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特開2018-109967ハプティックデバイスの感圧式サスペンションシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-109967(P2018-109967A)
(43)【公開日】2018年7月12日
(54)【発明の名称】ハプティックデバイスの感圧式サスペンションシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20180615BHJP
   G06F 3/0354 20130101ALI20180615BHJP
   G06F 3/038 20130101ALI20180615BHJP
【FI】
   G06F3/041 480
   G06F3/041 495
   G06F3/041 600
   G06F3/0354 453
   G06F3/038 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2017-243359(P2017-243359)
(22)【出願日】2017年12月20日
(31)【優先権主張番号】15/389,351
(32)【優先日】2016年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
【住所又は居所】アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95134 サンノゼ リオ ロブレス 50
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ニール オリエン
【住所又は居所】カナダ エッチ4ビー 2ヴイ3 ケベック,モントリオール,マディソン アヴェニュー 4455
(72)【発明者】
【氏名】ヴァヒド コシュカヴァ
【住所又は居所】カナダ エッチ2エックス 3アール4 ケベック,モントリオール,プリンス アーサー ウエスト 350,ナンバー ディー516
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AB12
5B087AE09
5B087CC17
5B087CC43
5B087CC47
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アセンブリにおけるスペース上の懸念又は問題を低減する精巧なハプティックデバイスを提供する。
【解決手段】ハプティックデバイスは、感圧式サスペンションシステム220を備える。ハプティックデバイスは、ハウジング216と、ハウジングに対して可動であるようにハウジングに取り付けられるタッチ表面コンポーネント(タッチパッド214)と、タッチ表面コンポーネントにハプティックフィードバックを与えるハプティックアクチュエーター222とを備える。少なくとも1つのサスペンションコンポーネント224が、タッチ表面コンポーネントとハウジングとの間に配置される。サスペンションコンポーネントは、エラストマーから形成され、エラストマーに組み入れられる感圧粒子を含む。感圧粒子は、タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに対して可動であるように該ハウジングに取り付けられるタッチ表面コンポーネントと、
前記タッチ表面コンポーネントにハプティックフィードバックを与えるハプティックアクチュエーターと、
前記タッチ表面コンポーネントと前記ハウジングとの間に配置される少なくとも1つのサスペンションコンポーネントであって、該サスペンションコンポーネントは、エラストマーから形成され、該エラストマーに組み込まれた感圧粒子を含み、該感圧粒子は、前記タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている、少なくとも1つのサスペンションコンポーネントと、
を備える、ハプティックデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのサスペンションコンポーネントは、前記タッチ表面コンポーネントが前記ハウジングに対して可動であるように、前記タッチ表面コンポーネント及び前記ハウジングをともに結合し、前記ハプティックフィードバックは、前記ハウジングに対して前記タッチ表面コンポーネントを動かすことを含む、請求項1に記載のハプティックデバイス。
【請求項3】
前記感圧粒子は、導電性インク材料である、請求項1に記載のハプティックデバイス。
【請求項4】
前記導電性インク材料は、前記エラストマーの表面上に印刷される、請求項3に記載のハプティックデバイス。
【請求項5】
前記感圧粒子は、前記エラストマー中に均質な混合物として懸濁される、請求項1に記載のハプティックデバイス。
【請求項6】
前記感圧粒子から圧力信号を受信するように構成され、かつハプティック制御信号を前記圧力信号に応答して前記ハプティックアクチュエーターに出力するように構成されているプロセッサを更に備える、請求項1に記載のハプティックデバイス。
【請求項7】
前記タッチ表面コンポーネントは、タッチスクリーン及びタッチパッドのうちの一方である、請求項1に記載のハプティックデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのサスペンションコンポーネントは、前記タッチ表面コンポーネントと前記ハウジングとの間の動きを少なくとも第1の方向において制限するように構成されているとともに、前記タッチ表面コンポーネントの前記ハウジングに対する動きを第2の方向において可能にするようにも構成されている、請求項1に記載のハプティックデバイス。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジングに対して可動であるように該ハウジングに取り付けられるタッチ表面コンポーネントと、
前記タッチ表面コンポーネントを前記ハウジングに対して動かし、それにより、前記タッチ表面コンポーネントにハプティックフィードバックを与えるハプティックアクチュエーターと、
前記タッチ表面コンポーネントが前記ハウジングに対して可動であるように、前記タッチ表面コンポーネント及び該ハウジングをともに結合する少なくとも1つのサスペンションコンポーネントであって、該サスペンションコンポーネントは、前記タッチ表面コンポーネントと前記ハウジングとの間の動きを少なくとも第1の方向において制限するように構成されているとともに、前記タッチ表面コンポーネントの前記ハウジングに対する動きを第2の方向において可能にするようにも構成されているエラストマーから形成され、該サスペンションコンポーネントは、前記エラストマーに組み込まれた感圧粒子を更に含み、該感圧粒子は、前記タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている、少なくとも1つのサスペンションコンポーネントと、
前記感圧粒子から圧力信号を受信するように構成され、また、前記タッチ表面コンポーネントに印加された前記圧力の場所を前記圧力信号に応答して求めるように構成され、かつ、ハプティック制御信号を前記圧力信号に応答して前記ハプティックアクチュエーターに出力するように構成されているプロセッサと、
を備える、ハプティックデバイス。
【請求項10】
前記感圧粒子は、導電性インク材料である、請求項9に記載のハプティックデバイス。
【請求項11】
前記導電性インク材料は、前記エラストマーの表面上に印刷される、請求項10に記載のハプティックデバイス。
【請求項12】
前記感圧粒子は、前記エラストマー中に均質な混合物として懸濁される、請求項9に記載のハプティックデバイス。
【請求項13】
第1の本体と、
前記第1の本体に対して可動であるように該第1の本体に取り付けられる第2の本体と、
前記第1の本体と前記第2の本体との間に配置される少なくとも1つのサスペンションコンポーネントであって、該サスペンションコンポーネントは、感圧粒子が組み込まれたエラストマー部材を備え、前記感圧粒子は、前記タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている、少なくとも1つのサスペンションコンポーネントと、
を備える、ハプティックデバイスのコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項14】
前記感圧粒子は、導電性インク材料である、請求項13に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項15】
前記導電性インク材料は、前記エラストマーの表面上に印刷される、請求項14に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項16】
前記感圧粒子は、前記エラストマー中に均質な混合物として懸濁される、請求項13に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項17】
前記第2の本体を前記第1の本体に対して動かし、それにより、前記第2の本体にハプティックフィードバックを与えるハプティックアクチュエーターを更に備え、該ハプティックアクチュエーターは、前記第2の本体に結合される、請求項13に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項18】
前記感圧粒子から圧力信号を受信するように構成され、ハプティック制御信号を前記圧力信号に応答して前記ハプティックアクチュエーターに出力するようにも構成されているプロセッサを更に備える、請求項17に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項19】
前記第1の本体は、ハウジングであり、前記第2の本体は、タッチスクリーン及びタッチパッドのうちの一方である、請求項13に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【請求項20】
前記サスペンションコンポーネントは、前記第1の本体と前記第2の本体との間の動きを第1の方向において可能にするとともに、前記第1の本体と前記第2の本体との間の動きを少なくとも第2の方向において制限するように構成されている、請求項13に記載のコンプライアントサスペンションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、ユーザーにハプティックフィードバックを与えるコンポーネント及び/又はシステムに関し、より詳細には、ユーザーにハプティックフィードバックを与えるタッチ表面及びタッチスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス及び機械デバイスとのヒューマンインターフェースは、多様な用途で用いられ、より自然で、容易に使用でき、情報量の多いインターフェースの必要性が、常に関心事となっている。これに関して、コンピューターデバイスとのヒューマンインターフェースが、多様な用途で用いられている。1つのそのような用途は、ゲーム、シミュレーション、及びアプリケーションプログラム等のコンピューター生成環境とインタラクトするものである。それらの用途において、多くの場合、マウス及びトラックボール等のコンピューター入力デバイスが用いられ、グラフィック環境内でカーソルを制御し、入力を与える。いくつかのインターフェースデバイスにおいて、力フィードバック又は触知性フィードバックもユーザーに与えられ、それらは本明細書において総称して「ハプティックフィードバック」としても知られる。例えば、ハプティック型のジョイスティック、マウス、ゲームパッド、ステアリングホイール、又は他のタイプのデバイスは、ゲーム又は他のアプリケーションプログラム等におけるグラフィック環境内で発生するイベント又はインタラクションに基づいて、ユーザーに力を出力することができる。
【0003】
ラップトップコンピューター等のポータブルコンピューター又は電子デバイスでは、マウスは、利用するには不便であるか又は大きすぎる場合がある。その結果、コンピューターのキーボード付近に設けられる小さくて矩形の平坦なパッドであるタッチパッド等の、より小型のデバイスが用いられることが多い。タッチパッドは、タッチパッドに印加された圧力を検出する静電容量センサー又は圧力センサー等の多様なセンシング技術のうちの任意のものによって、ポインター操作を行う物体の場所を感知する。ユーザーは、最も一般的な場合、指先でタッチパッドに触れ、自身の指をタッチパッド上で動かして、グラフィック環境に表示されたカーソルを動かす。他の実施形態において、ユーザーは、タッチパッドと併用されるスタイラスを、スタイラスの先端をタッチパッドに押し付け、スタイラスを動かすことによって操作することができる。
【0004】
一般的に総称してハプティックフィードバックとして知られる力フィードバック又は触知性フィードバックを、タッチパッドに印加することが知られている。例えば、本開示と同一譲受人に譲渡され、その開示内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす、Rosenberg他に対する米国特許第9,280,205号は、ハプティック感覚を与える力を出力する少なくとも1つのアクチュエーターが結合されたタッチパッドを開示している。Rosenberg他から複製された図1において、電気信号がアクチュエーターに入力されると、タッチパッド上に力を生成するように動作する、接地された圧電アクチュエーター104に直接結合されている、タッチパッド102が示されている。Rosenberg他は、ばね又は発泡材等の材料又は部材(図1には示されていない)を用いたコンプライアントな接続によって、タッチパッドを、アクチュエーターのみに結合することができるか、又はアクチュエーターを除く他の場所においてコンピューターデバイスのハウジング106に更に結合することができることを開示している。コンプライアントな接続により、アクチュエーターの力に応じてタッチパッドの一部を動かし、ユーザーにハプティック感覚をより効果的に伝えることが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タッチパッドとハウジングとの間に配置されるコンポーネントには、顕著なサイズ制約がある。ハプティックタッチパッドに対する改良された及び/又は代替的なコンプライアントサスペンションシステムが、当該技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書の実施形態は、感圧式サスペンションシステムを備えるハプティックデバイスに関する。ハプティックデバイスは、ハウジングと、ハウジングに対して可動であるようにハウジングに取り付けられるタッチ表面コンポーネントと、タッチ表面コンポーネントにハプティックフィードバックを与えるハプティックアクチュエーターとを備える。少なくとも1つのサスペンションコンポーネントが、タッチ表面コンポーネントとハウジングとの間に配置される。サスペンションコンポーネントは、エラストマーから形成され、エラストマーに組み込まれた感圧粒子を含む。感圧粒子は、タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている。
【0007】
本明細書の別の実施形態において、ハプティックデバイスは、ハウジングと、ハウジングに対して可動であるようにハウジングに取り付けられるタッチ表面コンポーネントと、タッチ表面コンポーネントをハウジングに対して動かすことにより、タッチ表面コンポーネントにハプティックフィードバックを与えるハプティックアクチュエーターとを備える。少なくとも1つのサスペンションコンポーネントが、タッチ表面コンポーネントがハウジングに対して可動であるように、タッチ表面コンポーネント及びハウジングをともに結合する。サスペンションコンポーネントは、タッチ表面コンポーネントとハウジングとの間の動きを少なくとも第1の方向において制限するように構成されているとともに、タッチ表面コンポーネントのハウジングに対する動きを第2の方向において可能にするようにも構成されているエラストマーから形成される。サスペンションコンポーネントは、エラストマーに組み込まれた感圧粒子を更に備える。感圧粒子は、タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている。ハプティックデバイスは、感圧粒子から圧力信号を受信するように構成され、また、タッチ表面コンポーネントに印加された圧力の場所を圧力信号に応答して求めるように構成され、また、ハプティック制御信号を圧力信号に応答してハプティックアクチュエーターに出力するように構成されているプロセッサも備える。
【0008】
本明細書の別の実施形態において、ハプティックデバイスのコンプライアントサスペンションシステムは、第1の本体と、第1の本体に対して可動であるように第1の本体に取り付けられる第2の本体とを備える。少なくとも1つのサスペンションコンポーネントが、第1の本体と第2の本体との間に配置される。サスペンションコンポーネントは、感圧粒子が組み込まれたエラストマー部材を備える。感圧粒子は、タッチ表面コンポーネントに印加された圧力を感知するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来技術のハプティックタッチパッドの側面断面図である。
図2】本明細書の一実施形態に係る感圧式サスペンションシステムを備えるラップトップコンピューターの斜視図である。
図3図2のラップトップコンピューターのブロック図である。
図4図2のラップトップコンピューターの分解斜視図である。
図5図2のラップトップコンピューターの感圧式サスペンションシステムの分解斜視図である。
図6】ハウジングが仮想線で示されている、図2のラップトップコンピューターの感圧式サスペンションシステムの側面断面図である。
図7】感圧粒子がエラストマー中に均質な混合物として懸濁された、図6の感圧式サスペンションシステムのサスペンションコンポーネントの拡大上面図である。
図7A図7の線A−Aに沿った断面図である。
図8】単に例示のためにラップトップコンピューターから取り外された、図2のタッチパッドの分解図であり、ここで、タッチパッドは、平滑な接触層又はカバー層と、不透明層と、感圧接着剤層と、剛性層とを含む構造を有する多層スタックから形成される。
図9】単に例示のためにラップトップコンピューターから取り外された、本明細書の別の実施形態に係るタッチパッドの分解図であり、ここで、タッチパッドは、平滑な接触層又はカバー層と、不透明層と、感圧接着剤層と、剛性層と、タッチパッド上へのタッチ又は接触行為を検出する位置センサーアレイとを含む構造を有する多層スタックから形成される。
図10】感圧粒子がエラストマーの表面上に印刷された、本明細書の別の実施形態に係る感圧式サスペンションシステムのサスペンションコンポーネントの拡大側面図である。
図11図10のサスペンションコンポーネントの上面図である。
図12】本明細書の一実施形態に係る感圧式サスペンションシステムを備える、ハプティックフィードバックを与えるモバイルハプティックデバイスの種々のコンポーネントを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の上述の特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されるような本発明の実施形態の以下の説明から明らかであろう。本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は更に、本発明の原理を説明するとともに、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にする役割を果たす。図面は一定縮尺ではない。
【0011】
ここで、本発明の特定の実施形態を、同様の参照符号が同一又は機能的に類似した要素を示す図面を参照して説明する。以下の詳細な説明は本来例示的なものでしかなく、本発明又は本発明の用途及び使用を限定するように意図されていない。本明細書の実施形態の記載は、電子タッチパッドのサスペンションシステムに関するものであるが、本発明は、有用であるとみなされる他の任意の用途に用いることもできる。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の概要又は以下の詳細な説明に提示されている、明示又は暗示されるいかなる理論にも制限されることは意図されていない。
【0012】
本明細書の実施形態は、ハウジング内に、タッチパッド、タッチスクリーン、及び他のタッチ表面コンポーネントを取り付ける感圧式サスペンションシステムを備えるハプティックデバイスに関する。感圧式サスペンションシステムは、以下で、ディスプレイスクリーンがタッチパッドと同じ場所に設置されないコンピューターのタッチパッドに関して記載される。しかし、本発明は、そのようなタッチパッドのサスペンションに限定されず、触覚的に作動されるタッチ表面コンポーネント又はタッチエレメントに等しく適用可能であることが理解される。例えば、サスペンションシステムは、タッチ表面の後ろにディスプレイが配置されるタッチスクリーンを懸架するのに用いてもよい。ディスプレイは、タッチ表面の後ろに設置されるか又はタッチエレメントから離れた場所に設置され、ホストコンピューターによって更新されてもよいし、単に、連動するタッチエレメントのタッチ感知領域を示す特徴(例えばグラフィック)を有するプラスチック表面としてもよい。したがって、「タッチ表面コンポーネント」という用語は、以下の詳細な記載及び特許請求の範囲において用いられる場合、タッチパッド及びタッチスクリーンだけでなく、ハプティック効果を印加することができる任意のタッチ表面又はタッチエレメント及び連動するグラフィックエレメントを包含するように解釈すべきである。
【0013】
本明細書に記載される感圧式サスペンションシステムは、ハプティックデバイスの単一の一体コンポーネントとして、サスペンションシステムに感圧機能を組み入れている。したがって、感圧式サスペンションシステムのサスペンションエレメントは、2つの別々の機能を果たすか又は2つの別々の特性を有する単一のコンポーネントであり、これらの2つの別々の機能又は特性とは、すなわち、ハプティックアクチュエーターに応じてタッチスクリーンコンポーネントを動かし、ハプティック効果を与えるサスペンション機能又は特性と、また、タッチスクリーンコンポーネントに印加された圧力又はタッチを感知するセンサー機能又は特性とである。本明細書においてより詳細に記載されるように、感圧式サスペンションシステムのサスペンションエレメントは、ハプティックサスペンションの物理的特性を有するように設計されるが、同時に、センサーとして使用することが可能な追加の特性も有する。サスペンション機能と感圧機能とを単一のコンポーネントに統合することにより、ハプティックデバイスの総部品数が低減され、ハプティックデバイスのコンポーネントに関するスペース上の懸念又は問題が最小限に抑えられることが有利である。
【0014】
ここで、図面を参照すると、本明細書の一実施形態に係る感圧式サスペンションシステムは、図2図7に関してより詳細に記載されている。図2は、本明細書の一実施形態に係る感圧式サスペンションシステム220を備えるコンピューター210の斜視図である。コンピューター210は、ユーザーが携行又は別様に移送することができ、他の更なる固定電源に加えてバッテリ又は他のポータブルエネルギー源によって給電することができる、ポータブルコンピューター又はラップトップコンピューターであることが好ましい。コンピューター210は、ユーザーが周辺機器を介してインタラクトする1つ以上のホストアプリケーションプログラムを実行することが好ましい。コンピューター210は、ハウジング216と、ユーザーにグラフィック画像を出力するディスプレイ212と、ユーザーからコンピューターに文字入力又はトグル入力を与えるキーボード213と、ユーザーの指(複数の場合もある)の動作及び位置を、ディスプレイ212に出力されるオペレーティングシステムにおける相対位置に変換することができる入力表面である、タッチパッド214とを備える。ハウジング216は、概して、コンパートメント又は筐体とみなされるが、任意のタイプのハウジングコンポーネントとすることができる。ディスプレイ212は、ラップトップコンピューターに一般的なフラットパネルディスプレイであるか、又は、別個のモニターを含む多様なタイプのディスプレイデバイスのうちの任意のものとすることができる。一実施形態において、ディスプレイ212は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等の稼動しているアプリケーションプログラム及び/又はオペレーティングシステムに基づいて、グラフィック環境を表示することができる。グラフィック環境には、例えば、カーソル211、背景、ウィンドウ、データリスト、ボタン等のアイコン、及びGUI環境においてよく知られている他のグラフィックオブジェクトを含むことができる。ユーザーは、タッチパッド214の様々な領域にタッチすることによってディスプレイ212とインタラクトし、ディスプレイ212上に表示された仮想グラフィックオブジェクトを起動、移動、フリップ、前進、又は別様に操作し、それにより、デバイスに入力を与える。
【0015】
コンピューター210上で稼動するアプリケーションプログラム及び/又はオペレーティングシステムは、多種多様なものとすることができる。例えば、ホストアプリケーションプログラムは、ワードプロセッサ、スプレッドシート、ビデオゲーム若しくはコンピューターゲーム、描画プログラム、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザーインターフェース、シミュレーション、HTML命令若しくはVRML命令を実行するウェブページ若しくはウェブブラウザー、科学分析プログラム、仮想現実トレーニングプログラム若しくはアプリケーション、又は、本明細書においてより詳細に説明するように、タッチパッド214からの入力を利用し、ハプティックフィードバックコマンドをタッチパッド214に出力する他のアプリケーションプログラムとすることができる。例えば、多くのゲーム及び他のアプリケーションプログラムが、ハプティックフィードバック機能を有し、カリフォルニア州サンノゼ所在のImmersion Corporation社から入手可能なI−Force(商標)、FEELit(商標)、又はTouchsense(商標)等の標準的なプロトコル/ドライバーを用いてタッチパッド214と通信することができる。
【0016】
また、記憶デバイス(ハードディスクドライブ、DVD−ROMドライブ等)、ネットワークサーバー又はクライアント、ゲームコントローラー等のような他のデバイスを、コンピューター210に組み込むか又は結合してもよい。代替的な実施形態において、コンピューター210は、テーブルトップ又は他の表面に置かれるコンピューティングデバイス、直立型アーケードゲーム機、他のポータブルデバイス、又は人が身に着けるか、ユーザーが片方の手で持つ若しくは使用するデバイス、及び他のコンピューティングデバイスを含む多種多様な形態をとることができる。例えば、コンピューター210は、ビデオゲームコンソール、パーソナルコンピューター、ワークステーション、テレビの「セットトップボックス」若しくは「ネットワークコンピューター」、又は他のコンピューティングデバイス若しくは電子デバイスとすることができる。
【0017】
タッチパッド214は、図示のように、キーボード213の下の、コンピューター210のハウジング216の凹部215(図4を参照)内に配置することができるか、又はハウジングの他の領域に配置することができる、平坦で矩形の平滑な接触面を有する。タッチパッド214の多層構造は、本明細書では、図9に関してより詳細に記載される。ユーザーがコンピューター210を動作させる場合、ユーザーは、指先又は他の物体をタッチパッド214上に都合よく配置し、指先を動かすことに応じて、ディスプレイ212上のカーソル211を動かすことができる。ユーザーは、指を用いてタッチパッドに触れる他に、タッチパッドに直接接触させる他の物体を保持することもできる。タッチパッド214上に出力される何らかのハプティック感覚は、保持されている物体を通してユーザーの手に伝達することができる。例えば、ユーザーは、指よりも精密にタッチパッド214に接触する先端部を有するスタイラス(図示せず)を保持することができる。
【0018】
本明細書の別の実施形態において、タッチパッド214は、ケーブル又は無線伝送を介してコンピューター210のポートに接続され、コンピューター210から力情報を受信し、コンピューター210に位置情報を送信する、別個のハウジングに設けることができる。例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ファイヤーワイヤ、又は標準的なシリアルバスにより、そのようなタッチパッドをコンピューター210に接続することができる。そのような一実施形態において、コンピューター210は、任意のデスクトップコンピューター若しくはデバイス又は据え置き型コンピューター若しくはデバイスとすることができ、ポータブルデバイスである必要はない。
【0019】
図3は、ラップトップコンピューター210のブロック図であり、図4は、ラップトップコンピューター210の分解斜視図である。図3及び図4に示されているように、感圧式サスペンションシステム220は、複数のサスペンションコンポーネント224と、タッチパッド214と、ハプティックアクチュエーター222とを備える。各サスペンションコンポーネント224は、単一のコンポーネントとして、エラストマー228に感圧粒子226を組み合わせている。エラストマー228により、サスペンションコンポーネント224は、タッチパッド214をハウジング216に対して可動であるようにハウジング216に取り付ける又は結合するサスペンション機能又は特性を有する。エラストマー228に組み込まれた又は組み入れられた感圧粒子226により、サスペンションコンポーネント224は、タッチパッド214に印加された圧力又はタッチを感知するセンサー機能又は特性も有する。ユーザーがハプティックアクチュエーター222によって生成又は出力された力を感じることができるように、本明細書の実施形態に係る感圧式サスペンションシステムは、タッチパッド214がハプティックフィードバックに対する必要なコンプライアンスを有し、ハプティックアクチュエーター222によって出力される力によって動くことができるように設置される。したがって、本明細書の実施形態に係る感圧式サスペンションシステムは、ハウジング216に対するタッチパッド214の選択的な動きを可能にするように構成されている。
【0020】
図4の実施形態では、感圧式サスペンションシステム220は、タッチパッド214の4つの角部のそれぞれの下に配置されるか又は取り付けられる4つのサスペンションエレメント224を備える。サスペンションエレメント224は、分散しているが同一のサスペンションコンポーネントであり、タッチパッド214及びハウジング216をともに結合するが、より多い又はより少ないサスペンションコンポーネントを利用することができることが当業者には理解される。例えば、本明細書の別の実施形態(図示せず)において、ハプティックデバイスは、タッチパッド214とハウジング216との間に、限定するものではないが、ハプティックデバイスの1つ以上の縁部に沿って及び/又はタッチパッドの全体若しくは一部の下の離間した場所にわたって等、戦略的な場所に延在する複数の分散したサスペンションコンポーネントを備えることができる。本明細書の更に別の実施形態(図示せず)において、1つのみのサスペンションコンポーネントが、タッチパッドの全体又は一部の下に連続的に延在することができる。各サスペンションコンポーネント224は、タッチパッド214とハウジング216との間に延在する。サスペンションエレメント224は、ハプティックデバイスの他のいずれのコンポーネントにも接着又は固定する必要はないが、その代わり、タッチパッド214とハウジング216の一部との間に配置又は挟持される。本明細書の別の実施形態において、各サスペンションエレメント224の1つの表面を、ハプティックデバイスの隣接するコンポーネントに接着又は固定することができる。
【0021】
本明細書において、サスペンションコンポーネント224のサスペンション機能について最初に述べ、その後、サスペンションコンポーネント224のセンサー機能について述べる。図5は、図2のラップトップコンピューターの感圧式サスペンションシステムの分解斜視図である。サスペンションエレメント224は、タッチパッドがハウジングに対して可動であるように、タッチパッド214及びハウジング216をともに結合する。この実施形態では、ハプティックアクチュエーター222によってタッチパッド214上に生成又は出力される力は線形的であり、これはタッチパッド214の平坦表面と同一平面にあるか又は平行であるx軸及び/又はy軸に沿う。サスペンションエレメント224は、タッチパッド214とハウジング216との間の動きを少なくとも第1の方向(すなわちz方向)において制限するように構成されているとともに、タッチパッド214及びハウジング216の動きを少なくとも第2の方向(すなわち、x方向又はy方向)において可能にするようにも構成されている、エラストマー228を備える。エラストマー228は、材料、厚さ、及び他の特性を選択することにより、この様式で動作するように構成されている。本明細書の一実施形態において、エラストマー228は、およそ5ミリメートル×5ミリメートルの寸法であり、0.5ミリメートルの厚さを有する。エラストマー228の例示的な材料として、限定するものではないが、シリコーン、天然ゴム、及び熱可塑性エラストマー(TPE)が挙げられる。エラストマー228は、感圧粒子226をエラストマー228中に分散させるのを補助する乳化剤を含むことができる。
【0022】
図6は、感圧式サスペンションシステム220の側面図であり、ハウジング216は、例示のために仮想線で示されている。エラストマー228の材料及び寸法により、サスペンションコンポーネント224は、x軸及びy軸に沿って、すなわち、タッチパッド214の平面と同一平面又は平行に、タッチパッド214の横方向又は左右の動きを可能にする。さらに、エラストマー228は、タッチパッド214の、z軸に沿った、すなわち、タッチパッド214の平面に対して垂直又は直角方向の上下動を制限するのに十分に剛性である。したがって、ユーザーがタッチパッド214を操作中に押下する場合、サスペンションコンポーネント224は、タッチパッド214のz軸方向の動きを可能にせず、したがって、ユーザーは、タッチパッド214がコンピューター210のハウジング216に堅固に取り付けられているかのように感じる。しかし、ハプティックアクチュエーター222が、本明細書においてより詳細に記載するように、x軸及び/又はy軸に沿って力を出力する場合、サスペンションコンポーネント224は、エラストマー228の厚さに対して剪断方向の平面に動作を誘起することによって、x軸及び/又はy軸に沿った順応性を有しており、それにより、ユーザーにハプティック効果を与えるために、タッチパッド214の横方向の動きが可能になる。したがって、サスペンションコンポーネント224は、ユーザー操作中のタッチパッド214の安定性を同時にもたらしながら、ハプティックアクチュエーター222によって生成される振動、ジョルト(急激な振動)、及び同様の触知性フィードバックをユーザーが感じることを可能にする。サスペンションコンポーネント224は、x軸及び/又はy軸に沿った選択的な動きを可能にするように構成されているが、アクチュエーターのタイプ、サスペンションコンポーネントに動きが誘起される態様、及びタッチパッドの質量を含む種々の要因に応じて、サスペンションコンポーネントは、代替的に、他の作動方向、例えばz軸に沿って選択的な動きを可能にするように構成されてもよい。
【0023】
ここで、サスペンションコンポーネント224の感圧機能を、図7及び図7Aを参照して記載する。図7は、サスペンションコンポーネント224の拡大上面図であり、感圧粒子226がエラストマー228中に均質な混合物として懸濁されている様子を示している。図7Aは、図7の線A−Aに沿った断面図である。感圧能力を有するサスペンションコンポーネント224を形成するために、サスペンションコンポーネント224は、サスペンションコンポーネント224の製造の際に、感圧粒子226をエラストマー228中に懸濁又は分散させることによって形成される。例えば、本明細書の一実施形態において、感圧粒子226は、硬化前のシリコーン等の液体エラストマーと混合される導電性インク材料である。硬化プロセスが進むにつれ、導電性インク材料は、エラストマー中に均質に懸濁、分散、又は別様に組み入れられる。圧力に反応する導電性インク材料に加えて、感圧粒子226は、銅、銀、カーボンブロック、グラフェン、若しくはカーボンナノチューブを含む導電性材料の粒子とすることができるか、又は圧電材料の粒子とすることができる。本明細書の実施形態に使用するのに好適な導電性インク材料及び導電性材料の粒子は、英国ノースヨークシャー、リッチモンド所在のPeratech Limited社から市販されている。以下の詳細な記載及び特許請求の範囲において用いられる場合、エラストマー「に組み入れられる」感圧粒子とは、接着剤又は他の結合メカニズムを用いずに、単一のコンポーネントとして製造中に一体的に形成されるエラストマー中に、懸濁又は分散される感圧粒子を包含するものと解釈すべきである。さらに、以下の詳細な記載及び特許請求の範囲において用いられる場合、エラストマー「に組み入れられる」感圧粒子とは、図10及び図11の実施形態に関して本明細書で記載されるような、エラストマーの表面上に印刷される感圧粒子を包含するように解釈すべきである。
【0024】
感圧粒子226は、タッチパッド214に印加された圧力を感知するように構成されている。より詳細には、圧力がタッチパッド214に印加され、したがって、サスペンションエレメント224に印加されると、感圧要素226が組み入れられたエラストマー228は、抵抗が低減され、この抵抗は、測定又は検出されてコンピューター210のプロセッサ218に伝達又は送信される。より詳細には、コンピューター210は、メモリ219を有するプロセッサ218を備える(図3のブロック図を参照)。プロセッサ218は、サスペンションコンポーネント224の感圧粒子226からの圧力信号を受信及び処理するように構成されている。プロセッサ218の処理回路構成は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理回路、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサ、及び他の回路を用いて実施することができる。アプリケーションコード、オペレーティングシステム命令、及びファームウェア等のソフトウェアを、タッチパッド214を動作させる機能の実装に用いることができる。一実施形態において、プロセッサ218によって実行される制御機能は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せを用いて実装することができる。
【0025】
ユーザーがタッチパッド214を押下すると、サスペンションエレメント224は圧迫され、この歪みにより、タッチパッド214に印加されている力又は圧力の量を示すものとして役目を果たす、測定可能な抵抗の変化がもたらされる。換言すれば、サスペンションエレメント224は、圧迫されているときと圧迫されていないときとで異なる抵抗を有する。サスペンションエレメント224が圧迫されていないとき、感圧粒子226は、第1の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫されていない電気経路又は導電経路を形成するように互いに接触する。入力電圧が供給され、ホイートストンブリッジ回路を介して、第1の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫されていない電気経路又は導電経路による感圧粒子226の抵抗が測定される。一実施形態において、より正確な抵抗測定値を得るために、出力を測定の前に増幅することができる。サスペンションエレメント224が圧迫されると(すなわち、ユーザーがサスペンションエレメント224に圧力を印加すると)、電気経路又は導電経路に関与する感圧粒子226の数が増大し、感圧粒子226は、第1の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫されていない電気経路又は導電経路よりも導電性の大きい、第2の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫された電気経路又は導電経路を形成する。換言すれば、圧力の印加により、互いに接触し、したがって互いに電気的に接続する導電性材料から形成される感圧粒子226の数が増大する。入力電圧が供給され、ホイートストンブリッジ回路を介して、第2の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫された電気経路又は導電経路による感圧粒子226の抵抗が測定される。一実施形態において、より正確な抵抗測定値を得るために、出力を測定の前に増幅することができる。第1の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫されていない電気経路又は導電経路による感圧粒子226の抵抗と、第2の電気経路又は導電経路、すなわち圧迫された電気経路又は導電経路による感圧粒子226の抵抗との間の測定可能な変化は、タッチパッド214に印加されている力又は圧力の量を示すものとして役目を果たし、したがって、サスペンションエレメント224からの信号が、ここでは圧力信号とみなされる。
【0026】
感圧粒子226を上述のように動作させるために、サスペンションエレメント224内の感圧粒子226の濃度は、パーコレーション閾値に近いがそれを超えない濃度である。パーコレーション閾値とは、無限大の連結性又はパーコレーションが最初に発生するときの濃度の臨界値である。パーコレーション閾値の値は、粒子のアスペクト比、マトリックス粘度、分散度、及び感圧粒子226の幾何形状を含む種々の要因に応じて変わる。例えば、低アスペクト比の粒子は、高アスペクト比の粒子のパーコレーション閾値と比べてはるかに高いパーコレーション閾値を有する。感圧粒子226の濃度がパーコレーション閾値にどれだけ近いかに応じて、出力信号のトレンドは変化し得る。例えば、感圧粒子226の濃度がパーコレーション閾値に非常に近い場合、出力信号はすぐに飽和し、その結果、高感度のタッチパッド214となる。さらに、少なくとも1つの平坦な表面を有する粒子は、球状粒子よりも、互いに接続又は接触して電気経路を形成しやすい。本明細書の一実施形態において、感圧粒子226は、概ね平坦な粒子を含むが、そのような幾何形状は必須ではない。本明細書において用いられる場合、概ね平坦な粒子は、少なくとも1つの平坦な表面又は側面を有する粒子を含む。本明細書の一実施形態において、感圧粒子226の全ての側面又は表面が平坦である。
【0027】
各サスペンションエレメント224は、対応する圧力信号をプロセッサ218に伝達又は送信するために、プロセッサ218に更に電気的に接続される。本明細書の一実施形態において、プロセッサ218は、感圧粒子226から到来する信号を較正して、標準化された圧力信号にする較正モジュール217を備えることができる。例えば、較正モジュール217は、感圧粒子226によって出力された抵抗の変化を、対応する標準化された圧力信号に変換するのに用いることができる。次いで、プロセッサ218は、圧力信号を、タッチパッド214上での印加された圧力(したがって、ユーザーの指又はスタイラス)の位置又は場所に変換する。サスペンションエレメント224からプロセッサ218に圧力信号を伝達又は送信するために、導電層又は導電トラック(図示せず)が、サスペンションエレメント224の少なくとも1つの表面上に配置される。一実施形態において、導電層又は導電トラックは、サスペンションエレメント224の互いに反対側の2つの表面に配置される。プロセッサ218は、タッチパッド214上で印加された圧力の場所/位置及び印加された圧力の相対的な強度を出力することができる。複数のサスペンションエレメント224が存在する(すなわち、センサー素子がタッチパッド214の各角部の下に配置されている)ことにより、各サスペンションエレメント224は、印加された圧力の近接度に応じて独立の圧力信号を生成することができる。サスペンションエレメント224からの圧力信号は、印加された圧力ごとに、プロセッサ218に一斉送信され、プロセッサ218によって処理される。受信された圧力信号は、合成(例えば、デジタル加算及び/又は平均化)され、この合成信号を閾値と比較して、ユーザーの指又はスタイラスの位置又は場所を求めることができる。1回のタッチ又は圧力の印加に加えて、サスペンションエレメント224から受信された圧力信号は、表面との2つ以上の接触点、すなわち、「マルチタッチ」により印加された圧力の存在を認識又は判断するように処理することができる。
【0028】
図10及び図11は、本明細書の実施形態に使用される、別の実施形態のサスペンションエレメント1024を示している。図10及び図11は、それぞれ、サスペンションエレメント1024の側面図及び上面図である。サスペンションエレメント1024は、エラストマー中に懸濁又は分散されるのではなく、印刷プロセスによってエラストマー1028に組み入れられる感圧導電性インク1026を含む。この実施形態では、エラストマー1028が硬化され、その後、感圧導電性インク1026が、パターン1029でエラストマー1028の1つ以上の表面上に印刷される。感圧導電性インク1026がエラストマー1028上に印刷されると、感圧導電性インク1026及びエラストマー1028は、接着剤又は他の結合メカニズムを使用することなく、ともに一体的に融合する。したがって、感圧導電性インク1026及びエラストマー1028は、製造中に一体的に形成される単一のコンポーネントとなる。さらに、感圧導電性インク1026がエラストマー1028上に印刷されることにより、タッチパッド用途に関連するサイズ制約内に収まる最小の厚さをエラストマー1028に加える。パターン1029は、そこから出力される圧力信号の一貫性又は整合性を向上するように意図的な空隙又は隙間を有する。パターン1029の意図的な空隙又は隙間は、感圧導電性インク1026を含まず、接着することを可能にし得る。パターン1029は、そこから出力される圧力信号の材料使用、整合性、及び線形性に影響するように構成することができる。
【0029】
サスペンションコンポーネント224の感圧粒子226からの信号は、ハプティックフィードバックを生成するためにコンピューター210のプロセッサ218に送信される。触知性フィードバック、タッチフィードバック、及び振動触知性フィードバックとしても知られるそのようなハプティックフィードバック又はハプティック効果は、より直感的、魅力的、及び自然な体験をコンピューター210のユーザーに与え、それにより、ユーザーとタッチパッドとの間のインタラクションは、ハプティック効果によって与えられる触知性フィードバックを通して大いに高められる。より詳細には、プロセッサ218は、サスペンションコンポーネント224の感圧粒子226からの圧力信号を受信及び処理するように構成されていることに加えて、ハプティック制御信号を圧力信号に応答してハプティックアクチュエーター222に出力するようにも構成されている。ハプティックアクチュエーター222は、プロセッサ218から信号を受信する、したがって、プロセッサ218からハプティック制御信号を受信するように構成されている回路構成を備える。ハプティックアクチュエーター222は、プロセッサ218からのハプティック制御信号を、ハプティックアクチュエーター222とともに用いるための適切な信号に変換するのに必要な任意の回路構成を備えることもできる。ハプティックアクチュエーター222は、タッチパッド214をハウジング216に対して動かすことによって、ハプティック制御信号に応じた触知性感覚を出力し、タッチパッド214のユーザーにハプティックフィードバックを与える。ハプティックアクチュエーター222は、ハプティック効果を与えるようにタッチパッド214の下側表面に結合され、タッチパッド214がハプティックアクチュエーター222に直接結合されていることから、ハプティックアクチュエーターによって生成されるあらゆる力がタッチパッド214に直接印加される。
【0030】
ハプティックアクチュエーター222は、所望に応じて、限定ではないが、好適な電子装置によって駆動されるピエゾアクチュエーター、ボイスコイルアクチュエーター、偏心質量アクチュエーター、E型コアアクチュエーター、ソレノイド、可動磁石アクチュエーター、又は他のタイプのアクチュエーターを含む複数の既知のアクチュエータータイプのうちの任意のものとすることができる。本明細書の一実施形態において、ハプティックアクチュエーター222は、マクロファイバーコンポジット(MFC)アクチュエーターである。ハプティックアクチュエーター222の配置は、示されているものに対し変更することができ、図面に示されている場所に限定されないことが当業者には理解される。図4の実施形態では、単一のハプティックアクチュエーター222が、タッチパッド214の中心若しくは中心付近に配置されるか、又は、ハウジングのスペース制約により要求される場合、片側に寄せた位置に配置される。他の実施形態において、複数のハプティックアクチュエーターを、タッチパッドの異なる領域に配置することができる。
【0031】
ハプティックアクチュエーター222は、小さいパルス、振動、又は触感を、タッチパッド214上に、及びユーザーがタッチパッドに触れている場合はユーザーに対して出力することができる。本明細書の一実施形態において、ハプティックアクチュエーター222を介してタッチパッド214に印加される力は、タッチパッド214の平坦表面の平面においてタッチパッド214の左右(例えばx−y)又は横方向の動作をもたらす。タッチパッド214に触れているユーザーに対し、多様なハプティック感覚を出力することができる。例えば、ジョルト、振動(可変振幅又は一定振幅)、及び触感を出力することができる。タッチパッド214上に出力される力は、タッチパッド214上における指の場所、若しくはコンピューター210のグラフィック環境における制御されているオブジェクトの状態に少なくとも部分的に基づくことができ、及び/又は、指の位置若しくはオブジェクトの状態とは無関係とすることができる。タッチパッド214上に出力されるそのような力は、プロセッサ218又は他の電子コントローラーが、電子信号を用いてアクチュエーター(複数の場合もある)の力出力の大きさ及び/又は方向を制御することから、「コンピューター制御」とみなされる。一実施形態において、タッチパッド214全体に、単一のユニタリー要素としてハプティック感覚がもたらされる。別の実施形態では、タッチパッド214の個別に動く部分に、それぞれ固有のハプティックフィードバックアクチュエーター及び関連する伝達系を設け、ハプティック感覚を特定の部分のみにもたらすことができるようにすることができる。例えば、いくつかの実施形態は、タッチパッド214の他の部分に対して撓む又は別様に動くことができる異なる部分を有するタッチパッドを備えることができる。
【0032】
ハプティックアクチュエーター222によって出力される振動の周波数は、異なるハプティック制御信号をハプティックアクチュエーター222に与えることによって変化させることができる。さらに、パルス又は振動の大きさは、印加されるハプティック制御信号に基づいて制御することができる。複数のハプティックアクチュエーター222が設けられる場合、2つ以上のアクチュエーターを同時に起動させることによって、より強力な振動をタッチパッド上に与えることができる。さらに、アクチュエーターがタッチパッドの末端部に配置され、それが起動される唯一のアクチュエーターである場合、ユーザーは、タッチパッドのアクチュエーターを備える側において、タッチパッドの他方の側よりも強力な振動を体験することができる。アクチュエーターのうちの全てではなくいくつかを起動させることによって、異なる大きさ及び局在化された効果を得ることができる。タッチパッド214に触れているユーザーの指の先端はかなり敏感であるため、出力される力は、ハプティック感覚を効果的及び強制的なものにするのに大きさの度合いが大きいものである必要はない。
【0033】
いくつかの実施形態において、別個のローカルプロセッサ(図示せず)をタッチパッド214に設け、圧力センサーのデータをプロセッサ218に報告する及び/又はプロセッサ218から受信されたハプティック制御信号を実行することをいずれも行うことができる。このようなコマンドには、例えば、ハプティック感覚のタイプ及び指令されるハプティック感覚を表すパラメーターが含まれる。代替的には、ローカルプロセッサは、プロセッサ218からストリーミングされるデータをハプティックアクチュエーター222に単に受け渡すことができる。ローカルプロセッサは、プロセッサ218からハプティック制御信号を受信した後に、ハプティックアクチュエーター222を制御することによって、独立してハプティック感覚を実現することができるか、又は、プロセッサ218は、ハプティックアクチュエーター222をより直接的に制御することによって、ハプティック感覚に対する制御の度合いをより大きく維持することができる。センサー信号の読取り及びデバイスにハプティックフィードバックを与えるのに用いることができるアーキテクチャ及び制御方法は、本開示と同一譲受人に譲渡され、その開示内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす、Rosenberg他に対する米国特許第5,734,373号においてより詳細に記載されている。
【0034】
当該技術分野において既知のように、タッチパッド214は、多層スタック構造から形成される。図8を参照すると、タッチパッド214の分解図が示されている。タッチパッド214は、平滑な接触層又はカバー層230と、不透明層232と、感圧接着剤層234と、剛性層236とを備える。カバー層230は、ガラス、プラスチック、セラミック、又は他の好適な材料から形成することができ、不透明層232は、内部構造を視界から遮るように単に美観目的でカバー層230の表面に塗布される不透明インクから形成される。剛性層236は、金属(例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン等)、ガラス、セラミック、炭素繊維複合材、プラスチック、又は他の好適な材料から形成することができる。剛性層236は、タッチ又は接触行為が、ユーザーが押すカバー層230の場所に関わらず、タッチパッド214によって検出されることを確実にする。この実施形態では、感圧粒子226を含むサスペンションコンポーネント224のみが、タッチパッド214上へのタッチ又は接触行為を検出又は感知する。
【0035】
図9に示されている本明細書の別の実施形態において、タッチパッド914は、感圧粒子226を含むサスペンションコンポーネント224に加えて、タッチパッド914上へのタッチ又は接触行為を検出する位置センサー又は位置センサーアレイ938も備える。図9を参照すると、タッチパッド914の分解図が示されている。タッチパッド914は、平滑な接触層又はカバー層930と、不透明層932と、感圧接着剤層934と、位置センサーアレイ938と、剛性層936とを備える。カバー層930、不透明層932、及び剛性層936は、図8に関して上述したカバー層230、不透明層232、及び剛性層236と同様である。位置センサーアレイ938は、タッチパッドのX方向及びY方向の横寸法に関してユーザーの指又はスタイラスの位置を測定するように構成されている位置センサーのアレイを備える。タッチパッドに位置感知能力を与えるのに用いることができる位置センサーの例として、静電容量センサー、抵抗性センサー、弾性表面波センサー、光学センサー(例えば、外部の物体により生成される周囲光の陰影を測定することによって位置を検出する、陰影に基づくセンサーのための光センサーのアレイ)、又は他の好適な位置センサーが挙げられる。静電容量位置センサーは、タッチパッドの表面上又は表面付近の物体の場所を、タッチパッド内のコンデンサーと物体との間の容量性結合に基づいて感知する。静電容量位置センサーは、例えば、プリント回路基板、又は電極のアレイが上に形成される他の基板とすることができる。抵抗性位置センサーは、感圧式であり、指、スタイラス、又は他の物体のタッチパッド214に対する圧力を、印加された圧力がタッチパッド214内の導電層、トレース、スイッチ等に電気的な接続をもたらす場合に検出する。サスペンションコンポーネント224の感圧粒子226からの信号を処理し、タッチ又は接触イベントの位置又は場所を求めることに加えて、位置/場所の判断の精密さを高め、それにより、タッチ又は接触イベントの位置/場所を正確に特定するために、位置センサーアレイ938からの信号を処理して、タッチパッド214上のタッチ又は接触イベントの位置又は場所を求めることもできる。
【0036】
上述したように、上記実施形態はタッチパッド用途について記載しているが、感圧式サスペンションシステムは、固定部材及び浮動部材を含む任意のハプティックタッチ表面、例えば、コンピューターのタッチスクリーン、モバイルデバイスのタッチスクリーン、隔離された周辺セクションにハプティックフィードバックが与えられる隔置されたアプリケーションを含むゲーミングコントローラー又は周辺機器のタッチコンポーネント、自動車のタッチスクリーン、並びに、限定はしないが自動車及び家庭用電子機器又は設備等のハプティクスを伴うボタンパネルにおいて利用することもできる。例えば、図12は、ハプティックフィードバックを伴うタッチスクリーンを備えるモバイルデバイスの種々のコンポーネントを示す分解斜視図であり、このモバイルハプティックデバイスは、本明細書の一実施形態に係る感圧式サスペンションシステムを備える。図12は、タッチスクリーン1252にハプティックフィードバックを与えるモバイルハプティックデバイス1250を示しており、タッチスクリーン1252は、本明細書に記載のサスペンションエレメント224と同様であり、エラストマー中に懸濁又は分散された感圧粒子を含む複数のサスペンションエレメント1224を利用する。モバイルハプティックデバイス1250は、タッチスクリーン1252に加えて、キャリア1254と、モーター又はハプティックアクチュエーター1222と、ダストシール1256と、LCDコンポーネント1258と、主ハウジング1260とを備える。モバイルハプティックデバイス1250は、前出の実施形態に記載のタッチパッド214と同様に、ユーザーにハプティックフィードバックを与える。タッチスクリーン1252の下側に結合されるハプティックアクチュエーター1222は、パルス、振動、及び触感等のハプティックフィードバックを与える。ユーザーは、タッチスクリーン1252に触れている指又はスタイラス等の保持している物体を通してハプティックフィードバックを体験することができる。サスペンションエレメント1224は、タッチスクリーンが主ハウジングに対して可動であるように、タッチスクリーン1252及び主ハウジング1260をともに結合し、ハプティックフィードバック中のサスペンション機能をもたらすとともに、感圧機能ももたらす。モバイルハプティックデバイス1250は、例えば、タブレットコンピューター、セルラー電話、PDA、ポータブルゲーミングデバイス、メディアプレーヤー、プリンター、オフィス電話等のような、タッチスクリーン又はタッチパネルを備える複数のデバイスのうちの任意のものとすることができる。一実施形態において、モバイルハプティックデバイス1250は、例えば、7インチタッチスクリーンディスプレイを備える医療用デバイスとすることができる。
【0037】
種々の実施形態を上述してきたが、これらの実施形態は、限定としてではなく本発明の単なる説明及び例として提示されていることを理解すべきである。形式及び細部における種々の変更は本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明内で行うことができることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきである。本明細書において論考された各実施形態、及び本明細書において引用された各引用文献の各特徴は、他の任意の実施形態の特徴と組み合わせて用いることができることも理解されるであろう。本願は、2016年12月22日に出願された米国特許出願第15/389,351号の利益を主張し、この出願の開示は引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。さらに、本明細書において論考された全ての特許及び刊行物は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図7A
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】