特開2018-153240(P2018-153240A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-153240高さ補正装置及び高さ補正装置を用いた血圧測定システム及び高さ補正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-153240(P2018-153240A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】高さ補正装置及び高さ補正装置を用いた血圧測定システム及び高さ補正方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20180907BHJP
【FI】
   A61B5/02 634M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-50218(P2017-50218)
(22)【出願日】2017年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【住所又は居所】京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】北村 優美
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地 オムロンヘルスケア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝英
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地 オムロンヘルスケア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山下 新吾
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地 オムロンヘルスケア株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AA20
4C017AB02
4C017AB04
4C017AC03
4C017AC40
4C017BC11
4C017CC08
4C017EE15
4C017FF08
4C017FF18
(57)【要約】
【課題】就寝中の被測定者は、血圧測定装置を心臓部の高さに調整できず、睡眠中の寝返りや手首の移動による血圧への影響は、記録された血圧測定値から見いだせない。
【解決手段】高さ補正装置は、就寝期間含む測定期間で被測定者における身体の回転や測定装置が装着された部位に体動が発生した際に、基準となる心臓部の高さ情報や血圧測定装置が装着された手首の高さ情報を通信技術を用いて測定し、取得された血圧測定値に高さ情報を用いて高さ補正を施し、心臓部の高さ位置で測定される測定血圧値に近似させて精度の高い測定値を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の予め定めた基準位置を示す第1位置情報信号を発信する基準位置発信部と、
前記被検体に装着された外部の測定器の装着位置を示す第2位置情報信号を発信する装着位置発信部と
前記基準位置に生じる変動を検出する第1センサと、
前記測定器の位置に生じる変動を検出する第2センサと、
前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を受信する第1受信部と、
前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を受信し、前記第1受信部より重力方向で予め設定された距離を離れて配置される第2受信部と、
前記第1位置情報信号から前記基準位置の高さを求め、及び前記第2位置情報信号から前記測定器の位置を求めて、前記基準位置と前記測定器の位置との高低差を算出する高さ情報生成部と、
前記高低差に応じて、前記測定器の位置で測定された測定値を前記基準位置で測定される測定値に近似させる高さ補正値を算出する高さ補正値算出部と、
前記第1センサと前記第2センサにより高さ変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記測定器により測定された測定値を前記高さ補正値で補正する処理部と、
を備える高さ補正装置。
【請求項2】
被測定者の心臓部の位置を示す第1位置情報信号を発信する基準位置発信部と、
外部の血圧測定装置の装着位置を示す第2位置情報信号を発信する装着位置発信部と、
前記心臓部の位置の高さに生じる変動を検出する第1センサと、
前記血圧測定装置の位置の高さに生じる変動を検出する第2センサと、
前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を受信する第1受信部と、
前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を受信し、前記第1受信部より重力方向で予め設定された距離を離れて配置される第2受信部と、
前記第1位置情報信号から前記心臓部の位置の高さを求め、及び前記第2位置情報信号から前記血圧測定装置の装着位置の高さを求めて、前記心臓部の位置と装着位置との高低差を算出する高さ情報生成部と、
前記高低差により重力の作用で発生する血圧の測定誤差を補正する高さ補正値を算出する高さ補正値算出部と、
前記高さ補正値算出部が算出した高さ補正値を記憶するメモリ部と、
前記第1センサと前記第2センサにより高さ変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記血圧測定装置により測定された血圧測定値を前記高さ補正値で補正する処理部と、
を備える高さ補正装置。
【請求項3】
前記高さ補正装置において、
前記第1受信部を第1頂点とし、前記装着位置発信部又は前記装着位置発信部を第2頂点とし、第2受信部を第3頂点とするそれぞれの三角形を形成し、
前記高さ情報生成部は、前記三角形を利用し、前記第1受信部及び前記第2受信部から基準位置発信部までのそれぞれの距離情報を算出し、該距離情報に基づく座標情報により前記心臓部と前記血圧測定装置との高さ差を生成する請求項2に記載の高さ補正装置。
【請求項4】
前記高低差を算出して高さ補正値を更新した後に前記血圧測定装置により血圧測定を実施する際に、前記血圧測定を予め設定された体動検出待機時間の経過後のタイミングで実施させる測定タイミング設定部を具備する請求項2に記載の高さ補正装置。
【請求項5】
前記測定タイミング設定部は、
前記血圧測定装置による予め設定された測定期間内で一定間隔を空けて定期的に測定する血圧測定へ時系列的に加えて、前記高さ補正値が更新された直後に、前記血圧測定装置で不定期的に測定する血圧測定を設定する請求項4に記載の高さ補正装置。
【請求項6】
前記第1センサ及び前記基準位置発信部は、少なくとも2組が用いられ、
前記被測定者に巻回装着するベルトと、
前記ベルト上で移動可能に設けられ、前記第1センサ及び前記基準位置発信部を装着する取り付け器具と、を具備する請求項2に記載の高さ補正装置。
【請求項7】
前記第1センサ及び前記基準位置発信部に接続し、前記第1センサにより検出された体動発生信号及び、前記基準位置発信部へ基準位置信号の発信を指示する指示信号を、無線信号に変換して無線通信する第1通信部と、
前記血圧測定装置、前記第2センサ及び前記基準位置発信部に接続し、前記血圧測定装置への測定タイミング信号と、前記第2センサにより検出された体動発生信号と、前記装着位置発信部へ装着位置信号の発信を指示する指示信号を、無線信号に変換して無線通信する第2通信部と、
前記第1通信部及び前記第2通信部との間で無線通信を行い、前記体動発生信号、基準位置信号及び装着位置信号を前記測定タイミング設定部の間で通信を行う主通信部と、
を備える請求項4に記載の高さ補正装置。
【請求項8】
前記被測定者の手首に装着される手首式血圧側手装置又は上腕に装着される上腕式血圧測定装置と、
請求項2乃至7のいずれか1に記載の高さ補正装置と、
を備える血圧測定システム。
【請求項9】
基準位置の高さを第1位置情報信号として発信し、
外部の測定器の装着位置の高さを第2位置情報信号として発信し、
前記基準位置に生じる変動を検出し、
前記測定器の位置に生じる変動を検出し、
前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を第1受信信号として受信し、
前記第1受信信号の受信位置より重力方向で予め設定された距離を離れて位置で、前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を第2受信部信号として受信し、
前記第1位置情報信号から前記基準位置の高さを求め、及び前記第2位置情報信号から前記測定器の位置を求めて、前記基準位置と前記測定器の位置との高低差を算出し、
前記高低差に応じて、前記測定器の位置で測定された測定値を前記基準位置で測定される測定値に近似させる高さ補正値を算出し、
前記基準位置の高さ及び前記測定器の位置の高さの変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記測定器により測定された測定結果に対して、前記高さ補正値で補正し、前記基準位置の高さで測定された測定結果に近似させる、高さ補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置から取得された測定値に作用する重力の影響を減じる高さ補正を行う高さ補正装置及び高さ補正装置を用いた血圧測定システム及び高さ補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、診断に利用するための身体情報は、種々の測定装置を用いて取得されている。例えば、血圧においては、被測定者の上腕に血圧測定装置を巻回するように装着して血圧を測定しているが、近年、手首(前腕)に装着する小型化された手首式血圧測定装置も利用されている。測定装置は、小型化されたとしても取得される情報は、より高精度であることが要求されている。
【0003】
この血圧測定は、特許文献1で開示されているように、血圧が重力に影響を受けるため、心臓部に近い高さで測定することで、測定誤差が少なくなることが確認されている。このため、手首式血圧測定装置においても、測定時には心臓部と同じ高さに合わせることが好ましい。しかし、測定期間が短時間であればよいが、長時間に渡り連続的に測定する又は一定間隔を空けて測定する場合に、手首を心臓部の位置に留めておくことは容易なことではない。そこで、市販されている測定位置の高低差を補正する機器として、封止されたチューブ内の液体による水頭圧を利用した高さ補正センサを併設して装着することで測定値に対して高さ補正を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−54648号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「位置推定技術」大槻知明(信学技報 社団法人電子情報通信学会)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した手首式血圧測定装置においては、長時間に渡り測定する形態の血圧測定では、測定するタイミングの時に被測定者が手首を動かしていた場合、その測定された血圧値の精度に影響を与える。この精度に対する影響の有無については、診断する者又は測定者が、その場で見ていない限り、実際に被測定者に生じた血圧値の変化か、手首の移動に起因する体動が加わった血圧値の変化か否かは判断が難しい。特に、睡眠中の被測定者が寝返りを打つ等の無意識下で身体の回転や手首の移動が測定された血圧値に影響を与えていたとしても、診断する者は取得された血圧測定値からその影響の有無を見いだすことは困難である。
【0007】
しかしながら、手首式血圧測定装置は、バッテリーを内蔵するタイプであるため、長時間に渡り連続的に測定しようとすると、消費電力量を確保するためにバッテリーの大容量化を図る必要があり、装置重量の増大や筐体の大型化を招き、軽量化及び小型化を目指す点から見れば好ましいものではない。
【0008】
さらに、血圧測定期間が睡眠時に及んだ場合には、前述した高さ補正センサを利用してもよいが、チューブが心臓部付近と手首を繋ぐように装着固定されるため、被測定者においては、無意識下の身体動作に制限が掛かる負荷が生じて不快感を与える虞があり、延いては不眠等のストレスをも与えかねない。
【0009】
そこで本発明は、血圧測定を行う被測定者に体動が発生した際に、設定された測定基準部位に対する高さ情報を取得して測定された血圧値に高さ補正を施し、測定基準部位の高さで測定される測定値に近似させて精度の高い測定値を取得する高さ補正装置及び高さ補正装置を用いた血圧測定システム及び高さ補正方法にを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に従う第1の態様及び第8の態様に係る高さ補正装置は、被検体の予め定めた基準位置を示す第1位置情報信号を発信する基準位置発信部と、前記被検体に装着された外部の測定器の装着位置を示す第2位置情報信号を発信する装着位置発信部と、前記基準位置に生じる変動を検出する第1センサと、前記測定器の位置に生じる変動を検出する第2センサと、前記第1情報信号と第2位置情報信号を受信する第1受信部と、前記第1情報信号と第2位置情報信号を受信し、前記第1受信部より重力方向で予め設定された距離を離れて配置される第2受信部と、前記第1位置情報信号から前記基準位置の高さを求め、及び第2位置情報信号から前記測定器の位置を求めて、前記基準位置と前記測定器の位置との高低差を算出する高さ情報生成部と、前記高低差に応じて、前記測定器の位置で測定された測定値を前記基準位置で測定される測定値に近似させる高さ補正値を算出する高さ補正値算出部と、前記第1センサと前記第2センサにより高さ変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記測定器により測定された測定値を前記高さ補正値で補正する処理部と、を備える。
【0011】
第2の態様に係る高さ補正装置は、心臓部の位置を示す第1位置情報信号を発信する基準位置発信部と、外部の血圧測定装置の装着位置を示す第2位置情報信号を発信する装着位置発信部と、前記心臓部の位置の高さに生じる変動を検出する第1センサと、前記血圧測定装置の位置の高さに生じる変動を検出する第2センサと、前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を受信する第1受信部と、前記第1位置情報信号と前記第2位置情報信号を受信し、前記第1受信部より重力方向で予め設定された距離を離れて配置される第2受信部と、前記第1位置情報信号から前記心臓部の位置の高さを求め、及び第2位置情報信号から前記血圧測定装置の装着位置の高さを求めて、前記心臓部の位置と装着位置との高低差を算出する高さ情報生成部と、前記高低差により重力の作用で発生する血圧の測定誤差を補正する高さ補正値を算出する高さ補正値算出部と、前記高さ補正値算出部が算出した高さ補正値を記憶するメモリ部と、前記第1センサと前記第2センサにより高さ変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記血圧測定装置により測定された血圧測定値を前記高さ補正値で補正する処理部と、を備える。
【0012】
第3の態様に係る高さ補正装置は、前記高さ補正装置において、前記第1受信部を第1頂点とし、前記装着位置発信部又は前記装着位置発信部を第2頂点とし、第2受信部を第3頂点とするそれぞれの三角形を形成し、前記高さ情報生成部は、前記三角形を利用し、前記第1受信部及び前記第2受信部から基準位置発信部までのそれぞれの距離情報を算出し、該距離情報に基づく座標情報により前記心臓部と前記血圧測定装置との高さ差を生成する。
第4の態様に係る高さ補正装置は、前記高低差を算出して高さ補正値を更新した後に前記血圧測定装置により血圧測定を実施する際に、前記血圧測定を予め設定された体動検出待機時間の経過後のタイミングで実施させる測定タイミング設定部を具備する。
【0013】
第5の態様に係る高さ補正装置は、前記測定タイミング設定部は、前記血圧測定装置による予め設定された測定期間内で一定間隔を空けて定期的に測定する血圧測定に加えて、前記高さ補正値が更新された直後に、前記血圧測定装置で不定期的に測定する血圧測定を設定する。
【0014】
第6の態様に係る高さ補正装置は、前記第1センサ及び前記基準位置発信部は、少なくとも2組が用いられ、前記被測定者の胸部に巻回装着するベルトと、前記ベルト上で移動可能に設けられ、前記第1センサ及び前記基準位置発信部を装着する取り付け器具と、を具備する。
【0015】
第7の態様に係る高さ補正装置は、前記第1センサ及び前記基準位置発信部に接続し、前記第1センサにより検出された体動発生信号及び、前記基準位置発信部へ基準位置信号の発信を指示する指示信号を、無線信号に変換して無線通信する第1通信部と、前記血圧測定装置、前記第2センサ及び前記基準位置発信部に接続し、前記血圧測定装置への測定タイミング信号と、前記第2体動センサにより検出された体動発生信号と、前記装着位置発信部へ装着位置信号の発信を指示する指示信号を、無線信号に変換して無線通信する第2通信部と、前記第1通信部及び前記第2通信部との間で無線通信を行い、前記体動発生信号、基準位置信号及び装着位置信号を前記測定タイミング設定部の間で通信を行う主通信部と、を備える。
【0016】
第8の態様に係る高さ補正装置高さ補正方法は、基準位置の高さを第1位置情報信号として発信し、外部の測定器の装着位置の高さを第2位置情報信号として発信し、前記基準位置に生じる変動を検出し、前記測定器の位置に生じる変動を検出し、前記第1情報信号と前記第2位置情報信号を第1受信信号として受信し、前記第1受信信号の受信位置より重力方向で予め設定された距離を離れて位置で、前記第1情報信号と前記第2位置情報信号を第2受信部信号として受信し、前記第1位置情報信号から前記基準位置の高さを求め、及び前記第2位置情報信号から前記測定器の位置を求めて、前記基準位置と前記測定器の位置との高低差を算出し、前記高低差に応じて、前記測定器の位置で測定された測定値を前記基準位置で測定される測定値に近似させる高さ補正値を算出し、前記基準位置の高さ及び前記測定器の位置の高さの変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記測定器により測定された測定結果に対して、前記高さ補正値で補正し、前記基準位置の高さで測定された測定結果に近似させる。
【発明の効果】
【0017】
第1の態様によれば、被検体の基準位置に対して、外部の測定器が装着された部位に変動が発生した際に、基準位置と測定器が装着された部位との高さ差を算出し、高さ差から求めた高さ補正値を求めて、測定された測定値が基準部位で測定される測定値に近似するように補正されて精度の高い測定値を取得することができる。
【0018】
第2の態様によれば、就寝期間を含む測定期間においても仰臥位の被測定者における身体の回転や測定装置が装着された部位に体動が発生した際に、身体における測定基準部位及び装着された部位のそれぞれの高さ情報を測定し、取得された測定値に、高さ情報を用いて高さ補正を施し、測定基準部位の高さで測定される測定値に近似させて精度の高い測定値を取得することができる。
【0019】
さらに、第2の態様によれば、被測定者が睡眠状態において、無意識な寝返りや腕の振り動作があったとしても、新たな高さ補正値に更新し、血圧測定装置による測定値が常に心臓部の高さで得られる血圧値に近似するように補正されるため、測定誤差が減少され、正確な血圧値を取得することができる。また、体動が発生する都度で、その体動の終了後に、血圧測定が行われるため、体動による血圧値の変化か、体動以外の身体上に起きた血圧値の変化かを事後に明確に確認することができ、誤診断を排除でき、血圧値を正確な診断に寄与させることができる。高さ補正装置においては、体動センサと発信部からなる測定ユニットを血圧測定装置と一体的に構成できるため、被測定者の手首等の部位への装脱着が容易である。
【0020】
第3の態様によれば、第1受信部と、装着位置発信部又は前記装着位置発信部と、第2受信部を頂点とする2組の三角形を形成し、三角測量の技術と正弦定理を用いて、第1受信部及び第2受信部から基準位置発信部までのそれぞれの距離情報を算出し、この距離情報から作成した座標情報により、心臓部と血圧測定装置との高さ差を生成することかできる。
【0021】
第4の態様によれば、被測定者の体動の検知が終了し、予め設定した体動検出待機時間の経過後に、高さ補正値の算出及び血圧測定を行う。このため、被測定者が非連続的に体動を発生させたとしても、体動検出待機時間内であれば、高さ補正値の算出処理は行われず、無駄な血圧測定を実施せずに済み、無駄な消費電力の防止となる。
【0022】
第5の態様によれば、血圧測定装置が予め設定した一定間隔を空けた定期的な血圧測定により取得した血圧測定値の間に、体動による高さ補正値の更新後の血圧測定により取得された血圧測定値が混在する測定結果となるため、どの時間(時刻)に体動が発生したかを確認することができる。
【0023】
第6の態様によれば、第2測定ユニットが着脱可能でベルト上を移動可能な取り付け器具を、すくなくとも2つ設けたベルト又はベストを被測定者の胸部の周囲に巻回装着することから、少なくとも2つの第2測定ユニットを被測定者の体格に合わせて移動させて、心臓部付近に適正に配置することができ、装脱着も容易である。
【0024】
第7の態様によれば、高さ補正装置は、被測定者の身体(胸部及び手首)に装着される第1測定ユニット及び第2測定ユニットが無線により発信指示や位置情報信号を通信するため、信号線も不要なコードレスとなり、被測定者の動きを妨げる要因が全て排除され、長時間に渡る測定であっても、身体の動作への有線による動作時の違和感がなくなり、不快感を著しく減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、第1の実施形態に係る高さ補正装置を用いた血圧測定システムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、血圧測定システム内の手首装着タイプの血圧測定装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、発信部と受信部の配置位置を概念的に示す図である。
図4図4は、本実施形態が利用する三角測量を利用して血圧測定装置又は、心臓部位置までの距離又は座標の算出するための概念を示す図である。
図5図5は、血圧測定システムにおける測定手順について説明するためのフローチャートである。
図6図6は、図5における高さ補正値算出のサブルーチンとなるフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態に係る高さ補正装置を用いた血圧測定システムの構成例を示すブロック図である。
図8図8(a)は、第3の実施形態における被測定者が座位の姿勢の時の高さ補正装置の発信部と受信部の配置位置を概念的に示す図、図8(b)は、第3の実施形態における被測定者が立位の時の高さ補正装置の発信部と受信部の配置位置を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る高さ補正装置を用いた血圧測定システムについて説明する。図1は、高さ補正装置を用いた血圧測定システム1の構成例を示すブロック図である。図2は、血圧測定システム内の手首装着タイプの血圧測定装置の構成例を示すブロック図である。図3は、発信部と受信部の配置位置を概念的に示す図である。図4は、三角測量を利用して、血圧測定装置又は心臓部位置までの距離又は座標を算出する説明に用いる概念図である。以下の説明において、体動とは、被測定者の身体又は、身体の一部(部位と称する)が動いたことをいう。また、本実施形態において、被測定者の姿勢は、仰臥位又は伏臥位、座位、及び立位のそれぞれの姿勢で血圧測定を行い、その測定期間内に体動による姿勢の変化が生じた場合に、心臓部の位置の高さと血圧測定装置の位置の高さを測定し、心臓部の位置で測定される血圧値に近似するように高さ補正する。本実施形態では、2つの受信部と1つの発信部との位置関係が三角形を成し、この三角形が2組以上形成されるのであれば、仰臥位又は伏臥位、座位、及び立位のそれぞれの姿勢であっても適用することは可能である。
【0027】
本実施形態では、被測定者(被検体)に装着する測定装置(測定器)として、手首に装着される手首式血圧測定装置を一例に挙げて、以下、血圧測定装置3と称して説明する。勿論、高さ補正装置を設けることができる測定装置は、血圧測定装置に限定されるものではなく、体動の有無や位置変化に伴う高さ補正の更新、又は測定タイミングの調整が必要な測定装置であれば、種々の装置に搭載することができる。即ち、高さ補正装置は、血圧測定システムに限定されない測定システムに搭載することができる。
【0028】
血圧測定システム1は、大別して、高さ補正装置2と、血圧測定装置3とで構成される。高さ補正装置2は、高さ補正装置本体20と、第1体動センサ4[第1センサ]と、装着位置発信部5と、第2体動センサ6[第2センサ]と、基準位置発信部7と、第1受信部8と、第2受信部9とで構成される。尚、本実施形態における高さ補正装置2は、図1に示す血圧測定装置3を除く構成部により構築される。
【0029】
本実施形態においては、血圧測定装置3と装着位置発信部5と第2体動センサ6とが隣接して一体的に構成され、第2測定ユニット10として、連結した又は1つの筐体内に収納される形態を一例としている。また、第1体動センサ4及び基準位置発信部7においても、第1測定ユニット11として、一体的に構成された例としている。
【0030】
本実施形態の第2体動センサ6は、第2測定ユニット10として血圧測定装置3及び装着位置発信部5と一体的に被測定者100の手首に装着される。第2体動センサ6は、装着された手首や前腕を動かした際の体動の有無を検出する。ここでは、少なくとも装着した手首の高さに変動があったことを検出している。装着位置発信部5は、血圧測定装置3に位置の移動が生じたことを発信する。第1体動センサ4は、本実施形態では、被測定者100の心臓部の高さを示す位置、例えば、被測定者100が仰臥位である場合には、脇下の側面に、第1測定ユニット11として基準位置発信部7と一体的に装着される。この装着例では、睡眠中の寝返りにより、仰臥位又は伏臥位から横向きになる場合も考えられ、横向きの際に心臓部の位置を検出するために胸部上に追加配置する方が好ましい。即ち、心臓部付近に2つの第1体動センサ4が配置され、一方の第1体動センサ4が身体の厚み方向(脇)に、他方の第1体動センサ4が身体の幅方向(胸)に配置されることが好ましい。この第1体動センサ4は、被測定者100の寝返り等による上半身の体動の有無を体動情報として検出する。基準位置発信部7は、基準となる心臓部の位置が移動、即ち、高さが変動したことを発信する。
【0031】
第1測定ユニット11を心臓部近辺に配置する手段としては、一例として、被測定者100の胸部の周囲に巻回装着する伸縮性を有するベルト(図示せず)を用いる。そのベルトに、第1測定ユニット11を着脱可能でベルト上を移動可能な取り付け器具を少なくとも2個設けることにより、少なくとも2つの第1測定ユニット11を被測定者100の体格に合わせて心臓部付近に適正に配置する。ベルトの他にも、薄いベスト(袖の無い短い胴着)タイプの衣類に第1測定ユニット11を装着する構成であってもよい。
【0032】
これらの第1,第2体動センサ4,6は、例えば、3軸加速度センサを用いて被測定者100の身体の部位に生じる動き(体動)の有無、即ち、少なくとも体動センサが配置されている箇所に生じる高さの変動を検出する検出部である。これらの3軸加速度センサは、公知な半導体技術やMEMS技術を用いて作成される、半導体ピエゾ抵抗型3軸加速度センサや静電容量型3軸加速度センサ等を用いることができる。尚、本実施形態で3軸加速度センサを用いるのは、例えば、被測定者が寝返りを打った際に、手首も回動する天地方向の反転を含め、腕の振りによっては、上下左右方向が変化するため、三方向を検出している。従って、3軸加速度センサを用いていることで、検出信号の処理手法によっては、高さ方向の情報を利用するだけではなく、体動により実際に移動した三方向の情報も利用することは可能である。
【0033】
第1,第2体動センサ4,6は、体動の発生を示唆する体動発生信号を高さ補正装置本体20内の後述する測定タイミング設定部24に送出する。また、装着位置発信部5は、測定タイミング設定部24の制御に従うタイミングで装着位置信号を第1受信部8及び第2受信部9へ発信する。同時に又は連続して、基準位置発信部7は、測定タイミング設定部24の制御に従うタイミングで基準位置信号を第1受信部8及び第2受信部9へ発信する。
【0034】
第1受信部8及び第2受信部9は、図3に示すように、被測定者100が寝台12に横たわる(仰臥位、伏臥位又は横向き)の時に被測定者100の頭部の上方で、重力方向(又は、垂直方向)における高低差(受信部間距離L0)を有するように、壁部13に縦配列される。
【0035】
上述する高低差である受信部間距離L0は、予め設定された既知な距離(固定値)である。本実施形態では、上方側に第1受信部8を配置し、下方側に第2受信部9を配置し、第1測定ユニット11及び第2測定ユニット10を被測定者100にそれぞれ装着し、それらを頂点として、三角形が形成できる位置に配置される。この配置例において、第1受信部8及び第2受信部9は、被測定者100に装着した装着位置発信部5が発信する装着位置信号、及び基準位置発信部7が発信する基準位置信号を、それぞれ受信可能である。
【0036】
装着位置発信部5及び基準位置発信部7は、図4に示すように、装着位置発信部5と第1受信部8と第2受信部9とによる三角形と、基準位置発信部7と第1受信部8と第2受信部9とによる三角形が形成できる位置に配置される。
また、図3に示すように、寝台12が病院等で使用されている、金属製の手すり14が設けられている構造であれば、その手すり14による通信障害を避けるように、手すり14よりも高い位置に配置する必要がある。また、第1受信部8は、第2受信部9に対して上方に配置されるが、受信部間距離LOが大きい方が装着位置発信部5及び基準位置発信部7の位置を検出しやすく精度も高まる。受信部間距離L0は、例えば、1m以上であってもよい。尚、受信部の設置場所においては、本実施形態では、壁部13を例としているが、他にも、病室等で患者の血圧を測定する状況下であれば、ベッド脇に配置される背の高いキャビネットを利用して、第1,第2受信部8,9が取り付けられるように構成してもよい。更には、被測定者が横たわる寝台の直上の天井面に第1,第2受信部8,9を既知の間隔を空けて取り付けてもよい。
【0037】
装着位置発信部5及び基準位置発信部7は、共に無線を使用して、第1受信部8及び、第2受信部9のそれぞれに対して、高さ情報を生成するための装着位置信号及び基準位置信号を発信する。具体的には、第1受信部8は、基準位置発信部7が発信した基準位置信号を第1基準位置信号として受信し、同様に、第2受信部9は、第2基準位置信号として受信する。これらの第1基準位置信号と第2基準位置信号を第1位置情報信号とする。また、第1受信部8は、装着位置発信部5が発信した装着位置信号を第1装着位置信号として受信し、同様に、第2受信部9は、第2装着位置信号として受信する。これらの第1装着位置信号と第2装着位置信号を第2位置情報信号とする。
【0038】
高精度の高さ情報を生成するためには、正確な位置情報による三角形を構築する必要がある。このため、これらの装着位置信号及び基準位置信号の送信タイミングは、間隔が空かないように、装着位置信号及び基準位置信号が同時又は連続的に送信される必要がある。但し、同時の送受信を行う場合には、装着位置発信部5及び基準位置発信部7において、異なる周波数による通信信号を用いる必要がある。
通信方式としては、第1に、PHSの通信に用いられたことがあるCell-ID方式を適用するならば、第1受信部8及び第2受信部9を基地局とし、無線通信により関連づけられた装着位置発信部5及び基準位置発信部7を無線端末として扱う。他にも、GPS方式やCDMA方式携帯電話、Wi-Fi端末で利用されている電波到達時間差方式(TDOA:Time Difference of Arrival)、又は、PHSやBluetooth(登録商標)で利用されている電波受信強度方式(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を用いることが出来る。近距離無線通信のプロトコルとしてBLE (Bluetooth Low Energy)を用いれば、極低電力で通信可能である。また、発信内容に時計時刻を含むことで、情報処理の段階で各種機器における情報(センサ信号の起動時間と停止時間等)の発生タイミングに対して同期を取ることが可能である。勿論、通信手段として、無線通信に限定されるものではなく、無線信号に変えて音波を用いた通信、例えば、超音波通信で実施することもできる。
【0039】
次に、図2を参照して、血圧測定装置3について説明する。
血圧測定装置3は、主として、被測定者100の血管に圧を与えるためのカフ31と、気体(空気)の送気を行うエアーポンプ32と、エアーポンプ32からカフ31への送気とカフ31から外部への排気を行うための弁33と、カフ内圧と血圧を測定する圧力センサ34と、装置全体を制御し、血圧測定を実行する制御部(CPU)35と、を備える。さらに、血圧測定装置3は、検出された血圧情報や操作内容等を表示する表示部36と、測定設定や種々の入力を行う操作ボタンやタッチパネル等からなる操作部37と、外部機器、例えば、高さ補正装置本体20と通信を行い、高さ補正のための血圧測定実行指示の入力や血圧情報の出力を行う入出力部38と、充電池や一次電池等からなる電源39とで構成される。
【0040】
この血圧測定装置3は、公知な構成であるが、通常の任意設定された一定間隔を空けて測定する血圧測定に加えて、測定タイミング設定部24により設定される、被測定者100の体動が発生し、高さ補正値が更新された直後に、不定期的に測定される血圧測定を行うタイミングを設定する。
【0041】
次に、図1を参照して、高さ補正装置本体20について説明する。
この高さ補正装置本体20は、主として、高さ情報生成部21と、高さ補正値算出部22と、処理部(CPU)23と、測定タイミング設定部24と、入力部25と、表示部26と、メモリ27と、インターフェース(I/F)部28と、で構成される。尚、電源については、図示していないが、独自に電源ユニット(電池)を設けてもよいし、血圧測定装置3の電源39を利用する構成であってもよい。
【0042】
この構成において、高さ情報生成部21は、第1受信部8及び第2受信部9から受信した基準位置発信部7が元となる第1位置情報信号(第1基準位置信号及び第2基準位置信号)から後述する第1高さ情報を生成する。
次に、高さ情報生成部21は、第1受信部8及び第2受信部9から受信した装着位置発信部5が元となる第2位置情報信号(第1装着位置信号及び第2装着位置信号)から後述する第2高さ情報を生成する。
【0043】
高さ補正値算出部22は、高さ情報生成部21で生成された第1,第2高さ情報に基づき、血圧測定装置3にて測定される血圧値に対する高さ補正値を算出する。通常、血液は液体であるため重力の影響を受け、血液を送り出すポンプとして機能する心臓部が送り出す圧力、即ち血圧も変動する。心臓部から高さ方向(重力方向)に離れると、測定される血圧値も測定誤差を含むこととなる。一般には、心臓部から高く離れるほど血圧値が低く測定され、心臓部から低く離れるほど血圧値が高く測定される。この補正値は、この高さ差に対する測定誤差を無くす、又は減少させる補正値であり、心臓部の近くで測定される血圧値に近似するように補正する。
また、処理部23は、装置全体の制御及び通信制御を行い、血圧測定装置3から入力された血圧値に対して、高さ補正値による補正処理を行う。即ち、処理部23は、血圧測定装置3にて取得された血圧測定値に高さ補正を行い、心臓部と同じ高さの位置で測定される測定値に近似させて精度の高い測定値を生成する。
【0044】
入力部25は、設定を行う操作ボタンやタッチパネル等により構成される。表示部26は、補正値等の補正に必要な情報、通信に関する情報及び補正された血圧値等を表示する。メモリ27は、補正演算に必要な情報や、算出された高さ補正値等を書き換え可能に記憶している。インターフェース(I/F)部28は、LAN等のネットワークを介して接続する管理者のパソコンやサーバーに、測定されて高さ補正された血圧値及び、その血圧値に関する情報を送信する。勿論、血圧測定装置3に返信して、表示部36に高さ補正された血圧値を表示させることも可能である。
【0045】
次に、高さ補正装置本体20による高さ補正値の算出について説明する。
本実施形態における通信を用いた位置検出は、例えば、非特許文献1に記載されている位置推定技術(AOA:Angle of Arrival)による推定方法及び、三角測量を利用することができる。
【0046】
図4に示すように、第1受信部8、第2受信部9及び装着位置発信部5又は、第1受信部8、第2受信部9及び基準位置発信部7は、それぞれを頂点とする三角形を形成する。三角形のうちの少なくとも一辺(受信部間距離L0)が既知である三角形を利用して、公知な三角測量の技術と正弦定理を用いて、壁部13から装着位置発信部5及び基準位置発信部7までの距離や座標による所在位置を求めることができる。
【0047】
まず、第1受信部8及び第2受信部9は、壁部13に設けられてこれらの高さと、一辺(受信部間距離L0)が既知であるため、これらの位置(座標)が既知である。第1受信部8及び第2受信部9は、装着位置発信部5からの無線信号である装着位置信号の到来方向(無線信号の入射角度α1、β1)を検出する。同様に、基準位置発信部7からの無線信号である基準位置信号の到来方向(無線信号の入射角度α2、β2)を検出する。
【0048】
さらに、正弦定理を利用すれば、第1受信部8及び第2受信部9から、それぞれの基準位置発信部7までの距離L1及び第1高さ情報P1(第1座標情報)と、装着位置発信部5までの距離L2及び第2高さ情報P2(第2座標情報)とを算出することができる。算出された基準となる第1高さ情報P1から第2高さ情報P2を差し引くことにより、高さ情報である高低差hを求めることができる。この高低差hから一般に知られている、1cm差で0.7mmHg(水銀柱mm)の調整(静水力学的圧力)を用いて、心臓部の高さを基準として測定された血圧値に近似するように、高さによる影響を排除する補正を行う高さ補正値を算出することができる。例えば、血圧測定装置3を装着した手首が心臓部よりも上方にあり、その高低差hが5cmであった場合には、血圧測定装置3により測定された血圧測定値に3.5mmHgを加算する補正が必要となる。ここでは、血圧測定装置3により測定された血圧値に対して、高低差hで求まる数値を高さ補正値としている。
【0049】
この高低差hより求めた高さ補正値は、メモリ27に格納される。この高さ補正値は、第1,第2体動センサ4,6が被測定者100の体動を検知する毎に、第1受信部8及び第2受信部9から位置情報信号の発信が行われて、新たな高さ補正値が算出されてメモリ27へ更新するように記憶される。後述するが第1の測定方法として、予め設定された間隔で行う血圧測定に時系列的に加えて、高さ補正値が更新された際に、更新直後の血圧測定を行い、被測定者100の体動があったことを記録してもよい。
【0050】
従って、血圧測定装置が予め設定した一定間隔を空けた定期的な血圧測定により取得した時系列的に一定間隔を空けた血圧測定値の間に、被測定者に発生した体動による高さ補正値の更新後の血圧測定により取得された血圧測定値が混在する測定結果となるため、どの時間(時刻)に体動が発生したかを確認することができる。他にも、第2の測定方法として、測定開始時と高さ補正値の更新時のみに血圧測定を行う設定でもよい。この測定方法によれば、消費電力を低減させることができる。
【0051】
次に、図5のフローチャートを参照して、血圧測定システム1における測定手順について説明する。
まず、図3に示すような仰臥位の姿勢で就寝状態の被測定者100に、第1測定ユニット11及び第2測定ユニット10を装着し、第1受信部8及び第2受信部9を壁部13に設置する(ステップS1)。具体的には、被測定者100の脇の下の側面に、床面から心臓部の高さと同じような高さとなるように、第1測定ユニット11を装着し、被測定者100の手首に血圧測定装置3を含む第2測定ユニット10を装着する。
【0052】
これらの測定ユニットの装着手段としては、ユニット取り付け用ホルダ等の専用取り付け器具が設けられたベルトを用いて固定してもよいし、粘着テープ等を用いて固定してもよい。また、2つの第1測定ユニット11の装着においては、胸部の周囲に装着するベルトに少なくとも2つの移動可能なホルダを設け、これらを被測定者の体格に合わせて心臓部付近の胸及び脇下に移動させて、それぞれ測定ユニット11を装着することで適正な位置に配置する。尚、血圧測定装置3は、カフ31が適正に血管を圧することができるように装着される。さらに、図3に示すように、第1受信部8は、被測定者100の頭部側の壁部13の上方側に配置し、受信部間距離L0を空けて、下方側に第2受信部9を配置する。尚、これらの配置を容易にするために、第1受信部8及び第2受信部9は、図示しないベース部材に受信部間距離L0を空けて固定されており、このベース部材を壁部に掛けることで設置してもよい。
【0053】
次に、初期設定を行う(ステップS2)。この初期設定は、血圧測定装置3を起動させて、ゼロ調整や、例えば、血圧測定期間や血圧測定間隔(又は測定回数)等の設定を行い、また、測定タイミング設定部24においては、後述する体動検出待機時間及び、血圧測定装置3への血圧測定指示の設定等を行う。この初期設定終了後に、自動的に又は、血圧測定装置3の操作部37又は、高さ補正装置2の入力部25による開始操作の指示後から測定を開始する。この測定の開始と共に、後述する高さ補正値の算出を行うためのサブルーチンによる装着位置発信部5と基準位置発信部7との高低差hを検出して高さ補正値(初期値)を求めて(ステップS3)、求めた高さ補正値(初期値)をメモリ27に記憶させる(ステップS4)。
【0054】
この高さ補正値(初期値)を求めた後、測定開始以降、第1体動センサ4及び第2体動センサ6は、被測定者100に体動があったか否かを検知して、処理部23の高さ情報生成部21へ検知信号を出力する(ステップS5)。ここで、第1体動センサ4及び第2体動センサ6において、共に体動を検知しなかった場合には(NO)、処理部23は、設定された血圧測定間隔が経過したか否かを判断する(ステップS6)。このステップS6の判断で、血圧測定間隔が経過したならば(YES)、後述するステップS10に移行し、血圧測定装置3が血圧測定を実施する。一方、血圧測定間隔が経過していなければ(NO)、ステップS5に戻り、第1体動センサ4及び第2体動センサ6による体動の有無の検知を継続する。
【0055】
また、ステップS5の体動の検知において、第1体動センサ4及び/又は第2体動センサ6が被測定者100の体動を検知した場合には(YES)、処理部23へ体動が生じている間、その検知信号を継続的に出力する。処理部23は、その検知信号の受信を終了した時から予め設定した体動検出待機時間が経過したか否かを判断する(ステップS7)。即ち、この体動においては、被測定者100が連続的に体動する場合(例えば、寝返りを打つと共に、肩が回り手首が左右の反対側に移動する等)も想定できるため、体動が終了した時から予め設定された体動検出待機時間を経過したか否かを判断している。ここでは、体動検出待機時間のカウント開始を体動が終了した時に設定したが、体動が開始した時をカウント開始に設定してもよい。
【0056】
この判断で、体動検出待機時間が経過したならば(YES)、高さ補正値算出部22が、後述する高さ補正値の算出のサブルーチンによる装着位置発信部5と基準位置発信部7との高低差hを検出して高さ補正値を算出する(ステップS8)。そして、処理部23が、メモリ27にすでに記憶されている高さ補正値を更新する(ステップS9)。
【0057】
この高さ補正値を更新した後、測定タイミング設定部24からの血圧測定指示により、血圧測定装置3が血圧測定を行う(ステップS10)。そして、処理部23が、測定された血圧値に対して、メモリ27から読み出された高さ補正値による高さ補正を行う(ステップS11)。補正された血圧値は、インターフェース(I/F)部28によりLANを介して接続する管理者のパソコンやサーバーに送信される(ステップS12)。また、血圧測定装置3へ補正された血圧値を送信して、表示部36に表示させてもよい。さらに、初期設定時に設定された血圧測定期間に至ったか否かを判断し(ステップS13)、この判断で血圧測定期間に達した場合(YES)には、一連の測定を終了する。また、血圧測定期間に達していなければ(NO)、ステップS5に戻り、血圧測定を継続する。尚、血圧測定期間が設定されていない場合には、測定者が血圧測定を停止させる。
【0058】
次に、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS3又はS8における高さ補正値の算出のサブルーチンにおける算出手順について説明する。
このサブルーチンは、まず、前述したステップS2において、初期設定終了後、又は、ステップS7の体動検知待機時間経過後において、共に、基準位置発信部7から第1,第2受信部8,9に予め設定された第1基準位置信号及び第2基準位置信号(第1位置情報信号)を発信する(ステップS21)。
【0059】
その発信直後に、装着位置発信部5から第1,第2受信部8,9に第1装着位置信号及び第2装着位置信号(第2位置情報信号)を発信する(ステップS22)。尚、基準位置信号と装着位置信号の搬送波を異ならせることにより、同時に送信して第1,第2受信部8,9に受信させて処理させることも可能である。
【0060】
これらの第1,第2受信部8,9は、それぞれ、基準位置発信部7からの第1基準位置信号及び第2基準位置信号(第1位置情報信号)、及び装着位置発信部5からの第1装着位置信号及び第2装着位置信号(第2位置情報信号)を受け、これらの位置情報信号を高さ情報生成部21へ出力する。高さ情報生成部21は、これらの位置情報信号を受けて、高さ情報である高低差hを生成する(ステップS23)。即ち、高さ情報生成部21は、上述したように、第1高さ情報P1及び第2高さ情報P2から高低差hを生成する。
【0061】
次に、高さ補正値算出部22は、高低差hから、測定された血圧値を高さ補正する高さ補正値を算出し(ステップS24)、高さ補正値の算出のサブルーチンが終了する。その後、ステップS3のサブルーチンの場合には、ステップS5に移行する。また、ステップS8のサブルーチンの場合には、ステップS9に移行して、処理部23がメモリ27に記憶されている高さ補正値を更新するように記憶し、血圧測定装置3がステップS10で補正値更新後の血圧測定を行う。
【0062】
以上のように本実施形態によれば、就寝期間を含む測定期間で被測定者における身体の回転や測定装置が装着された部位に体動が発生した際に、身体における基準部位及び装着された部位のそれぞれの高さ情報を通信技術を用いて測定し、取得された測定値に、基準の高さ情報を用いて高さ補正を施し、基準部位の高さで測定される測定値に近似させて精度の高い測定値を取得することができる。
【0063】
被測定者が仰臥位又は伏臥位の姿勢で睡眠する状態において、無意識な寝返りや腕の振り動作があったとしても、血圧測定装置3により測定された血圧が常に心臓部の高さで得られる血圧値に近似するように補正されるため、測定誤差を減少させて正確な血圧値を取得することができる。体動が発生する都度で、その体動の終了後に血圧測定が行われるため、体動による血圧値の変化か、体動以外で身体上に起きた血圧値の変化かを事後に明確に確認することができ、誤診断を排除でき、血圧値を正確な診断に寄与させることができる。
【0064】
体動センサと発信部からなる測定ユニットが血圧測定装置と一体的に構成できるため、被測定者の手首等の部位への装脱着が容易である。
また、第2測定ユニットが着脱可能でベルト上を移動可能な取り付け器具を、すくなくとも2つ設けたベルト又はベストを被測定者の胸部の周囲に巻回装着することから、少なくとも2つの第2測定ユニットを被測定者の体格に合わせて移動させて、心臓部付近に適正に配置することができ、装脱着も容易である。
【0065】
さらに、従前のチューブの水頭圧を利用した高さ補正センサに比べて、小型化が実現できる。被測定者の身体の部位間をチューブで繋いでいた構成に比べて、長時間に渡る測定でも身体の動作への制限が少なくなり、被測定者への負担が軽減され、不快感を減少させることができる。また、設定された時間間隔で定期的な血圧測定を行うため、電池等の電源の消費を抑制することができる。
【0066】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る高さ補正装置を用いた血圧測定システムについて説明する。図7は、第2の実施形態における高さ補正装置本体52を用いた血圧測定システム51の構成例を示すブロック図である。前述した第1の実施形態においては、基準位置発信部7及び装着位置発信部5の発信タイミングの制御に有線接続された測定タイミング設定部24を用いていたが、この第2の実施形態では、無線接続することで、それぞれのユニットが孤立した形態である。即ち、第1測定ユニット53及び第2測定ユニット54は、高さ補正装置本体52と無線通信によって情報を送受する構成である。さらに、血圧測定装置3により測定した血圧(血圧情報)は、無線通信により高さ補正装置本体52に送信して高さ補正を実施する。尚、本実施形態の構成部において、前述した第1の実施形態(図1及び図2)の構成部と同等の構成部については、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、通信信号は、無線か否かであり、伝播される情報については同等である。
【0067】
本実施形態の血圧測定システム51における第1測定ユニット53においては、第1体動センサ4及び基準位置発信部7に加えて、無線通信を行う第1通信部41を備えた構成である。また、第2測定ユニット54は、血圧測定装置3、第2体動センサ6及び装着位置発信部5に加えて、無線通信を行う第2通信部42を備えた構成である。また、高さ補正装置本体52内には、前述した構成部に加えて、第1通信部41及び第2通信部42に対して、無線通信を行う主通信部43が設けられている。即ち、高さ補正装置本体52の主通信部43が、第1測定ユニット53の第1通信部41と第2測定ユニット54の第2通信部42と無線通信を行う。
【0068】
まず、第1通信部41及び第2通信部42は、それぞれ、第1体動センサ4及び第2体動センサ6からの被測定者の体動の発生を示唆する体動発生信号を無線信号に変換して、高さ補正装置本体52の主通信部43へ送信する。
次に、主通信部43は、受信した体動発生信号を測定タイミング設定部24に出力する。測定タイミング設定部24では、基準位置信号及び装着位置信号を同時又は連続して発信する指示信号を、主通信部43から第1通信部41及び第2通信部42にそれぞれ送信する。
【0069】
さらに、第1通信部41及び第2通信部42は、発信指示信号を装着位置発信部5及び基準位置発信部7に出力する。発信指示を受けた装着位置発信部5及び基準位置発信部7は、無線信号からなる第1基準位置信号及び第2基準位置信号(第1位置情報信号)、及び第1装着位置信号及び第2装着位置信号(第2位置情報信号)を同時に又は連続して、上下に縦配置された第1受信部8及び第2受信部9へそれぞれ発信する。
【0070】
第1受信部8及び第2受信部9は、それぞれ、受信した第1位置情報信号及び第2位置情報信号を高さ情報生成部21へ発信する。高さ情報生成部21は、これらの位置情報信号から前述した高さ情報(高低差h)を生成する。高さ補正値算出部22は、高さ情報生成部21に生成された高さ情報に基づき、血圧測定装置3にて測定される血圧値に対する高さ補正値を算出する。算出された高さ補正値は、一旦メモリ27に記憶され、次の体動による高さ補正値の更新までの間、測定の都度、処理部23に読み出されて血圧測定装置3で測定された血圧値に対して、高さ補正を行う。
【0071】
高さ補正された血圧は、インターフェース部28からネットワークを介して管理者のパソコンやサーバーに送信される。また、血圧測定装置3に対して、第2通信部42を通じて、高さ補正された血圧を無線信号により送信することが可能であり、表示部36に高さ補正された血圧を表示させることもできる。
【0072】
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態で奏する作用効果が得られる。さらに、高さ補正装置は、被測定者の身体(胸部(心臓部近く)及び手首)に装着される第1測定ユニット53及び第2測定ユニット54が無線により発信指示や位置情報信号を通信しているため、従来必要であった信号線も不要なコードレスとなり、被測定者の動きを妨げる要因が全て排除され、長時間に渡る測定であっても、身体の動作への有線による動作時の違和感がなくなり、不快感を著しく減少させることができる。
【0073】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る高さ補正装置を用いた血圧測定システムについて説明する。図8(a)は、被測定者が座位の姿勢の時の高さ補正装置の発信部である測定ユニットと受信部の配置位置を概念的に示す図、図8(b)は、被測定者が立位の時の高さ補正装置の測定ユニットである発信部と受信部の配置位置を概念的に示す図である。前述した第1及び第2の実施形態における被測定者の姿勢は、床台上に仰臥位で就寝している状態について説明したが、第3の実施形態では、発信部の配置を変更することで、被測定者が共に上半身を起こした姿勢となる座位又は立位の姿勢の時に適用するものである。
【0074】
図8(a)において、被測定者100は、椅子201に腰掛けて、上半身を縦に起こした座位の姿勢である。高さ補正装置の第1測定ユニット1に相当する第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63は、前述したと同様に、発信部と体動センサとにより構成される。第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63は、被測定者100の心臓部を中央にして上下から挟むように配置されている。これらの測定ユニット62,63は、被測定者の心臓部の位置に合わせられるように、ベルト状の装着衣64上を移動可能であり、図示しないストッパ等により固定されている。
【0075】
尚、第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63の被測定者への装着は、心臓部を中央に挟んで装着できればよいので、必ずしも装着衣64を用いる必要は無く、着衣の上から粘着テープ等で貼り付けたテープ止めてもよい。
また、前述したと同等な血圧装置3を含む第2測定ユニット10が被測定者の手首に装着される。受信部8,9は、図示しない壁部に上下方向に配置される。
【0076】
本実施形態においても、図8に示すように、受信部8,9を共有の2つの頂点とし、第2測定ユニット10、第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63のそれぞれを1つの頂点とする3つの三角形を形成する。前述した様に、これらの三角形に公知な三角測量の技術と正弦定理を用いて、壁部13からの第2測定ユニット10、第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63までの距離や座標による所在位置を求めることができる。尚、本実施形態では、第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63の間の中央に心臓部が存在するように配置しているため、被測定者の心臓部の高さは、第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63の平均値とする。中央に心臓部を配置できない場合には、心臓部から第1A測定ユニット62及び第1B測定ユニット63までの距離の比で求めればよい。この平均値と、第2測定ユニット10の位置の高さの差を求めて、重力の作用により発生する血圧の高低差を補正するための高さ補正値を算出する。
【0077】
また、図8(b)は、被測定者が第2測定ユニット10を装着した手をテーブル上に置いた立位の姿勢を示している。この図8(b)の参照符号については、図8(a)と同等なものには同じ参照符号を付して説明を省略する。この立位の姿勢も前述した座位の場合も同等であり、同等に高さ補正値を求めることができる。
【0078】
本実施形態によれば、前述した第1,第2の実施形態と同様な作用効果を奏することができ、さらに、仰臥位や伏臥位の姿勢だけではなく、椅子に座っている座位の姿勢や立ち上がっている立位の姿勢であっても心臓部の位置で測定したものと同等な血圧値を求めることができる。
【0079】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0080】
[付記]
(1)基準位置の高さを第1位置情報信号として発信する基準位置発信部と、
測定器の装着位置の高さを第2位置情報信号として発信する装着位置発信部と、
前記基準位置発信部の変動を検出する第1センサと、
前記装着位置発信部の変動を検出する第2センサと、
前記基準位置発信部及び前記装着位置発信部に対して、重力方向で上方に配置される第1受信部と、
前記第1受信部を第1頂点とし、前記装着位置発信部又は前記装着位置発信部を第2頂点として、前記第1,第2頂点に対して三角形を形成する第3頂点の高さ位置で、前記第1受信部と予め設定された距離を離れて配置される第2受信部と、
前記第1受信部と第2受信部で受信されたそれぞれの第1位置情報信号から前記基準位置発信部の第1高さ情報を求め、及び、前記第1受信部と第2受信部で受信されたそれぞれの第2位置情報信号から前記装着位置発信部の第2高さ情報を求めて、取得した前記第1高さ情報と前記第2高さ情報の差から高低差を算出する高さ情報生成部と、
重力の作用により発生する測定誤差を補正するための前記高低差に応じた高さ補正値を算出する高さ補正値算出部と、
前記第1センサと前記第2センサにより高さ変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記測定器により測定された測定結果に対して、前記高さ補正値で補正し、前記基準位置の高さで測定された測定結果に近似させる処理部と、
を備える高さ補正装置。
【0081】
(2)就寝状態の被測定者の心臓部の位置の高さになるように装着されて、前記心臓部の高さを示す第1位置情報信号を発信する基準位置発信部と、
移動可能な外部の血圧測定装置と一体的に装着され、前記血圧測定装置の装着位置の高さを示す第2位置情報信号を発信する装着位置発信部と、
前記基準位置発信部と一体的に設けられ、前記心臓部の位置の高さに生じる変動を検出する第1センサと、
前記装着位置発信部と一体的に設けられ、前記血圧測定装置の位置の高さに生じる変動を検出する第2センサと、
前記心臓部の高さ及び前記血圧測定装置の装着位置の高さよりも、重力方向で上方に配置される第1受信部と、
前記第1受信部を第1頂点とし、前記装着位置発信部又は前記装着位置発信部を第2頂点として、前記第1,第2頂点に対して三角形を形成する第3頂点の高さ位置で、前記第1受信部と予め設定された距離を離れて配置される第2受信部と、
前記第1位置情報信号から前記心臓部の位置の高さを求め、及び第2位置情報信号から前記血圧測定装置の装着位置の高さを求めて、前記心臓部の位置と装着位置との高低差を算出する高さ情報生成部と、
前記高低差により重力の作用で発生する血圧の測定誤差を補正する高さ補正値を算出する高さ補正値算出部と、
前記高さ補正値算出部が算出した高さ補正値を記憶するメモリ部と、
前記第1センサと前記第2センサにより高さ変動が検出された都度、前記高低差を算出して高さ補正値を更新し、前記血圧測定装置により測定された血圧測定値に対して、前記高さ補正値で補正し、前記心臓部の高さで測定された血圧値に近似させる処理部と、
を備える高さ補正装置。
【符号の説明】
【0082】
1…血圧測定システム、2…高さ補正装置、3…血圧測定装置、4、6…体動センサ、5…装着位置発信部、7…基準位置発信部、8…第1受信部、9…第2受信部、10,54…第2測定ユニット、11,53…第1測定ユニット、12…寝台、13…壁部、20…高さ補正装置本体、21…高さ情報生成部、22…高さ補正値算出部、23…処理部、24…測定タイミング設定部、25…入力部、26,36…表示部、27…メモリ、28…インターフェース部、31…カフ、32…エアーポンプ、33…弁、34…圧力センサ、35…制御部、37…操作部、38…入出力部、39…電源、41…第1通信部、42…第2通信部、43…主通信部、51…血圧測定システム、52…高さ補正装置本体、100…被測定者。
図1
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図8