特開2018-153890(P2018-153890A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2018-153890(P2018-153890A)
(43)【公開日】2018年10月4日
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20180907BHJP
   B23B 3/22 20060101ALI20180907BHJP
【FI】
   B23Q11/00 N
   B23B3/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-52170(P2017-52170)
(22)【出願日】2017年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司
(72)【発明者】
【氏名】栗谷 龍彦
(72)【発明者】
【氏名】宮原 克仁
(72)【発明者】
【氏名】徳原 淳
【テーマコード(参考)】
3C011
3C045
【Fターム(参考)】
3C011BB13
3C045BA13
3C045BA23
(57)【要約】
【課題】工具の被保持部を除いた他の部位であって、加工作用部を含む部位に付着した加工屑を効果的に除去することができる工作機械を提供する。
【解決手段】工具Tを保持する工具保持部6と、工具保持部6を少なくとも一軸方向に移動させる送り機構10,11,12と、工具Tの動作領域内に設けられ、開口を有すると共に、工具保持部6から外部に露出した工具Tの一部又は全部を前記開口から格納可能な内部領域を有する格納体22と、工具保持部6、又は格納体22の少なくともいずれかに設けられ、格納体22に格納された工具Tに向けて流体を噴射する流体噴射ノズル23,24と、工具保持部6を移動させることにより工具Tが格納体22内に格納されるように前記送り機構10,11,12を制御すると共に、工具Tが格納体22内に格納された状態で流体が噴射されるように流体噴射ノズル23,24の噴射動作を制御する制御装置15とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具を保持する工具保持部と、
前記工具保持部を少なくとも一軸方向に移動させる送り機構と、
前記工具の動作領域内に設けられ、開口を有すると共に、前記工具保持部から外部に露出した前記工具の一部又は全部を前記開口から格納可能な内部領域を有する格納体と、
前記工具保持部、又は前記格納体の少なくともいずれかに設けられ、前記格納体に格納された前記工具に向けて流体を噴射する流体噴射ノズルと、
前記工具保持部を移動させることにより前記工具が前記格納体内に格納されるように前記送り機構を制御すると共に、前記工具が前記格納体内に格納された状態で前記流体が噴射されるように前記流体噴射ノズルの噴射動作を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記工具保持部は前記工具を装着可能に構成された主軸であり、
更に、回転自在に支持され、且つ工具を保持するタレットを備えてなり、
前記格納体は前記タレットに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記タレットは多角柱状に形成され、且つその側面に複数の機器装着面を有し、
前記格納体は、前記開口とは反対側に底部を有し、該底部側が一の前記機器装着面に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記タレットは多角柱状に形成され、且つその側面に複数の機器装着面を有すると共に前記機器装着面に垂直な端面を有し、
前記格納体は、その外表面部の一部が前記タレットの前記端面に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
【請求項5】
前記工具保持部は、回転自在に支持され、且つ工具を保持するタレットであることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項6】
前記格納体は、前記工具の前記動作領域の外側に設定された位置と、該動作領域内に設定された位置との間で移動可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具に付着した加工屑を除去する機構を備えた工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械を用いた加工の分野では、従来より、加工によって生じる加工屑の処理が解決すべき課題の一つとなっている。例えば、切削加工によって生じた切屑が工具の刃先に巻きついたり、或いは付着すると、このような切屑によって、加工面の面精度が悪化したり、最悪の場合には、切削工具の刃先が欠損するという問題につながる。
【0003】
そこで、従来、刃物台のタレットに、工具刃先に向けてクーラントを噴射するクーラントノズルと、同じく工具刃先に向けてエアーを噴射するエアブローノズルとを設けた工作機械が提案されている(下記特許文献1参照)。この工作機械によれば、切屑が工具刃先に巻き付いたり、付着するのが、クーラントノズルから噴射されるクーラントや、エアブローノズルから噴射されるエアブローによって防止される。尚、このようなクーラントやエアブローは工具刃先やワークを冷却する役割も担っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平2−7786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現在では、複数の工具を収納可能な工具マガジンを備え、このような工具マガジンから適宜必要な工具を取り出して、主軸に装着された工具と交換する工具交換装置を備えた工作機械が一般的なものとなってきている。
【0006】
そして、このような工作機械では、主軸穴に保持される工具の被保持部に切屑が付着していると、当該工具を主軸に装着した際に、工具が振れた状態で主軸に装着され、また、工具の被保持部と主軸穴との間に切屑が噛み込むことによってこれらが損傷するという問題を生じる。
【0007】
そこで、従来、このような問題が生じるのを防止するために、工具を主軸から取り外して工具マガジンに戻す際に、エアブローにより当該工具の被保持部を清掃することによって、被保持部に切屑が付着した状態の工具が工具マガジン内に戻されるのを防ぐようにしている。
【0008】
ところが、このように工具の被保持部のみを清掃するだけでは、工具マガジン内において、工具の被保持部を清浄な状態を保つことができないという問題があった。即ち、工具の被保持部以外の他の部分に切屑が付着している場合には、工具マガジン内で工具が移送される際に、当該工具に付着した切屑が移送中の振動によって落下或いは飛散し、その下方或いは周囲に位置する他の工具の被保持部に付着する虞があるのである。
【0009】
したがって、工具マガジン内において、工具の被保持部を清浄な状態に保つためには、工具の被保持部以外の部位に付着した切屑を除去する必要があるが、上述した従来のクーラントやエアブローでは加工中に生じる切屑が工具刃先に巻き付いたり、付着するのを防止するためのものであるため、クーラントやエアブローの噴射領域は工具刃先に集中しており、このため工具刃先及び被保持部を除く部位に巻き付いたり付着した切屑を十分に除去することはできなかった。
【0010】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、工具の被保持部を除いた他の部位であって、加工作用部を含む部位に付着した加工屑を効果的に除去することができる工作機械の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本発明は、
工具を保持する工具保持部と、
前記工具保持部を少なくとも一軸方向に移動させる送り機構と、
前記工具の動作領域内に設けられ、開口を有すると共に、前記工具保持部から外部に露出した前記工具の一部又は全部を前記開口から格納可能な内部領域を有する格納体と、
前記工具保持部、又は前記格納体の少なくともいずれかに設けられ、前記格納体に格納された前記工具に向けて流体を噴射する流体噴射ノズルと、
前記工具保持部を移動させることにより前記工具が前記格納体内に格納されるように前記送り機構を制御すると共に、前記工具が前記格納体内に格納された状態で前記流体が噴射されるように前記流体噴射ノズルの噴射動作を制御する制御装置とを備えた工作機械に係る。
【0012】
この工作機械によれば、前記制御装置による制御の下で前記送り機構を駆動し、前記工具保持部を一軸方向に移動させることにより、当該工具保持部から外部に露出した前記工具の一部又は全部を、前記格納体の開口からその内部領域に格納することができ、また、逆に当該格納体から取り出すことができる。
【0013】
そして、工具が格納体に格納された状態で、前記制御装置による制御の下、前記流体噴射ノズルから工具に向けて流体を噴射させると、この流体噴射ノズルから噴射される流体は、好ましくは格納体に格納された工具の全域に作用し、当該工具の、前記格納体内に格納された部位に付着した加工屑が、噴射される流体によって除去される。
【0014】
このように、この工作機械によれば、加工を終了した工具の加工作用部を含む適宜部位を格納体内に格納し、ついで、流体噴射ノズルから流体を噴射させることで、工具の加工作用部等に付着した加工屑を当該噴射流体によって除去することができる。また、閉じられた空間である格納体内において加工屑の除去を行うので、除去される加工屑が周囲に飛散するのを防止することができる。
【0015】
斯くして、このような工作機械に上述した工具交換装置が設けられる場合には、工具の、前記工具保持部によって保持される部位(被保持部)以外の部位を清浄にした状態で工具マガジンに格納することができる。そして、このような作用によって、当該工具マガジン内を清浄に保つことができ、また、工具マガジン内において、工具の被保持部が加工屑によって汚損されるのを防止することができる。また、工具の加工作用部を十分に清浄な状態にすることができるので、工具の切れ刃であるスローアウェイチップを交換する際には、追加の清掃作業(エアブロー等)を要することなく交換作業を行うことができ、オペレータは効率的に当該交換作業を行うことができる。
【0016】
尚、本発明において、前記格納体の形状は何ら限定されるものではなく、例えば筐体状又は円筒状等の形状とすることができる。また、前記流体噴射ノズルから噴射させる流体には、液体及び気体を用いることができ、より具体的には、工作機械で一般的に用いられるクーラント液や圧縮空気を用いることができる。
【0017】
また、本発明に係る工作機械は、回転自在に支持され、且つ工具を保持するタレットを更に備えていても良く、この場合において、当該工作機械は、前記工具を装着可能に構成された主軸を前記工具保持部とし、前記格納体を前記タレットに取り付けた態様を採ることができる。
【0018】
上記態様によれば、回転自在に設けられたタレットに格納体が配設されるので、タレットと共に格納体を回転させることができる。したがって、流体噴射ノズルによる加工屑の除去後に工具を格納体内から取り出し、その後、格納体の開口が下方に向く位置までタレットを回転させることで、当該格納体内に堆積された加工屑を加工領域の下部域に排出することができる。尚、一般的な工作機械の態様において、この下部域には、通常、加工屑を機外に排出するためのコンベア等が設けられている。
【0019】
また、本発明では、前記タレットは多角柱状に形成され、且つその側面に複数の機器装着面を有し、前記格納体は、前記開口とは反対側に底部を有し、該底部側が一の前記機器装着面に取り付けられた態様を採ることができる。
【0020】
また、本発明では、前記タレットは多角柱状に形成され、且つその側面に複数の機器装着面を有すると共に前記機器装着面に垂直な端面を有し、前記格納体は、その外表面部の一部が前記タレットの前記端面に取り付けられた態様を採ることができる。
【0021】
また、本発明では、前記工具保持部を、回転自在に支持され、且つ工具を保持するタレットから構成した態様としても良く、この場合、前記格納体は、前記工具の前記動作領域の外側に設定された位置と、当該動作領域内に設定された位置との間で移動可能に構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る工作機械によれば、加工を終了した工具の加工作用部を含む適宜部位を格納体内に格納し、ついで、流体噴射ノズルから流体を噴射させることで、工具の加工作用部等に付着した加工屑を当該噴射流体によって除去することができ、また、閉じられた空間である格納体内において加工屑の除去を行うので、除去される加工屑が周囲に飛散するのを防止することができる。
【0023】
そして、このような工作機械に工具交換装置が設けられる場合には、工具の被保持部以外の部位を清浄にした状態で工具マガジンに格納することができ、このような作用によって、当該工具マガジン内を清浄に保つことができ、また、工具マガジン内において、工具の被保持部が加工屑によって汚損されるのを防止することができる。また、工具の加工作用部を十分に清浄な状態にすることができるので、工具の切れ刃であるスローアウェイチップを交換する際には、追加の清掃作業を要することなく交換作業を行うことができ、オペレータは効率的に当該交換作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る工作機械を示す正面図である。
図2】本発明の他の実施形態に係る工作機械を示す正面図である。
図3】本発明の更に他の実施形態に係る工作機械を示す正面図である。
図4】本発明の更に他の実施形態に係る工作機械を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係る工作機械について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係る工作機械について、図1に基づき説明する。図1に示すように、本例の工作機械1は、その主たる構造物として、ベッド2、このベッド2上に矢示Z軸方向(左右方向)に沿って移動可能に設けられた往復台3、往復台3上に紙面に対して直交するY軸方向(前後方向)に沿って移動可能に設けられたコラム4、コラム4の前面に矢示X軸方向(鉛直方向)に沿って移動可能に設けられたサドル5、コラム4より左側のベッド2上に設けられた主軸台7等を備えている。
【0027】
前記サドル5には、工具Tを保持して、当該工具Tを前記Y軸と直交する回転軸を中心に回転させる工具主軸6が設けられており、工具主軸6は前記Y軸と平行な旋回軸を中心に旋回可能となっている。また、前記主軸台7には、軸線が前記Z軸に沿うように配設されたワーク主軸8が、当該軸線中心に回転自在に支持されており、更に、このワーク主軸8の端部には、ワーク(図示せず)を把持するチャック9が設けられている。
【0028】
尚、前記往復台3はZ軸送り機構12によって前記Z軸方向に移動し、コラム4はY軸送り機構11によって前記Y軸方向に移動し、サドル5はX軸送り機構10によって前記X軸方向に移動する。
【0029】
また、正面から見てコラム4の右側の上部には切屑除去機構20が配設されている。この切屑除去機構20は、支持台21と、支持台21に支持される移動台22と、この移動台22に支持される格納体23と、この格納体23内に設けられた2つの流体噴射ノズル24とを備えて構成される。
【0030】
前記移動台22は、X軸−Z軸平面内において右肩上がりの約30度の角度に沿った矢示A方向に移動可能に設けられており、図示しない適宜移送機構により駆動されて、工具Tの動作領域内に設定された進出位置と、工具Tの動作領域外に設定された退避位置との間で進退する。
【0031】
また、格納体23は、前記工具Tが出入り可能な開口部23aを有する、有底の筐体状をした部材から構成される。そして、図1に示すように、工具主軸6を切屑除去位置として設定された位置に移動させるとともに、その軸線が前記矢示A方向に沿う角度となるように旋回させた状態で、前記移動台22を進出位置に進出させると、工具主軸6に保持された工具Tの、当該工具主軸6から外部に露出した部分が、前記開口部23aから格納体23の内部に進入して当該格納体23内に格納された状態となり、この状態から移動台22を前記退避位置に後退させると、工具Tが格納体23から取り出された状態となる。尚、この退避位置は、工具T及び工具主軸6の動作領域から外れた位置であり、格納体23と工具T及び工具主軸6とが干渉しない位置である。
【0032】
前記流体噴射ノズル24には、適宜圧縮空気供給源(図示せず)から適宜配管(図示せず)を介して圧縮空気が供給される。また、工具主軸6の工具T側の端部にも流体噴射ノズル25が設けられており、この流体噴射ノズル25にも同様にして圧縮空気が供給される。これら流体噴射ノズル24及び25は、それぞれ前記格納体23内の工具Tに向けて圧縮空気を噴出するように配置されており、適宜制御弁(図示せず)によって圧縮空気の噴射が制御されるようになっている。
【0033】
更に、この工作機械には、図示しない工具交換装置が付設されている。この工具交換装置は、複数の工具を保持する工具マガジンと工具交換アームとを備えて構成され、工具交換アームは、工具主軸6が工具交換位置に在るときに、当該工具主軸6に保持された工具Tと、工具マガジン内から選出された適宜工具とを交換する。
【0034】
また、前記X軸送り機構10、Y軸送り機構11、Z軸送り機構12、工具主軸6、ワーク主軸8、前記各制御弁(図示せず)及び前記工具交換装置(図示せず)は、制御装置15によってその作動が制御される。
【0035】
以上の構成を備えた本例の工作機械1によれば、制御装置15による制御の下で、X軸送り機構10、Y軸送り機構11及びZ軸送り機構12により工具主軸6を3次元空間内で移動させることで、チャック9に把持されたワーク(図示せず)が、当該工具主軸6に保持された工具Tによって加工される。
【0036】
そして、当該工具Tを用いた加工を終了すると、前記制御装置15による制御の下で、工具主軸6を切屑除去位置に移動させた後、以下のようにして、工具Tに付着した切屑を切屑除去機構20によって除去する。即ち、まず、工具主軸6を、その軸線が矢示A方向に沿う角度となるように旋回させた後、移送機構(図示せず)によって移動台22を進出位置に進出させる。これにより、工具主軸6に保持された工具Tの、当該工具主軸6から外部に露出した加工作用部(刃部)を含む部位が、開口部23aから格納体23の内部に進入して当該格納体23内に格納された状態となる。
【0037】
次に、同じく制御装置15による制御の下で、制御弁(図示せず)を駆動して、格納体23の底部に設けた前記流体噴射ノズル24、及び前記工具主軸6の端部に設けた流体噴出ノズル25から格納体23内の工具Tに向けて圧縮空気を噴出させる。これにより、工具Tの格納体23内に格納された部位に付着した切屑が、圧縮空気の噴流によって当該工具Tから除去される。斯くして、工具Tに付着した切屑は、格納体23の内部領域という閉じられた空間内に噴出される圧縮空気の噴流によって除去されるので、極めて効果的に除去され、また、除去された切屑が周囲に飛散するのが防止される。
【0038】
このようにして、流体噴射ノズル24及び25から圧縮空気を所定時間噴出させて工具Tを清掃すると、次に、前記移送機構(図示せず)により前記移動台22を前記退避位置に後退させて、当該工具Tが格納体23から取り出された状態にする。そして、この後、前記工具交換装置(図示せず)による工具交換を行う。
【0039】
以上のように、本例の工作機械1によれば、加工を終了した工具Tを格納体23内に格納し、ついで、流体噴射ノズル24,25から圧縮空気を噴出させることにより、工具Tに付着した切屑を除去することができる。また、閉じられた空間である格納体23内で切屑を除去するようにしているので、除去される切屑が周囲に飛散するのを防止することができる。また、格納体23は開口23aが下に向くように斜めに配設されているので、格納体23内で除去された切屑は自然に下方に落下する。
【0040】
斯くして、この工作機械1によれば、工具Tの、工具主軸6によって保持される部位以外の部位を清浄にした状態で前記工具マガジン(図示せず)に格納することができるので、当該工具マガジン(図示せず)内を清浄に保つことができ、当該工具マガジン(図示せず)内において、工具Tの被保持部が切屑によって汚損されるのを防止することができる。
【0041】
また、工具Tの刃部を十分に清浄な状態にすることができるので、工具Tが切削工具である場合に、そのスローアウェイチップを交換する際には、上述した切屑除去動作を行うことで、オペレータは追加の清掃作業を要することなく、効率的に当該スローアウェイチップの交換作業を行うことができる。
【0042】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る工作機械について、図2に基づき説明する。図2に示すように、本例の工作機械30の構成は、上述した第1の実施形態に係る工作機械1の構成に比べて、切屑除去機構20に係る構成を削除し、その代わりに、タレット31を設けるとともに、このタレット31に上例の格納体23を取り付けた点が異なっている。したがって、本例の工作機械30において、上述した工作機械1と同じ構成部分については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0043】
本例の工作機械30は、多角柱形状をしたタレット31を備えている。このタレット31は、その軸線が前記Z軸と平行に設けられ、当該軸線を中心に回転可能になっている。また、このタレット31は、図示しない適宜送り機構によって前記X軸方向及びZ軸方向に移動するようになっている。また、タレット31の外周の複数の側面31a、及び前記主軸8側の端面31bはそれぞれ工具取付面となっており、本例では、前記X軸と直交する側面31a、言い換えれば、前記工具主軸6と対向可能な側面31aに、ブラケット34を介して格納体23が取り付けられている。尚、格納体23は、その開口部23aが工具主軸6側に位置するように、側面31aから工具主軸6側に突出した状態で、底部23bがブラケット34に取り付けられている。
【0044】
そして、この工作機械30では、図2に示すように、工具主軸6をその軸線がX軸と平行になる角度に旋回させるとともに、前記X軸送り機構10、Y軸送り機構11及びZ軸送り機構12により前記工具主軸6を移動させて、工具主軸6に保持された工具Tが前記格納体23の上方位置でこれと同軸となる状態にした後、X軸送り機構10により工具主軸6をX軸に沿って下方に移動させると、工具Tの工具主軸6から外部に露出した部分が、前記開口部23aから格納体23の内部に進入して当該格納体23内に格納された状態となり、この状態から工具主軸6をX軸に沿って上方に移動させると、当該工具Tが格納体23から取り出された状態となる。
【0045】
このように構成された工作機械30では、工具主軸6に保持された工具Tによる加工を終了すると、まず、前記制御装置15による制御の下で、工具主軸6を、その軸線がX軸と平行になる角度に旋回させるとともに、工具Tが格納体23の上方位置でこれと同軸となるように移動させる。そして、工具主軸6をX軸に沿って下方に移動させて、当該工具主軸6に保持された工具Tが開口部23aから格納体23の内部に進入して当該格納体23内に格納された状態にする。
【0046】
次に、前記制御装置15による制御の下で、前記制御弁(図示せず)を駆動して、格納体23の底部に設けた前記流体噴射ノズル24、及び前記工具主軸6の端部に設けた流体噴出ノズル25から圧縮空気を噴出させる。これにより、工具Tの格納体23内に格納された部分に付着した切屑が、圧縮空気の噴流によって当該工具Tから除去される。斯くして、工具Tに付着した切屑は、格納体23の内部領域という閉じられた空間内に噴出される圧縮空気の噴流によって除去されるので、極めて効果的に除去され、また、除去された切屑が周囲に飛散するのが防止される。このように、この工作機械30によっても上述した第1の実施形態に係る工作機械1と同様の効果が奏される。
【0047】
また、この工作機械30では、旋盤において一般的に備えられるタレット31に格納体23を取り付けた構成を採用したので、上述した工作機械1における切屑除去機構20のような特別な機構が不要であり、設備に要するコストを軽減することができる。
【0048】
尚、この工作機械30では、除去された切屑が格納体23内に堆積されるが、格納体23の開口部23aが下方に向く位置までタレット31を回転させることで、格納体23内に堆積された切屑を当該開口部23aからその下方域に排出することができる。そして、排出された切屑は、タレット31の下方域に設けられるチップコンベア(図示せず)によって機外に排出される。
【0049】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る工作機械について、図3に基づき説明する。図3に示すように、本例の工作機械40の構成は、上述した第2の実施形態に係る工作機械30の構成に比べて、タレット31に取り付ける格納体23の取付位置が異なっている。したがって、本例の工作機械40において、上述した工作機械30、及び工作機械1と同じ構成部分については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0050】
図3に示すように、本例の工作機械40では、前記格納体23がブラケット41を介してタレット31の端面31bに取り付けられている。尚、格納体23の開口部23aは工具主軸6側に位置し、その外表面23cがブラケット41に取り付けられている。また、格納体23は、工具主軸6の動作によって、当該工具主軸6の下方位置で、これと同軸となることが可能な位置に取り付けられている。
【0051】
そして、この工作機械40においても、図3に示すように、工具主軸6をその軸線がX軸と平行になる角度に旋回させるとともに、前記X軸送り機構10、Y軸送り機構11及びZ軸送り機構12により前記工具主軸6を移動させて、工具主軸6に保持された工具Tが前記格納体23の上方位置でこれと同軸となる状態にした後、X軸送り機構10により工具主軸6をX軸に沿って下方に移動させると、工具Tの工具主軸6から外部に露出した部分が、前記開口部23aから格納体23の内部に進入して当該格納体23内に格納された状態となり、この状態から工具主軸6をX軸に沿って上方に移動させると、工具Tが格納体23から取り出された状態となる。
【0052】
このように構成された工作機械40では、工具主軸6に保持された工具Tによる加工を終了すると、まず、前記制御装置15による制御の下で、工具主軸6を、その軸線がX軸と平行になる角度に旋回させるとともに、工具Tが格納体23の上方位置でこれと同軸となる位置に移動させる。そして、工具主軸6をX軸に沿って下方に移動させて、当該工具主軸6に保持された工具Tが開口部23aから格納体23の内部に進入して当該格納体23内に格納された状態にする。
【0053】
次に、前記制御装置15による制御の下で、前記制御弁(図示せず)を駆動して、格納体23の底部に設けた前記流体噴射ノズル24、及び前記工具主軸6の端部に設けた流体噴出ノズル25から圧縮空気を噴出させる。これにより、工具Tの格納体23内に格納された部分に付着した切屑が、圧縮空気の噴流によって当該工具Tから除去される。斯くして、工具Tに付着した切屑は、格納体23の内部領域という閉じられた空間内に噴出される圧縮空気の噴流によって除去されるので、極めて効果的に除去され、また、除去された切屑が周囲に飛散するのが防止される。このように、この工作機械40によっても上述した第1の実施形態に係る工作機械1と同様の効果が奏される。
【0054】
また、この工作機械40においても、旋盤において一般的に備えられるタレット31に格納体23を取り付けた構成を採用したので、上述した工作機械1における切屑除去機構20のような特別な機構が不要であり、設備に要するコストを軽減することができる。
【0055】
また、この工作機械40においても、除去された切屑が格納体23内に堆積されるが、格納体23の開口部23aが下方に向く位置までタレット31を回転させることで、格納体23内に堆積された切屑を当該開口部23aからその下方域に排出することができる。そして、排出された切屑は、タレット31の下方域に設けられるチップコンベア(図示せず)によって機外に排出される。
【0056】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る工作機械について、図4に基づき説明する。図4に示すように、本例の工作機械50は、上述した第1の実施形態に係る工作機械1に比べて、切屑除去機構20の代わりに切屑除去機構20’を設け、更に、第2の実施形態と同様のタレット31を設けた点が異なる。したがって、本例の工作機械50において、上述した工作機械1,30,40と同じ構成部分については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0057】
図4に示すように、本例の工作機械50では、タレット31の側面31aに工具Tbが保持されており、前記チャック9に把持されたワーク(図示せず)が当該工具Tbによって加工される。尚、当然のことながら前記工具主軸6に保持された工具Taによっても前記ワーク(図示せず)を加工することができる。
【0058】
そして、このタレット31のZ軸方向における後退端、即ち、主軸8とは反対側のZ軸方向における移動端の上方に、切屑除去機構20’が設けられている。この切屑除去機構20’は、支持台21’と、支持台21’に支持される移動台22’と、この移動台22’に支持される格納体23’と、この格納体23’内に設けられた2つの流体噴射ノズル24’とを備えて構成される。
【0059】
前記移動台22’は、X軸方向に移動可能に設けられており、図示しない適宜移送機構により駆動されて、下方の移動端として工具Tbの動作領域内に設定された進出位置と、上方の移動端として工具Tbの動作領域外に設定された退避位置との間で進退する。
【0060】
前記格納体23’は、前記工具Tbが出入り可能な開口部23a’を有する、有底の筐体状をした部材から構成されており、当該格納体23’は前記タレット31がZ軸方向における後退端にあるとき、当該タレット31の加工位置に取り付けられた工具Tbの上方位置で、これと同軸となるように配置されている。そして、前記移送機構(図示せず)により前記移動台22’が進出位置に進出させると、タレット31に取り付けられた工具Tbが前記開口部23a’から格納体23’の内部に進入して当該格納体23’内に格納された状態となり、前記移送機構(図示せず)により前記移動台22’が前記退避位置に後退すると、工具Tbが格納体23’から取り出された状態となる。
【0061】
前記流体噴射ノズル24’は、前記開口23aとは反対側に位置する格納体23’内の底部に設けられており、適宜圧縮空気供給源(図示せず)から適宜配管(図示せず)を介して供給される圧縮空気を前記格納体23’内に格納された工具Tbに向けて噴出する。尚、この流体噴射ノズル24’からの圧縮空気の噴出は、前記制御装置15によりその作動が制御される適宜制御弁(図示せず)によって制御される。
【0062】
斯くして、この工作機械50によれば、前記工具Tbを用いた加工を終了すると、前記制御装置15による制御の下で、まず、タレット31をZ軸方向の後退端(この位置が切屑除去位置となる)に移動させた後、前記移送機構(図示せず)によって前記移動台22’を前記進出位置に進出させる。これにより、タレット31に保持された工具Tbが前記開口部23a’から格納体23’の内部に進入して当該格納体23’内に格納された状態となる。
【0063】
次に、同じく制御装置15による制御の下で、前記制御弁(図示せず)を駆動して、格納体23’の底部に設けた前記流体噴射ノズル24’から圧縮空気を噴出させる。これにより、工具Tbの格納体23’内に格納された部分に付着した切屑が、圧縮空気の噴流によって当該工具Tbから除去される。斯くして、工具Tbに付着した切屑は、格納体23’の内部領域と言う閉じられた空間内に噴出される圧縮空気の噴流によって除去されるので、極めて効果的に除去され、また、除去された切屑が周囲に飛散するのが防止される。また、格納体23’は開口23a’が下に向くように配設されているので、格納体23’内で除去された切屑は自然に下方に落下する。このように、この工作機械50によっても上述した第1の実施形態に係る工作機械1と同様の効果が奏される。
【0064】
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明が採り得る態様は、何ら上例のものに限定されるものではない。
【0065】
例えば、格納体23及び23’の形状は、上例の筐体形状に限られるものではなく、円筒形状や半球形状等の形状であっても良い。
【0066】
また、前記流体噴射ノズル24,24’が設けられる位置は上述した位置に限られるものではなく、格納体23,23’に格納された工具T,Tbに対して圧縮空気の噴流を作用さることができれば、どこに設けられていても良い。また、流体噴射ノズル24及び24’と流体噴射ノズル25とは、そのいずれか一方が設けられていれば良い。また、流体噴射ノズル24,24’,25のそれぞれの個数についても何ら限定されるものではない。
【0067】
また、前記流体噴射ノズル24,24’,25から噴射させる流体には、圧縮空気のような気体の他に液体を用いることができ、より具体的には、工作機械で一般的に用いられるクーラント液を用いることができる。
【0068】
また、上述した工具には、フェイスミル、エンドミル、ドリル、バイトなどの切削工具の他、砥石などの研削工具が含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1 工作機械
2 ベッド
3 往復台
4 コラム
5 サドル
6 工具主軸
7 主軸台
8 ワーク主軸
9 チャック
10 X軸送り機構
11 Y軸送り機構
12 Z軸送り機構
15 制御装置
20,20’ 切屑除去機構
21,21’ 支持台
22,22’ 移動台
23,23’ 格納体
23a,23a’ 開口部
23b 底面
23c 外表面
24,24’ 流体噴射ノズル
25 流体噴射ノズル
31 タレット
31a 側面
31b 端面
T,Ta,Tb 工具
図1
図2
図3
図4