内が行われることで遊技媒体の払い出しを受けやすくなり、前記第1特殊遊技状態において前記第1のポイントが前記所定のポイント数に到達するより、前記第2特殊遊技状態において前記第2のポイントが前記所定のポイント数に到達する方が、より到達しやすいように設定されていることを特徴とする。
【0249】
(9−2)作用効果
特徴点9によれば、遊技の進行に必須の遊技媒体の払出枚数をポイントの算出に使用することにより、ポイントを抽選するためにのみ必要とされる処理を不要とし、処理負担を軽減することが可能な遊技機を提供することができる。
また、第2特殊遊技状態を、ポイントを獲得しやすい状態とすることで、第4の遊技状態へ移行しやすくして、遊技者にさらなる利益を与えることが可能となる遊技機を提供することができる。
【0250】
(10)特徴点10
(10−1)構成
前記第1特殊遊技状態は、所定の遊技区間遊技可能であり、前記第1特殊遊技状態では、前記段階を上の段階にアップするか否かのレベルアップ抽選を行い、前記所定の遊技区間の途中で当該レベルアップ抽選に当選した場合は、当該第1特殊遊技状態を、アップした前記段階で当該所定の遊技区間の残りの遊技区間と当該レベルアップ抽選当選時に決定された遊技区間とを合わせた遊技区間遊技可能とすることを特徴とする。
【0251】
(10−2)作用効果
特徴点10によれば、ポイントを獲得しやすくすると共に、第1特殊遊技状態と第2特殊遊技状態とに滞在する期間を長くすることで、第3の遊技状態と第4の遊技状態とへの移行の期待度を高く保つことが可能な遊技機を提供することができる。
特徴点10は、第1特殊遊技状態の遊技区間に関するものであるが、これに限らず、第2特殊遊技状態も同様である。即ち、第2特殊遊技状態は、所定の遊技区間遊技可能であり、前記第2特殊遊技状態では、前記段階を上の段階にアップするか否かのレベルアップ抽選を行い、前記所定の遊技区間の途中で当該レベルアップ抽選に当選した場合は、当該第2特殊遊技状態を、アップした前記段階で、当該所定の遊技区間の残りの遊技区間と当該レベルアップ抽選当選時に決定された遊技区間とを合わせた遊技区間遊技可能としても良い。