特開2018-153241(P2018-153241A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2018-153241音検出機能付き血圧測定装置及び血圧測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-153241(P2018-153241A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】音検出機能付き血圧測定装置及び血圧測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20180907BHJP
【FI】
   A61B5/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-50247(P2017-50247)
(22)【出願日】2017年3月15日
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【住所又は居所】京都府京都市下京区塩小路通堀川東入南不動堂町801番地
(71)【出願人】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】堤 正和
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地 オムロンヘルスケア株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】山下 新吾
【住所又は居所】京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地 オムロンヘルスケア株式会社内
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AB01
4C017AC30
4C017AD01
4C017BB02
4C017BB13
4C017BC07
4C017CC01
4C017EE01
4C017EE10
4C017FF05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】血圧測定期間に測定された血圧情報と、その血圧測定期間に睡眠中の被測定者が発する生体音とを時間で関連づけて記録する音検出機能付き血圧測定装置及び血圧測定方法を提供する。
【解決手段】血圧測定装置1は、血圧測定部により被測定者の血圧を測定し、血圧測定時に、音検出部により被測定者が発する生体音を検出する。検出した生体音と測定した血圧とが時間情報に関係付けられて記録され、時系列的に血圧測定結果を示すと共に、いびき等の生体音の有無を確認することで、測定された血圧値が高くなった要因を特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の血圧を測定する血圧測定部と、
前記血圧測定部による血圧測定時に、前記被測定者が発する生体音を検出する音検出部と、
前記血圧測定部が測定した血圧と前記音検出部が検出した前記生体音とが、時間情報により関係付けられて記録される記録部と、
を具備する音検出機能付き血圧測定装置。
【請求項2】
前記音検出部は、音を検出するためのマイクロフォンを備え、
前記マイクロフォンは、前記生体音として、少なくとも前記被測定者の口から発せられる、いびき、咳、くしゃみ、しゃっくり、寝言及び歯ぎしりを含み測定される血圧値に影響する生体音を拾う、請求項1に記載の音検出機能付き血圧測定装置。
【請求項3】
前記血圧測定部は、前記被測定者に装着するカフを備え、
前記マイクロフォンは、前記カフに回転調整機構を介して回転可能に取り付けられる、請求項2に記載の音検出機能付き血圧測定装置。
【請求項4】
前記血圧測定部は、時間間隔を空けた複数回の血圧測定を行う血圧測定モードを有し、
前記血圧測定モードで血圧測定を行う際に、前記血圧測定毎の開始前に、前記マイクロフォンによる前記生体音の録音が開始される、請求項2に記載の音検出機能付き血圧測定装置。
【請求項5】
前記血圧測定装置と一体的に構成されるカフを備え、
前記マイクロフォンは、前記血圧測定装置が上腕に装着された時に、前記被測定者の口に指向性が向くように、前記血圧測定装置または、一体的に構成された前記カフのいずれかに設けられる、請求項2に記載の音検出機能付き血圧測定装置。
【請求項6】
被測定者の血圧を測定する血圧測定過程と、
血圧測定時に被測定者が発する生体音を検出する音検出過程と、
前記音検出過程で検出した前記生体音と前記血圧測定過程で測定した血圧とが時間により関係付けられて記録される記録過程と、
を具備する音検出機能付き血圧測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧測定と共に被被測定者が発する生体音を検出する音検出機能付き血圧測定装置及び血圧測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、診断に利用するための身体情報は、種々の測定装置を用いて取得されている。例えば、血圧においては、被測定者の上腕に血圧測定装置を巻回するように装着して血圧を測定している。さらに、手首(前腕)に装着する小型化された手首式血圧測定装置も利用されている。
【0003】
また、閉塞性睡眠時間無呼吸(obstructive sleep apnea:OSP)に対して、関心が高まり、睡眠中の血圧測定が行われるようになった。例えば、特許文献1では、睡眠時間を含む24時間の測定が可能な血圧計も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許WO201218029 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した長時間に渡り測定可能な血圧測定装置によって睡眠中に測定された血圧値においては、測定中に例えば、被測定者がいびきをかいたり、咳をした場合には、実際の血圧値より高く出る傾向があり、その測定された血圧値の精度に影響を与えている。
【0006】
さらに、測定された血圧値に異常があったことは分かるが、実際に被測定者の身体に疾患等が生じているのか、いびきや咳が影響しているかは、診断する者又は測定者が、その場で見ていない限り、適正な判断は難しい。
【0007】
そこで本発明は、血圧測定期間に測定された血圧情報と、その血圧測定期間に睡眠中の被測定者が発する生体音とを時間で関連づけて記録する音検出機能付き血圧測定装置及び血圧測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に従う第1の形態の音検出機能付き血圧測定装置は、被測定者の血圧を測定する血圧測定部と、前記血圧測定部による血圧測定時に、前記被測定者が発する生体音を検出する音検出部と、前記音検出部が検出した前記生体音と前記血圧測定部が測定した血圧とが、時間により関係付けられて記録される記録部と、を具備する。
【0009】
本発明に従う第2の形態の音検出機能付き血圧測定装置の音検出部は、音を検出するためのマイクロフォンを備え、前記マイクロフォンは、前記生体音として、少なくとも前記被測定者の口から発せられる、いびき、咳、くしゃみ、しゃっくり、寝言及び歯ぎしりを含み測定される血圧値に影響する生体音を拾う。
【0010】
本発明に従う第3の形態の音検出機能付き血圧測定装置の血圧測定部は、被測定者に装着するカフを備え、前記マイクロフォンは、前記カフに回転調整機構を介して回転可能に取り付けられる。
【0011】
本発明に従う第4の形態の音検出機能付き血圧測定装置の血圧測定部は、時間間隔を空けた複数回の血圧測定を行う血圧測定モードを有し、前記血圧測定モードで血圧測定を行う際に、前記血圧測定毎の開始前に、前記マイクロフォンによる前記生体音の録音が開始される。
【0012】
本発明に従う第5の形態の音検出機能付き血圧測定装置は、前記血圧測定装置と一体的に構成されるカフを備え、前記マイクロフォンは、前記血圧測定装置が上腕に装着された時に、前記被測定者の口に指向性が向くように、前記血圧測定装置または、一体的に構成された前記カフのいずれかに設けられる。
【0013】
本発明に従う第6の形態の音検出機能付き血圧測定方法は、被測定者の血圧を測定する血圧測定過程と、血圧測定時に被測定者が発する生体音を検出する音検出過程と、前記音検出過程で検出した前記生体音と前記血圧測定過程で測定した血圧とが時間により関係付けられて記録される記録過程と、を具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の形態及び第6の形態によれば、時系列的に血圧測定結果を示すと共に、いびき等の有無を確認することで、測定された血圧値が高くなった要因を特定することができる。他の生体音についても同様に、血圧測定時に発生した生体音を確認することは、診察の判断材料の1つとなり得る。
本発明の第2の形態によれば、録音されたいびき等の生体音を確認することで、測定された血圧値が高くなった要因を特定することができる。
【0015】
本発明の第3の形態によれば、マイクロフォンの指向性を被測定者の口に向くように調整することができる。
本発明の第4の形態によれば、睡眠中の測定に任意の間隔を空けて複数の血圧測定を行っているため、電源の消費を低減させることができ、長時間に渡る血圧測定が可能となる。また連続的に血圧測定を行うことも可能である。
【0016】
本発明の第5の形態によれば、カフ一体型上腕式血圧測定装置によれば、カフと血圧測定装置本体を繋ぐケーブルやチューブがなくなるため、睡眠中の被測定者の寝返り等の体動に制限が無くなり、睡眠中にカフが上腕の測定箇所からずれて、マイクロフォンの指向性が外れる等が虞がなくなる。
【0017】
本発明の第6の形態によれば、時系列的に血圧測定結果を示すと共に、いびき等の有無を確認することで、測定された血圧値が高くなった要因を特定することができる。他の生体音についても同様に、血圧測定時に発生した生体音を確認することは、診察の判断材料の1つとなり得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1の実施形態に係る音検出部が設けられた上腕式血圧測定装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、被測定者にカフを装着した際のマイクロフォンの位置を示す図である。
図3図3は、夜間測定モードにおける血圧測定と生体音録音のタイミングを示す図である。
図4図4は、測定された血圧値に対するいびきのレベルを示す図である。
図5図5は、血圧測定手順について説明するためのフローチャートである。
図6図6は、第2の実施形態に係る音検出部が設けられた手首式血圧測定装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る音検出機能付き血圧測定装置について説明する。
図1は、第1の実施形態として、音検出部が設けられた上腕式血圧測定装置の構成例を示すブロック図である。図2は、被測定者にカフを装着した際のマイクロフォンの位置を示す図である。
【0020】
本実形態の上腕式血圧測定装置(血圧測定装置)1は、血圧測定のための主たるものとして、被測定者の血管に圧を与えるためのカフ11と、気体(空気)の送気を行うエアーポンプ12と、エアーポンプ12からカフ11への送気とカフ11から外部への排気を行うための弁13と、カフ内圧と血圧を測定する圧力センサ14と、装置全体を制御し、血圧測定を実行する制御部(CPU)15と、を備えて血圧測定部を構成する。
【0021】
また、血圧測定装置1は、検出された血圧情報や操作内容等を表示する表示部16と、測定設定や種々の入力を行う操作ボタンやタッチパネル等からなる操作部17と、充電池や一次電池等からなる電源18と、時間情報と関連づけた血圧情報を記憶する記憶部24と、図示しない外部機器と通信を行い血圧情報を出力する通信部25と、を備える。さらに、音検出部として、指向性を有するマイクロフォン19と、後述する血圧情報と音情報を時間的に関連づけるためのタイマ20と、マイクロフォン19が生成した音信号を処理する音処理部21と、着脱可能なSDメモリカード等の小型の記憶媒体23と、記憶媒体23に血圧情報等を記録する記録部22と、予め設定された複数の測定モードから選択する又は測定間隔や測定時間を選択して測定モードを設定するモード選択部26と、被測定者の睡眠状態を判断する睡眠状態判断部27と、を備えている。但し、本実施形態の血圧測定方式やエアーポンプ12、弁13、圧力センサ14、及びカフ11の構造等は公知である。またタイマ20は、血圧測定装置1が備えている、時計機能を利用することができる。
【0022】
この血圧測定装置1のモード選択部26により選択できる測定モードは、開始停止を操作して、その間、連続的に測定する連続測定モードと、看護師等の測定者又は被測定者自身が測定時間を設定する時間設定モードと、睡眠中に任意に設定した時間間隔を空けて複数回測定する夜間測定モードを有している。この夜間測定モードは、電源の消費電力を低く抑えることができ、長時間に渡る測定を可能にする。
【0023】
タイマ20は、時計機能と時間スタンプ機能を有し、測定タイミングの設定や、測定された血圧情報に時間又は時刻を関連づけている。
マイクロフォン19は、小型軽量で、単一指向性のように周囲の音を拾わずに、一方向のみの音を拾う構成が好適する。このマイクロフォン19は、カフ11の表面側に配置され、回転調整機構19aにより水平方向(カフの面と平行する方向)に回動可能に取り付けられる。図2に示すように、カフ11を被測定者の上腕に装着した状態の時に、回転調整機構19aによりマイクロフォン19の指向性が被測定者の口に向くように調整することができる。
【0024】
本実施形態のマイクロフォン19は、被測定者の生体音を拾うが、鼓動音や脈音ではなく、ここでは、口から発せられる、いびき、咳、くしゃみ、しゃっくり、寝言及び歯ぎしり等で発する生体音であり、特に血圧測定時に血圧値に影響する音が重要である。
【0025】
音処理部21は、マイクロフォン19が生成した音信号のうち、前述した生体音を抽出できるように、フィルタ処理等を行い、マイクロフォン19に入力した布ずれ音や周囲環境で発生した音、即ち、外来ノイズを除去する音処理を行う。また、明らかに異なる音量レベルや異なる間隔で重複しているいびきは、他人のいびきとして判断して、ノイズと同様な扱いにする。医師は、測定された血圧値データを解析する際に、音の発生源が特定されるため、血圧の変化の要因がわかり、治療方針が立てやすくなる。
【0026】
また、生体音処理の際に、タイマ20から出力される時間情報と関連づける。制御部15においては、測定した血圧値と生体音をタイマ20による時間情報と関連づけて、測定した毎に記憶部24に順次、記憶させる。
【0027】
記録部22は、例えば、マイクロSDメモリカード等の書き換え可能な小型不揮発性記憶媒体である記憶媒体23に、記憶部24から読み出した血圧情報を記録する。記憶媒体23は、外部機器であるパソコンのスロットに差し入れて血圧情報が読み出され、医師の診断に利用される。また、後述する通信部25で無線LAN等のネットワークを利用した通信で、血圧情報を送信してもよい。
【0028】
通信部25は、外部機器と無線通信により情報を送受信することができる。通信方式としては、例えば、PHSやBluetooth(登録商標)で利用されている電波受信強度方式(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、Cell-ID方式やGPS方式又はCDMA方式、Wi-Fi端末で利用されている電波到達時間差方式(TDOA:Time Difference of Arrival)等を用いることが出来る。尚、無線だけではなく、他にも光通信や有線接続も可能である。
【0029】
睡眠状態判断部27は、公知な睡眠計を用いればよく、例えば、加速度センサ等を用いて、被測定者の体の動き加減から、深い眠り(ノンレム睡眠)に入った睡眠状態か否かを判断する。また、マイクロフォン19を利用するならば、マイクロフォン19が拾った音がいびきであったとすると、被測定者は睡眠状態であったと判断できる。その他、心拍数を計測しても睡眠状態か否かを判断してもよい。
【0030】
図3を参照して、血圧測定のタイミングと生体音録音のタイミングについて説明する。
本実施形態における生体音の録音は、被測定者が睡眠状態の時に行われる。図3は、夜間測定モードにおける血圧測定と生体音録音のタイミングを示している。
【0031】
この夜間測定モードは、予め定めた測定期間Taの血圧測定を一定の間隔Tcを空けて繰り返し、複数回の血圧測定を行う。勿論、連続的に血圧測定を行うことも可能であるが、電源8である電池の消費を低減させることができ、長時間に渡る血圧測定が可能となる。血圧測定は、前述した様に、時間間隔Tcを空けて血圧測定期間Taの血圧測定を繰り返し行う。
【0032】
生体音録音は、血圧測定の際に生体音が発生しているか否かが重要であるため、連続録音の必要は無く、血圧測定期間Taに合わせて、録音期間Tbを設定すればよい。本実施形態では、図3に示すように、血圧測定期間の開始時t2の数分前に録音開始時間t1が設定されている。
【0033】
具体的には、夜間測定モードにおいて、測定時間間隔の設定又は、測定時刻の設定の2通りの測定モードの選択を想定する。即ち、設定時間毎に測定を行うか、21時、22時等の時刻に合わせて計測を行うかが設定できる。測定モードとしては、測定の間隔の設定であれば、間隔10分、15分、30分及び1時間のうちの1つを選択又は、これらの間隔の組み合わせでよい。また、時刻の設定であれば、測定時刻30分おき、1時間おき、…、例えば1時間おきであれば、21時開始、22時、…、5時、6時終了とする。例えば、図4においては、測定時刻を30分毎に設定している。また、血圧測定の期間を5分、10分及び15分の範囲で選択する。この時、生体音の録音時間は、例えば、血圧測定の期間よりも、先に5分長い15分、20分等に設定される。勿論、この5分に限定されるものではなく、周囲温度や被測定者の体調によって、適宜設定してもよい。
【0034】
このような設定は、血圧測定の少し前から生体音の録音を開始することで、音の発生源や強さやリズムが特定しやすくするためである。尚、録音終了時間t3は、血圧測定終了時間と同じでよい。また、生体音録音を間欠的に行うことで、制御部15におけるデータ処理量を減少させることができ、及び記憶部24に記憶させるデータ量も減らすことができる。
【0035】
この例では、生体音の録音時間は、設定時間で規定されているため、生体音の発生の有無に関わらず、血圧測定と共に生体音録音を行っている。これに対して、公知な録音手法として、音源が発生してから発生時に遡って録音を行う技術、所謂遡り録音技術が知られている。この遡り録音と前述した間欠的に設定された生体音録音期間を組み合わせることで、生体音が発生しなかった血圧測定期間の生体音情報が省略されるため、記憶させるデータ量を減少させることができる。
【0036】
ここで、図4を参照して血圧値といびきレベルについて説明する。
図4に示されるように、いびきがある時と無いときでは、最小(hmin)最大(hmax)差は、約20〜約60(mmHg)の差が生じている。一般的に、いびき等の生体音を発生させている場合は、血圧値が高くなる傾向があることが知られている。
従って、図4に示す血圧測定結果を診断に利用した場合には、特に高い血圧値を示している箇所でいびきの有無を確認することで、高くなった要因を特定することができる。また、他の生体音についても同様に、血圧測定時に発生した生体音を確認することは、診察の判断材料の1つとなり得る。このように、生体音の影響の強さを確認することができ、治療に 役立てることができる。
【0037】
次に、図5に示すフローチャートを参照して、血圧測定の手順について説明する。
まず、血圧測定装置1のモード選択部26により夜間測定モードを選択し、前述した測定モードの選択及び設定を行う(ステップS1)。
次に、就寝前に被測定者の上腕のカフ11を装着し、マイクロフォン19の向きを確認する(ステップS2)。ここでは、図2に示すように、回転調整機構19aを調整して、マイクロフォン19の指向性が被測定者の口に向かうように調整する。
【0038】
測定者の就寝と共に、夜間測定モードによる血圧測定を開始する(ステップS3)。この血圧測定は、就寝と共に開始してもよいし、前述した睡眠状態判別部27を利用して開始してもよい。
夜間測定モードにおける定期的な血圧測定と生体音録音が行なわれ(ステップS4)、取得した血圧情報及び生体音情報は、タイマ20により時間情報と関連づけられて記憶部24に順次、記憶される(ステップS5)。
【0039】
測定者又は被測定者に設定された終了設定時刻、例えば朝の7時に達した際に、血圧測定を終了する(ステップS6)。この測定終了と共に、記憶部24に随時記憶された血圧情報の全てを記録部22に転送して記憶媒体23に記憶させる(ステップS7)。
記憶媒体23は、看護師等によって取り出されて、医師に渡されて診断に利用される。
【0040】
前述した実施形態の上腕式血圧測定装置は、カフ11と血圧測定装置本体1とが別体でケーブル等で接続された構成例について説明したが、後述する手首式血圧測定装置と同様にカフ11と血圧測定装置本体1とが一体となった構成もある。この様なカフ一体型上腕式血圧測定装置の場合にも前述したマイクロフォン19、音処理部21及び記録部22他の構成部による構成される音検出部を本体内に配置することができる。一体となった構成であるため、マイクロフォン19は、血圧測定装置本体1側またはカフ11側のどちらに設けられてもよい。マイクロフォン19は、前述したカフ11と同様に、血圧測定装置を上腕に装着した際に、被測定者の口に指向性が向くように配置されている。
【0041】
このカフ一体型上腕式血圧測定装置によれば、カフ11と血圧測定装置本体1を繋ぐケーブルやチューブがなくなるため、睡眠中の被測定者の寝返り等の体動に制限が無くなり、睡眠中にカフ11が上腕の測定箇所からずれて、マイクロフォン19の指向性が外れる等が虞がなくなる。
【0042】
以上のように、本実施形態では、時系列的に血圧測定結果を示すと共に、いびき等の有無を確認することで、測定された血圧値が高くなった要因を特定することができる。他の生体音についても同様に、血圧測定時に発生した生体音を確認することは、診察の判断材料の1つとなり得る。睡眠中の測定に任意の間隔を空けて複数の血圧測定を行っているため、電鍵の消費を低減させることができ、長時間に渡る血圧測定が可能となる。但し、間欠的な血圧測定に限定されず、連続的に血圧測定を行うことも可能である。
また、血圧測定の開始時よりも少し前からいびき等の生体音録音を開始することで、音の発生源や強さやリズムが特定しやすくなる。また、生体音録音も血圧測定に合わせて間欠的に録音時間を設定することにより、制御部15における処理するデータ量を減少させることができ、及び記憶部24に記憶させるデータ量を減らすことができる。
【0043】
[第2の実施形態]
次に図6を参照して、第2の実施形態に係る音検出機能付き血圧測定装置について説明する。前述した第1の実施形態では、上腕式血圧測定装置に音検出部を搭載した例であったが、本実施形態では、手首に装着する手首式血圧測定装置に音検出部を搭載した例である。図6に示す本実施形態の構成部位で前述した図1に示す構成部位と同等のものには、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0044】
本実施形態の手首式血圧測定装置(血圧測定装置)1は、カフ11を除く構成部位が1つの筐体内に収容された構成である。マイクロフォン19は、筐体内に配置され、手首に装着時に、被測定者の口に向く側に設けられればよい。具体的には、形状が矩形箱型であれば、就寝の状態で、前腕を足側にのばした状態では、肩に向く側の側面(第1側面)又はその上面端が好適する。第1側面は、図4に示すカフ11に取り付けられている状態のマイクロフォン19と同じ面位置に相当する。また、前腕が曲げられて腹上におかれている場合には、上述した前腕をのばし、手の甲を上側に向けた状態で、腰に対向する筐体の側面が好適する。よって、手首式血圧測定装置においては、端側で繋がりを持つ2面の側面が録音に適する面となる。そこで、第1の実施形態に比べてマイクロフォン19の指向性を広く設定する。尚、マイクロフォン19は、配置箇所が筐体内には限定されず、第1の実施形態と同様に、カフ11に回転調整機構19aを設けて、角度調整可能に取り付ける構成であってもよい。
【0045】
本実施形態によれば、手首式血圧測定装置に音検出機能を設けた構成であるため、前述した第1の実施形態に加えて、小型軽量化が図れる。また、上腕に装着するよりも、手首の方が容易に装着することができる。さらに、手首式血圧測定装置が備えている機能、例えば、睡眠計を睡眠状態判断部27として利用することもできる。さらに、睡眠状態の情報を血圧値及び生体音発生に組み合わせることで、睡眠の深さといびき等の生体音を血圧に関係づけることも容易である。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0047】
1…血圧測定装置、8…電源、10…間隔、11…カフ、12…エアーポンプ
13…弁、14…圧力センサ、15…制御部、16…表示部、17…操作部、18…電源、19…マイクロフォン、19a…回転調整機構、20…タイマ、21…音処理部、22…記録部、23…記憶媒体、24…記憶部、25…通信部、26…モード選択部、27…睡眠状態判断部、30…測定時刻。
図1
図2
図3
図4
図5
図6